JPH09194974A - アルミニウム光輝材料及びその製造方法 - Google Patents
アルミニウム光輝材料及びその製造方法Info
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Abstract
つ表面光沢を得るための化学研磨や電解研磨による光輝
処理を不要となし得るアルミニウム光輝材料及びその製
造方法を提供する。 【解決手段】アルミニウムまたはアルミニウム合金から
なる芯材1の少なくとも片面に、アルミニウムまたはア
ルミニウム合金からなる皮材2が、クラッド率5〜20
%の割合で圧延によりクラッドされる。芯材1は50〜
100%の再結晶組織を有して良好な成形加工性を付与
し、皮材2は30〜100%の加工組織を有して、圧延
による光沢表面を維持する。
Description
イター照明灯、店舗照明、舞台照明、住宅照明、道路照
明等の各種照明器具において、光源を取り囲んで配置さ
れるドーム状ないし円錐状の反射鏡や、光輝表面を必要
とする電気部品、構造部材等に使用されるアルミニウム
光輝材料及びその製造方法に関する。
アルミニウム光輝材料は、一般に、圧延により板材に仕
上げられて使用される。そして、実製品への製作に際し
てはへら絞り等の成形加工を施して所定形状となされ
る。このため、良好な成形加工性を保有させるべく、ア
ルミニウム光輝材料を圧延後の最終焼鈍により十分に軟
化させることが行われていた。
ニウム材料の組織は再結晶組織となっているために、肌
荒れを生じて圧延による表面光沢が失われてしまうとい
う欠点があった。このため、一般には、成形加工後にお
いて化学研磨や電解研磨による光輝処理が必須工程とし
て実施されているが、このような光輝処理は煩雑であ
り、生産性の向上を妨げることから、光輝処理を省略す
ることが強く望まれている。
てなされたものであって、へら絞り等の成形加工が容易
でありながら、かつ表面光沢を得るための化学研磨や電
解研磨による光輝処理を不要となし得るアルミニウム光
輝材料及びその製造方法の提供を目的とする。
に、この発明に係るアルミニウム光輝材料は、図1に示
されるように、アルミニウムまたはアルミニウム合金か
らなる芯材(1)の少なくとも片面に、アルミニウムま
たはアルミニウム合金からなる皮材(2)が、クラッド
率5〜20%の割合で圧延によりクラッドされるととも
に、前記芯材(1)は50〜100%の再結晶組織を有
し、前記皮材(2)は30〜100%の加工組織を有す
るものとなされていることを特徴とするものである。
による成形加工性を付与する役割を果たす。このため
に、成形加工に追随させるべく、芯材の強度はある程度
低下している必要があり、従って芯材は50〜100%
の再結晶組織を有することが必要である。50%未満の
再結晶組織では、強度が高すぎて成形加工に追随でき
ず、割れ等の不具合を生じる。好ましくは、80%以上
の再結晶組織を有するものとなすのが良い。
る表面を現出させる役割を果たす。而して、皮材(2)
の再結晶組織が増加すると肌荒れを生じて圧延による表
面光沢が失われることから、皮材(2)は30〜100
%の圧延加工組織を有することが必要である。特に好ま
しくは、50%以上の加工組織を残存させるのが良い。
しかし、加工組織が100%近く残存していると、強度
が高くなって成形加工時に割れ等を発生する場合がある
ことから、加工組織は80%以下に抑制するのが好まし
い。
ラッドしても良いし、両面にクラッドしても良い。照明
器具の反射板等に用いられる場合には、片面のみ反射面
が存在すれば良いことから、一般には片面のみにクラッ
ドされる場合が多い。皮材(2)のクラッド率(両面ク
ラッドの場合は両面合計)は、5〜20%に設定する必
要がある。皮材(2)のクラッド率が5%未満の場合に
は、へら絞り等の成形加工時に芯材(1)の変形に皮材
が追随できず、割れを生じて部分的に芯材が露出する不
具合がある。また、20%を超える場合も、やはり成形
加工時に割れを生じる恐れがある。特に好ましい皮材
(2)のクラッド率の下限値は6%、上限値は17%で
ある。
しい製造方法として、この発明に係る製造方法を挙げ得
る。これを説明すると、次のとおりである。
iの合計:0.5〜1.5wt%含有し、残部がアルミニ
ウム及び不可避不純物からなるアルミニウム合金、また
はFeとSiの合計:0.5〜1.5wt%、Mn:1.
0〜1.5wt%、Cu:0.05〜0.20wt%を含有
し、残部アルミニウム及び不可避不純物からなるアルミ
ニウム合金を用意する。上記において、FeとSiとは
共に芯材の軟化温度を低下させて再結晶を促進するのに
有効な元素である。しかし、FeとSiの合計が0.5
wt%未満ではその効果に乏しく、逆に1.5wt%を超え
ると、孔食が発生しやすくなり、耐食性が劣化する。F
eとSiの合計含有量の特に好ましい下限値は0.6wt
%であり、上限値は1.0wt%である。なお、FeとS
iは共に含有されなければならないが、その配合割合は
限定されることはない。しかし、Feの方が固溶量が少
ないため微細析出物として存在し、ひいては再結晶促進
効果が大きいことから、Feを0.7〜0.9wt%、S
iを0.1〜0.3wt%の範囲で含有させるのが望まし
い。
範囲で含有されることにより耐熱性の向上に寄与するも
のであり、従って、照明器具の反射板のように、温度が
200℃を超えるような用途に適用する場合には、M
n、Cuを含む芯材を用いれば良い。しかし、Mnが
1.0wt%未満、Cuが0.05wt%未満では、耐熱性
の向上効果に乏しく、一方Mnが1.5wt%を超え、C
uが0.2wt%を超えると成形性の悪化を派生する。
か、またはZr:0.05〜0.6wt%、Mn:0.1
〜5wt%の少なくともいずれかを含有し、残部アルミニ
ウム及び不可避不純物からなるアルミニウム合金を用意
する。ただし、いずれの場合も、再結晶を芯材(1)よ
りも抑制するために、不純物としてのFeとSiの合計
量を芯材のそれよりも少なくする必要がある。好適には
0.6wt%以下に規制するのが良い。皮材(2)に任意
的に含まれるZr、Mnは、共に溶質原子として存在し
高温においても固溶体硬化の役目を果たし、ひいては皮
材(2)の再結晶を抑制するのに有効である。かかる作
用効果の点でZr、Mnは共に均等物として評価される
ものであり、いずれか一方が含有されることによりその
効果を発揮するが、Zrが0.05wt%未満、Mnが
0.1wt%未満では該効果に乏しい。一方、Zrが0.
6wt%を超え、Mnが5wt%を超えると成形性の悪化を
もたらす。Zr、Mnを含有する場合の特に好ましい下
限値はZr:0.1wt%、Mn:0.3wt%であり、好
ましい上限値はZr:0.5wt%、Mn:2wt%であ
る。
より所定厚さにクラッドする。クラッドは常法に従い熱
間圧延により行えば良く、一般的には熱間圧延後さらに
冷間圧延を行う。望ましくはさらに表面粗度の小さい光
輝圧延ロールを用いて、皮材(2)の表面粗度を小さく
し、光沢を増しても良い。なお、常法に従い圧延途中に
中間焼鈍を実施しても良い。
(2)ともにその組織は圧延加工組織となっている。そ
こで、クラッド材を最終焼鈍して、芯材(1)の組織を
50%以上の再結晶組織とし、皮材(2)の組織に30
%以上の加工組織を残存させる。芯材(1)には所定量
のFeとSiが存在する一方、皮材(2)のFeとSi
量は抑制されているから、図2に示されるように、加熱
温度に対する芯材(1)と皮材(2)の軟化特性が相違
し、加熱温度を選択することによって上記組織状態を実
現することができる。具体的には、220〜280℃の
温度範囲とする。加熱温度が220℃未満では、芯材
(1)の再結晶化が促進せず、50%以上の再結晶組織
を実現できない。一方、加熱温度が280℃を超える
と、皮材(2)の再結晶化が促進され、30%以上の加
工組織を残存させることができない。最終焼鈍における
特に好ましい加熱温度の下限値は230℃、上限値は2
60℃である。加熱時間は特に限定されないが、短すぎ
ると芯材(1)の再結晶化が促進されず、長すぎると皮
材(2)の再結晶化が必要以上に促進されることから、
加熱時間は0.5〜5時間が望ましく、特に1〜3時間
が最も望ましい。
は、皮材(2)に30%以上の圧延加工組織が残存され
ているため、圧延による表面の光沢がそのまま維持され
る。従って、電解研磨、化学研磨等による光輝処理はも
はや不要となる。
記アルミニウム光輝材料にへら絞り等の主に絞りによる
成形加工を施して所定形状とする。成形加工に際して、
アルミニウム光輝材料の表面光沢を維持しあるいはさら
なる光沢を現出するために、金型の表面は鏡面またはこ
れに近い状態に仕上げるのが望ましい。また、金型表面
に、アルミニウムとの親和力の小さい硬質クロムメッキ
や、タングステンカーバイドの溶射コーティングを施す
ことも推奨される。さらに、成形加工時の潤滑油も低粘
度のものを用いるのが望ましい。
装を行って製品とする。
(1)と皮材(2)とを用意し、芯材(1)の片面に皮
材(2)を圧延によりクラッドしたのち、さらに最終厚
さ1mmまで圧延した。圧延は常法により行い、皮材
(2)のクラッド率は表1に示すとおりとした。また、
圧延の最終工程で光輝ロールを使用して光沢圧延を行っ
た。
件で最終焼鈍して、本発明に係るアルミニウム光輝材料
を製造した。
(1)の再結晶組織と皮材(2)の加工組織の割合を調
べた。その結果を表2に示す。
へら絞りを行い、皮材表面が内面側に位置する態様で、
図3に示されるようなサーチライト用のドーム状の反射
板(3)に成形した。そして、へら絞り時のワレの有無
を調査した。その結果を表2に示す。
する全反射率を測定したところ、表2のとおりであっ
た。
ニウムを用意した。そして、このアルミニウムを圧延に
より1mmの板としたのち、370℃×3時間で最終焼
鈍した。その後、上記と同様の条件でへら絞りを行って
反射板に成形したのち、反射面をバフ研磨し、さらに化
学研磨した。この反射板の全反射率を表2に示す。
光輝材料を用いた反射板は反射率が高く、化学研磨や電
解研磨等の光輝処理を行わなくても、従来品と同程度で
あることを確認し得た。
よりへら絞り等の成形加工性を良好に保持できるととも
に、皮材により圧延による表面光沢を維持できる。その
結果、へら絞り等の成形加工が容易でありながら、かつ
表面光沢を得るための化学研磨、電解研磨等の光輝処理
を不要となしえ、生産性を増大できる。
材が50〜100%の再結晶組織を有し、皮材が30〜
100%の加工組織を有するアルミニウム光輝材料を容
易に製造することができる。
図である。
グラフである。
Claims (2)
- 【請求項1】 アルミニウムまたはアルミニウム合金か
らなる芯材(1)の少なくとも片面に、アルミニウムま
たはアルミニウム合金からなる皮材(2)が、クラッド
率5〜20%の割合で圧延によりクラッドされるととも
に、前記芯材(1)は50〜100%の再結晶組織を有
し、前記皮材(2)は30〜100%の加工組織を有す
るものとなされていることを特徴とするアルミニウム光
輝材料。 - 【請求項2】 FeとSiの合計:0.5〜1.5wt%
含有し、残部がアルミニウム及び不可避不純物からなる
芯材(1)、またはFeとSiの合計:0.5〜1.5
wt%、Mn:1.0〜1.5wt%、Cu:0.05〜
0.20wt%を含有し、残部アルミニウム及び不可避不
純物からなる芯材(1)の少なくとも片面に、 不可避不純物を含有し、不可避不純物としてのFeとS
iの合計含有量が前記芯材よりも少なく抑制された純ア
ルミニウムからなる皮材(2)、またはZr:0.05
〜0.6wt%、Mn:0.1〜5wt%の少なくともいず
れかを含有し、残部アルミニウム及び不可避不純物から
なり、不可避不純物としてのFeとSiの合計含有量が
前記芯材よりも少なく抑制された皮材(2)を、クラッ
ド率5〜20%の割合で圧延によりクラッドしたのち、 220〜280℃の温度で最終焼鈍を実施することを特
徴とするアルミニウム光輝材料の製造方法。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP00602596A JP3875737B2 (ja) | 1996-01-17 | 1996-01-17 | アルミニウム光輝材料及びその製造方法 |
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JP00602596A JP3875737B2 (ja) | 1996-01-17 | 1996-01-17 | アルミニウム光輝材料及びその製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH09194974A true JPH09194974A (ja) | 1997-07-29 |
JP3875737B2 JP3875737B2 (ja) | 2007-01-31 |
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ID=11627150
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP00602596A Expired - Fee Related JP3875737B2 (ja) | 1996-01-17 | 1996-01-17 | アルミニウム光輝材料及びその製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6894589B2 (en) | 2000-06-05 | 2005-05-17 | Sumitomo Heavy Industries, Ltd. | Radio frequency resonator and method for producing the same |
WO2022183060A1 (en) * | 2021-02-26 | 2022-09-01 | NanoAL LLC | Al-mn-zr based alloys for high temperature applications |
-
1996
- 1996-01-17 JP JP00602596A patent/JP3875737B2/ja not_active Expired - Fee Related
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6894589B2 (en) | 2000-06-05 | 2005-05-17 | Sumitomo Heavy Industries, Ltd. | Radio frequency resonator and method for producing the same |
WO2022183060A1 (en) * | 2021-02-26 | 2022-09-01 | NanoAL LLC | Al-mn-zr based alloys for high temperature applications |
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---|---|
JP3875737B2 (ja) | 2007-01-31 |
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