JPH0762201A - 強靭なフェノール樹脂の製造方法 - Google Patents

強靭なフェノール樹脂の製造方法

Info

Publication number
JPH0762201A
JPH0762201A JP20732993A JP20732993A JPH0762201A JP H0762201 A JPH0762201 A JP H0762201A JP 20732993 A JP20732993 A JP 20732993A JP 20732993 A JP20732993 A JP 20732993A JP H0762201 A JPH0762201 A JP H0762201A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
rubber
weight
resin
parts
phenol
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP20732993A
Other languages
English (en)
Inventor
Kouji Hirata
仰二 平田
Kenichi Yanagisawa
健一 柳沢
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Sumitomo Bakelite Co Ltd filed Critical Sumitomo Bakelite Co Ltd
Priority to JP20732993A priority Critical patent/JPH0762201A/ja
Publication of JPH0762201A publication Critical patent/JPH0762201A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】 ノボラック型フェノール樹脂(a)99〜5
0重量部、分子内に不飽和二重結合基を含有するゴム
(b)1〜50重量部及び有機過酸化物(c)0.01
〜10重量部配合してなる樹脂組成物100重量部に対
して、相溶化剤0.1〜10重量部及び珪酸微粒子1〜
25重量部配合して溶融混練することによりゴム部分を
動的に架橋するフェノールアロイ樹脂の製造方法。 【効果】 本発明の変性フェノール樹脂をフェノール樹
脂成形材料、フェノール樹脂積層板のベース樹脂あるい
はエポキシ樹脂成形材料やエポキシ粉体塗料の硬化剤と
して用いると強靭な特性を有する組成物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェノール樹脂成形材
料、フェノール樹脂積層板のベース樹脂あるいはエポキ
シ樹脂成形材料やエポキシ粉体塗料の硬化剤として好適
に用いられる強靭なフェノール樹脂に関する。
【0002】
【従来の技術】フェノール樹脂は、大別して、熱反応
型、自硬性のレゾール型と呼ばれるタイプと、非自硬性
のノボラック型と呼ばれるタイプの樹脂に分かれる。そ
の用途は、長い歴史を持っており、フェノール樹脂単独
で、或いは、他樹脂との組み合わせで、多岐に渡った使
われかたがなされてきたが、特に、電気絶縁性が良好で
ある、十分な機械強度がある、耐熱性がよい、熱膨張係
数が低い、難燃性である、安価である等の利点から、電
気あるいは、機械部品に広く用いられている。その、一
方で、熱硬化性樹脂共通の欠点でもある、靭性の低さ
は、フェノール樹脂の最大の欠点でもあり、種々の検討
がなされてきた。例えば、ポリスルホン、ポリカーボネ
ート、ポリエステル−ポリカーボネート等の非晶性熱可
塑性樹脂と、ある種の変性フェノール樹脂とのIPNが
検討されているが、これらの物は、強靭化の改良が不十
分であり、流動性が低下する等極めて不満足な物であっ
た。又、フェノール樹脂と相溶性の良いNBR等のゴム
とのブレンドも検討されているが、この方法では、フェ
ノール樹脂の強靭化は図れるものの、強靭化に効果がで
る程度までゴムを添加すると、流動性が極端に低下する
という問題があり、従来流動性と強靭性が両立する例は
見いだされていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術では得られていない、成形材料あるいは積層板等の
用途に有用な流動性が良好で且つ強靭なフェノール樹脂
を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、過酸化物
が、不飽和二重結合を有するゴムを、選択的に架橋する
働きを有していることに着目し、過酸化物を架橋剤とし
て用い、ノボラック型フェノール樹脂と、分子内に不飽
和二重結合を有しているゴムに、好ましくは特定の相溶
化剤を添加し、かつ補強の必要な場合は、特定の珪酸微
粒子を添加し、溶融混練するという動加硫の手法を用い
ることにより、加硫ゴムが均一に分散したブレンド物が
得られ、このブレンド物をフェノール樹脂成形材料、フ
ェノール樹脂積層板のベース樹脂、あるいは、エポキシ
樹脂成形材料やエポキシ粉体塗料の硬化剤として用いる
と、流動性を損なうことなく、強靭な特性が得られるこ
とを見いだし、本発明を完成するに到った。即ち本発明
は、(a)ノボラック型フェノール樹脂、(b)分子内
に不飽和二重結合基を含有するゴム及び(c)有機過酸
化物からなる樹脂組成物を溶融混練することによりゴム
部分を動的に架橋することを特徴とする強靭なフェノー
ルアロイ樹脂の製造方法であり、好ましくはノボラック
型フェノール樹脂(a)99〜50重量部、分子内に不
飽和二重結合基を含有するゴム(b)1〜50重量部及
び有機過酸化物(c)0.01〜10重量部配合してな
るフェノールアロイ樹脂の製造方法である。又樹脂組成
物100重量部に対し、相溶化剤(d))0.1〜10
重量部を配合し、溶融混練することによりゴム部分を動
的に架橋するか、樹脂組成物(a、b、c)100重量
部に対し、相溶化剤(d)0.1〜10重量部及び
(e)最大径が5μ以下で表面に活性なシラノール基を
有する珪酸微粒子1〜25重量部を配合し、溶融混練す
ることによりゴム部分が動的に架橋されながら補強する
か、さらに又樹脂組成物(a、b、c)、相溶化剤
(d)及び珪酸微粒子(e)の混合プロセスにおいて、
過酸化物より発生するラジカルに対する、ノボラック型
フェノール樹脂のトラップを制御するために、分子内に
不飽和二重結合基を含有するゴム成分(b)と、過酸化
物(c)、必要に応じ相溶化剤(d)及び、珪酸微粒子
(e)を予め低温で予備混合しておくことを特徴とする
フェノールアロイ樹脂の製造方法である。
【0005】本発明の原料として用いられるノボラック
型フェノール樹脂(a)は特に限定するものでなく市販
されているものであり、例えば、フェーノール類とホル
マリンとをフェノール類とホルムアルデヒドの比が、
0.5〜1.0となるような配合比率で反応釜に仕込
み、更にシュウ酸、塩酸、硫酸、トルエンスルフォン酸
等の触媒を加えた後加熱し、適当な時間還流反応を行っ
た後、分離した水を除去するため真空脱水あるいは静置
脱水し、更に残っている水と未反応のフェノール類を除
去する方法により得ることができる。これらの樹脂ある
いは複数の原料成分を用いることにより得られる共縮合
フェノール樹脂は、単独あるいは二種以上組み合わせて
用いられる。
【0006】本発明の原料として用いられる分子内に不
飽和二重結合を持つゴム(b)は、特定するものでな
く、一般に市販されているものであり、主鎖及び又は側
鎖に不飽和炭素2重結合を含むゴム全般を指す。例をあ
げるとすれば、エチレン−α・オレフィン−非共役ジエ
ン共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体ゴム、スチレン−ブタジエンランダム共重合体ゴム、
スチレン−イソプレンランダム共重合体ゴム、スチレン
−ブタジエンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプ
レンブロック共重合体ゴムまたは、ポリブタジエン、ポ
リイソプレン、ポリクロロプレン、天然ゴム、等が挙げ
られる。そして、これらのゴムに含まれる脂肪族2重結
合を部分的に水添し、不飽和度を低下させた部分水添ゴ
ムも使用することができる。例えば、水添率が80%未
満の部分水添ゴムが挙げられる。これらのゴムは1種ま
たは2種以上のブレンド物であっても良い。ここで、エ
チレン、α・オレフィン及び非共役ジエンからなるエチ
レン−α・オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムはそ
の組成におけるα・オレフィンは炭素数3〜15のもの
が適する。ここで用いられるゴムのムーニー粘度 ML
1+4(100℃)は、10〜120の範囲から好適に選ぶこと
ができ、例えばML1+4(100℃)が40以下のため、加硫
しても充分な強度が得られない場合には、珪酸微粒子を
動加硫時に添加しておく事で好ましい状態の、分散ゴム
粒子を得る事ができる。このようにして制御されたゴム
粒子の分散状態は、ゴム粒子が凝集状態になく、かつ1
0μm以下、好ましくは、1μ以下の粒度となってい
る。又、この、ゴムのヨウ素価は5〜30特に10〜2
0のものが好ましい。
【0007】本発明の原料として用いられる有機過酸化
物(c)は、特に限定するものでなく、一般に用いられ
ているもので、ゴムの架橋を進めるためのものである。
過酸化物の選択に関しては、実用的な半減期を得るのに
要する温度と、ゴム成分の充分な粘度低下を得るのに、
要する温度とのバランスの中で選択され、好適には13
0〜200℃の間で、30〜600秒の半減期のものが
使用される。具体的には、2,5−ジメチル−2,5−
ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチ
ル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−
3、ジ−t−ブチルパーオキサイド、ジ−クミルパーオ
キシ−ジ−イソプロピルベンゼン、ジ−クミルパーオキ
サイド、t−ブチルパーオキシベンゾート等がある。知
られているように、フェノールは過酸化物より生成され
るラジカル等を補足する効果があり、為に、過酸化物架
橋においては、架橋反応を阻害する事があるため、過酸
化物がゴムに充分分散し、フェノールとの接触を極小化
する添加方法をとることが重要である。
【0008】本発明の原料として用いられる相溶化剤
(d)は、特に限定するものでなく、市販されているも
のであり、ノボラック型フェノール樹脂とゴム成分との
界面張力を低下させ、ゴムの分散粒径を、細かくさせる
働きと、両成分に対して、化学的親和性官能基又は反応
基を持つものである。例としては、エポキシ変性ポリオ
レフィン、エポキシ基又はアミノ基を有する変性ポリブ
タジエン、エポキシ基を有する変性スチレン−ブタジエ
ン−スチレンブロック共重合体の水素添加物、エポキシ
基又はアミノ基を有する変性エチレン− α・オレフィ
ン−非共役ジエン共重合体ゴム、エポキシ基又はアミノ
基を有するアクリロニトリル−ブタジエン共重合体ゴム
等が挙げられ、これらの中から選ばれた少なくとも1種
以上の組み合わせで用いられる。相溶化剤の添加は、ノ
ボラック型フェノール樹脂とゴム成分との界面張力を低
下させ、島成分であるゴムの分散粒径を、細かくさせる
働きを有する。海成分であるフェノール樹脂は、ミクロ
に分散したゴム成分が、応力吸収に効果的に働くばかり
でなく、本来強靭なゴム成分が、その界面において、分
子レベルで親和的に、或いは、化学反応によって、強固
に接着しているため、強靭性が向上する。例えば、エチ
レン−αオレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムであ
る、EPDMは、極端に非極性の構造であって、極性を
持つフェノール樹脂とは、良好な相溶性を持たない。こ
れに対しエポキシ化ポリエチレンを好適量配合すると、
この添加物は、自分子内のエチレン部によって、EPD
Mに親和し、かつ、エポキシ基によって、フェノール樹
脂と親和、反応するため、良好に細粒化し、かつフェノ
ール樹脂との接触界面が強固なEPDMの分散系を得る
ことができる。相溶化剤の配合量は0.1〜10重量部
が好ましく、配合量が0.1重量部を下回ると、曲げ強
度、耐衝撃性などの特性の改善効果が小さくなる傾向に
あり、10重量部超では増量する効果がない。
【0009】本発明の原料として用いられる珪酸微粒子
(e)は、工業的には、コロイダルシリカと呼ばれるも
のであって、ゴム成分の分散粒子内での補強を行う事が
目的である。特に、低粘度のゴム原料を用いた場合に
は、分散ゴム粒子の強度が充分でない場合があり、珪酸
微粒子は、この補強に有効である。この珪酸微粒子は、
最大粒径が5μ以下であって、好適には、分散ゴム粒子
の1000分の1程度の粒子体積を持つものが、補強効
果に優れている。
【0010】本発明の強靭化されたフェノールアロイ樹
脂の製造方法は、ノボラック型フェノール樹脂(a)に
対し、分子内に不飽和二重結合基を含有するゴム(b)
有機過酸化物(c)、好ましくは、特定の1種以上の相
溶化剤(d)、更に、必要に応じて、珪酸微粒子(e)
からなる予備混合物を配合し、高トルク型撹拌槽、加圧
ニーダー、二軸混練機等で溶融混合することにより、ゴ
ム部分を動的に架橋することを特徴とする。好適な配合
範囲としては、ノボラック型フェノール樹脂とジエン基
を含むゴム成分は、99:1〜50:50重量部、好ま
しくは、90:10〜70:30重量部、更に、好まし
くは、85:15〜75:25重量部の範囲で使用され
る。ジエン基含有ゴムの配合割合が1重量部を下回る
と、曲げ強度、耐衝撃性などの特性の改善効果が不十分
となる傾向があり、50重量部を上回ると、流動性が低
下する傾向がある。有機過酸化物は、0.01〜10重
量部の範囲で配合することが好ましい。有機過酸化物の
配合割合が0.01%を下回ると、架橋効果が不十分と
なり、為に、曲げ強度、対衝撃性などの特性改善効果が
不十分となる傾向にある。一方、10%を越えると、ゴ
ム粒子の分散速度を、架橋速度が上回るようになって、
架橋ゴムの粗大粒子を発生するようになり、流動性低下
やゴム粒子の剥離など賦型上の、障害を起こすようにな
ってくる。ここで架橋度は、変性フェノール樹脂1gを
沸騰キシレンを用いてソックスレー抽出器で10時間リ
フラックスし、残留物を80メッシュの金網で濾過し、
メッシュ上に残留した不溶物乾燥重量(g)/変性フェ
ノール樹脂1g中に含まれるジエン含有ゴム成分の重量
の比を100倍することにより求めることが出来る補強
の為の珪酸微粒子を添加しない系では、この値が30
%、好ましくは50%以上になるように、又、珪酸微粒
子を添加する系では、無機充填物等の不溶成分を含ん
で、この値が50%、好ましくは70%以上になるよう
に加硫することが好ましい。
【0011】
【実施例】
《実施例1》アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴ
ム(日本合成ゴム(株)製、JSRN230S[結合アク
リロニトリル含量:35重量%])20重量部、エポキ
シ変性スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロッ
ク共重合体(旭化成(株)製タフテックR Z−514)
3重量部、有機過酸化物架橋剤Aとして、パークミルD
(日本油脂製:ジクミルパーオキサイト)0.5重量
部、を添加配合し、十分ドライブレンドした後、二軸混
練機を用いて、ノボラック型フェノール樹脂(住友デュ
レズ(株)製スミライトレジンR PR−51470)
80重量部、と80〜120℃になるような条件で溶融
混練し、押し出し動加硫して、変性フェノール樹脂Aを
得た。このようにして得られた変性フェノール樹脂A4
0重量部、硬化剤としてヘキサミン7重量部及び補強材
としてガラス繊維53重量部を配合し、ロール混練する
ことにより成形材料を得た。その後175℃、3分間と
いう条件で成形を行い、成形性を評価すると共に得られ
た試験片について曲げ強度、シャルピー衝撃強さの評価
を下記の基準に従って行った。その評価結果を表1に示
す。 成形性:成形後の試験片の表面の状態及び成形材料の試
験片金型への充填状態を目視で観察し評価した。 ○:試験片外観:良好。 金型への充填状態:良好 △:試験片外観:やや凹凸。 金型への充填状態:ギリ
ギリ ×:試験片外観:凹凸。 金型への充填状態:未充
填発生 曲げ強度:JIS K6911に準じて測定した。 シャルピー衝撃強度:JIS K6911に準じて測定
した。
【0012】《実施例2》ノボラック型フェノール樹脂
(住友デュレズ(株)製スミライトレジン PR−51
470)80重量部に対し、液状ポリブタジエン(日本
石油化学(株)製、B−2000)20重量部、エポキ
シ変性スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロッ
ク共重合体(旭化成(株)製タフテックR Z−514)
3重量部、珪酸微粒子(徳山曹達製 レオロシールCP
−102:平均粒径22nm)10重量部、架橋剤Bと
して有機過酸化物架橋剤(日本油脂製パーブチルD:d
i−t−butylperoxide) 1.5部の予
備混合物を撹拌槽を用いて樹脂温80〜120℃になる
ような条件で溶融混合し、動的に加硫した後、フレーカ
ーを用いて変性フェノール樹脂Bを得た。このようにし
て得られた変性フェノール樹脂B40重量部、硬化剤と
してヘキサミン7重量部及び補強材としてガラス繊維5
3重量部を配合し、ロール混練することにより成形材料
を得た。その後175℃、3分間という条件で成形を行
い、成形性を評価すると共に得られた試験片について曲
げ強度、シャルピー衝撃強さの評価を行った。その評価
結果を表1に示す。 《実施例3》エチレン−プロピレン−エチリデンノルボ
ルネン共重合体ゴム(日本合成ゴム(株)製、JSR E
P57P[プロピレン含量:28重量% MFR(23
0℃)=0.4g/10分 ヨウ素価:15.0 T
g:−40℃])20重量部、エポキシ変性ポリエチレ
ン(住友化学工業(株)製ボンドファーストE)3重量
部、架橋剤CとしてパークミルD(日本油脂製:ジクミ
ルパーオキサイト)0.5重量部を添加配合、十分ドラ
イブレンドした後、ノボラック型フェノール樹脂(住友
デュレズ(株)製スミライトレジン PR−51470)
80重量部と、二軸混練機を用いて樹脂温80〜120
℃になるような条件で溶融混練し、押し出し動加硫した
変性フェノール樹脂Cを得た。このようにして得られた
変性フェノール樹脂C40重量部、硬化剤としてヘキサ
ミン7重量部及び補強材としてガラス繊維53重量部を
配合し、ロール混練することにより成形材料を得た。そ
の後175℃、3分間という条件で成形を行い、成形性
を評価すると共に得られた試験片について曲げ強度、シ
ャルピー衝撃強さの評価を行った。その評価結果を表1
に示す。
【0013】《比較例1》ノボラック型フェノール樹脂
(住友デュレズ(株)製スミライトレジン PR−514
70)40重量部、硬化剤としてヘキサミン7重量部及
び補強材としてガラス繊維53重量部を配合し、実施例
1と同様にしてロール混練し、成形後その特性評価を行
った。その評価結果を表2に示す。 《比較例2》ノボラック型フェノール樹脂(住友デュレ
ズ(株)製スミライトレジンR PR−51470)80
重量部、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム
(日本合成ゴム(株)製、JSR N230S[結合アク
リロニトリル含量:35重量%])20重量部、エポキ
シ変性スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロッ
ク共重合体(旭化成(株)製タフテックR Z−514)
3重量部を十分ドライブレンドした後、二軸混練機を用
いて樹脂温80〜120℃になるような条件で溶融混練
し、これをペレタイズ化し変性フェノール樹脂Dを得
た。このようにして得られた変性フェノール樹脂D40
重量部、硬化剤としてヘキサミン7重量部及び補強材と
してガラス繊維53重量部を配合し、実施例1と同様に
してロール混練し、成形後その特性評価を行った。その
評価結果を表1に示す。 《比較例3》ノボラック型フェノール樹脂(住友デュレ
ズ(株)製スミライトレジンR PR−51470)40
重量部、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム
(日本合成ゴム(株)製、JSR N230S[結合アク
リロニトリル含量:35重量%])60重量部を十分ド
ライブレンドした後、二軸混練機を用いて樹脂温80〜
120℃になるような条件で溶融混練し押し出し動加硫
する前の樹脂組成物を得、これをペレタイズ化した。こ
のペレットに有機過酸化物架橋剤Eとして、パークミル
D(日本油脂製:ジクミルパーオキサイト)0.5重量
部、を添加配合し、再び二軸混練機を使用して、樹脂温
80〜120℃になるように混練して動加硫した変性フ
ェノール樹脂Eを得た。このようにして得られた変性フ
ェノール樹脂E40重量部、硬化剤としてヘキサミン7
重量部及び補強材としてガラス繊維53重量部を配合
し、実施例1と同様にしてロール混練し、成形後その特
性評価を下記の基準に従って行った。その評価結果を表
1に示す。
【0014】
【0015】
【発明の効果】表1から明らかなように、本発明の変性
フェノール樹脂をフェノール樹脂成形材料、フェノール
樹脂積層板のベース樹脂あるいはエポキシ樹脂成形材料
やエポキシ粉体塗料の硬化剤として用いると強靭な特性
を有する組成物が得られる。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)ノボラック型フェノール樹脂、
    (b)分子内に不飽和二重結合基を含有するゴム及び
    (c)有機過酸化物からなる樹脂組成物を溶融混練する
    ことによりゴム部分を動的に架橋することを特徴とする
    強靭なフェノールアロイ樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 ノボラック型フェノール樹脂(a)99
    〜50重量部、分子内に不飽和二重結合基を含有するゴ
    ム(b)1〜50重量部及び有機過酸化物(c)0.0
    1〜10重量部配合してなる請求項1記載のフェノール
    アロイ樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 分子内に不飽和二重結合基を含有するゴ
    ムが、エチレン−αオレフィン−非共役ジエン共重合体
    である請求項1又は2記載のフェノールアロイ樹脂の製
    造方法。
  4. 【請求項4】 分子内に不飽和二重結合基を含有するゴ
    ムが、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体及び、又
    はスチレン−ブタジエン共重合体である請求項1又は2
    記載のフェノールアロイ樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 分子内に不飽和二重結合基を含有するゴ
    ムが、ポリブタジエン、ポリイソプレン及び、又はポリ
    クロロプレンである請求項1又は2記載のフェノールア
    ロイ樹脂の製造方法。
  6. 【請求項6】 樹脂組成物100重量部に対し、(d)
    エポキシ基を有する変性ポリエチレン系樹脂、エポキシ
    基又はアミノ基を有する変性ポリブタジエン、エポキシ
    基を有する変性スチレン−ブタジエン−スチレンブロッ
    ク共重合体の水素添加物、エポキシ基又はアミノ基を有
    する変性エチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共重
    合体ゴム、エポキシ基又はアミノ基を有するアクリロニ
    トリル−ブタジエン共重合体ゴムの中から選ばれた少な
    くとも1種以上の相溶化剤0.1〜10重量部を配合
    し、溶融混練することによりゴム部分を動的に架橋する
    ことを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載のフ
    ェノールアロイ樹脂の製造方法。
  7. 【請求項7】 樹脂組成物100重量部に対し、相溶化
    剤0.1〜10重量部及び(e)最大径が5μ以下で表
    面に活性なシラノール基を有する珪酸微粒子1〜25重
    量部を配合し、溶融混練することによりゴム部分が動的
    に架橋されながら、補強されたことを特徴とする請求項
    1、2,3,4,5又は6記載のフェノールアロイ樹脂
    の製造方法。
  8. 【請求項8】 樹脂組成物(a、b、c)、相溶化剤
    (d)及び珪酸微粒子(e)の混合プロセスにおいて、
    過酸化物より発生するラジカルに対する、ノボラック型
    フェノール樹脂のトラップを制御するために、分子内に
    不飽和二重結合基を含有するゴム成分(b)と、過酸化
    物(c)、必要に応じ相溶化剤(d)及び、珪酸微粒子
    (e)を予め低温で予備混合しておくことを特徴とする
    請求項1、2,3,4,5、6又は7記載のフェノール
    アロイ樹脂の製造方法。
JP20732993A 1993-08-23 1993-08-23 強靭なフェノール樹脂の製造方法 Pending JPH0762201A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20732993A JPH0762201A (ja) 1993-08-23 1993-08-23 強靭なフェノール樹脂の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP20732993A JPH0762201A (ja) 1993-08-23 1993-08-23 強靭なフェノール樹脂の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH0762201A true JPH0762201A (ja) 1995-03-07

Family

ID=16537955

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP20732993A Pending JPH0762201A (ja) 1993-08-23 1993-08-23 強靭なフェノール樹脂の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH0762201A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0791619A3 (en) * 1996-02-21 1998-05-20 Daicel Chemical Industries, Ltd. Glass fiber-reinforced polystyrene resin composition
JP2006265320A (ja) * 2005-03-23 2006-10-05 Sumitomo Bakelite Co Ltd フェノール樹脂成形材料

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0791619A3 (en) * 1996-02-21 1998-05-20 Daicel Chemical Industries, Ltd. Glass fiber-reinforced polystyrene resin composition
JP2006265320A (ja) * 2005-03-23 2006-10-05 Sumitomo Bakelite Co Ltd フェノール樹脂成形材料

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2005068430A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物及びその製造方法
JP2008038059A (ja) ゴム組成物、その複合体、およびそれを用いた空気入りタイヤ
KR940003261B1 (ko) 열가소성 엘라스토머 조성물의 제조방법 및 열가소성 엘라스토머 조성물
JPH07286078A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JPS63142047A (ja) 加硫しうるポリマー組成物
JPH0762201A (ja) 強靭なフェノール樹脂の製造方法
JP3943505B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物の押出成形方法、架橋発泡体及び自動車用ウェザストリップ
JPH1180462A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP3443958B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP2002146153A (ja) ポリプロピレン樹脂組成物
JP2009035682A (ja) タイヤビードフィラー用ゴム組成物
JPH08143754A (ja) 強靭なエポキシ樹脂
WO1993014160A1 (fr) Composition de caoutchouc vulcanisable et caoutchouc vulcanise
JP3283345B2 (ja) 強靭なエポキシ樹脂
JPH07331030A (ja) 強靭なフェノール樹脂
JP2001261964A (ja) 低弾性率高分子組成物およびそれを用いたシール材
JP3528399B2 (ja) ゴムと樹脂との複合体
JP3595857B2 (ja) ポリプロピレン樹脂組成物
JPH08209003A (ja) 変性熱硬化性樹脂の製造方法
JPH1180471A (ja) ゴム組成物
JPH0987529A (ja) 熱硬化性樹脂組成物
JPH1036457A (ja) 改質剤及びそれを含む組成物
JPH0748484A (ja) 熱可塑性エラストマー組成物
JP2798303B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物の製造方法および熱可塑性エラストマー組成物
JP4373808B2 (ja) 熱可塑性エラストマー組成物