JPH0919637A - 二酸化マンガン触媒とその製造方法、及びそれを用いたカルボン酸アミドの製造方法 - Google Patents

二酸化マンガン触媒とその製造方法、及びそれを用いたカルボン酸アミドの製造方法

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JPH0919637A
JPH0919637A JP7192577A JP19257795A JPH0919637A JP H0919637 A JPH0919637 A JP H0919637A JP 7192577 A JP7192577 A JP 7192577A JP 19257795 A JP19257795 A JP 19257795A JP H0919637 A JPH0919637 A JP H0919637A
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JP
Japan
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polyhydric alcohol
manganese dioxide
nitrile
catalyst
carboxylic acid
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Application number
JP7192577A
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Keiko Miki
恵子 三木
Kazuyuki Matsuoka
一之 松岡
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Daicel Corp
Original Assignee
Daicel Chemical Industries Ltd
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Publication date
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Publication of JPH0919637A publication Critical patent/JPH0919637A/ja
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  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ニトリル水和反応に対し再現性のある触媒活
性を示す二酸化マンガン触媒を得る。 【解決手段】 二酸化マンガン触媒は、過マンガン酸塩
を多価アルコールにより還元処理することにより得られ
る。前記多価アルコールには、マンニット、グリセリ
ン、エリトリット、ソルビット、マンニタン等の炭素数
2〜10程度の脂肪族多価アルコール又は非芳香族性環
式多価アルコールなどが含まれる。前記二酸化マンガン
触媒の存在下、ニトリルを水和することにより、カルボ
ン酸アミドを高い収率及び選択率で得ることができる。
前記ニトリルには、例えば、ラクトニトリル、2−ヒド
ロキシ−4−メチルチオブタンニトリル等のα−シアン
ヒドリン化合物などが含まれる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ニトリルから対応
するカルボン酸アミドを製造する際の触媒などとして有
用な二酸化マンガン触媒とその製造方法、及びそれを用
いたカルボン酸アミドの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ニトリルを水和することにより対応する
カルボン酸アミドを製造することができる。この水和反
応は、例えば、アクリロニトリルからアクリルアミドを
製造する方法、シアンヒドリン化合物からヒドロキシカ
ルボン酸アミドを経由してヒドロキシカルボン酸、ヒド
ロキシカルボン酸エステル又は不飽和カルボン酸エステ
ルなどを製造する方法に利用できる重要な反応である。
【0003】ニトリルの水和反応を利用してカルボン酸
を製造する方法として、硫酸触媒の存在下、ニトリルの
水和により生成するカルボン酸アミドを経由してカルボ
ン酸を製造する方法(硫酸法)が知られている。
【0004】しかし、この硫酸法では、下記式(a)に
示されるように、重硫酸アンモニウムが副生するため、
その副生物の処理設備を必要とする。このため、硫酸法
では高い作業効率で経済的にカルボン酸を製造するのが
困難である。したがって、硫酸触媒を必要としないニト
リルの水和によるカルボン酸アミドの製造方法の開発が
望まれていた。
【0005】 RCN+H2SO4+H2O →RCONH2・H2SO4 RCONH2・H2SO4+H2O →RCOOH+NH4HSO4 (a) 一方、二酸化マンガンがニトリル水和反応に対して優れ
た触媒活性を示すことは、例えば、Bull. Chem. Jpn.,
59,2983〜2989(1986年)、及び Chemi
stry Letters,183〜186(1982年)に記載さ
れている。これらの文献によれば、二酸化マンガンの触
媒活性は調製法により異なると共に、電解マンガンの示
す触媒活性よりも低い。
【0006】また、特開昭63−57535号公報に
は、二酸化マンガンの調製は一般的に難しく、得られた
二酸化マンガンの有する触媒活性がバッチ毎に異なるた
め、再現性のある触媒活性を有する二酸化マンガン触媒
を調製するには特別の熟練を必要とすることが記載され
ている。
【0007】二酸化マンガンは種々の方法で調製されて
いる。例えば、特開昭55−222号公報には、ツアイ
トシュリフト・フュア・アノルガニッシェ・ウント・ア
ルゲマイネ・ケミー(Zeitschrift fur anorganische u
nd allgemeine Chemie)、309、1〜36及び121
〜150(1961年)記載の方法に従い、中性〜アル
カリ性条件下、20〜100℃で7価のマンガンを還元
して二酸化マンガンを得る方法が記載されている。ま
た、米国特許第3366639号明細書には、等量の硫
酸マンガンと過マンガン酸カリウムとを、小過剰の水酸
化ナトリウムの存在下、80℃に加熱する方法が開示さ
れている。さらに、特開昭55−87749号公報に
は、硝酸マンガンの熱分解による二酸化マンガンの製造
法、特開昭55−98146号公報には、炭酸マンガン
の熱分解による二酸化マンガンの製造法、特開平3−6
8447号公報には、過マンガン酸塩と2価のマンガン
化合物とを酸性水溶液中、60〜150℃で反応させる
方法、特開平6−269666号公報には、過マンガン
酸塩をヒドラジン類又はヒドロキシカルボン酸で還元す
る方法が開示されている。
【0008】しかし、これらの調製法においても、ニト
リル水和反応に対する触媒活性の再現性のみならず、ニ
トリル水和反応に対する触媒活性及び反応選択性に関し
て、必ずしも満足できる結果は得られない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、ニトリル水和反応に対して再現性のある触媒活
性を有する二酸化マンガン触媒及びその製造方法を提供
することにある。
【0010】本発明の他の目的は、ニトリル水和反応に
対し高い触媒活性を示し、高い選択率でカルボン酸アミ
ドを製造できる二酸化マンガン触媒及びその製造方法を
提供することにある。
【0011】本発明のさらに他の目的は、ニトリルから
対応するカルボン酸アミドを高い収率及び選択率で製造
する方法を提供することにある。
【0012】本発明の別の目的は、硫酸触媒を用いるこ
となく、ニトリルを水和してカルボン酸アミドを製造す
る方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、ニトリル
水和用二酸化マンガン触媒の調製方法について鋭意検討
した結果、過マンガン酸塩を多価アルコールにより還元
処理すると、ニトリル水和反応において再現性の高い触
媒活性を有する二酸化マンガン触媒が得られることを見
出だし、本発明を完成した。
【0014】すなわち、本発明は、過マンガン酸塩を多
価アルコールにより還元処理して生成した二酸化マンガ
ン触媒を提供する。
【0015】本発明は、また、過マンガン酸塩を多価ア
ルコールにより還元処理して生成したニトリル水和用触
媒を提供する。前記多価アルコールには、脂肪族多価ア
ルコール、非芳香族性環式多価アルコールが含まれる。
前記多価アルコールの炭素数は2〜10程度である場合
が多い。
【0016】本発明は、さらに、過マンガン酸塩を多価
アルコールにより還元処理する二酸化マンガン触媒の製
造方法を提供する。
【0017】本発明は、さらにまた、前記触媒の存在
下、ニトリルを水和するカルボン酸アミドの製造方法を
提供する。前記ニトリルとしてシアンヒドリン化合物な
どを使用できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書中の「二酸化マンガン触媒」は、α型、
β型、γ型、δ型などの結晶構造を問わず、化学量論的
にMnO2〜MnO1.7程度の範囲にある二酸化マンガン
触媒を意味する。また、多価「アルコール」は、フェノ
ール性ヒドロキシル基を有する化合物をも含む意味に用
いる。
【0019】前記過マンガン酸塩には、例えば、過マン
ガン酸リチウム、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン
酸カリウム等のアルカリ金属塩;過マンガン酸マグネシ
ウム、過マンガン酸カルシウム、過マンガン酸ストロン
チウム、過マンガン酸バリウム等のアルカリ土類金属
塩;アンモニウム塩である過マンガン酸アンモニウム;
などが含まれる。これらの過マンガン酸塩は水和物であ
ってもよい。また、これらの過マンガン酸塩は単独で用
いてもよく、また2種類以上用いてもよい。
【0020】好ましい過マンガン酸塩には水溶性過マン
ガン酸塩が含まれる。なかでも、水溶性の過マンガン酸
塩であって、しかも還元処理の際に副生する金属水酸化
物が水溶性であり、生成する二酸化マンガンと容易に分
離できる過マンガン酸塩、例えば、過マンガン酸カリウ
ム、過マンガン酸ナトリウム、過マンガン酸リチウム等
のアルカリ金属塩などが好ましい。
【0021】前記多価アルコールは、特に限定されず、
鎖状多価アルコール、非芳香族性環式多価アルコール及
び多価フェノール類などから広く選択できる。
【0022】前記鎖状多価アルコールには、脂肪族多価
アルコール及び芳香族多価アルコールなどが含まれる。
【0023】脂肪族多価アルコールとしては、例えば、
エチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,
3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,
3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペ
ンチルグリコール、1,6−ヘキサンジオール、ジエチ
レングリコール、ポリエチレングリコール、ジプロピレ
ングリコール、ポリプロピレングリコールなどの2価ア
ルコール;グリセリン、1,2,3−ブタントリオー
ル、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンな
どの3価アルコール;ペンタエリトリット、トレイッ
ト、エリトリットなどの4価アルコール;アラビット、
リビット、キシリットなどの5価アルコール;ソルビッ
ト、マンニット、イジット、タリット、ガラクチット、
アリットなどの6価アルコール;ボレミット、ペルセイ
ットなどの7価アルコール;エリトロガラクチットなど
の8価アルコール;グルコノニットなどの9価アルコー
ル;グルコデシットなどの10価アルコールなどを挙げ
ることができる。これらのうち、グリセリン、トレイッ
ト、エリトリット、アラビット、キシリット、ソルビッ
ト、マンニット、ガラクチット、グルコデシットなど
は、糖のカルボニル基(アルデヒド基又はケトン基)を
還元して得られる鎖状糖アルコールとして知られてい
る。
【0024】芳香族多価アルコールとしては、o−キシ
リレンアルコール、m−キシリレンアルコール、p−キ
シリレンアルコール、2−ヒドロキシ−2−フェニルエ
タノールなどが例示できる。
【0025】前記非芳香族性環式多価アルコールには、
非芳香族性の環にヒドロキシル基が2個以上結合した種
々のアルコール、例えば、脂環式多価アルコール、及び
前記鎖状多価アルコールの分子内脱水縮合により生成す
る、環内にエーテル結合を有する環状多価アルコールな
どが含まれる。
【0026】前記脂環式多価アルコールとしては、シク
ロペンタン−1,2−ジオール、シクロペンタン−1,
3−ジオール、シクロヘキサン−1,2−ジオール、シ
クロヘキサン−1,3−ジオール、シクロヘキサン−
1,4−ジオールなどの2価アルコール;シクロヘキサ
ン−1,2,3−トリオール、シクロヘキサン−1,
2,4−トリオール、シクロヘキサン−1,3,5−ト
リオールなどの3価アルコール;シクロヘキサン−1,
2,3,4−テトロール、シクロヘキサン−1,2,
4,5−テトロールなどの4価アルコール;クェルシッ
トなどの5価アルコール;イノシットなどの6価アルコ
ールなどが挙げられる。これらのうち、クェルシット、
イノシットなどは、環式糖アルコールとして知られてい
る。
【0027】前記鎖状多価アルコールの分子内脱水縮合
により生成する環状多価アルコールには、ソルビットの
分子内脱水縮合物である、1,4−ソルビタン、3,6
−ソルビタン、1,5−ソルビタン、1,4,3,6−
ソルビドなど;マンニットの分子内脱水縮合物であるマ
ンニタンなどの前記鎖状糖アルコールの分子内脱水縮合
生成物などが含まれる。
【0028】前記多価フェノール類には、ベンゼン環に
ヒドロキシル基を2〜6個有する化合物、例えば、ピロ
カテコール、レゾルシノール、ヒドロキノン、ピロガロ
ール、フロログルシノールなどが含まれる。
【0029】前記多価アルコールは、分子内に非酸性基
を有していてもよい。このような多価アルコールとし
て、例えば、カルボニル基(アルデヒド基又はケトン
基)を有する多価アルコールなどが含まれる。なお、カ
ルボニル基を有する多価アルコールは、分子内でカルボ
ニル基とヒドロキシル基とが反応してヘミアセタール構
造を形成していてもよい。
【0030】カルボニル基を有する多価アルコールに
は、例えば、単糖類(例えば、グリセリンアルデヒドな
どのトリオース;トレオース、エリトロースなどのテト
ロース;アラビノース、リボース、キシロースなどのペ
ントース;グルコース、フルクトース、マンノース、ガ
ラクトースなどのヘキソースなど)、2〜10の単糖単
位を含むオリゴ糖類(例えば、スクロース、マルトー
ス、ラクトースなどの2糖類;ラフィノースなどの3糖
類など)、及び11以上の単糖単位を含む多糖類(デン
プン、可溶性デンプンなど)などが含まれる。なお、前
記単糖類、オリゴ糖類及び多糖類の糖類は、ヒドロキシ
ル基を2以上有する限り、ヒドロキシル基が水素原子で
置換されたデオキシ糖、分子内又は分子間で脱水縮合し
たアンヒドロ糖、ヒドロキシル基やカルボニル基が保護
基で保護された化合物などの糖誘導体であってもよい。
【0031】多価アルコールとして、鎖状多価アルコー
ル及び非芳香族性環式多価アルコールが用いられる場合
が多い。好ましい多価アルコールには、脂肪族多価アル
コール及び非芳香族性環式多価アルコールなどが含まれ
る。また、前記脂肪族多価アルコールのなかでも鎖状糖
アルコールなどが好ましく、前記非芳香族性環式多価ア
ルコールのなかでも、鎖状糖アルコールの分子内脱水縮
合物及び環式糖アルコールなどが好ましい。
【0032】多価アルコールの炭素数は、好ましくは2
〜10程度、さらに好ましくは3〜8程度であり、特に
3〜6程度である場合が多い。また、多価アルコールの
価数は、好ましくは2〜10程度、さらに好ましくは3
〜8程度、特に3〜6程度である。
【0033】多価アルコールにおけるヒドロキシル基の
相対的位置関係は特に制限されないが、隣接する炭素原
子、特に順次隣接する3以上の炭素原子に、それぞれヒ
ドロキシル基が結合したα−グリコール構造を有する多
価アルコールを用いる場合が多い。
【0034】また、過マンガン酸塩の還元処理は、通常
水系で行われることから、多価アルコールは水溶性であ
るのが好ましい。前記多価アルコールは一種又は二種以
上混合して使用できる。
【0035】多価アルコールの使用量は、過マンガン酸
塩の還元反応が損なわれない範囲で選択でき、例えば、
過マンガン酸塩1モルに対して、0.01〜10モル、
好ましくは0.05〜4モル、さらに好ましくは0.0
8〜3モル程度である。
【0036】過マンガン酸塩の還元処理において、前記
多価アルコールと共に2価のマンガン塩を併用してもよ
い。2価のマンガン塩を併用することにより、多価アル
コールの使用量を減少させることができる。前記2価の
マンガン塩には、硫酸マンガン、硝酸マンガン、塩化マ
ンガン、リン酸マンガン、炭酸マンガン等の無機酸塩;
酢酸マンガン、シアン酸マンガン、チオシアン酸マンガ
ン、スルホン酸マンガン等の有機酸塩が含まれる。これ
ら2価のマンガン塩は水和物であってもよい。2価のマ
ンガン塩は一種又は二種以上混合して使用できる。
【0037】好ましい2価のマンガン塩には、硫酸マン
ガン、硝酸マンガン、塩化マンガン等の無機酸塩及びこ
れらの水和物が含まれる。
【0038】過マンガン酸塩の還元処理は、通常、液相
系で行われる。溶媒としては、通常、水が用いられる
が、二酸化マンガン触媒の調製に悪影響を及ぼさない範
囲で、水混和性の有機溶媒(例えば、メタノール、エタ
ノール、アセトン、テトラヒドロフラン、ジオキサンな
ど)を水と混和して用いてもよい。
【0039】過マンガン酸塩を還元処理する際の液性
は、酸性〜アルカリ性の広い範囲で選択できるが、通常
pH9以下、好ましくは酸性〜中性領域(例えばpH8
以下)、さらに好ましくは強酸性〜中性領域(例えばp
H7以下)である。過マンガン酸塩の還元処理を酸性〜
中性領域で行うと、得られる二酸化マンガン触媒の活性
が著しく向上する。還元処理は、pH8以下、好ましく
はpH7.5以下、特にpH4以下で行う場合が多い。
【0040】液性の調整は、酸又は塩基の添加により行
うことができる。前記酸としては、例えば、硫酸、硝
酸、塩酸、リン酸などの無機酸;酢酸、プロピオン酸、
メタンスルホン酸などの有機酸を挙げることができる。
また、前記塩基としては、無機塩基(例えば、水酸化ナ
トリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化
物;水酸化バリウムなどのアルカリ土類金属水酸化物;
炭酸ナトリウム、炭酸カリウムなどのアルカリ金属炭酸
塩;炭酸水素ナトリウムなどのアルカリ金属炭酸水素
塩;アンモニアなど)及び有機塩基(メチルアミン、ピ
リジンなど)を挙げることができる。酸又は塩基として
は、生成する二酸化マンガンとの分離を容易にするた
め、水溶性の酸又は塩基を用いるのが好ましい。
【0041】還元処理温度は、例えば10〜200℃、
好ましくは30〜150℃の範囲である。反応温度が1
0℃未満では反応時間が長くなりやすい。反応温度が2
00℃を越えると、2価の酸化マンガンが副生したり、
表面積が減少して二酸化マンガンの触媒活性が低下しや
すい。反応時間は、例えば、5分〜20時間程度であ
る。
【0042】生成した二酸化マンガン触媒は、濾過など
の方法により反応生成液から分離してもよい。また、分
離した二酸化マンガン触媒は、水洗した後、乾燥して精
製することもできる。
【0043】こうして得られた二酸化マンガン触媒は、
ニトリルの水和により対応するカルボン酸アミドを製造
する際のニトリル水和用触媒として好適に使用できる。
【0044】本発明のカルボン酸アミドの製造方法にお
いて、反応成分として用いるニトリルは特に制限され
ず、広い範囲の化合物から選択できる。代表的なニトリ
ルは、式RCN又はRCOCNで表わすことができる
(式中、Rは脂肪族炭化水素基、脂環式炭化水素基、芳
香族炭化水素基又は複素環基を示し、これらの基はさら
に置換基を有していてもよい)。ニトリルには、ポリニ
トリル類も含まれる。すなわち、前記脂肪族炭化水素
基、脂環式炭化水素基、芳香族炭化水素基又は複素環基
は一価の基に限らず、二価以上の多価基であってもよ
い。
【0045】前記脂肪族炭化水素基には、飽和炭化水素
基及び不飽和炭化水素基、例えば、メチル、エチル、プ
ロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、s−ブチ
ル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、オクチル、デシ
ルなどの炭素数1〜12(好ましくは1〜6)程度のア
ルキル基;ビニル、アリル、1−プロペニル、イソプロ
ペニル、2−ブテニルなどの炭素数2〜12程度のアル
ケニル基;エチニル、2−プロピニルなどの炭素数2〜
12程度のアルキニル基;及び炭素数2〜12程度のア
ルキレン基などが含まれる。
【0046】脂環式炭化水素基には、例えば、シクロプ
ロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロオクチルなどの炭素数3〜10程度のシクロ
アルキル基やこれらに対応するシクロアルキレン基など
が含まれ、芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニ
ル、ナフチルなどの炭素数6〜14程度のアリール基や
これらに対応するアリーレン基などが例示できる。
【0047】複素環基としては、例えば、窒素原子、酸
素原子及び硫黄原子から選択された少なくとも1つの原
子をヘテロ原子として含む複素環基が含まれる。複素環
基は、芳香族性複素環基、非芳香族性複素環基、縮合複
素環基のいずれであってもよい。複素環基としては、例
えば、フリル、チエニル、ピロリル、ピロリジニル、ピ
リジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピ
ペリジノ、モルホリノ、モルホリニル、キノリル基など
が例示できる。
【0048】Rで示されるこれらの基は、さらに、ハロ
ゲン原子、ヒドロキシル基、アルキル基、アリール基、
アルコキシ基、アリールオキシ基、メルカプト基、アル
キルチオ基、アリールチオ基、カルボキシル基、エステ
ル基、アシル基、アミノ基、モノまたはジ置換アミノ
基、ニトロ基などの置換基を有していてもよい。置換基
の個数は、例えば、1〜4程度である。
【0049】脂肪族ニトリルには、例えば、炭素数2〜
6の飽和又は不飽和ニトリル(アセトニトリル、プロピ
オニトリル、ブチロニトリル、イソブチロニトリル、バ
レロニトリル、イソバレロニトリルなどの飽和モノニト
リル類;マロニトリル、アジポニトリルなどの飽和ジニ
トリル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、シ
アン化アリル、クロトンニトリルなどの不飽和ニトリル
類)などが含まれる。脂肪族ニトリルには、ピルボニト
リルなどの、RCOCN(Rは前記に同じ)で表わされ
る化合物も含まれる。
【0050】脂環式ニトリルには、例えば、炭素数4〜
10のニトリル(シクロペンタンカルボニトリル、シク
ロヘキサンカルボニトリルなど)などが含まれる。
【0051】芳香族ニトリルには、例えば、ベンゾニト
リル、o−、m−及びp−クロロベンゾニトリル、o
−、m−及びp−フルオロベンゾニトリル、o−、m−
及びp−ニトロベンゾニトリル、o−、m−及びp−ト
ルベンゾニトリル、2,4−ジクロロベンゾニトリル、
アニソニトリル、α−ナフトニトリル、β−ナフトニト
リルなどの芳香族モノニトリル;フタロニトリル、イソ
フタロニトリル、テレフタロニトリルなどの芳香族ジニ
トリルなどが含まれる。芳香族ニトリルには、例えば、
フェニルアセトニトリル、p−ヒドロキシフェニルアセ
トニトリル、p−メトキシフェニルアセトニトリルなど
のアラルキル基を有するニトリルも含まれる。
【0052】複素環式ニトリルには、窒素原子、酸素原
子及び硫黄原子から選択された少なくとも1つの原子を
ヘテロ原子として含む5又は6員環を含む複素環基を有
するニトリル化合物、例えば、2−チオフェンカルボニ
トリル、2−フロニトリルなどのヘテロ原子として硫黄
原子又は酸素原子を含むニトリル;2−シアノピリジ
ン、3−シアノピリジン、4−シアノピリジン、シアノ
ピラジン、シアノピペリジンなどのヘテロ原子として窒
素原子を含むニトリル;5−シアノインドールなどの縮
合複素環式ニトリルなどが含まれる。また、複素環式ニ
トリルには、RCOCN(Rは複素環基を示す)で表わ
される化合物、例えば、ニコチノニトリル、イソニコチ
ノニトリルなども含まれる。
【0053】前記Rで示される脂肪族炭化水素基、脂環
式炭化水素基、芳香族炭化水素基又は複素環基が置換基
を有するニトリルには、例えば、アミノニトリル化合
物、シアンヒドリン化合物などが含まれる。アミノニト
リル化合物としては、例えば、アミノアセトニトリル、
α−アミノプロピオニトリル、α−アミノブチロニトリ
ルなどのα−アミノニトリル;3−アミノプロピオニト
リルなどのβ−アミノニトリルなどが挙げられる。
【0054】前記シアンヒドリン化合物には、α−シア
ンヒドリン化合物、β−シアンヒドリン化合物、γ−シ
アンヒドリン化合物などが含まれる。シアンヒドリン化
合物の炭素数は、例えば2〜18、好ましくは3〜1
2、さらに好ましくは3〜8程度である。
【0055】α−シアンヒドリン化合物としては、例え
ば、一般式(I)
【0056】
【化2】 [式中R1 、R2 は、同一又は異なって、水素原子又は
置換基を有してもよい炭化水素基を示し、R1 とR2
隣接する炭素原子と共に環を形成してもよい。但し、R
1 とR2 は同時に水素原子ではない]で表わされる化合
物が例示できる。
【0057】前記R1 、R2 で示される炭化水素基及び
この炭化水素基が有していてもよい置換基としては、前
記Rについての説明箇所で述べた脂肪族炭化水素基、脂
環式炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらの基が有
していてもよい置換基などが挙げられる。
【0058】好ましいR1 、R2 には、例えば、前記R
の説明箇所で述べた炭素数1〜12(好ましくは1〜
6)程度のアルキル基、炭素数2〜12程度のアルケニ
ル基、炭素数2〜12程度のアルキニル基、炭素数3〜
10程度のシクロアルキル基、炭素数6〜14程度のア
リール基、及びフェニルメチル、2−フェニルエチル、
1−フェニルエチル、3−フェニルプロピル、4−フェ
ニルブチル基などのC7-10アラルキル基などが含まれ
る。
【0059】R1 とR2 が隣接する炭素原子と共に形成
する環としては、シクロプロピル、シクロブチル、シク
ロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロ
オクチル環などの炭素数3〜8程度のシクロアルカン環
などが挙げられる。
【0060】α−シアンヒドリン化合物の代表的な例と
して、例えば、ヒドロキシアセトニトリル、ラクトニト
リル、アセトンシアンヒドリン、2−ヒドロキシブタン
ニトリル、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンニト
リル、2−ヒドロキシ−2−メチルブタンニトリル、2
−ヒドロキシ−3−メチルブタンニトリル、2−ヒドロ
キシ−3−ブテンニトリル、2−ヒドロキシペンタンニ
トリル、2−ヒドロキシヘキサンニトリル、2−ヒドロ
キシオクタンニトリルなどの脂肪族α−シアンヒドリ
ン;2−ヒドロキシ−シクロヘキサンアセトニトリル、
シクロペンタノンシアンヒドリン、シクロヘキサノンシ
アンヒドリンなどの脂環式α−シアンヒドリン;マンデ
ロニトリル、2−ヒドロキシ−3−フェニルブタンニト
リルなどの芳香族α−シアンヒドリンなどが挙げられ
る。
【0061】前記β−シアンヒドリン化合物としては、
例えば、3−ヒドロキシプロパンニトリル、3−ヒドロ
キシブタンニトリル、3−ヒドロキシヘキサンニトリ
ル、2−ヒドロキシシクロヘキサンカルボニトリル、3
−ヒドロキシ−3−フェニルプロパンニトリルなどが例
示できる。
【0062】γ−シアンヒドリン化合物としては、例え
ば、4−ヒドロキシブタンニトリル、4−ヒドロキシヘ
キサンニトリル、3−ヒドロキシヘキサンカルボニトリ
ル、4−ヒドロキシ−4−フェニルブタンニトリルなど
が挙げられる。
【0063】好ましいニトリルには、シアンヒドリン化
合物、なかでも、ヒドロキシカルボン酸を得る上で有用
な、例えば前記式(I)で表わされる化合物などのα−
シアンヒドリン化合物等が含まれる。さらに好ましいニ
トリルには、ラクトニトリル、アセトンシアンヒドリ
ン、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンニトリルな
どの炭素数3〜8程度の脂肪族α−シアンヒドリンなど
が含まれる。
【0064】なお、ニトリルがα−シアンヒドリン化合
物である場合には、α−シアンヒドリン化合物からシア
ン化水素を脱離した対応するオキソ化合物(例えば、ラ
クトニトリルに対するアセトアルデヒド;2−ヒドロキ
シ−4−メチルチオブタンニトリルに対する3−メチル
チオプロパナール)を反応系に共存させると、α−シア
ンヒドリン化合物の分解が抑制され、対応するヒドロキ
シカルボン酸アミドの収率が増大する。オキソ化合物の
添加量はα−シアンヒドリン化合物に対して、例えば、
0.1〜50モル%程度、好ましくは0.5〜30モル
%程度、さらに好ましくは1〜10モル%程度である。
【0065】ニトリルの水和反応は水過剰系で行うのが
好ましい。水和反応における水の使用量は、ニトリル1
モルに対して、例えば1〜200モル程度、好ましくは
1.1〜100モル程度である。なお、水和反応は、反
応に悪影響を及ぼさない範囲で、系内に有機溶媒(例え
ば、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの水溶性有機
溶媒など)を添加して行うこともできる。
【0066】前記二酸化マンガン触媒の形状は特に限定
されず、粉末状、顆粒状などであってもよく、また、成
型して用いてもよい。成型した触媒は、固定床流通反応
用触媒などとして使用できる。
【0067】反応温度は、例えば20〜150℃、好ま
しくは30〜100℃の範囲である。反応温度が20℃
未満では反応時間が長くなりやすい。反応温度が150
℃を越えると脱シアン化水素反応などの副反応が起こり
やすい。反応時間は、例えば5分〜20時間程度であ
る。
【0068】水和反応の反応形式としては、固定床式、
流動床式等の何れであってもよい。また、反応は、回分
式、流通式の何れの方式で行うこともできる。
【0069】反応で生成したカルボン酸アミドは、必要
に応じて、慣用の精製方法、例えば、抽出、蒸留、再結
晶、クロマトグラフィーなどの方法により精製すること
ができる。
【0070】本発明のカルボン酸アミドの製造方法で
は、調製するごとに活性が変動することがなく、しかも
高い触媒活性及び反応選択性を有する触媒を用いるの
で、目的とするカルボン酸アミドを、工業的規模で、生
産効率よく、安定に製造することができる。
【0071】本発明により得られたカルボン酸アミド
は、慣用の方法、例えば加水分解反応、エステル化反
応、アミド−エステル交換反応などにより、容易に、対
応するカルボン酸又はカルボン酸エステルに変換でき
る。例えば、シアンヒドリン化合物から得られるヒドロ
キシカルボン酸アミドは、加水分解により、対応するヒ
ドロキシカルボン酸に誘導できると共に、アミド−エス
テル交換反応により対応するヒドロキシカルボン酸エス
テルに導くことができる。また、ヒドロキシカルボン酸
エステルは、前記ヒドロキシカルボン酸のエステル化に
よっても製造できる。さらに、ヒドロキシカルボン酸エ
ステルの脱水反応により、不飽和カルボン酸エステルを
得ることができる。
【0072】したがって、本発明のカルボン酸アミドの
製造方法は、カルボン酸及びカルボン酸エステル類、特
に、ヒドロキシカルボン酸、ヒドロキシカルボン酸エス
テル及び不飽和カルボン酸エステルなどを製造する上で
極めて有用である。
【0073】
【発明の効果】本発明の二酸化マンガン触媒及びその製
造方法によれば、ニトリル水和反応に対して再現性のあ
る触媒活性を得ることができる。また、ニトリル水和反
応に対して高い触媒活性及び反応選択性が得られる。
【0074】本発明のカルボン酸アミドの製造方法によ
れば、ニトリルから対応するカルボン酸アミドを高い収
率及び選択率で製造できる。また、ニトリルから、硫酸
触媒を用いることなく、カルボン酸アミドを製造するこ
とができる。
【0075】
【実施例】以下、実施例および比較例を用いて本発明を
より具体的に説明する。
【0076】実施例1触媒調製 過マンガン酸カリウム9.9gを水110mlに溶解し
た過マンガン酸カリウム水溶液に、濃硫酸6gを徐々に
加えた後、50℃まで加熱した。この溶液に、マンニッ
ト1.8gを含む50℃のマンニット水溶液250ml
を撹拌下で添加した後、90℃で3時間撹拌して熟成し
た。得られたスラリーを濾過し、濾滓を純水で硫酸根が
検出されなくなるまで洗浄し、110℃で乾燥した後、
粉砕して、黒色の二酸化マンガン触媒(A)を得た。
【0077】また、上記と同様の操作を3回行って、二
酸化マンガン触媒(B)、(C)、(D)を調製した。
【0078】水和反応 上記で得た二酸化マンガン触媒(A)0.1gを、撹拌
機を備えた内容積50mlのガラス反応器に入れ、ラク
トニトリル(LCN)水溶液29g(モル比:水/LC
N=64)を加え、70℃で1.5時間撹拌した後、反
応液中のLCN及びラクトアミドを高速液体クロマトグ
ラフィーにより定量した。
【0079】その結果、LCNの転化率は59.0%、
ラクトアミドの収率は58.3%、ラクトアミドの選択
率は98.8%であった。
【0080】また、二酸化マンガン触媒(B)、
(C)、(D)について、上記と同様の操作を行った、
その結果、ラクトアミドの収率は、それぞれ59.1
%、58.2%及び57.9%であり、各触媒の触媒活
性はほとんど一定であった。
【0081】比較例1触媒調製 過マンガン酸カリウム9.9gを水100mlに溶解し
た過マンガン酸カリウム水溶液を50℃まで加熱した。
硫酸マンガン11.4gと水酸化カリウム3.5gを溶
解した50℃の水溶液50mlを撹拌下で添加した後、
90℃で3時間撹拌して熟成した。得られたスラリーを
濾過し、濾滓を純水で硫酸根が検出されなくなるまで洗
浄し、110℃で乾燥した後、粉砕して、黒色の二酸化
マンガン触媒(E)を得た。
【0082】また、以上と同様の操作を3回繰り返し、
二酸化マンガン触媒(F)、(G)、(H)を調製し
た。
【0083】水和反応 二酸化マンガン触媒(E)、(F)、(G)、(H)の
それぞれについて実施例1と同様の方法で、LCNの水
和反応を行った。その結果、ラクトアミドの収率はそれ
ぞれ5.3%、2.2%、4.9%、3.3%であっ
た。
【0084】実施例1及び比較例1におけるラクトアミ
ドの収率を表1に示す。
【0085】
【表1】 実施例2 実施例1で調製した二酸化マンガン触媒(A)1.0g
を、撹拌機を備えた内容積50mlのガラス反応器に入
れ、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンニトリル
(2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチロニトリル)水
溶液30g(モル比:水/2−ヒドロキシ−4−メチル
チオブタンニトリル=64)を加え、70℃で1.5時
間撹拌した後、反応液中の2−ヒドロキシ−4−メチル
チオブタンニトリル及び2−ヒドロキシ−4−メチルチ
オブタンアミド(2−ヒドロキシ−4−メチルチオブチ
ルアミド)を高速液体クロマトグラフィーで定量した。
【0086】その結果、2−ヒドロキシ−4−メチルチ
オブタンニトリルの転化率は98.9%、2−ヒドロキ
シ−4−メチルチオブタンアミドの収率は98.1%、
2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンアミドの選択率
は99.3%であった。
【0087】実施例3 マンニットに代えてグリセリンを用いた以外は実施例1
と同様の方法で二酸化マンガン触媒を調製し、実施例2
と同様の方法で2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン
ニトリルの水和反応を行った。その結果、2−ヒドロキ
シ−4−メチルチオブタンニトリルの転化率は97.3
%、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンアミドの収
率は94.5%、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタ
ンアミドの選択率は97.1%であった。
【0088】実施例4 マンニットに代えてエリトリットを用いた以外は実施例
1と同様の方法で二酸化マンガン触媒を調製し、実施例
2と同様の方法で2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタ
ンニトリルの水和反応を行った。その結果、2−ヒドロ
キシ−4−メチルチオブタンニトリルの転化率は98.
3%、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンアミドの
収率は95.8%、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブ
タンアミドの選択率は97.5%であった。
【0089】実施例5 マンニットに代えてソルビットを用いた以外は実施例1
と同様の方法で二酸化マンガン触媒を調製し、実施例2
と同様の方法で2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン
ニトリルの水和反応を行った。その結果、2−ヒドロキ
シ−4−メチルチオブタンニトリルの転化率は96.9
%、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンアミドの収
率は92.6%、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタ
ンアミドの選択率は95.6%であった。
【0090】実施例6 マンニットに代えてマンニタンを用いた以外は実施例1
と同様の方法で二酸化マンガン触媒を調製し、実施例2
と同様の方法で2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン
ニトリルの水和反応を行った。その結果、2−ヒドロキ
シ−4−メチルチオブタンニトリルの転化率は98.4
%、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンアミドの収
率は96.9%、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタ
ンアミドの選択率は98.5%であった。
【0091】比較例2 二酸化マンガン触媒に代えて電解マンガン(東洋ソーダ
(株)製;銘柄:FM)1gを使用した以外は実施例2
と同様の方法で2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタン
ニトリルの水和反応を行った。その結果、2−ヒドロキ
シ−4−メチルチオブタンアミドの収率は64%であっ
た。
【0092】実施例2〜6における2−ヒドロキシ−4
−メチルチオブタンニトリルの転化率(ニトリル転化
率)、2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンアミドの
収率(アミド収率)、2−ヒドロキシ−4−メチルチオ
ブタンアミドの選択率(アミド選択率)、及び比較例2
における2−ヒドロキシ−4−メチルチオブタンアミド
の収率(アミド収率)を表2に示す。
【0093】
【表2】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過マンガン酸塩を多価アルコールにより
    還元処理して生成した二酸化マンガン触媒。
  2. 【請求項2】 過マンガン酸塩を多価アルコールにより
    還元処理して生成したニトリル水和用触媒。
  3. 【請求項3】 多価アルコールが脂肪族多価アルコール
    又は非芳香族性環式多価アルコールである請求項2記載
    のニトリル水和用触媒。
  4. 【請求項4】 多価アルコールの炭素数が2〜10であ
    る請求項2記載のニトリル水和用触媒。
  5. 【請求項5】 過マンガン酸塩を多価アルコールにより
    還元処理する二酸化マンガン触媒の製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜4の何れかの項に記載の触媒
    の存在下、ニトリルを水和するカルボン酸アミドの製造
    方法。
  7. 【請求項7】 ニトリルがシアンヒドリン化合物である
    請求項6記載のカルボン酸アミドの製造方法。
  8. 【請求項8】 シアンヒドリン化合物が、一般式(I) 【化1】 [式中R1 、R2 は、同一又は異なって、水素原子又は
    置換基を有してもよい炭化水素基を示し、R1 とR2
    隣接する炭素原子と共に環を形成してもよい。但し、R
    1 とR2 は同時に水素原子ではない]で表されるα−シ
    アンヒドリン化合物である請求項7記載のカルボン酸ア
    ミドの製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7704917B2 (en) 2005-07-08 2010-04-27 Mitsubishi Gas Chemical Company, Inc. Process for producing catalyst for cyanhydrin hydration and product of the process
WO2011108717A1 (ja) 2010-03-04 2011-09-09 三菱瓦斯化学株式会社 アミド化合物製造用触媒およびアミド化合物の製造方法
WO2015008740A1 (ja) 2013-07-16 2015-01-22 三菱瓦斯化学株式会社 α-ヒドロキシイソ酪酸アミドの製造方法及び反応装置

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WO2011108717A1 (ja) 2010-03-04 2011-09-09 三菱瓦斯化学株式会社 アミド化合物製造用触媒およびアミド化合物の製造方法
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WO2015008740A1 (ja) 2013-07-16 2015-01-22 三菱瓦斯化学株式会社 α-ヒドロキシイソ酪酸アミドの製造方法及び反応装置

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