JPH09188864A - アクリル系感圧接着剤用粘着付与樹脂及びアクリル系感圧接着剤組成物 - Google Patents
アクリル系感圧接着剤用粘着付与樹脂及びアクリル系感圧接着剤組成物Info
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- JPH09188864A JPH09188864A JP31131096A JP31131096A JPH09188864A JP H09188864 A JPH09188864 A JP H09188864A JP 31131096 A JP31131096 A JP 31131096A JP 31131096 A JP31131096 A JP 31131096A JP H09188864 A JPH09188864 A JP H09188864A
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- resin
- acrylic pressure
- sensitive adhesive
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 接着力、保持力、タック等の粘着特性に優
れ、アクリル系重合体と相溶するもので、しかも淡色で
実用的な価格のアクリル系感圧接着剤用粘着付与樹脂を
提供するとともに、当該粘着付与樹脂をアクリル系重合
体に配合してなるアクリル系感圧接着剤組成物を提供す
ること。 【解決手段】 アクリル系感圧接着剤用粘着付与樹脂と
して芳香族系炭化水素樹脂の水素化物であって、該水素
化物がアクリル系重合体と相溶し、かつ淡色のものを用
いる。
れ、アクリル系重合体と相溶するもので、しかも淡色で
実用的な価格のアクリル系感圧接着剤用粘着付与樹脂を
提供するとともに、当該粘着付与樹脂をアクリル系重合
体に配合してなるアクリル系感圧接着剤組成物を提供す
ること。 【解決手段】 アクリル系感圧接着剤用粘着付与樹脂と
して芳香族系炭化水素樹脂の水素化物であって、該水素
化物がアクリル系重合体と相溶し、かつ淡色のものを用
いる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はアクリル系感圧接着
剤用粘着付与樹脂及びアクリル系感圧接着剤組成物に関
する。詳しくは、本発明のアクリル系感圧接着剤組成物
は、包装、装飾、ラベル(たとえば、フイルムラベ
ル)、粘接着テープ、両面接着テープ等に利用できる。
剤用粘着付与樹脂及びアクリル系感圧接着剤組成物に関
する。詳しくは、本発明のアクリル系感圧接着剤組成物
は、包装、装飾、ラベル(たとえば、フイルムラベ
ル)、粘接着テープ、両面接着テープ等に利用できる。
【0002】
【従来の技術】アクリル系重合体を主成分とするアクリ
ル系感圧接着剤は、無色透明で耐老化性に優れることか
ら広く使用されている。またアクリル系感圧接着剤に
は、各種用途に応じた接着力、保持力、タック等の粘着
特性を付与するために粘着付与樹脂が配合されている。
ル系感圧接着剤は、無色透明で耐老化性に優れることか
ら広く使用されている。またアクリル系感圧接着剤に
は、各種用途に応じた接着力、保持力、タック等の粘着
特性を付与するために粘着付与樹脂が配合されている。
【0003】しかし、アクリル系感圧接着剤の粘着付与
樹脂として知られているロジン系樹脂、テルペン系樹脂
や石油樹脂等は、一般に色調が悪く、食品包装用や衛生
材料用等の色調を重視する分野等においては使用し難
い。一方、水素化ロジン系樹脂(たとえば、無色化した
ロジン)等は色調には優れるが、保持力、タック、耐光
性が十分でなく、またコストが高いため実用的でない。
樹脂として知られているロジン系樹脂、テルペン系樹脂
や石油樹脂等は、一般に色調が悪く、食品包装用や衛生
材料用等の色調を重視する分野等においては使用し難
い。一方、水素化ロジン系樹脂(たとえば、無色化した
ロジン)等は色調には優れるが、保持力、タック、耐光
性が十分でなく、またコストが高いため実用的でない。
【0004】また、既存の芳香族系炭化水素樹脂の水素
化物は色調に優れ比較的安価であるが、芳香環の水素化
率が一般に70%以上でありベースポリマーのアクリル
系重合体との相溶性が悪く、接着性やタックも悪いため
実用化されていない。さらにはこのような芳香族系炭化
水素樹脂の水素化物は、ロジン系樹脂と併用できる旨が
特開平6−207151号公報等に記載されているが、
ロジン系樹脂を使用するため色調面を満足できない。
化物は色調に優れ比較的安価であるが、芳香環の水素化
率が一般に70%以上でありベースポリマーのアクリル
系重合体との相溶性が悪く、接着性やタックも悪いため
実用化されていない。さらにはこのような芳香族系炭化
水素樹脂の水素化物は、ロジン系樹脂と併用できる旨が
特開平6−207151号公報等に記載されているが、
ロジン系樹脂を使用するため色調面を満足できない。
【0005】一方、スチレンとC5系炭化水素樹脂、ジ
シクロペンタジエン、テルペン類等との共重合物を水素
化した樹脂や、特開平1−215881号公報等に記載
のキシレン等から得られるいわゆるキシレン樹脂が、淡
色のアクリル系感圧接着剤用の粘着付与樹脂として知ら
れている。しかし、安価なC9留分のみを主原料とした
淡色のアクリル系感圧接着剤用の粘着付与樹脂は未だ知
られていない。
シクロペンタジエン、テルペン類等との共重合物を水素
化した樹脂や、特開平1−215881号公報等に記載
のキシレン等から得られるいわゆるキシレン樹脂が、淡
色のアクリル系感圧接着剤用の粘着付与樹脂として知ら
れている。しかし、安価なC9留分のみを主原料とした
淡色のアクリル系感圧接着剤用の粘着付与樹脂は未だ知
られていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は接着力、保持
力、タック等の粘着特性に優れ、アクリル系重合体と相
溶し、しかも淡色で実用的な価格の芳香族系炭化水素樹
脂の水素化物を用いたアクリル系感圧接着剤用粘着付与
樹脂を提供するとともに、当該粘着付与樹脂をアクリル
系重合体に配合してなるアクリル系感圧接着剤組成物を
提供することを目的とする。
力、タック等の粘着特性に優れ、アクリル系重合体と相
溶し、しかも淡色で実用的な価格の芳香族系炭化水素樹
脂の水素化物を用いたアクリル系感圧接着剤用粘着付与
樹脂を提供するとともに、当該粘着付与樹脂をアクリル
系重合体に配合してなるアクリル系感圧接着剤組成物を
提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決すべく芳香族系炭化水素樹脂の水素化率に着目し
て鋭意検討を行なった結果、芳香族系炭化水素樹脂の芳
香環の水素化率を低く抑えることにより、上記目的に合
致したアクリル系感圧接着剤用粘着付与樹脂が得られ、
また当該粘着付与樹脂が、溶剤型、エマルジョン型のい
ずれのアクリル系感圧接着剤組成物にも適用できること
を見出した。本発明は、かかる新たな知見に基づいて完
成されたものである。
を解決すべく芳香族系炭化水素樹脂の水素化率に着目し
て鋭意検討を行なった結果、芳香族系炭化水素樹脂の芳
香環の水素化率を低く抑えることにより、上記目的に合
致したアクリル系感圧接着剤用粘着付与樹脂が得られ、
また当該粘着付与樹脂が、溶剤型、エマルジョン型のい
ずれのアクリル系感圧接着剤組成物にも適用できること
を見出した。本発明は、かかる新たな知見に基づいて完
成されたものである。
【0008】すなわち、本発明は、芳香族系炭化水素樹
脂の水素化物であって、該水素化物がアクリル系重合体
と相溶し、かつ淡色のものを含有してなるアクリル系感
圧接着剤用粘着付与樹脂および当該粘着付与樹脂エマル
ジョン、ならびにアクリル系重合体またはアクリル系重
合体エマルジョンに、前記アクリル系感圧接着剤用粘着
付与樹脂または当該粘着付与樹脂エマルジョンを配合し
てなる溶剤型およびエマルジョン型のアクリル系感圧接
着剤組成物に関する。
脂の水素化物であって、該水素化物がアクリル系重合体
と相溶し、かつ淡色のものを含有してなるアクリル系感
圧接着剤用粘着付与樹脂および当該粘着付与樹脂エマル
ジョン、ならびにアクリル系重合体またはアクリル系重
合体エマルジョンに、前記アクリル系感圧接着剤用粘着
付与樹脂または当該粘着付与樹脂エマルジョンを配合し
てなる溶剤型およびエマルジョン型のアクリル系感圧接
着剤組成物に関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明のアクリル系感圧接着剤用
粘着付与樹脂は、芳香族系炭化水素樹脂を、芳香環の水
素化率を低く抑えて水素化することにより製造すること
ができる。
粘着付与樹脂は、芳香族系炭化水素樹脂を、芳香環の水
素化率を低く抑えて水素化することにより製造すること
ができる。
【0010】原料となる芳香族系炭化水素樹脂としては
特に限定されないが、一般に、ナフサのクラッキングに
より得たC9留分(たとえば、重合性モノマーとして、
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イン
デン類等、その他高沸点の化合物等が含まれている。)
を、カチオン重合して得られたものを用いることができ
る。通常、C9留分はビニルトルエン、インデンをそれ
ぞれ40重量%程度含有し、残り20重量%程度がスチ
レン等からなる。本発明では、このようにC9留分をカ
チオン重合して得られた芳香族系炭化水素樹脂のなかで
も、C9留分を蒸留することにより、C9留分のインデ
ン類や高沸点の化合物等を除去し、重合性モノマー中の
ビニルトルエン含有量が50重量%以上で、インデンの
含有量が20重量%以下になるように調製したものを用
いるのが当該芳香族系炭化水素樹脂を水素化して得られ
る水素化物の色調面から好ましい。ビニルトルエン含有
量は、好ましくは55重量%以上、より好ましくは60
重量%以上であり多い程よく、インデンの含有量は好ま
しくは15重量%以下であり少ない程よい。通常のC9
留分よりもビニルトルエン含有量が多く、インデン含有
量が少ないと色調が良くなるのは、ビニルトルエンに比
べてインデンが着色し易い傾向にあるためである。
特に限定されないが、一般に、ナフサのクラッキングに
より得たC9留分(たとえば、重合性モノマーとして、
スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン、イン
デン類等、その他高沸点の化合物等が含まれている。)
を、カチオン重合して得られたものを用いることができ
る。通常、C9留分はビニルトルエン、インデンをそれ
ぞれ40重量%程度含有し、残り20重量%程度がスチ
レン等からなる。本発明では、このようにC9留分をカ
チオン重合して得られた芳香族系炭化水素樹脂のなかで
も、C9留分を蒸留することにより、C9留分のインデ
ン類や高沸点の化合物等を除去し、重合性モノマー中の
ビニルトルエン含有量が50重量%以上で、インデンの
含有量が20重量%以下になるように調製したものを用
いるのが当該芳香族系炭化水素樹脂を水素化して得られ
る水素化物の色調面から好ましい。ビニルトルエン含有
量は、好ましくは55重量%以上、より好ましくは60
重量%以上であり多い程よく、インデンの含有量は好ま
しくは15重量%以下であり少ない程よい。通常のC9
留分よりもビニルトルエン含有量が多く、インデン含有
量が少ないと色調が良くなるのは、ビニルトルエンに比
べてインデンが着色し易い傾向にあるためである。
【0011】前記原料である芳香族系炭化水素樹脂の水
素化は、水素化触媒の存在下、水素化条件を適宜に調整
して芳香環の水素化率を低く抑え、得られる水素化物が
アクリル系重合体と相溶しかつ淡色となるように行う。
通常は、オレフィン性二重結合の全部と芳香環の0〜5
0%を水素化し、該水素化物がアクリル系重合体と相溶
しかつ淡色となるように行う。
素化は、水素化触媒の存在下、水素化条件を適宜に調整
して芳香環の水素化率を低く抑え、得られる水素化物が
アクリル系重合体と相溶しかつ淡色となるように行う。
通常は、オレフィン性二重結合の全部と芳香環の0〜5
0%を水素化し、該水素化物がアクリル系重合体と相溶
しかつ淡色となるように行う。
【0012】当該水素化物がアクリル系重合体と相溶す
るとは、アクリル系重合体100重量部(固形分)と当
該水素化物1〜40重量部を混合した場合に、両者が均
一に混和し、相分離を起こしていない状態をいう。一般
には、相溶している場合にはアクリル系重合体と当該水
素化物からなる混合物は無色透明であり、相分離を起こ
すと白濁した状態になるため、目視で十分判断できる。
なお、当該水素化物がアクリル系重合体に部分相溶して
いる場合には少し濁ってるが、こうした部分相溶してい
る状態も相溶している範疇である。また、当該水素化物
を含むアクリル系重合体組成物のガラス転移点が、アク
リル系重合体のガラス転移点と異なる場合に、当該水素
化物がアクリル系重合体と相溶していると判断すること
ができる。通常、相溶している場合にはアクリル系重合
体組成物のガラス転移点はアクリル系重合体のガラス転
移点より高くなる。その他に、当該水素化物がアクリル
系重合体と相溶していることを示す判断基準としては、
得られたアクリル系重合体組成物(膜厚35μm)の光
透過率(波長500nm)を測定し、光透過率が50%
以上あれば相溶しているとされる。好ましくは光透過率
が70%以上である。
るとは、アクリル系重合体100重量部(固形分)と当
該水素化物1〜40重量部を混合した場合に、両者が均
一に混和し、相分離を起こしていない状態をいう。一般
には、相溶している場合にはアクリル系重合体と当該水
素化物からなる混合物は無色透明であり、相分離を起こ
すと白濁した状態になるため、目視で十分判断できる。
なお、当該水素化物がアクリル系重合体に部分相溶して
いる場合には少し濁ってるが、こうした部分相溶してい
る状態も相溶している範疇である。また、当該水素化物
を含むアクリル系重合体組成物のガラス転移点が、アク
リル系重合体のガラス転移点と異なる場合に、当該水素
化物がアクリル系重合体と相溶していると判断すること
ができる。通常、相溶している場合にはアクリル系重合
体組成物のガラス転移点はアクリル系重合体のガラス転
移点より高くなる。その他に、当該水素化物がアクリル
系重合体と相溶していることを示す判断基準としては、
得られたアクリル系重合体組成物(膜厚35μm)の光
透過率(波長500nm)を測定し、光透過率が50%
以上あれば相溶しているとされる。好ましくは光透過率
が70%以上である。
【0013】当該水素化物が淡色物となるとは、色調が
重視される分野において、当該水素化物をアクリル系重
合体に混合してなる組成物が、当該分野で使用できる程
度に当該水素化物が淡色化されていることをいう。一般
的に淡色化されているとは、当該水素化物の色調がガー
ドナー3程度以下、好ましくはガードナー2以下、より
好ましくはガードナー1以下であることをいう。
重視される分野において、当該水素化物をアクリル系重
合体に混合してなる組成物が、当該分野で使用できる程
度に当該水素化物が淡色化されていることをいう。一般
的に淡色化されているとは、当該水素化物の色調がガー
ドナー3程度以下、好ましくはガードナー2以下、より
好ましくはガードナー1以下であることをいう。
【0014】また、オレフィン性二重結合が残存する程
度の水素化では脱色が不十分である。一方、芳香環の水
素化率が50%を越える場合にはアクリル系重合体との
相溶性が悪く接着性が著しく低下する傾向があるため好
ましくない。アクリル系重合体との相溶性の点から芳香
環の水素化率は0〜30%が好ましい。なお、芳香環の
水素化率は少ないほど極性を有し、接着力が向上する傾
向にあるため芳香環の水素化率は0%でもよい。
度の水素化では脱色が不十分である。一方、芳香環の水
素化率が50%を越える場合にはアクリル系重合体との
相溶性が悪く接着性が著しく低下する傾向があるため好
ましくない。アクリル系重合体との相溶性の点から芳香
環の水素化率は0〜30%が好ましい。なお、芳香環の
水素化率は少ないほど極性を有し、接着力が向上する傾
向にあるため芳香環の水素化率は0%でもよい。
【0015】水素化触媒としては、ニッケル、パラジウ
ム、白金、コバルト、ロジウム、ルテニウム、レニウ
ム、モリブデン等の金属またはこれらの酸化物、硫化物
等の金属化合物等の各種のものを使用できる。また、か
かる水素化触媒は多孔質で表面積の大きなアルミナ、シ
リカ(ケイソウ土)、カーボン、チタニア等の担体に担
持して使用してもよい。これら水素化触媒のなかでもア
ルカリ土類金属を含むニッケル−ケイソウ土触媒が、水
素化率を前記範囲内に調整し易く、色調に優れたものが
得られる点で好ましい。このような水素化触媒として
は、たとえば、安定化ニッケル−ケイソウ土触媒(「N
−113」、日揮化学(株)製)等があげられる。水素
化触媒の使用量は、原料樹脂である芳香族系炭化水素樹
脂の0.1〜2重量%程度、好ましくは0.1〜0.8
重量%である。0.1重量%に満たない場合は水素化が
進み難く、2重量%を越える場合には水素化が進みすぎ
る傾向がある。
ム、白金、コバルト、ロジウム、ルテニウム、レニウ
ム、モリブデン等の金属またはこれらの酸化物、硫化物
等の金属化合物等の各種のものを使用できる。また、か
かる水素化触媒は多孔質で表面積の大きなアルミナ、シ
リカ(ケイソウ土)、カーボン、チタニア等の担体に担
持して使用してもよい。これら水素化触媒のなかでもア
ルカリ土類金属を含むニッケル−ケイソウ土触媒が、水
素化率を前記範囲内に調整し易く、色調に優れたものが
得られる点で好ましい。このような水素化触媒として
は、たとえば、安定化ニッケル−ケイソウ土触媒(「N
−113」、日揮化学(株)製)等があげられる。水素
化触媒の使用量は、原料樹脂である芳香族系炭化水素樹
脂の0.1〜2重量%程度、好ましくは0.1〜0.8
重量%である。0.1重量%に満たない場合は水素化が
進み難く、2重量%を越える場合には水素化が進みすぎ
る傾向がある。
【0016】水素化反応の条件は、水素化圧力は通常3
0〜300Kg/cm2 程度の範囲、反応温度は通常2
00〜300℃程度の範囲で適宜に調整して行う。好ま
しくは水素化圧力は100〜200Kg/cm2 であ
り、反応温度は240〜300℃である。水素化圧力が
30Kg/cm2 に満たない場合には水素化が進み難
く、300Kg/cm2 を越える場合には設備上の問題
がある。また、反応温度が200℃以下の場合には得ら
れる水素化樹脂の淡色化が難しく、300℃を越える場
合には分解が起こり軟化点が低下する傾向がある。また
反応時間は通常1〜7時間程度、好ましくは2〜6時間
である。前記水素化反応は芳香族系炭化水素樹脂を溶融
して、または溶剤に溶解した状態で行う。溶剤として
は、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、デ
カリン等を使用できる。
0〜300Kg/cm2 程度の範囲、反応温度は通常2
00〜300℃程度の範囲で適宜に調整して行う。好ま
しくは水素化圧力は100〜200Kg/cm2 であ
り、反応温度は240〜300℃である。水素化圧力が
30Kg/cm2 に満たない場合には水素化が進み難
く、300Kg/cm2 を越える場合には設備上の問題
がある。また、反応温度が200℃以下の場合には得ら
れる水素化樹脂の淡色化が難しく、300℃を越える場
合には分解が起こり軟化点が低下する傾向がある。また
反応時間は通常1〜7時間程度、好ましくは2〜6時間
である。前記水素化反応は芳香族系炭化水素樹脂を溶融
して、または溶剤に溶解した状態で行う。溶剤として
は、シクロヘキサン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、デ
カリン等を使用できる。
【0017】なお、触媒の使用量および反応時間につい
ては、反応形式として回分式を採用した場合について説
明したが、反応形式としては流通式(固定床式、流動床
式等)を採用することもできる。
ては、反応形式として回分式を採用した場合について説
明したが、反応形式としては流通式(固定床式、流動床
式等)を採用することもできる。
【0018】得られた芳香族系炭化水素樹脂の水素化物
の軟化点は、通常70〜150℃程度、好ましくは80
〜120℃である。また、数平均分子量は、通常500
〜1600、好ましくは500〜900である。なお、
原料(未水素化物)も、水素化物と同程度の軟化点、数
平均分子量である。
の軟化点は、通常70〜150℃程度、好ましくは80
〜120℃である。また、数平均分子量は、通常500
〜1600、好ましくは500〜900である。なお、
原料(未水素化物)も、水素化物と同程度の軟化点、数
平均分子量である。
【0019】前記本発明の芳香族系炭化水素樹脂の水素
化物(粘着付与樹脂)は、エマルジョン化して粘着付与
樹脂エマルジョンとして用いることもできる。当該粘着
付与樹脂をエマルジョン化する方法は、特に限定されず
各種の方法を採用できる。たとえば、前記粘着付与樹
脂をベンゼン、トルエン等の溶剤に溶解し、さらに乳化
剤と軟水を添加し、高圧乳化機を用いてエマルジョン化
したのち、減圧下に溶剤を除去する方法、前記粘着付
与樹脂の軟化点が約90℃以下となるよう少量のベンゼ
ン、トルエン等の溶剤を混合し、つづいて乳化剤を練り
込み、さらに熱水を徐々に添加してゆき転相乳化させて
エマルジョンを得、必要により溶剤を減圧下に除去しも
しくは除去せずそのまま使用する方法、またはオート
クレーブ中にて粘着付与樹脂の軟化点以上に昇温して乳
化剤を練り込み、熱水を徐々に添加してゆき転相乳化さ
せてエマルジョン化する方法等をあげることができる。
なお、得られる粘着付与樹脂エマルジョンの固形分濃度
は、通常40〜65重量%程度に調製するのが好まし
い。
化物(粘着付与樹脂)は、エマルジョン化して粘着付与
樹脂エマルジョンとして用いることもできる。当該粘着
付与樹脂をエマルジョン化する方法は、特に限定されず
各種の方法を採用できる。たとえば、前記粘着付与樹
脂をベンゼン、トルエン等の溶剤に溶解し、さらに乳化
剤と軟水を添加し、高圧乳化機を用いてエマルジョン化
したのち、減圧下に溶剤を除去する方法、前記粘着付
与樹脂の軟化点が約90℃以下となるよう少量のベンゼ
ン、トルエン等の溶剤を混合し、つづいて乳化剤を練り
込み、さらに熱水を徐々に添加してゆき転相乳化させて
エマルジョンを得、必要により溶剤を減圧下に除去しも
しくは除去せずそのまま使用する方法、またはオート
クレーブ中にて粘着付与樹脂の軟化点以上に昇温して乳
化剤を練り込み、熱水を徐々に添加してゆき転相乳化さ
せてエマルジョン化する方法等をあげることができる。
なお、得られる粘着付与樹脂エマルジョンの固形分濃度
は、通常40〜65重量%程度に調製するのが好まし
い。
【0020】前記粘着付与樹脂をエマルジョン化するの
に使用する乳化剤としては各種のものを例示でき、たと
えば、α−オレフィンスルホン化物、アルキルサルフェ
ート、アルキルフェニルサルフェート、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキ
シエチレンアラルキルフェニルエーテルのスルホコハク
酸のハーフエステル塩、ロジン石鹸等のアニオン系乳化
剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の
ノニオン系乳化剤があげられる。また、乳化剤の使用量
は特に限定されないが通常、粘着付与樹脂100重量部
に対し、固形分換算で1〜10重量部程度、好ましくは
1〜5重量部である。
に使用する乳化剤としては各種のものを例示でき、たと
えば、α−オレフィンスルホン化物、アルキルサルフェ
ート、アルキルフェニルサルフェート、ポリオキシエチ
レンアルキルフェニルエーテルサルフェート、ポリオキ
シエチレンアラルキルフェニルエーテルのスルホコハク
酸のハーフエステル塩、ロジン石鹸等のアニオン系乳化
剤、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル等の
ノニオン系乳化剤があげられる。また、乳化剤の使用量
は特に限定されないが通常、粘着付与樹脂100重量部
に対し、固形分換算で1〜10重量部程度、好ましくは
1〜5重量部である。
【0021】上記のようにして得られた本発明の芳香族
系炭化水素樹脂の水素化物からなるアクリル系感圧接着
剤用粘着付与樹脂または当該粘着付与樹脂のエマルジョ
ンは、一般にアクリル系感圧接着剤に使用されているベ
ースポリマー(アクリル系重合体またはアクリル系重合
体エマルジョン)に配合されて、溶剤型またはエマルジ
ョン型のアクリル系感圧接着剤組成物を構成する。
系炭化水素樹脂の水素化物からなるアクリル系感圧接着
剤用粘着付与樹脂または当該粘着付与樹脂のエマルジョ
ンは、一般にアクリル系感圧接着剤に使用されているベ
ースポリマー(アクリル系重合体またはアクリル系重合
体エマルジョン)に配合されて、溶剤型またはエマルジ
ョン型のアクリル系感圧接着剤組成物を構成する。
【0022】アクリル系重合体に使用されるモノマーと
しては、各種(メタ)アクリル酸エステル(なお、(メ
タ)アクリル酸エステルとはアクリル酸エステルおよび
/またはメタクリル酸エステルをいい、以下(メタ)と
は同様の意味である)を使用できる。かかる(メタ)ア
クリル酸エステルの具体例としては、たとえば、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エ
チルヘキシル等を例示でき、これらを単独もしくは組合
せて使用できる。また、得られるアクリル系重合体に極
性を付与するために前記(メタ)アクリル酸エステルの
一部に代えて(メタ)アクリル酸を少量使用することも
できる。さらに、架橋性単量体として(メタ)アクリル
酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等も併用し
うる。更に所望により、(メタ)アクリル酸エステル重
合体の粘着特性を損なわない程度において他の共重合可
能な単量体、たとえば酢酸ビニル、スチレン等を併用し
うる。
しては、各種(メタ)アクリル酸エステル(なお、(メ
タ)アクリル酸エステルとはアクリル酸エステルおよび
/またはメタクリル酸エステルをいい、以下(メタ)と
は同様の意味である)を使用できる。かかる(メタ)ア
クリル酸エステルの具体例としては、たとえば、(メ
タ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エ
チルヘキシル等を例示でき、これらを単独もしくは組合
せて使用できる。また、得られるアクリル系重合体に極
性を付与するために前記(メタ)アクリル酸エステルの
一部に代えて(メタ)アクリル酸を少量使用することも
できる。さらに、架橋性単量体として(メタ)アクリル
酸グリシジル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチ
ル、N−メチロール(メタ)アクリルアミド等も併用し
うる。更に所望により、(メタ)アクリル酸エステル重
合体の粘着特性を損なわない程度において他の共重合可
能な単量体、たとえば酢酸ビニル、スチレン等を併用し
うる。
【0023】これら(メタ)アクリル酸エステルを主成
分とするアクリル系重合体のガラス転移温度は特に制限
はされないが、通常は−70〜0℃程度であり、上限と
しては−10℃以下、下限としては−60℃以上とする
のが好ましい。ガラス転移温度が0℃よりもあまりにも
高い場合にはタックが低下し、−70℃よりもあまりに
も低い場合には接着力が低下する傾向がある。また、分
子量は特に限定されないが、通常、重量分子量が20万
〜100万程度である。
分とするアクリル系重合体のガラス転移温度は特に制限
はされないが、通常は−70〜0℃程度であり、上限と
しては−10℃以下、下限としては−60℃以上とする
のが好ましい。ガラス転移温度が0℃よりもあまりにも
高い場合にはタックが低下し、−70℃よりもあまりに
も低い場合には接着力が低下する傾向がある。また、分
子量は特に限定されないが、通常、重量分子量が20万
〜100万程度である。
【0024】前記アクリル系重合体は、各種公知の方法
により製造でき、たとえば、バルク重合法、溶液重合
法、懸濁重合法等のラジカル重合法を適宜選択できる。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物系の各
種公知のものを使用でき、反応温度は通常50〜85℃
程度、反応時間は1〜8時間程度とされる。また、アク
リル系重合体の溶媒としては一般に酢酸エチル、トルエ
ン等の極性溶剤が用いられ、溶液濃度は通常40〜60
重量%程度とされる。
により製造でき、たとえば、バルク重合法、溶液重合
法、懸濁重合法等のラジカル重合法を適宜選択できる。
ラジカル重合開始剤としては、アゾ系、過酸化物系の各
種公知のものを使用でき、反応温度は通常50〜85℃
程度、反応時間は1〜8時間程度とされる。また、アク
リル系重合体の溶媒としては一般に酢酸エチル、トルエ
ン等の極性溶剤が用いられ、溶液濃度は通常40〜60
重量%程度とされる。
【0025】一方、アクリル系重合体エマルジョンは、
一般的な乳化重合により製造することができる。たとえ
ば、(メタ)アクリル酸エステル等のモノマーの一括仕
込み重合法、モノマー逐次添加重合法、シード重合法等
を採用できる。またアクリル系重合体エマルジョンに用
いられる乳化剤としては前記アニオン系乳化剤、部分ケ
ン化ポリビニルアルコール等の各種のものを使用でき、
その使用量はアクリル系重合体100重量部に対して通
常0.1〜5重量部程度、好ましく0.1〜3重量部で
ある。アクリル系重合体エマルジョンの固形分濃度は、
通常40〜70重量%程度に調製するのが好ましい。
一般的な乳化重合により製造することができる。たとえ
ば、(メタ)アクリル酸エステル等のモノマーの一括仕
込み重合法、モノマー逐次添加重合法、シード重合法等
を採用できる。またアクリル系重合体エマルジョンに用
いられる乳化剤としては前記アニオン系乳化剤、部分ケ
ン化ポリビニルアルコール等の各種のものを使用でき、
その使用量はアクリル系重合体100重量部に対して通
常0.1〜5重量部程度、好ましく0.1〜3重量部で
ある。アクリル系重合体エマルジョンの固形分濃度は、
通常40〜70重量%程度に調製するのが好ましい。
【0026】本発明の溶剤型のアクリル系感圧接着剤組
成物の組成比は、固形分換算量でアクリル系重合体10
0重量部に対して、前記粘着付与樹脂1〜40重量部程
度である。粘着付与樹脂の使用量の上限としては30重
量部以下、下限としては5重量部以上が好ましい。一
方、エマルジョン型のアクリル系感圧接着剤組成物の組
成比は、固形分換算量でアクリル系重合体エマルジョン
100重量部に対して、前記粘着付与樹脂エマルジョン
1〜40重量部程度である。粘着付与樹脂エマルジョン
の使用量の上限として20重量部以下、下限としては3
重量部以上が好ましい。粘着付与樹脂または粘着付与樹
脂エマルジョンの使用量が前記範囲に満たない場合には
十分な粘着特性を付与することが困難となる。前記使用
量を越える場合には相溶性の低下のみならず接着剤組成
物が固くなり接着力及びタックも低下するため好ましく
ない。
成物の組成比は、固形分換算量でアクリル系重合体10
0重量部に対して、前記粘着付与樹脂1〜40重量部程
度である。粘着付与樹脂の使用量の上限としては30重
量部以下、下限としては5重量部以上が好ましい。一
方、エマルジョン型のアクリル系感圧接着剤組成物の組
成比は、固形分換算量でアクリル系重合体エマルジョン
100重量部に対して、前記粘着付与樹脂エマルジョン
1〜40重量部程度である。粘着付与樹脂エマルジョン
の使用量の上限として20重量部以下、下限としては3
重量部以上が好ましい。粘着付与樹脂または粘着付与樹
脂エマルジョンの使用量が前記範囲に満たない場合には
十分な粘着特性を付与することが困難となる。前記使用
量を越える場合には相溶性の低下のみならず接着剤組成
物が固くなり接着力及びタックも低下するため好ましく
ない。
【0027】なお、溶剤型のアクリル系感圧接着剤組成
物は、前記アクリル系重合体および粘着付与樹脂に、ポ
リイソシアネート化合物、ポリアミン化合物、メラミン
樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂等の架橋剤を加えること
により、凝集力、耐熱性を更に向上させることもでき
る。これら架橋剤のなかでも、特にポリイソシアネート
化合物を使用するのが好ましく、その具体例としては、
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の各
種公知のものがあげられる。さらに本発明のアクリル系
感圧接着剤組成物は必要に応じて充填剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤等を適宜使用しうる。また、本発明のアク
リル系感圧接着剤組成物は、本発明の目的を逸脱しない
範囲で各種公知の粘着付与樹脂を併用することもでき
る。
物は、前記アクリル系重合体および粘着付与樹脂に、ポ
リイソシアネート化合物、ポリアミン化合物、メラミン
樹脂、尿素樹脂、エポキシ樹脂等の架橋剤を加えること
により、凝集力、耐熱性を更に向上させることもでき
る。これら架橋剤のなかでも、特にポリイソシアネート
化合物を使用するのが好ましく、その具体例としては、
1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、テトラメチ
レンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、
キシリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネー
ト、4,4−ジフェニルメタンジイソシアネート等の各
種公知のものがあげられる。さらに本発明のアクリル系
感圧接着剤組成物は必要に応じて充填剤、酸化防止剤、
紫外線吸収剤等を適宜使用しうる。また、本発明のアク
リル系感圧接着剤組成物は、本発明の目的を逸脱しない
範囲で各種公知の粘着付与樹脂を併用することもでき
る。
【0028】また、エマルジョン型のアクリル系感圧接
着剤組成物は必要に応じて消泡剤、増粘剤、充填剤、酸
化防止剤、耐水化剤、造膜助剤等を、また本発明の目的
を逸脱しない範囲で各種公知の粘着付与樹脂エマルジョ
ンを併用することもできる。
着剤組成物は必要に応じて消泡剤、増粘剤、充填剤、酸
化防止剤、耐水化剤、造膜助剤等を、また本発明の目的
を逸脱しない範囲で各種公知の粘着付与樹脂エマルジョ
ンを併用することもできる。
【0029】
【発明の効果】本発明によれば、接着力、凝集力(保持
力)、タック等の粘着特性に優れ、淡色であって、しか
もアクリル系重合体との相溶性に優れた粘着付与樹脂お
よび粘着付与樹脂エマルジョンを提供でき、また当該粘
着付与樹脂または粘着付与樹脂エマルジョンを用いた溶
剤型またはエマルジョン型のアクリル系感圧接着剤組成
物を提供できる。また、本発明の粘着付与樹脂を用いた
アクリル系感圧接着剤組成物は、粘着付与樹脂としてロ
ジン系樹脂等を用いたものに比べて、保持力、タック、
耐光性、耐候性に優れ、オレフィン等との接着性もよ
い。さらには、粘着付与樹脂の原料が石油等から得られ
る安価な芳香族留分であり、実用的な価格のものを提供
することができる。また、エマルジョン型のアクリル系
感圧接着剤組成物は、大気汚染がないこと、安全衛生に
優れていること及び省資源に適すること等の種々の利点
を有する。
力)、タック等の粘着特性に優れ、淡色であって、しか
もアクリル系重合体との相溶性に優れた粘着付与樹脂お
よび粘着付与樹脂エマルジョンを提供でき、また当該粘
着付与樹脂または粘着付与樹脂エマルジョンを用いた溶
剤型またはエマルジョン型のアクリル系感圧接着剤組成
物を提供できる。また、本発明の粘着付与樹脂を用いた
アクリル系感圧接着剤組成物は、粘着付与樹脂としてロ
ジン系樹脂等を用いたものに比べて、保持力、タック、
耐光性、耐候性に優れ、オレフィン等との接着性もよ
い。さらには、粘着付与樹脂の原料が石油等から得られ
る安価な芳香族留分であり、実用的な価格のものを提供
することができる。また、エマルジョン型のアクリル系
感圧接着剤組成物は、大気汚染がないこと、安全衛生に
優れていること及び省資源に適すること等の種々の利点
を有する。
【0030】
【実施例】以下に実施例及び比較例をあげて本発明をさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。なお、各例中、部は重量基準であ
る。
らに詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定さ
れるものではない。なお、各例中、部は重量基準であ
る。
【0031】製造例1(アクリル系重合体の製造) 攪拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備え
た反応装置に酢酸エチル57部、トルエン33部、アク
リル酸ブチル97部およびアクリル酸3部を仕込んだ
後、窒素気流下に系内温度が約75℃となるまで昇温し
た。次いで、あらかじめアゾビスイソブチロニトリル
0.5部および酢酸エチル10部を仕込んだ滴下ロート
から約3時間を要して系内に滴下し、更に5時間同温度
に保って重合反応を完結させ、固形分49.6%、粘度
(23℃)11000cpsのアクリル系重合体を得
た。
た反応装置に酢酸エチル57部、トルエン33部、アク
リル酸ブチル97部およびアクリル酸3部を仕込んだ
後、窒素気流下に系内温度が約75℃となるまで昇温し
た。次いで、あらかじめアゾビスイソブチロニトリル
0.5部および酢酸エチル10部を仕込んだ滴下ロート
から約3時間を要して系内に滴下し、更に5時間同温度
に保って重合反応を完結させ、固形分49.6%、粘度
(23℃)11000cpsのアクリル系重合体を得
た。
【0032】製造例2(アクリル系重合体エマルジョン
の製造) (1)水44.46部 (2)アニオン系乳化剤(商品名ハイテノールS、固形
分50%、第一工業製薬(株)製)0.90部、 (3)アクリル酸ブチルエステル43.90部およびア
クリル酸1.36部 (4)触媒(過硫酸カリウム)0.23部、pH調整剤
(重ソウ)0.11部および水9.04部 攪拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備え
た四つ口フラスコ中、70℃の窒素ガス気流下で、上記
(1)および(2)を溶解した後、攪拌下に上記(3)
および(4)の合計の1/10量を添加し70℃で窒素
ガス気流下にて30分間予備反応を行ない、その後、
(3)および(4)の合計の9/10量を2時間かけて
滴下し、滴下重合を行なった。(3)および(4)の全
量を滴下し終った後、1時間完結反応を70℃で行ない
室温に冷却後、100メッシュ金網ろ過を行ないながら
取り出し、固形分45.7%のアクリル系重合体のエマ
ルジョンを得た。
の製造) (1)水44.46部 (2)アニオン系乳化剤(商品名ハイテノールS、固形
分50%、第一工業製薬(株)製)0.90部、 (3)アクリル酸ブチルエステル43.90部およびア
クリル酸1.36部 (4)触媒(過硫酸カリウム)0.23部、pH調整剤
(重ソウ)0.11部および水9.04部 攪拌装置、冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備え
た四つ口フラスコ中、70℃の窒素ガス気流下で、上記
(1)および(2)を溶解した後、攪拌下に上記(3)
および(4)の合計の1/10量を添加し70℃で窒素
ガス気流下にて30分間予備反応を行ない、その後、
(3)および(4)の合計の9/10量を2時間かけて
滴下し、滴下重合を行なった。(3)および(4)の全
量を滴下し終った後、1時間完結反応を70℃で行ない
室温に冷却後、100メッシュ金網ろ過を行ないながら
取り出し、固形分45.7%のアクリル系重合体のエマ
ルジョンを得た。
【0033】実施例1 (1)粘着付与樹脂の製造 ナフサのクラッキングで得られた通常のC9留分(重合
性モノマー組成:ビニルトルエン37%、インデン35
%、その他28%)を、カチオン重合によって重合して
芳香族系炭化水素樹脂(軟化点100℃,数平均分子量
700,色調10ガードナー、熱分解ガスクロマトグラ
フィーによる樹脂中のビニルトルエン含有量32%、イ
ンデン含有量33%)を得た。得られた芳香族系炭化水
素樹脂100部とニッケル−ケイソウ土触媒(「N−1
13」、日揮化学(株)製)0.7部をオートクレーブ
に仕込み、水素圧200kg/cm2 、反応温度270
℃、反応時間5時間の条件下に、水素化反応を行った。
反応終了後、得られた樹脂をシクロヘキサン300部に
溶解し、ろ過により触媒を除去した。その後、攪拌羽
根、還流コンデンサー、温度計、温度調節器及び圧力表
示計の取り付けられた1リットル容のセパラブルフラス
コにろ液を入れ、200℃、20torrまで徐々に昇
温・減圧して溶媒を除去し、数量平均分子量800、軟
化点116℃、色調100ハーゼン、芳香環の水素化率
45%の芳香族系炭化水素樹脂の水素化物(粘着付与樹
脂)98部を得た。得られた粘着付与樹脂の物性を表1
に示す。
性モノマー組成:ビニルトルエン37%、インデン35
%、その他28%)を、カチオン重合によって重合して
芳香族系炭化水素樹脂(軟化点100℃,数平均分子量
700,色調10ガードナー、熱分解ガスクロマトグラ
フィーによる樹脂中のビニルトルエン含有量32%、イ
ンデン含有量33%)を得た。得られた芳香族系炭化水
素樹脂100部とニッケル−ケイソウ土触媒(「N−1
13」、日揮化学(株)製)0.7部をオートクレーブ
に仕込み、水素圧200kg/cm2 、反応温度270
℃、反応時間5時間の条件下に、水素化反応を行った。
反応終了後、得られた樹脂をシクロヘキサン300部に
溶解し、ろ過により触媒を除去した。その後、攪拌羽
根、還流コンデンサー、温度計、温度調節器及び圧力表
示計の取り付けられた1リットル容のセパラブルフラス
コにろ液を入れ、200℃、20torrまで徐々に昇
温・減圧して溶媒を除去し、数量平均分子量800、軟
化点116℃、色調100ハーゼン、芳香環の水素化率
45%の芳香族系炭化水素樹脂の水素化物(粘着付与樹
脂)98部を得た。得られた粘着付与樹脂の物性を表1
に示す。
【0034】なお、水素化率は、原料樹脂及び得られた
水素化樹脂の 1H−NMRの7ppm付近に現れる芳香
環のH−スペクトル面積から以下の式に基づき算出し
た。水素化率={1−(水素化樹脂のスペクトル面積/
原料樹脂のスペクトル面積)}×100(%)。軟化点
は、JIS K 2531の環球法による。また、色調
は、ハーゼンカラーの場合は樹脂を50%トルエン溶液
にしてハーゼンスタンダードカラー(H)と目視により
比色後に数値を2倍(50%希釈のため)して判定し、
ガードナーカラーの場合は樹脂を180℃で溶融してガ
ードナースタンダードカラー(G)により目視判定し
た。熱分解ガスクロマトグラフィーは機種「GP−10
28((株)柳本製作所)」、カラム「DB−5(J&
W社製)」、熱分解温度600℃にて測定した。
水素化樹脂の 1H−NMRの7ppm付近に現れる芳香
環のH−スペクトル面積から以下の式に基づき算出し
た。水素化率={1−(水素化樹脂のスペクトル面積/
原料樹脂のスペクトル面積)}×100(%)。軟化点
は、JIS K 2531の環球法による。また、色調
は、ハーゼンカラーの場合は樹脂を50%トルエン溶液
にしてハーゼンスタンダードカラー(H)と目視により
比色後に数値を2倍(50%希釈のため)して判定し、
ガードナーカラーの場合は樹脂を180℃で溶融してガ
ードナースタンダードカラー(G)により目視判定し
た。熱分解ガスクロマトグラフィーは機種「GP−10
28((株)柳本製作所)」、カラム「DB−5(J&
W社製)」、熱分解温度600℃にて測定した。
【0035】また、粘着付与樹脂の相溶性は、製造例1
で得られたアクリル重合体80重量部と粘着付与樹脂2
0重量部をトルエンに溶解した溶液をサイコロアプリケ
ーター(150μm)でガラス板上に塗工厚が35μm
となるように塗工した後、循風乾燥機中で乾燥し、トル
エンを除去した後、目視により、以下の基準で評価し
た。 ○−−−透明で相溶している。 △−−−少し濁っていて部分相溶している。 ×−−−白濁していて相溶していない。
で得られたアクリル重合体80重量部と粘着付与樹脂2
0重量部をトルエンに溶解した溶液をサイコロアプリケ
ーター(150μm)でガラス板上に塗工厚が35μm
となるように塗工した後、循風乾燥機中で乾燥し、トル
エンを除去した後、目視により、以下の基準で評価し
た。 ○−−−透明で相溶している。 △−−−少し濁っていて部分相溶している。 ×−−−白濁していて相溶していない。
【0036】(2)アクリル系感圧接着剤組成物の調製
および性能試験用テープの作成 製造例1で得たアクリル系重合体80部(固形分換算)
と前記(1)で得られた芳香族系炭化水素樹脂の水素化
物(粘着付与樹脂)20部を十分混練したのち、ポリイ
ソシアネート系化合物(日本ポリウレタン(株)製、商
品名「コロネートL」)1.8部を添加し、架橋型アク
リル系感圧接着剤組成物を得た。得られた架橋型アクリ
ル系感圧接着剤組成物を厚さ38μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルムにサイコロ型アプリケーターにて
乾燥膜厚が30μm程度となるように塗布し、ついで該
接着剤組成物中の溶剤を除去して糊厚30μmのテープ
を作成し、下記方法にて各種試験を行った。性能試験の
結果を表2に示す。
および性能試験用テープの作成 製造例1で得たアクリル系重合体80部(固形分換算)
と前記(1)で得られた芳香族系炭化水素樹脂の水素化
物(粘着付与樹脂)20部を十分混練したのち、ポリイ
ソシアネート系化合物(日本ポリウレタン(株)製、商
品名「コロネートL」)1.8部を添加し、架橋型アク
リル系感圧接着剤組成物を得た。得られた架橋型アクリ
ル系感圧接着剤組成物を厚さ38μmのポリエチレンテ
レフタレートフィルムにサイコロ型アプリケーターにて
乾燥膜厚が30μm程度となるように塗布し、ついで該
接着剤組成物中の溶剤を除去して糊厚30μmのテープ
を作成し、下記方法にて各種試験を行った。性能試験の
結果を表2に示す。
【0037】実施例2 (1)粘着付与樹脂の製造 実施例1において、触媒量を0.7部から0.4部に変
更した他は、実施例1の(1)と同様にして粘着付与樹
脂を製造した。得られた粘着付与樹脂の物性を表1に示
す。
更した他は、実施例1の(1)と同様にして粘着付与樹
脂を製造した。得られた粘着付与樹脂の物性を表1に示
す。
【0038】(2)アクリル系感圧接着剤組成物の調製
および性能試験用テープの作成 実施例1の(2)において、粘着付与樹脂を実施例2の
(1)で得られたものに代えた他は、実施例1の(2)
と同様にアクリル系感圧接着剤組成物を調製し、さらに
性能試験用テープを作成して性能試験を行った。性能試
験の結果を表2に示す。
および性能試験用テープの作成 実施例1の(2)において、粘着付与樹脂を実施例2の
(1)で得られたものに代えた他は、実施例1の(2)
と同様にアクリル系感圧接着剤組成物を調製し、さらに
性能試験用テープを作成して性能試験を行った。性能試
験の結果を表2に示す。
【0039】実施例3 (1)粘着付与樹脂の製造 実施例1において、触媒量を0.7部から0.4部に、
反応温度を270℃から290℃にそれぞれ変更した他
は、実施例1の(1)と同様にして粘着付与樹脂を製造
した。得られた粘着付与樹脂の物性を表1に示す。
反応温度を270℃から290℃にそれぞれ変更した他
は、実施例1の(1)と同様にして粘着付与樹脂を製造
した。得られた粘着付与樹脂の物性を表1に示す。
【0040】(2)アクリル系感圧接着剤組成物の調製
および性能試験用テープの作成 実施例1の(2)において、粘着付与樹脂を実施例3の
(1)で得られたものに代えた他は、実施例1の(2)
と同様にアクリル系感圧接着剤組成物を調製し、さらに
性能試験用テープを作成して性能試験を行った。性能試
験の結果を表2に示す。
および性能試験用テープの作成 実施例1の(2)において、粘着付与樹脂を実施例3の
(1)で得られたものに代えた他は、実施例1の(2)
と同様にアクリル系感圧接着剤組成物を調製し、さらに
性能試験用テープを作成して性能試験を行った。性能試
験の結果を表2に示す。
【0041】実施例4 (1)粘着付与樹脂の製造 実施例1(1)において、実施例1(1)で得た芳香族
系炭化水素樹脂の代わりに、ナフサのクラッキングで得
られた通常のC9留分(重合性モノマー組成:ビニルト
ルエン37%、インデン35%、その他28%)を蒸留
することにより、高沸点成分を減少させた精製C9留分
(重合性モノマー組成:ビニルトルエン58%、インデ
ン9%、その他33%)を、カチオン重合によって重合
して得られた特殊C9系炭化水素樹脂(軟化点100
℃,数平均分子量700、色調6ガードナー、熱分解ガ
スクロマトグラフィーによる樹脂中のビニルトルエン含
有量59%、インデン含有量9%)を用い、触媒量を
0.7部から0.6部に、反応温度を270℃から26
0℃に、反応時間を5時間から6時間にそれぞれ変更し
た他は、実施例1の(1)と同様にして粘着付与樹脂を
製造した。得られた粘着付与樹脂の物性を表1に示す。
系炭化水素樹脂の代わりに、ナフサのクラッキングで得
られた通常のC9留分(重合性モノマー組成:ビニルト
ルエン37%、インデン35%、その他28%)を蒸留
することにより、高沸点成分を減少させた精製C9留分
(重合性モノマー組成:ビニルトルエン58%、インデ
ン9%、その他33%)を、カチオン重合によって重合
して得られた特殊C9系炭化水素樹脂(軟化点100
℃,数平均分子量700、色調6ガードナー、熱分解ガ
スクロマトグラフィーによる樹脂中のビニルトルエン含
有量59%、インデン含有量9%)を用い、触媒量を
0.7部から0.6部に、反応温度を270℃から26
0℃に、反応時間を5時間から6時間にそれぞれ変更し
た他は、実施例1の(1)と同様にして粘着付与樹脂を
製造した。得られた粘着付与樹脂の物性を表1に示す。
【0042】(2)アクリル系感圧接着剤組成物の調製
および性能試験用テープの作成 実施例1の(2)において、粘着付与樹脂を実施例4の
(1)で得られたものに代えた他は、実施例1の(2)
と同様にアクリル系感圧接着剤組成物を調製し、さらに
性能試験用テープを作成し、性能試験を行った。性能試
験の結果を表2に示す。
および性能試験用テープの作成 実施例1の(2)において、粘着付与樹脂を実施例4の
(1)で得られたものに代えた他は、実施例1の(2)
と同様にアクリル系感圧接着剤組成物を調製し、さらに
性能試験用テープを作成し、性能試験を行った。性能試
験の結果を表2に示す。
【0043】比較例1 実施例1の(2)において、粘着付与樹脂を、芳香族系
炭化水素樹脂の水素化物(「アルコンM−100」、荒
川化学工業(株)製)に代えた他は、実施例1の(2)
と同様にアクリル系感圧接着剤組成物を調製し、さらに
性能試験用テープを作成し、性能試験を行った。粘着付
与樹脂の物性を表1に示し、性能試験の結果を表2に示
す。
炭化水素樹脂の水素化物(「アルコンM−100」、荒
川化学工業(株)製)に代えた他は、実施例1の(2)
と同様にアクリル系感圧接着剤組成物を調製し、さらに
性能試験用テープを作成し、性能試験を行った。粘着付
与樹脂の物性を表1に示し、性能試験の結果を表2に示
す。
【0044】比較例2 実施例1の(2)において、粘着付与樹脂を、芳香族系
炭化水素石油樹脂(「ペトロジン120」、三井石油化
学(株)製)に代えた他は、実施例1の(2)と同様に
アクリル系感圧接着剤組成物を調製し、さらに性能試験
用テープを作成し、性能試験を行った。粘着付与樹脂の
物性を表1に示し、性能試験の結果を表2に示す。
炭化水素石油樹脂(「ペトロジン120」、三井石油化
学(株)製)に代えた他は、実施例1の(2)と同様に
アクリル系感圧接着剤組成物を調製し、さらに性能試験
用テープを作成し、性能試験を行った。粘着付与樹脂の
物性を表1に示し、性能試験の結果を表2に示す。
【0045】[テープの性能試験]実施例1〜4または
比較例1〜2で得られたテープを7日間放置し熟成した
後、以下の試験方法により性能を評価した。
比較例1〜2で得られたテープを7日間放置し熟成した
後、以下の試験方法により性能を評価した。
【0046】(常温接着力):得られたテープ(25m
m×100mm)をポリエチレン板に貼り付け、万能引
張試験機を使用して20℃、300mm/分の条件にお
ける180゜剥離強度(Kg/25mm)を測定した。
m×100mm)をポリエチレン板に貼り付け、万能引
張試験機を使用して20℃、300mm/分の条件にお
ける180゜剥離強度(Kg/25mm)を測定した。
【0047】(保持力):得られたテープ(25mm×
25mm)をステンレス板に貼り付け、昇温クリープテ
スターを用いて1kg荷重し、60℃から毎分2℃のペ
ースで昇温を行い、重りが落下したときの温度(℃)を
測定した。
25mm)をステンレス板に貼り付け、昇温クリープテ
スターを用いて1kg荷重し、60℃から毎分2℃のペ
ースで昇温を行い、重りが落下したときの温度(℃)を
測定した。
【0048】(タック):JIS Z 0237に記載
のJ.Dow法により傾斜角30度、測定温度20℃の
条件で測定した。表2の数字はボールNo.14の転が
り距離(cm)を示す。
のJ.Dow法により傾斜角30度、測定温度20℃の
条件で測定した。表2の数字はボールNo.14の転が
り距離(cm)を示す。
【0049】(耐光性):得られたテープの表面に15
cm離れたところからキセノン光を24時間照射した
後、タックを上記と同様の方法に測定した。
cm離れたところからキセノン光を24時間照射した
後、タックを上記と同様の方法に測定した。
【0050】
【表1】
【0051】
【表2】
【0052】実施例5 (1)粘着付与樹脂エマルジョンの調製 実施例1(1)で得られた粘着付与樹脂100部をトル
エン60部に100℃にて約1時間かけて溶解した後、
80℃まで冷却してアニオン系乳化剤(ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム)を固形分換算で3部および水
160部を添加し75℃にて1時間強攪拌し予備乳化を
行なった。得られた予備乳化物を高圧乳化機(マントン
ガウリン社製)により300kg/cm2 の圧力で高圧
乳化して乳化物を得た。次いで、減圧蒸留装置に前記乳
化物200部を仕込み、50℃、100mmHgの条件
下に6時間減圧蒸留を行ない固形分50%の粘着付与樹
脂のエマルジョンを得た。
エン60部に100℃にて約1時間かけて溶解した後、
80℃まで冷却してアニオン系乳化剤(ドデシルベンゼ
ンスルホン酸ナトリウム)を固形分換算で3部および水
160部を添加し75℃にて1時間強攪拌し予備乳化を
行なった。得られた予備乳化物を高圧乳化機(マントン
ガウリン社製)により300kg/cm2 の圧力で高圧
乳化して乳化物を得た。次いで、減圧蒸留装置に前記乳
化物200部を仕込み、50℃、100mmHgの条件
下に6時間減圧蒸留を行ない固形分50%の粘着付与樹
脂のエマルジョンを得た。
【0053】(2)エマルジョン型のアクリル系感圧接
着剤組成物の調製 上記(1)で得られた粘着付与樹脂のエマルジョン10
部(固形分換算)と製造例2で得られたアクリル系重合
体のエマルジョン90部(固形分換算)を混合し、さら
に、アクリル系の増粘剤としてプライマルASE−60
(日本アクリル社製)0.5部(固形分換算)を添加し
アンモニア水にて増粘させてエマルジョン型のアクリル
系感圧接着剤組成物を得た。
着剤組成物の調製 上記(1)で得られた粘着付与樹脂のエマルジョン10
部(固形分換算)と製造例2で得られたアクリル系重合
体のエマルジョン90部(固形分換算)を混合し、さら
に、アクリル系の増粘剤としてプライマルASE−60
(日本アクリル社製)0.5部(固形分換算)を添加し
アンモニア水にて増粘させてエマルジョン型のアクリル
系感圧接着剤組成物を得た。
【0054】実施例6〜8、比較例3〜4 実施例5(1)において、粘着付与樹脂の種類を表3に
示すように実施例2〜4または比較例1〜2で得られた
ものに代えた他は、実施例5(1)と同様にして粘着付
与樹脂のエマルジョンを調製し、また実施例5(2)と
同様にしてエマルジョン型のアクリル系感圧接着剤組成
物を調製した。
示すように実施例2〜4または比較例1〜2で得られた
ものに代えた他は、実施例5(1)と同様にして粘着付
与樹脂のエマルジョンを調製し、また実施例5(2)と
同様にしてエマルジョン型のアクリル系感圧接着剤組成
物を調製した。
【0055】[テープの性能試験]前記架橋型アクリル
系感圧接着剤組成物の性能試験に用いたテープを作成し
た方法と同様の方法により、実施例5〜8または比較例
3〜4で調製したエマルジョン型のアクリル系感圧接着
剤組成物を用いて、性能試験用のテープを作成した。得
られたテープにより、前記常温接着力、保持力、タッ
ク、耐光性の性能評価を行った。性能試験の結果を表3
に示す。
系感圧接着剤組成物の性能試験に用いたテープを作成し
た方法と同様の方法により、実施例5〜8または比較例
3〜4で調製したエマルジョン型のアクリル系感圧接着
剤組成物を用いて、性能試験用のテープを作成した。得
られたテープにより、前記常温接着力、保持力、タッ
ク、耐光性の性能評価を行った。性能試験の結果を表3
に示す。
【0056】
【表3】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小笠原 貴士 大阪市鶴見区鶴見1丁目1番9号荒川化学 工業株式会社研究所内
Claims (10)
- 【請求項1】 芳香族系炭化水素樹脂の水素化物であっ
て、該水素化物がアクリル系重合体と相溶し、かつ淡色
のものを含有してなるアクリル系感圧接着剤用粘着付与
樹脂。 - 【請求項2】 芳香族系炭化水素樹脂がC9留分を重合
して得られた芳香族系炭化水素樹脂であって、該C9留
分中の重合性モノマーがビニルトルエンを50重量%以
上、インデンを20重量%以下の割合で含有する請求項
1記載のアクリル系感圧接着剤用粘着付与樹脂。 - 【請求項3】 芳香族系炭化水素樹脂の水素化物の軟化
点が、70〜150℃である請求項1または2記載のア
クリル系感圧接着剤用粘着付与樹脂。 - 【請求項4】 芳香族系炭化水素樹脂の水素化物の色調
がガードナー3以下である請求項1、2または3記載の
アクリル系感圧接着剤用粘着付与樹脂。 - 【請求項5】 芳香族系炭化水素樹脂の水素化物の色調
がガードナー1以下である請求項1、2または3記載の
アクリル系感圧接着剤用粘着付与樹脂。 - 【請求項6】 芳香族系炭化水素樹脂の水素化物が、芳
香族系炭化水素樹脂のオレフィン性二重結合の全部と芳
香環の0〜50%を水素化したものである請求項1、
2、3、4または5記載のアクリル系感圧接着剤用粘着
付与樹脂。 - 【請求項7】 芳香族系炭化水素樹脂の水素化物が、芳
香族系炭化水素樹脂のオレフィン性二重結合の全部と芳
香環の0〜30%を水素化したものである請求項1、
2、3、4または5記載のアクリル系感圧接着剤用粘着
付与樹脂。 - 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のアクリ
ル系感圧接着剤用粘着付与樹脂をエマルジョン化したも
のを含有してなるアクリル系感圧接着剤用粘着付与樹脂
エマルジョン。 - 【請求項9】 アクリル系重合体100重量部に対し
て、固形分換算量で請求項1〜7のいずれかに記載のア
クリル系感圧接着剤用粘着付与樹脂1〜40重量部を配
合してなる溶剤型のアクリル系感圧接着剤組成物。 - 【請求項10】 アクリル系重合体のエマルジョン10
0重量部に対して、固形分換算量で請求項8に記載のア
クリル系感圧接着剤用粘着付与樹脂エマルジョン1〜4
0重量部を配合してなるエマルジョン型のアクリル系感
圧接着剤組成物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31131096A JPH09188864A (ja) | 1995-11-07 | 1996-11-06 | アクリル系感圧接着剤用粘着付与樹脂及びアクリル系感圧接着剤組成物 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP7-313535 | 1995-11-07 | ||
JP31353595 | 1995-11-07 | ||
JP31131096A JPH09188864A (ja) | 1995-11-07 | 1996-11-06 | アクリル系感圧接着剤用粘着付与樹脂及びアクリル系感圧接着剤組成物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09188864A true JPH09188864A (ja) | 1997-07-22 |
Family
ID=26566674
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP31131096A Pending JPH09188864A (ja) | 1995-11-07 | 1996-11-06 | アクリル系感圧接着剤用粘着付与樹脂及びアクリル系感圧接着剤組成物 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09188864A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002038117A (ja) * | 2000-07-31 | 2002-02-06 | Arakawa Chem Ind Co Ltd | 粘着付与樹脂エマルジョンおよび水系粘・接着剤組成物 |
US7758958B2 (en) | 2004-10-18 | 2010-07-20 | Nitto Denko Corporation | Pressure-sensitive adhesive sheet |
JP2010171419A (ja) * | 2008-12-27 | 2010-08-05 | Arakawa Chem Ind Co Ltd | 太陽電池用封止材シート |
-
1996
- 1996-11-06 JP JP31131096A patent/JPH09188864A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2002038117A (ja) * | 2000-07-31 | 2002-02-06 | Arakawa Chem Ind Co Ltd | 粘着付与樹脂エマルジョンおよび水系粘・接着剤組成物 |
US7758958B2 (en) | 2004-10-18 | 2010-07-20 | Nitto Denko Corporation | Pressure-sensitive adhesive sheet |
US7867610B2 (en) | 2004-10-18 | 2011-01-11 | Nitto Denko Corporation | Pressure-sensitive adhesive sheet |
US8227533B2 (en) | 2004-10-18 | 2012-07-24 | Nitto Denko Corporation | Pressure-sensitive adhesive sheet |
US8299156B2 (en) | 2004-10-18 | 2012-10-30 | Nitto Denko Corporation | Pressure-sensitive adhesive sheet |
JP2010171419A (ja) * | 2008-12-27 | 2010-08-05 | Arakawa Chem Ind Co Ltd | 太陽電池用封止材シート |
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Effective date: 20060209 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
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Effective date: 20060213 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20060801 |