JPH09194697A - ポリエステル樹脂組成物 - Google Patents

ポリエステル樹脂組成物

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JPH09194697A
JPH09194697A JP608596A JP608596A JPH09194697A JP H09194697 A JPH09194697 A JP H09194697A JP 608596 A JP608596 A JP 608596A JP 608596 A JP608596 A JP 608596A JP H09194697 A JPH09194697 A JP H09194697A
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acid
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 連続成形性に優れ、しかも、成形物またはそ
の前駆体を熱処理して耐熱性を付与する際に、透明性を
損なうことなく結晶化速度のみを制御することができる
ポリエステル樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 エチレンテレフタレート単位を主体とす
るポリエステル樹脂に、ポリプロピレン0.1ppb〜
1000ppmを配合してなることを特徴とするポリエ
ステル樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ボトルをはじめフ
ィルム・シートなどに有用なポリエステル樹脂組成物に
関するものであり、詳しくは、連続成形性および透明性
を損なうことなく結晶化速度を制御したポリエステル樹
脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ポリエチレンテレフタレート(以下、P
ETという)は、機械的強度、化学的安定性、透明性、
衛生性、ガスバリヤー性などに優れており、また、軽量
かつ安価であるため、各種のシートおよび容器として、
幅広く包装材料に使用され、特に、炭酸飲料、果汁飲
料、液体調味料、食用油、酒、ワイン用などの容器とし
ての伸びが著しい。このようなPETの容器は、例え
ば、ボトルの場合、射出成形機で中空成形体用のプリフ
ォームを成形し、このプリフォームを所定形状の金型内
で延伸ブローして作られる。また、果汁飲料などのよう
に熱充填を必要とする内容液の場合は、延伸されない口
栓部に耐熱性を付与するため、一般的に、プリフォーム
または成形されたボトルの口栓部を熱処理して結晶化す
る(特開昭55−79237号公報、特開昭58−11
0221号公報)。
【0003】上記のような公知の方法、すなわち、口栓
部や肩部を熱処理して耐熱性を向上させる方法において
は、結晶化処理の時間や温度が生産性に大きく影響する
ため、低温でかつ短時間で処理できる、結晶化速度の速
いポリエステル樹脂が要求される。一方、胴部について
は、充填物の色調を悪化させないように、熱処理を行っ
た後でも白化しないことが要求されている。したがっ
て、口栓部と胴部では相反する特性が必要である。しか
しながら、透明性に優れたポリエステル樹脂は、通常、
結晶化が遅いため、成形物の透明性や強度を犠牲にし、
樹脂の極限粘度を低下させることで結晶化速度を改良す
るか、または、生産性を犠牲にし、高温かつ長時間の熱
処理を行う必要がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、連続成形性
に優れ、しかも、成形物またはその前駆体を熱処理して
耐熱性を付与する際に、透明性を損なうことなく結晶化
速度のみを制御することができるポリエステル樹脂組成
物を提供することを解決課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の目
的を達成するために鋭意検討した結果、微量のポリプロ
ピレンを配合することにより、ボトル製造時の必須要件
である透明性と結晶化速度という相反する特性を同時に
満足でき、さらに、連続成形性の改良されたポリエステ
ル樹脂組成物が得られることを見いだし、本発明を完成
するに至った。
【0006】すなわち、本発明の要旨は、エチレンテレ
フタレート単位を主体とするポリエステル樹脂に、ポリ
プロピレン0.1ppb〜1000ppmを配合してな
ることを特徴とするポリエステル樹脂組成物に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において、PETとは、全構成繰り返し単位に対
するテレフタル酸およびエチレングリコールからなるオ
キシエチレンオキシテレフタロイル単位(以下、ET単
位という)の比率が通常80当量%以上であるポリエチ
レンテレフタレートを指し、本発明におけるPETは、
ET単位以外の構成繰り返し単位を20当量%未満の範
囲で含んでいてもよい。本発明におけるPETは、テレ
フタル酸またはその低級アルキルエステルとエチレング
リコールとを主たる原料として製造されるが、前述のと
おり、他の酸成分および/または他のグリコール成分を
併せて原料として用いてもよい。テレフタル酸以外の酸
成分としては、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジ
カルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン
酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、1,4−シク
ロヘキサンジカルボン酸、1,3−フェニレンジオキシ
ジ酢酸およびこれらの構造異性体、マロン酸、コハク
酸、アジピン酸などのジカルボン酸およびその誘導体、
p−ヒドロキシ安息香酸、グリコール酸などのオキシ酸
またはその誘導体が挙げられる。
【0008】また、エチレングリコール以外のジオール
成分としては、ジエチレングリオール、1,2−プロパ
ンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、ペンタメチレングリコール、ヘキサメチレ
ングリコール、ネオペンチルグリコール等の脂肪族グリ
コール、シクロヘキサンジメタノール等の脂環式グリコ
ール、ビスフェノールA、ビスフェノールS等の芳香族
ジヒドロキシ化合物誘導体などが挙げられる。上記のよ
うなテレフタル酸またはそのエステル形成性誘導体とエ
チレングリコールとを含む原料は、エステル化触媒また
はエステル交換触媒の存在下のエステル化反応またはエ
ステル交換反応により、ビス(β−ヒドロキシエチル)
テレフタレートおよび/またはそのオリゴマーを形成さ
せ、その後、重縮合触媒および安定剤の存在下で高温減
圧下に溶融重縮合を行ってポリマーとされる。エステル
化触媒は、テレフタル酸がエステル化反応の自己触媒と
なるため、特に使用する必要はない。また、エステル化
反応は、エステル化触媒と後述する重縮合触媒の共存下
に実施することも可能であり、また、少量の無機酸など
の存在下に実施することができる。エステル交換触媒と
しては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属塩、マ
グネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属塩、亜
鉛、マンガン等の金属化合物が好ましく使用されるが、
透明性の観点からマンガン化合物が特に好ましい。
【0009】重縮合触媒としては、ゲルマニウム化合
物、アンチモン化合物、チタン化合物、コバルト化合
物、錫化合物などの反応系に可溶な化合物が単独または
組み合わせて使用される。重縮合触媒としては、色調お
よび透明性などの観点から二酸化ゲルマニウムが特に好
ましい。安定剤としては、トリメチルホスフェート、ト
リエチルホスフェート、トリフェニルホスフェート等の
リン酸エステル類、トリフェニルホスファイト、トリス
ドデシルホスファイト等の亜リン酸エステル類、メチル
アシッドホスフェート、ジブチルホスフェート、モノブ
チルホスフェート酸性リン酸エステル、リン酸、亜リン
酸、次亜リン酸、ポリリン酸などのリン化合物が好まし
い。上記の触媒の使用割合は、全重合原料中、触媒中の
金属元素の重量として、通常5〜2000ppm、好ま
しくは10〜500ppmの範囲とされ、安定剤の使用
割合は、全重合原料中、安定剤中のリン元素の重量とし
て、通常10〜1000ppm、好ましくは20〜20
0ppmの範囲とされる。触媒および安定剤の供給は、
原料スラリー調製時の他、エステル化反応またはエステ
ル交換反応の任意の段階において行うことができる。さ
らに、重縮合反応工程の初期に供給することもできる。
【0010】エステル化反応またはエステル交換反応時
の反応温度は、通常240〜280℃であり、反応圧力
は通常1〜3kg/cm2 Gである。また、重縮合反応
時の反応温度は、通常250〜300℃であり、反応圧
力は通常500〜0.1mmHgである。このようなエ
ステル化またはエステル交換反応および重縮合反応は、
1段階で行っても、複数段階に分けて行ってもよい。こ
のようにして得られるポリエステルは、極限粘度が通常
0.45〜0.7dl/gであり、常法によりチップ化
される。ポリエステルチップの平均粒径は、通常2〜
5.5mm、好ましくは2.2〜4mmの範囲とする。
次に、上記のように溶融重縮合により得られたポリマー
は、通常、固相重合に供される。固相重合に供されるポ
リマーチップは、あらかじめ固相重合を行う温度より低
い温度に加熱して予備結晶化を行った後、固相重合に供
してもよい。このような予備結晶化は、(a)乾燥状態
のポリマーチップを、通常120〜200℃、好ましく
は130〜180℃の温度で1分間〜4時間加熱する方
法、(b)乾燥状態のポリマーチップを、水蒸気または
水蒸気含有不活性ガス雰囲気下、通常120〜200℃
の温度で1分間以上加熱する方法、(c)水、水蒸気ま
たは水蒸気含有不活性ガス雰囲気下で吸湿させ調湿した
ポリマーチップを、通常120〜200℃の温度で1分
間以上加熱する方法などによって行うことができる。
【0011】ポリマーチップの調湿は、その含水率が通
常100〜10000ppm、好ましくは1000〜5
000ppmの範囲となるように実施される。調湿した
ポリマーチップを結晶化や固相重合に供することによ
り、PETに含まれるアセトアルデヒドや微量の不純物
の量を一層低減化することが可能である。固相重合工程
は、少なくとも1段からなり、通常190〜230℃、
好ましくは195〜225℃の重合温度、通常1kg/
cm2 G〜10mmHg、好ましくは0.5kg/cm
2 G〜100mmHgの重合圧力の条件下、窒素、アル
ゴン、二酸化炭素などの不活性ガス流通下で実施され
る。固相重合時間は、温度が高いほど短時間でよいが、
通常150時間以内、好ましくは5〜30時間、さらに
好ましくは10〜25時間である。固相重合により得ら
れたポリマーの極限粘度は、通常0.75〜0.85d
l/gの範囲である。本発明においては、上記方法によ
り、最終的に得られるポリエステル樹脂を構成するジエ
チレングリコール単位(以下、DEGと略称する)の含
有量およびポリエステル樹脂中の環状三量体(以下、C
Tと略称する)の含有量を特定の範囲内にすることで、
連続成形性に優れかつ透明性を損なうことなく結晶化速
度を制御するという本発明の目的に対し、さらに有効な
効果を得ることができる。
【0012】本発明において、最終的に得られるポリエ
ステル樹脂を構成するDEG量は、ポリエステルを構成
する全ジオール単位に対し、通常1〜4モル%、好まし
くは1.2〜3モル%である。DEG量が少な過ぎる場
合は、成形後のボトルの胴部の透明性が悪化することが
あり、また、多過ぎる場合は、耐熱性が低下し、さら
に、結晶化促進効果が小さくなる傾向がある。上記範囲
内にDEG量を調節する方法としては、ジエチレングリ
コールを重合原料として使用するほか、主原料として使
用するエチレングリコールからジエチレングリコールが
一部副生するため、反応条件、添加剤などを適宜選択す
ることによってその副生成量を調節する方法が挙げられ
る。上記の添加剤としては、例えば、トリエチルアミ
ン、トリ−n−ブチルアミン、ベンジルジメチルアミン
等の第3級アミン、水酸化テトラエチルアンモニウム、
水酸化テトラブチルアンモニウム、水酸化トリメチルベ
ンジルアンモニウム等の水酸化第4級アンモニウム、炭
酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、酢酸ナト
リウム等の塩基性化合物が挙げられる。これらの少量添
加により、DEGの生成を抑制することができる。一
方、硫酸などの無機酸、安息香酸などの有機酸を重合原
料中に少量添加すれば、DEGの生成が促進し、その含
有量を増加させることもできる。DEGの生成量をコン
トロールする上記の添加剤は、必要に応じ、通常、全重
合原料の0.001〜10重量%、好ましくは、0.0
05〜1重量%の範囲で使用される。
【0013】また、最終的に得られるポリエステル樹脂
中のCT含有量は、通常0.6%以下、好ましくは0.
5%以下、さらに好ましくは0.4%以下、最も好まし
くは0.35%以下である。CT含有量が0.6%を超
える場合は、金型などの汚染が認められ、しかも、成形
体の胴部が白化しやすくなる傾向がある。CT量は、固
相重合温度を高くし、さらに、重合時間を長くすること
により、低減することが可能である。さらに、CTの低
減効果を高めるため、固相重合に供される溶融重縮合後
のポリマー中の末端カルボキシル基の濃度は、10〜3
0当量/トンの範囲にすることが好ましく、15〜25
当量/トンの範囲にすることが特に好ましい。末端カル
ボキシル基の濃度が上記範囲に満たない場合は、固相重
合性が悪くなる傾向があり、極限粘度を大きくするのに
長時間を要することがあり、一方、上記範囲を超える場
合は、固相重合に供した場合のCT等のオリゴマーの低
減効果が少ないことがある。
【0014】本発明は、上記のようなポリエステル樹脂
にポリプロピレン(以下、PPと略記する)を配合する
ことを特徴とする。ポリプロピレンとしては、通常、プ
ロピレンの単独重合体を用いるが、公知のランダム共重
合体やブロック共重合体を用いてもよい。この際の共重
合成分としては、例えば、エチレン、1−ブテン、1−
ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、4−メチル−
1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテ
ン、1−オクテン、1−ノネン、1−デセン、1−ウン
デセン、1−ドデセン、1−テトラデセン、1−ヘキサ
デセン、1−オクタデセン等のα−オレフィンが挙げら
れ、これらは全重合原料中、通常、30重量%以下の割
合で用いられる。上記のようなポリエステル樹脂を使用
する結果、PPは、微量の配合量でその効果を十分に発
揮することができる。PPの具体的な配合量は、0.1
ppb〜1000ppm、好ましくは1ppb〜500
ppm、さらに好ましくは5ppb〜100ppmの範
囲とされる。配合量が0.1ppb未満の場合は、結晶
化促進効果が不十分であり、1000ppmを超える場
合は、結晶化促進効果が大き過ぎ、口栓部の結晶化およ
びボトルの熱処理時に肩部および胴部が白濁して透明性
が損なわれる。
【0015】ポリエステル樹脂にPPを配合する方法
は、ポリエステル製造工程中での添加、製造後のポリエ
ステルとのドライブレンド等、均一に混合し得る方法が
好ましく、ポリエステル製造工程中、具体的には、原料
スラリー調製時、エステル化反応またはエステル交換反
応の任意の段階および重縮合反応工程の初期の何れかの
時点で添加することが好ましい。本発明においては、前
述したように、ポリエステルの製造中または製造後にP
Pを添加するが、PPの添加によってポリエステルの昇
温時の結晶化温度(TC1 )が低下する傾向がある。し
たがって、ポリエステル製造後にPPを添加する場合
は、PP添加前のTC1 が155℃以上のポリエステル
を使用することが好ましい。
【0016】本発明のポリエステル樹脂組成物は、一般
的に使用される溶融成形法を採用してボトルに成形する
ことができる。具体的には、例えば、射出成形または押
出成形で一旦パリソンを成形し、そのまままたは口栓部
および底部を加工後、再加熱し、ホットパリソン法また
はコールドパリソン法などの延伸ブロー成形法を適用す
る。この場合の成形温度(具体的には試験機のシリンダ
ー各部およびノズルの温度)は、通常260〜300
℃、延伸温度は、通常70〜120℃である。延伸倍率
は、通常、縦方向に1.5〜3.5倍、円周方向に2〜
5倍の範囲である。得られたボトルは、そのまま使用で
きるが、特に、果汁飲料、ウーロン茶などのように熱充
填を必要とする内溶液の場合は、一般に、ブロー金型内
で熱固定し、さらに耐熱性を付与して使用される。熱固
定は、通常、圧空などによる緊張下、100〜200℃
で数秒〜数分間行われる。
【0017】
【実施例】以下、実施例により、本発明をさらに詳細に
説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の
実施例に限定されるものではない。なお、本実施例で使
用した種々の測定方法を以下に示す。 (1)極限粘度(以下、IVという) フェノール/テトラクロロエタン(重量比1/1)の混
合溶媒中30℃で測定した。 (2)ヘーズ シリンダー各部およびノズルヘッドの温度を280℃、
スクリュー回転数を200rpm、射出時間を60秒、
金型冷却水温度を10℃に設定した射出成形機(名機製
作所(株)製「M−70A」)で得られた段付き成形板
の、厚み4mmおよび5mmの部分をヘーズメーター
(日本電色(株)社製「NDH−300A」)で測定し
た。
【0018】(3)結晶化温度 示差走査熱量計(セイコー電子(株)社製「DSC22
0C」)を使用し、サンプルとして段付き成形板の厚み
5mmの部分を使用した。室温から285℃までの20
℃/分の速度で昇温している途中で観察される結晶化ピ
ークのトップ温度を昇温結晶化温度(TC1 )とした。
さらに昇温を続け285℃に達した時点から3分間保持
した後、10℃/分の速度で昇温した。この時に観察さ
れる結晶化ピークのトップ温度を冷結晶化温度(TC2
)とした。 (4)ボトルの透明性 シリンダー各部およびノズルヘッドの温度を280℃、
スクリュー回転数を100rpm、射出時間を10秒、
金型冷却水温度を10℃に設定した射出成形機(東芝
(株)社製「IS−60B」)でプリフォームを成形
し、次いで、予熱炉温度を90℃、ブロー圧力を20k
g/cm2 、成形サイクルを10秒に設定した延伸ブロ
ー成形機で成形し、胴部平均肉圧300μm、内容積1
リットルの瓶とし、目視により透明性を判断した。
【0019】実施例1〜4 テレフタル酸13.0kgおよびエチレングリコール
5.82kgのスラリーを調製し、0.30kgのビス
(2−ヒドロキシエチル)テレフタレートを添加して、
250℃の温度に保持したエステル化槽に4時間かけて
順次供給した。供給終了後、1時間エステル化反応を進
行させた後、半量を重縮合槽に移し、リン酸0.91g
(対ポリマー120ppm)、二酸化ゲルマニウム0.
92g(対ポリマー120ppm)、下記表1に示す量
のポリプロピレン(三菱化学製「FA3D」)を仕込
み、250℃から278℃まで漸次昇温するとともに、
常圧から漸次減圧し、0.5mmHgに保持した。反応
を3時間行った後、生成したポリマーを重縮合槽の底部
に設けた抜出口よりストランド状に抜出して水冷した
後、チップ状にカットした。次に、撹拌結晶化機(Be
pex社式)により、上記のポリマーチップ表面を15
0℃で結晶化させた後、20リットル/kgの窒素流通
下、約140℃で3時間乾燥し、続いて静置固相重合塔
に移し、210℃で20時間固相重合し、固相重合チッ
プを得た。上記の固相重合チップを使用し、供給射出成
形機(名機製作所(株)製「M−70A」)で段付板状
成形物を成形した。この成形板の物性値を下記表1に示
す。
【0020】また、上記の固相重合チップを使用し、射
出成形機(東芝(株)製「IS−60B」)でプリフォ
ームを成形した。このプリフォームの口栓部を自製結晶
化機で加熱結晶化させた後、延伸ブロー成形機でブロー
成形し、胴部平均肉厚300μm、内容積1リットルの
瓶とし、引続き、150℃に設定した金型内で圧空緊張
下、10秒間熱固定した。このボトルの物性値を表1に
示す。また、上記の固相重合チップを使用し、1000
本の瓶を連続成形したが、射出成形、延伸ブロー成形、
熱固定の何れの金型にも汚染は認められなかった。さら
に、90℃で殺菌し、85℃まで冷却したオレンジ果汁
液を上述の瓶に充填し、密栓後15分間倒置したが、口
栓部、肩部および胴部などの変形や液洩れは全く認めら
れなかった。また、上記の固相重合チップを使用し、シ
リンダーおよびノズルの各部温度を275℃、スクリュ
ー回転数を40rpm、押出量を80g/分に設定した
30mm径の押出機で肉厚300μmのシートを成形し
た。連続的に10時間押出成形を継続したが、冷却ドラ
ムの汚染はほとんど認められなかった。
【0021】実施例5 実施例2において、重縮合工程中でPPを添加しないこ
と以外は、実施例2と同様の条件で重縮合反応を行って
ポリマーを得た。次に、実施例2と同様にして、210
℃で20時間固相重合を行って固相重合チップを得た。
得られた固相重合チップに粉砕したPPを10ppbド
ライブレンドしてポリエステル樹脂組成物を得た。この
チップより、実施例2と同様にして、内容積1リットル
の熱固定瓶を得たが、口栓部の変形、胴部の白濁は見ら
れず良好であった。また、上記のポリエステル樹脂組成
物でのボトルの連続成形性、熱充填試験結果も全く問題
なく良好であった。
【0022】比較例1 実施例1において、PPの添加量を0.04ppbとし
たこと以外は、実施例1と同様の条件で重縮合反応を行
ってポリマーを得た。次に、実施例1と同様にして、2
10℃で20時間固相重合を行って固相重合チップを得
た。このチップより、実施例1と同様にして段付成形板
を成形した。得られた成形板の物性値を下記表2に示
す。また、上記の固相重合チップを使用し、実施例1と
同様にプリフォームを成形した。このプリフォームの口
栓部を自製結晶化装置で加熱結晶化しようとしたが、結
晶化が遅く口栓部端面に僅かに変形が認められた。
【0023】比較例2 実施例1において、PPの添加量を2000ppmとし
たこと以外は、実施例1と同様の条件で重縮合反応を行
いポリマーを得た。次に、実施例3と同様にして、21
0℃で20時間固相重合を行って固相重合チップを得
た。このチップより、実施例1と同様にして段付成形板
を成形した。得られた成形板の物性値を表2に示す。ま
た、上記の固相重合チップを使用し、実施例1と同様に
プリフォームを成形したが、プリフォームは白化して正
常な成形が行えなかった。
【0024】
【表1】 ──────────────────────────────────── 実 施 例 1 2 3 4 5 PP含有量(ppb) 0.5 10 10000 750000 10 極限粘度(dl/g) 0.79 0.78 0.78 0.78 0.78 段付成形板物性 DSC:TC1(℃) 168.2 166.3 159.3 145.3 164.9 :TC2(℃) 175.8 176.4 175.2 179.3 178.2 ヘーズ:4mm(%) 0.6 0.5 0.5 1.1 0.6 :5mm(%) 2.7 2.9 2.8 4.6 3.1 金型の汚染 ○ ○ ○ ○ ○ ボトル外観 ○ ○ ○ ○ ○ 耐熱性試験 ○ ○ ○ ○ ○ ──────────────────────────────────── 金型の汚染・・・○:連続成形試験の前後において変化無し ×:連続成形試験後に付着物有り ボトル外観・・・○:変形、濁りが無く良好 △:透明であるが変形有り ×:結晶化時に白化有り 耐熱性試験・・・○:充填後のボトルに変形が無く良好 ×:充填後のボトルに変形有り
【0025】
【表2】 ───────────────────────── 比 較 例 1 2 PP含有量(ppb) 0.04 2000000 極限粘度(dl/g) 0.79 0.78 段付成形板物性 DSC:TC1(℃) 173.8 137.3 :TC2(℃) 175.2 189.4 ヘーズ:4mm(%) 0.4 8.9 :5mm(%) 2.7 33.4 金型の汚染 ○ ○ ボトル外観 △ × 耐熱性試験 ○ ○ ──────────────────────────
【0026】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、連続成形
性に優れ、しかも、成形物またはその前駆体であるプリ
フォームを熱処理して耐熱性を付与する際に、透明性を
損なうことなく結晶化速度のみを制御することができる
ポリエステル樹脂組成物が提供され、本発明のポリエス
テル樹脂組成物は、ボトルをはじめフィルム・シートな
どに有用である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレンテレフタレート単位を主体とす
    るポリエステル樹脂に、ポリプロピレン0.1ppb〜
    1000ppmを配合してなることを特徴とするポリエ
    ステル樹脂組成物。
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