JPH05202287A - 樹脂組成物 - Google Patents

樹脂組成物

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JPH05202287A
JPH05202287A JP4187668A JP18766892A JPH05202287A JP H05202287 A JPH05202287 A JP H05202287A JP 4187668 A JP4187668 A JP 4187668A JP 18766892 A JP18766892 A JP 18766892A JP H05202287 A JPH05202287 A JP H05202287A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱可塑性樹脂と、ビニル芳香族モノマーとイ
ソプレン、ブタジエンもしくはイソプレン−ブタジエン
からなるブロック共重合体との親和性を向上させること
により、熱可塑性樹脂の振動、騒音等の発生を低減させ
るとともに、耐衝撃性を改良する。 【構成】 熱可塑性樹脂(a)、ビニル芳香族モノマー
とイソプレン、ブタジエンもしくはイソプレン−ブタジ
エンからなるブロック共重合体(b)、およびビニル芳
香族モノマーと共役ジエンからなるブロック共重合体ま
たはエチレン−プロピレン−ジエン共重合体に対して特
定量のカルボキシル基もしくはその誘導体基、またはエ
ポキシ基が付加した重合体(c)を(a)/(b)/
(c)=10〜88/10〜80/2〜80の重合比で
配合する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は制振性能に優れる樹脂組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、消費者の高級志向化が進み、自動
車、OA機器、家庭用電化製品等において静粛性が商品
の大きなセールスポイントになってきている。このため
各種の制振材料がこれらに使用されている。
【0003】各種のプラスチックスあるいはエラストマ
ーの制振性能を高めるためにビニル芳香族モノマーとイ
ソプレン、ブタジエンもしくはイソプレン−ブタジエン
からなるブロック共重合体をブレンドして用いることが
知られている。ポリプロピレン、ABS樹脂等の場合に
は、ビニル芳香族モノマーとイソプレン、ブタジエンも
しくはイソプレン−ブタジエンからなるブロック共重合
体との親和性が良いことから、二成分系のブレンドで目
的を達成できる場合が多かった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、分子鎖中にア
ミド結合、エーテル結合、エステル結合、カーボネート
結合等の極性基を有する樹脂の場合には、ポリプロピレ
ン、ABS樹脂等におけるのと同様の方法では両者の親
和性が低いことから、得られる混合物の機械的強度が低
いなど、十分な物性が得られなかった。
【0005】本発明は、これらの極性基を有する樹脂と
ビニル芳香族モノマーとイソプレン、ブタジエンもしく
はイソプレン−ブタジエンからなるブロック共重合体と
の親和性を向上させ、極性基を有する樹脂を含有する制
振性能に優れた制振材料を得ることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明によれば上記課題
は、(a)分子鎖中にアミド結合、エーテル結合、エス
テル結合およびカーボネート結合から選ばれる少くとも
1種の極性基を有する熱可塑性樹脂10〜88重量部、
(b)少なくとも1個のビニル芳香族モノマーからなる
数平均分子量が2500〜40000のブロック(A)
と、イソプレン、ブタジエンもしくはイソプレン−ブタ
ジエンからなり、3,4結合および1,2結合含有量が
30%以上である数平均分子量が10000〜2000
00のブロック(B)とから構成される数平均分子量が
30000〜300000のブロック共重合体、または
その水添物10〜80重量部、および(c)(b)成分
と親和性のある重合体に(a)成分の極性基と親和性あ
るいは反応性を有する官能基がその分子内のモノマーユ
ニットのモル数に対して0.02〜50モル%結合した
変性重合体2〜80重量部を配合してなる組成物により
解決される。
【0007】本発明の組成物は、極性基を有する樹脂の
多い組成においてはこれら樹脂の振動、騒音の発生を低
減させるとともに、耐衝撃性が向上した材料として使用
できるし、また(b)成分のブロック共重合体あるいは
(c)成分の変性重合体が多い組成においては(b)成
分のブロック共重合体を単独で使用する場合に比べて機
械的強度、耐熱性、耐油性等に優れた制振材料として使
用できる。
【0008】以下に本発明をさらに詳しく説明する。
【0009】本発明において用いられる(a)成分であ
るアミド結合を有する樹脂は、環状ラクタムの開環重合
物、アミノ酸の重縮合物、ジアミンとジカルボン酸との
重縮合物等であり、具体的にはナイロン−6、ナイロン
−12、ナイロン−66、ナイロン−610、ナイロン
−612、ナイロン−11等、あるいはこれらの共重合
体が挙げられる。
【0010】エーテル結合を有する樹脂は、ホルムアル
デヒドの単独重合物およびトリオキサンとエチレンオキ
シドなどの環状エーテルの共重合体であるポリアセター
ルや、ポリフェニレンオキシドあるいはスチレン系樹脂
をブレンドまたはグラフトした変性ポリフェニレンオキ
シド等が挙げられる。
【0011】エステル結合を有する樹脂は、ジカルボン
酸あるいはその誘導体と、樹脂族グリコールあるいはそ
の誘導体とを主成分とする縮合反応により得られる重合
体または共重合体であり、具体的にはポリエチレンテレ
フタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリテ
トラメチレンテレフタレート、ポリペンタメチレンテレ
フタレート、ポリヘキサメチレンテレフタレート、ポリ
デカメチレンテレフタレート等が挙げられる。
【0012】カーボネート結合を有する樹脂は、ジヒド
ロキシ化合物と炭酸との縮合物であり、特に限定される
物でなく、種々のポリカーボネート樹脂が使用される。
【0013】本発明において極性基を有する樹脂は同種
類の極性基を有する物であれば1種類に限らず、2種類
以上混合して用いても差し支えない。
【0014】本発明において用いられる(b)成分であ
るブロック共重合体の(A)成分は芳香族ビニルモノマ
ーであり、その具体例としてスチレン、α−メチルスチ
レン、1−ビニルナフタレン、3−メチルスチレン、4
−プロピルスチレン、4−シクロヘキシルスチレン、4
−ドデシルスチレン、2−エチル−4−ベンジルスチレ
ン、4−(フェニルブチル)スチレン等が挙げられる
が、最も好ましいのはスチレンである。
【0015】ビニル芳香族モノマーからなるブロック
(A)の数平均分子量は2500〜40000の範囲で
ある。分子量が2500より小さい場合には組成物とし
ての性能が低下し、40000を越えると溶融粘度が高
くなり過ぎ、(a)成分である熱可塑性樹脂との混合が
うまくいかず、十分な性能を有する組成物が得られな
い。
【0016】また、このビニル芳香族ブロック(A)の
ブロック共重合体中での割合は、5〜50重量%の範囲
のものが好ましい。この割合が5%より小さいとブロッ
ク共重合体の機械的性質が不十分となり、逆に50%を
越えると粘度が著しく高くなるため混合等の加工性が困
難となる。また、制振性能も低下する。
【0017】また、本発明において用いられるブロック
共重合体の(B)成分としてはイソプレン、ブタジエン
もしくはイソプレン−ブタジエンからなることが好まし
く、イソプレン−ブタジエンを用いる場合の形態として
はランダム、ブロック、テーパードのいずれでも良い。
【0018】本発明のブロック共重合体のブロック
(B)の3,4結合および1,2結合含有量(以下、こ
れらを総称してビニル結合含有量ということがある)は
30%以上(100%でも良い)であることが必要であ
る。ビニル結合含有量が30%より少ない場合には、通
常の使用温度領域で十分な制振性能が得られず好ましく
ない。
【0019】このブロック共重合体は、粘弾性測定によ
り得られるtanδ(損失正接)の主分散のピーク温度
が−10℃以上であることが好ましく、−10℃よりも
低い温度にピークがある場合には通常の温度領域で十分
な制振性能が得られないことがある。
【0020】また、ブロック共重合体のブロック(B)
の数平均分子量は、10000から200000の範囲
にあることを要する。分子量が10000より小さい場
合には、弾性的性質を損ない好ましくない。また、20
0000より大きい場合には、流動性が悪くなり好まし
くない。
【0021】本発明の(b)成分として用いられるブロ
ック共重合体の数平均分子量は、30000〜3000
00の範囲にあることが必要である。分子量が3000
0より小さいとブロック共重合体自体の破断強度、伸度
等の機械的性質が低下し、組成物とした場合にその強度
を低下させ好ましくない。また、300000を越える
と、加工性が悪くなり、極性基を有する樹脂との混合が
うまくいかず、十分な性能を有する組成物が得られな
い。この観点からブロック共重合体の分子量はより好ま
しくは80000〜250000の範囲にあるのがよ
い。
【0022】ブロック共重合体の添加量は、10〜80
重量部の範囲である。添加量が10重量部未満では、極
性基を有する樹脂に十分な制振性能の付与がなされな
い。また、80重量部を越えると組成物の機械的強度の
改良が十分になされない。
【0023】また、ブロック共重合体は、A(BA)
n、(AB)nで示されるブロック形態のものが好適に
用いられる。ここで、Aは芳香族ビニルモノマーからな
るブロック、Bはイソプレン、ブタジエンまたはイソプ
レン−ブタジエンからなるブロックを示し、nは1以上
の整数であり、好ましくは10以下である。このうち、
A−B−Aの形態の物が最も好ましく用いられる。
【0024】本発明においてブロック共重合体は次の種
々の方法により得られる。
【0025】まず、ブロック共重合体の製造は、(イ)
アルキルリチウム化合物を開始剤としてビニル芳香族モ
ノマーを、続いてイソプレン、ブタジエンまたはイソプ
レン−ブタジエンを逐次重合させる方法、(ロ)ビニル
芳香族モノマー続いてイソプレン、ブタジエンまたはイ
ソプレン−ブタジエンを重合し、これをカップリングに
よりカップリングする方法、あるいは(ハ)ジリチウム
化合物を開始剤としてイソプレン、ブタジエンまたはイ
ソプレン−ブタジエン、続いてビニル芳香族モノマーを
逐次重合させる方法等が挙げられる。
【0026】アルキルリチウム化合物の例としてはアル
キル残基の炭素数が1〜10のアルキル化合物が挙げら
れるが、特にメチルリチウム、エチルリチウム、ペンチ
ルリチウム、ブチルリチウムが好ましい。カップリング
剤としてはジクロロメタン、ジブロムメタン、ジクロロ
エタン、ジブロムエタン、ジブロムベンゼン等が用いら
れる。ジリチウム化合物の例としてはナフタレンジリチ
ウム、ジチオヘキシルベンゼン等が挙げられる。使用量
は求める分子量により決定される性質のものであるが、
重合に用いられる全モノマー100重量部に対し、概ね
開始剤0.01〜0.2重量部、カップリング剤を用い
る場合には0.04〜0.8重量部程度の範囲で用いら
れる。
【0027】イソプレン、ブタジエンまたはイソプレン
−ブタジエン部分が、ビニル結合含有量を30%以上の
ミクロ構造を有するようにするためには、イソプレン、
ブタジエンまたはイソプレン−ブタジエンの重合の際に
共触媒としてルイス塩基が用いられる。ルイス塩基の例
としてはジメチルエーテル、ジエチルエーテル、テトラ
ヒドロフラン等のエーテル類、エチレングリコールジメ
チルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル
等のグリコールエーテル類、トリエチルアミン、N,
N,N′,N′−テトラメチルエチレンジアミン(TM
EDA)、N−メチルモルホリン等のアミン系化合物等
が挙げられる。これらのルイス塩基の使用量は重合開始
剤のリチウムのモル数に対して概ね0.1〜1000倍
の範囲で用いられる。
【0028】重合の際には制御を容易にするために溶媒
を使用するのが好ましい。溶媒としては重合開始剤に対
し不活性な有機溶媒が用いられる。特に炭素数が6〜1
2の脂肪族、脂環族、芳香族炭化水素が好ましく用いら
れる。その例としてはヘキサン、ヘプタン、シクロヘキ
サン、メチルシクロヘキサン、ベンゼン等が挙げられ
る。
【0029】重合はいずれの重合法による場合にも0〜
80℃の温度範囲で、0.5〜50時間の範囲で行われ
る。
【0030】ブロック共重合体は公知の方法により水添
される。水添反応は水添触媒および反応に不活性な溶媒
に溶解した状態で公知の水添触媒により分子状態の水素
を反応させる方法が好ましく用いられる。使用される触
媒としては、ラネーニッケル、あるいはPt、Pd、R
u、Rh、Ni等の金属をカーボン、アルミナ、硅藻土
等の担体に担持させたもの等の不均一触媒、または遷移
金属とアルキルアルミニウム化合物、アルキルリチウム
化合物等の組み合わせからなるチーグラー系の触媒等が
用いられる。反応は、水素圧が常圧ないし200kg/
cm2 、反応温度が常温ないし250℃、反応時間が
0.1ないし100時間の範囲で行われる。反応後のブ
ロック共重合体は、反応液をメタノール等により凝固さ
せた後、加熱あるいは減圧乾燥させるか、反応液を沸騰
水中に注ぎ溶媒を共沸させ除去した後、加熱あるいは減
圧乾燥することにより得られる。
【0031】水添率は要求される物性のレベルによって
決定されるが、耐熱性及び耐候性を重視する場合、50
%以上、好ましくは70%以上に水添するのが良い。
【0032】本発明に用いられる(c)成分の変性重合
体は、変性する前の重合体が(b)成分のブロック共重
合体と親和性を有することが必要である。その例として
は、少なくとも1個のビニル芳香族モノマーからなるブ
ロックと少なくとも1個の共役ジエンからなるブロック
とから構成されてなるブロック共重合体、またはその水
添物等のビニル芳香族モノマーからなるブロックを有す
るブロック共重合体、エチレン−プロピレン−ジエン共
重合体(EPDM)、ポリプロピレン等のオレフィン系
重合体が挙げられる。
【0033】また、本発明に用いられる(c)成分の変
性重合体に導入される官能基は(a)成分の極性基を有
する樹脂の極性基と親和性あるいは反応性を有する基で
あり、その具体例としてカルボキシル基またはその誘導
体基、エポキシ基等が挙げられる。
【0034】これらの官能基の付加量は、変性前の重合
体のモノマーユニットのモル数に対して0.02〜50
モル%の範囲である。付加量が0.02モル%未満で
は、組成物とした場合に変性重合体の未添加の物と比較
して、改良の効果は僅かであり、特に耐衝撃性の向上は
見られない。また、50モル%を越えるとゲル等が発生
するため好ましくない。
【0035】カルボキシル基またはその誘導体基を含有
する変性重合体は、不飽和カルボン酸またはその誘導体
の付加反応により得られる。例えば、マレイン酸、無水
マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、アクリル酸、クロ
トン酸、シス−4−シクロヘキサン−1,2−ジカルボ
ン酸及びこれらの無水物、エンド−シス−ビシクロ
(2,2,1)−5−ヘプテン−2,3−ジカルボン酸
及びその無水物、マレインイミド等があげられるが、特
に無水マレイン酸が好ましい。
【0036】この付加反応は、変性前の重合体と不飽和
カルボン酸またはその誘導体を溶液状態または溶融状態
でラジカル開始剤を用いるか、あるいは用いないで行わ
れる。
【0037】また、エポキシ基を含有する変性重合体
は、溶液状態で有機酸過酸化物と反応させることで得ら
れる。
【0038】変性重合体の添加量は2〜80重量部の範
囲である。2重量部未満では、変性重合体を添加するこ
とによる改良効果が得られない。また、80重量部を越
えると(b)成分の組成比が低くなり、十分な制振性能
が発揮されない。
【0039】本発明の組成物は、その性質を損なわない
程度に各種添加剤が使用される。その例としては、5〜
250重量部のカーボンブラック、シリカ、炭酸カルシ
ウム、マイカ、ガラス繊維等の補強剤ないし充填剤等、
及び0.01〜5重量部の酸化防止剤、紫外線吸収剤着
色剤等が挙げられる。特にマイカは制振性能を向上させ
ることから好ましく用いられる。
【0040】また、本発明の趣旨を損なわない範囲であ
れば他のポリマーをブレンドして使用することも可能で
ある。その例としては、ポリスチレン、ABS樹脂、ポ
リフェニレンエーテル樹脂等が挙げられる。これらのポ
リマーのブレンド率は概ね30重量%以下であるのが好
ましい。
【0041】本発明の組成物は、ニーダー、押出機、射
出成型機等により混合し、成型し使用される。
【0042】
【実施例】以下、実施例によって本発明を更に具体的に
説明する。
【0043】なお、実施例中の各測定値は以下の方法に
より求めた。
【0044】分子量はGPCによった。
【0045】ミクロ構造はNMRスペクトルを測定し、
4.8ppm、5.8ppmの3,4結合、1,2結合
のピークの比から、3,4結合、1,2結合の含有量を
算出した。
【0046】水添率は、水添反応前後のブロック共重合
体のヨウ素価を測定し、その比より算出した。
【0047】tanδのピーク温度は、レオバイブロン
(オリエンテック社製)により粘弾性スペクトルを測定
することにより求めた。また、制振性能の指標として、
25℃でのtanδの値を求めた。この値が大きいほど
常温付近での制振性能が良いことを示す。
【0048】衝撃強度はIzod試験機(JIS 71
10)により測定し、求めた。
【0049】参考例1(本発明の(b)成分のブロック
共重合体の調製) 乾燥した窒素で置換された耐圧反応器中で、溶媒として
シクロヘキサン、重合触媒としてn−ブチルリチウム、
ビニル化剤にTMEDAを用い、スチレンモノマー、イ
ソプレンモノマー、スチレンモノマーの順に添加して重
合し、A−B−A型ブロック共重合体(I)を得た。表
1にこれらの分子特性を示した。
【0050】参考例2(本発明の(b)成分の水添ブロ
ック共重合体の調製) 参考例1で得られたA−B−A型ブロック共重合体
(I)をシクロヘキサン中で、水添触媒としてPb−C
を用い、水素圧20kg/cm2 で水添反応を行ない、
水添ブロック共重合体(II)を得た。表1にこれらの分
子特性を示した。
【0051】
【表1】 参考例3(本発明の(c)成分の変性ブロック共重合体
の調製) 水添スチレン−イソプレンジブロック共重合体(SE
P)及びトリブロック共重合体(SEPS)100重量
部に対して無水マレイン酸1.5重量部、2,5−ジメ
チル−2,5−ジ(t−ブチルペルオキシ)ヘキサン
(日本油脂(株)製:パーヘキサ25B)1.0重量部
と均一に混合した後に、押出機によりシリンダー温度2
50℃で無水マレイン酸の付加反応を行い、変性ブロッ
ク共重合体(I),(II)を得た。
【0052】得られた変性ブロック共重合体は、減圧乾
燥して未反応の無水マレイン酸を除去した。表2にこれ
らの分子特性を示した。
【0053】参考例4(本発明の(c)成分の変性ブロ
ック共重合体の調製) SEPの10%トルエン溶液に水添ブロック共重合体1
00重量部に対してギ酸15重量部、過酸化水素水(3
4%水溶液)44重量部を加え、30℃でエポキシ化反
応を行い、変性ブロック共重合体(III)を得た。得られ
た変性ブロック共重合体は、水洗した後減圧乾燥した。
表2に分子特性を示した。
【0054】
【表2】 実施例1〜8 参考例1及び2で得られたブロック共重合体(I)およ
び水添ブロック共重合体(II)と極性基を有する樹脂と
してナイロン6(東レ(株)製:アミランCM101
7)、ポリアセタール(デュポン製:デルリン50
0)、ポリブチレンテレフタレート(三菱化成工業
(株)製:ノバドウール5010)、ポリカーボネート
(出光石油化学(株)製:タフロンA2200)と参考
例3、4で得られた変性ブロック共重合体(I),(I
I),(III)および変性EPRとを表3に示す処方によ
りブラベンダープラスチコーダーによりナイロン6は2
30℃、ポリアセタールは200℃、ポリブチレンテレ
フタレートは240℃、ポリカーボネートは260℃で
混練することにより組成物を作製し、得られた組成物は
それぞれ240℃、210℃、250℃、270℃でプ
レス成型し、25℃でのtanδの測定と耐衝撃試験
(Izod)を行なった。
【0055】比較例1〜8 参考例1及び2で得られたブロック共重合体(I)およ
び水添ブロック共重合体(II)と極性基を有する樹脂と
してナイロン6(東レ(株)製:アミランCM101
7)、ポリアセタール(デュポン製:デルリン50
0)、ポリブチレンテレフタレート(三菱化成工業
(株)製:ノバドウール5010)、ポリカーボネート
(出光石油化学(株)製:タフロンA2200)とを表
3に示す処方により実施例と同様の方法により混練、成
型し、物性測定を行った。
【0056】実施例1〜8および比較例1〜8の測定結
果を表3に示す。この結果から、本発明の組成物は、制
振性能に優れるとともに耐衝撃性に優れていることがわ
かる。
【0057】
【表3】
【0058】
【発明の効果】極性基を有する樹脂と特定の分子構造を
有するブロック共重合体と特定の変性重合体の三者を組
み合わせたことを特徴とする本発明の組成物は、極性基
を有する樹脂の振動、騒音の発生を低減し、耐衝撃性を
改良した材料として使用できる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)分子鎖中にアミド結合、エステル
    結合、エーテル結合およびカーボネート結合から選ばれ
    る少くとも1種の極性基を有する熱可塑性樹脂10〜8
    8重量部、 (b)少なくとも1個のビニル芳香族モノマーからなる
    数平均分子量が2500〜40000のブロック(A)
    と、イソプレン、ブタジエンもしくはイソプレン−ブタ
    ジエンからなり、3,4結合および1,2結合含有量が
    30%以上である数平均分子量が10000〜2000
    00のブロック(B)とから構成される数平均分子量が
    30000〜300000のブロック共重合体、または
    その水添物10〜80重量部、および (c)(b)成分と親和性のある重合体に、(a)成分
    の極性基と親和性あるいは反応性を有する官能基がその
    分子内のモノマーユニットのモル数に対して0.02〜
    50モル%結合した変性重合体2〜80重量部を配合し
    てなることを特徴とする樹脂組成物。
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