JPH09193526A - 印刷装置 - Google Patents

印刷装置

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JPH09193526A
JPH09193526A JP351096A JP351096A JPH09193526A JP H09193526 A JPH09193526 A JP H09193526A JP 351096 A JP351096 A JP 351096A JP 351096 A JP351096 A JP 351096A JP H09193526 A JPH09193526 A JP H09193526A
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plate cylinder
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Kazuyoshi Kobayashi
一喜 小林
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動作音や送風音を小さくすることができ、か
つ、濃度ムラや画像の汚れを防止できる孔版印刷装置を
提供する。 【解決手段】 版胴内のインキを印刷用紙に転移させて
印刷用紙に画像を印刷する孔版印刷装置において、画像
が印刷された印刷用紙の搬送方向下流側で印刷用紙と版
胴との間に送風して印刷用紙を版胴から浮き上がらせる
剥離ファンと、剥離ファンから送風される送風量を調整
する送風量調整手段と、剥離ファンにより版胴から浮き
上がった印刷用紙を版胴から剥離する剥離部材とを備
え、印刷用紙が版胴に貼り付く巻き上がりが生じやすい
条件の下では、送風量調整手段により剥離ファンから送
風される送風量を多くし、印刷用紙が版胴から剥離され
やすい条件の下では、送風量調整手段により剥離ファン
から送風される送風量を少なくする(St.5)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、孔版印刷装置等の
印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】孔版印刷装置は、回転自在に設けられて
内部にインキが供給される版胴に加熱穿孔製版されたマ
スタを巻き付け、そのマスタに位置を合わせて印刷用紙
を給紙部から給紙する。そして、マスタを介して印刷用
紙を版胴に押し付け、版胴内のインキを版胴の孔及びマ
スタの穿孔から滲み出させてインキを印刷用紙に転移さ
せることにより印刷用紙に画像を印刷する。画像が印刷
された印刷用紙を排紙部に排紙する。
【0003】このような孔版印刷装置では、画像が印刷
された印刷用紙を版胴から剥離する剥離爪が設けられて
いる。この剥離爪は、版胴の外周面に接近させて設けら
れている。この剥離爪は、印刷用紙の腰により印刷用紙
の先端が版胴から浮き上がった際に印刷用紙と版胴との
間の隙間に剥離爪の先端を挿入して印刷用紙を版胴から
剥離する。
【0004】ところが、孔版印刷装置では、印刷用紙に
画像を印刷する際にマスタ全体に形成された穿孔の面積
が大きいと、印刷用紙に転移するインキの量が多くなる
ため、インキの粘性により印刷用紙の先端が版胴から浮
き上がらなくなる。特に画像の先端にベタ画像があると
きには、印刷用紙の先端が版胴から浮き上がらずに版胴
に貼り付いてしまう。また、高温環境の下では、インキ
の流動性が良好になるので、インキが版胴の孔及びマス
タの穿孔から滲み出しやすくなる。従って、印刷用紙に
転移するインキの量が多くなる。このため、印刷用紙の
先端が版胴から浮き上がらなくなる。さらに、印刷速度
が速く、版胴の回転速度が速い場合には、印刷用紙の先
端が版胴に押し付けられてから剥離爪に到達するまでの
時間が短いため、印刷用紙の先端が版胴から浮き上がら
なくなる。このようなことから印刷用紙の先端が版胴か
ら浮き上がらなくなると、剥離爪により印刷用紙を版胴
から剥離することができなくなるため、印刷用紙が版胴
に貼り付いて排紙されない、俗に巻き上がりと呼ばれる
問題が生じる。
【0005】また、剥離爪により印刷用紙を版胴から剥
離する際に、印刷用紙に印刷された画像に剥離爪が接触
すると、印刷用紙に印刷された画像が剥離爪により擦ら
れて汚れてしまう。さらに、剥離爪により印刷用紙を版
胴から剥離する際には、剥離爪に対応する印刷用紙の部
分のみが強制的に版胴から剥離されるので、剥離爪に対
応する印刷用紙の部分に遅れて剥離爪に対応していない
印刷用紙の部分が徐々に剥離される。このため、剥離爪
に対応していない印刷用紙の部分が版胴に接触している
時間が長くなり、剥離爪に対応する印刷用紙の部分に比
べて剥離爪に対応していない印刷用紙の部分にインキが
より多く転移してしまうので、印刷用紙に印刷された画
像に濃度ムラが生じてしまう。
【0006】さらに、マスタは、熱可塑性樹脂フィルム
に多孔性支持体を貼り合わせたものである。多孔性支持
体は、和紙繊維又は合成繊維により形成されている。熱
可塑性樹脂フィルムは、ポリエステルやPET樹脂によ
り形成されており、高絶縁体である。従って、静電気が
逃げにくい低温環境の下では、熱可塑性樹脂フィルムと
印刷用紙とが接触し、擦られて静電気が発生すると、静
電気が蓄積されてしまうため、印刷用紙が版胴に貼り付
きやすくなり、巻き上がりが生じてしまう。
【0007】それに対して、画像が印刷された印刷用紙
を確実に版胴から剥離することのできる孔版印刷装置が
考えられ、特開昭62−142677号公報及び特開昭
63−272579号公報に記載されている。特開昭6
2−142677号公報に記載されている孔版印刷装置
では、版胴の下端でこの版胴に対して当接及び離反する
プレスローラの下方に吸引装置を設け、プレスローラに
より版胴に押し付けらる印刷用紙を吸引装置により吸引
して版胴から離す。さらに、プレスローラよりも印刷用
紙の搬送方向下流側で剥離爪の先端に向かって空気を吹
き付ける空気吐出装置を配置し、この空気吐出装置によ
り印刷用紙と版胴との間に送風して印刷用紙の先端を版
胴から浮き上がらせる。そして、剥離爪により印刷用紙
を版胴から剥離する。このとき、空気吐出装置により印
刷用紙と版胴との間に送風することにより、印刷用紙に
印刷された画像が剥離爪に接触することなく、印刷用紙
が均一に版胴から剥離される。
【0008】また、特開昭63−272579号公報に
記載されている孔版印刷装置では、画像が印刷された印
刷用紙の搬送方向下流側で剥離爪の後方から剥離爪の先
端に向けて送風する送風装置を設け、この送風装置によ
り印刷用紙と版胴との間に送風し、印刷用紙の先端を版
胴から浮き上がらせて剥離爪により印刷用紙を版胴から
剥離する。このとき、送風装置により印刷用紙と版胴と
の間に送風することにより、印刷用紙に印刷された画像
が剥離爪に接触することなく、印刷用紙が均一に版胴か
ら剥離される。
【0009】ところで、前述の特開昭62−14267
7号公報及び特開昭63−272579号公報に記載さ
れている孔版印刷装置では、印刷用紙と版胴との間に送
風される送風量が常に一定である。しかも、巻き上がり
が最も発生しやすい最悪の条件の下でも印刷用紙の先端
を版胴から浮き上がらせることができように送風量が設
定されている。このため、特開昭62−1426778
号公報記載の孔版印刷装置における空気吐出装置及び特
開昭63−272579号公報記載の孔版印刷装置にお
ける送風装置が作動している時に生じる動作音や送風音
が常に大きいという問題がある。また、印刷用紙を版胴
から剥離しやすい条件の下でも必要以上の送風量で送風
されるため、運転コストが増加してしまう。
【0010】それに対して、動作音や送風音を小さくす
ることのできる孔版印刷装置が考えられ、特開平4−3
07285号公報に記載されている。この孔版印刷装置
では、剥離爪の先端に送風口を形成し、この送風口に連
結されたシリンダとこのシリンダ内で版胴に同期して往
復移動するピストンとを設け、シリンダ内でピストンを
移動させることにより送風口から印刷用紙と版胴との間
に送風する。さらに、版胴の回転や印刷用紙に印刷され
る画像の位置に応じてピストンの移動距離を調整して送
風口から印刷用紙と版胴との間に送風する送風量を調整
する。これにより、印刷用紙を版胴から剥離しやすい条
件の下では、送風量を多くして版胴の先端を版胴から浮
き上がらせることができるため、印刷用紙が版胴から確
実に剥離される。また、印刷用紙が版胴から剥離しやす
い条件の下では、送風量を少なくすることができるた
め、送風音が小さくなる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、特開平4−
307285号公報記載の孔版印刷装置は、剥離爪の先
端からのみ印刷用紙と版胴との間に送風して剥離爪に対
応する部分のみを強制的に剥離するため、剥離爪に対応
する印刷用紙の部分に遅れて剥離爪に対応していない印
刷用紙の部分が徐々に剥離され、剥離爪に対応していな
い印刷用紙の部分が版胴に接触している時間が長くなる
ので、印刷用紙に印刷された画像に濃度ムラが生じると
いう問題がある。また、印刷用紙を版胴から剥離する際
に、印刷用紙に形成された画像に剥離爪が接触し、印刷
用紙に印刷された画像が剥離爪に擦られて汚れるという
問題がある。
【0012】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
回転自在に設けられてマスタが巻き付く版胴を備え、前
記版胴に巻き付いた前記マスタに位置を合わせて印刷用
紙を給紙し、前記印刷用紙を前記マスタを介して前記版
胴に押し付け、前記印刷用紙にインキを転移させること
により前記印刷用紙に画像を印刷する印刷装置におい
て、画像が印刷された前記印刷用紙の搬送方向下流側で
前記印刷用紙と前記版胴との間に送風して前記印刷用紙
を前記版胴から浮き上がらせる剥離ファンと、前記剥離
ファンから送風される送風量を調整する送風量調整手段
と、前記剥離ファンにより前記版胴から浮き上がった前
記印刷用紙を前記版胴から剥離する剥離部材とを備え
る。従って、送風量調整手段で剥離ファンから送風され
る送風量を調整して剥離ファンで印刷用紙と版胴との間
に送風することにより印刷用紙を版胴から浮き上がら
せ、剥離部材で印刷用紙を版胴から剥離することによ
り、巻き上がりが発生しやすい条件の下では送風量調整
手段により送風量を多くすることで、印刷用紙を版胴か
ら確実に浮き上がらせることができるため、印刷用紙が
確実に版胴から剥離される。また、印刷用紙を版胴から
剥離しやすい条件の下では送風量調整手段により送風量
を少なくすることがで、動作音や送風音が小さくなる。
さらに、剥離ファンにより印刷用紙と版胴との間に送風
することにより、印刷用紙を均一に版胴から剥離するこ
とができるため、印刷用紙に印刷された画像に濃度ムラ
が生じるのが防止される。
【0013】請求項2記載の発明は、回転自在で双方が
当接離反自在に設けられてマスタが巻き付く第一及び第
二の版胴を備え、前記第一及び第二の版胴に巻き付いた
マスタに位置を合わせて前記第一及び第二の版胴の間に
印刷用紙を給紙し、前記マスタ及び前記印刷用紙を介し
て前記第一の版胴と前記第二の版胴とを当接させ、前記
印刷用紙にインキを転移させることにより前記印刷用紙
の両面に画像を同時に印刷する印刷装置において、画像
が印刷された前記印刷用紙の搬送方向下流側に設けられ
て少なくとも一方の前記版胴と前記印刷用紙との間に送
風して前記印刷用紙をその版胴から浮き上がらせる剥離
ファンと、前記剥離ファンから送風される送風量を調整
する送風量調整手段と、少なくとも前記剥離ファンによ
り前記版胴から浮き上がった前記印刷用紙をその版胴か
ら剥離する剥離部材とを備える。従って、送風量調整手
段で剥離ファンから送風される送風量を調整して剥離フ
ァンで二つの版胴の少なくとも一方の版胴と印刷用紙と
の間に送風することにより印刷用紙を二つの版胴の少な
くとも一方の版胴から浮き上がらせ、剥離部材で印刷用
紙を二つの版胴の少なくとも一方の版胴から剥離するこ
とにより、巻き上がりが発生しやすい条件の下では送風
量調整手段により送風量を多くすることで、印刷用紙を
二つの版胴の少なくとも一方の版胴から確実に浮き上が
らせることができるため、二つの版胴の少なくとも一方
の版胴から印刷用紙が剥離部材により確実に剥離され
る。また、印刷用紙が版胴から剥離されやすい条件の下
では送風量調整手段により送風量を少なくするとこと
で、動作音や送風音が小さくなる。さらに、二つの版胴
の少なくとも一方の版胴と印刷用紙との間に剥離ファン
により送風することにより、二つの版胴の少なくとも一
方の版胴から印刷用紙を均一に剥離することができるた
め、印刷用紙の少なくとも一方の面に印刷された画像に
ムラが生じるのが防止される。
【0014】請求項3記載の発明は、請求項2記載の印
刷装置における第一の版胴が可動的で回転自在に設けら
れ、第二の版胴が固定的で回転自在に設けられ、剥離フ
ァンが前記第一の版胴と印刷用紙との間に送風する状態
で設けられ、剥離部材が前記第一及び第二の版胴に対し
て個別に設けられている。従って、送風量調整手段で剥
離ファンから送風される送風量を調整して剥離ファンで
印刷用紙と第一の版胴との間に送風することにより印刷
用紙を第一の版胴から浮き上がらせ、第一の剥離部材で
印刷用紙を第一の版胴から剥離し、第二の剥離部材で印
刷用紙を第二の版胴から剥離することにより、巻き上が
りが発生しやすい条件の下では送風量調整手段により送
風量を多くすることで、印刷用紙を第一の版胴から確実
に浮き上がらせることができるため、第一の剥離部材に
より印刷用紙が確実に第一の版胴から剥離される。ま
た、第二の版胴を固定的で回転自在に設けることによ
り、第二の剥離部材と第二の版胴との間に印刷用紙が潜
り込まないように第二の剥離部材を第二の版胴に近接さ
せて精度良く配置することができるため、第二の剥離部
材により印刷用紙が確実に第二の版胴から剥離される。
さらに、印刷用紙が版胴から剥離されやすい条件の下で
は送風量調整手段により送風量を少なくするとことで、
動作音や送風音が小さくなる。また、剥離ファンにより
印刷用紙と第一の版胴との間に送風することにより、印
刷用紙を均一に第一の版胴から剥離することができるた
め、印刷用紙の第一の版胴側の面に印刷された画像にム
ラが生じるのが防止される。
【0015】請求項4記載の発明は、請求項2記載の印
刷装置における剥離ファンが第一の版胴と印刷用紙との
間及び第二の版胴と前記印刷用紙との間に送風する状態
で設けられ、剥離部材が前記第一及び第二の版胴に対し
て個別に設けられている。従って、送風量調整手段で第
一及び第二の剥離ファンから送風される送風量を調整
し、第一の剥離ファンで印刷用紙と第一の版胴との間に
送風することにより印刷用紙を第一の版胴から浮き上が
らせて第一の剥離部材で印刷用紙を第一の版胴から剥離
し、第二の剥離ファンで印刷用紙と第二の版胴との間に
送風することにより印刷用紙を第二の版胴から浮き上が
らせて第一の剥離部材で印刷用紙を第二の版胴から剥離
することにより、巻き上がりが発生しやすい条件の下で
は送風量調整手段により送風量を多くすることで、印刷
用紙を第一及び第二の版胴から確実に浮き上がらせるこ
とができるため、第一及び第二の剥離部材により印刷用
紙が確実に第一及び第二の版胴から剥離される。また、
印刷用紙が版胴から剥離されやすい条件の下では送風量
調整手段により送風量を少なくするとことで、動作音や
送風音が小さくなる。また、第一及び第二の剥離ファン
により印刷用紙と第一及び第二の版胴との間に送風する
ことにより、印刷用紙を均一に第一及び第二の版胴から
剥離することができるため、印刷用紙の両面に印刷され
た画像にムラが生じるのが防止される。
【0016】請求項5記載の発明は、請求項1,2,3
又は4記載の印刷装置において、印刷用紙に印刷される
画像の画像量を検出する画像量検出手段と、前記画像量
検出手段により検出された画像量に基づいて剥離ファン
から送風される送風量を設定して送風量調整手段に送風
量を調整させる送風量設定手段とを備える。従って、画
像量検出手段により画像量を検出し、検出された画像量
に基づいて剥離ファンから送風される送風量を送風量設
定手段により設定して送風量調整手段に送風量を調整さ
せることにより、検出された画像量が多くて巻き上がり
が発生しやすい場合には送風量設定手段により送風量を
多く設定して送風量調整手段に送風量が多くなるように
調整させることができるため、印刷された画像の画像量
が多い場合にも印刷用紙が確実に版胴から剥離される。
また、検出された画像量が少なくて印刷用紙が版胴から
剥離されやすい場合には送風量設定手段により送風量を
少なく設定して送風量調整手段に送風量が少なくなるよ
うに調整させることができるため、動作音や送風音が小
さくなる。
【0017】請求項6記載の発明は、請求項2,3又は
4記載の印刷装置において、画像情報に基づいてマスタ
を加熱製版して製版済みの前記マスタを第一の版胴及び
第二の版胴に給版する製版部と、前記画像情報から印刷
用紙の表裏それぞれの面に印刷される画像の画像量を検
出する画像量検出手段と、前記画像量検出手段により検
出された二つの画像の画像量を比較する画像量比較手段
と、前記画像量比較手段により二つの画像の内で画像量
が少ないと判断された画像の前記画像情報に基づいて第
一の前記マスタを前記製版部により製版させ、剥離ファ
ンにより送風されて前記印刷用紙が浮き上がる側の版胴
に第一の前記マスタを給版させると共に、前記画像量比
較手段により二つの画像の内で画像量が多いと判断され
た画像の前記画像情報に基づいて第二の前記マスタを前
記製版部により製版させて他の版胴に給版させる製版部
制御手段とを備える。従って、画像情報から印刷用紙の
表裏それぞれの面に印刷される画像の画像量を画像量検
出手段で検出し、検出された二つの画像の画像量を画像
量比較手段で比較し、二つの画像の内で画像量が少ない
と判断された画像の画像情報に基づいて製版部で第一の
マスタを製版し、剥離ファンにより送風されて印刷用紙
が浮き上がる側の版胴に第一のマスタを給版すると共
に、二つの画像の内で画像量が多いと判断された画像の
画像情報に基づいて製版部で第二のマスタを製版して他
の版胴に給版することにより、印刷用紙の一方の面に印
刷される画像の画像量を印刷用紙の他方の面に印刷され
る画像の画像量に比べて少なくすることができ、第一の
マスタが給版された版胴よりも第二のマスタが給版され
た版胴に印刷用紙をインキの粘性で貼り付きやすくする
ことができるので、第一のマスタが給版された版胴と印
刷用紙との間に剥離ファンで送風することにより印刷用
紙を浮き上がらせることができるため、剥離ファンによ
り送風されて印刷用紙が浮き上がる側の版胴から印刷用
紙が確実に剥離される。
【0018】請求項7記載の発明は、請求項6記載の印
刷装置において、画像量比較手段により二つの画像の内
で画像量が少ないと判断された画像の画像量に基づいて
剥離ファンから送風される送風量を設定して送風量調整
手段に送風量を調整させる送風量設定手段を備える。従
って、画像量比較手段により二つの画像の内で画像量が
少ないと判断された画像の画像量に基づいて剥離ファン
から送風される送風量を送風量設定手段により設定して
送風量調整手段に送風量を調整させることにより、二つ
の画像の内で画像量が少ないと判断された画像において
巻き上がりが発生しやすいくらい画像量が多い場合には
送風量設定手段により送風量を多く設定して送風量調整
手段に送風量が多くなるように調整させることができる
ため、巻き上がりが発生しやすいくらい画像量が多い場
合にも剥離ファンにより送風されて印刷用紙が浮き上が
る側の版胴から印刷用紙が確実に剥離される。また、二
つの画像の内で画像量が少ないと判断された画像におい
て印刷用紙が版胴から剥離されやすいくらい画像量が少
ない場合には送風量設定手段により送風量を少なく設定
して送風量調整手段に送風量が少なくなるように調整さ
せることができるため、動作音や送風音が小さくなる。
【0019】請求項8記載の発明は、請求項1,2,
3,4,5,6又は7記載の印刷装置において、版胴の
回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記回転速度
検出手段により検出された版胴の回転速度に基づいて剥
離ファンから送風される送風量を設定して送風量調整手
段に送風量を調整させる送風量設定手段とを備える。従
って、回転速度検出手段で版胴の回転速度を検出し、検
出された版胴の回転速度に基づいて剥離ファンから送風
される送風量を送風量設定手段で設定して送風量調整手
段に送風量を調整させることにより、検出された版胴の
回転速度が速くて巻き上がりが発生しやすい場合には送
風量設定手段により送風量を多く設定して送風量調整手
段に送風量が多くなるように調整させることができるた
め、印刷速度が速く、版胴の回転速度が速い場合にも印
刷用紙が確実に版胴から剥離される。また、版胴の回転
速度が遅くて印刷用紙が版胴から剥離されやすい場合に
は送風量設定手段により送風量を少なく設定して送風量
調整手段に送風量が少なくなるように調整させることが
できるため、動作音や送風音が小さくなる。
【0020】請求項9記載の発明は、請求項1,2,
3,4,5,6,7又は8記載の印刷装置において、本
体の内部及び外部の温度の内で少なくとも一方の温度を
検知する温度検知手段と、前記温度検知手段により検知
された温度に基づいて剥離ファンから送風される送風量
を設定して送風量調整手段に送風量を調整させる送風量
設定手段とを備える。従って、本体の内部及び外部の温
度の内の少なくとも一方の温度を温度検知手段で検知
し、検知された温度に基づいて剥離ファンから送風され
る送風量を送風量設定手段で設定して送風量調整手段に
送風量を調整させることにより、温度が高くてインキの
流動性が良好で巻き上がりが発生しやすい場合や、温度
が低くて静電気が発生しやすいため巻き上がりが発生し
やすい場合には送風量設定手段により送風量を多く設定
して送風量調整手段に送風量が多くなるように調整させ
ることができるため、温度が高くてインキの流動性が良
好な場合や、温度が低くて静電気が発生しやすい場合に
も印刷用紙が確実に版胴から剥離される。また、それ以
外の温度のときで印刷用紙が版胴から剥離されやすい場
合には送風量設定手段により送風量を少なく設定して送
風量調整手段に送風量が少なくなるように調整させるこ
とができるため、動作音や送風音が小さくなる。
【0021】請求項10記載の発明は、請求項1,2,
3,4,5,6,7,8又は9記載の印刷装置におい
て、給紙される印刷用紙の厚さを検知する厚さ検知手段
と、前記厚さ検知手段により検知された印刷用紙の厚さ
に基づいて剥離ファンから送風される送風量を設定して
送風量調整手段に送風量を調整させる送風量設定手段と
を備える。従って、厚さ検知手段で印刷用紙の厚さを検
知し、検知された印刷用紙の厚さに基づいて剥離ファン
から送風される送風量を送風量設定手段で設定して送風
量調整手段で送風量を調整することにより、印刷用紙の
厚さが薄くて印刷用紙の腰が弱いため巻き上がりが発生
しやすい場合には送風量設定手段により送風量を多く設
定して送風量調整手段に送風量が多くなるように調整さ
せることができるため、印刷用紙の厚さが薄くて印刷用
紙の腰が弱い場合にも印刷用紙が確実に版胴から剥離さ
れる。また、印刷用紙の厚さが厚くて印刷用紙の腰が強
いため印刷用紙が版胴から剥離されやすい場合には送風
量設定手段により送風量を少なく設定して送風量調整手
段に送風量が少なくなるように調整させることができる
ため、動作音や送風音が小さくなる。
【0022】
【発明の実施の形態】請求項1,5,8,9及び10記
載の発明の実施の一形態の印刷装置を図1ないし図3に
基づいて説明する。本実施の形態の印刷装置を備えた孔
版印刷装置を図2に示す。この孔版印刷装置1には、版
胴2が着脱自在で回転自在に設けられている。前記版胴
2の周囲には、熱可塑性樹脂フィルムを有するマスタ3
を加熱穿孔して製版する製版部4と、この製版部4によ
り製版されて前記版胴2に巻き付いた前記マスタ3に位
置を合わせて印刷用紙5を給紙する給紙部6と、この給
紙部6から給紙された印刷用紙5を前記マスタ3を介し
て前記版胴2に押し付けるプレスローラ7と、このプレ
スローラ7により前記版胴2に押し付けられて画像が印
刷された印刷用紙5を排紙する排紙部8とが設けられて
いる。
【0023】前記版胴2は、開口部と非開口部とからな
る多孔性支持円筒体にメッシュスクリーンを複数層巻き
付けたものである。前述のメッシュスクリーンは、樹脂
又は金属の網体である。前記版胴2は、この版胴2の内
部にインキを供給するインキパイプ9を中心に回転自在
に支持されている。前記インキパイプ9の下面には、こ
のインキパイプ9の内部から前記版胴2の内部にインキ
を供給する供給孔10が形成されている。前記インキパ
イプ9は、版胴の外部に設けられたインキパック(図示
せず)よりインキを吸引し、吸引したインキを前記供給
孔10を通して前記版胴2の内部に供給する。
【0024】前記版胴2の内部には、前記インキパイプ
9の下方でこのインキパイプ9から供給されたインキを
前記版胴2の内周面に供給するインキ供給部11が設け
られている。前記インキ供給部11には、前記インキパ
イプ9から供給されたインキを保持して前記版胴2の内
周面にインキを供給するインキローラ12が回転自在に
設けられている。前記インキローラ12に対向する位置
には、そのインキローラ12の外周面と僅かに隙間を開
けてドクタローラ13が回転自在に設けられている。前
記インキローラ12と前記ドクタローラ13とにより形
成された楔状空間には、前記インキパイプ9から供給さ
れたインキが溜ってインキ溜り14が形成されている。
【0025】前記版胴2の外周面には、前記製版部4に
より製版されて給版された前記マスタ3の先端を挟持す
るステージ15とクランパ16とが配置されている。前
記ステージ15は、磁性体により形成されており、前記
版胴2の外周面にその版胴2の軸心方向に沿って形成さ
れている。前記クランパ16は、前記ステージの長手方
向に沿って配置されたクランパ軸17を支軸として回転
自在に設けられている。前記クランパ16には、前記ス
テージ15に対応する位置に磁石が配置されている。
【0026】前記製版部4には、前記マスタ3がロール
状に巻き付けられたマスタロール18が着脱自在で回転
自在に設けられており、前記マスタロール18から前記
版胴2に向けて前記マスタ3が搬送されるマスタ搬送経
路19が形成されている。前記マスタ搬送経路19に
は、前記マスタ3を加熱穿孔するサーマルヘッド20
と、前記マスタロール18から前記マスタ3を引き出し
て前記サーマルヘッド20に前記マスタ3を押し付ける
プラテンローラ21とよりなる加熱穿孔部22が配置さ
れている。前記加熱穿孔部22よりも前記マスタ搬送経
路19の下流側には、前記マスタ3を所定の長さで切断
するカッタ部23及び前記マスタ3を搬送する一対の搬
送ローラ24が順に配置されている。前記サーマルヘッ
ド20は、無数の発熱体(図示せず)を有しており、ス
プリング等の付勢部材(図示せず)により前記プラテン
ローラ21に押し付けられている。前記プラテンローラ
21及び前記搬送ローラ24には、ステッピングモータ
(図示せず)が連結されている。前記搬送ローラ24
は、この搬送ローラ24と前記加熱穿孔部22との間で
前記マスタ3に所定の張力が作用するように前記プラテ
ンローラ21よりも僅かに速い周速度で回転する。前記
カッタ部23は、上下一対のカッタ刃により形成されて
いる。
【0027】前記給紙部6は、給紙トレイ(図示せず)
に積載された印刷用紙5を一枚ずつ前記版胴2と前記プ
レスローラ7との間に給紙する。前記給紙部6には、前
記印刷用紙5の搬送経路に沿って厚さ検知手段である用
紙センサ25と、回転自在に設けられた一対のレジスト
ローラ26とが順に配置されている。前記用紙センサ2
5は、前記印刷用紙5の搬送経路の上方に配置された発
光素子27と、この発光素子27に対向して前記印刷用
紙5の搬送経路の下方に配置された受光素子28とから
なる。前記用紙センサ25は、前記発光素子27と前記
受光素子28との間が遮られていない時に前記受光素子
28から検出される基準光量を予め設定しておき、前記
印刷用紙5が前記発光素子27と前記受光素子28との
間を通過する時に前記受光素子28から検出される光量
と前述の基準光量とを比較し、前記印刷用紙5により遮
断された光量を求め、求められた光量に基づいて前記印
刷用紙5の厚さを検知する。前記レジストローラ26
は、互いに押圧し合う状態で配置されており、前記版胴
2に巻き付いた前記マスタ3に位置を合わせて前記版胴
2と前記プレスローラ7との間に前記印刷用紙5を搬送
する。
【0028】前記プレスローラ7は、弾性体であるニト
リルゴムやクロロプレンゴムを芯金の外周に円筒状に形
成したものである。前記プレスローラ7は、プレスロー
ラアーム29の一端に回転自在に支持されている。前記
プレスローラアーム29の他端には、プレスローラアー
ム軸30が固定されている。前記プレスローラアーム2
9は、前記プレスローラアーム軸30を支軸として回転
自在に支持されている。前記プレスローラアーム29に
は、このプレスローラアーム29を時計回り方向に回転
させるスプリング(図示せず)が取り付けられている。
前記プレストローラアーム軸30には、カムフォロア
(図示せず)が設けられている。そのカムフォロアに対
向する位置には、前記版胴2に同期して回転するカム
(図示せず)が配置されている。前記プレスローラ7
は、前述のカムの回転に伴い前記版胴2に対して当接と
離間とを繰り返す。前記プレスローラ7は、このプレス
ローラ7と前記版胴2との間に印刷用紙5が給紙されて
いないとき、係止部材(図示せず)により前記版胴2か
ら離間した状態で保持されている。
【0029】前記排紙部8には、画像が印刷された印刷
用紙5と前記版胴2との間に送風して印刷用紙5を前記
版胴2から浮き上がらせる剥離ファン31と、この剥離
ファン31により前記版胴2から浮き上がった印刷用紙
5を前記版胴2から剥離する剥離部材である剥離爪32
と、この剥離爪32により前記版胴2から剥離された印
刷用紙5が積載される排紙トレイ34とが設けられてい
る。
【0030】前記剥離ファン31は、この剥離ファン3
1の送風口が前記版胴2の外周面上に向けて形成されて
おり、前記版胴2の外周面上で軸心方向に平行な直線上
の各点に向けて均一に送風する。
【0031】前記剥離爪32は、剥離爪軸33を支軸と
して回転自在に支持されてその剥離爪32の先端が前記
版胴2に接近離反自在に設けられており、その剥離爪3
2の先端を印刷用紙5と前記版胴2との間に挿入して印
刷用紙5を版胴2から剥離する。
【0032】次に、前記孔版印刷装置1の電気的なハー
ドウェア構成について説明する。図3に示すように、前
記孔版印刷装置1には、前述の版胴2、製版部4、給紙
部6、プレスローラ7及び排紙部8の動作を制御するC
PU35が設けられている。前記CPU35には、I/
Oインターフェース36を介して前記製版部4を駆動す
る製版駆動部37、前記剥離ファン31を駆動する剥離
ファン駆動部38、原稿の画像を読み取る画像読取部3
9、印刷速度や印刷枚数等の情報が入力される入力部4
0、前記孔版印刷装置1における内部の温度と外部の温
度とを検知する温度検知手段である温度センサ41及び
前記用紙センサ25が接続されている。前記CPU35
には、前述の画像読取部39、入力部40、用紙センサ
25及び温度センサ41から入力された各種の情報が記
憶されるRAM42と、前述の各部の制御等に関する情
報が記憶されているROM43とが接続されている。前
記剥離ファン駆動部38により剥離ファン31から送風
される送風量を調整する送風量調整手段が構成されてい
る。前記画像読取部39により印刷用紙5に印刷される
画像の画像量を検出する画像量検出手段が構成されてい
る。前記入力部40により前記版胴2の回転速度を検出
する回転速度検出手段が構成されている。前述の画像読
取部39、入力部40、用紙センサ25及び温度センサ
41から入力されて前記RAM42に記憶される各種の
情報と前記ROM43に記憶されている情報の内で前記
剥離ファン31から送風される送風量を設定する制御に
関する情報と前記CPU35とにより送風量設定手段が
構成されている。
【0033】このような構成において、図1に基づいて
孔版印刷装置1の印刷動作を説明する。まず、印刷速度
が入力部40から入力され、画像読取部39に原稿がセ
ットされて製版スタートキー(図示せず)が押される
と、版胴2が回転し始め、クランパ16が略真上の位置
に到達したところで版胴2が停止し、クランパ16が回
動してクランパ16とステージ15との間が開放され
る。そして、画像読取部39により原稿の画像が読み取
られる。この時、画像読取部39において、読み取られ
た画像情報から一版分のマスタ3全体を加熱穿孔するた
めに必要な発熱素子の数に対する実際にマスタ3を加熱
穿孔するために使用する発熱素子の数の比率が求められ
る。この求められた比率から印刷用紙5に印刷される画
像の画像量が検出されてRAM42に記憶される(ステ
ップSt.1)。このSt.1において、画像量を検出
する動作が画像量検出手段の動作として行なわれる。
【0034】そして、製版駆動部37により製版部4が
駆動され、前述のSt.1において読み取られた画像情
報に基づいてサーマルヘッド20の各発熱素子が駆動さ
れてマスタ3が加熱穿孔されると共に、プラテンローラ
21及び搬送ローラ24によりマスタ3が搬送される。
このとき、プラテンローラ21及び搬送ローラ24を駆
動するステッピングモータの駆動ステップ数をカウント
し、カウントされた駆動ステップ数からマスタ3の先端
がクランパ16に到達したと判断されると、クランパ1
6とステージ15との間が閉じられてマスタ3の先端が
挟持され、版胴2が回転してマスタ3が少しずつ版胴2
に巻き付いていく。そして、カウントされた駆動ステッ
プ数からマスタ3が所定の距離搬送されたと判断される
と、カッタ部23によりマスタ3が切断され、プラテン
ローラ21及び搬送ローラ24が停止して製版部4が停
止する。その後、切断された製版済みのマスタ3が版胴
2の回転により引き出されて版胴2に巻き付く(ステッ
プSt.2)。
【0035】その後、給紙部6の給紙トレイから印刷用
紙5が一枚給紙される(ステップSt.3)。そして、
用紙センサ25により印刷用紙5の厚さが検知される。
この時、入力部40から入力された印刷速度に基づいて
版胴2の回転速度が検出される。また、温度センサ41
により孔版印刷装置1の内部の温度と外部の温度とが検
知される(ステップSt.4)。このSt.4におい
て、印刷用紙5の厚さを検知する動作が印刷用紙厚さ検
知手段の動作として行なわれる。また、前述のSt.4
において、版胴2の回転速度を検出する動作が回転速度
検出手段の動作として行なわれる。さらに、前述のS
t.4において、孔版印刷装置1の内部の温度と外部の
温度とを検知する動作が温度検知手段の動作として行な
われる。
【0036】そして、前述のSt.1及びSt.4にお
いて得られた画像量、印刷用紙5の厚さ、版胴2の回転
速度、孔版印刷装置1の内部の温度及び外部の温度に基
づいて剥離ファン31から送風される送風量が設定され
る(ステップSt.5)。例えば、画像量が多い場合、
版胴2の回転速度が速い場合、孔版印刷装置1の内部の
温度と外部の温度とが高い場合、孔版印刷装置1の内部
の温度と外部の温度とが低くて静電気が発生しやすい場
合又は印刷用紙5の厚さが薄い場合には、送風量を多く
設定する。また、画像量が少ない場合、版胴2の回転速
度が遅い場合、孔版印刷装置1の内部及び外部の温度が
高くも低くもなくて静電気が発生しにくい場合又は印刷
用紙5の厚さが厚い場合には、送風量を少なく設定す
る。
【0037】前述のSt.5において設定された送風量
に基づいて剥離ファン駆動部38により送風量が調整さ
れて剥離ファン31が駆動されることにより剥離ファン
31が送風を開始する(ステップSt.6)。前述のS
t.5及びSt.6において、送風量を設定して剥離フ
ァン駆動部38に送風量を調整させる動作が送風量設定
手段の動作として行なわれる。また、前述のSt.6に
おいて、剥離ファン駆動部38が送風量を調整して剥離
ファン31を駆動する動作が送風量調整手段の動作とし
て行なわれる。
【0038】そして、版胴2に巻き付いたマスタ3に位
置を合わせて版胴2とプレスローラ7との間に印刷用紙
5がレジストローラ26により搬送される。このとき、
レジストローラ26から版胴2とプレスローラ7との間
に搬送される印刷用紙5がセンサ(図示せず)により検
知されると、版胴2から離間した状態でプレスローラ7
を保持する係止手段が解除され、版胴2に同期して回転
するカムに沿ってプレスローラ7が上昇し、印刷用紙5
とマスタ3とを介してプレスローラ7が版胴2に当接し
て印刷用紙5を版胴2に押し付けることにより版胴2に
巻き付いたマスタ3を版胴2に密着させる版付けが行な
われる(ステップSt.7)。このSt.5において版
付けが行なわれる際に、版胴2内のインキが版胴2の孔
及びマスタ3の穿孔から滲み出して印刷用紙5に転移す
ることにより印刷用紙5に画像が印刷される。
【0039】その後、印刷用紙5が版胴2の回転に伴っ
て搬送されると、剥離ファン31により印刷用紙5と版
胴2との間に送風されて印刷用紙5の先端が版胴2から
浮き上り、印刷用紙5と版胴2との間に剥離爪32の先
端が挿入されて印刷用紙5が均一に版胴2から剥離され
る。版胴2から剥離された印刷用紙5は、排紙トレイ3
4へ排紙されて積載される(ステップSt.8)。この
St.8において、印刷用紙5が排紙トレイ34へ排紙
されて積載されると、印刷待機状態となる。
【0040】この印刷待機状態において、印刷枚数が入
力部40から入力されて印刷スタートキー(図示せず)
が押されると、入力部40から入力された印刷枚数分の
印刷用紙5が給紙部6の給紙トレイから一枚ずつ給紙さ
れる。そして、版胴2に巻き付いたマスタ3に位置を合
わせて版胴2とプレスローラ7との間に印刷用紙5がレ
ジストローラ26により一枚ずつ搬送される(ステップ
St.9)。
【0041】その後、前述のSt.7における版付け動
作と同様にしてプレスローラ7によりマスタ3を介して
印刷用紙5を版胴2に押し付ける。そして、版胴2内の
インキを版胴2の孔及びマスタ3の穿孔から滲み出させ
て印刷用紙5に転移させることにより印刷用紙5に画像
を印刷する(ステップSt.10)。
【0042】このSt.10において画像が印刷された
印刷用紙5が版胴2の回転に伴って搬送されると、剥離
ファン31により印刷用紙5と版胴2との間に送風され
て印刷用紙5の先端が版胴2から浮き上がり、印刷用紙
5と版胴2との間に剥離爪32の先端が挿入されて印刷
用紙5が均一に版胴2から剥離される。版胴2から剥離
された印刷用紙5は、排紙トレイ34へ排紙されて積載
される(ステップSt.11)。このSt.11におい
て、全ての印刷用紙5が排紙トレイ34へ排紙されて積
載されると、剥離ファン31が停止して送風を終了する
(ステップSt.12)。そして、印刷動作が終了す
る。
【0043】このように、剥離ファン駆動部38で剥離
ファン31から送風される送風量を調整して剥離ファン
31で印刷用紙5と版胴2との間に送風することにより
印刷用紙5を版胴2から浮き上がらせ、剥離爪32で印
刷用紙5を版胴2から剥離することにより、巻き上がり
が発生しやすい条件の下では剥離ファン駆動部38によ
り送風量を多くすることができ、印刷用紙5を版胴2か
ら確実に浮き上がらせることができるため、印刷用紙5
が確実に版胴2から剥離され、また、印刷用紙5を版胴
2から剥離しやすい条件の下では剥離ファン駆動部38
により送風量を少なくすることができるため、動作音や
送風音が小さくなる。また、画像読取部39により画像
量を検出し、検出された画像量に基づいて剥離ファン3
1から送風される送風量を設定して剥離ファン駆動部3
8に送風量を調整させることにより、検出された画像量
が多くて巻き上がりが発生しやすい場合には送風量を多
く設定して剥離ファン駆動部38に送風量が多くなるよ
うに調整させることができるため、印刷された画像の画
像量が多い場合にも印刷用紙5が確実に版胴2から剥離
され、また、検出された画像量が少なくて印刷用紙5が
版胴2から剥離されやすい場合には送風量を少なく設定
して剥離ファン駆動部38に送風量が少なくなるように
調整させることができるため、動作音や送風音が小さく
なる。さらに、印刷速度に基づいて版胴2の回転速度を
検出し、検出された版胴2の回転速度に基づいて剥離フ
ァン31から送風される送風量を設定して剥離ファン駆
動部38に送風量を調整させることにより、検出された
版胴2の回転速度が速くて巻き上がりが発生しやすい場
合には送風量を多く設定して剥離ファン駆動部38に送
風量が多くなるように調整させることができるため、印
刷速度が速く、版胴2の回転速度が速い場合にも印刷用
紙5が確実に版胴2から剥離され、また、版胴2の回転
速度が遅くて印刷用紙5が版胴2から剥離されやすい場
合には送風量を少なく設定して剥離ファン駆動部38に
送風量が少なくなるように調整させることができるた
め、動作音や送風音が小さくなる。また、温度センサ4
1で孔版印刷装置1本体の内部の温度と外部の温度とを
検知し、検知された温度に基づいて剥離ファン31から
送風される送風量を設定して剥離ファン駆動部38に送
風量を調整させることにより、温度が高くてインキの流
動性が良好で巻き上がりが発生しやすい場合や、温度が
低くて静電気が発生しやすいため巻き上がりが発生しや
すい場合には送風量を多く設定して剥離ファン駆動部3
8に送風量が多くなるように調整させることができるた
め、温度が高くてインキの流動性が良好な場合や、温度
が低くて静電気が発生しやすい場合にも印刷用紙5が確
実に版胴2から剥離され、また、それ以外の温度のとき
で印刷用紙5が版胴2から剥離されやすい場合には送風
量を少なく設定して剥離ファン駆動部38に送風量が少
なくなるように調整させることができるため、動作音や
送風音が小さくなる。さらに、用紙センサ25で印刷用
紙5の厚さを検知し、検知された印刷用紙5の厚さに基
づいて剥離ファン31から送風される送風量を設定して
剥離ファン駆動部38で送風量を調整することにより、
印刷用紙5の厚さが薄くて印刷用紙5の腰が弱いため巻
き上がりが発生しやすい場合には送風量を多く設定して
剥離ファン駆動部38に送風量が多くなるように調整さ
せることができるため、印刷用紙5の厚さが薄くて印刷
用紙5の腰が弱い場合にも印刷用紙5が確実に版胴2か
ら剥離され、また、印刷用紙5の厚さが厚くて印刷用紙
5の腰が強いため印刷用紙5が版胴2から剥離されやす
い場合には送風量を少なく設定して剥離ファン駆動部3
8に送風量が少なくなるように調整させることができる
ため、動作音や送風音が小さくなる。また、剥離ファン
31により印刷用紙5と版胴2との間に送風することに
より、印刷用紙5を均一に版胴2から剥離することがで
きるため、印刷用紙5に印刷された画像に濃度ムラが生
じるのが防止される。また、印刷用紙5の幅方向の両端
のみを剥離爪32により剥離することで印刷用紙5が版
胴2から剥離されるので、印刷用紙5に印刷された画像
が剥離爪32により擦られて汚れるのが防止される。
【0044】請求項2,3,4,5,6,7,8,9及
び10記載の発明の実施の一形態を示す印刷装置を図4
ないし図10に基づいて説明する。図4に示すように本
実施の形態は、両面印刷可能な孔版印刷装置44に適用
した例である。前記孔版印刷装置44には、第一及び第
二の版胴45,46が回転自在で当接離反自在に設けら
れている。前記第一及び第二の版胴45,46の周囲に
は、マスタ47を加熱穿孔して製版する製版部48と、
この製版部48により製版されて前記第一及び第二の版
胴45,46のそれぞれに巻き付くマスタ47に位置を
合わせて印刷用紙49を給紙する給紙部50と、前記印
刷用紙49及び前記マスタ47を介して前記第一の版胴
45を前記第二の版胴46に当接させて前記マスタ47
を介して前記印刷用紙49を前記第一及び第二の版胴4
5,46の押し付けることにより画像が印刷された前記
印刷用紙49を前記第一及び第二の版胴45,46から
剥離して排紙する排紙部51とが設けられている。
【0045】前記第一及び前記第二の版胴45,46に
は、モータ(図示せず)が接続されている。前記第一及
び第二の版胴45,46は同期して回転する。
【0046】前記第一の版胴45は、開口部と非開口部
とからなる多孔性支持円筒体の外周にメッシュスクリー
ンを複数層巻き付けたものである。前述のメッシュスク
リーンは、樹脂又は金属の網体である。前記第一の版胴
45は、この第一の版胴45の内部にインキを供給する
インキパイプ52を中心に回転自在に支持されており、
時計回り方向に回転する。前記インキパイプ52の下面
には、このインキパイプ52の内部から前記第一の版胴
45の内部にインキを供給する供給孔53が形成されて
いる。前記インキパイプ52は、版胴の外部に設けられ
たインキパック(図示せず)よりインキを吸引し、吸引
したインキを前記供給孔53を通して前記第一の版胴4
5内へ供給する。
【0047】前記第一の版胴45の内部には、前記イン
キパイプ52の下方でこのインキパイプ52から供給さ
れたインキを前記第一の版胴45の内周面に供給するイ
ンキ供給部54が設けられている。前記インキ供給部5
4には、前記インキパイプ52から供給されたインキを
保持して前記第一の版胴45の内周面に供給するインキ
を供給するインキローラ55が回転自在に設けられてい
る。前記インキローラ55は、当接時の騒音や振動を低
減するように外周面が耐油性弾性体により形成されてい
るものである。前述の耐油性弾性体としては、高ニトリ
ルゴムやフッ素ゴムが用いられる。前記インキローラ5
5に対向する位置には、そのインキローラ55の外周面
と僅かに間隔を開けてドクタローラ56が回転自在に設
けられている。前記インキローラ12と前記ドクタロー
ラ13とにより形成された楔状空間には、前記インキパ
イプ52から供給されたインキが溜ってインキ溜り57
が形成されている。
【0048】前記第一の版胴45の外周面には、前記製
版部48により製版されて給版された前記マスタ47の
先端を挟持するステージ58とクランパ59とが配置さ
れている。前記ステージ58は、磁性体により形成され
ており、前記第一の版胴45の外周面にその第一の版胴
45の軸心方向に沿って形成されている。前記クランパ
59は、前記ステージ58の長手方向に沿って配置され
たクランパ軸60を支軸として回転自在に設けられてい
る。前記クランパ59には、前記ステージ58に対応す
る位置に磁石が配置されている。
【0049】前記インキパイプ52には、図5に示すよ
うに前記第一の版胴45を挾んで一対の版胴アーム61
が固定されている。前記版胴アーム61は、この版胴ア
ーム61の一端に形成された版胴アーム軸62を支軸と
して回転自在に支持されている。前記版胴アーム61に
は、この版胴アーム61を時計回り方向に回転させるス
プリング(図示せず)が取り付けられている。前記版胴
アーム61には、カムフォロア63が回転自在に支持さ
れている。前記カムフォロア63に対応する位置には、
前記第一及び第二の版胴45,46と同期して回転し、
前記版胴アーム61を反時計回り方向に回転させるカム
64が配置されている。前記版胴アーム61の他端に
は、切欠き部65が形成されている。前記切欠き部65
に対応する位置には、その切欠き部65に係合して前記
版胴アーム61を係止するストッパ66が配置されてい
る。前記ストッパ66は、このストッパ66の一端に設
けられたストッパ軸67を支軸として回転自在に支持さ
れている。前記ストッパ66には、このストッパ66を
時計回り方向に回転させるスプリング(図示せず)と、
そのストッパ66を反時計回り方向に回転させるストッ
パソレノイド68が取り付けられている。
【0050】前記第二の版胴46は、図4に示すように
開口部と凹形状の非開口部69とからなる剛性の高い多
孔性支持円筒体の開口部にメッシュスクリーンを複数層
巻き付けたものである。前述のメッシュスクリーンは、
樹脂又は金属の網体である。前記第二の版胴46は、こ
の第二の版胴46の内部にインキを供給する凹版胴軸7
0を中心に位置固定的で回転自在に支持されており、反
時計回り方向に前記第一の版胴45に同期して回転す
る。前記凹版胴軸70には、この凹版胴軸70の内部か
ら前記第二の版胴46の内部にインキを供給する供給孔
71が形成されている。前記第二の版胴46の内部に
は、前記凹版胴軸70から供給されたインキを前記第二
の版胴46の内周面に供給するインキ供給部(図示せ
ず)と、このインキ供給部に前記凹版胴軸70の前記供
給孔71からインキ供給するインキ供給部材(図示せ
ず)とが設けられている。そのインキ供給部で前記凹版
胴軸70の略真上には、インキ供給部材により供給され
たインキを保持して前記第二の版胴46の内周面にイン
キを供給するインキローラ(図示せず)が設けられてい
る。このインキローラは、前記第二の版胴46が回転し
て前記非開口部69が近づくと前記第二の版胴46から
離れ、前記非開口部69が通過すると前記第二の版胴4
6の内周面に当接するように設けられている。
【0051】前記非開口部69には、前記第二の版胴4
6の軸心方向の両端に側壁72が形成されている。前記
側壁72には、前記製版部48により製版されて給版さ
れた製版済みの前記マスタ47の先端を前記非開口部6
9の斜面に押し付けるマスタ押え板73と、前記給紙部
50から給紙されて前記排紙部51へ搬送された印刷用
紙49の先端を前記第二の版胴46から離す押出し板7
4とが回転自在に支持されている。前記マスタ押え板7
3は、このマスタ押え板73の一端に形成されたマスタ
押え板軸75を支軸として回転自在に支持されている。
前記押出し板74は、この押出し板74の一端に形成さ
れた押出し板軸76を支軸として回転自在に支持されて
いる。
【0052】前記押出し板軸76の軸端には、図6に示
すように押出し板アーム77が固定されている。前記押
出し板アーム77の一端には、押出し板アームコロ78
が回転自在に支持されている。前記マスタ押え板軸75
には、マスタ押え板アーム79が固定されている。前記
マスタ押え板アーム79の一端には、前記マスタ押え板
アームコロ80が回転自在に支持されている。前記マス
タ押えアームコロ80は、前記押出し板アーム77が反
時計回り方向に回転した際にその押出し板アーム77に
当接するように配置されている。前記押出し板アーム7
7には、この押出し板アーム77を時計回り方向に回転
させるスプリング(図示せず)が取り付けられている。
前記マスタ押え板アーム79には、このマスタ押え板ア
ームを時計回り方向に回転させるスプリング(図示せ
ず)が取り付けられている。前記第二の版胴46の周囲
には、この第二の版胴46の回転に伴って略下部に到達
した前記押出し板アームコロ78に対して当接離反自在
にL字形の開閉板81が配置されている。前記開閉板8
1には、この開閉板81の長手方向に沿って長孔82が
形成されている。前記長孔82には、段付きピン83が
挿入されている。前記段付きピン83は、前記孔版印刷
装置44本体の側壁(図示せず)に固定されている。前
記開閉板81の上端には、開閉ソレノイド84が取り付
けられている。前記第二の版胴46の周囲には、この第
二の版胴46の回転に伴って前記押出し板74が前記排
紙部51に対応する位置に到達した際に前記押出し板ア
ームコロ78に当接して前記押出し板アーム77のみを
反時計回り方向に回転させ、押出し板74で印刷用紙4
9を第二の版胴46から離す印刷用紙押出し部(図示せ
ず)が設けられている。
【0053】前記製版部48は、前記マスタ47を製版
して第一の版胴45に給版する第一の製版部85と、前
記マスタ47を製版して第二の版胴46に給版する第二
の製版部86とからなる。前記第一の製版部85には、
前記マスタ47がロール状に巻き付けられたマスタロー
ル87が着脱自在で回転自在に設けられており、前記マ
スタロール87から前記第一の版胴45に向けて前記マ
スタ47が搬送されるマスタ搬送経路88が形成されて
いる。前記マスタ搬送経路88には、前記マスタ47を
加熱穿孔するサーマルヘッド89と前記マスタロール8
7から前記マスタ47を引き出して前記サーマルヘッド
89に押し付けるプラテンローラ90とよりなる加熱穿
孔部91が配置されている。前記加熱穿孔部91よりも
前記マスタ搬送経路88の下流側には、前記マスタ47
を所定の長さで切断するカッタ部92及び前記マスタ4
7を搬送する一対の搬送ローラ93が順に配置されてい
る。前記サーマルヘッド89は、無数の発熱体を有して
おり、スプリング等の付勢部材(図示せず)により前記
プラテンローラ90に押し付けられている。前記プラテ
ンローラ90及び前記搬送ローラ93には、ステッピン
グモータ(図示せず)が連結されている。前記搬送ロー
ラ93は、この搬送ローラ93と前記加熱穿孔部91と
の間で前記マスタ47に所定の張力が作用するように前
記プラテンローラ90よりも僅かに速い周速度で回転す
る。前記カッタ部92は、上下一対のカッタ刃により形
成されている。
【0054】前記第二の製版部86は、前記第一の製版
部85を上下逆さにしたように前記第一の製版部85と
対称的に各部が設けられている。前記第二の製版部86
には、前記マスタロール87が着脱自在で回転自在に設
けられており、前記マスタロール87から前記第二の版
胴46に向けて前記マスタ47が搬送されるマスタ搬送
経路94が形成されている。前記マスタ搬送経路88に
は、このマスタ搬送経路88に沿って前記加熱穿孔部9
1、前記カッタ部92及び前記搬送ローラ93が順に配
置されている。
【0055】前記給紙部50は、給紙トレイ(図示せ
ず)に積載された印刷用紙49を一枚ずつ給紙する。前
記給紙部50には、前記印刷用紙49の搬送経路に沿っ
て厚さ検知手段である用紙センサ95と、回転自在に設
けられた一対のレジストローラ96とが順に配置されて
いる。前記用紙センサ95は、前記印刷用紙49の搬送
経路の上方に配置された発光素子97と、この発光素子
97に対向して前記印刷用紙49の搬送経路の下方に配
置された受光素子98とからなる。前記用紙センサ95
は、前記発光素子97と前記受光素子98との間が遮ら
れていない時に前記受光素子98から検出される基準光
量を設定しておき、前記印刷用紙49が前記発光素子9
7と前記受光素子98との間を通過する時に前記受光素
子98から検出される光量と前述の基準光量とを比較
し、前記印刷用紙49により遮断された光量を求め、求
められた光量に基づいて前記印刷用紙49の厚さを検知
する。前記レジストローラ96は、互いに押圧し合う状
態で配置されており、前記第一及び第二の版胴45,4
6に巻き付いた前記マスタ47に位置を合わせて前記第
一及び第二の版胴45,46の間に前記印刷用紙49を
搬送する。
【0056】前記排紙部51には、画像が印刷された印
刷用紙49と前記第一の版胴45との間に送風して印刷
用紙49を前記第一の版胴45から浮き上がらせる剥離
ファン99と、この剥離ファン99により前記第一の版
胴45から浮き上がった印刷用紙49を前記第一の版胴
45から剥離する第一の剥離部材である第一の剥離爪1
00と、画像が印刷された印刷用紙49を前記第二の版
胴46から剥離する第二の剥離爪101と、前記第一及
び第二の剥離爪100,101により前記第一及び第二
の版胴45,46から剥離された印刷用紙49を搬送す
る排紙コロ102と、この排紙コロ102により搬送さ
れた印刷用紙49が積載される排紙トレイ103とが設
けられている。
【0057】前記剥離ファン99は、この剥離ファン9
9の送風口が前記第一の版胴45の外周面上に向けて形
成されており、前記第一の版胴45の外周面上で軸心方
向に平行な直線上の各点に向けて均一に送風する。
【0058】前記第一の剥離爪100は、第一の剥離爪
軸104を支軸として回転自在に支持されてその第一の
剥離爪100の先端が前記第一の版胴45に接近離反自
在に設けられており、その第一の剥離爪100の先端を
印刷用紙49と前記第一の版胴100との間に挿入して
印刷用紙49を前記第一の版胴100から剥離する。
【0059】前記第二の剥離爪101は、前記第二の版
胴46の外周面に接近して精度良く配置されている。前
記第二の剥離爪101には、図7に示すように前記孔版
印刷装置44本体の側壁(図示せず)に回転自在に支持
された移動ネジ105が螺合されている。前記第二の剥
離爪101は、前記移動ネジ105を回転させて前記第
二の剥離爪101をその移動ネジ105の軸心方向に移
動させることにより印刷用紙の幅方向の左右両端に合わ
せて配置される。
【0060】前記排紙コロ102は、前記第二の剥離爪
101に回転自在に支持された断面D形の排紙コロ軸1
06に嵌合して回転自在に支持されている。前記排紙コ
ロ102は、円錐形をしており、前記第一及び第二の版
胴45,46から剥離された印刷用紙49にU字形の腰
付けを行なう。前記排紙コロ102は、前記第一及び第
二の版胴45,46よりも速い周速度で回転し、印刷用
紙49を前記第一及び第二の版胴45,46から引き出
すようにして印刷用紙49に弛みが発生するのを防止し
ている。
【0061】次に、前記孔版印刷装置44の電気的なハ
ードウェア構成について説明する。図8に示すように、
前記孔版印刷装置44には、前述の第一及び第二の版胴
45,46、製版部48、給紙部50及び排紙部51の
動作を制御するCPU107が設けられている。前記C
PU107には、I/Oインターフェース108を介し
て前記第一の製版部85を駆動する第一の製版駆動部1
09、前記第二の製版部86を駆動する第二の製版駆動
部110及び前記剥離ファン99を駆動する剥離ファン
駆動部111が接続されている。前記CPU107に
は、I/Oインターフェース108を介して原稿の画像
を読み取る画像読取部112、印刷速度や印刷枚数等の
情報情報が入力される入力部113、印刷用紙の厚さを
検知する用紙センサ95及び前記孔版印刷装置44にお
ける内部の温度と外部の温度とを検知する温度センサ1
14が接続されている。前記CPU107には、前述の
画像読取部112、入力部113、用紙センサ95及び
温度センサ114から入力された各種の情報が記憶され
るRAM115と、前述の各部の制御等に関する情報が
記憶されているROM116とが接続されている。前記
第一の製版駆動部109により画像量の少ない画像の画
像情報に基づいて製版された前記マスタ47を前記第一
の版胴45に給版させ、前記第二の製版駆動部110に
より画像量の多い画像の画像情報に基づいて製版された
前記マスタ47を前記第二の版胴46に給版させる製版
部制御手段が構成されている。前記剥離ファン駆動部1
11により剥離ファン99から送風される送風量を調整
する送風量調整手段が構成されている。前記画像読取部
112により印刷用紙44に印刷される画像の画像量を
検出する画像量検出手段が構成されている。前記入力部
113により前記第一及び第二の版胴45,46の回転
速度を検出する回転速度検出手段が構成されている。画
像読取部112から入力され前記RAM115に記憶さ
れる情報、前記ROM116に記憶されている情報の内
で画像量を比較する制御に関する情報及び前記CPU1
07により二つの画像の画像量を比較する画像量比較手
段が構成されている。
【0062】このような構成において、原稿の両面の画
像を印刷用紙の両面に印刷する両面−両面印刷モードに
おける孔版印刷装置44の印刷動作を図9に基づいて説
明する。まず、印刷速度が入力部113から入力され、
画像読取部112に原稿がセットされて製版スタートキ
ー(図示せず)が押されると、画像読取部112により
原稿の両面の画像が片面毎に読み取られる。このとき、
画像読取部112において、読み取られた片面毎の画像
情報から一版分のマスタ47全体を加熱穿孔するために
必要な発熱素子の数に対する実際にマスタ47を加熱穿
孔するために使用する発熱素子の数の比率が求められ
る。これらの求められた比率から印刷用紙49の表裏そ
れぞれの面に印刷される画像の画像量が検出されてRA
M115に記憶される(ステップSt.13)。このS
t.13において、画像量を検出する動作が画像量検出
手段の動作として行なわれる。
【0063】次に、前述のSt.13においてRAM1
15に記憶された二つの画像の画像量がRAM115か
ら読み出されて比較される(ステップSt.14)。こ
のSt.14において、二つの画像量を比較する動作が
画像量比較手段の動作として行なわれる。
【0064】その後、第一の版胴45が回転し始め、ク
ランパ59が略真上の位置に到達したところで第一の版
胴45が停止し、クランパ59とステージ58との間が
開放される。そして、第一の製版駆動部109により第
一の製版部85が駆動され、前述のSt.14において
比較された二つの画像の内で画像量が少ないと判断され
た画像の画像情報に基づいて第一の製版部85における
サーマルヘッド89の各発熱素子が駆動されてマスタ4
7が加熱穿孔されると共に、プラテンローラ90及び搬
送ローラ93によりマスタ47が搬送される。このと
き、プラテンローラ90及び搬送ローラ93を駆動する
ステッピングモータの駆動ステップ数をカウントし、カ
ウントされた駆動ステップ数からマスタ47の先端がク
ランパ59に到達したと判断されると、クランパ59と
ステージ58との間が閉じられてマスタ47の先端が挟
持され、第一の版胴45が回転してマスタ47が少しず
つ第一の版胴45に巻き付いていく。そして、カウント
された駆動ステップ数からマスタ47が所定の距離搬送
されたと判断されると、カッタ部92によりマスタ47
が切断され、プラテンローラ90及び搬送ローラ93が
停止して第一の製版部85が停止する。その後、切断さ
れた製版済みのマスタ47が第一の版胴45の回転によ
り引き出されて第一の版胴45に巻き付く(ステップS
t.15)。
【0065】これに並行して、マスタ押え板73が第二
の製版部86に対応すると共に、押出し板アームコロ7
8が開閉板81に対応する位置に到達したところで第二
の版胴46が停止する。すると、図10に示すように開
閉ソレノイド84が駆動されて開閉板81が上方へ移動
し、開閉板81の下端に形成されたL曲げ部が押出し板
アームコロ78に当接して押出し板アーム77が反時計
回り方向に回転し、押出し板74が回転して開放され
る。開閉板81がさらに上方へ移動して押出し板アーム
77がさらに反時計回りに回転すると、押出し板アーム
77がマスタ押え板アームコロ80に当接してマスタ押
え板アーム79が反時計回りに回転し、マスタ押え板7
3が回動して開放される。そして、第二の製版駆動部1
10により第二の製版部86が駆動され、前述のSt.
14において比較された二つの画像の内で画像量が多い
と判断された画像の画像情報に基づいて第二の製版部8
6におけるサーマルヘッド89の各発光素子が駆動され
てマスタ47が加熱穿孔されると共に、プラテンローラ
90及び搬送ローラ93によりマスタ47が搬送され
る。このとき、プラテンローラ90及び搬送ローラ93
を駆動するステッピングモータの駆動ステップ数をカウ
ントし、カウントされた駆動ステップ数からマスタ47
の先端がマスタ押え板73に到達したと判断されると、
開閉ソレノイド84が停止してマスタ押え板アーム79
及び押出し板アーム77が時計回り方向に回転し、マス
タ押え板73及び押出し板74が時計回り方向に回転し
てマスタ押え板73が非開口部69の斜面に当接するこ
とによりマスタ押え板73と非開口部69の斜面とによ
りマスタ47が挟持される。すると、第二の版胴46が
回転してマスタ47が少しずつ第二の版胴46に巻き付
く。そして、カウントされた駆動ステップ数からマスタ
47が所定の距離搬送されたと判断されると、カッタ部
92によりマスタ47が切断され、プラテンローラ90
及び搬送ローラ93が停止して第二の製版部86が停止
する。その後、切断された製版済みのマスタ47が第二
の版胴46の回転により引き出されて第二の版胴46に
巻き付く(ステップSt.16)。前述のSt.15及
びSt.16において、二つの画像の内で画像量が少な
いと判断された画像の画像情報に基づいて第一の製版部
85で製版されたマスタ47を第一の版胴45に給版さ
せ、二つの画像の内で画像量が多いと判断された画像の
画像情報に基づいて第二の製版部86で製版されたマス
タ47を第二の版胴46に給版させる動作が製版部制御
手段として行なわれる。
【0066】その後、給紙部50の給紙トレイから印刷
用紙49が給紙される(ステップSt.17)。そし
て、用紙センサ95により印刷用紙49の厚さが検知さ
れる。この時、入力部113から入力された印刷速度に
基づいて第一及び第二の版胴45,46の回転速度が検
出される。また、温度センサ114により孔版印刷装置
44の内部の温度と外部の温度とが検知される。(ステ
ップSt.18)。
【0067】そして、前述のSt.15おいて第一の版
胴85に巻き付いたマスタ47の穿孔から第一の版胴8
5内のインキを滲み出させて印刷用紙49に転移させる
ことにより印刷用紙49の第一の版胴85側の面に印刷
される画像の画像量、前述のSt.18において得られ
た印刷用紙49の厚さ、第一及び第二の版胴45,46
の回転速度、孔版印刷装置44の内部の温度及び外部の
温度に基づいて剥離ファン99から送風される送風量が
設定される(ステップSt.19)。
【0068】このSt.19において設定された送風量
に基づいて剥離ファン駆動部111により送風量が調整
されて剥離ファン99が駆動されることにより剥離ファ
ン99が送風を開始する(ステップSt.20)。前述
のSt.19及びSt.20において、送風量を設定し
て剥離ファン駆動部111に送風量を調整させる動作が
送風量設定手段の動作として行なわれる。前述のSt.
20において、剥離ファン駆動部111が送風量を調整
して剥離ファン99をい駆動する動作が送風量調整手段
の動作として行なわれる。
【0069】そして、第一及び第二の版胴45,46に
巻き付いたマスタ47に位置を合わせて第一及び第二の
版胴45,46の間に印刷用紙49がレジストローラ9
6により搬送される。このとき、レジストローラ96か
ら第一及び第二の版胴45,46の間に搬送される印刷
用紙49がセンサ(図示せず)により検知されると、ス
トッパソレノイド68が駆動されてストッパ66が切欠
き部65から離れ、カムフォロア63がカム64に当接
して第二の版胴46がカム64の回転に伴って下降す
る。そして、印刷用紙49とマスタ47を介して第二の
版胴46が第一の版胴に当接して印刷用紙49を第一及
び第二の版胴45,46に押し付けることにより第一及
び第二の版胴45,46のそれぞれに巻き付いたマスタ
47を第一及び第二の版胴45,46のそれぞれに密着
させる版付けが行なわれる(ステップSt.21)。こ
のSt.21において版付けが行なわれる際に、第一及
び第二の版胴45,46内のインキが第一及び第二の版
胴45,46の孔及びマスタ47の穿孔から滲み出して
印刷用紙49の両面に転移することにより印刷用紙49
の両面に画像が同時に印刷される。
【0070】その後、印刷用紙49が第一及び第二の版
胴45,46の回転に伴って搬送されると、剥離ファン
99により印刷用紙49と第一の版胴45との間に送風
されて印刷用紙49の先端が第一の版胴45から浮き上
がり、印刷用紙49と第一の版胴45との間に第一の剥
離爪100の先端が挿入されて印刷用紙49が均一に第
一の版胴45から剥離される。そして、印刷用紙49の
先端が第二の剥離爪101に接近すると、押出し板アー
ムコロ78が印刷用紙押出し部(図示せず)に当接して
押出し板アーム77が反時計回り方向に回転し、押出し
板74が第二の版胴46から突出して印刷用紙49の先
端が第二の版胴46から離れる。このとき、印刷用紙4
9と第二の版胴46との間に第二の剥離爪101の先端
が挿入されて印刷用紙49が第二の版胴46から離され
る。第一及び第二の版胴45,46から剥離された印刷
用紙49が搬送されて印刷用紙49の先端が排紙コロ1
02に当接すると、排紙コロ102により印刷用紙49
にU字形の腰付けが行なわれて第一及び第二の版胴4
5,46から引き出すように印刷用紙49が排紙コロ1
02により搬送される。そして、印刷用紙49が排紙ト
レイ103へ排紙されて積載される(ステップSt.2
2)。このSt.22において、印刷用紙49が排紙ト
レイ103へ排紙されて積載されると、印刷待機状態と
なる。
【0071】この印刷待機状態において、印刷枚数が入
力部113から入力されて印刷スタートキー(図示せ
ず)が押されると、入力部113から入力された印刷枚
数分の印刷用紙49が給紙部50の給紙トレイから一枚
ずつ給紙される。そして、第一及び第二の版胴45,4
6にに巻き付いたマスタ47に位置を合わせて第一及び
第二の版胴45,46の間に印刷用紙49がレジストロ
ーラ96により一枚ずつ搬送される(ステップSt.2
3)。
【0072】その後、前述のSt.21における版付け
動作と同様にして第一の版胴45によりマスタ47を介
して印刷用紙49を第一及び第二の版胴45,46に押
し付ける。そして、第一及び第二の版胴45,46内の
インキを第一及び第二の版胴45,46の孔及びマスタ
47の穿孔から滲み出させて印刷用紙49に転移させる
ことにより印刷用紙49に画像を印刷する(ステップS
t.24)。
【0073】このSt.24において両面に画像が印刷
された印刷用紙49が第一及び第二の版胴45,46の
回転に伴って搬送されると、前述のSt.22と同様に
して印刷用紙49が第一及び第二の版胴45,46から
剥離される。そして、排紙コロ102により印刷用紙4
9にU字形の腰付けが行なわれて第一及び第二の版胴4
5,46から引き出すように印刷用紙49が排紙コロ1
02により搬送され、印刷用紙49が排紙トレイ103
へ排紙されて積載される(ステップSt.25)。この
St.25において、全ての印刷用紙49が排紙トレイ
103へ排紙されて積載されると、剥離ファン99が停
止して送風を終了する(ステップSt.26)。そし
て、印刷動作が終了する。
【0074】このように、剥離ファン駆動部111で剥
離ファン99から送風される送風量を調整して剥離ファ
ン99で印刷用紙49と第一の版胴45との間に送風す
ることにより印刷用紙49を第一の版胴45から浮き上
がらせ、第一の剥離爪100で印刷用紙49を第一の版
胴45から剥離し、第二の剥離爪101で印刷用紙49
を第二の版胴46から剥離することにより、巻き上がり
が発生しやすい条件の下では剥離ファン駆動部111に
より送風量を多くすることができ、印刷用紙49を第一
の版胴45から確実に浮き上がらせることができるた
め、第一の剥離爪100により印刷用紙49が確実に第
一の版胴45から剥離され、また、第二の版胴46を固
定的で回転自在に設けることにより、第二の剥離爪10
1と第二の版胴46との間に印刷用紙49が潜り込まな
いように第二の剥離爪101を第二の版胴46に近接さ
せて精度良く配置することができるため、第二の剥離爪
101により印刷用紙49が第二の版胴46から剥離さ
れる。このため、印刷用紙49が第一及び第二の版胴4
5,46から確実に剥離される。また、印刷用紙49が
第一及び第二の版胴45,46から剥離されやすい条件
の下では剥離ファン駆動部111により送風量を少なく
するとことができるため、動作音や送風音が小さくな
る。さらに、画像読取部112により読み取られた画像
情報から印刷用紙49の表裏それぞれの面に印刷される
画像の画像量を画像読取部112で検出し、検出された
二つの画像量を比較し、二つの画像の内で画像量が少な
いと判断された画像の画像情報に基づいて第一の製版部
85でマスタ47を製版して第一の版胴45に給版し、
二つの画像の内で画像量が多いと判断された画像の画像
情報に基づいて第二の製版部86でマスタ47を製版し
て第二の版胴46に給版することにより、印刷用紙49
の第一の版胴45側に印刷される画像の画像量が印刷用
紙49の第二の版胴46側に印刷される画像の画像量に
比べて少なくなり、インキの粘性により印刷用紙49が
第一の版胴45よりも第二の版胴46に貼り付きやすく
なるので、印刷用紙49を第一の版胴45から浮き上が
らせることができるため、印刷用紙49が確実に第一の
版胴45から剥離される。また、第一の版胴45に給版
されたマスタ47の穿孔から第一の版胴45内のインキ
を滲み出させて印刷用紙49に転移させることにより印
刷用紙49の第一の版胴45側の面に印刷される画像の
画像量に基づいて剥離ファン99から送風される送風量
を設定して剥離ファン駆動部111に送風量を調整させ
ることにより、印刷用紙49の第一の版胴45側に印刷
される画像の画像量が多くて巻き上がりが発生しやすい
場合には送風量を多く設定して剥離ファン駆動部111
に送風量が多くなるように調整させることができるた
め、印刷用紙49の第一の版胴45側に印刷される画像
の画像量が多い場合にも印刷用紙49が確実に第一の版
胴45から剥離される。さらに、印刷用紙49の第一の
版胴45側に印刷される画像量が少なくて印刷用紙49
が第一の版胴45から剥離されやすい場合には送風量を
少なく設定して剥離ファン駆動部111に送風量が少な
くなるように調整させることができるため、動作音や送
風音が小さくなる。また、剥離ファン99により印刷用
紙49と第一の版胴45との間に送風することにより、
印刷用紙49を均一に第一の版胴45から剥離すること
ができるため、第一の版胴45側の印刷用紙49の片面
に印刷された画像にムラが生じるのが防止される。ま
た、印刷用紙49の幅方向の両端のみを第一の剥離爪1
00により剥離することで印刷用紙49が第一の版胴4
5から剥離されるので、印刷用紙49に印刷された画像
が第一の剥離爪100により擦られて汚れるのが防止さ
れる。
【0075】なお、本実施の形態においては、画像読取
部112において原稿の両面の画像を読み取り、読み取
られた画像情報に基づいて印刷用紙49の両面に画像を
印刷する両面−両面印刷モードについて説明したが、画
像読取部112において二枚の原稿の画像を読み取り、
読み取られた画像情報に基づいて印刷用紙49の両面に
画像を印刷する片面−両面印刷モードにおいても画像読
取部112において二枚の原稿の画像からそれぞれの画
像の画像量を検出することにより本実施の形態と同様に
実施することができる。
【0076】また、本実施の形態においては、第一の版
胴45と印刷用紙49との間に送風する送風ファン99
について説明したが、送風ファン99が第一の版胴45
と印刷用紙49との間に送風するものに限定される訳で
はなく、送風ファン99の送風口を第二の版胴46の外
周面上に向けて形成して第二の版胴46と印刷用紙49
との間に送風するように配置しても良い。さらに、孔版
印刷装置44に設けられる送風ファン99が一つに限定
される訳でもなく、送風ファン99を二つ設けても良
い。送風ファン99を二つ設ける場合には、第一の版胴
45と印刷用紙49との間に送風するように一方の送風
ファン99を配置し、第二の版胴46と印刷用紙49と
の間に送風するように他の送風ファン99を配置するよ
うにする。また、二つの送風口が形成された送風ファン
99を用いても良い。二つの送風口が形成された送風フ
ァン99を用いる場合には、第一の版胴45と印刷用紙
49との間に送風するように一方の送風口を形成し、第
二の版胴46と印刷用紙49との間に送風するように他
の送風口を形成するようにする。
【0077】なお、本実施の形態においては、第二の版
胴46を固定的で回転自在に設け、第一の版胴45を第
二の版胴46に対して当接離反自在に可動的で回転自在
に設けた孔版印刷装置44について説明したが、第一及
び第二の版胴45,46が前述した形態に限定される訳
ではなく、第一及び第二の版胴45,46の両方を固定
的で回転自在に設けても良い。また、第一の版胴45を
固定的で回転自在に設け、第二の版胴46を第一の版胴
45に対して当接離反自在に可動的で回転自在に設けて
も良い。
【0078】また、本発明の実施の形態においては、印
刷用紙の厚さを検知する厚さ検知手段として用紙センサ
25,95を用いたが、厚さ検知手段が用紙センサ2
5,95に限られる訳ではなく、図11に示す用紙セン
サ117を厚さ検知手段として用いても良い。用紙セン
サ117は、給紙部6,50の給紙トレイから給紙され
た印刷用紙5,49の搬送経路中に一対の給紙ローラ1
18,119を設け、前記下側の給紙ローラ119に対
して当接離間自在で回転自在に前記上側の給紙ローラ1
18を支持する給紙ローラアーム120を設け、この給
紙ローラアーム120の支軸にポテンションメータ12
1を設けたものである。用紙センサ117では、一対の
給紙ローラ118,119の間を印刷用紙5,49が通
過する際に印刷用紙5,49の厚さにより上側の給紙ロ
ーラ118が下側の給紙ローラ119から離間される。
このとき、給紙ローラアーム120が時計回り方向に回
転するので、給紙ローラアーム120が回転した角度を
ポテンションメータ121で検出し、検出された角度か
ら印刷用紙5,49の厚さを検知する。
【0079】なお、本発明の実施の形態においては、印
刷用紙5,49を版胴2,45,46に押し付け、版胴
2,45,46の内部からインキを滲み出させてこのイ
ンキを印刷用紙5,49に転移させることにより画像を
印刷する孔版印刷装置1,44について説明してきた
が、例えば、特開平7−17013号公報に記載されて
いる印刷装置のように、版胴の外周面に対向する位置で
マスタにインキを供給するインキ供給部を設け、版胴に
巻き付いたマスタに版胴の外部からインキを供給する印
刷装置に適用しても良い。
【0080】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、送風量調
整手段で剥離ファンから送風される送風量を調整して剥
離ファンで印刷用紙と版胴との間に送風することにより
印刷用紙を版胴から浮き上がらせ、剥離部材で印刷用紙
を版胴から剥離することにより、巻き上がりが発生しや
すい条件の下では送風量調整手段により送風量を多くす
ることで、印刷用紙を版胴から確実に浮き上がらせるこ
とができるため、印刷用紙を版胴から確実に剥離するこ
とができる。また、印刷用紙を版胴から剥離しやすい条
件の下では送風量調整手段により送風量を少なくするこ
とで、動作音や送風音を小さくすることができる。さら
に、剥離ファンにより印刷用紙と版胴との間に送風する
ことにより、印刷用紙を均一に版胴から剥離することが
できるため、印刷用紙に印刷された画像に濃度ムラが生
じるのを防止できる。
【0081】請求項2記載の発明によれば、送風量調整
手段で剥離ファンから送風される送風量を調整して剥離
ファンで二つの版胴の少なくとも一方の版胴と印刷用紙
との間に送風することにより印刷用紙を二つの版胴の少
なくとも一方の版胴から浮き上がらせ、剥離部材で印刷
用紙を二つの版胴の少なくとも一方の版胴から剥離する
ことにより、巻き上がりが発生しやすい条件の下では送
風量調整手段により送風量を多くすることで、印刷用紙
を二つの版胴の少なくとも一方の版胴から確実に浮き上
がらせることができるため、二つの版胴の少なくとも一
方の版胴から印刷用紙を剥離部材により確実に剥離する
ことができる。また、印刷用紙が版胴から剥離されやす
い条件の下では送風量調整手段により送風量を少なくす
るとことで、動作音や送風音を小さくすることができ
る。さらに、二つの版胴の少なくとも一方の版胴と印刷
用紙との間に剥離ファンにより送風することにより、二
つの版胴の少なくとも一方の版胴から印刷用紙を均一に
剥離することができるため、印刷用紙の少なくとも一方
の面に印刷された画像にムラが生じるのを防止できる。
請求項3記載の発明によれば、送風量調整手段で剥離
ファンから送風される送風量を調整して剥離ファンで印
刷用紙と第一の版胴との間に送風することにより印刷用
紙を第一の版胴から浮き上がらせ、第一の剥離部材で印
刷用紙を第一の版胴から剥離し、第二の剥離部材で印刷
用紙を第二の版胴から剥離することにより、巻き上がり
が発生しやすい条件の下では送風量調整手段により送風
量を多くすることで、印刷用紙を第一の版胴から確実に
浮き上がらせることができるため、第一の剥離部材によ
り印刷用紙を第一の版胴から確実に剥離することができ
る。また、第二の版胴を固定的で回転自在に設けること
により、第二の剥離部材と第二の版胴との間に印刷用紙
が潜り込まないように第二の剥離部材を第二の版胴に近
接させて精度良く配置することができるため、第二の剥
離部材により印刷用紙を第二の版胴から確実に剥離する
ことができる。さらに、印刷用紙が版胴から剥離されや
すい条件の下では送風量調整手段により送風量を少なく
することで、動作音や送風音を小さくすることができ
る。また、剥離ファンにより印刷用紙と第一の版胴との
間に送風することにより、印刷用紙を均一に第一の版胴
から剥離することができるため、第一の版胴側の印刷用
紙の片面に印刷された画像にムラが生じるのを防止でき
る。
【0082】請求項4記載の発明によれば、送風量調整
手段で第一及び第二の剥離ファンから送風される送風量
を調整し、第一の剥離ファンで印刷用紙と第一の版胴と
の間に送風することにより印刷用紙を第一の版胴から浮
き上がらせて第一の剥離部材で印刷用紙を第一の版胴か
ら剥離し、第二の剥離ファンで印刷用紙と第二の版胴と
の間に送風することにより印刷用紙を第二の版胴から浮
き上がらせて第一の剥離部材で印刷用紙を第二の版胴か
ら剥離することにより、巻き上がりが発生しやすい条件
の下では送風量調整手段により送風量を多くすること
で、印刷用紙を第一及び第二の版胴から確実に浮き上が
らせることができるため、第一及び第二の剥離部材によ
り印刷用紙を確実に第一及び第二の版胴から剥離するこ
とができる。また、印刷用紙が版胴から剥離されやすい
条件の下では送風量調整手段により送風量を少なくする
とことで、動作音や送風音を小さくすることができる。
また、第一及び第二の剥離ファンにより印刷用紙と第一
及び第二の版胴との間に送風することにより、印刷用紙
を均一に第一及び第二の版胴から剥離することができる
ため、印刷用紙の両面に印刷された画像にムラが生じる
のを防止できる。
【0083】請求項5記載の発明によれば、画像量検出
手段により画像量を検出し、検出された画像量に基づい
て剥離ファンから送風される送風量を送風量設定手段に
より設定して送風量調整手段に送風量を調整させること
により、検出された画像量が多くて巻き上がりが発生し
やすい場合には送風量設定手段により送風量を多く設定
して送風量調整手段に送風量が多くなるように調整させ
ることができるため、印刷された画像の画像量が多い場
合にも印刷用紙を版胴から確実に剥離することができ
る。また、検出された画像量が少なくて印刷用紙が版胴
から剥離されやすい場合には送風量設定手段により送風
量を少なく設定して送風量調整手段に送風量が少なくな
るように調整させることができるため、動作音や送風音
を小さくすることができる。
【0084】請求項6記載の発明によれば、画像情報か
ら印刷用紙の表裏それぞれの面に印刷される画像の画像
量を画像量検出手段で検出し、検出された二つの画像の
画像量を画像量比較手段で比較し、二つの画像の内で画
像量が少ないと判断された画像の画像情報に基づいて製
版部で第一のマスタを製版し、剥離ファンにより送風さ
れて印刷用紙が浮き上がる側の版胴に第一のマスタを給
版すると共に、二つの画像の内で画像量が多いと判断さ
れた画像の画像情報に基づいて製版部で第二のマスタを
製版して他の版胴に給版することにより、印刷用紙の一
方の面に印刷される画像の画像量を印刷用紙の他方の面
に印刷される画像の画像量に比べて少なくすることがで
き、第一のマスタが給版された版胴よりも第二のマスタ
が給版された版胴に印刷用紙をインキの粘性で貼り付き
やすくすることができるので、第一のマスタが供給され
た版胴と印刷用紙との間に剥離ファンで送風することに
より印刷用紙を浮き上がらせることができるため、剥離
ファンにより送風されて印刷用紙が浮き上がる側の版胴
から印刷用紙を確実に剥離することができる。
【0085】請求項7記載の発明によれば、画像量比較
手段により二つの画像の内で画像量が少ないと判断され
た画像の画像量に基づいて剥離ファンから送風される送
風量を送風量設定手段により設定して送風量調整手段に
送風量を調整させることにより、二つの画像の内で画像
量が少ないと判断された画像において巻き上がりが発生
しやすいくらい画像量が多い場合には送風量設定手段に
より送風量を多く設定して送風量調整手段に送風量が多
くなるように調整させることができるため、巻き上がり
が発生しやすいくらい画像量が多き場合にも剥離ファン
により送風されて印刷用紙が浮き上がる側の版胴から確
実に剥離することができる。また、二つの画像の内で画
像量が少ないと判断された画像において印刷用紙が第一
の版胴から剥離されやすいくらい画像量が少ない場合に
は送風量設定手段により送風量を少なく設定して送風量
調整手段に送風量が少なくなるように調整させることが
できるため、動作音や送風音を小さくすることができ
る。
【0086】請求項8記載の発明によれば、回転速度検
出手段で版胴の回転速度を検出し、検出された版胴の回
転速度に基づいて剥離ファンから送風される送風量を送
風量設定手段で設定して送風量調整手段に送風量を調整
させることにより、検出された版胴の回転速度が速くて
巻き上がりが発生しやすい場合には送風量設定手段によ
り送風量を多く設定して送風量調整手段に送風量が多く
なるように調整させることができるため、印刷速度が速
く、版胴の回転速度が速い場合にも印刷用紙を版胴から
確実に剥離することができる。また、版胴の回転速度が
遅くて印刷用紙が版胴から剥離されやすい場合には送風
量設定手段により送風量を少なく設定して送風量調整手
段に送風量が少なくなるように調整させることができる
ため、動作音や送風音を小さくすることができる。
【0087】請求項9記載の発明によれば、本体の内部
及び外部の温度の内の少なくとも一方の温度を温度検知
手段で検知し、検知された温度に基づいて剥離ファンか
ら送風される送風量を送風量設定手段で設定して送風量
調整手段に送風量を調整させることにより、温度が高く
てインキの流動性が良好で巻き上がりが発生しやすい場
合や、温度が低くて静電気が発生しやすいため巻き上が
りが発生しやすい場合には送風量設定手段により送風量
を多く設定して送風量調整手段に送風量が多くなるよう
に調整させることができるため、温度が高くてインキの
流動性が良好な場合や、温度が低くて静電気が発生しや
すい場合にも印刷用紙を版胴から確実に剥離することが
できる。また、それ以外の温度のときで印刷用紙が版胴
から剥離されやすい場合には送風量設定手段により送風
量を少なく設定して送風量調整手段に送風量が少なくな
るように調整させることができるため、動作音や送風音
を小さくすることができる。
【0088】請求項10記載の発明によれば、厚さ検知
手段で印刷用紙の厚さを検知し、検知された印刷用紙の
厚さに基づいて剥離ファンから送風される送風量を送風
量設定手段で設定して送風量調整手段で送風量を調整す
ることにより、印刷用紙の厚さが薄くて印刷用紙の腰が
弱いため巻き上がりが発生しやすい場合には送風量設定
手段により送風量を多く設定して送風量調整手段に送風
量が多くなるように調整させることができるため、印刷
用紙の厚さが薄くて印刷用紙の腰が弱い場合にも印刷用
紙を版胴から確実に剥離することができる。また、印刷
用紙の厚さが厚くて印刷用紙の腰が強いため印刷用紙が
版胴から剥離されやすい場合には送風量設定手段により
送風量を少なく設定して送風量調整手段に送風量が少な
くなるように調整させることができるため、動作音や送
風音を小さくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】請求項1,5,8,9及び10記載の発明の孔
版印刷装置の動作を示すフローチャートである。
【図2】孔版印刷装置を示す縦断正面図である。
【図3】電気的なハードウェア構成を示すブロック図で
ある。
【図4】請求項2,3,4,5,6,7,8,9及び1
0記載の発明の孔版印刷装置を示す縦断正面図である。
【図5】第二の剥離爪と排紙コロを示す水平断面図であ
る。
【図6】第一の版胴を示す縦断正面図である。
【図7】マスタ押え板及び押出し板の駆動部を示す正面
図である。
【図8】電気的なハードウェア構成を示すブロック図で
ある。
【図9】孔版印刷装置の動作を示すフローチャートであ
る。
【図10】第二の製版部から第二の版胴にマスタを給版
する際の第二の製版部及び第二の版胴を示す縦断正面図
である。
【図11】他の例の用紙センサを示す正面図である。
【符号の説明】
2 版胴 3 マスタ 5 印刷用紙 25 厚さ検知手段 31 剥離ファン 32 剥離部材 38 送風量調整手段 39 画像量検出手段 40 回転速度検出手段 41 温度検知手段 45 第一の版胴 46 第二の版胴 47 マスタ 49 印刷用紙 85,86 製版部 95 厚さ検知手段 99 剥離ファン 100 第一の剥離部材 101 第二の剥離部材 109,110 製版部制御手段 111 送風量調整手段 112 画像量検出手段 113 回転速度検出手段 114 温度検知手段 117 厚さ検知手段

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転自在に設けられてマスタが巻き付く
    版胴を備え、前記版胴に巻き付いた前記マスタに位置を
    合わせて印刷用紙を給紙し、前記印刷用紙を前記マスタ
    を介して前記版胴に押し付け、前記印刷用紙にインキを
    転移させることにより前記印刷用紙に画像を印刷する印
    刷装置において、 画像が印刷された前記印刷用紙の搬送方向下流側で前記
    印刷用紙と前記版胴との間に送風して前記印刷用紙を前
    記版胴から浮き上がらせる剥離ファンと、 前記剥離ファンから送風される送風量を調整する送風量
    調整手段と、 前記剥離ファンにより前記版胴から浮き上がった前記印
    刷用紙を前記版胴から剥離する剥離部材と、を備えるこ
    とを特徴とする印刷装置。
  2. 【請求項2】 回転自在で双方が当接離反自在に設けら
    れてマスタが巻き付く第一及び第二の版胴を備え、前記
    第一及び第二の版胴に巻き付いたマスタに位置を合わせ
    て前記第一及び第二の版胴の間に印刷用紙を給紙し、前
    記マスタ及び前記印刷用紙を介して前記第一の版胴と前
    記第二の版胴とを当接させ、前記印刷用紙にインキを転
    移させることにより前記印刷用紙の両面に画像を同時に
    印刷する印刷装置において、 画像が印刷された前記印刷用紙の搬送方向下流側に設け
    られて少なくとも一方の前記版胴と前記印刷用紙との間
    に送風して前記印刷用紙をその版胴から浮き上がらせる
    剥離ファンと、 前記剥離ファンから送風される送風量を調整する送風量
    調整手段と、 少なくとも前記剥離ファンにより前記版胴から浮き上が
    った前記印刷用紙をその版胴から剥離する剥離部材と、 を備えることを特徴とする印刷装置。
  3. 【請求項3】 第一の版胴が、可動的で回転自在に設け
    られ、 第二の版胴が、固定的で回転自在に設けられ、 剥離ファンが、前記第一の版胴と印刷用紙との間に送風
    する状態で設けられ、 剥離部材が、前記第一及び第二の版胴に対して個別に設
    けられていることを特徴とする請求項2記載の印刷装
    置。
  4. 【請求項4】 剥離ファンが、第一の版胴と印刷用紙と
    の間及び第二の版胴と前記印刷用紙との間に送風する状
    態で設けられ、 剥離部材が、前記第一及び第二の版胴に対して個別に設
    けられていることを特徴とする請求項2記載の印刷装
    置。
  5. 【請求項5】 印刷用紙に印刷される画像の画像量を検
    出する画像量検出手段と、 前記画像量検出手段により検出された画像量に基づいて
    剥離ファンから送風される送風量を設定して送風量調整
    手段に送風量を調整させる送風量設定手段と、を備える
    ことを特徴とする請求項1,2,3又は4記載の印刷装
    置。
  6. 【請求項6】 画像情報に基づいてマスタを加熱製版し
    て製版済みの前記マスタを第一及び第二の版胴に給版す
    る製版部と、 前記画像情報から印刷用紙の表裏それぞれの面に印刷さ
    れる画像の画像量を検出する画像量検出手段と、 前記画像量検出手段により検出された二つの画像の画像
    量を比較する画像量比較手段と、 前記画像量比較手段により二つの画像の内で画像量が少
    ないと判断された画像の前記画像情報に基づいて第一の
    前記マスタを前記製版部により製版させ、剥離ファンに
    より送風されて前記印刷用紙が浮き上がる側の版胴に第
    一の前記マスタを給版させると共に、前記画像量比較手
    段により二つの画像の内で画像量が多いと判断された画
    像の前記画像情報に基づいて第二の前記マスタを前記製
    版部により製版させて他の版胴に給版させる製版部制御
    手段と、 を備える請求項2,3又は4記載の印刷装置。
  7. 【請求項7】 画像量比較手段により二つの画像の内で
    画像量が少ないと判断された画像の画像量に基づいて剥
    離ファンから送風される送風量を設定して送風量調整手
    段に送風量を調整させる送風量設定手段を備えることを
    特徴とする請求項6記載の印刷装置。
  8. 【請求項8】 版胴の回転速度を検出する回転速度検出
    手段と、 前記回転速度検出手段により検出された版胴の回転速度
    に基づいて剥離ファンから送風される送風量を設定して
    送風量調整手段に送風量を調整させる送風量設定手段
    と、を備えることを特徴とする請求項1,2,3,4,
    5,6又は7記載の印刷装置。
  9. 【請求項9】 本体の内部及び外部の温度の内の少なく
    とも一方の温度を検知する温度検知手段と、 前記温度検知手段により検知された温度に基づいて剥離
    ファンから送風される送風量を設定して送風量調整手段
    に送風量を調整させる送風量設定手段と、を備えること
    を特徴とする請求項1,2,3,4,5,6,7又は8
    記載の印刷装置。
  10. 【請求項10】 印刷用紙の厚さを検知する厚さ検知手
    段と、 前記厚さ検知手段により検知された印刷用紙の厚さに基
    づいて剥離ファンから送風される送風量を設定して送風
    量調整手段に送風量を調整させる送風量設定手段と、を
    備えることを特徴とする請求項1,2,3,4,5,
    6,7,8又は9記載の印刷装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006116913A (ja) * 2004-10-25 2006-05-11 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷装置
JP2006212982A (ja) * 2005-02-04 2006-08-17 Tohoku Ricoh Co Ltd 孔版印刷装置
JP2007168395A (ja) * 2005-12-26 2007-07-05 Tohoku Ricoh Co Ltd 印刷装置
JP2014213504A (ja) * 2013-04-24 2014-11-17 理想科学工業株式会社 用紙搬送装置

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