JPH08209003A - 変性熱硬化性樹脂の製造方法 - Google Patents

変性熱硬化性樹脂の製造方法

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JPH08209003A
JPH08209003A JP1598995A JP1598995A JPH08209003A JP H08209003 A JPH08209003 A JP H08209003A JP 1598995 A JP1598995 A JP 1598995A JP 1598995 A JP1598995 A JP 1598995A JP H08209003 A JPH08209003 A JP H08209003A
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JP
Japan
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weight
resin
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modified
rubber
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JP1598995A
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English (en)
Inventor
Kouji Hirata
仰二 平田
Sumio Shibahara
澄夫 柴原
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
Original Assignee
Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 フェノールレジンやエポキシレジンの様な低
粘度の熱硬化性樹脂100重量部に対し、NBRやアク
リルゴムの様な未架橋で高粘度のゴム1〜80重量部、
有機シリコーン系架橋剤0.01〜20重量部、更に、
架橋触媒からなる組成物に、好ましくは、相溶化剤を配
合し、1.0〜5.5mmのクリアランスを有し、15
0〜500m/分という極めて高い先端速度で、異方向
に回転する二軸混練機によって混練する事で、瞬時にゴ
ム成分を樹脂マトリックス中に分散させ、更に、ゴムの
みを選択的に架橋させる事ができ、ベースレジンに対す
る相溶性を持った架橋ゴムの微粒子が、均一に分散した
変性熱硬化性樹脂を製造する方法。 【効果】 フェノール樹脂又はエポキシ樹脂等の熱硬化
性樹脂を動的架橋により得られた架橋ゴムにより変性さ
れた変性熱硬化性樹脂を成形材料、積層板或いは粉体塗
料などのベース樹脂或いは硬化剤として用いると強靭な
特性を有する成形物が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フェノール樹脂成形材
料、フェノール樹脂積層板のベース樹脂あるいはエポキ
シ樹脂成形材料やエポキシ粉体塗料の硬化剤として好適
に用いられる強靭なフェノール樹脂、あるいは、エポキ
シ樹脂成形材料、エポキシ粉体塗料、エポキシ樹脂積層
板のベース樹脂として好適に用いられる強靭なエポキシ
樹脂などの熱硬化性樹脂の動的架橋手法に依った製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】熱硬化性樹脂は長い歴史を持っており、
単独で、或いは、他樹脂との組み合わせで、多岐に亘っ
た使われかたがなされてきたが、特に、電気絶縁性が良
好である、十分な機械強度がある、耐熱性がよい、熱膨
張係数が低い、安価である等の利点から、電気あるい
は、機械部品に広く用いられている。その反面で、熱硬
化性樹脂共通の欠点でもある靭性の低さは、最大の欠点
でもあり、様々な観点より、種々の検討がなされてき
た。例えば、ポリスルホン、ポリカーボネート、ポリエ
ステル−ポリカーボネート等の非晶性熱可塑性樹脂と、
ある種の変性フェノール樹脂とのIPN(INTER−
PENETRATING−POLYMER−NETWO
RK;相互貫入高分子網目)が検討されているが、これ
らの物は、強靭化の改良が不十分であり、流動性が低下
する等極めて不満足な物であった。又、フェノール樹脂
に対してブレンド時の相溶性を工夫した粉末固形ゴムで
の検討や、エポキシ樹脂と相溶性の良いカルボキシル基
変性NBR等のゴムとのブレンドも検討されているが、
この方法では、樹脂の強靭化は図れるものの、強靭化に
効果がでる程度までゴムを添加すると、流動性が極端に
低下する為に、実用の成形性を損なうという問題があ
り、従来流動性と強靭性が両立する例は見いだされてい
なかった。
【0003】一方、このようなブレンド、変性の為の混
練のプロセスは反応釜や、ニーダー押出混練機を用いた
方法が取られて来たが、反応釜では、加熱によりベース
樹脂の粘度が低下するもののゴム粒子の細粒化に必要な
高速での撹拌・混練を得る事は困難である。又、通常の
二軸押出機を用いた場合については、例えば特公平5−
87529号公報に記載されている様に、クリアランス
を極端に小さくする事で得られる、高い剪断速度を混練
に用いる事で、目標とする分散状態を得ようとする方法
もあるが、この場合、二軸押出機の構造上、困難が発生
する。即ち、混練翼が片持ちである為、有効な剪断速度
を得ようとすると、必然的に混練翼軸芯の振動を招き、
この結果危惧される回転座屈の防止の為には、非常に小
さなクリアランスが必要となるが、0.4mm以下のク
リアランスは、実際に混練の行われるクリアランス部へ
の樹脂組成物の導入の障害となり、殆どの部分が混練翼
間をバイパスしてゴム粒子に対する剪断作用が得られ
ず、均一に混練分散させる事は困難であった。又、低粘
度の熱硬化性樹脂を固形ゴムと同時に、混練機に通過さ
せる場合、レジンは簡単に軟化開始点に至るのに対し、
ゴムの軟化は大きく異なる為、溶融開始したレジン中で
浮遊した固形ゴムは、混練機のニーディングゾーンに於
いてすらも剪断力の効果を受けにくく、十分に微粒化、
分散される事が困難であった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、従来
技術では得られていない、成形材料あるいは積層板等の
用途に有用な、流動性が良好で且つ強靭な、変性熱硬化
性樹脂の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、熱硬化性
樹脂の強靭化の手法として、加硫ゴムの微粒子をレジン
内に均一に分散させる事が効果があるとの知見に基づ
き、加硫ゴムが均一分散した熱硬化性樹脂を製造する種
々の方法を検討した結果、フェノールレジンやエポキシ
レジンの様な低粘度の熱硬化性樹脂100重量部に対
し、NBRやアクリルゴムの様な未架橋で高粘度のゴム
1〜80重量部、有機シリコーン系架橋剤0.01〜2
0重量部、更に、架橋触媒からなる組成物に、好ましく
は、相溶化剤を配合し、1.0〜5.5mmのクリアラ
ンスを有し、150〜500m/分という極めて高い先
端速度で、異方向に回転する二軸混練機によって混練す
る事で、瞬時にゴム成分を樹脂マトリックス中に分散さ
せ、更に、ゴムのみを選択的に架橋させる事ができ、ベ
ースレジンに対する相溶性を持った架橋ゴムの微粒子
が、均一に分散した変性熱硬化性樹脂を製造できる事を
見い出し、本発明を完成するに至った。即ち、本発明は
混練撹拌翼と内壁の間のクリアランスが、1.0〜5.
5mmある事で、混練する材料のバイパスを避けられ、
又、その先端が混練機内壁に対し、150〜500m/
分という極めて高速で、かつ異方向に回転する混練翼で
瞬時に高剪断を加えて混練する事により、従来の技術で
は微粒子化・分散が困難であった高粘度のゴム成分が、
低粘度の熱硬化性樹脂中に分散し、かつ原料成分中の架
橋剤、及び、架橋触媒の効果で、分散したゴム部分を動
的に架橋させる事を特徴とする、変性熱硬化性樹脂の製
造方法に関するものである。
【0006】本発明の原料として用いられる熱硬化性樹
脂のうち、フェノール樹脂は、特に限定するものでなく
市販されているものであり、例えばノボラック型樹脂に
ついて言えば、フェノール類とホルマリンとを、フェノ
ール類とホルムアルデヒドのモル比が、0.5〜1.0
となるような配合比率で反応釜に仕込み、更に蓚酸、塩
酸、硫酸、トルエンスルフォン酸等の触媒を加えた後加
熱し、適当な時間還流反応を行った後分離した水を除去
するため、真空脱水あるいは静置脱水し、更に残ってい
る水と未反応のフェノール類を除去する方法により得る
ことができる。これらの樹脂あるいは、複数の原料成分
を用いることにより得られる共縮合フェノール樹脂は、
単独あるいは二種以上組み合わせて用いられる。また、
レゾール型樹脂についても、混練時の熱履歴を制御する
事により使用が可能である。また、本発明の原料として
用いられるエポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を2
個以上有する化合物で有れば、いずれのものも使用で
き、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラッ
ク型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等があり、これ
らのエポキシ樹脂の一種又は二種以上が使用される。
【0007】本発明の原料として用いられる不飽和2重
結合基含有ゴムは、特に限定するものでなく、市販され
ているものであり、1分子中に少なくとも2つの不飽和
2重結合基を有するものであればいずれのものも使用で
き、例えばエチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共
重合体ゴム、アクリロニロリル−ブタジエン共重合体ゴ
ム、スチレン−ブタジエン共重合体ゴム等が好適に使用
される。本発明の原料として用いられるエチレン−α・
オレフィン−非共役ジエン共重合体ゴムは、α・オレフ
ィンは炭素数が3〜15のものが適する。非共役ジエン
としてはジシクロペンタジエン、1,4−ヘキサジエ
ン、エチリデンノルボルネン、及びメチレンノルボルネ
ン等が使用できる。本発明においては入手の容易さ耐衝
撃性改良の観点からα・オレフィンとしてはポリプロピ
レンが適する。従って、EPDM(エチレン・プロピレ
ン・ジエン・メチレンリンケージ)が好適となる。共重
合ゴムのエチレン/α・オレフィン比は重量比で50/
50〜90/10、さらに好適には60/40〜80/
20が適する。本発明の原料として用いられるアクリロ
ニトリル−ブタジエン共重合体ゴムは、アクリロニトリ
ルモノマーとブタジエンモノマーの混合物を乳化重合す
ることにより得られる。本発明に用いられるアクリロニ
トリル・ブタジエン共重合体ゴム重合体ゴムとしては、
アクリロニトリル含量が15〜50%の物が好適に用い
られる。その他、本発明の原料として用いられるゴムと
しては、スチレン−ブタジエンランダム共重合体ゴム、
スチレン−イソプレンランダム共重合体ゴム、スチレン
−ブタジエンブロック共重合体ゴム、スチレン−イソプ
レンブロック共重合体ゴム、ポリブタジエン、ポリイソ
プレン、ポリクロロプレン、天然ゴム、又は、これらの
ゴムに含まれる脂肪族2重結合を部分的に水添し、不飽
和度を低下させた部分水添ゴム、例えば、水添率が80
%未満の部分水添ゴム等の中から選ばれたものであっ
て、1種のみでも、または2種以上のブレンド物であっ
ても良い。ここで、用いられるゴムのムーニ粘度、ML
(100)1+4は10〜120好ましくは40〜100の範囲
から好適に選ぶ事が出来る。このムーニ粘度が10未満
のものを用いた場合、好ましい架橋が得られず耐衝撃性
改良に効果が期待できず、好ましくない。また、120
を超えたものは成形加工性が著しく悪化し、さらに成形
品の外観が悪化するため好ましくない。また、このゴム
のヨウ素価は5〜30、特に10〜20のものが好まし
い。
【0008】本発明の原料として用いられる有機シリコ
ーン系架橋剤は、分子内にSiH基を2つ以上持つシリ
コーン化合物、その誘導体化合物または該シリコーン化
合物から誘導されるポリマーで、ゴムの架橋剤として用
いられる。これはSiH基の不飽和炭化水素への選択的
な付加反応を利用したものである。架橋剤となり得るた
めには2分子以上のゴムに付加することが必要条件であ
るから分子中に2つ以上のSiH基を持つ必要がある。
具体的な化合物例は、以下に示すように環状ポリシロキ
サン類、線状ポリシロキサン類、四面体シロキサン類の
構造を持つ化合物が代表的である。また、該化合物から
誘導された化合物及びまたはポリマーを用いても良い。 *環状ポリシロキサン類 *線状ポリシロキサン類 *四面体シロキサン類 (m は3〜20の整数 nは0〜50の整数、Rは、水
素、アルキル基、アルコキシ基、アリール基又はアリー
ルオキシ基であり、かつケイ素原子に結合している少な
くとも1個のRが水素であるケイ素原子が分子中に2個
以上存在するものである。)
【0009】本発明の原料として用いられる架橋触媒
は、有機過酸化物全般又は、ハイドロシリル化反応を促
進する触媒全般を指す。本発明の原料として用いられる
有機過酸化物は、特に限定するものでなく、一般に用い
られているもので、分解により、ハイドロシリル化反応
を促進する。有機過酸化物の選択に関しては、混練・動
加硫時の樹脂温度、即ち熱硬化性樹脂の軟化点に50℃
を加えた、実用的な温度域での半減期が30〜600秒
である事が好ましく、好適には100〜160℃の間
で、30〜600秒の半減期のものが使用される。具体
的には、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパ
ーオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチル−2,5−ジ
(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジ−t−ブチ
ルパーオキサイド、ジ−クミルパーオキシ−ジ−イソプ
ロピルベンゼン、ジ−クミルパーオキサイド、t−ブチ
ルパーオキシベンゾート等が挙げられる。本発明の原料
として用いられる、ハイドロシリル化触媒としては遷移
金属系が有効であって、例えばイソプロパノール溶液の
状態でSPEIER触媒として知られる塩化白金酸・6
水和物等の白金系触媒、エタノール溶液の状態でWIL
KINSON触媒として知られるトリフェニルフォスフ
ィンクロロロジウム等のロジウム系触媒や、パラジウム
系触媒、ルテニウム系触媒、イリジウム系触媒、オスミ
ウム系触媒、の中から選択する事ができる。又、レニウ
ム系触媒も有効である。
【0010】本発明の原料として用いられる相溶化剤
は、特に限定するものでなく、市販されているものであ
り、フェノール樹脂やエポキシ樹脂とゴム成分との界面
張力を低下させ、ゴムの分散粒径を、細かくさせる働き
と、両成分に対して、化学的親和性官能基又は反応基を
持つものである。例としては、エポキシ基、N−メチロ
ール基、アミノ基、カルボン酸基又は、酸無水物基を有
する変性ポリオレフィン系樹脂、変性ポリブタジエン、
変性ポリイソプレン、変性スチレン−ブタジエン共重合
体、変性アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、或い
はその水素添加物、変性エチレン−α・オレフィン−非
共役ジエン共重合体、等をあげる事ができ、これらの中
から選ばれた少なくとも1種以上の組み合わせで用いら
れる。相溶化剤の添加は、海成分であるフェノール樹脂
やエポキシ樹脂とゴム成分との界面張力を低下させ、島
成分であるゴムの分散粒径を、細かくさせる働きを有す
る。このようにして制御されたゴム粒子の分散状態は、
ゴム粒子が凝集状態になく、かつ10μm以下好ましく
は、1μ以下の粒度となっている。例えば、ブタジエン
ゴムは、極端に非極性の構造であって、極性を持つフェ
ノール樹脂とは、良好な相溶性を持たない。これに対し
エポキシ化ポリブタジエンを好適量配合すると、この添
加物は、自分子内のブタジエン構造部によって、ブタジ
エンゴムに親和し、かつ、エポキシ基によって、フェノ
ール樹脂と親和、反応するため、良好に細粒化し、かつ
フェノール樹脂との接触界面が強固なブタジエンゴムの
分散粒子を作る事ができる。アクリロニトリル−ブタジ
エン共重合体ゴムは、溶解度指数が違う為に、低粘度の
エポキシレジン中で凝集してしまい、良好な分散状態を
得る事が難しいが、カルボキシル基を持ったポリブタジ
エンを好適量配合すると、海成分のエポキシ基と、ポリ
ブタジエンのカルボキシル基が化学的に結合する一方、
ポリブタジエン中と、アクリロニトリル−ブタジエン共
重合体中のブタジエン部分が親和する為に、良好な分散
粒子を得る事ができる。海成分であるフェノール樹脂、
又はエポキシ樹脂は、ミクロに分散したゴム成分が、応
力吸収に効果的に働くばかりでなく、本来強靭なゴム成
分が、その界面において、分子レベルで親和的に、或い
は、化学反応によって、強固に接着しているため、強靭
性が向上する。
【0011】本発明の動的架橋手法による変性熱硬化性
樹脂の製造方法は大きく粘度の違う原料配合を、好適な
クリアランスと先端速度を持つ異方向に回転する二軸混
練機等で溶融混合する事により、ゴム部分が動的に架橋
されたことを特徴とする。好適なクリアランスとして
は、1.0〜5.5mmの範囲で、1.0を下回る場合
は、クリアランス中への被混練物の流入が困難で、原料
のバイパスの為微粒子化が行われなかった。又、5.5
mm以上のクリアランスでは、原料に十分な混練が行わ
れなく、微粒子化が行われなかった。混練翼の先端速度
が150〜500m/分では良好な分散と架橋が行われ
たが、150m/分以下では分散が不十分であると共
に、架橋が進まなかった。500m/分以上の先端速度
でも良好な分散と架橋が行われるが、機械的な負荷が大
きくなり、設備の安全性の点からも不適切であった。本
発明の方法で用いる事のできる高速の異方向回転型の二
軸混練機は、FARREL社のFARREL CONT
INUOUS MIXER、国内では、日本製鋼所のC
ONTINUOUS INTENSIVE MIXER
又は、株式会社神戸製鋼所のCONTINUOUS M
IXERである。これらの連続二軸混練機では、原料の
フィード部分、混練部分、排出部分からなる混練翼が同
軸上にあって、フィード側、排出側の両端に軸受けが配
置されている事により、混練部分のローター翼とチャン
バーの間のクリアランスを自在に調節できると共に、座
屈の心配がないので、高速での回転による混練が可能で
ある。このように、樹脂流入に十分広い1.0〜5.5
mm、好ましくは、1.2〜3.0mmのクリアランス
を取る事のできる先述した混練機は、被混練物に対し高
い頻度の間隙通過機会を与える事ができ、その場所に高
速回転によって150〜550m/分の先端速度を与え
る様な機能を有している為、本発明に使用する事が出来
る。
【0012】ゴムの架橋を効率良く行わせる為には、混
練或いは、含浸などの方法により、ゴム中に架橋剤、架
橋触媒を事前に分散させておく事が好ましい。この事前
の分散は、架橋剤及び架橋触媒の反応活性点以下で行う
事が重要で、低速、低温での混練或いは、含浸が有効な
方法である。また、架橋をより完全に行わせる為には、
高速二軸混練機で混練した後、単軸或いは、通常の二軸
混練機などで追加の混練をして、高温での滞留時間を延
ばし、十分な熱履歴を付与する事が好ましい。好適な配
合範囲としては、熱硬化性樹脂100重量部に対する不
飽和二重結合基を含むゴム成分及び架橋剤、の混合比
は、100:1〜100:80重量部、好ましくは、1
00:11〜100:67重量部、更に、好ましくは1
00:18〜100:54重量部の範囲で使用される。
不飽和二重結合基含有ゴムの配合割合が1重量部を下回
ると、曲げ強度、耐衝撃性などの特性の改善効果が不十
分となる傾向があり、80重量部を上回ると、流動性が
低下する傾向があると共に、レジンとしてのハンドリン
グ性を損なって、既存の設備の使用範囲を越えてしま
う。分子内にSiH基を2つ以上持つ有機シリコーン系
架橋剤は、レジン100重量部に対し0.01〜20重
量部の好ましくは0.05〜10重量部の範囲内でゴム
内の不飽和二重結合を架橋させるのに必要な割合で配合
される。この配合率が高すぎて、SiH基が過剰となる
とその後の工程での熱分解により、水素ガスが発生して
成形上のトラブルを起こしたり、ボイドとなって、強靭
性に支障を来たす。配合率が低くて、不飽和二重結合の
架橋度が充分に高くならなければ、強靭性改良の発現を
見ない。
【0013】ここで架橋度は、変性熱硬化性樹脂1gを
沸騰キシレンを用いてソックスレー抽出器で10時間リ
フラックスし、残留物を保留粒子径1μmの濾紙を用い
て濾過し、(濾紙上に残留した不溶物乾燥重量)/(変
性樹脂1g中に含まれる不飽和二重結合基含有ゴム成分
の重量+分子内にSiH基を2つ以上持つ有機シリコー
ン系架橋剤の重量)の比を100倍することにより求め
ることが出来る。この値が50%、好ましくは70%以
上になるように架橋することが好ましい。上記した成分
のほかに、ゴム100重量部に対して、少なくとも1種
以上の相溶化剤0.1〜10重量部を配合することが好
ましい。相溶化剤を添加する効果は、前述した通りであ
る。架橋触媒は、ゴムの種類と配合比、用いる架橋触媒
の種類により、添加の比率が異なってくる。架橋触媒
は、動的架橋の工程終了時に上記した架橋度が50%、
好ましくは70%になるのに必要な量を配合する。相溶
化剤の配合量が0.1重量部を下回ると、曲げ強度、耐
衝撃性などの特性の改善効果が小さくなる傾向にあり、
10部超では増量する効果がない。
【0014】
【実施例】以下、フェノール系とエポキシ系とを分け
て、実施例により、本発明を説明するが、これは単なる
例示であり、本発明はこれに限定されるものではない。 《実施例1》ノボラック型フェノール樹脂[住友デュレ
ズ(株)製スミライトレジンR PR−51470]10
0重量部に対し、スチレン・ブタジエン共重合体ゴム
[日本合成ゴム(株)製、JSR SL556(結合スチ
レン量:24重量%)]25重量部、相溶化剤としてエ
ポキシ変性スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブ
ロック共重合体[旭化成(株)製タフテックR Z−51
4]3重量部、架橋触媒として、塩化白金酸(H2PtCl2
・6H2O)0.05重量部を配合し、十分ドライブレンド
した後、架橋剤として1,3,5,7−テトラメチルシ
クロテトラシロキサン[東レ・ダウコーニング・シリコ
ーン(株)製]5.0重量部を添加配合しながら、株式会
社神戸製鋼所製二軸混練機NCM−50を用いて、1.
6mmのクリアランスに対し、回転数が1200rpm
即ち先端速度[50mm×π×1200rpm=18
8.5m/分]で溶融混練し、動的に架橋して、変性フ
ェノール樹脂Aを得た。このようにして得られた変性フ
ェノール樹脂A40重量%、硬化剤としてヘキサミン7
重量%、及び、補強材としてガラス繊維53重量%を配
合し、ロール混練することにより成形材料を得た。その
後175℃、3分間という条件で成形を行い、成形性を
評価すると共に得られた試験片について曲げ強度、シャ
ルピー衝撃強さの評価を行った。その評価結果を表1に
示す。
【0015】《実施例2》ブタジエンゴム[日本合成ゴ
ム(株)製、JSR RB−820 1,2結合量92
%]28重量部に対し、架橋剤として1,3,5,7−
テトラメチルシクロテトラシロキサン[東レ・ダウコー
ニング・シリコーン(株)製]5.0重量部、架橋触媒と
して塩化白金酸(H2PtCl2・6H2O)0.05重量部を添
加配合し、ローターチャンバー間クリアランス3mmで
ローター外径68mmの加圧ニーダーで回転数30rp
m、即ち先端速度6.4m/分、混練温度50℃で予備
混練してペレット化した。この予備混練物を、ノボラッ
ク型フェノール樹脂[住友デュレズ(株)製スミライトレ
ジンR PR−51470]100重量部と配合して、
株式会社日本製鋼所製 二軸混練機CIM−120で、
2.5mmのクリアランスに対し、780rpm即ち先
端速度294.0m/分で溶融押出し混練し、動的に架
橋して変性フェノール樹脂Bを得た。このようにして得
られた変性フェノール樹脂B40重量%、硬化剤として
ヘキサミン7重量%及び補強材としてガラス繊維53重
量%を配合し、ロール混練することにより成形材料を得
た。その後175℃、3分間という条件で成形を行い、
成形性を評価すると共に得られた試験片について曲げ強
度、シャルピー衝撃強さの評価を行った。その評価結果
を表1に示す。
【0016】《実施例3》ノボラック型フェノール樹脂
[住友デュレズ(株)製スミライトレジンR PR−51
470]100重量部に対し、スチレン−イソプレン共
重合体ゴム[クラレ(株)製、ビニルSIS VS−1]
25重量部、エポキシ変性ポリエチレン[住友化学工業
(株)製ボンドファーストE]3重量部、架橋触媒として
パークミルD[日本油脂製:ジクミルパーオキサイト]
0.5重量部を、十分ドライブレンドした後、架橋剤と
して1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキ
サン[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製]5.
0重量部を添加配合して、株式会社日本製鋼所製 二軸
混練機CIM−120で、1.2mmのクリアランスに
対し、780rpm即ち、先端速度294.0m/分で
溶融押出混練し、動的に加硫して変性フェノール樹脂C
を得た。このようにして得られた変性フェノール樹脂C
40重量%、硬化剤としてヘキサミン7重量%及び補強
材としてガラス繊維53重量%を配合し、ロール混練す
ることにより成形材料を得た。その後175℃、3分間
という条件で成形を行い、成形性を評価すると共に得ら
れた試験片について曲げ強度、シャルピー衝撃強さの評
価を行った。その評価結果を表1に示す。
【0017】《比較例1》ノボラック型フェノール樹脂
[住友デュレズ(株)製スミライトレジンR PR−51
470]40重量%、硬化剤としてヘキサミン7重量%
及び補強材としてガラス繊維53重量%を配合し、実施
例1と同様にしてロール混練し、成形後その特性評価を
行った。その評価結果を表2に示す。
【0018】《比較例2》ノボラック型フェノール樹脂
[住友デュレズ(株)製スミライトレジンR PR−51
470]100重量部、スチレン・ブタジエン共重合体
ゴム[日本合成ゴム(株)製、JSR SL556(結合
スチレン量:24重量%)]25重量部、、エポキシ変
性スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブロック共
重合体[旭化成(株)製タフテックR Z−514]3重
量部を十分ドライブレンドした後、架橋剤として1,
3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン[東
レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製]5.0重量部
を添加配合しながら、森山製作所製加圧ニーダーを用い
て溶融混練し、これをペレタイズ化し変性フェノール樹
脂Dを得た。この時のローターとチャンバー間のクリア
ランスは3mmであるが、外径68mmに対し、回転数
は120rpm即ち先端速度25.6m/分であった。
このようにして得られた変性フェノール樹脂D40重量
%、硬化剤としてヘキサミン7重量%及び補強材として
ガラス繊維53重量%を配合し、実施例1と同様にロー
ル混練し、成形後、特性評価を行った。その評価結果を
表1に示す。
【0019】《比較例3》ノボラック型フェノール樹脂
[住友デュレズ(株)製スミライトレジンR PR−51
470]100重量部、スチレン・ブタジエン共重合体
ゴム[日本合成ゴム(株)製、JSR SL556[結合
スチレン量:24重量%)]25重量部を、架橋触媒と
してパークミルD[日本油脂製:ジクミルパーオキサイ
ト]0.5重量部、架橋剤として1,3,5,7−テト
ラメチルシクロテトラシロキサン[東レ・ダウコーニン
グ・シリコーン(株)製]5.0重量部と配合して、株式
会社池貝製二軸押出混練機PCM−115で、0.1m
mのクリアランスに対し、300rpm即ち、先端速度
108.4m/分で溶融押出混練し動的に架橋して変性
フェノール樹脂Eを得た。このようにして得られた変性
フェノール樹脂E40重量%、硬化剤としてヘキサミン
7重量%及び補強材としてガラス繊維53重量%を配合
し、実施例1と同様にロール混練し、成形後その特性評
価を行った。その評価結果を表1に示す。なお評価方法
は下記にしたがって行った。 *成形性:成形後の試験片の表面の状態及び成形材料の
試験片金型への充填状態を目視で観察し評価した。 ○:試験片外観:良好。 金型への充填状態:良好 △:試験片外観:やや凹凸。 金型への充填状態:ギリ
ギリ ×:試験片外観:凹凸。 金型への充填状態:未充
填発生 *曲げ強度:JIS K6911に準じて測定した。 *シャルピー衝撃強度:JIS K6911に準じて測
定した。
【0020】
【0021】《実施例4》エチレン−プロピレン−エチ
リデンノルボルネン共重合体ゴム[日本合成ゴム(株)
製、JSR EP57P(プロピレン含量:28重量%
MFR(230℃)=0.4g/10分 ヨウ素価:1
5.0 Tg:−40℃)]25重量部に対し、架橋剤と
して1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキ
サン[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製]5.
0重量部、架橋触媒として塩化白金酸(H2PtCl2・6H
2O)0.05重量部を添加配合し、ローターチャンバー
間クリアランス3mmでローター外径68mmの加圧ニ
ーダーで回転数30rpm、即ち先端速度6.4m/
分、混練温度50℃で予備混練してペレット化した。こ
の予備混練物を、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂
[日本化薬(株)製 EOCN1020]100重量部と
配合し、株式会社神戸製鋼所製二軸混練機NCM−50
を用いて、1.6mmのクリアランスに対し、回転数が
1200rpm即ち先端速度[50mm×π×1200
rpm=188.5m/分]で溶融混練し、押出動加硫
して、変性エポキシ樹脂Aを得た。このようにして得ら
れた変性エポキシ樹脂A30重量%、硬化剤としてノボ
ラック型フェノール樹脂15重量%、補強材として溶融
シリカ50重量%及びシランカップリング剤、離型剤等
その他添加剤5重量%を配合した後十分に混合し、さら
に95〜100℃で混練し、冷却した後粉砕することに
より成形材料を得た。その後この材料をトランスファー
成形機(成形条件175℃、硬化時間2分間)で成形を
行い、その後175℃で8時間後硬化し、評価用サンプ
ルを作成した。成形物について曲げ強度、曲げ強さ、ヒ
ートサイクルの評価を行った。その評価結果を表2に示
す。
【0022】《実施例5》クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂[日本化薬(株)製 EOCN 1020]10
0重量部に対し、スチレンゴム[日本ゼオン(株)製 N
IPOL NS−218[結合スチレン20% ML(1
00)1+4=45)]20重量部、無水マレイン酸変性エチ
レン−プロピレン共重合体ゴム[日本合成ゴム(株)製、
JSR T7741P(酸付加量0.5%)5重量部、
架橋触媒として、塩化白金酸(H2PtCl2・6H2O)0.0
5重量部を、十分ドライブレンドした後、架橋剤として
1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン
[東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製]5.0重
量部を添加配合しながら、株式会社日本製鋼所製 二軸
混練機CIM−120で、2.5mmのクリアランスに
対し、780rpm即ち先端速度294.0m/分で溶
融押出混練し、動的に架橋して変性エポキシ樹脂Bを得
た。このようにして得られた変性エポキシ樹脂B30重
量%、硬化剤としてノボラック型フェノール樹脂15重
量%、補強材として溶融シリカ50重量%及びシランカ
ップリング剤、離型剤等その他添加剤5重量%を配合し
た後十分に混合し、さらに95〜100℃で混練し、冷
却した後粉砕することにより成形材料を得た。その後こ
の材料をトランスファー成形機(成形条件175℃、硬
化時間2分間)で成形を行い、その後175℃で8時間
後硬化し、評価用サンプルを作成した。成形物について
曲げ強度、曲げ強さ、ヒートサイクルの評価を行った。
その評価結果を表2に示す。
【0023】《実施例6》アクリロニトリル・ブタジエ
ン共重合体ゴム[日本合成ゴム(株)製、JSRN230
S(結合アクリロニトリル含量:35重量%)]20重
量部、に架橋剤として1,3,5,7−テトラメチルシ
クロテトラシロキサン[東レ・ダウコーニング・シリコ
ーン(株)製]0.5重量部、架橋触媒としてパークミル
D[日本油脂製:ジクミルパーオキサイト]0.5重量
部を添加配合し、ローターチャンバー間クリアランス3
mmでローター外径68mmの加圧ニーダーを用い、回
転数30rpm、即ち先端速度6.4m/分、混練温度
50℃で予備混練してペレット化した。この予備混練物
を、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂[日本化薬
(株)製 EOCN 1020]100重量部、無水マレ
イン酸変性スチレン−エチレン・ブチレン−スチレンブ
ロック共重合体[旭化成(株)製 タフテックRM−19
11]5重量部と十分ドライブレンドした後、株式会社
日本製鋼所製二軸混練機CIM−120で、2.5mm
のクリアランスに対し、780rpm即ち先端速度29
4.0m/分で溶融押出混練し、動的に加硫して変性エ
ポキシ樹脂Cを得た。このようにして得られた変性エポ
キシ樹脂C30重量%、硬化剤としてノボラック型フェ
ノール樹脂15重量%、補強材として溶融シリカ50重
量%及びシランカップリング剤、離型剤等その他添加剤
5重量%を配合した後十分に混合し、さらに95〜10
0℃で混練し、冷却した後粉砕することにより成形材料
を得た。その後この材料をトランスファー成形機(成形
条件175℃、硬化時間2分間)で成形を行い、その後
175℃で8時間後硬化し、評価用サンプルを作成し
た。成形物について曲げ強度、曲げ強さ、ヒートサイク
ルの評価を行った。その評価結果を表2に示す。
【0024】《比較例4》クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂[日本化薬(株)製 EOCN 1020]30
重量%、硬化剤としてノボラック型フェノール樹脂15
重量%、補強材として溶融シリカ50重量%及びシラン
カップリング剤、離型剤等その他添加剤5重量%を配合
した後十分に混合し、実施例4と同様にして混練、粉砕
し、成形後その特性評価を行った。その評価結果を表3
に示す。
【0025】《比較例5》クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂[日本化薬(株)製 EOCN 1020]10
0重量部、エチレン−プロピレン−エチリデンノルボル
ネン共重合体ゴム[日本合成ゴム(株)製、JSR EP
57P(プロピレン含量:28重量% MFR(230
℃)=0.4g/10分 ヨウ素価:15.0 Tg:−4
0℃)]20重量部、無水マレイン酸変性エチレン−プ
ロピレン共重合体ゴム[日本合成ゴム(株)製、JSR
T7741P(酸付加量0.5%)]5重量部を十分ド
ライブレンドした後、株式会社池貝製二軸押し出し混練
機PCM−115で、0.1mmのクリアランスに対
し、300rpm即ち、先端速度108.4m/分で溶
融押出混練し変性エポキシ樹脂Dを得た。このようにし
て得られた変性エポキシ樹脂D30重量%、硬化剤とし
てノボラック型フェノール樹脂15重量%、補強材とし
て溶融シリカ50重量%及びシランカップリング剤、離
型剤等その他添加剤5重量%を配合した後十分に混合
し、さらに95〜100℃で混練し、実施例4と同様に
して混練、粉砕し、成形後その特性評価を行った。その
評価結果を表3に示す。
【0026】《比較例6》クレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂[日本化薬(株)製 EOCN 1020]10
0重量部、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体ゴム
[日本合成ゴム(株)製、JSR N230S(結合アク
リロニトリル含量:35重量% )]20重量部、無水
マレイン酸変性スチレン−エチレン・ブチレン−スチレ
ンブロック共重合体[旭化成(株)製 タフテックR M
−1911]5重量部、架橋剤として1,3,5,7−
テトラメチルシクロテトラシロキサン[東レ・ダウコー
ニング・シリコーン(株)製]5.0重量部、架橋触媒と
して塩化白金酸(H2PtCl2・6H2O)0.05重量部を添
加配合し、ローターチャンバー間クリアランス3mmで
ローター外径68mmの加圧ニーダーで回転数120r
pm、即ち先端速度25.6m/分で低速度で混練して
動的に架橋した変性エポキシ樹脂Eを得た。このように
して得られた変性エポキシ樹脂E30重量部、硬化剤と
してノボラック型フェノール樹脂15重量部、補強材と
して溶融シリカ50重量部及びシランカップリング剤、
離型剤等その他添加剤5重量部を配合した後十分に混合
し、実施例4と同様にして混練、粉砕し、成形後その特
性評価を行った。その評価結果を表3に示す。なお評価
方法は下記にしたがって行った。 *ヒートサイクル試験:30×25×5mmの成形品の底
面に25×25×3mmの銅板を埋め込み、−40℃と+
200℃の恒温層に各30分ずつ入れ、100サイクル
繰り返した後樹脂クラックを調べた。 *曲げ強度、曲げ弾性率:JIS K6911に準じて
測定した。
【0027】
【0028】
【0029】
【発明の効果】表から明らかなようにフェノール樹脂又
はエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂を動的架橋により得ら
れた架橋ゴムにより変性された変性熱硬化性樹脂を成形
材料、積層板或いは粉体塗料などのベース樹脂或いは硬
化剤として用いると強靭なとくせいを有する成形物が得
られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 //(C08L 101/00 83:04 23:26 15:00)

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 剪断速度が2000[1/sec]の時、
    170℃での溶融粘度が0.01〜5[Pa・sec]であ
    る低粘度の熱硬化性樹脂100重量部に対して、ムーニ
    ー粘度ML(100)1+4が10〜120であって、1分子中
    に少なくとも2つの不飽和二重結合を含有する未架橋ゴ
    ム1〜80重量部、1分子中に少なくとも2つのSiH
    基を持つ有機シリコーン系架橋剤0.01〜20重量
    部、及び過酸化物又は遷移金属系である架橋触媒0.0
    5〜5.0重量部からなる組成物を、1.0〜5.5m
    mのクリアランスを有し、150〜500m/分の先端
    速度で異方向に回転する二軸混練機によって混練し、動
    的架橋を行う事を特徴とする変性熱硬化性樹脂の製造方
    法。
  2. 【請求項2】 剪断速度が2000[1/sec]の時、
    170℃での溶融粘度が0.01〜5[Pa・sec]であ
    る低粘度の熱硬化性樹脂100重量部に対して、ムーニ
    ー粘度ML(100)1+4が10〜120であって、1分子中
    に少なくとも2つの不飽和二重結合を含有する未架橋ゴ
    ム1〜80重量部、1分子中に少なくとも2つのSiH
    基を持つ有機シリコーン系架橋剤0.01〜20重量
    部、過酸化物又は遷移金属系である架橋触媒0.05〜
    5.0重量部及びエポキシ基、N−メチロール基、アミ
    ノ基、カルボン酸基又は、酸無水物基を有する変性ポリ
    オレフィン系樹脂、変性ポリブタジエン、変性ポリイソ
    プレン、変性スチレン−ブタジエン共重合体、変性アク
    リロニトリル−ブタジエン共重合体、或いはその水素添
    加物、変性エチレン−α・オレフィン−非共役ジエン共
    重合体の中から選ばれた少なくとも1種以上からなる相
    溶化剤0.1〜10.0重量部からなる組成物を、1.
    0〜5.5mmのクリアランスを有し、150〜500
    m/分の先端速度で異方向に回転する二軸混練機によっ
    て混練し、動的架橋を行う事を特徴とする変性熱硬化性
    樹脂の製造方法。
  3. 【請求項3】 1分子中に少なくとも2つの不飽和二重
    結合を含有する未架橋ゴムの全量又は一部に対し、1分
    子中に少なくとも2つのSiH基を持つ有機シリコーン
    系架橋剤と架橋触媒を、架橋反応が生じない条件下でプ
    レミックスしたうえで、熱硬化性樹脂と共に混練、動的
    架橋を行わせる事を特徴とする請求項1又は2記載の変
    性熱硬化性樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 熱硬化性樹脂が、フェノール樹脂又はエ
    ポキシ樹脂である請求項1、2又は3記載の変性熱硬化
    性樹脂の製造方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005205347A (ja) * 2004-01-23 2005-08-04 Tokyo Roki Co Ltd 焼却処分可能なフィルターエレメント

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