JPH09189250A - エンジンの空燃比算出方法および空燃比制御装置 - Google Patents

エンジンの空燃比算出方法および空燃比制御装置

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JPH09189250A
JPH09189250A JP196296A JP196296A JPH09189250A JP H09189250 A JPH09189250 A JP H09189250A JP 196296 A JP196296 A JP 196296A JP 196296 A JP196296 A JP 196296A JP H09189250 A JPH09189250 A JP H09189250A
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air
fuel ratio
oxygen concentration
engine
sensor
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JP196296A
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Takeshi Motoyama
雄 本山
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Yamaha Motor Co Ltd
Original Assignee
Yamaha Motor Co Ltd
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 排気通路内を流れる排気ガスの中の酸素濃度
が規則的に変化する現象に着目し、この現象を検出する
ために必要なO2センサの配置位置あるいは検出タイミ
ング等に工夫を凝らすことによって、エンジンの運転状
態に応じた最適空燃比を算出することができるようにし
た技術を提供する。 【解決手段】 燃焼室7の排気ポート3から外気へ排気
を導く排気通路2の途中にO2センサ4を配置し、前記
燃焼室に供給される混合気の空燃比を、前記O2センサ
により検知される酸素濃度のうち、所定の燃焼サイクル
中の酸素濃度の最低値に基づき算出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関の空燃比
を算出するための技術、特に燃焼室からの排気の中に、
吸入工程で供給すべき新気の一部が含まれて排出される
内燃機関の空燃比算出技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動二輪車を含む車両搭載エンジンや、
モータボートその他の小型船舶用エンジンなどにおいて
は、マイクロコンピュータ等からなる制御回路を備え、
予めセットされたプログラムに従って、運転状態に対応
した最適な点火時期や燃料噴射量(空燃比)あるいは噴
射タイミングを演算し、エンジンを最適な駆動状態で運
転できるように制御している。
【0003】このようなエンジン(内燃機関)の制御方
法において、2サイクルエンジンや4サイクルエンジン
あるいいは単気筒エンジンと多気筒エンジンに対応して
それぞれ適合した制御を行う必要がある。2サイクルエ
ンジンは、4サイクルエンジンに比べ動弁機構を持たな
いため構造が簡単で小型となり、同一排気量、同一回転
速度の場合大きな出力が得られる反面、掃排気を行う機
構上ガス交換が完全に行われにくく、吹き抜け損失や燃
料消費およびシリンダ等の熱損失が大きくなる。このた
め、2サイクルエンジンでは運転状態に対応した微妙な
制御がむつかしく、特に、4サイクルエンジンでは実用
化されているO2センサ等を用いたエンジン制御は、2
サイクルエンジンでは実用化の段階に至っていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このO2セ
ンサを用いたエンジン制御方法は、排気ガス中の酸素濃
度検出値に基づいて空燃比可変手段をフィードバック制
御することにより、運転状態に応じた最適空燃比となる
ように制御する方法であるが、2サイクルエンジンで実
用化されていない理由として、以下の点を挙げることが
できる。
【0005】(1)2サイクルエンジンでは、排気管中
に既燃ガスと吹き抜け新気の両方が出てしまうため、4
サイクルエンジンにおいて従来から用いられてきたO2
センサによる排気O2濃度検知に基づく空燃比の算出は
困難であり、適用不可能であったこと。
【0006】(2) 特別な方法として、燃焼後排気さ
れる前、あるいは掃気により進入する新気によ希釈され
る前のガスをシリンダ壁より取り出し、O2濃度を計測
する方法もあるが、この方法では、O2センサに至る経
路が詰まりやすいこと、および掃気期間中に新気が経路
に進入しないよう逆止弁が必要となるなどの問題があっ
たこと。
【0007】また、4サイクルエンジンにおいて排気弁
が閉じる前に吸気弁が開き始めるもので、排気行程の終
期において新気が排気弁から排気管に進入してしまうも
のでは、排気管にO2濃度センサを配置しても排気O2濃
度検知に基づく空燃比の算出は困難である。
【0008】そこで、本出願の発明者等は、燃焼サイク
ル中において排気管中を流れる排気ガスの酸素濃度の変
化状態を解明すべく研究したところ、次のような現象が
生じていることが判った。
【0009】排気ポートが開くと、燃焼後の既燃ガスが
まず排出され、ついで吹き抜け新気が流出する。両ガス
はしばらくは混合せずに流れるが、両ガスの接する面よ
り混合が始まり、しばらく行くと完全に混合する。従っ
て、既燃ガスの中央部は、排気通路中でかなりの期間新
気に希釈されないままになっている、といった現象であ
る。
【0010】本発明は、以上のような点を考慮してなさ
れたもので、排気通路内を流れる排気ガスの中の酸素濃
度が規則的に変化する現象に着目し、この現象を検出す
るために必要なO2センサの配置位置あるいは検出タイ
ミング等に工夫を凝らすことによって、エンジンの運転
状態に応じた最適空燃比を算出することができるように
した技術を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するた
め、本発明では、燃焼室の排気ポートから外気へ排気を
導く排気通路の途中にO2センサを配置し、前記燃焼室
に供給される混合気の空燃比を、前記O2センサにより
検知される酸素濃度のうち、所定の燃焼サイクル中の酸
素濃度の最低値に基づき算出する方法を採用した。
【0012】こうした空燃比の算出方法によれば、所定
の燃焼サイクル中の酸素濃度を、排気サイクル中におけ
る酸素濃度の状態が変化する特性を有効に利用して、よ
り正確に算出することができる。即ち、O2センサによ
って検知される酸素濃度はその一番低い値が既燃ガス中
央部の値であり、その値から計算される空燃比が最もシ
リンダ内の状態に近い。
【0013】ここで、前記空燃比の算出に際しては、各
燃焼サイクル中の酸素濃度の最低値に基づき、各燃焼サ
イクル毎に前記空燃比を算出するようにしても良いし、
前記エンジンの所定のクランク角毎にあるいは所定の時
間毎に酸素濃度データをサンプリングし、そのサンプリ
ング値のうち、最低値に基づき前記空燃比を算出するよ
うにしても良い。
【0014】この空燃比の算出に際しては、エンジンの
運転状態に応じた排気ガスが、前記O2センサを通過す
るタイミングデータを予め求めて記憶装置に保持する一
方、運転状態検知手段により検知される運転状態検知値
に基づいたタイミングで前記O2センサにより酸素濃度
を検知し、その酸素濃度検知値に基づき前記空燃比を算
出する方法を採用することもできる。
【0015】前記排気ガスが前記O2センサを通過する
タイミングについては、O2センサにより検知される酸
素濃度のうち、所定の燃焼サイクル中の酸素濃度の最低
値が検知されるタイミングに基づいて求めるようによう
にしても良い。
【0016】また、本発明では、運転状態に応じた所定
空燃比となるように、燃焼室の排気ポートから外気へ排
気を導く排気通路の途中に配置したO2センサで検知さ
れる酸素濃度により、空燃比可変手段をフィードバック
制御するエンジンの空燃比制御装置において、前記排気
通路における排気の流れ方向の、所定の燃焼サイクル中
の酸素濃度の最低値の変化のうち、排気ポートから略一
定の最低値が維持される範囲に前記O2センサを配置す
る一方、前記燃焼室に供給される混合気の空燃比を、前
記O2センサにより検知される酸素濃度のうち、所定の
燃焼サイクル中の酸素濃度の最低値に基づき算出するこ
とを特徴とするエンジンの空燃比制御装置を提供する。
【0017】また、本発明では、運転状態に応じた所定
空燃比となるように、燃焼室の排気ポートから外気へ排
気を導く排気通路の途中に配置したO2センサで検知さ
れる酸素濃度により、空燃比可変手段をフィードバック
制御するエンジンの空燃比制御装置において、前記排気
通路における排気の流れ方向の、所定の燃焼サイクル中
の酸素濃度の最低値の変化のうち、前記排気ポートから
略一定の最低値が維持される範囲に前記O2センサを配
置する一方、運転状態に応じた排気ガスが前記O2セン
サを通過するタイミングデータを予め求めて記憶装置に
保持し、運転状態検知手段により検知される運転状態検
知値に基づいたタイミングで前記O2センサにより酸素
濃度を検知し、その酸素濃度検知値に基づき前記空燃比
を算出するようにしたことを特徴とするエンジンの空燃
比制御装置を提供する。
【0018】また、本発明では、排気行程のタイミング
が異なる複数気筒からなる複数の排気通路の合流部を含
めて下流部の排気通路にO2センサを配置し、各気筒の
燃焼室に供給される混合気の空燃比を、O2センサによ
り検知される酸素濃度のうち、4サイクルエンジンにお
いてはクランク軸2回転中の、2サイクルエンジンにお
いてはクランク軸1回転中の燃焼サイクル中の酸素濃度
の各気筒に対応する極小値に基づき算出することを特徴
とするエンジンの空燃比算出方法を提供する。さらに、
本発明では、排気行程のタイミングが異なる複数気筒か
らの複数の排気通路合流部を含めて下流部の排気通路に
O2センサを配置し、各気筒への混合気の空燃比を、運
転状態に応じた所定空燃比となるように、前記O2セン
サで検知される酸素濃度により、各気筒毎に配置される
空燃比可変手段をフィードバック制御するエンジンの空
燃比制御装置において、前記各気筒毎の空燃比を、O2
センサで検知される酸素濃度のうち、4サイクルエンジ
ンにおいてはクランク軸2回転中の、2サイクルエンジ
ンにおいてはクランク軸1回転中の酸素濃度の各気筒に
対応する極小値に基づき算出することを特徴とするエン
ジンの空燃比制御装置を提供する。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、添付の図1〜図9を参照して説明する。
【0020】図1〜図6は本発明を2サイクルエンジン
に適用した実施の形態を示すもので、図1は2サイクル
エンジンの概略側面図である。
【0021】この図1に示すエンジン1は、自動二輪車
に搭載した単気筒2サイクルエンジンである。このエン
ジン1には、その排気管2の排気ポート3の近くにO2
センサ4が設けられ、それよりも下流側には排気管圧力
センサ5および排気管壁温度センサ6がそれぞれ設けら
れる。O2センサ4は、排気管2内を流れる排気ガス中
の酸素濃度を検知し、その検知値に基づいて空燃比を算
出するためのもので、特に応答性の早いものが用いられ
る。例えば酸素濃度差に応じて発生する起電力によっ
て、排気ガス中の酸素濃度をリアルタイムに検出可能な
タイプのものなどが用いられる。このO2センサ4は、
燃焼室7から排出される既燃ガスと吹き抜け新気とが完
全に混合しない場所に設けられる。
【0022】クランク軸8を収容するクランクケース9
の下部には、クランク室10内の圧力を検出するための
クランク室圧力センサ11が設けられ、それよりも上部
には、クランク角検出センサ12およびエンジン回転数
センサ13がそれぞれ設けられる。クランク角検出セン
サ12は、点火時期制御のベースとなる角度パルスを発
するものであり、例えばクランク軸8に係合するリンク
ギヤの歯数に対応してパルス信号を発する。仮にギヤ歯
数112歯に対応して1回転中に448パルスを発する
ように構成すれば、1パルス毎にクランク軸8が0.8
度回転することになる。
【0023】シリンダヘッド14の部分には、シリンダ
15の燃焼室7内の異常燃焼を検出するためのノックセ
ンサ16が設けられる。このノックセンサ16は、ノッ
キングが起きた場合に点火手段を遅角側にシフトさせた
りまたは燃料をリッチ側に設定してノッキングを解消す
るように制御する際に用いられる。シリンダヘッド14
部分には、さらに、燃焼室7の圧力を検出するための燃
焼室圧力センサ17が設けられる。シリンダ15の吸気
側には、その吸気系を構成するエアクリーナ18に接続
された吸気管19内を流れる空気の温度を検出するため
の吸気管温度センサ20が設けられる。ハンドル21の
グリップ22の部分には、グリップ22の軸周りの回転
位置を検出するためのアクセル位置センサ23が設けら
れる。
【0024】このように各種のセンサが配置されるエン
ジン1は、図示の例の場合、燃焼室7内に燃料を噴射す
る燃料噴射弁24を備える。さらに、クランク軸8に対
しコンロッド25を介して連結されたピストン26によ
り開閉する排気ポート3の排気タイミングを調整するた
めの排気タイミング調整装置27を備える。
【0025】次に、上記構成のエンジンの制御全般の概
略について、図2の制御系統全体を示すシステムブロッ
ク図を参照して説明する。制御プログラムを格納したマ
イクロコンピュータ等からなる制御装置30の入力側
(図の左側)に、エンジンの各種運転状態を検出するた
めの複数のセンサが接続される。これらのセンサには、
図1を参照して説明した前述の各種センサの他に、スロ
ットル開度センサ28、触媒温度センサ29なども含ま
れている。勿論、それ以外の各種センサが含まれる場合
もある。
【0026】前記制御装置30は、各センサからの入力
信号に基づいて演算処理を行い、その演算結果に基づい
て出力側(図2の右側)の空燃比制御装置40、点火回
路50、排気タイミング調整装置27等を制御する。空
燃比制御装置40としては、燃料噴射弁24、スロット
ル開度補正装置、およびスロットル弁迂回路開閉制御弁
等を含む。これらの制御のための演算を実行するため
に、制御装置30には、制御プログラムに加え、検出デ
ータとの比較に必要な各種マップ等を格納したR0M等
からなる不揮発性メモリおよび各検出信号やこれに基づ
く演算のための一時的なデータを記憶するためのRAM
等からなる揮発性メモリが備る。
【0027】次に、本発明に係る空燃比算出方法の原理
について、図3〜図6を参照して説明する。図3は、単
気筒エンジンにおける排気ガスの酸素濃度の計測例を示
す図であり、縦軸にO2濃度を、横軸にクランク角を示
している。その場合、O2センサは2つあり、排気管に
対し、その排気管内を流れる排気の上流側と下流側に互
いに間隔をおいて配置した(計測点を異ならせた)とき
の計測結果として示している。この図3から理解できる
ように、各O2センサにより検知される酸素濃度は、ク
ランク角の変化に対応して略規則的に変化する。しか
も、この酸素濃度の変化態様は、位相がずれる点を除け
ば上流側および下流側とも略同様であることが判る。勿
論、位相のずれは下流側になる。したがって、図1に示
したO2センサ4の配置位置は、この図3から理解でき
るように、上流側でも下流側でも良く、配置位置の精度
上の問題はほとんど生じない。ただ、このO2センサ4
を配置する排気管2の領域については、後述する理由に
より制限がある。
【0028】そこで、本発明では、こようにしてO2セ
ンサ4で検知される酸素濃度の変化のうち、その最低値
L1あるいはL2に基づいて、燃焼室7に供給される混
合気の空燃比を算出する方法を採用している。こうした
空燃比の算出方法については、種々の態様を採ることが
できる。たとえば、エンジン1の各燃焼サイクル中の酸
素濃度の最低値に基づいて、各燃焼サイクル毎に空燃比
を算出したり、クランク軸8のクランク角毎にあるいは
所定の時間毎に酸素濃度データをサンプリングし、その
サンプリング値のうち、最低値に基づいて空燃比を算出
する方法などである。この空燃比の算出に際しては、制
御装置30で演算処理し、その演算結果に基づいて空燃
比制御装置40、点火回路50、排気タイミング調整装
置27等をフィードバック制御する。
【0029】一方、エンジン1の運転状態に応じた排気
ガスがO2センサ4を通過するタイミングデータを予め
求めてこれを記憶装置に保持しておき、運転状態検知値
に基づいたタイミングでO2センサにより酸素濃度を検
知して空燃比を算出するようにすることも可能である。
その際のタイミングは、酸素濃度が最低値になるときの
タイミングである。ここで、多気筒エンジンの場合に
は、燃焼サイクル中の酸素濃度の各気筒に対応する極小
値に基づき算出する方法とするのが好適である。この極
小値は、コンピュータ上で、酸素濃度の大小を順次比較
することにより求めることができる。その場合、4サイ
クルエンジンにおいてはクランク軸2回転中の、2サイ
クルエンジンにおいてはクランク軸1回転中の酸素濃度
の各気筒に対応する極小値を求めることになる。
【0030】図4は、O2センサ濃度検知情報取り込み
タイミングを示す概念図であり、3次元マップとして示
している。即ち、この図4ではエンジン回転数と負荷と
の関係からクランク角を求め、そのクランク角に基づい
てO2センサで検知する酸素濃度情報を取り込むための
タイミングを求めるものである。この場合、O2センサ
の配置位置に基づき、そのO2センサによる検知濃度が
極小になるときのタイミングについて、これを工場等に
おいて予め求めておき、そのタイミングで取り込むよう
に設定する。このような方法を採用することにより、連
続的に検知する酸素濃度の大小をコンピュータ上で比較
して極小値を求める方法に比べ、演算処理時間を早める
ことができ、その分、応答性を良くすることができる。
【0031】図5は、2サイクルエンジンの排気管2に
対するO2センサ4の設置可能領域を示す説明図であ
り、図6(イ)〜(ニ)は、そのO2センサ4の各取り
付け位置に対応する酸素濃度の変化態様を概念的に示し
た説明図である。なお、この図6(イ)〜(ニ)では、
各図相互を比較する上で、便宜上、時間軸をずらして表
示してある。O2センサ4が、排気ポート3に近いイの
位置にある場合、排気管2内を流れる既燃ガスと吹き抜
け新気との境界が比較的明確になっているため、O2セ
ンサ4によって検知される酸素濃度は図6(イ)に示す
ような曲線を示す。したがって、イの位置は設置可能領
域となる。
【0032】次に、ロの位置では、既燃ガスと吹き抜け
新気との境界付近における混合が若干進んではいるが、
最低値は図6(イ)と同様に維持されている。したがっ
て、このロの位置も設置可能領域内である。次に、ハの
位置では両ガスの混合がさらに進んではいるが、やはり
最低値は維持されているので、このハの位置も設置可能
領域であると言える。しかし、ニの位置に対応する図6
(ニ)では両ガスの混合が進み過ぎ、最低値が不確定で
ある。したがって、このニの位置は、O2センサの設置
領域外となる。即ち、O2センサの設置領域は、イ〜ハ
となり、しかも、上流側ほど好ましいことが判る。な
お、このO2センサの設置可能領域については、排気管
の形状や構造あるいはエンジンの種類等によってそれぞ
れ異なることはもちろんである。
【0033】図7は、4サイクルエンジンにおいて、排
気弁と吸気弁の開弁タイミングがオーバーラップして両
弁がともに開状態となる期間をもつエンジンからの排気
ガス中の酸素濃度の変化を示す説明図である。即ち、こ
のような4サイクルエンジンでは、排気サイクルと吸入
サイクルとの間に、吹き抜け新気混合排気通過期間があ
るため、従来のO2センサによる空燃比算出方法は適用
不可能である。しかし、本発明の算出方法では、酸素濃
度の最低値に基づき算出するようにしているので、こう
した4サイクルエンジンにも適用することができる。
【0034】図8は、2つの気筒#1、#2を持つエン
ジンにおけるO2センサの配置位置を示した概略平面図
である。この場合には、排気マニホールド2a、2aの
合流部にO2センサ4を配置している。このように配置
すると、既燃ガスの方は勢いが強いため、O2センサ4
付近に滞留しているガスを追い払う。したがって、この
2気筒180度クランク位相のエンジンにおいても、各
気筒を判別して排気ガス中の酸素濃度を検知することは
可能である。さらに、既燃ガスがO2センサ4を通過す
るタイミングに差があれば、3気筒以上の多気筒エンジ
ンにおいても適用することができる。しかもその場合、
1つのO2センサで済ますことが可能である。
【0035】図9は、図8で示した2気筒エンジンの排
気ガス中における酸素濃度の変化を示す説明図である。
この図9から理解できるように、気筒#1からの排気ガ
スがO2センサ4に到達するときの酸素濃度の変化曲線
と、気筒#2からの排気ガスがO2センサ4に到達する
ときの酸素濃度の変化曲線が交互に重なるように表示さ
れている。したがって、実際の酸素濃度検知値は破線で
示すような変化曲線となり、本発明を適用可能であるこ
とが判る。
【0036】なお、図示例においては、本発明を筒内噴
射方式のエンジンに適用した例を示したが、吸気管噴射
方式あるいはそれらの併用方式のものにも適用すること
ができる。
【0037】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、燃焼室
からの排気の中に、吸入工程で供給すべき新気の一部が
含まれて排出されるエンジンの空燃比算出技術として、
排気通路内を流れる排気ガスの中の酸素濃度が規則的に
変化する現象に着目し、この現象を検出するために必要
なO2センサの配置位置あるいは検出タイミング等に工
夫を凝らすことによって、エンジンの運転状態に応じた
最適空燃比を算出するための技術を提供することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 2サイクルエンジンの概略側面図である。
【図2】 制御系統全体を示すシステムブロック図であ
る。
【図3】 単気筒エンジンの排気ガスの酸素濃度の計測
例を示す説明図である。
【図4】 酸素濃度検知情報取り込みタイミングを演算
するための3次元マップの概念図である。
【図5】 排気管に対するO2センサの設置領域を示す説
明図である。
【図6】 O2センサの各取り付け位置に対応する酸素濃
度の変化態様を概念的に示した説明図である。
【図7】 排気弁と吸気弁とがオーバーラップして開状
態となる期間をもつ4サイクルエンジンからの排気ガス
中の酸素濃度の変化を示す説明図である。
【図8】 2気筒エンジンにおけるO2センサの配置位置
を示した概略平面図である。
【図9】 2気筒エンジンの排気ガス中における酸素濃
度の変化を示す説明図である。
【符号の説明】
1 エンジン 2 排気管(排気通路) 4 O2センサ 7 燃焼室 8 クランク軸 12 クランク各検出センサ 30 制御装置 40 空燃比制御装置

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 燃焼室からの排気の中に、吸入行程で供
    給すべき新気の一部が含まれて排出されるエンジンの空
    燃比算出方法であって、前記燃焼室の排気ポートから外
    気へ排気を導く排気通路の途中に、排気ガスの酸素濃度
    を検知するためのO2センサを配置し、前記燃焼室に供
    給される混合気の空燃比を、前記O2センサにより検知
    される酸素濃度のうち、所定の燃焼サイクル中の酸素濃
    度の最低値に基づき算出することを特徴とするエンジン
    の空燃比算出方法。
  2. 【請求項2】 前記各燃焼サイクル中の酸素濃度の最低
    値に基づき、各燃焼サイクル毎に前記空燃比を算出する
    ことを特徴とする、請求項1に記載のエンジンの空燃比
    算出方法。
  3. 【請求項3】 前記エンジンの所定のクランク角毎にあ
    るいは所定の時間毎に酸素濃度データをサンプリング
    し、そのサンプリング値のうち、最低値に基づき前記空
    燃比を算出することを特徴とする請求項1に記載のエン
    ジンの空燃比算出方法。
  4. 【請求項4】 運転状態に応じた排気ガスが、前記O2
    センサを通過するタイミングデータを予め求めて記憶装
    置に保持する一方、運転状態検知手段により検知される
    運転状態検知値に基づいたタイミングで前記O2センサ
    により酸素濃度を検知し、その酸素濃度検知値に基づき
    前記空燃比を算出することを特徴とする請求項1に記載
    のエンジンの空燃比算出方法。
  5. 【請求項5】 前記排気ガスが前記O2センサを通過す
    るタイミングは、O2センサにより検知される酸素濃度
    のうち、所定の燃焼サイクル中の酸素濃度の最低値が検
    知されるタイミングに基づいて求めるようにようにした
    ことを特徴とする請求項4に記載のエンジンの空燃比算
    出方法。
  6. 【請求項6】 運転状態に応じた所定空燃比となるよう
    に、燃焼室の排気ポートから外気へ排気を導く排気通路
    の途中に配置したO2センサで検知される酸素濃度によ
    り、空燃比可変手段をフィードバック制御するエンジン
    の空燃比制御装置において、前記排気通路における排気
    の流れ方向の、所定の燃焼サイクル中の酸素濃度の最低
    値の変化のうち、排気ポートから略一定の最低値が維持
    される範囲に前記O2センサを配置する一方、前記燃焼
    室に供給される混合気の空燃比を、前記O2センサによ
    り検知される酸素濃度のうち、所定の燃焼サイクル中の
    酸素濃度の最低値に基づき算出することを特徴とするエ
    ンジンの空燃比制御装置。
  7. 【請求項7】 運転状態に応じた所定空燃比となるよう
    に、燃焼室の排気ポートから外気へ排気を導く排気通路
    の途中に配置したO2センサで検知される酸素濃度によ
    り、空燃比可変手段をフィードバック制御するエンジン
    の空燃比制御装置において、前記排気通路における排気
    の流れ方向の、所定の燃焼サイクル中の酸素濃度の最低
    値の変化のうち、前記排気ポートから略一定の最低値が
    維持される範囲に前記O2センサを配置する一方、運転
    状態に応じた排気ガスが前記O2センサを通過するタイ
    ミングデータを予め求めて記憶装置に保持し、運転状態
    検知手段により検知される運転状態検知値に基づいたタ
    イミングで前記O2センサにより酸素濃度を検知し、そ
    の酸素濃度検知値に基づき前記空燃比を算出するように
    したことを特徴とするエンジンの空燃比制御装置。
  8. 【請求項8】 排気行程のタイミングが異なる複数気筒
    からなる複数の排気通路の合流部を含めて下流部の排気
    通路にO2センサを配置し、各気筒の燃焼室に供給され
    る混合気の空燃比を、O2センサにより検知される酸素
    濃度のうち、4サイクルエンジンにおいてはクランク軸
    2回転中の、2サイクルエンジンにおいてはクランク軸
    1回転中の燃焼サイクル中の酸素濃度の各気筒に対応す
    る極小値に基づき算出することを特徴とするエンジンの
    空燃比算出方法。
  9. 【請求項9】 排気行程のタイミングが異なる複数気筒
    からの複数の排気通路合流部を含めて下流部の排気通路
    にO2センサを配置し、各気筒への混合気の空燃比を、
    運転状態に応じた所定空燃比となるように、前記O2セ
    ンサで検知される酸素濃度により、各気筒毎に配置され
    る空燃比可変手段をフィードバック制御するエンジンの
    空燃比制御装置において、前記各気筒毎の空燃比を、O
    2センサで検知される酸素濃度のうち、4サイクルエン
    ジンにおいてはクランク軸2回転中の、2サイクルエン
    ジンにおいてはクランク軸1回転中の酸素濃度の各気筒
    に対応する極小値に基づき算出することを特徴とするエ
    ンジンの空燃比制御装置。
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