JPH09182199A - 音像制御装置及び音像制御方法 - Google Patents

音像制御装置及び音像制御方法

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JPH09182199A
JPH09182199A JP7350468A JP35046895A JPH09182199A JP H09182199 A JPH09182199 A JP H09182199A JP 7350468 A JP7350468 A JP 7350468A JP 35046895 A JP35046895 A JP 35046895A JP H09182199 A JPH09182199 A JP H09182199A
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signal
sound image
image control
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filter
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Application number
JP7350468A
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English (en)
Inventor
Akihiro Fujita
明裕 藤田
Kenji Kamata
健二 鎌田
Takatsugu Kuwano
孝嗣 桑野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、ヘッドフォン受聴者に対して頭外
に、スピーカ受聴者に対して左右の両スピーカの外側に
音像を定位させることができ、且つ音の広がり感と臨場
感が得られる安価な音像制御装置を提供することを目的
とする。 【解決手段】パラメータを記憶したパラメータ記憶手段
と、音像定位位置を指示する指示手段と、指示手段の指
示に応じてパラメータを読み出す読出手段と、読み出さ
れたパラメータに応じて外部からの入力信号を処理する
信号処理手段、とを備えた音像制御装置であって、信号
処理手段は、入力信号をパラメータに応じて処理するこ
とにより、頭部伝達関数を模擬した第1の信号と反射音
の伝達関数を模擬した第2の信号とを生成し、これら合
成して第1の音像制御信号を生成する。同様にして、信
号処理手段は、第2の楽音制御信号を生成する。そし
て、これら第1及び第2の音像制御信号を用いて音像を
定位させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電子楽器、
ゲーム機、音響機器等に適用される音像制御装置及び音
像制御方法に関し、特に、音像を所望位置に定位させる
技術に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、左右両チャンネル用の信号に基づ
いて音像を定位させる音像定位技術が知られている。し
かし、この従来の音像定位技術では、主として左右の音
量のバランスを変えることにより音像の定位を制御する
ので、左右の平面的なパンニングしかできなかった。し
かも、この音像定位技術では、ヘッドフォン受聴の場合
は受聴者の頭内に音像が定位し、スピーカ受聴の場合は
左右のスピーカの間に音像が定位するので、音の広がり
感が得られなかった。
【0003】そこで、ヘッドフォン受聴の場合は受聴者
の頭外に音像を定位させ、また、スピーカ受聴の場合は
左右のスピーカの外側に音像を定位させて音の広がり感
を得ようとする試みがなされている。例えば、ヘッドフ
ォン受聴の場合は、受聴者の頭外に音像を定位させるた
めにFIR型フィルタが用いられている。このFIR型
フィルタは、音像を定位させる位置から受聴者までの伝
達関数に応じたインパルス応答と、定位させようとする
音像を示す入力信号との間で畳み込み演算を行うように
構成されている。
【0004】このFIR型フィルタにおける畳み込み演
算処理では、明瞭な音像定位を得るためには、1つの入
力信号につき2000ステップ程度の演算(ステレオの
場合は左右の両チャンネル合わせて4000ステップ程
度の演算)が必要である。従って、リアルタイムにオー
ディオ信号を発生させようとすれば、高性能の処理装
置、例えばデジタルシグナルプロセッサ(以下、「DS
P」と言う。)、中央処理装置(以下、「CPU」と言
う。)等が必要となり、音像制御装置が高価になるとい
う欠点がある。
【0005】そこで、最近、畳み込み演算と等価な処理
を他の方法で行うことにより、音像を任意の位置に定位
させる音像定位技術が開発されている。例えば、特開平
4−56600号公報には、遅延回路、フィルタ及びア
ンプのそれぞれに所定のパラメータを与えることにより
音像を定位させる「音像定位装置」が開示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
4−56600号公報に開示された音像定位装置は、音
源から受聴者の耳に到達する音のうち反射音については
全く考慮されていないので、臨場感に欠けるという欠点
がある。
【0007】そこで、本発明は、ヘッドフォン受聴者に
対して頭外に音像を定位させ、スピーカ受聴者に対して
左右の両スピーカの外側に音像を定位させることがで
き、しかも従来にない音の広がり感と臨場感が得られる
安価な音像制御装置及び音像制御方法を提供することを
目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の音像制御装置は、図1に原理的に示すよう
に、音像を定位させるためのパラメータを記憶したパラ
メータ記憶手段と、音像を定位させる位置を指示する指
示手段と、該指示手段からの指示に応じて該パラメータ
記憶手段からパラメータを読み出すパラメータ読出手段
と、該パラメータ読出手段によって読み出されたパラメ
ータに応じて外部からの入力信号を処理する信号処理手
段、とを備えた音像制御装置であって、該信号処理手段
は、該入力信号を該パラメータに応じて処理することに
より頭部伝達関数を模擬した第1の信号を生成する第1
の信号生成手段と、該入力信号を該パラメータに応じて
処理することにより反射音の伝達関数を模擬した第2の
信号を生成する第2の信号生成手段と、該第1の信号生
成手段で生成された第1の信号と第2の信号生成手段で
生成された第2の信号とを合成し、以て音像を制御する
ための第1の音像制御信号を生成する第1の合成手段
と、該入力信号を該パラメータに応じて処理することに
より頭部伝達関数を模擬した第3の信号を生成する第3
の信号生成手段と、該入力信号を該パラメータに応じて
処理することにより反射音の伝達関数を模擬した第4の
信号を生成する第4の信号生成手段と、該第3の信号生
成手段で生成された第3の信号と第4の信号生成手段で
生成された第4の信号とを合成し、以て音像を制御する
ための第2の音像制御信号を生成する第2の合成手段、
とで構成されている。
【0009】本発明の音像制御装置においては、受聴者
の前後左右上下といった三次元空間の複数の位置に対応
する複数のパラメータをパラメータ記憶手段に記憶して
おく。パラメータ記憶手段としては、リードオンリメモ
リ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フ
ロッピーディスク、光ディスク等といった種々の記憶媒
体を用いることができる。指示手段は、このパラメータ
記憶手段に記憶された複数のパラメータの中の所定のパ
ラメータを指示する。指示手段としては、三次元空間の
位置を特定できるもの、例えばジョイスティック、回転
ボリューム、スライドボリューム、テンキー、アップダ
ウンスイッチ、ダイヤル等を用いることができる。指示
手段によって音像を定位させる位置が指示されると、こ
の指示に対応するパラメータがパラメータ読出手段によ
ってパラメータ記憶手段から読み出される。パラメータ
読出手段としては、例えばCPUを用いることができ
る。読み出されたパラメータは信号処理手段に供給され
る。
【0010】信号処理手段は、上記パラメータの他に、
外部からの入力信号を入力する。そして、信号処理手段
は、この入力信号を上記パラメータに応じて加工し、音
像制御信号として出力する。即ち、信号処理手段の中の
第1の信号生成手段は、入力信号をパラメータに応じて
処理することにより頭部伝達関数を模擬した第1の信号
を生成する。また、第2の信号生成手段は、入力信号を
パラメータに応じて処理することにより反射音の伝達関
数を模擬した第2の信号を生成する。合成手段手段は、
これら第1及び第2の信号を合成(例えば加算)し、以
て第1の音像制御信号を生成する。この第1の音像制御
信号は、本音像制御装置から外部に出力される。
【0011】同様に、信号処理手段の中の第3の信号生
成手段は、入力信号をパラメータに応じて処理すること
により頭部伝達関数を模擬した第3の信号を生成する。
また、第4の信号生成手段は、入力信号をパラメータに
応じて処理することにより反射音の伝達関数を模擬した
第4の信号を生成する。合成手段手段は、これら第3及
び第4の信号を合成(例えば加算)し、以て第2の音像
制御信号を生成する。この第2の音像制御信号は、本音
像制御装置から外部に出力される。このように、頭部伝
達関数を模擬した第1の信号に反射音の伝達関数を模擬
した第2の信号を加えて第1の音像制御信号を生成し、
また、頭部伝達関数を模擬した第3の信号に反射音の伝
達関数を模擬した第4の信号を加えて第2の音像制御信
号を生成ることにより、音像定位が明瞭になると共に、
より臨場感に溢れた音像定位が実現されている。
【0012】本音像制御装置は、1つの入力信号に対し
て第1の音像制御信号及び第2の音像制御信号といった
2つの信号を出力する。これら第1の音像制御信号及び
第2の音像制御信号は、それぞれ受聴者の左耳及び左耳
に対応するものである。本音像制御装置は、複数の入力
信号の各々に対して、それぞれ第1の音像制御信号及び
第2の音像制御信号といった2つの信号を出力するよう
に構成することができる。この場合、マルチチャンネル
で音像を制御することが可能になる。例えば2チャンネ
ルのステレオ再生で音像を制御する場合は信号処理手段
を2組備えて2組の音像制御信号を生成するように構成
すればよい。
【0013】上記信号処理手段の中の第1の信号生成手
段及び第3の信号生成手段は、第1のフィルタ手段、第
1の遅延手段及び第1の増幅手段で構成し、信号処理手
段の中の第2の信号生成手段及び第4の信号生成手段
は、第2のフィルタ手段、n個の第2の遅延手段及びn
個の第2の増幅手段で構成することができる。
【0014】この場合、パラメータ記憶手段は、1つの
音像の位置に対応するパラメータとして、第1のフィル
タ手段及び第2のフィルタ手段の特性を規定するフィル
タ係数、第1の遅延手段及びn個の第2の遅延手段の各
遅延時間を規定する遅延係数、第1の増幅手段及びn個
の第2の増幅手段の増幅率を規定する増幅係数を記憶す
る。そして、パラメータ読出手段は、指示手段の指示に
応じて、パラメータ記憶手段から1つのパラメータ、即
ち、1組のフィルタ係数、遅延係数及び増幅係数を読み
出し、第1のフィルタ手段及び第2のフィルタ手段、第
1の遅延手段及びn個の第2の遅延手段、並びに第1の
増幅手段及びn個の第2の増幅手段にそれぞれ供給す
る。
【0015】また、本音像制御装置の信号処理手段は、
1つの入力信号について遅延時間の異なる複数の遅延信
号を出力する1つの遅延手段と、該遅延手段からの所定
の遅延信号を前記パラメータに応じて処理することによ
り頭部伝達関数を模擬した信号を生成する第1の信号生
成手段と、該遅延手段からの所定のn個の遅延信号を前
記パラメータに応じて処理することにより反射音の伝達
関数を模擬した信号を生成する第2の信号生成手段と、
該第1の信号生成手段からの信号及び第2の信号生成手
段からの信号を合成し、以て第1の音像制御信号を生成
する第1の合成手段と、該遅延手段からの所定の遅延信
号を前記パラメータに応じて処理することにより頭部伝
達関数を模擬した信号を生成する第3の信号生成手段
と、該遅延手段からの所定のn個の遅延信号を前記パラ
メータに応じて処理することにより反射音の伝達関数を
模擬した信号を生成する第4の信号生成手段と、該第3
の信号生成手段からの信号及び第4の信号生成手段から
の信号を合成し、以て第2の音像制御信号を生成する第
2の合成手段、とで構成することができる。
【0016】この場合、第1の信号生成手段及び第3の
信号生成手段は、それぞれ第1のフィルタ手段及び第1
の増幅手段で構成し、記第2の信号生成手段及び第4の
信号生成手段は、それぞれ第2のフィルタ手段及びn個
の第2の増幅手段で構成することができる。
【0017】この構成によれば、1つの遅延手段を共通
に使用し、必要な遅延信号は、例えば遅延手段の所定の
出力部から得ることができるので、遅延手段をハードウ
エアで実現する場合はハードウエア量を減らすことがで
き、遅延手段をRAMで構成する場合は、遅延手段を構
成するメモリの容量を減らすことができる。
【0018】第1のフィルタ手段及び第2のフィルタ手
段は、それぞれ10次未満のIIR型フィルタで構成す
ることができる。そして、これら第1及び第2のフィル
タ手段に所定のフィルタ係数を与えれば、FIR型フィ
ルタで2000ステップ程度の畳み込み演算を行った場
合と同等の頭部伝達関数及び反射音の伝達関数を模擬す
ることができる。従って、FIR型フィルタを用いた場
合に比べ、演算量を大幅に減らすことができる。
【0019】また、本発明の音像制御装置は音像拡大手
段を更に備え、該音像拡大手段は、前記第1の合成手段
からの第1の音像制御信号から、前記第2の合成手段か
らの第2の音像制御信号を減算して差信号を生成する第
1の演算部と、該第1の演算部からの差信号をフィルタ
リングしてフィルタ差信号を生成するフィルタ手段と、
該第1の音像制御信号と該フィルタ手段からのフィルタ
差信号とを加算し、以て第1の出力信号を生成する第2
の演算部と、該第2の音像制御信号から該フィルタ手段
からのフィルタ差信号を減算し、以て第2の出力信号を
生成する第3の演算部、とで構成することができる。
【0020】ここで、第1の音像制御信号を左チャンネ
ル用音像制御信号Lin、第2の音像制御信号を右チャ
ンネル用音像制御信号Rinとすると、第1の演算部
は、左チャンネル用音像制御信号Linから右チャンネ
ル用音像制御信号Rinを減算し、以て差信号SD(=
Lin−Rin)を生成する。この差信号SDは、左右
のパンニングが強い成分のみを抽出した音に対応する。
また、第1の演算部における減算によって、波長が長い
低域成分は差信号SDから取り除かれる。なお、この低
域成分は定位感にあまり作用しない。この差信号SD
は、フィルタ手段に供給される。このフィルタ手段は、
例えば一次ローパスフィルタで構成することができる。
【0021】フィルタ手段では、差信号SDから位相変
化が少ない高域成分が取り除かれ、以てフィルタ差信号
SFが生成される。そして、第2の演算部は、フィルタ
手段からのフィルタ差信号SFを、左チャンネル用音像
制御信号Linに加算する。従って、第1の出力信号
(左チャンネル用出力信号Lout)は「2Lin−R
in」を反映した信号となる。一方、第3の演算部は、
右チャンネル用音像制御信号Rinからフィルタ手段か
らのフィルタ差信号SFを減算する。従って、第2の出
力信号(右チャンネル用出力信号Rout)は「2Ri
n−Lin」を反映した信号となる。このようにして生
成された左チャンネル用出力信号Lout及び右チャン
ネル用出力信号Routをそれぞれ左右のスピーカに供
給すれば、音像を左右のスピーカの外側に定位させるこ
とができる。
【0022】なお、上記音像拡大手段は、第1の音像制
御信号を左チャンネル用音像制御信号Linとし、第2
の音像制御信号を右チャンネル用音像制御信号Rinと
したが、第1の音像制御信号を右チャンネル用音像制御
信号Rinとし、第2の音像制御信号を左チャンネル用
音像制御信号Linとしてもよい。この場合、第1の出
力信号は右チャンネル用出力信号Routとなり、第2
の出力信号は左チャンネル用出力信号Loutとなる。
【0023】また、上記課題を解決するために、本発明
の音像制御方法は、音像を定位させるためのパラメータ
を記憶し、音像を定位させる位置が指示された場合に、
該指示に応じて該記憶されているパラメータを読み出
し、該読み出されたパラメータに応じて外部からの入力
信号を処理することにより音像定位を制御する音像制御
方法であって、該処理においては、該入力信号を該パラ
メータに応じて処理することにより頭部伝達関数を模擬
した第1の信号を生成し、該入力信号を該パラメータに
応じて処理することにより反射音の伝達関数を模擬した
第2の信号を生成し、該第1の信号と該第2の信号とを
合成し、以て音像を制御するための第1の音像制御信号
を生成し、該入力信号を該パラメータに応じて処理する
ことにより頭部伝達関数を模擬した第3の信号を生成
し、該入力信号を該パラメータに応じて処理することに
より反射音の伝達関数を模擬した第4の信号を生成し、
該第3の信号と該第4の信号とを合成し、以て音像を制
御するための第2の音像制御信号を生成するように構成
されている。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明の音像制御装置及び
音像制御方法の実施の形態を、図面を参照しながら詳細
に説明する。以下の実施の形態においては、本音像制御
装置及び音像制御方法は、1つの入力信号に対して左耳
用の第1の音像制御信号と右耳用の第2の音像制御信号
を生成するものとする。以下では、本発明の特徴である
信号処理手段を中心に説明する。
【0025】(実施の形態1)図2は、本音像制御装置
の信号処理手段の実施の形態1を示すブロック図であ
る。実施の形態1では、第1の信号生成手段、第2の信
号生成手段及び第1の合成手段は第1の音像制御信号に
対応する左チャンネル用音像制御信号を生成し、第3の
信号生成手段、第4の信号生成手段及び第2の合成手段
は第2の音像制御信号に対応する右チャンネル用音像制
御信号を生成する。
【0026】実施の形態1における第1の信号生成手段
は、左用HTRFフィルタ10L、遅延器12L0及び
増幅器13L0で構成されており、それぞれ第1のフィ
ルタ手段、第1の遅延手段及び第1の増幅手段に対応し
ている。
【0027】左用HTRFフィルタ10Lは、左耳の頭
部伝達関数を模擬するためのフィルタである。この左用
HTRFフィルタ10Lは、10次未満(例えば8次)
のIIR型フィルタで構成することができる。図示しな
いCPUは、指示手段によって指示された位置に対応す
るパラメータの中のフィルタ係数をパラメータ記憶手段
から読み出し、この左用HTRFフィルタ10Lに供給
する。外部からの入力信号は、この左用HTRFフィル
タ10Lでフィルタ係数に応じたフィルタリングがなさ
れ、遅延器12L0に供給される。
【0028】遅延器12L0は、入力された信号を遅延
させて出力する。この遅延器12L0としては、RAM
(図示しない)を用いて所定の遅延時間が得られるよう
に構成された周知の遅延器を用いることができる。以
下、このように構成された遅延器を「RAM遅延器」と
呼ぶ。CPUは、指示手段によって指示された位置に対
応するパラメータの中の遅延係数をパラメータ記憶手段
から読み出し、この遅延器12L0に供給する。これに
より遅延器12L0における遅延時間が決定される。こ
の遅延器12L0における遅延時間は、後述する遅延器
12R0における遅延時間と相まって、原音が左右の耳
に到達する時間差を再現するために使用される。この遅
延器12L0の出力は、増幅器13L0に供給される。
【0029】増幅器13L0は、入力された信号を増幅
して出力する。この増幅器13L0は、例えば乗算器を
用いて構成することができる。CPUは、指示手段によ
って指示された位置に対応するパラメータの中の増幅係
数をパラメータ記憶手段から読み出し、この増幅器13
0に供給する。これにより、原音の応答の左耳におけ
る振幅が再現される。この増幅器13L0の出力は、加
算器14Lに供給される。この加算器14Lは、第1の
合成手段に対応する。
【0030】なお、上記第1の信号生成手段は、入力信
号を、左用HTRFフィルタ10L→遅延器12L0
増幅器13L0の順で処理する構成としたが、処理の順
番は上記順番に限定されず任意であってよい。例えば、
遅延器12L0→左用HTRFフィルタ10L→増幅器
13L0の順で処理されるように構成してもよい。
【0031】実施の形態1における第2の信号生成手段
は、左用REFフィルタ11L、n個の遅延器12Li
(但し、i=1,2,・・・n)及びn個の増幅器13
i(但し、i=1,2,・・・n)で構成されてお
り、それぞれ第2のフィルタ手段、n個の第2の遅延手
段及びn個の第2の増幅手段に対応している。ここで、
nは、例えば「9」程度とすることができる。以下にお
いても同じである。
【0032】左用REFフィルタ11Lは、左耳の反射
音の伝達関数を模擬するためのフィルタである。この左
用REFフィルタ11Lは、10次未満(例えば6次)
のIIR型フィルタで構成することができる。CPU
は、指示手段によって指示された位置に対応するパラメ
ータの中のフィルタ係数をパラメータ記憶手段から読み
出し、この左用REFフィルタ11Lに供給する。外部
からの入力信号は、この左用REFフィルタ11Lでフ
ィルタ係数に応じたフィルタリングがなされ、遅延器1
2Liに供給される。
【0033】遅延器12Liは、入力された信号を遅延
させて出力する。この遅延器12Liは、RAM遅延器
で構成することができる。CPUは、指示手段によって
指示された位置に対応するパラメータの中の遅延係数を
パラメータ記憶手段から読み出し、この遅延器12Li
に供給する。これにより遅延器12Liにおける遅延時
間が決定される。遅延器12Liで作成される遅延時間
は、原音の応答が左耳に到達する時刻から第i回目の反
射音の応答が左耳に到達する時刻までの時間差に対応す
る時間である。この遅延器12Liの出力は、増幅器1
3Liに供給される。
【0034】増幅器13Liは、入力された信号を増幅
して出力する。この増幅器13Liは、例えば乗算器を
用いて構成することができる。CPUは、指示手段によ
って指示された位置に対応するパラメータの中の増幅係
数をパラメータ記憶手段から読み出し、この増幅器13
iに供給する。これにより、第i回目の反射音の応答
の左耳における振幅が再現される。この増幅器13Li
の出力は、加算器14Lに供給される。
【0035】なお、上記第2の信号生成手段は、入力信
号を、左用REFフィルタ11L→遅延器12Li→増
幅器13Liの順で処理する構成としたが、処理の順番
は上記に限定されず任意であってよい。
【0036】加算器14Lは、増幅器13L0及び増幅
器13Liからの各信号を加算する。この加算結果は、
左チャンネル用音像制御信号として、本音像制御装置の
外部に出力される。
【0037】なお、上記遅延器12Li、増幅器13Li
及び加算器14Lの一部によって構成される部分は、n
次のFIR型のフィルタを形成している。従って、第2
の信号生成手段は、10次未満のIIR型フィルタとn
次のFIR型フィルタとが直列接続されたフィルタによ
り構成されている。ここで、nを「9」程度とすれば、
聴感上、FIR型フィルタで2000ステップ程度の畳
み込み演算を行ったと同等の音像定位が得られる。な
お、nの数を更に増やせば、音像定位の精度を高めるこ
とができることは勿論である。
【0038】ここで、FIR型フィルタは、1つの入力
インパルスに対して有限の、つまり次数に応じた数のパ
ルス列を出力する。一方、IIR型フィルタは、理論的
には無限の数のパルス列を出力する(但し、IIR型フ
ィルタは、その出力がある程度のパルス列で収束するよ
うに設計されるのが一般的である)。従って、FIR型
フィルタとIIR型フィルタとを直列に接続したフィル
タは無限の数のパルス列を出力することが可能であり、
高次のFIR型フィルタと等価な処理が可能なことが理
解できる。
【0039】実施の形態1における第3の信号生成手段
は、右用HTRFフィルタ10R、遅延器12R0及び
増幅器13R0で構成されており、それぞれ第1のフィ
ルタ手段、第1の遅延手段及び第1の増幅手段に対応し
ている。
【0040】右用HTRFフィルタ10Rは、右耳の頭
部伝達関数を模擬するためのフィルタである。この右用
HTRFフィルタ10Rは、10次未満(例えば8次)
のIIR型フィルタで構成することができる。CPU
は、指示手段によって指示された位置に対応するパラメ
ータの中のフィルタ係数をパラメータ記憶手段から読み
出し、この右用HTRFフィルタ10Rに供給する。外
部からの入力信号は、この右用HTRFフィルタ10R
でフィルタ係数に応じてフィルタリングがなされ、遅延
器12R0に供給される。
【0041】遅延器12R0は、入力された信号を遅延
させて出力する。この遅延器12R0は、RAM遅延器
で構成することができる。CPUは、指示手段によって
指示された位置に対応するパラメータの中の遅延係数を
パラメータ記憶手段から読み出し、この遅延器12R0
に供給する。これにより遅延器12R0における遅延時
間が決定される。ここで、遅延器12R0の遅延時間と
上述した遅延器12L0の遅延時間は所定の差を有す
る。この差によって、原音が左右の耳に届く時間差が再
現されている。この遅延器12R0の出力は、増幅器1
3R0に供給される。
【0042】増幅器13R0は、入力された信号を増幅
して出力する。この増幅器13R0は、例えば乗算器を
用いて構成することができる。CPUは、指示手段によ
って指示された位置に対応するパラメータの中の増幅係
数をパラメータ記憶手段から読み出し、この増幅器13
0に供給する。これにより、原音の応答の右耳におけ
る振幅が再現される。この増幅器13R0の出力は、加
算器14Rに供給される。この加算器14Rは、第2の
合成手段に対応する。
【0043】なお、上記では、入力信号は、右用HTR
Fフィルタ10R→遅延器12R0→増幅器13R0の順
で処理される構成としたが、処理の順番は上記に限定さ
れず任意であってよい。例えば、遅延器12R0→右用
HTRFフィルタ10R→増幅器13R0の順で処理さ
れるように構成してもよい。
【0044】実施の形態1における第4の信号生成手段
は、右用REFフィルタ11R、遅延器12Ri(但
し、i=1,2,・・・n)及び増幅器13Ri(但
し、i=1,2,・・・n)で構成されており、それぞ
れ第2のフィルタ手段、n個の第2の遅延手段及びn個
の第2の増幅手段に対応している。
【0045】右用REFフィルタ11Rは、右耳の反射
音の伝達関数を模擬するためのフィルタである。この右
用REFフィルタ11Rは、10次未満(例えば6次)
のIIR型フィルタで構成することができる。CPU
は、指示手段によって指示された位置に対応するパラメ
ータの中のフィルタ係数をパラメータ記憶手段から読み
出し、この右用REFフィルタ11Rに供給する。外部
からの入力信号は、この右用REFフィルタ11Rでフ
ィルタ係数に応じたフィルタリングがなされ、遅延器1
2Riに供給される。
【0046】遅延器12Riは、入力された信号を遅延
させて出力する。この遅延器12Riは、RAM遅延器
で構成することができる。CPUは、指示手段によって
指示された位置に対応するパラメータの中の遅延係数を
パラメータ記憶手段から読み出し、この遅延器12Ri
に供給する。これにより遅延器12Riにおける遅延時
間が決定される。遅延器12Riで作成される遅延時間
は、原音の応答が右耳に到達する時刻から第i回目の反
射音の応答が右耳に到達する時刻までの時間差に対応す
る時間である。この遅延器12Riの出力は、増幅器1
3Riに供給される。
【0047】増幅器13Riは、入力された信号を増幅
して出力する。この増幅器13Riは、例えば乗算器を
用いて構成することができる。CPUは、指示手段によ
って指示された位置に対応するパラメータの中の増幅係
数をパラメータ記憶手段から読み出し、この増幅器13
iに供給する。これにより、第i回目の反射音の応答
の右耳における振幅が再現される。この増幅器13Ri
の出力は、加算器14Rに供給される。
【0048】なお、上記第4の信号生成手段は、入力信
号を、右用REFフィルタ11R→遅延器12Ri→増
幅器13Riの順で処理される構成としたが、処理の順
番は上記に限定されず任意であってよい。
【0049】加算器14Rは、増幅器13R0及び増幅
器13Riからの各信号を加算する。この加算結果は、
右チャンネル用音像制御信号として、本音像制御装置の
外部に出力される。
【0050】なお、上記遅延器12Ri、増幅器13Ri
及び加算器14Rの一部により構成される部分は、n次
のFIR型のフィルタを形成していることは、上述した
第2の信号生成手段の場合と同じである。
【0051】この実施の形態1によれば、信号処理手段
として、左チャンネル用の第1の信号生成手段及び右チ
ャンネル用の第3の信号生成手段に加え、更に、反射音
の伝達関数を模擬するための第2の信号生成手段及び第
4の信号生成手段をそれぞれを設け、第1の信号及び第
2の信号を合成して第1の音像制御信号を生成し、ま
た、第3の信号及び第4の信号を合成して第2の音像制
御信号を生成するようにしたので、音像定位が明瞭にな
ると共に、臨場感に溢れた音を再生することができる。
【0052】また、信号処理手段では、左用HTRFフ
ィルタ10L及び左用REFフィルタ11Lとして10
次未満のIIR型フィルタ、並びに遅延器12Li、増
幅器13Li及び加算器14Lの一部によって構成され
る9次程度のFIR型のフィルタを用い、また、右用H
TRFフィルタ10R及び右用REFフィルタ11Rと
して10次未満のIIR型フィルタ、並びに遅延器12
i、増幅器13Ri及び加算器14Rの一部によって構
成される9次程度のFIR型のフィルタを用いたので、
従来のFIR型フィルタを用いた音像定位装置に比べ、
予め用意すべきフィルタ係数の量、上記各フィルタに用
いられる遅延器を構成するために必要なメモリ容量を大
幅に減らすことができる。
【0053】(実施の形態2)図3は、本発明の音像制
御装置の信号処理手段の実施の形態2を示すブロック図
である。実施の形態2は、実施の形態1における複数の
遅延器を1つの遅延器にまとめて音像制御装置を構成し
たものである。以下においては、図2と同一又は相当す
る部分及び要素には同一符号を付し、説明を省略乃至簡
略化する。
【0054】実施の形態2で使用される遅延器12は複
数の出力部TL0〜TLn及びTR0〜TRnを有してお
り、各出力部TL0〜TLnびTR0〜TRnからは、入力
信号をそれぞれ所定時間だけ遅延させた信号が出力され
るようになっている。この遅延器12は、RAM遅延器
で構成することができる。
【0055】実施の形態2における第1の信号生成手段
は、左用HTRFフィルタ10L、遅延器12及び増幅
器13L0で構成されており、それぞれ第1のフィルタ
手段、第1の遅延手段及び第1の増幅手段に対応してい
る。実施の形態2では、第1の遅延手段は遅延器12で
構成され、遅延信号は、遅延器12の出力部TL0から
得られる。即ち、出力部TL0は、実施の形態1の遅延
器12L0における遅延時間と同じ時間だけ遅延された
入力信号を出力する。それ以外の点は、上述した実施の
形態1と同じである。
【0056】実施の形態2における第2の信号生成手段
は、左用REFフィルタ11L、遅延器12及びn個の
増幅器13Li(但し、i=1,2,・・・n)で構成
されており、それぞれ第2のフィルタ手段、n個の第2
の遅延手段及びn個の第2の増幅手段に対応している。
【0057】実施の形態2では、第2の遅延手段は遅延
器12で構成され、遅延信号は、遅延器12の出力部T
i(但し、i=1,2,・・・n)から得られる。即
ち、出力部TLiは、実施の形態1の遅延器12Liにお
ける遅延時間と同じ時間だけ遅延された入力信号を出力
する。遅延器12の各出力部TL1、TL2、・・・TL
nからの信号は、増幅器13L1、13L2、・・・13
nでそれぞれ増幅され、加算器14L1に供給される。
加算器14L1は、これらを加算して左用REFフィル
タ11Lに供給する。加算器14L1及び14L2は、実
施の形態1の加算器14Lに対応する機能を果たす。そ
れ以外の点は、上述した実施の形態1と同じである。
【0058】実施の形態2における第3の信号生成手段
は、右用HTRFフィルタ10R、遅延器12及び増幅
器13R0で構成されており、それぞれ第1のフィルタ
手段、第1の遅延手段及び第1の増幅手段に対応してい
る。実施の形態2では、第1の遅延手段は遅延器12で
構成され、遅延信号は、遅延器12の出力部TR0から
得られる。即ち、出力部TR0は、実施の形態1の遅延
器12R0における遅延時間と同じ時間だけ遅延された
入力信号を出力する。それ以外の点は、上述した実施の
形態1と同じである。
【0059】実施の形態2における第4の信号生成手段
は、右用REFフィルタ11R、遅延器12及びn個の
増幅器13Ri(但し、i=1,2,・・・n)で構成
されており、それぞれ第2のフィルタ手段、n個の第2
の遅延手段及びn個の第2の増幅手段に対応している。
【0060】実施の形態2では、第2の遅延手段は遅延
器12で構成され、遅延信号は、遅延器12の出力部T
i(但し、i=1,2,・・・n)から得られる。即
ち、出力部TRiは、実施の形態1の遅延器12Riにお
ける遅延時間と同じ時間だけ遅延された入力信号を出力
する。遅延器12の各出力部TR1、TR2、・・・TR
nからの信号は、増幅器13R1、13R2、・・・13
nでそれぞれ増幅され、加算器14R1に供給される。
加算器14R1は、これらを加算して右用REFフィル
タ11Rに供給する。加算器14R1及び14R2は、実
施の形態1の加算器14Rに対応する機能を果たす。そ
れ以外の点は、上述した実施の形態1と同じである。
【0061】以上説明したように、この実施の形態2に
よれば、複数の出力部TL0〜TLn及びTR0〜TRn
有する1個の遅延器12を設け、その遅延器12の出力
部TL0〜TLn及びTR0〜TRnから必要な信号を取り
出すように構成したので、遅延器をハードウエアで構成
する場合はハードウエア量を減らすことができ、遅延器
をRAMで構成する場合は、遅延器を構成するメモリの
容量を減らすことができる。
【0062】(実施の形態3)図4は、本発明の音像制
御装置の音像拡大手段の一実施の形態の構成を示すブロ
ック図である。図4において、左チャンネル用音像制御
信号Lin及び右チャンネル用音像制御信号Rinは、
それぞれ第1の合成手段及び第2の合成手段(図2及び
図3参照)から得られる。
【0063】図4において、左チャンネル用音像制御信
号Linは、第1の演算部20及び第2の演算部21に
供給される。また、右チャンネル用音像制御信号Rin
は、第1の演算部20及び第3の演算部22に供給され
る。
【0064】第1の演算部20は、左チャンネル用音像
制御信号Linから右チャンネル用音像制御信号Rin
を減算して差信号SDを生成する。この第1の演算部2
0は、例えばDSP又はCPUによる減算処理で構成す
ることができる。この第1の演算部20から出力される
差信号SDは、一次ローパスフィルタ23に供給され
る。
【0065】なお、第1の演算部20は、減算結果に所
定の乗算係数を乗算する乗算部(図示しない)を設ける
ように構成してもよい。この場合、乗算係数は、外部
(例えば図示しないCPU)から供給するように構成で
きる。この所定の乗算係数は、左チャンネル用出力信号
Lout及び右チャンネル用出力信号Routに対して
差信号SDを混合する割合を増減するために使用するこ
とができる。
【0066】一次ローパスフィルタ23は、第1の演算
部20からの差信号SDの高域成分を除去し、フィルタ
差信号SFとして出力する。一次ローパスフィルタ23
として、例えば遅延素子、係数乗算器及び加算器で構成
されるデジタルフィルタを用いることができる。また、
遅延素子、係数乗算器及び加算器の機能をDSP又はC
PUの処理で実現することもできる。この一次ローパス
フィルタ23としては、例えばカットオフ周波数700
HzのIIR型のフィルタを用いることができる。この
一次ローパスフィルタ23からのフィルタ差信号SF
は、第2の演算部21及び第3の演算部22に供給され
る。
【0067】第2の演算部21は、左チャンネル用音像
制御信号Linと一次ローパスフィルタ23からのフィ
ルタ差信号SFとを加算し、左チャンネル用出力信号L
outを生成する。この第2の演算部21は、例えばデ
ジタル信号である場合はDSP又はCPUによる加算処
理で構成することができる。この第2の演算部21から
の左チャンネル用出力信号Loutは、本音像制御装置
の外部に出力される。
【0068】第3の演算部22は、右チャンネル用音像
制御信号Rinから一次ローパスフィルタ23からのフ
ィルタ差信号SFを減算し、右チャンネル用出力信号R
outを生成する。この第3の演算部22は、例えばD
SP又はCPUによる減算処理で構成することができ
る。この第3の演算部22からの右チャンネル用出力信
号Routは、本音像制御装置の外部に出力される。
【0069】以上の構成において、本音像制御装置の動
作につき、信号の流れに沿って説明する。
【0070】左チャンネル用音像制御信号Lin及び右
チャンネル用音像制御信号Rinが入力されると、第1
の演算部20は差信号SDを生成し、一次ローパスフィ
ルタ23に供給する。一次ローパスフィルタ23は、こ
の差信号SDの高域成分が除去されたフィルタ差信号S
Fを生成し、第2の演算部21及び第3の演算部22に
供給する。そして、第2の演算部21においては、左チ
ャンネル用音像制御信号Linにフィルタ差信号SFが
加算されて左チャンネル用出力信号Loutが生成され
る。ここで、フィルタ差信号SFは「Lin−Rin」
に基づき得られるので、左チャンネル用出力信号Lou
tは「2Lin−Rin」を反映した信号となる。同様
に、第3の演算部22においては、右チャンネル用音像
制御信号Rinからフィルタ差信号SFが減算されて右
チャンネル用出力信号Routが生成される。この右チ
ャンネル用出力信号Routは「2Rin−Lin」を
反映した信号となる。
【0071】これらの左チャンネル用出力信号Lout
及び右チャンネル用出力信号Routを、それぞれ左右
のスピーカに供給して音を発生させれば、左チャンネル
用スピーカの内側に定位していた音像は左チャンネル用
スピーカの更に左側に定位し、また、右チャンネル用ス
ピーカの内側に定位していた音像は右チャンネル用スピ
ーカの更に右側に定位する。これにより、ステレオ音像
は拡大される。
【0072】図5は、図4に示した音像拡大手段の変形
例である。この変形例では、第1の演算部20は、右チ
ャンネル用音像制御信号Rinから左チャンネル用音像
制御信号Linを減算して差信号SDを生成し、一次ロ
ーパスフィルタ23は、フィルタ差信号SFを生成す
る。そして、第2の演算部21では、左チャンネル用音
像制御信号Linからフィルタ差信号SFが減算されて
左チャンネル用出力信号Loutが生成される。ここ
で、フィルタ差信号SFは、「Rin−Lin」に基づ
き得られるので、左チャンネル用出力信号Loutは
「2Lin−Rin」を反映した信号となる。同様に、
第3の演算部22においては、右チャンネル用音像制御
信号Rinにフィルタ差信号SFが加算されて右チャン
ネル用出力信号Routが生成される。この右チャンネ
ル用出力信号Routは「2Rin−Lin」を反映し
た信号となる。このように、この変形例においても、上
述した音像制御装置と同様の左チャンネル用出力信号L
out及び右チャンネル用出力信号Routが生成され
るので、上述した効果と同様の効果を奏する。
【0073】このように、実施の形態1又は実施の形態
2で説明した音像制御装置に更に音像拡大手段を付加す
れば、2チャンネルのスピーカ再生において、入力され
た信号に対し音像をスピーカの外側に定位させることが
できるので、サウンドステージの大幅な拡大が可能であ
る。
【0074】なお、上記では、音像拡大手段はデジタル
信号を処理するものとして説明したが、第1の合成手段
からの第1の音像制御信号及び第2の合成手段からの第
2の音像制御信号を一旦アナログ信号に変換して音像拡
大手段に供給するように構成してもよい。この場合、第
1の演算部20〜第3の演算部22は演算増幅器で構成
することができる。また、一次ローパスフィルタ23
は、例えば時定数318μsの一次ローパスフィルタを
用いることができる。
【0075】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、
ヘッドフォン受聴者に対して頭外に音像を定位させ、ス
ピーカ受聴者に対して左右の両スピーカの外側に音像を
定位させることができ、しかも従来にない音の広がり感
と臨場感が得られる音像制御装置及び音像制御方法を提
供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の音像制御装置の原理図である。
【図2】本発明の音像制御装置の実施の形態1の構成を
示すブロック図である。
【図3】本発明の音像制御装置の実施の形態2の構成を
示すブロック図である。
【図4】本発明の音像制御装置の音像拡大手段を示す図
である。
【図5】本発明の音像制御装置の音像拡大手段の変形例
を示す図である。
【符号の説明】
10L 左用HTRFフィルタ 10R 右用HTRFフィルタ 11L 左用REFフィルタ 11R 右用REFフィルタ 12、12L0〜12Ln、12R0〜12Rn 遅延器 13L0〜13Ln、13R0〜13Rn 増幅器 14L、14L1、14L2、14R、14R1、14R2
加算器 20 第1の演算部 21 第2の演算部 22 第3の演算部 23 一次ローパスフィルタ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04S 1/00 G10K 15/00 B

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】音像を定位させるためのパラメータを記憶
    したパラメータ記憶手段と、 音像を定位させる位置を指示する指示手段と、 該指示手段からの指示に応じて該パラメータ記憶手段か
    らパラメータを読み出すパラメータ読出手段と、 該パラメータ読出手段によって読み出されたパラメータ
    に応じて外部からの入力信号を処理する信号処理手段、
    とを備えた音像制御装置であって、 該信号処理手段は、 該入力信号を該パラメータに応じて処理することにより
    頭部伝達関数を模擬した第1の信号を生成する第1の信
    号生成手段と、 該入力信号を該パラメータに応じて処理することにより
    反射音の伝達関数を模擬した第2の信号を生成する第2
    の信号生成手段と、 該第1の信号生成手段で生成された第1の信号と第2の
    信号生成手段で生成された第2の信号とを合成し、以て
    音像を制御するための第1の音像制御信号を生成する第
    1の合成手段と、 該入力信号を該パラメータに応じて処理することにより
    頭部伝達関数を模擬した第3の信号を生成する第3の信
    号生成手段と、 該入力信号を該パラメータに応じて処理することにより
    反射音の伝達関数を模擬した第4の信号を生成する第4
    の信号生成手段と、 該第3の信号生成手段で生成された第3の信号と第4の
    信号生成手段で生成された第4の信号とを合成し、以て
    音像を制御するための第2の音像制御信号を生成する第
    2の合成手段、とで成ることを特徴とする音像制御装
    置。
  2. 【請求項2】前記第1の信号生成手段及び第3の信号生
    成手段は、それぞれ第1のフィルタ手段、第1の遅延手
    段及び第1の増幅手段で成り、 前記第2の信号生成手段及び第4の信号生成手段は、そ
    れぞれ第2のフィルタ手段、n個の第2の遅延手段及び
    n個の第2の増幅手段で成ることを特徴とする請求項1
    に記載の音像制御装置。
  3. 【請求項3】前記信号処理手段は、 1つの入力信号について遅延時間の異なる複数の遅延信
    号を出力する1つの遅延手段と、 該遅延手段からの所定の遅延信号を前記パラメータに応
    じて処理することにより頭部伝達関数を模擬した信号を
    生成する第1の信号生成手段と、 該遅延手段からの所定のn個の遅延信号を前記パラメー
    タに応じて処理することにより反射音の伝達関数を模擬
    した信号を生成する第2の信号生成手段と、 該第1の信号生成手段からの信号及び第2の信号生成手
    段からの信号を合成し、以て第1の音像制御信号を生成
    する第1の合成手段と、 該遅延手段からの所定の遅延信号を前記パラメータに応
    じて処理することにより頭部伝達関数を模擬した信号を
    生成する第3の信号生成手段と、 該遅延手段からの所定のn個の遅延信号を前記パラメー
    タに応じて処理することにより反射音の伝達関数を模擬
    した信号を生成する第4の信号生成手段と、 該第3の信号生成手段からの信号及び第4の信号生成手
    段からの信号を合成し、以て第2の音像制御信号を生成
    する第2の合成手段、とで構成されることを特徴とする
    請求項1に記載の音像制御装置。
  4. 【請求項4】前記第1の信号生成手段及び第3の信号生
    成手段は、それぞれ第1のフィルタ手段及び第1の増幅
    手段で成り、 前記第2の信号生成手段及び第4の信号生成手段は、そ
    れぞれ第2のフィルタ手段及びn個の第2の増幅手段で
    成ることを特徴とする請求項3に記載の音像制御装置。
  5. 【請求項5】前記第1のフィルタ手段及び第2のフィル
    タ手段は、それぞれ10次未満のIIR型フィルタで構
    成されていることを特徴とする請求項2又は請求項4に
    記載の音像制御装置。
  6. 【請求項6】音像拡大手段を更に備え、該音像拡大手段
    は、 前記第1の合成手段からの第1の音像制御信号から、前
    記第2の合成手段からの第2の音像制御信号を減算して
    差信号を生成する第1の演算部と、 該第1の演算部からの差信号をフィルタリングしてフィ
    ルタ差信号を生成するフィルタ手段と、 該第1の音像制御信号と該フィルタ手段からのフィルタ
    差信号とを加算し、以て第1の出力信号を生成する第2
    の演算部と、 該第2の音像制御信号から該フィルタ手段からのフィル
    タ差信号を減算し、以て第2の出力信号を生成する第3
    の演算部、とで構成されることを特徴とする請求項4に
    記載の音像制御装置。
  7. 【請求項7】音像を定位させるためのパラメータを記憶
    し、音像を定位させる位置が指示された場合に、該指示
    に応じて該記憶されているパラメータを読み出し、該読
    み出されたパラメータに応じて外部からの入力信号を処
    理することにより音像定位を制御する音像制御方法であ
    って、 該処理においては、 該入力信号を該パラメータに応じて処理することにより
    頭部伝達関数を模擬した第1の信号を生成し、 該入力信号を該パラメータに応じて処理することにより
    反射音の伝達関数を模擬した第2の信号を生成し、 該第1の信号と該第2の信号とを合成し、以て音像を制
    御するための第1の音像制御信号を生成し、 該入力信号を該パラメータに応じて処理することにより
    頭部伝達関数を模擬した第3の信号を生成し、 該入力信号を該パラメータに応じて処理することにより
    反射音の伝達関数を模擬した第4の信号を生成し、 該第3の信号と該第4の信号とを合成し、以て音像を制
    御するための第2の音像制御信号を生成することを特徴
    とする音像制御方法。
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