JP3222229B2 - 改良された衝撃強さをもつポリフェニレンスルフィドを主成分とする組成物およびその製造方法 - Google Patents

改良された衝撃強さをもつポリフェニレンスルフィドを主成分とする組成物およびその製造方法

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    • C08LCOMPOSITIONS OF MACROMOLECULAR COMPOUNDS
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は改良された衝撃強さをも
つポリフェニレンスルフィドを主成分とする組成物に関
する。より正確には、本発明はポリフェニレンスルフィ
ドと、エポキシ基を含むオレフィン系エラストマーの架
橋により得られる生成物とを含む組成物に関するもので
ある。本発明は、またこれら組成物の製法にも関連す
る。
【0002】
【技術的背景】ポリ(フェニレンスルフィド)(以下簡
単に「PPS 」と呼ぶ)は顕著な熱安定性および極めて良
好な耐薬品性を呈し、このことは該物質を部品の成形に
とって優れたものとし、これは特に電気および電子用途
並びに自動車工業で利用することができる。しかしなが
ら、PPS は低衝撃強さを有し、結果として脆弱であると
いう欠点をもつ。PPS にオレフィンおよびα,β−不飽
和カルボン酸由来の弾性コポリマーを配合することによ
りこの欠点を克服する試みが既になされている(特開昭
58-154757(1983) 、東レ社)。しかしながら、PPS の分
子鎖の該弾性コポリマーに対する不十分な反応性のため
に、該エラストマー分散相と該PPS を含む連続相との界
面凝集が平凡なものとなり、かつPPS の衝撃強さの改良
は依然として不十分なままに止まっている。従って、PP
S を予め酸および/または熱水で処理することにより該
PPS の該弾性コポリマーに対する化学的アフィニティー
を増大する試みがなされた(東レ社のUS-A-4,889,89
3)。しかしながら、かくして得られる組成物の形態並
びに加工性は依然として不十分である。特許出願FR-A-
2,617,176(ソシエテシミックデシャルボナージュ(Soci
ete Chimique des Charbonnages) は、ポリアリーレン
スルフィド等の材料を含み、エチレン由来の単位、α,
β−不飽和カルボン酸の少なくとも1種の脂肪族エステ
ル由来の単位および無水マレイン酸由来の単位を含むコ
ポリマーの添加により衝撃に対して強化された組成物を
記載している。この組成物は、また該コポリマーを架橋
し得る化学試薬を含むことができ、これは該組成物の他
の成分をブレンドする際に配合される。得られるこの組
成物の形態は同様に不十分である。
【0003】また、PPS を含有する連続相と該エラスト
マーを含有する分散相との間の凝集性を、まずPPS と多
官能性イソシアネート(4,4'- ジフェニルメタンジイソ
シアネート)とを溶融配合することにより改良すること
も報告されている(旭化成の特許出願EP-A-0,406,55
3)。得られるこの組成物は、その安定性を低下するチ
オウレタン結合を含んでいる。特許出願EP-A-0,360,544
(宇部工業)は、PPS およびエポキシ基を含むビニルコ
ポリマーを含み、また無水カルボン酸基で変性したスチ
レンコポリマーをも含むことができる熱可塑性組成物を
開示している。これら組成物の機械的並びに熱的特性お
よび加工性は、しかし実際にはこれらが付随的にポリフ
ェニレンエーテルを含む場合においてのみ改良されるに
すぎない。PPS を含有する組成物の衝撃強さが、特定の
架橋されたエラストマーを該PPSマトリックス中に、該
マトリックスの他の特性を犠牲にすることなく、均一に
分散することを可能とする特定の方法を利用して、該エ
ラストマーを該組成物中に配合することにより改良でき
ることが分かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明の目的は
改良された衝撃強さをもつポリフェニレンスルフィドを
主成分とする組成物を提供することにある。より正確に
は、本発明の目的はポリフェニレンスルフィドと、エポ
キシ基を含むオレフィン系エラストマーの架橋により得
られる生成物とを含む組成物を提供することにある。本
発明の他の目的はこれら組成物の製法を提供することに
ある。
【0005】
【課題を解決するための手段】結局、本発明は主とし
て、ポリフェニレンスルフィドを主成分とする組成物に
関わり、該組成物は本質的にポリフェニレンスルフィド
を60〜99.5重量%と、エポキシ基含有オレフィン系エラ
ストマーから選択される化合物(C1)および該化合物(C1)
のエポキシ基に対して反応性でかつアミノ、ヒドロキ
シ、カルボキシルおよび無水カルボン酸基から選択され
る官能基を有する架橋剤から選択される化合物(C2)の組
み合わせ(C) を0.5 〜40重量%含むことを特徴とする。
本発明の組成物中に存在する該ポリフェニレンスルフィ
ド(PPS) は少なくとも70モル%、好ましくは少なくとも
90モル%の以下の一般式で示されるp-フェニレンスルフ
ィド繰り返し単位を含むポリマーである:
【0006】
【化1】
【0007】少なくとも70モル%のp-フェニレンスルフ
ィド繰り返し単位を含むPPS は本発明の組成物に十分な
熱安定性と耐薬品性とを付与する。該PPS 中に存在する
該繰り返し単位の30モル%以下は以下の構造式で示され
るものから選択できる。
【0008】
【化2】
【0009】本発明で利用できるPPS の製造法は周知で
ある。これら全てを利用できる。一つの方法は極性溶媒
中で殆どの場合硫化ナトリウム水和物であるアルカリ金
属スルフィドを加熱して、これから水和水を除去し、次
いでジハロゲン化芳香族化合物、特にp-ジクロロベンゼ
ンを添加し、高温にて重合する工程を含む(例えば、特
許S-A-3,354,129 (フィリップスペトロリウム(Phillip
s Petroleum))を参照のこと)。この得られるPPS の分
子量は、分岐生成物を与える酸化性の後処理、あるいは
高分子量の線状生成物を与える該重縮合混合物に分子量
を増大するための公知の試薬(水、エステル、無水物お
よびアルカリ金属カルボキシレート並びにスルフォネー
ト等)を添加する等の公知の方法により増大することが
できる。本発明で使用できるPPS の分子量は広い範囲で
変えることができる。一般に、該PPS のメルトインデッ
クスが5 g/10分〜10,000 g/10 分、好ましくは10 g/10
分〜500 g/10分(ASTM標準D 1238-74 T に従って315 °
C、5-kg負荷の下で測定)となるような分子量範囲であ
る。本発明で使用できるPPS は、本発明の組成物の諸特
性に有害な影響を与えない量の公知の添加剤を含むこと
ができる。このような添加剤としては、特に酸化防止剤
および熱安定化剤、例えばヒンダードフェノール類、チ
オエーテル類およびホスフィット類、紫外線抑制剤、例
えばレゾルシノール、ベンゾトリアゾールおよびベンゾ
フェノン、難燃化剤、例えばアンチモン塩類、アリール
クロロホスフェート類および塩素化パラフィン類、帯電
防止剤、例えばドデシルベンゼンスルホネートおよびポ
リアルキレングリコール類、潤滑剤、例えばグラファイ
ト、モリブデンジスルフィドおよびシリコーン類、防錆
剤、例えばアルカリ金属カーボネート類、顔料、例えば
二酸化チタンおよび硫化亜鉛、加工助剤、例えば燐酸の
芳香族エステル類およびミクロタルク、架橋度調節剤、
例えばペルオキシド、架橋促進剤、例えばチオホスフィ
ン酸の金属塩、架橋阻害剤、例えばジアルキル錫ジカル
ボキシレートまたはアミノトリアゾール等を例示でき
る。
【0010】少量の他のポリマーをこのPPS に添加して
もよい。本発明で使用できるPPS は、また酸、熱水およ
び/または有機溶媒で処理して後に定義する化合物(C1)
に対するそのアフィニティーを改善することができる。
当業者には公知のこの処理に関連する詳細は東レ社の特
許US-A-4,889,893に見いだすことができる。本発明の組
成物は化合物(C1)と化合物(C2)との組み合わせ(C) を導
入することにより得られる。本発明の組成物で使用でき
る該化合物(C1)はエポキシ基を含むオレフィン系のエラ
ストマーである。用語「エポキシ基を含むオレフィン系
のエラストマー」とはオレフィンおよび少なくとも1つ
のエポキシ基と少なくとも1つのエチレン性不飽和基を
含むモノマー(コモノマー(1))から誘導される弾性コポ
リマーを意味する。これらのコポリマーが誘導されるオ
レフィン類は、共役二重結合を含むα−モノオレフィン
類またはジオレフィン類であり得る。α−モノオレフィ
ン類の具体的な例はエチレン、プロピレン、1-ブテン、
イソブチレン等である。エチレンが該α−モノオレフィ
ンとして好ましい。
【0011】共役二重結合を含むジオレフィン類の具体
例は1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3- ブタジエン、2,3-
ジメチル-1,3- ブタジエン、クロロプレン、1,3-ペンタ
ジエン、1,3-ヘキサジエン等である。1,3-ブタジエンが
共役二重結合を含むジオレフィンとして好ましい。該化
合物(C1)を調製するのに多数の異なるオレフィンを使用
することも本発明の範囲内に含まれる。該弾性コポリマ
ーを誘導する該コモノマー(1) は、以下の一般式に相当
するα,β−不飽和カルボン酸のグリシジルエステル類
から選択できる:
【0012】
【化3】
【0013】ここで、Rは水素原子またはC1-8アルキル
基である。該α,β−不飽和カルボン酸のグリシジルエ
ステル類の具体的な例はグリシジルアクリレート、グリ
シジルメタクリレート、グリシジルα−エチルアクリレ
ート、グリシジルイタコネート等である。コモノマー
(1) は、またエチレン性不飽和基を含むグリシジルエー
テル類、例えばアリルグリシジルエーテル、2-メチルア
リルグリシジルエーテルおよびスチリルp-グリシジルエ
ーテル、あるいはエポキシ基とエチレン性不飽和基とを
含む他のモノマー、例えば3,4-エポキシブテン、3,4-エ
ポキシ-3- メチル-1- ブテン、3,4-エポキシ-1- ペンテ
ン、3,4-エポキシ-3- メチル-1- ペンテンおよび5,6-エ
ポキシ-1- ヘキセンから選択することも可能である。
α,β−不飽和カルボン酸のグリシジルエステル類がコ
モノマー(1) として好ましく、中でも特にグリシジルメ
タクリレートが好ましい。該オレフィンおよびコモノマ
ー(1) の他に、該化合物(C1)はオレフィンと共重合可能
な少なくとも1種の他のコモノマー(2) から誘導される
ものであってもよい。このコモノマー(2) は一般には以
下のものから選択される。
【0014】α,β−不飽和カルボン酸のアルキルエス
テル類、例えばメチルアクリレートおよびメタクリレー
ト、エチルアクリレートおよびメタクリレート、n-プロ
ピルアクリレートおよびメタクリレート、イソプロピル
アクリレートおよびメタクリレート、およびn-ブチル、
イソブチル並びにt-ブチルアクリレートおよびメタクリ
レート、カルボン酸のビニルエステル類、例えば酢酸ビ
ニル、プロピオン酸ビニルおよびビニルベンゾエート、
スチレン、アクリロニトリル等。α,β−不飽和カルボ
ン酸のアルキルエステル類がコモノマー(2) として好ま
しく、中でも特にエチルアクリレートが好ましい。該化
合物(C1)は公知の方法により、対応するモノマーの共重
合、例えば該対応するモノマーの高圧ラジカル共重合に
より得ることができる。該化合物(C1)中に存在するオレ
フィンの量は、一般に該化合物(C1)を基準として50〜90
重量%、好ましくは55〜85重量%の範囲内である。該化
合物(C1)中に存在するコモノマー(1) の量は、一般に該
化合物(C1)を基準として0.1 〜40重量%、好ましくは0.
5 〜30重量%の範囲内である。該化合物(C1)はコモノマ
ー(2) をも含み、該コモノマーの量は該化合物(C1)を基
準として0.5 〜50重量%、好ましくは5〜45重量%の範
囲内である。モノマー(1) および/または(2) の量が少
なすぎると、所定の効果を得ることができず、またモノ
マー(1) および/または(2) の量が多すぎる場合には、
配合中にゲルを形成し、また本発明の組成物の成形性の
劣化をもたらす。
【0015】特に好ましい化合物(C1)はα−モノオレフ
ィンとしてのエチレン60〜80重量%と、コモノマー(1)
としてのグリシジル(メタ)クリレート1〜15重量%
と、コモノマー(2) としてのC1-4アルキルアクリレート
15〜40重量%とを含む。本発明の組成物中で使用される
該化合物(C2)は該化合物(C1)のエポキシ基に対して反応
性の官能基を含む架橋剤である。「エポキシ基に対して
反応性の官能基を含む架橋剤」とは、少なくとも部分的
に該化合物(C1)の架橋、即ち該化合物(C1)の巨大分子の
エポキシ基間のブリッジングを誘発できる全ての化合物
を意味する。該化合物(C2)は、ヒドロキシル、カルボキ
シルおよび無水カルボン酸基から選択される官能基を含
む多官能性の非ポリマーまたはポリマー化合物である。
分子中にアミノ基を含有する非ポリマー型の化合物(C2)
の具体例は脂肪族ポリアミン類、例えばエチレンジアミ
ン、1,6-ヘキサメチレンジアミン、1,3-ジアミノプロパ
ン、1,4-ジアミノブタン、ジエチレントリアミン、トリ
エチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、エチ
ルアミノエチルアミン、2-ヒドロキシエチルアミノプロ
ピルアミン、イミノビスプロピルアミン等、脂環式ポリ
アミン類、例えばジアミノジシクロヘキシルアミン、N-
アミノエチルピペラジン、1,3-ジアミノシクロヘキサ
ン、ビス(4- アミノ-3- メチルシクロヘキシル)メタン
等、芳香核を含む脂肪族ポリアミン類、例えばm-キシリ
レンジアミン等、芳香族ポリアミン類、例えばジアミノ
ジフェニルエーテル、ジアミノジフェニルスルホン、4,
4'- ジメチレンジアニリン、4,4'- ビス(o- トルイジ
ン)、メチレンビス(o-クロロアニリン)等である。ア
ミノ基を含むポリマー化合物(C2)はエチレン単位および
α,β−不飽和カルボン酸のN,N-ジアルキルアミノアル
キルエステル類由来の単位を含むエチレンコポリマー、
例えばエチレンとN,N-ジメチルアミノエチルメタクリレ
ートとのコポリマー等、エチレン単位およびα,β−不
飽和カルボン酸のN,N-ジアルキルアミノアルキルアミド
由来の単位を含むエチレンのコポリマー、例えばエチレ
ンとN,N-ジメチルアミノプロピルアクリルアミドとのコ
ポリマー等である。
【0016】ヒドロキシル基を含む非ポリマー型の化合
物(C2)の具体例はエチレングリコール、テトラ−、ヘキ
サ−およびデカメチレングリコール、トリメチロールプ
ロパン、ペンタエリスリトール等である。ヒドロキシル
基を含むポリマー型の化合物(C2)の具体例はレゾールお
よびノボラック型のフェノール−ホルムアルデヒド樹
脂、加水分解したエチレン−ビニルアセテートコポリマ
ー等である。非ポリマー型の化合物(C2)の具体例はジカ
ルボン酸、例えばマロン酸、マレイン酸、琥珀酸、アジ
ピン酸、セバシン酸、フタール酸等、およびトリカルボ
ン酸、例えばトリメリット酸等である。無水カルボン酸
基を含む非ポリマー型の化合物(C2)の具体例は無水マレ
イン酸、無水琥珀酸、無水イタコン酸、無水ドデセニル
琥珀酸、無水フタール酸、無水テトラヒドロ−およびヘ
キサヒドロフタール酸、無水テトラブロモフタール酸、
無水トリメリット酸等であり、無水マレイン酸が好まし
い。カルボキシル基または無水カルボン酸基を含むポリ
マー型の化合物(C2)の具体例はオレフィンと少なくとも
1種の不飽和カルボン酸および該不飽和カルボン酸から
誘導される無水物から選択されるコモノマー(3) とのコ
ポリマーである。上記コポリマーを誘導する該オレフィ
ン類は、上記化合物(C1)を誘導するためのオレフィンの
定義および限定に対応する。オレフィン類の中で、α−
モノオレフィン類が好ましく、その中でも特にエチレン
が適している。
【0017】上記コポリマーを誘導するための該コモノ
マー(3) は不飽和カルボン酸および該不飽和カルボン酸
から誘導される無水物から選択される。該コモノマー
(3) として使用し得る不飽和カルボン酸の具体例はアク
リル酸、メタクリル酸、マレイン酸、フマール酸、イタ
コン酸、クロトン酸等である。該不飽和カルボン酸から
誘導される無水物の具体例は無水マレイン酸、無水イタ
コン酸等である。無水カルボン酸がコモノマー(3) とし
て好ましく、中でも最も好ましいのは無水マレイン酸で
ある。該オレフィン類および該コモノマー(3) とは別
に、ポリマー型の化合物(C2)も、少なくとも1種の他の
不飽和コモノマー(2')を含むことができる。この不飽和
コモノマー(2')は、該化合物(C1)の組成の一部を構成で
きる該コモノマー(2) の定義および限定に対応する。上
で定義し、かつ化合物(C2)として使用できる、オレフィ
ンと少なくとも1種のコモノマー(3) 由来のコポリマー
中に存在し得るオレフィンの量は、一般的に該コポリマ
ーを基準として50〜98重量%、好ましくは60〜95重量%
の範囲内である。これらのコポリマー中に存在するコモ
ノマー(3) の量は、一般的に該コポリマーを基準として
0.1 〜30重量%、好ましくは0.2 〜20重量%の範囲内に
ある。これらのコポリマーが不飽和コモノマー(2')をも
含む場合には、該コモノマーの量は該コポリマーを基準
として0.5 〜50重量%、好ましくは2〜35重量%の範囲
内にある。
【0018】コモノマー(3) と随意成分としてのコモノ
マー(2')とのオレフィンコポリマーは、公知の方法によ
り、該対応するモノマー類の高圧ラジカル共重合により
得ることができる。本発明の組成物中で使用できるあら
ゆる該化合物(C2)の中で、好ましいものはコモノマー
(3) と随意成分としてのコモノマー(2')とのコポリマー
である。該コポリマーの具体例はエチレン/マレイン酸
コポリマー、エチレン/無水マレイン酸コポリマー、エ
チレン/アクリル酸コポリマー、エチレン/メタクリル
酸コポリマー、エチレン/エチルアクリレート/マレイ
ン酸コポリマー、エチレン/エチルアクリレート/無水
マレイン酸コポリマー、エチレン/エチルアクリレート
/アクリル酸コポリマー、エチレン/エチルアクリレー
ト/メタクリル酸コポリマー、エチレン/ブチルアクリ
レート/無水マレイン酸コポリマー、エチレン/ブチル
アクリレート/アクリル酸コポリマー、エチレン/ブチ
ルアクリレート/メタクリル酸コポリマー、エチレン/
酢酸ビニル/無水マレイン酸コポリマー、エチレン/メ
チルメタクリレート/無水マレイン酸コポリマー等であ
る。該組み合わせ(C) 中に存在する化合物(C1)および(C
2)のそれぞれの量は、該化合物(C2)の量が少なくとも部
分的に該化合物(C1)の架橋を生成するのに十分である限
り、特に制限されない。該化合物(C1)および(C2)の量
は、一般的にモル比:(該化合物(C1)のエポキシ基)/
(該化合物(C1)のエポキシ基と反応し得る該化合物(C2)
の官能基)が0.1 〜10の範囲内となるように選択され
る。良好な結果はこの比が0.2 〜5の範囲内にある場合
に得られる。
【0019】本発明のPPS を主成分とする組成物の少な
くとも幾つかは、従来のこの種の組成物が含まない1種
の特別な架橋剤を含む。本発明の特別な課題を構成する
これらの組成物は、PPS マトリックス(連続相)60〜9
9.5重量%、好ましくは70〜95重量%、および60〜80重
量%のエチレン、1〜15重量%のグリシジル(メタ)ク
リレートおよび15〜40重量%のC1-4アルキルアクリレー
トを含むエラストマー化合物(C1)を、65〜95重量%のエ
チレン、0.5 〜10重量%の無水マレイン酸および3〜30
重量%のC1-4アルキルアクリレートを含む化合物(C2)に
より架橋した生成物を含む組み合わせ(C) の分散相0.5
〜40重量%、好ましくは5〜30重量%を含み、該化合物
(C1)と(C2)とは0.8 〜1.2 の範囲内のモル比:(該化合
物(C1)のエポキシ基)/(該化合物(C2)の無水官能基)
で接触している。該PPS および組み合わせ(C) 以外に、
本発明の組成物は該組成物の諸特性に対して無害の量の
他の成分をも含むことができる。即ち、一般的にこれら
の組成物はPPS の重量の5〜300%、好ましくは10〜200%
の量で、1種以上のフィラー、または1種以上の強化材
料、例えばガラス繊維、タルク、炭酸カルシウム、シリ
カ、アルミナ、マイカ、珪酸アルミニウム、珪酸カルシ
ウム、酸化マグネシウム、金属粉末、石英粉末、バロチ
ーニ、炭素繊維、チタン酸カリウム繊維、グラファイ
ト、カーボンブラック等を含むことができる。これらの
フィラーおよび強化材料はカップリング剤、例えばシラ
ンおよびチタネートで表面処理されていてもよい。
【0020】上記の如く、本発明は特定の方法により該
組み合わせ(C) をPPS を主成分とする組成物に配合する
ことにより該組成物の衝撃強さを改善することを目的と
している。以下に記載する該方法は該架橋された組み合
わせ(C) の微細粒子を該組成物のPPS マトリックス中に
均一に分散することを保証する。従って、本発明の他の
局面はこれら組成物の製造法を提供することにある。本
発明の組成物の製造方法は該PPS(並びに随意成分として
の上で言及した「公知の添加剤」)および該組み合わせ
(C) の該化合物(C1)と(C2)とを含む混合物の溶融配合(m
elt-blending) 工程を含む。本発明によれば、この配合
は該組み合わせ(C) の該化合物(C1)および(C2)の各々を
連続的にかつ任意の順序で該PPS に配合することにより
実施しなければならない。この配合は該PPS を溶融状態
にすることができ、かつこの状態でこれを強力に混練で
きる任意の装置内で実施できる。一般に、この混練は開
放式または密閉式の不連続または連続型のミキサ、例え
ばハーケ(Haake) 、ローディッジ(Loedige) 、トロース
ター(Troester)、ウエッドコ(Wedco) 、ヘンシェル(Hen
schel)、バンバリー(Banbury) 等の各社から市販されて
いるものを使用して、同様に良好に実施できる。技術的
並びに経済的理由から、密閉式のミキサ、特に密閉式の
特定の群を構成する押出機内で実施することが好まし
い。これらの押出機は一軸スクリュー押出機であっても
よいが、同一の方向に回転し(同時回転二軸スクリュ
ー)、相互に噛み合うスクリュー(二軸スクリュー)を
もつ押出機内で作業することが好ましい。上記の好まし
い型の周知の押出機は、例えばZSK 30なる名称でウエル
ナー&フライドラー社(Werner & Pfleiderer) により市
販されているものである。
【0021】本発明の調製法を押出機内で実施するため
に、該押出機はその本体に沿った主フィードから所定の
距離に位置する第二のフィードを備えている。この距離
は、該PPS への該化合物(C1)(または(C2)) の配合と該
化合物(C2)(または(C1)) の配合との間の時間(t) に関
連する、以下に述べる教示を考慮することにより決定で
きる。混練温度は、一般に280 〜350 °C、好ましくは
290 〜330 °Cである。この温度が低すぎると、該PPS
を十分に溶融して、その中に該組み合わせ(C) を均一に
分散することができない。一方で、該温度が高すぎる
と、該PPS および/または該化合物(C1)または(C2)の劣
化を生ずる恐れがある。該PPS 中に配合すべき該組み合
わせ(C) の量並びに該化合物(C1)および(C2)の相対的な
量に関連して、該組成物自体に対して上で行った定義並
びに限定を参照することができる。
【0022】該PPS 中への該化合物(C1)および(C2)の配
合方法に関連して、この操作は、例えば以下の実施法の
何れか1つに従って実施できる。 (V) 該化合物(C1)を乾式混合により該PPS 中に配合し、
かくして得られる溶融混合物(a) を溶融並びに混練し、
この混合物(a) に該化合物(C2)を配合し、かくして得ら
れる溶融混合物(aa)を混練する。 (W) 該化合物(C1)を乾式混合により該PPS 中に配合し、
かくして得られる溶融混合物(a) を溶融並びに混練し、
この混合物(a) に該化合物(C2)と混合したPPSを配合
し、かくして得られる溶融混合物(aa)' を混練する。 (X) 該化合物(C2)を乾式混合により該PPS 中に配合し、
かくして得られる溶融混合物(b) を溶融並びに混練し、
この混合物(b) に該化合物(C1)を配合し、かくして得ら
れる溶融混合物(bb)を混練する。 (Y) 該PPS を溶融し、該溶融PPS に該化合物(C1)を配合
し、かくして得られた溶融混合物(c) を混練し、この混
合物(c) に該化合物(C2)を配合し、かくして得た溶融混
合物(cc)を混練する。 (Z) 該PPS を溶融し、該溶融PPS に該化合物(C2)を配合
し、かくして得られた溶融混合物(d) を混練し、この混
合物(d) に該化合物(C1)を配合し、かくして得た溶融混
合物(dd)を混練する。
【0023】該実施方法(V) 〜(Z) の各々は有利な特性
を呈する組成物を与えるが、実施方法(V) 〜(X) が好ま
しく、最も好ましい実施方法は(V) である。というの
は、この実施方法が、該組み合わせ(C) の該PPS マトリ
ックス中での最も均一な分散状態並びに該PPS に対する
該組み合わせ(C) の良好な接着性をもたらし、かつ高い
衝撃強さをもつ組成物を与えるからである。該PPS への
該化合物(C1)(または(C2)) の配合と該化合物(C2)(ま
たは(C1))の配合との間の時間(t) は広範囲に渡り変え
ることができる。これは、特に該混練装置の容量および
処理量、混練時間、混練温度、該混合物中のPPS と組み
合わせ(C) との相対量および該組み合わせ(C) 中の化合
物(C1)と化合物(C2)との相対量の関数である。最適時間
(t) は以下に記載する指示を考慮して決定できる。化合
物(C1)(または(C2)) の溶融PPS マトリックスへの予備
的均一分散を可能とするのに十分な時間(t) の経過後に
化合物(C2)(または(C1)) を添加する。ここで、均一分
散とは、一般に10μmを越えない、好ましくは5μmを
越えない、かつ最も好ましくは2〜0.3 μmの範囲の径
を有する粒子として、該PPS マトリックス全体に渡り均
一に分散された該化合物(C1)(または(C2)) の分散状態
を意図するものとする。この均一な分散は、例えば以下
の如くして評価できる。−PPS と化合物(C1)(または(C
2)) との混合物から成形し、予め冷却し、かつ該化合物
(C1)(または(C2)) を抽出し得る適当な溶媒で処理した
試料を走査型電子顕微鏡で観察する、−該混練装置のト
ルクを測定(不連続式の密閉型ミキサについて実施する
にはこの操作が最も容易である)し、かつこのトルクが
最小値に達した時点で、該PPSと化合物(C1)(または(C
2)) との該混合物に化合物(C2)(または(C1)) を配合す
る。
【0024】時間(t) が短すぎると、該組み合わせ(C)
の早期の架橋を生じ、不規則な形状で、結果として不十
分な衝撃強さをもつ組成物を生成する。時間(t) が長す
ぎると、不経済であり、かつ該組成物を劣化する恐れが
ある。上記の事柄は、該最適時間(t) の決定が、これに
影響を与える諸因子を考慮して、予備的な幾つかのルー
チンテストの実施を必要とすることもあり得ることを示
している。例として、本発明による好ましい混合装置
(約300 °Cにて、回転速度100 〜300rpmで動作する同
時回転式二軸スクリュー押出機)を使用して、主フィー
ド(該PPS および該化合物(C1)(または(C2)) の導入)
並びに第二のフィード(該化合物(C2)(または(C1)) の
導入)は、該第一フィードから第二フィードに該溶融混
合物が移動するのに要する時間(t) が10秒〜5分、好ま
しくは15秒〜3分の範囲内となるような、距離で配置さ
れる。本発明の方法は、良好な界面凝集で、PPS マトリ
ックス中にエラストマー相を良好に分散することを可能
とする。本発明に従って混合することにより得られた組
成物はPPS 単独のものと比較した場合に著しく高い可撓
性を呈する。本発明の組成物は公知の成形法により射出
成形物品および押し出し成形物品に成形することができ
る。この組成物の用途はPPS を使用する全ての分野、即
ち(この場合には)改良された衝撃強さと良好な音響特
性(自動車のシリンダーヘッドカバー等の部品の場合に
重要なノイズの減衰)およびパイプ、フィラメント、フ
ィルム等の押し出しなどの全てを含む。
【0025】
【実施例】以下本発明の実施例を、添付した図1〜4を
参照しつつ説明する。実施例4Rは比較例である。実施例1 T-4 なる名称の下でトープレン(Tohpren) により市販さ
れている、部分的に架橋されたPPS 粉末80重量部を20重
量部の組み合わせ(C) と混合した。ここで、該組み合わ
せ(C) は68重量%のエチレンと、30重量%のエチルアク
リレートと、2重量%のグリシジルメタクリレート(ア
トケム(Atochem) 社の製品:ロタデール(Lotader) AX86
60)とを含むターポリマー(化合物(C1))を38重量部、
および91.8重量%のエチレンと、4.9 重量%のブチルア
クリレートと、3.3 重量%の無水マレイン酸とを含むタ
ーポリマー(化合物(C2))を62重量部含む。このPPS と
化合物(C1)および(C2)とを、温度を300 °Cに設定し、
かつ64 rpmの速度で回転するスクリューを備えた不連続
式ハーケミキサ中に同時に導入した。その混練を6分間
継続した。時間の関数としての該ミキサのトルクの変化
を図1に曲線Iとして示した。この混練中該トルクの増
加は観測されなかった。得られた組成物の形態を、キシ
レンと超音波で表面を処理した試料についてSEM(倍率:
1540倍)で調べた。得られた顕微鏡写真を図2に与え
た。この図は、生成した組成物の形態が不規則(架橋に
より形成された網状構造が該ミキサ中での剪断により破
壊されている)であることを示している。
【0026】実施例2 実施例1 と同様に処理した。但し、該化合物(C2)は該PP
S および化合物(C1)の投入の3分後に該ミキサに導入し
た。時間の関数としての該ミキサのトルクの変化を図1
に曲線IIとして示した。該化合物(C2)を導入するや否や
該トルクの増大がみられ、その増大は該組み合わせ(C)
の架橋に起因するものである。得られた組成物の形態
を、キシレンと超音波で表面を処理した試料についてSE
M(倍率:1830倍)で調べた。得られた顕微鏡写真を図3
に与えた。この図は、生成した組成物の形態が極めて規
則的であり、該PPS マトリックス中に分散された該組み
合わせ(C) の粒子は平均径約0.6 μmを有し、該マトリ
ックス中に均一に分配され、かつ該マトリックスに十分
に付着していることがわかった。該化合物(C2)の添加を
遅らせることにより、該組成物の形態を安定化する架橋
(該ミキサのトルクの増大の原因となる)を与える。
【0027】実施例3 実施例1 と同様に処理した。但し、該化合物(C1)は該PP
S および化合物(C2)の投入の3分後に該ミキサに導入し
た。時間の関数としての該ミキサのトルクの変化を図1
に曲線III として示した。該化合物(C1)を導入するや否
や該トルクの増大がみられ、その増大は該組み合わせ
(C) の架橋に起因するものである。得られた組成物の形
態を、キシレンと超音波で表面を処理した試料について
SEM(倍率:1850倍)で調べた。得られた顕微鏡写真を図
4に与えた。この図は、生成した組成物の形態が極めて
規則的であり、該PPS マトリックス中に分散された該組
み合わせ(C) の粒子は平均径約1μmを有し、該マトリ
ックス中に均一に分配され、かつ該マトリックスに十分
に付着していることがわかった。該化合物(C1)の添加を
遅らせることにより、該組成物の形態を安定化する架橋
(該ミキサのトルクの増大の原因となる)を与える。
【0028】実施例4Rおよび実施例5〜10 実施例4Rは比較例である。これら実施例においては、30
0 °Cに安定化され、スクリューの回転速度300rpmの、
ZSK 30(L/d比=42)なる名称でウエルナー&フライドラー
(Werner & Pfleiderer) により市販されている同時回転
式の二軸スクリュー押出機を使用した。この押出機の主
フィード(A1)および第二フィード(A2)は10 dに相当する
距離だけ分離されている。実施例4R この押出機にはA1においてのみPPS-T4を7kg/時の速度で
供給した。実施例5 該押出機には、(1) A1において、6.7kg/時の速度で、68
重量%のエチレンと、24重量%のエチルアクリレート
と、8重量%の無水マレイン酸(アトケム社の製品ロタ
デール(Lotader) L3700)とを含有する粉砕ターポリマー
(化合物(C2))7.5 重量%を含むPPS-T4を供給し、かつ
(2) A2においては、実施例1Rで特定した該化合物(C1)
(アトケム社の製品ロタデール AX 8660) を0.172kg/時
の速度で供給した。実施例6 該押出機には、(1) A1において、6.7kg/時の速度で、15
重量%の製品ロタデールL3700 を含むPPS-T4を供給し、
かつ(2) A2においては、製品ロタデール AX 8660を0.35
3kg/時の速度で供給した。
【0029】実施例7 該押出機には、(1) A1において、6.7kg/時の速度で、2.
5 重量%の製品ロタデール AX 8660を含むPPS-T4を供給
し、かつ(2) A2においては、製品ロタデール L3700を0.
543kg/時の速度で供給した。実施例8 該押出機には、(1) A1において、6.7kg/時の速度で、5
重量%の製品ロタデール AX 8660を含むPPS-T4を供給
し、かつ(2) A2においては、製品ロタデール L3700を1.
186kg/時の速度で供給した。実施例9 該押出機には、(1) A1において、5.5kg/時の速度で、2
2.1重量%の製品ロタデール AX 8660を含むPPS-T4を供
給し、かつ(2) A2においては、無水マレイン酸を3.5 重
量%含むPPS-T4を0.5kg/時の速度で供給した。押し出し
温度300 °C、スクリュー回転速度250 rpm 。実施例10 該押出機には、(1) A1において、5.5kg/時の速度で、1
1.1重量%の製品ロタデール AX 8660を含むPPS-T4を供
給し、かつ(2) A2においては、無水マレイン酸を3.5 重
量%含むPPS-T4を0.5kg/時の速度で供給した。押し出し
温度300 °C、スクリュー回転速度250 rpm 。個々の条
件およびこれら実施例の結果を以下の表1にまとめた。
表1において、アイゾッド(Izod)衝撃強さテストはASTM
標準D 256-90b に従って実施した。破断点伸びはASTM標
準D638(条件:23°Cで5mm/s; テスト片の厚み: 4 m
m)に従って測定した。これらテストで使用したテスト
片は、ネスタル(Nestal)60プレス上で実施例4R〜10の組
成物の試料を射出成形することにより得た。
【0030】
【表1】 実施 主フィード 第二フィード モル Izodテスト(ノ 破断点 例 ッチなしテスト 伸び No. (A1) (A2) 1) 片) (J/m) (%) 4R PPS 単独 -- -- 115.8 1.2 5 PPS+7.5wt%ロタデー ロタデールAX8660 ±1 598 6.6 ル L3700 6 PPS+15 wt%ロタデー ロタデールAX8660 ±1 1398 13.1 ル L3700 7 PPS+2.5wt%ロタデー ロタデール L3700 ±1 746 12 ル AX8660 8 PPS+ 5 wt%ロタデー ロタデール L3700 ±1 1790 25 ル AX8660 9 PPS+22.1wt% ロタデ PPS+3.5wt%無水マ 0.92 >1800 48 ール AX8660 レイン酸 10 PPS+11.1wt% ロタデ PPS+3.5wt%無水マ 0.46 > 900 40 ール AX8660 レイン酸 1) モル比=(エポキシ基/無水官能基)
【0031】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1R(曲線I)、実施例2(曲線II)およ
び実施例3(曲線III)の組成物の溶融配合工程で使用し
た不連続型ハーケミキサのトルク(kg m)における時間の
関数としての変化を示す図である。
【図2】実施例1Rの組成物の試料の破面の走査型電子顕
微鏡(SEM) により得た顕微鏡写真である。
【図3】実施例2の組成物の試料の破面のSEM により得
た顕微鏡写真である。
【図4】実施例3の組成物の試料の破面のSEM により得
た顕微鏡写真である。
フロントページの続き (72)発明者 ダル ヨン リン 台湾 イーシン チュー 30033 ナン ターロード レーン 537 アリー 15−22−4エフ (72)発明者 エリック ヴァンデヴィエヴェール ベルギー ベー1200 ブリュッセル ア ベニュー エドゥアール スペーカエー ル 112 (72)発明者 マリー ポール コラール ベルギー ベー1800 ヴィルヴォールド ストレークバーン 89 (56)参考文献 特開 昭62−153345(JP,A) 特開 昭64−26670(JP,A) 特開 平1−306467(JP,A) 特開 昭63−17549(JP,A) 特開 昭60−173056(JP,A) 特開 平4−296355(JP,A) 特開 平4−170466(JP,A) 特開 平4−170467(JP,A) 特開 平4−93358(JP,A) 特開 平1−198664(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08L 81/00 - 81/02 C08L 23/00 - 23/14 C08L 63/00 - 63/10

Claims (12)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 本質的にポリフェニレンスルフィドを60
    〜99.5重量%及び組み合わせ(C)を0.5〜40重量%含
    むポリフェニレンスルフィドを主成分とする組成物であ
    って、該組み合わせ(C)が少なくとも1種のオレフィ
    ン、少なくとも1つのエポキシ基と少なくとも1つのエ
    チレン性不飽和基を含むコモノマー(1)、及びα,β-不
    飽和カルボン酸のアルキルエステルから選ばれる少なく
    とも1種の他の不飽和コモノマー(2)とから誘導される
    弾性コポリマーから選ばれる化合物(C1);及びオレフィ
    ン、不飽和カルボン酸及び該酸から誘導される無水物か
    ら選ばれる少なくとも1種のコモノマー(3)、及びα,
    β−不飽和カルボン酸のアルキルエステルから選ばれる
    少なくとも1種の他の不飽和コモノマー(2')とのコポリ
    マーである高分子架橋剤から選ばれる化合物(C2)を含
    み、該高分子架橋剤が化合物(C1)のエポキシ基に対して
    反応性である官能基を含んでいて、化合物(C1)の少なく
    とも部分的な架橋を誘導して化合物(C1)の巨大分子の該
    エポキシ基間のブリッジングを起こすことができる、組
    成物。
  2. 【請求項2】 該コモノマー(1)がα,β−不飽和カル
    ボン酸のグリシジルエステルである請求項1記載の組成
    物。
  3. 【請求項3】 該組み合わせ(C)中に存在する化合物
    (C1)及び(C2)の量が、モル比:(該化合物(C1)のエポキ
    シ基)/(該化合物(C1)のエポキシ基と反応し得る化合
    物(C2)の官能基)が0.1〜10の範囲内となるように選択
    される請求項1又は2記載の組成物。
  4. 【請求項4】 該組み合わせ(C)が、60〜80重量%の
    エチレン、1〜15重量%のグリシジル(メタ)アクリレ
    ートおよび15〜40重量%のC1-4アルキルアクリレート
    を含むエラストマー化合物(C1)を、65〜95重量%のエ
    チレン、0.5〜10重量%の無水マレイン酸および3〜30
    重量%のC1-4アルキルアクリレートを含む化合物(C2)
    により架橋された生成物を含み、該化合物(C1)と(C2)と
    が0.8〜1.2の範囲内のモル比:(該化合物(C1)のエポキ
    シ基)/(該化合物(C2)無水官能基)で接触している請
    求項1〜3のいずれか1項記載の組成物。
  5. 【請求項5】 該ポリフェニレンスルフィドと、該組み
    合わせ(C)の該化合物(C1)および(C2)とを含む混合
    物の溶融工程を含む請求項1〜4のいずれか1項記載の
    組成物の製法であって、該組み合わせ(C)の該化合物
    (C1)および(C2)の各々を任意の順序で連続的に該ポリフ
    ェニレンスルフィド中に配合することにより該溶融配合
    を実施することを特徴とする方法。
  6. 【請求項6】 該混合物の溶融配合を同時回転式の2軸
    スクリュー押出機内で実施する請求項5記載の方法。
  7. 【請求項7】 該化合物(C1)を該ポリフェニレンスル
    フィドとの乾式混合により該ポリフェニレンスルフィド
    中に配合し、こうして得た溶融混合物(a)を溶融且つ混
    練し、該化合物(C2)を該溶融混合物(a)に配合し、こう
    して得た溶融混合物(aa)を混練する請求項5記載の方
    法。
  8. 【請求項8】 該ポリフェニレンスルフィドと該化合物
    (C1)とを含む混合物中への該化合物(C2)の配合を、該化
    合物(C1)の溶融ポリフェニレンスルフィドマトリックス
    中への均一分散後に実施する請求項5記載の方法。
  9. 【請求項9】 該ポリフェニレンスルフィドと該化合物
    (C2)とを含む混合物中への該化合物(C1)の配合を、該化
    合物(C2)の溶融ポリフェニレンスルフィドマトリックス
    中への均一分散後に実施する請求項5記載の方法。
  10. 【請求項10】 該ポリフェニレンスルフィドと該化合
    物(C1)とを含む混合物中への該化合物(C2)の配合を、該
    化合物(C1)の溶融ポリフェニレンスルフィドマトリック
    ス中への均一分散により得られる該化合物(a)を溶融
    し、かつこの混合物(a)を粗砕した後に実施する請求項
    8記載の方法。
  11. 【請求項11】 該ポリフェニレンスルフィドと該化合
    物(C2)とを含む混合物中への該化合物(C1)の配合を、該
    化合物(C2)の溶融ポリフェニレンスルフィドマトリック
    ス中への均一分散により得られる該化合物(a)を溶融
    し、かつこの混合物(a)を粗砕した後に実施する請求項
    9記載の方法。
  12. 【請求項12】 該化合物(C1)をポリフェニレンスルフ
    ィドとの乾式混合によりポリフェニレンスルフィド中に
    配合し、こうして得た混合物を溶融し、こうして生成す
    る溶融混合物(a)を混練し、ポリフェニレンスルフィド
    と混合した該化合物(C2)を該混合物(a)に配合し、かつ
    こうして得られる溶融混合物(aa')を混練する請求項5
    記載の方法。
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