JPH083671A - 成形性、溶接性、焼付け硬化性及び耐食性に優れるアルミニウム合金合わせ材とその製造方法 - Google Patents
成形性、溶接性、焼付け硬化性及び耐食性に優れるアルミニウム合金合わせ材とその製造方法Info
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- JPH083671A JPH083671A JP16070894A JP16070894A JPH083671A JP H083671 A JPH083671 A JP H083671A JP 16070894 A JP16070894 A JP 16070894A JP 16070894 A JP16070894 A JP 16070894A JP H083671 A JPH083671 A JP H083671A
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- B32—LAYERED PRODUCTS
- B32B—LAYERED PRODUCTS, i.e. PRODUCTS BUILT-UP OF STRATA OF FLAT OR NON-FLAT, e.g. CELLULAR OR HONEYCOMB, FORM
- B32B15/00—Layered products comprising a layer of metal
- B32B15/01—Layered products comprising a layer of metal all layers being exclusively metallic
- B32B15/016—Layered products comprising a layer of metal all layers being exclusively metallic all layers being formed of aluminium or aluminium alloys
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Abstract
(57)【要約】
【構成】 Mg 0.2〜1.5wt% 、Si 0.2〜
2.0wt% 及びTi 0.005〜0.1wt% を含有
し、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム
合金を芯材とし、芯材の片面もしくは両面に全板厚に対
する割合で3〜25%となるように、Mg 3.6〜9
wt% 及びTi 0.005〜0.1wt% を含有し、残部
がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金を、
皮材としてクラッドしてなり、かつ、芯材のアルミニウ
ム合金の平均結晶粒径が80μm以下で、合わせ材の表
面粗度がRa 0.1〜1.2μmである成形性、溶接
性、焼付け硬化性及び耐食性に優れるアルミニウム合金
合わせ材である。 【効果】 本発明のアルミニウム合金合わせ材は、成形
性、溶接性、焼付け硬化性及び耐食性に優れ、自動車、
車両、航空機、電気部品用等、成形加工、溶接、焼付け
塗装を行う用途に好適である。
2.0wt% 及びTi 0.005〜0.1wt% を含有
し、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム
合金を芯材とし、芯材の片面もしくは両面に全板厚に対
する割合で3〜25%となるように、Mg 3.6〜9
wt% 及びTi 0.005〜0.1wt% を含有し、残部
がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金を、
皮材としてクラッドしてなり、かつ、芯材のアルミニウ
ム合金の平均結晶粒径が80μm以下で、合わせ材の表
面粗度がRa 0.1〜1.2μmである成形性、溶接
性、焼付け硬化性及び耐食性に優れるアルミニウム合金
合わせ材である。 【効果】 本発明のアルミニウム合金合わせ材は、成形
性、溶接性、焼付け硬化性及び耐食性に優れ、自動車、
車両、航空機、電気部品用等、成形加工、溶接、焼付け
塗装を行う用途に好適である。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は成形性、溶接性、焼付け
硬化性及び耐食性に優れるアルミニウム合金合わせ材に
関するものであり、さらに詳しくは自動車、車両、航空
機、電気部品等において成形加工、溶接、焼付け塗装を
行うのに適したアルミニウム合金合わせ材に関するもの
である。
硬化性及び耐食性に優れるアルミニウム合金合わせ材に
関するものであり、さらに詳しくは自動車、車両、航空
機、電気部品等において成形加工、溶接、焼付け塗装を
行うのに適したアルミニウム合金合わせ材に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】自動車、車両、航空機、電気部品等は板
材を成形加工した後、溶接を行い、あるいは行わずに塗
装して使用される。これらの部品においては従来よりA
l−Mg系合金(5000系合金)かAl−Mg−Si
系合金(6000系合金)が多く使用される傾向にあ
る。これらの合金の使い分けとしては、Al−Mg系合
金は成形性、溶接性及び塗装後の耐食性(耐糸錆性)に
優れ、Al−Mg−Si系合金は塗装加熱時に硬化して
高強度となる特徴があるため、複雑形状の部品、溶接に
よる構造部品あるいは塗装後の耐食性が強く要求される
場合にはAl−Mg系合金が、製品強度が要求される場
合にはAl−Mg−Si系合金が使用される傾向にあ
る。
材を成形加工した後、溶接を行い、あるいは行わずに塗
装して使用される。これらの部品においては従来よりA
l−Mg系合金(5000系合金)かAl−Mg−Si
系合金(6000系合金)が多く使用される傾向にあ
る。これらの合金の使い分けとしては、Al−Mg系合
金は成形性、溶接性及び塗装後の耐食性(耐糸錆性)に
優れ、Al−Mg−Si系合金は塗装加熱時に硬化して
高強度となる特徴があるため、複雑形状の部品、溶接に
よる構造部品あるいは塗装後の耐食性が強く要求される
場合にはAl−Mg系合金が、製品強度が要求される場
合にはAl−Mg−Si系合金が使用される傾向にあ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年上記各部品におい
て薄肉化、軽量化がますます強く要求される傾向にあ
り、従来の材料ではこれらの要求を満たすことができ
ず、Al−Mg系合金では強度向上が、Al−Mg−S
i系合金では成形性、溶接性、塗装後の耐食性の各特性
の向上が求められている。本発明は強度、成形性、溶接
性及び耐食性の全ての機能を満足するアルミニウム合金
合わせ材を提供することにある。また本発明の目的は成
形性、溶接性、焼付け硬化性及び耐食性に優れたアルミ
ニウム合金合わせ材の効率的な製造方法を提供すること
を目的とする。
て薄肉化、軽量化がますます強く要求される傾向にあ
り、従来の材料ではこれらの要求を満たすことができ
ず、Al−Mg系合金では強度向上が、Al−Mg−S
i系合金では成形性、溶接性、塗装後の耐食性の各特性
の向上が求められている。本発明は強度、成形性、溶接
性及び耐食性の全ての機能を満足するアルミニウム合金
合わせ材を提供することにある。また本発明の目的は成
形性、溶接性、焼付け硬化性及び耐食性に優れたアルミ
ニウム合金合わせ材の効率的な製造方法を提供すること
を目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記問題に
鑑み検討した結果、所定の組成を有する6000系合金
の芯材の組織を制御し、相対的に高いMg量を含有する
Al−Mg系合金を皮材として表面にクラッドし、さら
に表面粗度を制御することにより各特性のバランスが顕
著に向上すること、すなわち、成形性に関しては600
0系合金では成形時の破断限界が低いことが問題であっ
たが、材料の表層に焼付け加熱前の6000系合金より
高い強度と高い成形性を有する5000系材料をクラッ
ドし、かつ材料表面の粗度を制御することで成形時の破
断限界を高めることが可能であることを見出した。
鑑み検討した結果、所定の組成を有する6000系合金
の芯材の組織を制御し、相対的に高いMg量を含有する
Al−Mg系合金を皮材として表面にクラッドし、さら
に表面粗度を制御することにより各特性のバランスが顕
著に向上すること、すなわち、成形性に関しては600
0系合金では成形時の破断限界が低いことが問題であっ
たが、材料の表層に焼付け加熱前の6000系合金より
高い強度と高い成形性を有する5000系材料をクラッ
ドし、かつ材料表面の粗度を制御することで成形時の破
断限界を高めることが可能であることを見出した。
【0005】また溶接性、特にスポット溶接性に関し
て、6000系合金が5000系合金と比較して低い原
因を詳細に検討した結果、6000系合金は素材の電気
伝導度が高く、かつ融点が高いことが大きな要因である
ことが判明した。さらにスポット溶接時に問題となる電
気伝導度は、電極と材料とが接触する材料表面における
電気伝導度が最も大きく影響を及ぼしていることが判明
した。そこでさらに種々の検討を行った結果、比較的高
いMg量を有する5000系合金をクラッドすること
で、溶接性を向上させることが可能であることを見出し
たものである。さらに耐食性に関しては一般に6000
系合金よりも5000系合金が優れており、その意味に
おいて5000系合金を表層にクラッドすることが、耐
食性を向上させる上で好ましい。しかし、実際の製造に
あたっては材料表面に打痕、傷あるいは成形時の歪み等
があるために、例えば自動車の製造の場合には部品を車
体に組み付けた後にそれらを修正することが多く、その
場合にはやすり等で表面を研磨する必要がある。このよ
うな作業は日常的に行われるものであり、このような作
業が行われると表面の5000系合金が研磨により除去
されて、表面に6000系合金が出現する。さらに使用
中に傷がついた場合にも同様の結果を生じる。しかし本
発明者らはクラッドする5000系合金のMg量とクラ
ッド厚さを適正化し、常法により熱間加工時に圧着させ
た後に適正温度、時間で溶体化処理を施すことにより、
皮材中のMgを芯材に拡散させ適度な範囲のMg拡散相
を皮材に持たせることができ、前述のような研磨作業に
より表面に6000系合金相が現われた場合も、耐食性
を有することを見出した。本発明は以上のような知見に
基づいてなされるに至ったものである。
て、6000系合金が5000系合金と比較して低い原
因を詳細に検討した結果、6000系合金は素材の電気
伝導度が高く、かつ融点が高いことが大きな要因である
ことが判明した。さらにスポット溶接時に問題となる電
気伝導度は、電極と材料とが接触する材料表面における
電気伝導度が最も大きく影響を及ぼしていることが判明
した。そこでさらに種々の検討を行った結果、比較的高
いMg量を有する5000系合金をクラッドすること
で、溶接性を向上させることが可能であることを見出し
たものである。さらに耐食性に関しては一般に6000
系合金よりも5000系合金が優れており、その意味に
おいて5000系合金を表層にクラッドすることが、耐
食性を向上させる上で好ましい。しかし、実際の製造に
あたっては材料表面に打痕、傷あるいは成形時の歪み等
があるために、例えば自動車の製造の場合には部品を車
体に組み付けた後にそれらを修正することが多く、その
場合にはやすり等で表面を研磨する必要がある。このよ
うな作業は日常的に行われるものであり、このような作
業が行われると表面の5000系合金が研磨により除去
されて、表面に6000系合金が出現する。さらに使用
中に傷がついた場合にも同様の結果を生じる。しかし本
発明者らはクラッドする5000系合金のMg量とクラ
ッド厚さを適正化し、常法により熱間加工時に圧着させ
た後に適正温度、時間で溶体化処理を施すことにより、
皮材中のMgを芯材に拡散させ適度な範囲のMg拡散相
を皮材に持たせることができ、前述のような研磨作業に
より表面に6000系合金相が現われた場合も、耐食性
を有することを見出した。本発明は以上のような知見に
基づいてなされるに至ったものである。
【0006】すなわち本発明は、(1)Mg 0.2〜
1.5wt% 、Si 0.2〜2.0wt% 及びTi 0.
005〜0.1wt% を含有し、残部がAlと不可避的不
純物からなるアルミニウム合金を芯材とし、芯材の片面
もしくは両面に全板厚に対する割合で3〜25%となる
ように、Mg 3.6〜9wt% 及びTi 0.005〜
0.1wt% を含有し、残部がAlと不可避的不純物から
なるアルミニウム合金を、皮材としてクラッドしてな
り、かつ、芯材のアルミニウム合金の平均結晶粒径が8
0μm以下で、合わせ材の表面粗度がRa 0.1〜
1.2μmであることを特徴とする成形性、溶接性、焼
付け硬化性及び耐食性に優れるアルミニウム合金合わせ
材、(2)芯材及び/又は皮材がさらに、Cu 0.1
〜1.5wt% 及びZn 0.1〜2.5wt% から選ばれ
る1種又は2種を含むことを特徴とする請求項1記載の
成形性、溶接性、焼付け硬化性及び耐食性に優れるアル
ミニウム合金合わせ材、(3)芯材及び/又は皮材がさ
らに、Mn 0.1〜1.5wt% 、Cr 0.02〜
0.5wt% 及びZr 0.02〜0.25wt% からなる
群から選ばれる1種もしくは2種以上を含むことを特徴
とする(1)又は(2)項記載の成形性、溶接性、焼付
け硬化性及び耐食性に優れるアルミニウム合金合わせ
材、(4)(1)、(2)又は(3)項に規定された組
成を有する皮材を、(1)、(2)又は(3)項で規定
された組成を有する芯材の片面もしくは両面に全板厚に
対する皮材の割合が3〜25%となるようにクラッド
し、得られたアルミニウム合金合わせ材を常法により圧
延して所定厚の板材とし、溶体化処理として480〜5
80℃で5秒以上加熱し、その後100℃/分以上の平
均冷却速度で100℃以下に冷却することを特徴とする
成形性、溶接性、焼付け硬化性及び耐食性に優れるアル
ミニウム合金合わせ材の製造方法、及び(5)溶体化処
理後に80〜300℃に加熱することを特徴とする
(4)項記載の成形性、溶接性、焼付け硬化性及び耐食
性に優れるアルミニウム合金合わせ材の製造方法を提供
するものである。
1.5wt% 、Si 0.2〜2.0wt% 及びTi 0.
005〜0.1wt% を含有し、残部がAlと不可避的不
純物からなるアルミニウム合金を芯材とし、芯材の片面
もしくは両面に全板厚に対する割合で3〜25%となる
ように、Mg 3.6〜9wt% 及びTi 0.005〜
0.1wt% を含有し、残部がAlと不可避的不純物から
なるアルミニウム合金を、皮材としてクラッドしてな
り、かつ、芯材のアルミニウム合金の平均結晶粒径が8
0μm以下で、合わせ材の表面粗度がRa 0.1〜
1.2μmであることを特徴とする成形性、溶接性、焼
付け硬化性及び耐食性に優れるアルミニウム合金合わせ
材、(2)芯材及び/又は皮材がさらに、Cu 0.1
〜1.5wt% 及びZn 0.1〜2.5wt% から選ばれ
る1種又は2種を含むことを特徴とする請求項1記載の
成形性、溶接性、焼付け硬化性及び耐食性に優れるアル
ミニウム合金合わせ材、(3)芯材及び/又は皮材がさ
らに、Mn 0.1〜1.5wt% 、Cr 0.02〜
0.5wt% 及びZr 0.02〜0.25wt% からなる
群から選ばれる1種もしくは2種以上を含むことを特徴
とする(1)又は(2)項記載の成形性、溶接性、焼付
け硬化性及び耐食性に優れるアルミニウム合金合わせ
材、(4)(1)、(2)又は(3)項に規定された組
成を有する皮材を、(1)、(2)又は(3)項で規定
された組成を有する芯材の片面もしくは両面に全板厚に
対する皮材の割合が3〜25%となるようにクラッド
し、得られたアルミニウム合金合わせ材を常法により圧
延して所定厚の板材とし、溶体化処理として480〜5
80℃で5秒以上加熱し、その後100℃/分以上の平
均冷却速度で100℃以下に冷却することを特徴とする
成形性、溶接性、焼付け硬化性及び耐食性に優れるアル
ミニウム合金合わせ材の製造方法、及び(5)溶体化処
理後に80〜300℃に加熱することを特徴とする
(4)項記載の成形性、溶接性、焼付け硬化性及び耐食
性に優れるアルミニウム合金合わせ材の製造方法を提供
するものである。
【0007】まず本発明のアルミニウム合金合わせ材
(以下本発明材という)において芯材及び皮材のアルミ
ニウム合金の組成を規定した理由について説明する。芯
材のMg、SiはMg 0.2〜1.5wt% 、Si
0.2〜2.0wt% とする。MgとSiは焼付け加熱時
にMg−Si系の析出物を生じて焼付け硬化に寄与す
る。いずれかの元素が下限未満では硬化が十分ではな
く、上限を越えると成形性が低下する。芯材中のTiは
0.005〜0.1wt% とする。Tiは組織を均質化し
て材料の成形性を向上させる。0.005wt% 未満では
この効果が十分ではなく、0.1wt% を越えると粗大な
化合物を生じて成形性を劣化させる。皮材のMgは3.
6〜9wt% とする。皮材中のMgは材料の成形性、溶接
性、耐食性を向上させる。3.6wt% 未満では成形性、
溶接性、耐食性が共に低く、また9wt% を越えると皮材
の耐食性が低下するために、その結果材料の耐食性を低
下させる。皮材中のTiは0.005〜0.1wt% とす
る。Tiは組織を均質化して材料の成形性を向上させ
る。0.005wt% 未満ではこの効果が十分ではなく、
0.1wt% を越えると粗大な化合物を生じて成形性を劣
化させる。Cu及びZnは材料中に固溶して成形性向上
に寄与する。これら元素は皮材、芯材のいずれに添加さ
れても同様の効果を有する。その添加量はCu 0.1
〜1.5wt% 、Zn 0.1〜2.5wt% とする。上記
範囲の下限未満の添加ではこれら効果が期待できず、上
限を越えて添加されると逆に成形性が低下する。これら
元素は耐食性を低下させる傾向があり、要求品質に応じ
て添加、無添加を決定すればよい。
(以下本発明材という)において芯材及び皮材のアルミ
ニウム合金の組成を規定した理由について説明する。芯
材のMg、SiはMg 0.2〜1.5wt% 、Si
0.2〜2.0wt% とする。MgとSiは焼付け加熱時
にMg−Si系の析出物を生じて焼付け硬化に寄与す
る。いずれかの元素が下限未満では硬化が十分ではな
く、上限を越えると成形性が低下する。芯材中のTiは
0.005〜0.1wt% とする。Tiは組織を均質化し
て材料の成形性を向上させる。0.005wt% 未満では
この効果が十分ではなく、0.1wt% を越えると粗大な
化合物を生じて成形性を劣化させる。皮材のMgは3.
6〜9wt% とする。皮材中のMgは材料の成形性、溶接
性、耐食性を向上させる。3.6wt% 未満では成形性、
溶接性、耐食性が共に低く、また9wt% を越えると皮材
の耐食性が低下するために、その結果材料の耐食性を低
下させる。皮材中のTiは0.005〜0.1wt% とす
る。Tiは組織を均質化して材料の成形性を向上させ
る。0.005wt% 未満ではこの効果が十分ではなく、
0.1wt% を越えると粗大な化合物を生じて成形性を劣
化させる。Cu及びZnは材料中に固溶して成形性向上
に寄与する。これら元素は皮材、芯材のいずれに添加さ
れても同様の効果を有する。その添加量はCu 0.1
〜1.5wt% 、Zn 0.1〜2.5wt% とする。上記
範囲の下限未満の添加ではこれら効果が期待できず、上
限を越えて添加されると逆に成形性が低下する。これら
元素は耐食性を低下させる傾向があり、要求品質に応じ
て添加、無添加を決定すればよい。
【0008】芯材、皮材中でMn、Cr、Zrはいずれ
も材料中の再結晶粒の微細化、均質化に寄与し、その結
果として成形後の外観不良である肌あれの防止に有効で
ある。添加量はそれぞれMn 0.1〜1.5wt% 、C
r 0.02〜0.5wt% 、Zr 0.02〜0.25
wt% とする。上記範囲の下限未満の添加ではこれら効果
が十分ではなく、上限を越えて添加されると粗大な化合
物を生じて成形性を劣化させる。これら元素は皮材ある
いは芯材の再結晶粒が粗大化する可能性がある場合、特
に芯材の平均結晶粒サイズが80μmを越える可能性が
ある場合には添加されることが好ましいが、これら元素
は材料の成形性を若干低下させる場合があり、また材料
の再結晶粒サイズの最適値は成形後の製品形状によって
も異なるため、これらの点を考慮してこれら元素を添加
することが好ましい。芯材及び皮材は、上記のほかにア
ルミニウム合金中に通常含まれる不可避的不純物を含ん
でいてもよい。
も材料中の再結晶粒の微細化、均質化に寄与し、その結
果として成形後の外観不良である肌あれの防止に有効で
ある。添加量はそれぞれMn 0.1〜1.5wt% 、C
r 0.02〜0.5wt% 、Zr 0.02〜0.25
wt% とする。上記範囲の下限未満の添加ではこれら効果
が十分ではなく、上限を越えて添加されると粗大な化合
物を生じて成形性を劣化させる。これら元素は皮材ある
いは芯材の再結晶粒が粗大化する可能性がある場合、特
に芯材の平均結晶粒サイズが80μmを越える可能性が
ある場合には添加されることが好ましいが、これら元素
は材料の成形性を若干低下させる場合があり、また材料
の再結晶粒サイズの最適値は成形後の製品形状によって
も異なるため、これらの点を考慮してこれら元素を添加
することが好ましい。芯材及び皮材は、上記のほかにア
ルミニウム合金中に通常含まれる不可避的不純物を含ん
でいてもよい。
【0009】次に材料の組織、表面形状等を規定した理
由を以下に説明する。クラッドした皮材の全板厚に対す
る割合は3〜25%とする。この範囲の下限未満のクラ
ッド率では皮材の効果が不十分であり、上限を越えると
焼付け加熱時の強度増大効果が不足する。芯材の平均結
晶粒径は80μm以下とする。80μmを越えると粒界
に粗大な化合物を生じて焼付け硬化性を低下させ、さら
に成形時に肌あれが生じる危険性も大きい。結晶粒径は
小さい方が好ましく、その下限は特に定めるものではな
いが、通常の工業製品では10〜60μmが一般的であ
る。結晶粒径は材料の圧延率、中間焼鈍実施の有無、熱
処理条件等の組み合わせで変化するものであり、ここで
はその条件については特に規定するものではない。本発
明の合わせ材の表面粗度はRa 0.1〜1.2μmの
範囲とする。一般的に本発明材のような合わせ材を成形
加工する場合は、表面に潤滑剤を塗布するが、この場合
潤滑剤の粘度が高い場合は表面粗度が小さい方が好まし
く、粘度が低い場合は粗度が大きい方が好ましい。しか
しながら潤滑剤の粘度が高い場合でも、Ra0.1μm
未満では潤滑剤が表面を覆い難くなり成形性が低下す
る。また潤滑剤の粘度が低い場合でも、Ra1.2μm
を越えると成形時の摺動性が低下して、その結果成形性
が低下する。従って表面粗度はRa0.1〜1.2μm
の範囲とする。本発明のアルミニウム合金合わせ材の厚
さは特に制限はなく、その用途に応じて適宜定めること
ができるが、好ましくは0.4〜5.2mmである。
由を以下に説明する。クラッドした皮材の全板厚に対す
る割合は3〜25%とする。この範囲の下限未満のクラ
ッド率では皮材の効果が不十分であり、上限を越えると
焼付け加熱時の強度増大効果が不足する。芯材の平均結
晶粒径は80μm以下とする。80μmを越えると粒界
に粗大な化合物を生じて焼付け硬化性を低下させ、さら
に成形時に肌あれが生じる危険性も大きい。結晶粒径は
小さい方が好ましく、その下限は特に定めるものではな
いが、通常の工業製品では10〜60μmが一般的であ
る。結晶粒径は材料の圧延率、中間焼鈍実施の有無、熱
処理条件等の組み合わせで変化するものであり、ここで
はその条件については特に規定するものではない。本発
明の合わせ材の表面粗度はRa 0.1〜1.2μmの
範囲とする。一般的に本発明材のような合わせ材を成形
加工する場合は、表面に潤滑剤を塗布するが、この場合
潤滑剤の粘度が高い場合は表面粗度が小さい方が好まし
く、粘度が低い場合は粗度が大きい方が好ましい。しか
しながら潤滑剤の粘度が高い場合でも、Ra0.1μm
未満では潤滑剤が表面を覆い難くなり成形性が低下す
る。また潤滑剤の粘度が低い場合でも、Ra1.2μm
を越えると成形時の摺動性が低下して、その結果成形性
が低下する。従って表面粗度はRa0.1〜1.2μm
の範囲とする。本発明のアルミニウム合金合わせ材の厚
さは特に制限はなく、その用途に応じて適宜定めること
ができるが、好ましくは0.4〜5.2mmである。
【0010】次に本発明のアルミ合金合わせ材の製造方
法について説明する。本発明になるアルミ合金合わせ材
は、上記で規定された組成を有する皮材で芯材の片面も
しくは両面を全板厚に対する皮材の割合が3〜25%と
なるように常法によりクラッドし、得られたアルミニウ
ム合金合わせ材を常法により圧延して所定の板材とした
後、溶体化処理として480〜580℃の温度範囲に5
秒以上加熱し、その後100℃/分以上の平均冷却速度
で100℃以下に冷却することが好ましい。これは芯材
のMg、Siを十分に過飽和に固溶させ、その後の焼き
付け塗装時の加熱で効果的に硬化させるためであり、同
時に皮材中のMgを効果的に芯材に拡散させる作用を有
する。溶体化処理温度が480℃未満だとMg、Siは
十分に芯材中に固溶しないばかりでなく、皮材のMgが
芯材に十分に拡散せず耐食性が低下する。580℃を越
えると皮材中のMgが拡散しすぎて成形性、溶接性が低
下する。また溶体化処理時間が5秒未満だと十分にM
g、Siが芯材中に固溶しないばかりでなく、皮材のM
gが芯材に十分に拡散せず耐食性が低下する。さらに冷
却速度が100℃/分未満の場合は冷却中に芯材中に固
溶したMg、Siが析出してしまい、その後の塗装加熱
時に十分に硬化しないので好ましくない。成形時の強度
がより高い方が好ましい場合は、溶体化処理後に80〜
300℃の温度範囲に加熱して仕上げ熱処理を施すこと
ができる。この仕上げ熱処理を施した材料は施さない材
料と比較して、成形時及び塗装加熱後のいずれの強度も
向上させることができる。80℃未満ではこれら硬化が
十分ではなく、300℃を越えるとMg、Siが粗大に
析出してしまい成形性、加熱硬化性の両方を低下させ
る。熱処理時間は要求される強度に応じて決定すればよ
く、一般的には低温では長時間、高温では短時間の加熱
が好ましい。通常は80〜150℃加熱の場合は5分〜
6時間、150〜300℃加熱の場合は10秒〜60分
が好ましい。この熱処理は強度向上効果はあるものの、
成形性、特に張出成形性を若干低下させる傾向があり、
製品に要求される強度と成形性とのバランスにより必要
に応じて実施することが好ましい。本発明のアルミニウ
ム合金合わせ材の製造は、上記の点以外は常法に従って
行うことができる。
法について説明する。本発明になるアルミ合金合わせ材
は、上記で規定された組成を有する皮材で芯材の片面も
しくは両面を全板厚に対する皮材の割合が3〜25%と
なるように常法によりクラッドし、得られたアルミニウ
ム合金合わせ材を常法により圧延して所定の板材とした
後、溶体化処理として480〜580℃の温度範囲に5
秒以上加熱し、その後100℃/分以上の平均冷却速度
で100℃以下に冷却することが好ましい。これは芯材
のMg、Siを十分に過飽和に固溶させ、その後の焼き
付け塗装時の加熱で効果的に硬化させるためであり、同
時に皮材中のMgを効果的に芯材に拡散させる作用を有
する。溶体化処理温度が480℃未満だとMg、Siは
十分に芯材中に固溶しないばかりでなく、皮材のMgが
芯材に十分に拡散せず耐食性が低下する。580℃を越
えると皮材中のMgが拡散しすぎて成形性、溶接性が低
下する。また溶体化処理時間が5秒未満だと十分にM
g、Siが芯材中に固溶しないばかりでなく、皮材のM
gが芯材に十分に拡散せず耐食性が低下する。さらに冷
却速度が100℃/分未満の場合は冷却中に芯材中に固
溶したMg、Siが析出してしまい、その後の塗装加熱
時に十分に硬化しないので好ましくない。成形時の強度
がより高い方が好ましい場合は、溶体化処理後に80〜
300℃の温度範囲に加熱して仕上げ熱処理を施すこと
ができる。この仕上げ熱処理を施した材料は施さない材
料と比較して、成形時及び塗装加熱後のいずれの強度も
向上させることができる。80℃未満ではこれら硬化が
十分ではなく、300℃を越えるとMg、Siが粗大に
析出してしまい成形性、加熱硬化性の両方を低下させ
る。熱処理時間は要求される強度に応じて決定すればよ
く、一般的には低温では長時間、高温では短時間の加熱
が好ましい。通常は80〜150℃加熱の場合は5分〜
6時間、150〜300℃加熱の場合は10秒〜60分
が好ましい。この熱処理は強度向上効果はあるものの、
成形性、特に張出成形性を若干低下させる傾向があり、
製品に要求される強度と成形性とのバランスにより必要
に応じて実施することが好ましい。本発明のアルミニウ
ム合金合わせ材の製造は、上記の点以外は常法に従って
行うことができる。
【0011】
【実施例】以下に本発明を実施例に基づきさらに詳細に
説明するが、本発明はこのような実施例の記載によって
何ら制限を受けるものではないことは言うまでもない。
説明するが、本発明はこのような実施例の記載によって
何ら制限を受けるものではないことは言うまでもない。
【0012】実施例1 表1に示す組成を有する皮材、芯材を常法により鋳造
し、皮材を熱間圧延により圧延し、得られた圧延板を芯
材鋳塊の両面にクラッド率10%となるように合わせた
後、熱間圧延、冷間圧延を施すことにより、1.0mm
の合わせ板材を得た(No.1〜17)。表面粗度は最終
冷間圧延ロールの粗度により調整した。各合わせ板材
に、溶体化処理として520℃×20秒の加熱を施し、
冷却速度350℃/分で100℃まで冷却した。その後
以下に示す試験を行った。 (1)成形性試験:表面に0.5g/m2 の洗浄油を塗
布した後、直径70mmに打ち抜いたサンプルを直径3
3mmの高速円筒絞り加工(加工速度500mm/se
c)を行い、円筒側面にかじり又は/及び割れが発生し
たものを不良(×)、これら欠陥が発生しなかったもの
を良(○)とした。 (2)溶接性試験:電極寿命を下記条件にて評価した。
評価は溶着するまでの打点数又はナゲット径が4√t
(t:板厚)を下回るまでの打点数のいずれかの少ない
打点数でその効果を判定した。判定規準としては打点数
が500点未満を不良(×)、500〜1000点を普
通(△)、1000〜2000点を良好(○)、200
0点以上を最良(◎)とした。
し、皮材を熱間圧延により圧延し、得られた圧延板を芯
材鋳塊の両面にクラッド率10%となるように合わせた
後、熱間圧延、冷間圧延を施すことにより、1.0mm
の合わせ板材を得た(No.1〜17)。表面粗度は最終
冷間圧延ロールの粗度により調整した。各合わせ板材
に、溶体化処理として520℃×20秒の加熱を施し、
冷却速度350℃/分で100℃まで冷却した。その後
以下に示す試験を行った。 (1)成形性試験:表面に0.5g/m2 の洗浄油を塗
布した後、直径70mmに打ち抜いたサンプルを直径3
3mmの高速円筒絞り加工(加工速度500mm/se
c)を行い、円筒側面にかじり又は/及び割れが発生し
たものを不良(×)、これら欠陥が発生しなかったもの
を良(○)とした。 (2)溶接性試験:電極寿命を下記条件にて評価した。
評価は溶着するまでの打点数又はナゲット径が4√t
(t:板厚)を下回るまでの打点数のいずれかの少ない
打点数でその効果を判定した。判定規準としては打点数
が500点未満を不良(×)、500〜1000点を普
通(△)、1000〜2000点を良好(○)、200
0点以上を最良(◎)とした。
【0013】
【0014】(3)塗装後耐食性試験:板材から70×
150mmの板を切り出し、弱アルカリ系脱脂剤を用い
て43℃×2分の脱脂を行い、水洗を行った後、コロイ
ダルチタン系の液にて室温×30秒の表面調整を行い、
そのままの状態で市販のりん酸亜鉛処理液にて43℃×
2分の化成処理を行った。その後、水洗、乾燥を行った
後、カチオン電着塗装による下塗り、さらに吹きつけに
よる中塗り、上塗りを行って試験サンプルを作製した。
トータル塗膜厚は100μmである。そのサンプル表面
にアルミ素地まで達するクロスカット(×印)を入れ、
JIS Z 2371による塩水噴霧試験を24時間行
い、その後50℃、95%の湿潤雰囲気にて2000時
間放置した後に、クロスカット部から発生した糸錆(糸
状腐食)の最大長さを測定した。判定は糸錆び長さ4m
m以上を不良(×印)、2〜4mmを普通(△)、2m
m以下を良好(○)とした。
150mmの板を切り出し、弱アルカリ系脱脂剤を用い
て43℃×2分の脱脂を行い、水洗を行った後、コロイ
ダルチタン系の液にて室温×30秒の表面調整を行い、
そのままの状態で市販のりん酸亜鉛処理液にて43℃×
2分の化成処理を行った。その後、水洗、乾燥を行った
後、カチオン電着塗装による下塗り、さらに吹きつけに
よる中塗り、上塗りを行って試験サンプルを作製した。
トータル塗膜厚は100μmである。そのサンプル表面
にアルミ素地まで達するクロスカット(×印)を入れ、
JIS Z 2371による塩水噴霧試験を24時間行
い、その後50℃、95%の湿潤雰囲気にて2000時
間放置した後に、クロスカット部から発生した糸錆(糸
状腐食)の最大長さを測定した。判定は糸錆び長さ4m
m以上を不良(×印)、2〜4mmを普通(△)、2m
m以下を良好(○)とした。
【0015】(4)焼付け硬化性 JIS5号引張試験片を板材より切り出し、成形加工を
シミュレートした歪量として、2%の引張変形を加えた
後、塗装焼付け加熱のシミュレートとして、170℃×
20分の加熱を行った。未処理の板材素材と2%引張変
形後加熱した材料の試験片についてそれぞれ引張試験に
より強度を測定し、耐力の増分により焼付け硬化性を判
定した。 以上の結果を表2に示す。表2の結果より明らかなよう
に、本発明材(No.1〜5)は優れた特性を示している
が、芯材又は皮材のいずれかの化学組成が本発明の規定
を外れた比較例(No.6〜17)では成形性、溶接性、
塗装後耐食性(耐糸錆性)、焼付硬化性の一つ以上が劣
る。
シミュレートした歪量として、2%の引張変形を加えた
後、塗装焼付け加熱のシミュレートとして、170℃×
20分の加熱を行った。未処理の板材素材と2%引張変
形後加熱した材料の試験片についてそれぞれ引張試験に
より強度を測定し、耐力の増分により焼付け硬化性を判
定した。 以上の結果を表2に示す。表2の結果より明らかなよう
に、本発明材(No.1〜5)は優れた特性を示している
が、芯材又は皮材のいずれかの化学組成が本発明の規定
を外れた比較例(No.6〜17)では成形性、溶接性、
塗装後耐食性(耐糸錆性)、焼付硬化性の一つ以上が劣
る。
【0016】
【表1】
【0017】
【表2】
【0018】比較のために前記合わせ板材(No.1)の
芯材合金を、皮材でクラッドすることなく熱間圧延し、
その他の工程については前記と同様の方法で冷間圧延、
熱処理を施し、1.0mmの板材を得た。この材料の結
晶粒径は56μm、表面粗度はRa0.6μmとした。
これを前記と同様に成形性、溶接性、耐食性、焼付け硬
化性を評価した。結果を表3に示す。
芯材合金を、皮材でクラッドすることなく熱間圧延し、
その他の工程については前記と同様の方法で冷間圧延、
熱処理を施し、1.0mmの板材を得た。この材料の結
晶粒径は56μm、表面粗度はRa0.6μmとした。
これを前記と同様に成形性、溶接性、耐食性、焼付け硬
化性を評価した。結果を表3に示す。
【0019】
【表3】
【0020】表3の結果より明らかなように、皮材をク
ラッドしない材料は合わせ板材である本発明材に比べ成
形性、溶接性、塗装後耐食性のいずれの特性も劣ること
が明らかである。
ラッドしない材料は合わせ板材である本発明材に比べ成
形性、溶接性、塗装後耐食性のいずれの特性も劣ること
が明らかである。
【0021】実施例2 実施例1の合わせ板材(No.1)と同じ組成を有する皮
材、芯材から実施例1と同様の圧延工程にて1.0mm
の板材を得た後、表4の条件にて熱処理を施して合わせ
板材を得た(No.A〜I)。なお、一部については最終
冷間圧延ロールの粗度を変更することにより板材の表面
粗度を変更した。これらの板材に対して実施例1と同様
の方法にて評価を行った。結果を表5に示す。
材、芯材から実施例1と同様の圧延工程にて1.0mm
の板材を得た後、表4の条件にて熱処理を施して合わせ
板材を得た(No.A〜I)。なお、一部については最終
冷間圧延ロールの粗度を変更することにより板材の表面
粗度を変更した。これらの板材に対して実施例1と同様
の方法にて評価を行った。結果を表5に示す。
【0022】
【表4】
【0023】
【表5】
【0024】表5の結果より明らかなように、本発明に
規定された表面粗度又は加熱条件のいずれかを外れた比
較例(No.C〜I)は、本発明例(No.A及びB)と比
較して成形性、溶接性、耐食性(耐糸錆性)、焼付け硬
化性の一つ以上の特性が劣ることがわかる。
規定された表面粗度又は加熱条件のいずれかを外れた比
較例(No.C〜I)は、本発明例(No.A及びB)と比
較して成形性、溶接性、耐食性(耐糸錆性)、焼付け硬
化性の一つ以上の特性が劣ることがわかる。
【0025】
【発明の効果】本発明のアルミニウム合金合わせ材は、
薄肉化が容易で、成形性、溶接性、焼付け硬化性及び耐
食性に優れ、自動車、車両、航空機、電気部品用等、成
形加工、溶接、焼付け塗装を行う用途に好適である。本
発明方法によれば、上記にような優れた各物性を具備す
るアルミニウム合金合わせ材を製造することができる。
薄肉化が容易で、成形性、溶接性、焼付け硬化性及び耐
食性に優れ、自動車、車両、航空機、電気部品用等、成
形加工、溶接、焼付け塗装を行う用途に好適である。本
発明方法によれば、上記にような優れた各物性を具備す
るアルミニウム合金合わせ材を製造することができる。
Claims (5)
- 【請求項1】 Mg 0.2〜1.5wt% 、Si 0.
2〜2.0wt% 及びTi 0.005〜0.1wt% を含
有し、残部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウ
ム合金を芯材とし、芯材の片面もしくは両面に全板厚に
対する割合で3〜25%となるように、Mg 3.6〜
9wt% 及びTi 0.005〜0.1wt% を含有し、残
部がAlと不可避的不純物からなるアルミニウム合金
を、皮材としてクラッドしてなり、かつ、芯材のアルミ
ニウム合金の平均結晶粒径が80μm以下で、合わせ材
の表面粗度がRa 0.1〜1.2μmであることを特
徴とする成形性、溶接性、焼付け硬化性及び耐食性に優
れるアルミニウム合金合わせ材。 - 【請求項2】 芯材及び/又は皮材がさらに、Cu
0.1〜1.5wt% 及びZn 0.1〜2.5wt% から
選ばれる1種又は2種を含むことを特徴とする請求項1
記載の成形性、溶接性、焼付け硬化性及び耐食性に優れ
るアルミニウム合金合わせ材。 - 【請求項3】 芯材及び/又は皮材がさらに、Mn
0.1〜1.5wt% 、Cr 0.02〜0.5wt% 及び
Zr 0.02〜0.25wt% からなる群から選ばれる
1種もしくは2種以上を含むことを特徴とする請求項1
又は2記載の成形性、溶接性、焼付け硬化性及び耐食性
に優れるアルミニウム合金合わせ材。 - 【請求項4】 請求項1、2又は3に規定された組成を
有する皮材を、請求項1、2又は3で規定された組成を
有する芯材の片面もしくは両面に全板厚に対する皮材の
割合が3〜25%となるようにクラッドし、得られたア
ルミニウム合金合わせ材を常法により圧延して所定厚の
板材とし、溶体化処理として480〜580℃で5秒以
上加熱し、その後100℃/分以上の平均冷却速度で1
00℃以下に冷却することを特徴とする成形性、溶接
性、焼付け硬化性及び耐食性に優れるアルミニウム合金
合わせ材の製造方法。 - 【請求項5】 溶体化処理後に80〜300℃に加熱す
ることを特徴とする請求項4記載の成形性、溶接性、焼
付け硬化性及び耐食性に優れるアルミニウム合金合わせ
材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16070894A JPH083671A (ja) | 1994-06-21 | 1994-06-21 | 成形性、溶接性、焼付け硬化性及び耐食性に優れるアルミニウム合金合わせ材とその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16070894A JPH083671A (ja) | 1994-06-21 | 1994-06-21 | 成形性、溶接性、焼付け硬化性及び耐食性に優れるアルミニウム合金合わせ材とその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH083671A true JPH083671A (ja) | 1996-01-09 |
Family
ID=15720754
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16070894A Pending JPH083671A (ja) | 1994-06-21 | 1994-06-21 | 成形性、溶接性、焼付け硬化性及び耐食性に優れるアルミニウム合金合わせ材とその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH083671A (ja) |
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002018696A (ja) * | 2000-06-14 | 2002-01-22 | Alcoa Inc | 航空機部分として使用するアルミニュームあるいはアルミニューム合金の面を滑らかにする方法とそのような航空機部分 |
JP2007222934A (ja) * | 2006-02-27 | 2007-09-06 | Daido Metal Co Ltd | アルミニウム軸受用クラッド材の製造方法 |
EP2230669A1 (de) * | 2009-03-17 | 2010-09-22 | Hydro Aluminium Deutschland GmbH | Bauelement einer elektrischen Schaltung und Herstellungsverfahren für ein derartiges Bauelement |
US7820304B2 (en) * | 2008-01-22 | 2010-10-26 | All-Clad Metalcrafters Llc | Corrosion/abrasion-resistant composite cookware |
EP2527140A1 (en) * | 2011-05-27 | 2012-11-28 | Aleris Aluminum Duffel BVBA | Formable clad sheet article |
-
1994
- 1994-06-21 JP JP16070894A patent/JPH083671A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002018696A (ja) * | 2000-06-14 | 2002-01-22 | Alcoa Inc | 航空機部分として使用するアルミニュームあるいはアルミニューム合金の面を滑らかにする方法とそのような航空機部分 |
JP2007222934A (ja) * | 2006-02-27 | 2007-09-06 | Daido Metal Co Ltd | アルミニウム軸受用クラッド材の製造方法 |
US7820304B2 (en) * | 2008-01-22 | 2010-10-26 | All-Clad Metalcrafters Llc | Corrosion/abrasion-resistant composite cookware |
EP2230669A1 (de) * | 2009-03-17 | 2010-09-22 | Hydro Aluminium Deutschland GmbH | Bauelement einer elektrischen Schaltung und Herstellungsverfahren für ein derartiges Bauelement |
EP2527140A1 (en) * | 2011-05-27 | 2012-11-28 | Aleris Aluminum Duffel BVBA | Formable clad sheet article |
WO2012163684A1 (en) * | 2011-05-27 | 2012-12-06 | Aleris Aluminum Duffel Bvba | Formable clad sheet article |
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