JPH09194684A - 強靭なフェノール樹脂組成物 - Google Patents

強靭なフェノール樹脂組成物

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JPH09194684A
JPH09194684A JP1047796A JP1047796A JPH09194684A JP H09194684 A JPH09194684 A JP H09194684A JP 1047796 A JP1047796 A JP 1047796A JP 1047796 A JP1047796 A JP 1047796A JP H09194684 A JPH09194684 A JP H09194684A
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Japan
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phenol resin
modified
resin composition
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JP1047796A
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Inventor
Kouji Hirata
仰二 平田
Sumio Shibahara
澄夫 柴原
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハイドロシリル基により架橋し、相溶化剤に
よって粒径を制御されたジエン系液状ゴム粒子が分散し
た、強靭化されたフェノール樹脂組成物を提供する。 【解決手段】 ジエン系液状ゴムにハイドロシリル化触
媒を予備混合し、官能基を持った相溶化剤、特定の構造
を有する有機シリコーン系架橋剤と共に、フェノール樹
脂中で溶融混練し、動加橋により粒子分散させる。こう
して変性されたフェノール樹脂は、強靭化され成形材料
や、回路材料に用いることができる。ジエン系液状ゴム
としては、レジンが溶融する温度でブルックフィールド
粘度として、0.001〜500Pa・Secである事が必要
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は成形材料、積層板、
エポキシ樹脂の硬化剤として好適に用いられる強靭化さ
れたフェノール樹脂組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂は単独で、或いは他樹脂
との組み合わせで多岐に渡った使われ方がなされてきた
が、特に電気絶縁性が良好である、十分な機械強度があ
る、耐熱性がよい、熱膨張係数が低い、難燃性である、
安価である等の利点から、電気部品あるいは機械部品に
広く用いられている。その一方で熱硬化性樹脂共通の欠
点でもある靭性の低さは、フェノール樹脂の最大の欠点
でもあり、様々な観点より種々の検討がなされてきた。
【0003】例えば、特開昭61−168652号公報
においては芳香族ポリエステルによる特定のフェノール
樹脂の耐衝撃性改良、特開昭62−209158号公報
においては特定のポリエチレンテレフタレート、ポリウ
レタン、メチルメタクリレート系共重合体等によるフェ
ノール樹脂の強靭化が検討されているが、これらの物は
強靭化の改良が不十分であり、流動性が低下する等極め
て不満足な物であった。
【0004】又、エポキシ基、水酸基、カルボキシル
基、アミノ基の官能基を有する官能性ゴムの乳化重合ラ
テックスをフェノール樹脂に練り込む特開昭62−59
660号公報や、相溶性の良いNBR等の共役ジエン系
ゴムラテックスをアニオン系界面活性剤を含有させたう
えでフェノールレジンの脱水工程前にレジン中に分散さ
せる特開平3−17149号公報も検討されているが、
この方法ではフェノール樹脂の強靭化は図れるものの、
強靭化に効果がでる程度までゴムを添加すると、流動性
が極端に低下する為に、実用の成形性を損なうという問
題や、ゴム自体の細粒化に用いられる界面活性剤が、長
期の電気的信頼性や機械的信頼性を損なうという問題を
持っており、従来強靭性とその他の特性が調和する事例
は見いだされていなかった。
【0005】又、フェノール成形材料の製造において、
エポキシ化ポリブタジエンとラジカル重合開始剤を成形
材料の混練時に配合する特開平3−221555号公報
も提案されているが、この用法には種々制約がある。例
えばフェノール樹脂はラジカル捕捉の作用を持つ為、発
生したラジカルが架橋に寄与できなかったり、布チップ
やガラス繊維等の有機・無機の充填材や離型剤といった
第三成分の存在や、設備の混練条件の影響で、ラジカル
開始剤が目的のポリブタジエンと十分に混練混合される
前にラジカルを発生させてしまう等のトラブルがあり、
実用に耐えるものではなかった。この対策としては、目
的とする原料ゴムと架橋剤が、外部の影響を受けないで
済む様な製造方法の工夫がされていたり、或いは、目的
とする不飽和二重結合での架橋が反応性に富んでいて、
混練下でも十分に完結する程強い選択性を持つといった
事が必要である。この要件を満たす様な製品設計に基づ
き、レジン段階でゴム粒子の架橋状態や分散状態を確定
させておき、その後のプロセスで特性変動を起こさない
ような強靱なレジンは、未だ実用のレベルになく、その
開発が強く望まれていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術では得られていない成形材料、積層板用あるいはエ
ポキシ樹脂の硬化剤等の用途に有用な強靭なフェノール
樹脂組成物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、フェノー
ル樹脂(a)、ジエン系液状ゴム(b)(以下、液状ゴ
ム(b)と略す)、有機シリコーン系架橋剤(c)(以
下、架橋剤(c)と略す)、ハイドロシリル化触媒
(d)、相溶化剤(e)を配合し、溶融混練することに
よりゴム部分が動的に架橋されフェノール樹脂中に分散
した事を特徴とする強靭なフェノール樹脂組成物に関す
るものである。本発明者らは、フェノール樹脂(a)の
融点におけるブルックフィールド粘度0.001〜50
0Pa・Secである液状ゴム(b)、架橋剤(c)、ハイド
ロシリル化触媒(d)、相溶化剤(e)の5成分を混練
すると、液状ゴムのみを選択的に架橋させ、かつ官能基
を持つ相溶化剤も同様に不飽和二重結合を持っている為
に、ゴム粒子との間で架橋を受け、その結果フェノール
樹脂との優れた親和性を持った、架橋ゴム粒子が分散し
た変性フェノール樹脂を得る事ができ、これを用いると
他の特性に影響を及ぼす事なく、強靭な特性を示す成形
材料、積層板さらにエポキシ樹脂の硬化剤などが得られ
ることを見いだし本発明を完成するに到った。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の原料として用いられるフ
ェノール樹脂(a)は、特に限定するものでなく市販さ
れているものであり、例えばフェノール類とホルマリン
とを、フェノール類とホルムアルデヒドのモル比が、
0.5〜1.0となるような配合比率で反応釜に仕込
み、更にシュウ酸、塩酸、硫酸、トルエンスルフォン酸
等の触媒を加えた後加熱し、適当な時間還流反応を行っ
た後、分離した水を除去するため真空脱水あるいは静置
脱水し、更に残っている水と未反応のフェノール類を除
去する方法により得ることができるノボラック型フェノ
ール樹脂があげられる。またレゾール型フェノール樹脂
についても、動加硫時の熱履歴を詳細に制御する事で、
同じように用いる事ができる。これらの樹脂あるいは、
複数の原料成分を用いることにより得られる共縮合フェ
ノール樹脂は、単独あるいは二種以上組み合わせて用い
られる。
【0009】本発明の原料として用いられる液状ゴム
(b)は、一般に市販されているものでありポリブタジ
エン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ブタジエン
−イソプレン共重合体、ブタジエン−スチレン共重合
体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、或いは天
然ゴムから選ばれた少なくとも1種以上からなる重合
体、又はその部分水添物であり、フェノール樹脂の融点
で、ブルックフィールド粘度0.001〜500Pa・Sec
を示す、1種のみでもまたは2種以上のブレンド物であ
っても良い。液状ゴムのブルックフィールド粘度は、動
加硫の混練初期にゴム粒子を分散させる際に重要な因子
で、溶融し流動しているフェノール樹脂中で500Pa・S
ecを越える場合は事実上液滴化されないことより、最適
な分散状態が得られない。一方、粘度が0.001Pa・S
ecを下回る場合は、架橋によって高分子量化する事が困
難で、強靱化に効果を見ない。
【0010】本発明ではゴムの架橋法としてハイドロシ
リル基のゴム成分中の不飽和二重結合基への選択的な付
加反応を利用している為、架橋剤側では付加に充分な反
応性の高いSiH基を持つ事が重要である。具体的な化
合物例としては、環状ポリシロキサン類、線状ポリシロ
キサン類、四面体シロキサン類の構造を持つ化合物が代
表的であり、また、該化合物から誘導された化合物及び
またはポリマーを用いても良いが、特に次に示す様な構
造である有機シリコーン系架橋剤が、ベースレジンとの
混練時の分散性、混和性に於いて優れており、高い架橋
効率を示した。
【0011】即ち、架橋剤1分子で、ジエン系ゴム分子
間の架橋を行うためにはSiH基を有するユニットmが
5〜400で構成されることが必要で、mが4以下の場
合は架橋点の数が少なくなるので、架橋効率の低下の為
強靭化への寄与が認められず、400を越える場合に
は、架橋剤自身の粘度が高くなりすぎ流動性が悪化す
る。又、架橋効率を維持したまま、架橋点間距離を大き
くして柔軟なゴムとしての効果を必要とする場合は、ハ
イドロシリル基を他のアルキル基やアルコキシ基、アリ
ール基又はアリールオキシ基で置換した非反応性シリル
ユニットを含有した構造のものを用いると効果がある。
【0012】
【化2】 (1)mは5以上400以下の整数 (2)nは1以上400以下の整数 (3)R1 〜R7 は、アルキル基、アルコキシ基、アリ
ール基またはアリールオキシ基
【0013】本発明の原料として用いられるハイドロシ
リル化触媒(d)は、ハイドロシリル化反応を促進する
触媒全般を指す。触媒の例としては、貴金属系触媒また
は過酸化物が挙げられるが、より有効な触媒としては、
遷移金属系が好適であり、例えばイソプロパノール溶液
の状態でSPEIER触媒として知られる塩化白金酸・
6水和物等の白金系触媒、エタノール溶液の状態でWI
LKINSON触媒として知られるトリフェニルフォス
フィンクロロロジウム等のロジウム系触媒や、パラジウ
ム系触媒、ルテニウム系触媒、イリジウム系触媒、オス
ミウム系触媒の中から選択する事ができる。又、レニウ
ム系触媒も有効である。
【0014】本発明の原料として用いられる相溶化剤
(d)は、水酸基、エポキシ基、N−メチロール基、ア
ミノ基、カルボキシル基、又は、酸無水物基を有し、こ
れらの官能基はフェノール樹脂に対する親和性或いは、
反応性を持つ。一方、相溶化剤の長鎖側はゴムに対して
親和性を持ち、かつ不飽和二重結合を持っている為、一
部は粒子内のゴム分子と架橋している。結果として、ゴ
ムとフェノール樹脂との界面張力は低下し、ゴムの分散
粒径が小さくなると共に、フェノール樹脂と架橋ゴム粒
子両成分間に存在する相溶化剤は安定した界面相を構成
する事となり、10μm以下、好ましくは1μm以下の
粒子径で、凝集状態にない安定した架橋ゴムの分散を得
る事ができる。
【0015】架橋ゴムは衝撃や応力に対しては、衝撃吸
収や応力緩和の効果を持っている。更に、このような効
果を持った架橋ゴム粒子と、フェノール樹脂との界面で
は相溶化剤がフェノール樹脂と化学結合や分子的親和状
態にあるので、この界面相自体が衝撃吸収や応力緩和の
機能を示す事ができる。このようにして架橋ゴム粒子及
び、架橋ゴム粒子と樹脂間の界面相の働きで、衝撃吸収
や応力緩和の機能が向上したフェノール樹脂組成物は、
優れた強靱性を発揮する事ができる。
【0016】本発明のフェノール樹脂組成物は、フェノ
ール樹脂(a)、液状ゴム(b)、架橋剤(c)、ハイ
ドロシリル化触媒(d)、相溶化剤(e)からなる原料
を配合し、加圧ニーダー、二軸混練機等で溶融混合する
事により、ゴム部分が動的に架橋されたことを特徴とす
る。好適な配合範囲としては、フェノール樹脂(a)と
液状ゴム(b)は99:1〜50:50重量部、好まし
くは90:10〜60:40重量部、更に好ましくは8
5:15〜65:35重量部の範囲で使用される。
【0017】液状ゴムの配合割合が1重量部を下回る
と、曲げ強度、耐衝撃性などの特性の改善効果が不十分
となる傾向があり、50重量部を上回ると、流動性が低
下する傾向がある。架橋剤(c)は0.01〜10重量
部、ハイドロシリル化触媒(d)は0.001〜2重量
部の範囲で液状ゴムの架橋に必要な量を配合する。架橋
剤の配合割合が0.01重量部を下回ると架橋効果が不
十分となり、為に曲げ強度、耐衝撃性などの特性改善効
果が不十分となる傾向にある。一方、10重量部を越え
ると、過剰に架橋された構造の剛直化が脆化を招いて、
期待する様なゴムの効果が得られなくなってくる。
【0018】相溶化剤は、ゴム1〜50重量部に対し
0.2〜15重量部の範囲で配合する事が好ましい。相
溶化剤の配合割合が0.2重量部を下回ると架橋ゴム粒
子の粒子径が増大したり、粒子の凝集を招いたりする。
一方、15重量部を越えると、架橋ゴムの界面以外の場
所に相溶化剤自体の凝集体ができて、組成物の不均一性
を招いたりし、いずれの場合もフェノール樹脂組成物の
強靱性を損なう。ここで架橋度は、変性フェノール樹脂
1gを沸騰キシレンを用いてソックスレー抽出器で10
時間リフラックスし、残留物を保留粒子径1μmの濾紙
を用いて濾過し、(濾紙上に残留した不溶物乾燥重量)
/(変性フェノール樹脂1g中に含まれる不飽和二重結
合基含有ゴム成分の重量+架橋剤の重量)の比を100
倍することにより求めることが出来る。この値が50
%、好ましくは70%以上になるように加硫することが
好ましい。
【0019】フェノール樹脂に対し、フェノール樹脂の
融点でブルックフィールド粘度0.001〜500Pa・S
ecである液状ゴムを、特定の構造を持つ有機シリコーン
系架橋剤、ハイドロシリル化触媒及び、相溶化剤と共に
配合し、二軸混練機などの混練機で溶融混練することに
より、動的に架橋されたゴム粒子が分散しているフェノ
ール樹脂組成物を得る事ができ、このフェノール樹脂組
成物を、成形材料や、積層板、エポキシ樹脂の硬化剤に
用いると、強靱な特性が得られた。以下、実施例により
本発明を説明するが、これは単なる例示であり、本発明
はこれに限定されるものではない。
【0020】
【実施例】
《実施例1》 液状NBR:N−280(日本合成ゴム(株)製[90
℃でのブルックフィールド粘度0.035Pa・Sec])4
0重量部に、ハイドロシリル化触媒として、塩化白金酸
(H2PtCl2・6H2O)0.05重量部を配合し、ノボラック
型フェノール樹脂(住友デュレズ(株)製スミライトレ
ジンR PR−51470 軟化点90℃)60重量
部、及び相溶化剤としてエポキシ化SEBS:タフテッ
クZ−514(旭化成)2重量部を溶融させ、(株)特
殊加工機製ホモディスパーで撹拌しながら、架橋剤とし
て、下記の化学式(1)に示す様な有機シリコーン系架
橋剤(日本ユニカー(株)製)
【0021】
【化3】
【0022】0.5重量部を逐次添加しながら、140
〜150℃になるような条件で溶融撹拌し、フラスコ内
で動加硫して、変性フェノール樹脂を得た。このように
して得られた変性フェノール樹脂組成物を沸騰キシレン
を用いたソックスレー抽出器でリフラックスして求めた
架橋度は84%であった。また、この樹脂組成物をエピ
コート828を用いて包埋し電子顕微鏡により観察した
架橋粒子の平均径は2.2μmであった。
【0023】《実施例2》 液状NBR:NIPOL1312(日本ゼオン(株)製
[90℃でのブルックフィールド粘度0.026Pa・Se
c])100重量部に、5%パラジウムアルミナ粉末5
重量部を触媒として水素付加を行い、水添率70%の部
分水添液状NBRを作製した。この部分水添液状NBR
の90℃でのブルックフィールド粘度は430Pa・Secで
あった。ついでこの部分水添液状NBR45重量部に、
ハイドロシリル化触媒として、塩化白金酸(H2PtCl2 6H
2O)0.05重量部を配合し、相溶化剤としてエポキシ
化SEBS:タフテックZ−514(旭化成)2重量
部、ノボラック型フェノール樹脂(住友デュレズ(株)
製スミライトレジンR PR−51470 軟化点90
℃)55重量部を十分ドライブレンドした後、架橋剤と
して、下記に示す様な有機シリコーン系架橋剤(日本ユ
ニカー(株)製)
【0024】
【化4】
【0025】5.0重量部を添加配合しながら、二軸混
練機で吐出物温度が130〜160℃になるように溶融
押出し混練し、動的に加硫して変性フェノール樹脂を得
た。このようにして得られた変性フェノール樹脂組成物
を沸騰キシレンを用いたソックスレー抽出器でリフラッ
クスして求めた架橋度は86%であった。また、この樹
脂組成物をエピコート828を用いて包埋し電子顕微鏡
により観察した架橋粒子の平均径は3.3μmであっ
た。
【0026】《実施例3》 液状ポリイソプレン:LIR−50(クラレ(株)製
[85℃でのブルックフィールド粘度0.10Pa・Se
c])15重量部にハイドロシリル化触媒として、塩化
白金酸(H2PtCl2 6H2O)0.05重量部を十分ドライブ
レンドした後、相溶化剤としてエポキシ化SBS:ES
BS AT015(ダイセル化学製)2重量部、ノボラ
ック型フェノール樹脂(住友デュレズ(株)製スミライ
トレジンR PR−51714 軟化点85℃)85重
量部を十分ドライブレンドした後、架橋剤として、先の
化学式(1)に示す有機シリコーン系架橋剤(日本ユニ
カー(株)製)2.0重量部を逐次添加しながら、加圧
二ーダーにより混練樹脂温度が150℃以上になるよう
な条件で溶融混練し、動加硫した変性フェノール樹脂を
得た。 このようにして得られた変性フェノール樹脂組
成物を沸騰キシレンを用いたソックスレー抽出器でリフ
ラックスして求めた架橋度は82%であった。また、こ
の樹脂組成物をエピコート828を用いて包埋し電子顕
微鏡により観察した架橋粒子の平均径は1.8μmであ
った。
【0029】《実施例4》 液状ポリブタジエン:B−3000(日本石油化学
(株)製[90℃でのブルックフィールド粘度0.04
5Pa・Sec])20重量部に、ハイドロシリル化触媒とし
て塩化白金酸(H2PtCl2・6H2O)0.05重量部を配合
し、相溶化剤としてエポキシ変性スチレン−エチレン・
ブチレン−スチレンブロック共重合体(旭化成(株)製
タフテックR Z−514)3重量部、ノボラック型フ
ェノール樹脂(住友デュレズ(株)製スミライトレジン
R PR−51470 融点90℃)80重量部と十分
ドライブレンドした後、架橋剤として、先の化学式
(1)に示す有機シリコーン系架橋剤(日本ユニカー
(株)製)0.5重量部を逐次添加しながら、二軸混練
機を用いて、吐出樹脂温度が130〜150℃になるよ
うな条件で溶融混練し、押出し動加硫して、変性フェノ
ール樹脂Aを得た。このようにして得られた変性フェノ
ール樹脂A40重量部、硬化剤としてヘキサミン7重量
部、及び、補強材としてガラス繊維53重量部 を配合
し、ロール混練することにより成形材料を得た。その後
175℃、3分間という条件で成形を行い、成形性を評
価すると共に得られた試験片について曲げ強度、シャル
ピー衝撃強さの評価を行った。その評価結果を表1に示
す。
【0032】《実施例5》 液状ポリイソブチレン:テトラックス(日本石油化学
(株)製、[90℃でのブルックフィールド粘度100
Pa・Sec])20重量部、に対しハイドロシリル化触媒と
してトリフェニルフォスフィンクロロロジウム0.05
重量部を加え、相溶化剤として、レゼダ GP−500
(東亜合成(株)製:エポキシ変性ポリスチレン)2重
量部、ノボラック型フェノール樹脂(住友デュレズ
(株)製スミライトレジンR PR−51470)80
重量部を配合し、架橋剤として、先の化学式(1)示す
有機シリコーン系架橋剤(日本ユニカー(株)製)0.
5重量部を液体注入添加しながら、二軸混練機を用い
て、吐出樹脂温度が130〜150℃になるような条件
で溶融混練し、動的に加硫して変性フェノール樹脂Bを
得た。 このようにして得られた変性フェノール樹脂B
40重量部、硬化剤としてヘキサミン7重量部及び補強
材としてガラス繊維53重量部を配合し、ロール混練す
ることにより成形材料を得た。その後175℃、3分間
という条件で成形を行い、成形性を評価すると共に得ら
れた試験片について曲げ強度、シャルピー衝撃強さの評
価を行った。その評価結果を表1に示す。
【0035】《実施例6》 水添ポリイソプレン:クラプレンLIR290(クラレ
(株)製、[90℃でのブルックフィールド粘度42Pa
・Sec])20重量部に、ハイドロシリル化触媒として、
塩化白金酸(H2PtCl2 6H2O)0.05重量部を、十分ド
ライブレンドした後、相溶化剤として、ボンドファース
ト2C(住友化学(株)製:エチレン−GMAコポリマ
ー)2重量部を配合し、ノボラック型フェノール樹脂
(住友デュレズ(株)製スミライトレジンR PR−5
1470 融点90℃)80重量部と十分ドライブレン
ドした後、架橋剤として、先の化学式(1)に示す有機
シリコーン系架橋剤(日本ユニカー(株)製)を逐時添
加しながら、加圧二ーダーにより混練樹脂温度が130
〜150℃になるような条件で溶融混練し、動加硫した
変性フェノール樹脂Cを得た。このようにして得られた
変性フェノール樹脂C40重量部、硬化剤としてヘキサ
ミン7重量部及び補強材としてガラス繊維53重量部を
配合し、ロール混練することにより成形材料を得た。そ
の後175℃、3分間という条件で成形を行い、成形性
を評価すると共に得られた試験片について曲げ強度、シ
ャルピー衝撃強さの評価を行った。その評価結果を表1
に示す。
【0038】《比較例1》ノボラック型フェノール樹脂
(住友デュレズ(株)製スミライトレジンR PR−5
1470)40重量部、硬化剤としてヘキサミン7重量
部及び補強材としてガラス繊維53重量部を配合し、実
施例4と同様にしてロール混練し、成形後その特性評価
を行った。その評価結果を表1に示す。
【0039】《比較例2》 ポリイソプレン:クラプレンLIR50(クラレ(株)
製、[90℃でのブルックフールド粘度1Pa・Sec])2
0重量部、に対しハイドロシリル化触媒としてトリフェ
ニルフォスフィンクロロロジウム0.05重量部を加
え、ノボラック型フェノール樹脂(住友デュレズ(株)
製スミライトレジンR PR−51470)80重量部
を配合して、架橋剤として、先の化学式(1)に示す有
機シリコーン系架橋剤(日本ユニカー(株)製)0.5
重量部を逐次添加しながら、二軸混練機を用いて、吐出
樹脂温度が130〜150℃になるような条件で溶融混
練し、動的に加硫して変性フェノール樹脂Dを得た。こ
の変性フェノールレジン40重量部に対し、ヘキサミン
7重量部、及び補強材としてガラス繊維53重量部を配
合し、実施例4と同様にしてロール混練し、成形後その
特性評価を行った。その評価結果を表1に示す。
【0042】《比較例3》 ノボラック型フェノール樹脂(住友デュレズ(株)製ス
ミライトレジンR PR−51470 融点90℃)8
0重量部とカルボキシル基変性ポリブタジエン:NIS
SO PB C−1000(日本曹達(株)製[90℃
でのブルックフィールド粘度0.60Pa・Sec])20重
量部を十分ブレンドした後、二軸混練機を用いて樹脂温
80〜120℃になるような条件で溶融混練した樹脂組
成物とし、これをペレタイズ化して変性フェノール樹脂
Eを得た。このようにして得られた変性フェノール樹脂
E40重量部、硬化剤としてヘキサミン7重量部及び補
強材としてガラス繊維53重量部を配合し、実施例4と
同様にしてロール混練し、成形後その特性評価を行っ
た。その評価結果を表1に示す。
【0043】
【表1】
【0044】*1 成形性:成形後の試験片の表面の状
態及び成形材料の試験片金型への充填状態を目視で観察
し評価した。 ○:試験片外観:良好。 金型への充填状態:良好 △:試験片外観:やや凹凸。 金型への充填状態:ギリ
ギリ ×:試験片外観:凹凸。 金型への充填状態:未充
填発生 *2 曲げ強度:JIS K6911に準じて測定し
た。 *3 シャルピー衝撃強度:JIS K6911に準じ
て測定した。
【0045】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明のフェ
ノール樹脂組成物を成形材料、積層板硬化剤として用い
ると強靭な特性を有する成型物が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 9/00 LBM C08L 9/00 LBM LBN LBN 11/00 LBE 11/00 LBE //(C08L 61/06 9:00 83:06)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール樹脂(a)、ジエン系液状ゴ
    ム(b)、有機シリコーン系架橋剤(c)、ハイドロシ
    リル化触媒(d)、相溶化剤(e)を溶融混練してなる
    事を特徴とする強靱なフェノール樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 フェノール樹脂(a)99〜50重量部
    に対し、ジエン系液状ゴム(b)1〜50重量部、有機
    シリコーン系架橋剤(c)0.01〜10重量部、
    (d)ハイドロシリル化触媒0.001〜2重量部、及
    び(e)相溶化剤0.2〜15重量部を配合した請求項
    1記載の強靭なフェノール樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 ジエン系液状ゴム(b)が、ポリブタジ
    エン、ポリイソプレン、ポリクロロプレン、ブタジエン
    −イソプレン共重合体、ブタジエン−スチレン共重合
    体、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、或いは天
    然ゴムから選ばれた少なくとも1種以上からなる重合
    体、或いはその部分水添物であって、フェノール樹脂
    (a)の融点におけるブルックフィールド粘度が0.0
    01〜500Pa・Secである請求項1又は2記載の強靱な
    フェノール樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 有機シリコーン系架橋剤(c)が、下記
    の構造を持ち 【化1】 (1)mは5以上400以下の整数 (2)nは1以上400以下の整数 (3)R1 〜R7 は、アルキル基、アルコキシ基、アリ
    ール基またはアリールオキシ基 フェノール樹脂(a)、ジエン系液状ゴム(b)、ハイ
    ドロシリル化触媒(d)、相溶化剤(e)と溶融混練す
    ることにより動的に架橋されたゴム粒子が分散している
    請求項1、2又は3記載の強靭なフェノール樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】 相溶化剤(e)が水酸基、エポキシ基、
    N−メチロール基、アミノ基、カルボキシル基、或いは
    酸無水物基の中から選ばれた官能基一種を有する変性ポ
    リブタジエン、変性ポリイソプレン、変性ポリクロロプ
    レン、変性エチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共
    重合体、変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、
    変性スチレン−ブタジエン共重合体、変性ポリオレフィ
    ン及びそれらの水素添加物の中から選ばれた少なくとも
    1種以上からなる請求項1、2、3又は4記載の強靱な
    フェノール樹脂組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008248093A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Starlite Co Ltd フェノール樹脂組成物の製造方法

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JP2008248093A (ja) * 2007-03-30 2008-10-16 Starlite Co Ltd フェノール樹脂組成物の製造方法

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