JPH09179320A - 電子写真感光体の製造方法 - Google Patents
電子写真感光体の製造方法Info
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- JPH09179320A JPH09179320A JP33722495A JP33722495A JPH09179320A JP H09179320 A JPH09179320 A JP H09179320A JP 33722495 A JP33722495 A JP 33722495A JP 33722495 A JP33722495 A JP 33722495A JP H09179320 A JPH09179320 A JP H09179320A
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- Japan
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- resin
- layer
- photosensitive layer
- solvent
- layer forming
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- Photoreceptors In Electrophotography (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 電子写真感光体の主剤である樹脂が溶解され
て発生する電子写真特性の劣化および電子写真感光体の
変形と、乾燥の熱による電子写真感光体の変形とを防止
する。 【解決手段】 電子写真感光体の感光体支持体2を洗浄
する第1洗浄槽50および第2洗浄槽51には、それぞ
れ感光体支持体2を構成する樹脂を溶解しない洗浄液5
5・60が満たされている。また、洗浄された感光体支
持体2を乾燥させるための乾燥装置42の乾燥温度は、
上記樹脂の軟化点未満である。これにより、上記樹脂は
溶解せず、また熱により軟化しないので、電子写真感光
体の電子写真特性の低下と変形とを防止することができ
る。
て発生する電子写真特性の劣化および電子写真感光体の
変形と、乾燥の熱による電子写真感光体の変形とを防止
する。 【解決手段】 電子写真感光体の感光体支持体2を洗浄
する第1洗浄槽50および第2洗浄槽51には、それぞ
れ感光体支持体2を構成する樹脂を溶解しない洗浄液5
5・60が満たされている。また、洗浄された感光体支
持体2を乾燥させるための乾燥装置42の乾燥温度は、
上記樹脂の軟化点未満である。これにより、上記樹脂は
溶解せず、また熱により軟化しないので、電子写真感光
体の電子写真特性の低下と変形とを防止することができ
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、電子写真
プリンタおよび普通紙ファクシミリなど、デジタル画像
情報に基づく光走査を感光体上になすことにより画像の
記録を行わせる光走査方式の画像記録装置に備えられる
電子写真感光体の製造方法に関するものである。
プリンタおよび普通紙ファクシミリなど、デジタル画像
情報に基づく光走査を感光体上になすことにより画像の
記録を行わせる光走査方式の画像記録装置に備えられる
電子写真感光体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】複写機やプリンタなどに搭載されている
電子写真感光体は、外周面に感光層が形成される円筒状
の支持体、駆動力をこの支持体に伝達する駆動伝達部、
および上記支持体を軸支する軸受部を備えている。
電子写真感光体は、外周面に感光層が形成される円筒状
の支持体、駆動力をこの支持体に伝達する駆動伝達部、
および上記支持体を軸支する軸受部を備えている。
【0003】上記電子写真感光体としては、図9に示す
ように、支持体101と感光層102との間に下引層1
03を設けるとともに、感光層102として電荷発生層
104と電荷輸送層105とを有している機能分離型の
ものが知られている。この電子写真感光体の作成方法を
図10に示すフローチャートに基づいて以下に説明す
る。アルミニウムからなる支持体101がインパクト成
型もしくは押出成型により形成される(S1)。必要に
応じ、この支持体101の外周面に表面加工を施すとと
もに、内面端部に内面端部加工を施す(S2)。上記表
面加工は、外周面を所定粗さにするとともに、全体の外
径を所定寸法内に収めるために行う。一方、上記内面端
部加工は、上記支持体101に上記駆動伝達部および軸
受部などのフランジを接着もしくは圧着するために行
う。一般的に、上記表面加工および内面端部加工には精
密旋盤が使用される。
ように、支持体101と感光層102との間に下引層1
03を設けるとともに、感光層102として電荷発生層
104と電荷輸送層105とを有している機能分離型の
ものが知られている。この電子写真感光体の作成方法を
図10に示すフローチャートに基づいて以下に説明す
る。アルミニウムからなる支持体101がインパクト成
型もしくは押出成型により形成される(S1)。必要に
応じ、この支持体101の外周面に表面加工を施すとと
もに、内面端部に内面端部加工を施す(S2)。上記表
面加工は、外周面を所定粗さにするとともに、全体の外
径を所定寸法内に収めるために行う。一方、上記内面端
部加工は、上記支持体101に上記駆動伝達部および軸
受部などのフランジを接着もしくは圧着するために行
う。一般的に、上記表面加工および内面端部加工には精
密旋盤が使用される。
【0004】加工後の支持体101の外周面および内面
には、切削油、切削によって生じる切粉、およびゴミ
(ダスト)などが多く付着している。この様な状態で支
持体101の外周面に感光層102を形成すると、感光
層102には、上記物質のために多くの塗布不良が生じ
てしまう。このため、この様な支持体101を備えた電
子写真感光体を使用して得られる画像の画質は、実用に
耐え得るものではない。このことから、加工後の支持体
101は感光層102を形成する前に、外周面および内
面が洗浄される(S3)。
には、切削油、切削によって生じる切粉、およびゴミ
(ダスト)などが多く付着している。この様な状態で支
持体101の外周面に感光層102を形成すると、感光
層102には、上記物質のために多くの塗布不良が生じ
てしまう。このため、この様な支持体101を備えた電
子写真感光体を使用して得られる画像の画質は、実用に
耐え得るものではない。このことから、加工後の支持体
101は感光層102を形成する前に、外周面および内
面が洗浄される(S3)。
【0005】洗浄方法は、メチレンクロライドおよびト
リクロロエタンなどの塩素系溶剤、メタノールおよびエ
タノールなどのアルコール系溶剤、あるいは水および界
面活性剤の少なくとも一方の物質の溶液などに支持体1
01を浸漬し、超音波洗浄、ブラシ洗浄、およびジェッ
ト洗浄を適当に組み合わせて行う。また、他の洗浄方法
としては、紫外線洗浄およびオゾン洗浄などの乾式洗浄
方法が提案されている。
リクロロエタンなどの塩素系溶剤、メタノールおよびエ
タノールなどのアルコール系溶剤、あるいは水および界
面活性剤の少なくとも一方の物質の溶液などに支持体1
01を浸漬し、超音波洗浄、ブラシ洗浄、およびジェッ
ト洗浄を適当に組み合わせて行う。また、他の洗浄方法
としては、紫外線洗浄およびオゾン洗浄などの乾式洗浄
方法が提案されている。
【0006】洗浄が終了した支持体101は、その外周
面および内面に付着した洗浄溶剤が温風などで蒸発乾燥
される(S4)。そして、乾燥した支持体101は、室
温程度まで冷却される(S5)。その後、冷却した支持
体101に対しては、浸漬塗布法、スプレー法、または
押出法などによりその外周面に塗布液を塗布する工程
と、この塗布液を乾燥する工程とが繰り返し行われる。
即ち、これらの工程では、上記支持体101の外周面に
下引層103を塗布し(S6)、この下引層103を乾
燥させる(S7)。上記下引層103は、支持体101
とその外周面に塗布する感光層102との接着性を向上
するため、およびある程度のバリア性を付与するために
用いられる。
面および内面に付着した洗浄溶剤が温風などで蒸発乾燥
される(S4)。そして、乾燥した支持体101は、室
温程度まで冷却される(S5)。その後、冷却した支持
体101に対しては、浸漬塗布法、スプレー法、または
押出法などによりその外周面に塗布液を塗布する工程
と、この塗布液を乾燥する工程とが繰り返し行われる。
即ち、これらの工程では、上記支持体101の外周面に
下引層103を塗布し(S6)、この下引層103を乾
燥させる(S7)。上記下引層103は、支持体101
とその外周面に塗布する感光層102との接着性を向上
するため、およびある程度のバリア性を付与するために
用いられる。
【0007】次に、上記下引層103上に電荷発生層
(Charge Generation Layer)104を塗布し(S8)、
この電荷発生層104を乾燥させる(S9)。続いて、
上記電荷発生層104上に電荷輸送層(Charge Transpor
t Layer)105を塗布し(S10)、この電荷輸送層1
05を乾燥させる(S11)。また、上記電荷発生層1
04と電荷輸送層105とは逆の順序で積層してもよ
い。さらに、2層構造としていた電荷発生層104と電
荷輸送層105とに用いられている材料を混合して1層
構造にしてもよい。
(Charge Generation Layer)104を塗布し(S8)、
この電荷発生層104を乾燥させる(S9)。続いて、
上記電荷発生層104上に電荷輸送層(Charge Transpor
t Layer)105を塗布し(S10)、この電荷輸送層1
05を乾燥させる(S11)。また、上記電荷発生層1
04と電荷輸送層105とは逆の順序で積層してもよ
い。さらに、2層構造としていた電荷発生層104と電
荷輸送層105とに用いられている材料を混合して1層
構造にしてもよい。
【0008】上記塗布に最も多く用いられる方法は、以
下に説明する浸漬塗布法である。この浸漬塗布法では、
塗布膜を形成するための樹脂、感光性物質、およびその
他添加剤を溶剤中に溶解および/もしくは分散させた塗
布液に支持体を浸漬する。次いで、適当な速さで支持体
を引き上げることによりその外周面に塗布膜を形成す
る。ところが、支持体が円筒状の場合、以下のような欠
点がある。(1) 塗布液が支持体の内面に付着すると塗布
液の無駄になる。(2) 電子写真感光体から複写機にアー
スを取る際の障害になる。(3) 支持体内部の空気が塗布
液中に逃げて塗布液が大きく揺れて塗布膜に塗布むらが
生じる。そこで、上記支持体の内面をエアチャック(風
船チャック)などの方法で保護し、塗布液が支持体内部
に浸入しないようにするとともに、浸漬塗布中に支持体
内部の空気が塗布液中に逃げないようにしている。
下に説明する浸漬塗布法である。この浸漬塗布法では、
塗布膜を形成するための樹脂、感光性物質、およびその
他添加剤を溶剤中に溶解および/もしくは分散させた塗
布液に支持体を浸漬する。次いで、適当な速さで支持体
を引き上げることによりその外周面に塗布膜を形成す
る。ところが、支持体が円筒状の場合、以下のような欠
点がある。(1) 塗布液が支持体の内面に付着すると塗布
液の無駄になる。(2) 電子写真感光体から複写機にアー
スを取る際の障害になる。(3) 支持体内部の空気が塗布
液中に逃げて塗布液が大きく揺れて塗布膜に塗布むらが
生じる。そこで、上記支持体の内面をエアチャック(風
船チャック)などの方法で保護し、塗布液が支持体内部
に浸入しないようにするとともに、浸漬塗布中に支持体
内部の空気が塗布液中に逃げないようにしている。
【0009】上述した浸漬塗布法などにより下引層10
3、電荷発生層104、および電荷輸送層105が形成
された支持体101において、その一部内面に付着した
塗布液は溶剤を用いて拭き取られる(S12)。そし
て、上記駆動伝達部をこの支持体101の一方の端部
に、上記軸受部を上記支持体101の他方の端部に接着
もしくは圧着し(S13)、電子写真感光体が完成する
(S14)。
3、電荷発生層104、および電荷輸送層105が形成
された支持体101において、その一部内面に付着した
塗布液は溶剤を用いて拭き取られる(S12)。そし
て、上記駆動伝達部をこの支持体101の一方の端部
に、上記軸受部を上記支持体101の他方の端部に接着
もしくは圧着し(S13)、電子写真感光体が完成する
(S14)。
【0010】ところで、支持体101の材料として、従
来使用されてきたアルミニウムに代えて導電性物質を含
有した樹脂を使用することが提案されている。一般に樹
脂は、アルミニウムに比べて価格が安く、また、上記支
持体、駆動伝達部および軸受部を一体成型することがで
きるので、駆動伝達部および軸受部を支持体に圧着もし
くは接着する必要がなくなる。従って、製造工程数が削
減できるのでコストダウンを図ることができる。
来使用されてきたアルミニウムに代えて導電性物質を含
有した樹脂を使用することが提案されている。一般に樹
脂は、アルミニウムに比べて価格が安く、また、上記支
持体、駆動伝達部および軸受部を一体成型することがで
きるので、駆動伝達部および軸受部を支持体に圧着もし
くは接着する必要がなくなる。従って、製造工程数が削
減できるのでコストダウンを図ることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】ところが、電子写真感
光体を樹脂製の支持体を使用して製造する場合におい
て、図10に示して上述した製造方法を採用した場合、
以下に示す問題点を招来する。 (1) 上記支持体の成型後に、この支持体の洗浄に使用さ
れる洗浄液、感光層の塗布に使用される塗布液、もしく
は余分な感光層の拭き取りに使用される除去用溶剤が、
支持体を構成している樹脂を溶解もしくは膨潤する。こ
のため、支持体が変形する事態、この支持体を構成して
いる導電性物質が上記の洗浄液、塗布液または除去用溶
剤中に漏出してしまい、上記支持体の帯電性が低下する
事態が生じ、これらが電子写真感光体の電子写真特性に
悪影響を及ぼすことになる。 (2) 上記支持体の洗浄液、塗布液または除去用溶剤を乾
燥させる際、支持体に吹き付けられる温風の熱によって
上記支持体の樹脂が軟化し、電子写真感光体が変形す
る。この結果、(1)の場合と同様、電子写真感光体の
電子写真特性に悪影響を及ぼすことになる。
光体を樹脂製の支持体を使用して製造する場合におい
て、図10に示して上述した製造方法を採用した場合、
以下に示す問題点を招来する。 (1) 上記支持体の成型後に、この支持体の洗浄に使用さ
れる洗浄液、感光層の塗布に使用される塗布液、もしく
は余分な感光層の拭き取りに使用される除去用溶剤が、
支持体を構成している樹脂を溶解もしくは膨潤する。こ
のため、支持体が変形する事態、この支持体を構成して
いる導電性物質が上記の洗浄液、塗布液または除去用溶
剤中に漏出してしまい、上記支持体の帯電性が低下する
事態が生じ、これらが電子写真感光体の電子写真特性に
悪影響を及ぼすことになる。 (2) 上記支持体の洗浄液、塗布液または除去用溶剤を乾
燥させる際、支持体に吹き付けられる温風の熱によって
上記支持体の樹脂が軟化し、電子写真感光体が変形す
る。この結果、(1)の場合と同様、電子写真感光体の
電子写真特性に悪影響を及ぼすことになる。
【0012】本発明の目的は、上記の洗浄液、塗布液、
および除去用溶剤などに含まれる溶剤による支持体の変
形や帯電性の低下を防止し得るとともに、上記乾燥時の
熱による支持体の変形を防止することができる電子写真
感光体の製造方法を提供することにある。
および除去用溶剤などに含まれる溶剤による支持体の変
形や帯電性の低下を防止し得るとともに、上記乾燥時の
熱による支持体の変形を防止することができる電子写真
感光体の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、請求項1の発明の電子写真感光体の製造方法は、
感光層形成体の表面に少なくとも感光層を含む所定の機
能を有する機能層を形成する電子写真感光体の製造方法
において、上記感光層形成体は樹脂を主剤として形成さ
れ、上記機能層の形成に伴って使用される溶剤が上記感
光層形成体の主剤となる樹脂を溶解しないものであるこ
とを特徴としている。
めに、請求項1の発明の電子写真感光体の製造方法は、
感光層形成体の表面に少なくとも感光層を含む所定の機
能を有する機能層を形成する電子写真感光体の製造方法
において、上記感光層形成体は樹脂を主剤として形成さ
れ、上記機能層の形成に伴って使用される溶剤が上記感
光層形成体の主剤となる樹脂を溶解しないものであるこ
とを特徴としている。
【0014】上記方法によれば、機能層の形成に伴って
使用される溶剤により、感光層形成体の主剤である樹脂
は溶解されることがない。また、上記樹脂の溶解が防止
されることにより、導電性物質が上記感光層形成体に含
有されている場合でも、上記導電性物質は上記溶剤中に
漏出することがない。
使用される溶剤により、感光層形成体の主剤である樹脂
は溶解されることがない。また、上記樹脂の溶解が防止
されることにより、導電性物質が上記感光層形成体に含
有されている場合でも、上記導電性物質は上記溶剤中に
漏出することがない。
【0015】この結果、電子写真感光体は、機能層の形
成に伴って使用される溶剤による変形が防止されるとと
もに、上記導電性物質の減少による電子写真感光体の帯
電性の低下が防止できるので、電子写真特性への悪影響
を防止することができる。
成に伴って使用される溶剤による変形が防止されるとと
もに、上記導電性物質の減少による電子写真感光体の帯
電性の低下が防止できるので、電子写真特性への悪影響
を防止することができる。
【0016】請求項2の発明の電子写真感光体の製造方
法は、請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法にお
いて、上記溶剤の溶解度パラメータと上記感光層形成体
の主剤となる樹脂の溶解度パラメータとの差が少なくと
も2以上離れていることを特徴としている。
法は、請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法にお
いて、上記溶剤の溶解度パラメータと上記感光層形成体
の主剤となる樹脂の溶解度パラメータとの差が少なくと
も2以上離れていることを特徴としている。
【0017】上記方法によれば、請求項1に記載の作用
に加えて、上記溶剤の溶解度パラメータと上記感光層形
成体の主剤となる樹脂の溶解度パラメータとの差が少な
くとも2以上離れているので、上記溶剤による上記支持
体の樹脂の溶解を確実に防止することができる。
に加えて、上記溶剤の溶解度パラメータと上記感光層形
成体の主剤となる樹脂の溶解度パラメータとの差が少な
くとも2以上離れているので、上記溶剤による上記支持
体の樹脂の溶解を確実に防止することができる。
【0018】この結果、溶解度パラメータに基づいて、
上記溶剤を選択することができるので、溶剤の選択が容
易となる。
上記溶剤を選択することができるので、溶剤の選択が容
易となる。
【0019】請求項3の発明の電子写真感光体の製造方
法は、請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法にお
いて、上記機能層は感光層形成体の表面に複数層が積層
され、これら機能層を形成するための個々の溶剤の内、
上記感光層形成体の表面に最初に形成される第1機能層
の溶剤のみが上記感光層形成体の主剤となる樹脂を溶解
しないことを特徴としている。
法は、請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法にお
いて、上記機能層は感光層形成体の表面に複数層が積層
され、これら機能層を形成するための個々の溶剤の内、
上記感光層形成体の表面に最初に形成される第1機能層
の溶剤のみが上記感光層形成体の主剤となる樹脂を溶解
しないことを特徴としている。
【0020】上記方法によれば、上記第1機能層上に積
層される他の機能層を形成するための溶剤は上記樹脂を
溶解してもよいものを選択することができる。
層される他の機能層を形成するための溶剤は上記樹脂を
溶解してもよいものを選択することができる。
【0021】この結果、上記他の機能層を形成するため
の溶剤の選択の範囲が広がるので、使用材料に対する規
制を緩和することができる。
の溶剤の選択の範囲が広がるので、使用材料に対する規
制を緩和することができる。
【0022】請求項4の発明の電子写真感光体の製造方
法は、請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法にお
いて、上記機能層を形成する工程の後に、上記機能層の
不要部を除去用溶剤により除去する工程を有し、この工
程において、上記除去用溶剤が上記感光層形成体の主剤
となる樹脂を溶解しないものであることを特徴としてい
る。
法は、請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法にお
いて、上記機能層を形成する工程の後に、上記機能層の
不要部を除去用溶剤により除去する工程を有し、この工
程において、上記除去用溶剤が上記感光層形成体の主剤
となる樹脂を溶解しないものであることを特徴としてい
る。
【0023】上記方法によれば、機能層の不要部の除去
工程において、機能層の不要部を除去するために使用さ
れる溶剤は、上記機能層を溶解するが、感光層形成体の
主剤である樹脂を溶解しないので、感光層形成体は溶解
されることなく上記不要部を除去することができる。
工程において、機能層の不要部を除去するために使用さ
れる溶剤は、上記機能層を溶解するが、感光層形成体の
主剤である樹脂を溶解しないので、感光層形成体は溶解
されることなく上記不要部を除去することができる。
【0024】この結果、機能層の不要部を除去する際、
上記不要部の除去に使用する溶剤により、感光層形成体
が変形する事態を防止することができる。
上記不要部の除去に使用する溶剤により、感光層形成体
が変形する事態を防止することができる。
【0025】請求項5の発明の電子写真感光体の製造方
法は、感光層形成体の表面に少なくとも感光層を含む所
定の機能を有する機能層を形成する電子写真感光体の製
造方法において、上記感光層形成体は樹脂を主剤として
形成され、上記機能層の形成に伴って使用される溶剤は
沸点が上記感光層形成体の樹脂の軟化点未満のものであ
ることを特徴としている。
法は、感光層形成体の表面に少なくとも感光層を含む所
定の機能を有する機能層を形成する電子写真感光体の製
造方法において、上記感光層形成体は樹脂を主剤として
形成され、上記機能層の形成に伴って使用される溶剤は
沸点が上記感光層形成体の樹脂の軟化点未満のものであ
ることを特徴としている。
【0026】上記方法によれば、上記溶剤を乾燥させる
際、乾燥温度を高くする程、溶剤の乾燥は早く終了す
る。しかしながら、もし乾燥温度が上記感光層形成体の
樹脂の軟化点以上であるならば、上記樹脂が軟化して電
子写真感光体は変形してしまい、この電子写真感光体は
使用することができない。
際、乾燥温度を高くする程、溶剤の乾燥は早く終了す
る。しかしながら、もし乾燥温度が上記感光層形成体の
樹脂の軟化点以上であるならば、上記樹脂が軟化して電
子写真感光体は変形してしまい、この電子写真感光体は
使用することができない。
【0027】ところが、上記溶剤の沸点が上記樹脂の軟
化点未満であるならば、乾燥温度が低くても上記溶剤は
十分乾燥する一方、上記樹脂が軟化しないので電子写真
感光体は変形しない。
化点未満であるならば、乾燥温度が低くても上記溶剤は
十分乾燥する一方、上記樹脂が軟化しないので電子写真
感光体は変形しない。
【0028】この結果、上記溶剤は、その沸点が上記感
光層形成体の主剤である樹脂の軟化点未満であるので、
乾燥温度が上記軟化点未満でも、上記溶剤は完全に乾燥
するとともに、熱による電子写真感光体の変形を防止す
ることができる。また、乾燥にかかる温度を下げること
ができるので、コストダウンを図ることができる。
光層形成体の主剤である樹脂の軟化点未満であるので、
乾燥温度が上記軟化点未満でも、上記溶剤は完全に乾燥
するとともに、熱による電子写真感光体の変形を防止す
ることができる。また、乾燥にかかる温度を下げること
ができるので、コストダウンを図ることができる。
【0029】請求項6の発明の電子写真感光体の製造方
法は、請求項1または5に記載の電子写真感光体の製造
方法において、上記機能層の形成後にこの層を加熱して
乾燥させる乾燥工程を有し、この乾燥工程での乾燥温度
が上記感光層形成体の樹脂の軟化点未満であることを特
徴としている。
法は、請求項1または5に記載の電子写真感光体の製造
方法において、上記機能層の形成後にこの層を加熱して
乾燥させる乾燥工程を有し、この乾燥工程での乾燥温度
が上記感光層形成体の樹脂の軟化点未満であることを特
徴としている。
【0030】上記方法によれば、上記溶剤を乾燥させる
ための温度が上記樹脂の軟化点未満であるので、上記樹
脂は軟化することがない。
ための温度が上記樹脂の軟化点未満であるので、上記樹
脂は軟化することがない。
【0031】この結果、熱による電子写真感光体の変形
を防止することができる。
を防止することができる。
【0032】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図1ないし
図8に基づいて以下に説明する。電子写真感光体1は、
図2に示すように、感光体支持体2上に感光層3が形成
されたものとなっている。上記感光体支持体2は少なく
とも感光層3を形成する部分が導電性を有している感光
層形成部4、駆動伝達部5、および軸受部6から構成さ
れている。上記駆動伝達部5は、本実施の形態では平歯
車を用いているが、電子写真感光体1に駆動力を伝達す
るものであればよく、例えば、ハスバ歯車、カップリッ
グ、またはインターナルギアを用いてもよい。軸受部6
は、電子写真感光体1を軸支するものであればよい。軸
受部6を凸状とした場合、電子写真感光体1の径によら
ず凸状部分の径は一定の方が望ましい。凸状部分の径を
一定とすることによって、電子写真感光体1の径に関わ
らず、凸状部分を把持し、感光層3の塗布などを行う際
に使用するドラム把持治具が1種類で済む。この結果、
従来のように感光層形成部4の径毎の内部チャッキング
治具が不必要となり、設備のコストダウンができる。し
かしながら、軸受部6における突出部の長さが10mm
以下の場合、チャッキング治具での保持が困難となるの
で、上記突出部の長さは10mm以上が望ましい。
図8に基づいて以下に説明する。電子写真感光体1は、
図2に示すように、感光体支持体2上に感光層3が形成
されたものとなっている。上記感光体支持体2は少なく
とも感光層3を形成する部分が導電性を有している感光
層形成部4、駆動伝達部5、および軸受部6から構成さ
れている。上記駆動伝達部5は、本実施の形態では平歯
車を用いているが、電子写真感光体1に駆動力を伝達す
るものであればよく、例えば、ハスバ歯車、カップリッ
グ、またはインターナルギアを用いてもよい。軸受部6
は、電子写真感光体1を軸支するものであればよい。軸
受部6を凸状とした場合、電子写真感光体1の径によら
ず凸状部分の径は一定の方が望ましい。凸状部分の径を
一定とすることによって、電子写真感光体1の径に関わ
らず、凸状部分を把持し、感光層3の塗布などを行う際
に使用するドラム把持治具が1種類で済む。この結果、
従来のように感光層形成部4の径毎の内部チャッキング
治具が不必要となり、設備のコストダウンができる。し
かしながら、軸受部6における突出部の長さが10mm
以下の場合、チャッキング治具での保持が困難となるの
で、上記突出部の長さは10mm以上が望ましい。
【0033】一方、上記突出部の長さが20mm以上に
なると、電子写真感光体1の全長が長くなり、この電子
写真感光体1を搭載したレーザプリンタなどの装置が大
きくなるという欠点がある。また、軸受部6の軸の形状
は、円柱状の他に、小判形状とすることにより、チャッ
キング治具での保持が容易になり好ましい。そして、上
記駆動伝達部5は電子写真感光体1の一方の端部に、上
記軸受部6は他方の端部に設けられている。また、軸受
部6は凹状であってもよい。
なると、電子写真感光体1の全長が長くなり、この電子
写真感光体1を搭載したレーザプリンタなどの装置が大
きくなるという欠点がある。また、軸受部6の軸の形状
は、円柱状の他に、小判形状とすることにより、チャッ
キング治具での保持が容易になり好ましい。そして、上
記駆動伝達部5は電子写真感光体1の一方の端部に、上
記軸受部6は他方の端部に設けられている。また、軸受
部6は凹状であってもよい。
【0034】また、感光体支持体2は、図2に示した形
状の他に、図3(a)ないし同図(d)に示すものとし
てもよい。尚、図3(a)ないし同図(d)に示す各感
光体支持体2は、図中の左側を下にして各液中に浸漬さ
れる。
状の他に、図3(a)ないし同図(d)に示すものとし
てもよい。尚、図3(a)ないし同図(d)に示す各感
光体支持体2は、図中の左側を下にして各液中に浸漬さ
れる。
【0035】同図(a)に示す感光体支持体2は、感光
層形成部4、駆動伝達部5としての平歯車、凹部7、お
よび凸部8が一体成型されている。上記凹部7は感光層
形成部4の図中の左側端面に形成される一方、上記駆動
伝達部5と凸部8とは図中の右側端面に形成されてい
る。上記凹部7は軸受部6として使用され、内径が2〜
3mm、深さが20mm以上である。この数値設定は、
凹部7の内部の空気圧と、液および感光体支持体2の相
互の界面張力とにより、液が凹部7へ浸入することを防
止する点に根拠を有している。また、上記凸部8は、感
光体支持体2を液中に浸漬する時にチャキング保持する
ためのものである。
層形成部4、駆動伝達部5としての平歯車、凹部7、お
よび凸部8が一体成型されている。上記凹部7は感光層
形成部4の図中の左側端面に形成される一方、上記駆動
伝達部5と凸部8とは図中の右側端面に形成されてい
る。上記凹部7は軸受部6として使用され、内径が2〜
3mm、深さが20mm以上である。この数値設定は、
凹部7の内部の空気圧と、液および感光体支持体2の相
互の界面張力とにより、液が凹部7へ浸入することを防
止する点に根拠を有している。また、上記凸部8は、感
光体支持体2を液中に浸漬する時にチャキング保持する
ためのものである。
【0036】上記駆動伝達部5に塗布液が付着すると電
子写真感光体1をレーザプリンタなどの装置に搭載した
際、電子写真感光体1の駆動に支障をきたす。このた
め、感光体支持体2を塗布液に浸漬する場合、駆動伝達
部5は浸漬しないようにする。
子写真感光体1をレーザプリンタなどの装置に搭載した
際、電子写真感光体1の駆動に支障をきたす。このた
め、感光体支持体2を塗布液に浸漬する場合、駆動伝達
部5は浸漬しないようにする。
【0037】上記の感光体支持体2は、感光層形成部4
と駆動伝達部5とを一体成型したが、別途成型した駆動
伝達部5、例えば、駆動ギアを感光層形成部4の右側端
面に付着した塗布液を利用して接着した感光体支持体2
とすることもできる。
と駆動伝達部5とを一体成型したが、別途成型した駆動
伝達部5、例えば、駆動ギアを感光層形成部4の右側端
面に付着した塗布液を利用して接着した感光体支持体2
とすることもできる。
【0038】この場合、感光層形成部4の右側端面に付
着している塗布液の拭き取りが不要になる他、駆動伝達
部5を接着するための接着剤が不要となりコストダウン
を図ることができる。尚、接着剤として使用した塗布液
が絶縁膜となりアース不良となる可能性があるので、上
記感光体支持体2のアースを取る場合、凹部7から取る
のが好ましい。
着している塗布液の拭き取りが不要になる他、駆動伝達
部5を接着するための接着剤が不要となりコストダウン
を図ることができる。尚、接着剤として使用した塗布液
が絶縁膜となりアース不良となる可能性があるので、上
記感光体支持体2のアースを取る場合、凹部7から取る
のが好ましい。
【0039】同図(b)に示す感光体支持体2は、感光
層形成部4、凹部7、および凸部8が一体成型されてい
る。凹部7は感光層形成部4の図中の左側端面に形成さ
れる一方、凸部8は図中の右側端面に形成されている。
凹部7は一体成型時に生じるバリ部9によって形成して
もよい。凹部7の内部には、軸受部6および駆動伝達手
段としてのカップリング部10が設けられている。軸受
部6およびカップリング部10の深さは、20mm以上
とするのが好ましい。この数値設定は、軸受部6および
カップリング部10内部の空気圧により、感光体支持体
2を浸漬した際に塗布液が軸受部6およびカップリング
部10へ浸入することを防止する点に根拠を有してい
る。この場合、塗布液が軸受部6およびカップリング部
10まで浸入しないので、塗布終了後、端面に付着して
いる塗布液を拭き取る必要がない。一方、上記数値より
短くなると、塗布液が軸受部6およびカップリング部1
0に浸入し、固着する可能性がある。
層形成部4、凹部7、および凸部8が一体成型されてい
る。凹部7は感光層形成部4の図中の左側端面に形成さ
れる一方、凸部8は図中の右側端面に形成されている。
凹部7は一体成型時に生じるバリ部9によって形成して
もよい。凹部7の内部には、軸受部6および駆動伝達手
段としてのカップリング部10が設けられている。軸受
部6およびカップリング部10の深さは、20mm以上
とするのが好ましい。この数値設定は、軸受部6および
カップリング部10内部の空気圧により、感光体支持体
2を浸漬した際に塗布液が軸受部6およびカップリング
部10へ浸入することを防止する点に根拠を有してい
る。この場合、塗布液が軸受部6およびカップリング部
10まで浸入しないので、塗布終了後、端面に付着して
いる塗布液を拭き取る必要がない。一方、上記数値より
短くなると、塗布液が軸受部6およびカップリング部1
0に浸入し、固着する可能性がある。
【0040】また、上記バリ部9の厚みを部分的に薄く
することにより、バリ部9を除去し易くしてもよい。こ
の場合、バリ部9の下端部に生じた後述する塗布液ダマ
リを拭き取るための設備および溶剤を不要とすることが
できる。上記塗布液ダマリとは、浸漬塗布時に重力によ
って塗布液が上記下端部に集まったものである。
することにより、バリ部9を除去し易くしてもよい。こ
の場合、バリ部9の下端部に生じた後述する塗布液ダマ
リを拭き取るための設備および溶剤を不要とすることが
できる。上記塗布液ダマリとは、浸漬塗布時に重力によ
って塗布液が上記下端部に集まったものである。
【0041】同図(c)に示す感光体支持体2は、感光
層形成部4、凹部7、および凸部8が一体成型されてい
る。凹部7は感光層形成部4の図中の左側端面に形成さ
れる一方、凸部8は図中の右側端面に形成されている。
凹部7には、駆動伝達手段としてのインターナルギア1
1が設けられているとともに、塗布液の進入代7aが設
けられている。この進入代7aとインターナルギア11
内部の空気圧とにより塗布液がインターナルギア11に
浸入することはないので、インターナルギア11には塗
布液が固着しない。この結果、塗布終了後、端面に付着
している塗布液を拭き取る必要がない。また、インター
ナルギア11が感光層形成部4内部に設けられているの
で、電子写真感光体1の全長が短くなり、この電子写真
感光体1を搭載した装置を小型化することができる。
層形成部4、凹部7、および凸部8が一体成型されてい
る。凹部7は感光層形成部4の図中の左側端面に形成さ
れる一方、凸部8は図中の右側端面に形成されている。
凹部7には、駆動伝達手段としてのインターナルギア1
1が設けられているとともに、塗布液の進入代7aが設
けられている。この進入代7aとインターナルギア11
内部の空気圧とにより塗布液がインターナルギア11に
浸入することはないので、インターナルギア11には塗
布液が固着しない。この結果、塗布終了後、端面に付着
している塗布液を拭き取る必要がない。また、インター
ナルギア11が感光層形成部4内部に設けられているの
で、電子写真感光体1の全長が短くなり、この電子写真
感光体1を搭載した装置を小型化することができる。
【0042】同図(d)に示す感光体支持体2は、感光
層形成部4、軸受部6、および駆動伝達手段としてのカ
ップリング部12が一体成型されている。カップリング
部12は、感光層形成部4の内側に感光層形成部4の内
壁に連続して、感光層形成部4の端部から外方に出ない
ように設けられている。また、感光層形成部4の端部内
壁には塗布液の進入代7aが設けられている。一方、軸
受部6は、感光層形成部4の端部から軸方向外方に突出
し、その内部に感光体支持体2の支持シャフトが挿入さ
れる挿入部6aが形成されている。また、軸受部6にお
ける軸受けの突出方向の端部内壁には、塗布液の進入代
6bが設けられている。
層形成部4、軸受部6、および駆動伝達手段としてのカ
ップリング部12が一体成型されている。カップリング
部12は、感光層形成部4の内側に感光層形成部4の内
壁に連続して、感光層形成部4の端部から外方に出ない
ように設けられている。また、感光層形成部4の端部内
壁には塗布液の進入代7aが設けられている。一方、軸
受部6は、感光層形成部4の端部から軸方向外方に突出
し、その内部に感光体支持体2の支持シャフトが挿入さ
れる挿入部6aが形成されている。また、軸受部6にお
ける軸受けの突出方向の端部内壁には、塗布液の進入代
6bが設けられている。
【0043】上記感光体支持体2が塗布液に浸漬される
と、軸受部6は、軸受を形成している周囲の肉部が軸受
部6の内方と塗布液とを隔絶する一方、カップリング部
12は、円周部がカップリング部12の内方と塗布液と
を隔絶する。このため、軸受部6およびカップリング部
12には塗布液が侵入しない。また、進入代6b・7a
は、感光体支持体2が塗布液に浸漬された場合、一定の
圧力が作用して、塗布液を隔絶する上記円周部や肉部も
内側に若干進入する。このため、塗布液が軸受部6また
はカップリング部12に浸入することによって生じる電
子写真感光体1の回転むらなどの発生を防止する。
と、軸受部6は、軸受を形成している周囲の肉部が軸受
部6の内方と塗布液とを隔絶する一方、カップリング部
12は、円周部がカップリング部12の内方と塗布液と
を隔絶する。このため、軸受部6およびカップリング部
12には塗布液が侵入しない。また、進入代6b・7a
は、感光体支持体2が塗布液に浸漬された場合、一定の
圧力が作用して、塗布液を隔絶する上記円周部や肉部も
内側に若干進入する。このため、塗布液が軸受部6また
はカップリング部12に浸入することによって生じる電
子写真感光体1の回転むらなどの発生を防止する。
【0044】感光体支持体2は、樹脂と、導電性物質
と、光吸収物質および光散乱性物質の少なくとも一方の
物質とにより構成されている。これらの物質を樹脂の溶
融温度以上に加熱し、混練することにより、樹脂中に導
電性物質と光吸収物質および光散乱性物質の少なくとも
一方の粒子とを均一に分散させる。
と、光吸収物質および光散乱性物質の少なくとも一方の
物質とにより構成されている。これらの物質を樹脂の溶
融温度以上に加熱し、混練することにより、樹脂中に導
電性物質と光吸収物質および光散乱性物質の少なくとも
一方の粒子とを均一に分散させる。
【0045】上記樹脂としては、例えば、ポリアセター
ル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ノリル、ナイロン、
ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンフルオライドなどの樹脂およびそれらの混合物
または共重合体が挙げられるが、成型可能な物質であれ
ばよくこれらに限定されることは無い。
ル樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリ塩化ビニ
ル、ポリスチレン、アクリル樹脂、ノリル、ナイロン、
ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ
エチレンフルオライドなどの樹脂およびそれらの混合物
または共重合体が挙げられるが、成型可能な物質であれ
ばよくこれらに限定されることは無い。
【0046】上記導電性物質としては、例えば、サーマ
ルブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラッ
ク、チャンネルブラック、ランプブラック、黒鉛、グラ
ファイトなどのカーボンブラックのほか、酸化スズ、酸
化アンチモン、金、銀、銅、アルミニウムなどの金属お
よびそれらの化合物、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化ア
ルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、雲母、チ
タン酸カリウム、アルミニウムボレート、シリコンカー
バイドなどの無機化合物に、導電物質をドーピングした
物が挙げられる。
ルブラック、アセチレンブラック、ファーネスブラッ
ク、チャンネルブラック、ランプブラック、黒鉛、グラ
ファイトなどのカーボンブラックのほか、酸化スズ、酸
化アンチモン、金、銀、銅、アルミニウムなどの金属お
よびそれらの化合物、酸化亜鉛、二酸化チタン、酸化ア
ルミニウム、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、雲母、チ
タン酸カリウム、アルミニウムボレート、シリコンカー
バイドなどの無機化合物に、導電物質をドーピングした
物が挙げられる。
【0047】上記光吸収物質としては、上記の各種カー
ボンブラックの他にフタロシアニンなどの色素が挙げら
れるがこれに限定されるものではない。上記光散乱物質
としては、各種の金属粉が挙げられる。
ボンブラックの他にフタロシアニンなどの色素が挙げら
れるがこれに限定されるものではない。上記光散乱物質
としては、各種の金属粉が挙げられる。
【0048】また、導電性物質と光吸収物質および光散
乱物質の少なくとも一方の物質とは同じであっても別々
であってもよい。例えば、各種カーボンブラックは、良
好な導電性物質であるとともに、良好な光吸収物質でも
あり、樹脂への分散性もよく、コストも安価である。
乱物質の少なくとも一方の物質とは同じであっても別々
であってもよい。例えば、各種カーボンブラックは、良
好な導電性物質であるとともに、良好な光吸収物質でも
あり、樹脂への分散性もよく、コストも安価である。
【0049】上記の樹脂と、導電性物質と、光吸収物質
および光散乱物質の少なくとも一方の物質との他に、充
填剤として、例えば、ガラスビーズ、酸化チタン、硫酸
バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、酸化亜
鉛、クレーなどの無機顔料、あるいは有機顔料を加えて
もよい。そして樹脂100重量部に対してそれぞれの物
質は、5〜300重量部であることが好ましい。
および光散乱物質の少なくとも一方の物質との他に、充
填剤として、例えば、ガラスビーズ、酸化チタン、硫酸
バリウム、炭酸カルシウム、シリカ、タルク、酸化亜
鉛、クレーなどの無機顔料、あるいは有機顔料を加えて
もよい。そして樹脂100重量部に対してそれぞれの物
質は、5〜300重量部であることが好ましい。
【0050】次に、感光体支持体2の製造方法について
以下に説明する。上記の製造方法としては、(1)感光層
形成部4、駆動伝達部5および軸受部6をそれぞれ別に
成型した後、それらを組み立てる方法と、(2) 感光層形
成部4、駆動伝達部5および軸受部6を一体成型する方
法とがある。(1) の方法としては、例えば、感光層形成
部4と駆動伝達部5とを一体的に成型した後、この成型
体に軸受部6を組み立てる方法や、押出成型により円柱
状の感光層形成部4を成型し、駆動伝達部5および軸受
部6を取り付ける方法などがある。しかしながら、押出
成型の場合、感光層形成部4の外周面に感光層3を形成
した後、駆動伝達部5および軸受部6を圧着、または接
着などにより組み立てる必要があるので、製造工程数が
増加する。
以下に説明する。上記の製造方法としては、(1)感光層
形成部4、駆動伝達部5および軸受部6をそれぞれ別に
成型した後、それらを組み立てる方法と、(2) 感光層形
成部4、駆動伝達部5および軸受部6を一体成型する方
法とがある。(1) の方法としては、例えば、感光層形成
部4と駆動伝達部5とを一体的に成型した後、この成型
体に軸受部6を組み立てる方法や、押出成型により円柱
状の感光層形成部4を成型し、駆動伝達部5および軸受
部6を取り付ける方法などがある。しかしながら、押出
成型の場合、感光層形成部4の外周面に感光層3を形成
した後、駆動伝達部5および軸受部6を圧着、または接
着などにより組み立てる必要があるので、製造工程数が
増加する。
【0051】一方、(2)の方法としては、図4に示すよ
うな金型20を使用する方法がある。金型20は、型部
21・22からなる。型部21は、電子写真感光体1の
感光層形成部4と軸受部6とを成型するものであり、上
部に注入口23と空気穴24とを有している。型部21
において、感光層形成部4の外周面と接する面、即ち面
21aは、サンドブラストなどの方法により粗面化され
ている。この粗面化の程度は、成型された感光層形成部
4の外周面の平均表面粗さが1μm以下となるように設
定されている。もしも、上記平均表面粗さが1μm以上
になるように設定されてしまうと、感光層3の形成時
に、層厚にムラなどが発生してしまう。また、型部21
の空洞部21bの直径は、感光層形成部4の外形が40
mm以下となるように設定されている。この数値設定
は、(1) 成型に必要な樹脂の量が少なくて済む、(2) 装
置を小型化できる、(3) プリンタなどに搭載したとき
に、電子写真感光体1の曲率が大きくなるので、この電
子写真感光体1に密着した転写紙は大きく撓むため、転
写シートの腰の強さと自重との相乗作用により、電子写
真感光体1からの転写紙の分離性が向上するなどの各点
に根拠を有している。また、型部22は、駆動伝達部5
を成型するものである。
うな金型20を使用する方法がある。金型20は、型部
21・22からなる。型部21は、電子写真感光体1の
感光層形成部4と軸受部6とを成型するものであり、上
部に注入口23と空気穴24とを有している。型部21
において、感光層形成部4の外周面と接する面、即ち面
21aは、サンドブラストなどの方法により粗面化され
ている。この粗面化の程度は、成型された感光層形成部
4の外周面の平均表面粗さが1μm以下となるように設
定されている。もしも、上記平均表面粗さが1μm以上
になるように設定されてしまうと、感光層3の形成時
に、層厚にムラなどが発生してしまう。また、型部21
の空洞部21bの直径は、感光層形成部4の外形が40
mm以下となるように設定されている。この数値設定
は、(1) 成型に必要な樹脂の量が少なくて済む、(2) 装
置を小型化できる、(3) プリンタなどに搭載したとき
に、電子写真感光体1の曲率が大きくなるので、この電
子写真感光体1に密着した転写紙は大きく撓むため、転
写シートの腰の強さと自重との相乗作用により、電子写
真感光体1からの転写紙の分離性が向上するなどの各点
に根拠を有している。また、型部22は、駆動伝達部5
を成型するものである。
【0052】上記型部21・22からなる金型20にお
いて、型部21の注入口23から樹脂と、導電性物質
と、光吸収物質および光散乱性物質の少なくとも一方の
物質とを溶融し混練したものを注入する。そして、冷却
後、型部21・22を開くと、感光層形成部4と、駆動
伝達部5と、軸受部6とが一体成型された感光体支持体
2が得られる。
いて、型部21の注入口23から樹脂と、導電性物質
と、光吸収物質および光散乱性物質の少なくとも一方の
物質とを溶融し混練したものを注入する。そして、冷却
後、型部21・22を開くと、感光層形成部4と、駆動
伝達部5と、軸受部6とが一体成型された感光体支持体
2が得られる。
【0053】続いて、上記感光体支持体2を洗浄する。
このとき、感光体支持体2の感光層形成部4の外周面の
洗浄が不十分であると、その外周面に油、ダストなどが
残り、感光層3を形成する際にハジキ、シミなどの感光
層3の成膜不良の原因となる。このような感光層3に発
生した欠陥は、画像形成時に黒ポチ、白ポチ、ハーフト
ーン画像のムラなどとなって現れ、画像品質に悪影響を
及ぼし、得られた画像は実用に耐え得るものではない。
このとき、感光体支持体2の感光層形成部4の外周面の
洗浄が不十分であると、その外周面に油、ダストなどが
残り、感光層3を形成する際にハジキ、シミなどの感光
層3の成膜不良の原因となる。このような感光層3に発
生した欠陥は、画像形成時に黒ポチ、白ポチ、ハーフト
ーン画像のムラなどとなって現れ、画像品質に悪影響を
及ぼし、得られた画像は実用に耐え得るものではない。
【0054】そこで、感光体支持体2の洗浄方法として
は、通常、洗浄液として有機溶剤であって、必要に応じ
て加温されたものを使用し、この洗浄液中で超音波の作
用下で感光体支持体2を浸漬処理する浸漬洗浄法、感光
体支持体2を上記洗浄液に浸漬中または感光体支持体2
に洗浄液をシャワーリングしながらブラシ、スポンジな
どにより物理的に洗浄する接触洗浄法、上記洗浄液を高
圧下でスリットより感光体支持体2に噴射するジェット
洗浄法、および上記洗浄液蒸気中に感光体支持体2を曝
す蒸気洗浄法が挙げられる。そして、これらの洗浄方法
を単独でまたは組み合わせて感光体支持体2の洗浄を行
う。
は、通常、洗浄液として有機溶剤であって、必要に応じ
て加温されたものを使用し、この洗浄液中で超音波の作
用下で感光体支持体2を浸漬処理する浸漬洗浄法、感光
体支持体2を上記洗浄液に浸漬中または感光体支持体2
に洗浄液をシャワーリングしながらブラシ、スポンジな
どにより物理的に洗浄する接触洗浄法、上記洗浄液を高
圧下でスリットより感光体支持体2に噴射するジェット
洗浄法、および上記洗浄液蒸気中に感光体支持体2を曝
す蒸気洗浄法が挙げられる。そして、これらの洗浄方法
を単独でまたは組み合わせて感光体支持体2の洗浄を行
う。
【0055】上記洗浄液としては、従来から、メチレン
クロライド、エチレンクロライド、1,1,1-トリクロルエ
タン、トリクロルエチレン、パークロルエチレンなどの
塩素系溶剤、フロン-112、フロン-113などのフッソ系溶
剤、このフッソ系溶剤とメタノール、メチレンクロライ
ドなどとの混合溶剤、ベンゼン、トルエン、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、石油系炭化
水素などおよびそれらの化合物が使用されている。
クロライド、エチレンクロライド、1,1,1-トリクロルエ
タン、トリクロルエチレン、パークロルエチレンなどの
塩素系溶剤、フロン-112、フロン-113などのフッソ系溶
剤、このフッソ系溶剤とメタノール、メチレンクロライ
ドなどとの混合溶剤、ベンゼン、トルエン、メタノー
ル、エタノール、イソプロピルアルコール、石油系炭化
水素などおよびそれらの化合物が使用されている。
【0056】上記洗浄液の中には、引火性または発火性
を有するもの、人体に有害なので使用許容濃度が低いも
の、洗浄能力が低いものが含まれている。そこで、洗浄
能力が高く、取り扱いが容易という点から、1,1,1-トリ
クロルエタンが最も一般的に使用される。しかしなが
ら、1,1,1-トリクロルエタンは、多くの樹脂に対して高
い溶解性を有しているので、感光体支持体2の主剤であ
る樹脂を溶解し、帯電性の低下などの電子写真特性への
悪影響および感光体支持体2の変形の原因となり好まし
くない。
を有するもの、人体に有害なので使用許容濃度が低いも
の、洗浄能力が低いものが含まれている。そこで、洗浄
能力が高く、取り扱いが容易という点から、1,1,1-トリ
クロルエタンが最も一般的に使用される。しかしなが
ら、1,1,1-トリクロルエタンは、多くの樹脂に対して高
い溶解性を有しているので、感光体支持体2の主剤であ
る樹脂を溶解し、帯電性の低下などの電子写真特性への
悪影響および感光体支持体2の変形の原因となり好まし
くない。
【0057】従って、本実施の形態で使用する洗浄液
は、感光体支持体2の主剤である樹脂に対して非溶解性
であるものとする。そして、最も好ましい洗浄液として
は、上記樹脂に対し最も溶解性が小さい水が挙げられ
る。水を洗浄液として使用する場合、フィルタによって
含有している不純物を除去した水、または純水が好まし
い。しかしながら、水のみでは油分などの除去効果が小
さいので、界面活性剤を添加しておく。
は、感光体支持体2の主剤である樹脂に対して非溶解性
であるものとする。そして、最も好ましい洗浄液として
は、上記樹脂に対し最も溶解性が小さい水が挙げられ
る。水を洗浄液として使用する場合、フィルタによって
含有している不純物を除去した水、または純水が好まし
い。しかしながら、水のみでは油分などの除去効果が小
さいので、界面活性剤を添加しておく。
【0058】次に、本実施の形態における感光体支持体
2の洗浄および乾燥工程を図1に基づいて以下に説明す
る。同図において、洗浄および乾燥工程で使用される装
置は、搬送装置40と洗浄装置41と乾燥装置42とか
ら構成されている。搬送装置40は、感光体支持体2を
搬送するものであり、保持部43、左右移動部44、上
下移動部45、モータ46、伝達ベルト47、回転部4
8、および案内軸49を備えている。保持部43は感光
体支持体2をチャッキング保持するものである。左右移
動部44は、感光体支持体2を案内軸49に沿って搬送
するものである。上下移動部45は、感光体支持体2を
上下方向に移動させるものである。伝達ベルト47は、
モータ46の回転力を回転部48に伝達するものであ
る。回転部48は、上記回転力を感光体支持体2に伝達
して、この感光体支持体2を洗浄装置41内で高速回転
させるものである。
2の洗浄および乾燥工程を図1に基づいて以下に説明す
る。同図において、洗浄および乾燥工程で使用される装
置は、搬送装置40と洗浄装置41と乾燥装置42とか
ら構成されている。搬送装置40は、感光体支持体2を
搬送するものであり、保持部43、左右移動部44、上
下移動部45、モータ46、伝達ベルト47、回転部4
8、および案内軸49を備えている。保持部43は感光
体支持体2をチャッキング保持するものである。左右移
動部44は、感光体支持体2を案内軸49に沿って搬送
するものである。上下移動部45は、感光体支持体2を
上下方向に移動させるものである。伝達ベルト47は、
モータ46の回転力を回転部48に伝達するものであ
る。回転部48は、上記回転力を感光体支持体2に伝達
して、この感光体支持体2を洗浄装置41内で高速回転
させるものである。
【0059】洗浄装置41は、感光体支持体2を洗浄す
る第1洗浄槽50および第2洗浄槽51と、感光体支持
体2のすすぎを行うための第3洗浄槽52、第4洗浄槽
53、および第5洗浄槽54を備えている。
る第1洗浄槽50および第2洗浄槽51と、感光体支持
体2のすすぎを行うための第3洗浄槽52、第4洗浄槽
53、および第5洗浄槽54を備えている。
【0060】第1洗浄槽50は、界面活性剤を含有して
いる洗浄液55を満たしているとともに、パイプ56、
ポンプ57、フィルタ58、およびオーバフローパイプ
59を備えている。パイプ56は、洗浄液55が第1洗
浄槽50を循環するように備えつけられており、ポンプ
57とフィルタ58とは、上記パイプ56の途中に備え
られている。オーバフローパイプ59は、定量以上とな
った洗浄液55を外部へ排出するものである。洗浄液5
5は、ポンプ57によりパイプ56を通り、フィルタ5
8でダストなどが除去される。
いる洗浄液55を満たしているとともに、パイプ56、
ポンプ57、フィルタ58、およびオーバフローパイプ
59を備えている。パイプ56は、洗浄液55が第1洗
浄槽50を循環するように備えつけられており、ポンプ
57とフィルタ58とは、上記パイプ56の途中に備え
られている。オーバフローパイプ59は、定量以上とな
った洗浄液55を外部へ排出するものである。洗浄液5
5は、ポンプ57によりパイプ56を通り、フィルタ5
8でダストなどが除去される。
【0061】第2洗浄槽51は、界面活性剤を含有して
いる洗浄液60を満たしているとともに、パイプ61、
ポンプ62、フィルタ63、および洗浄液供給口64を
備えている。パイプ61は、洗浄液60が第2洗浄槽5
1を循環するように備えつけられており、ポンプ62と
フィルタ63とは、上記パイプ61の途中に備えられて
いる。第2洗浄槽51内の洗浄液60が満杯になると第
1洗浄槽50へオーバーフローするようになっている。
また、洗浄液供給口64は、蒸発などで減少した洗浄液
60を第2洗浄槽51に供給するものである。洗浄液6
0は、ポンプ62によりパイプ61を通り、フィルタ6
3でダストなどが除去される。
いる洗浄液60を満たしているとともに、パイプ61、
ポンプ62、フィルタ63、および洗浄液供給口64を
備えている。パイプ61は、洗浄液60が第2洗浄槽5
1を循環するように備えつけられており、ポンプ62と
フィルタ63とは、上記パイプ61の途中に備えられて
いる。第2洗浄槽51内の洗浄液60が満杯になると第
1洗浄槽50へオーバーフローするようになっている。
また、洗浄液供給口64は、蒸発などで減少した洗浄液
60を第2洗浄槽51に供給するものである。洗浄液6
0は、ポンプ62によりパイプ61を通り、フィルタ6
3でダストなどが除去される。
【0062】第3洗浄槽52、第4洗浄槽53および第
5洗浄槽54は、それぞれ純水65を満たしている。こ
の純水65は、第5洗浄槽54に設けられている純水供
給口66から第5洗浄槽54に供給され、順に第4洗浄
槽53、第3洗浄槽52へとオーバーフローしている。
そして、第3洗浄槽52の純水65は、第3洗浄槽52
に備えられている廃液部67で回収され、図示しない再
生装置へ送液される。
5洗浄槽54は、それぞれ純水65を満たしている。こ
の純水65は、第5洗浄槽54に設けられている純水供
給口66から第5洗浄槽54に供給され、順に第4洗浄
槽53、第3洗浄槽52へとオーバーフローしている。
そして、第3洗浄槽52の純水65は、第3洗浄槽52
に備えられている廃液部67で回収され、図示しない再
生装置へ送液される。
【0063】第3洗浄槽52、第4洗浄槽53および第
5洗浄槽54は、それぞれパイプ68・71・74と、
ポンプ69・72・75と、フィルタ70・73・76
とを備えている。パイプ68・71・74は、それぞれ
純水65が各洗浄槽52・53・54を循環するように
備えつけられており、ポンプ69・72・75と、フィ
ルタ70・73・76とは、それぞれパイプ68・71
・74の途中に備えられている。また、各洗浄層52・
53・54に満たされている純水65は、それぞれポン
プ69・72・75により、パイプ68・71・74を
通り、フィルタ70・73・76でダストなどが除去さ
れる。
5洗浄槽54は、それぞれパイプ68・71・74と、
ポンプ69・72・75と、フィルタ70・73・76
とを備えている。パイプ68・71・74は、それぞれ
純水65が各洗浄槽52・53・54を循環するように
備えつけられており、ポンプ69・72・75と、フィ
ルタ70・73・76とは、それぞれパイプ68・71
・74の途中に備えられている。また、各洗浄層52・
53・54に満たされている純水65は、それぞれポン
プ69・72・75により、パイプ68・71・74を
通り、フィルタ70・73・76でダストなどが除去さ
れる。
【0064】上記界面活性剤としては、ノニオン系界面
活性剤および/またはアニオン系界面活性剤を使用する
ことができる。例えば、ノニオン系界面活性剤として
は、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコ
ポリマー型およびノニルフェノールポリオキシエチンエ
ーテルを挙げることができる。また、アニオン系界面活
性剤としては、アルキルベンゼン、高級アルコール、α
−オレフィンなどの硫酸塩、ケイ酸塩、炭素酸塩または
リン酸塩を挙げることができる。
活性剤および/またはアニオン系界面活性剤を使用する
ことができる。例えば、ノニオン系界面活性剤として
は、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポ
リオキシエチレン・ポリオキシプロピレン・ブロックコ
ポリマー型およびノニルフェノールポリオキシエチンエ
ーテルを挙げることができる。また、アニオン系界面活
性剤としては、アルキルベンゼン、高級アルコール、α
−オレフィンなどの硫酸塩、ケイ酸塩、炭素酸塩または
リン酸塩を挙げることができる。
【0065】洗浄液55のpHは6.0〜9.0、特
に、pH6.5〜8.0が好ましい。この理由は、洗浄
液55のpHが7.0に近い方が、洗浄液55の廃水処
理設備への負担が小さくなるので、設備および廃水処理
のコストダウンを図ることができるからである。また、
洗浄液55・60における界面活性剤の濃度は0.5〜
30%、特に、4〜15%が好ましい。
に、pH6.5〜8.0が好ましい。この理由は、洗浄
液55のpHが7.0に近い方が、洗浄液55の廃水処
理設備への負担が小さくなるので、設備および廃水処理
のコストダウンを図ることができるからである。また、
洗浄液55・60における界面活性剤の濃度は0.5〜
30%、特に、4〜15%が好ましい。
【0066】第1洗浄槽50ないし第5洗浄槽54にお
ける感光体支持体2の浸漬時間は、0.5〜10分、特
に、1.5〜5分が好ましい。
ける感光体支持体2の浸漬時間は、0.5〜10分、特
に、1.5〜5分が好ましい。
【0067】乾燥装置42は、洗浄工程が終了した感光
体支持体2にクリーンエアーを吹き付けて乾燥させるも
のであり、例えば、クリーン度100に保たれたクリー
ンブースである。クリーンエアーの温度が高い程、感光
体支持体2の乾燥が早く終了する。しかしながら、上記
温度が感光体支持体2の主剤である樹脂の軟化点以上で
あるならば、上記樹脂の軟化により感光体支持体2が変
形してしまうので、クリーンエアーの温度は上記樹脂の
軟化点未満、例えば軟化点よりも10℃以下、好ましく
は20℃以下としておく。樹脂の軟化点は種類により異
なるので、クリーンエアーの温度は、実験により適宜設
定するのが好ましい。また、乾燥温度を上記樹脂の軟化
点未満とすることにより、上記樹脂の軟化による感光体
支持体2の変形を防止することができる。
体支持体2にクリーンエアーを吹き付けて乾燥させるも
のであり、例えば、クリーン度100に保たれたクリー
ンブースである。クリーンエアーの温度が高い程、感光
体支持体2の乾燥が早く終了する。しかしながら、上記
温度が感光体支持体2の主剤である樹脂の軟化点以上で
あるならば、上記樹脂の軟化により感光体支持体2が変
形してしまうので、クリーンエアーの温度は上記樹脂の
軟化点未満、例えば軟化点よりも10℃以下、好ましく
は20℃以下としておく。樹脂の軟化点は種類により異
なるので、クリーンエアーの温度は、実験により適宜設
定するのが好ましい。また、乾燥温度を上記樹脂の軟化
点未満とすることにより、上記樹脂の軟化による感光体
支持体2の変形を防止することができる。
【0068】このように、乾燥には、感光体支持体2の
変形を防止することが重要であるが、これを達成するた
めに、例えば乾燥温度が感光体支持体2の軟化点より高
くても、乾燥時間を非常に短くすれば感光体支持体2の
変形を防止することができる。従って、感光体支持体2
が変形しない乾燥温度と乾燥時間との組み合わせは、実
験によって確認するのが好ましい。
変形を防止することが重要であるが、これを達成するた
めに、例えば乾燥温度が感光体支持体2の軟化点より高
くても、乾燥時間を非常に短くすれば感光体支持体2の
変形を防止することができる。従って、感光体支持体2
が変形しない乾燥温度と乾燥時間との組み合わせは、実
験によって確認するのが好ましい。
【0069】本実施の形態では、洗浄液として界面活性
剤を含有した水を使用したが、上記樹脂を溶解しない溶
剤であればこれに限定されるものではない。ここで、代
表的な樹脂と溶剤との溶解性の関係を表1に示す。
剤を含有した水を使用したが、上記樹脂を溶解しない溶
剤であればこれに限定されるものではない。ここで、代
表的な樹脂と溶剤との溶解性の関係を表1に示す。
【0070】
【表1】
【0071】溶:溶解性有り (溶):熱時溶解性有
り 非:溶解性無し 尚、溶解性有りとされる溶剤は、樹脂を一部溶解するも
の、およびわずかに樹脂を溶解するものも含まれてい
る。
り 非:溶解性無し 尚、溶解性有りとされる溶剤は、樹脂を一部溶解するも
の、およびわずかに樹脂を溶解するものも含まれてい
る。
【0072】溶解性は、分子の修飾、分子量、あるいは
高分子度などによってその性質が変わるので、溶解性に
関する実験を行って洗浄液を選択するのが好ましい。ま
た、多くの溶剤は、水に比べ油分などの溶解性が高いと
ともに、蒸発し易く乾燥が早いという長所を有している
が、燃焼性あるいは毒性などの問題を有しているので取
り扱いに注意を要する。
高分子度などによってその性質が変わるので、溶解性に
関する実験を行って洗浄液を選択するのが好ましい。ま
た、多くの溶剤は、水に比べ油分などの溶解性が高いと
ともに、蒸発し易く乾燥が早いという長所を有している
が、燃焼性あるいは毒性などの問題を有しているので取
り扱いに注意を要する。
【0073】また、上記の洗浄液を選択する際に後述す
る溶解度パラメータに基づいてもよい。上記溶解度パラ
メータとは、樹脂を溶剤に溶解させる場合の溶解性を数
値化したものであり、樹脂と溶剤との蒸発潜熱および蒸
発熱などから算出されたものである。そして、溶解度パ
ラメータは、各種樹脂および各種溶剤について規定され
ている。ここで、表2に代表的な樹脂の溶解度パラメー
タを、表3ないし表5に代表的な溶剤の溶解度パラメー
タを示す。
る溶解度パラメータに基づいてもよい。上記溶解度パラ
メータとは、樹脂を溶剤に溶解させる場合の溶解性を数
値化したものであり、樹脂と溶剤との蒸発潜熱および蒸
発熱などから算出されたものである。そして、溶解度パ
ラメータは、各種樹脂および各種溶剤について規定され
ている。ここで、表2に代表的な樹脂の溶解度パラメー
タを、表3ないし表5に代表的な溶剤の溶解度パラメー
タを示す。
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
【表5】
【0078】表2ないし表5において、溶剤の溶解度パ
ラメータと樹脂の溶解度パラメータとが近接している
程、樹脂に対して溶剤が溶解性を有していることを意味
する。
ラメータと樹脂の溶解度パラメータとが近接している
程、樹脂に対して溶剤が溶解性を有していることを意味
する。
【0079】感光体支持体2の主剤である樹脂を溶解し
ない洗浄液を選択するためには、その樹脂に対応した樹
脂の溶解度パラメータと溶剤の溶解度パラメータとの差
が少なくとも2以上、好ましくは3以上離れているのが
良い。上述した差が2より小さい場合には、感光体支持
体2の主剤である樹脂が溶解もしくは膨潤されるので、
その溶剤を感光体支持体2の洗浄液として使用すること
ができない。一方、上述した差が少なくとも2以上、好
ましくは3以上離れている場合には、上記樹脂が溶解も
しくは膨潤されないので、その溶剤を感光体支持体2の
洗浄液として使用することができる。
ない洗浄液を選択するためには、その樹脂に対応した樹
脂の溶解度パラメータと溶剤の溶解度パラメータとの差
が少なくとも2以上、好ましくは3以上離れているのが
良い。上述した差が2より小さい場合には、感光体支持
体2の主剤である樹脂が溶解もしくは膨潤されるので、
その溶剤を感光体支持体2の洗浄液として使用すること
ができない。一方、上述した差が少なくとも2以上、好
ましくは3以上離れている場合には、上記樹脂が溶解も
しくは膨潤されないので、その溶剤を感光体支持体2の
洗浄液として使用することができる。
【0080】しかしながら、上記樹脂の洗浄液に対する
溶解性は、樹脂の分子修飾および分子量などにより変わ
る。このため、溶解度パラメータによる洗浄液の選択に
は、一部の例外があることが知られている。従って、溶
解度パラメータに基づいた上で、感光体支持体2の主剤
である樹脂と洗浄液との溶解性を実験によって確認して
から上記樹脂に応じた洗浄液を選択するのが好ましい。
溶解性は、樹脂の分子修飾および分子量などにより変わ
る。このため、溶解度パラメータによる洗浄液の選択に
は、一部の例外があることが知られている。従って、溶
解度パラメータに基づいた上で、感光体支持体2の主剤
である樹脂と洗浄液との溶解性を実験によって確認して
から上記樹脂に応じた洗浄液を選択するのが好ましい。
【0081】上記構成において、成型された感光体支持
体2は、保持部43によって保持された状態で第1洗浄
槽50上に搬送される。そして、モータ46の回転力が
伝達ベルト47を介して回転部48に伝達され、感光体
支持体2は高速で回転する。
体2は、保持部43によって保持された状態で第1洗浄
槽50上に搬送される。そして、モータ46の回転力が
伝達ベルト47を介して回転部48に伝達され、感光体
支持体2は高速で回転する。
【0082】続いて、この感光体支持体2は、上下移動
部45によって洗浄液55に浸漬され、洗浄が行われ
る。感光体支持体2は、第1洗浄槽50での洗浄終了
後、上下移動部45により洗浄液55から引き上げら
れ、左右移動部44が案内軸49に沿って第2洗浄槽5
1上まで移動し、第2洗浄槽51において洗浄される。
部45によって洗浄液55に浸漬され、洗浄が行われ
る。感光体支持体2は、第1洗浄槽50での洗浄終了
後、上下移動部45により洗浄液55から引き上げら
れ、左右移動部44が案内軸49に沿って第2洗浄槽5
1上まで移動し、第2洗浄槽51において洗浄される。
【0083】上述した方法と同様に、第3洗浄槽52、
第4洗浄槽53および第5洗浄槽54において、純水6
5によって感光体支持体2の仕上げ洗浄を行う。そし
て、洗浄工程終了後、感光体支持体2は乾燥装置42へ
搬送され、乾燥される。
第4洗浄槽53および第5洗浄槽54において、純水6
5によって感光体支持体2の仕上げ洗浄を行う。そし
て、洗浄工程終了後、感光体支持体2は乾燥装置42へ
搬送され、乾燥される。
【0084】本実施の形態では、電子写真感光体1を高
速回転させることにより洗浄を行ったが、上述した浸漬
洗浄法、接触洗浄法、ジェット洗浄法、および蒸気洗浄
法を単独でまたは組み合わせて使用してもよい。
速回転させることにより洗浄を行ったが、上述した浸漬
洗浄法、接触洗浄法、ジェット洗浄法、および蒸気洗浄
法を単独でまたは組み合わせて使用してもよい。
【0085】また、洗浄工程で使用した水は乾燥に時間
がかかるため、例えば、感光体支持体2の主剤である樹
脂がアルコールに対して非溶解性であるならば、洗浄工
程終了後、感光体支持体2をアルコールに浸漬してもよ
い。これにより、感光体支持体2に付着している水がア
ルコールに置換されるので、乾燥時間を短縮することが
できる。
がかかるため、例えば、感光体支持体2の主剤である樹
脂がアルコールに対して非溶解性であるならば、洗浄工
程終了後、感光体支持体2をアルコールに浸漬してもよ
い。これにより、感光体支持体2に付着している水がア
ルコールに置換されるので、乾燥時間を短縮することが
できる。
【0086】上記の洗浄方法では、上記樹脂が溶解され
ないので感光体支持体2の変形を防止することができ
る。また、上述した溶解度パラメータに基づいて洗浄液
55・60を選択することにより、洗浄液55・60の
選択を容易に行うことができる。さらに、乾燥工程にお
いても、乾燥温度を上記樹脂の軟化点未満、例えば軟化
点より10℃以下、好ましくは20℃以下とすることに
より、熱による感光体支持体2の変形を防止することが
できる。
ないので感光体支持体2の変形を防止することができ
る。また、上述した溶解度パラメータに基づいて洗浄液
55・60を選択することにより、洗浄液55・60の
選択を容易に行うことができる。さらに、乾燥工程にお
いても、乾燥温度を上記樹脂の軟化点未満、例えば軟化
点より10℃以下、好ましくは20℃以下とすることに
より、熱による感光体支持体2の変形を防止することが
できる。
【0087】次に、図5および図6に示すように、洗浄
および乾燥工程が終了した感光体支持体2の感光層形成
部4の外周面に下引層80と感光層3とをこの順で形成
する。
および乾燥工程が終了した感光体支持体2の感光層形成
部4の外周面に下引層80と感光層3とをこの順で形成
する。
【0088】下引層80は、感光層3と感光体支持体2
との接着性を向上させるとともに、バリア性を付与する
ものである。そして、この下引層80の材料としては、
ナイロン樹脂、ポバールの他、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹
脂、アルキド樹脂、ポリカーボネード樹脂、シリコン樹
脂、メラミン樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビ
ニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−無水マレイン酸共重合体、塩化ビニリデン−アクリロ
ニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体など
の高分子材料、エチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロースなどのセルロース類などが挙げられ、それぞれ
単独であるいは二種以上組合わせて用いることができ
る。
との接着性を向上させるとともに、バリア性を付与する
ものである。そして、この下引層80の材料としては、
ナイロン樹脂、ポバールの他、アクリル樹脂、メタクリ
ル樹脂、塩化ビニル樹脂、酢酸ビニル樹脂、エポキシ樹
脂、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、フェノール樹
脂、アルキド樹脂、ポリカーボネード樹脂、シリコン樹
脂、メラミン樹脂、ポリビニルホルマール樹脂、ポリビ
ニルブチラール樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、塩化
ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル
−無水マレイン酸共重合体、塩化ビニリデン−アクリロ
ニトリル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体など
の高分子材料、エチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロースなどのセルロース類などが挙げられ、それぞれ
単独であるいは二種以上組合わせて用いることができ
る。
【0089】また、酢酸ビニル樹脂や塩化ビニリデン樹
脂などの水溶性エマルジョンを使用することもできる。
従って、感光体支持体2の主剤である樹脂の選択の範囲
を広げることができる。
脂などの水溶性エマルジョンを使用することもできる。
従って、感光体支持体2の主剤である樹脂の選択の範囲
を広げることができる。
【0090】上記下引層80の材料の溶剤としては、感
光体支持体2の主剤である樹脂を溶解しないものを使用
する。例えば、上記樹脂がアクリル樹脂の場合、酢酸メ
チル、酢酸ブチルなどアクリル樹脂を溶解する溶剤は使
用せず、エタノールなどのアルコール系や水などアクリ
ル樹脂を溶解しない溶剤を使用する。アルコール系の溶
剤を使用する場合、上記下引層80の材料としてナイロ
ンを使用することができる一方、水を溶剤として使用す
る場合、上記下引層80の材料としてポバールあるいは
ラテックスなど様々な樹脂を使用することができる。ま
た、上記溶剤を選択する際に、上記樹脂に対して、上述
した溶解度パラメータが2以上、好ましくは3以上離れ
ているものを使用してもよい。
光体支持体2の主剤である樹脂を溶解しないものを使用
する。例えば、上記樹脂がアクリル樹脂の場合、酢酸メ
チル、酢酸ブチルなどアクリル樹脂を溶解する溶剤は使
用せず、エタノールなどのアルコール系や水などアクリ
ル樹脂を溶解しない溶剤を使用する。アルコール系の溶
剤を使用する場合、上記下引層80の材料としてナイロ
ンを使用することができる一方、水を溶剤として使用す
る場合、上記下引層80の材料としてポバールあるいは
ラテックスなど様々な樹脂を使用することができる。ま
た、上記溶剤を選択する際に、上記樹脂に対して、上述
した溶解度パラメータが2以上、好ましくは3以上離れ
ているものを使用してもよい。
【0091】下引層80の材料の溶剤は、感光体支持体
2の主剤である樹脂を溶解しないものを使用しているの
で、この下引層80上に形成される感光層3の形成に使
用される溶剤は、下引層80の樹脂を溶解しないもので
あれば感光体支持体2の主剤である樹脂を溶解するもの
であってもよい。従って、感光層3の形成に使用される
溶剤の選択の幅が広がる。
2の主剤である樹脂を溶解しないものを使用しているの
で、この下引層80上に形成される感光層3の形成に使
用される溶剤は、下引層80の樹脂を溶解しないもので
あれば感光体支持体2の主剤である樹脂を溶解するもの
であってもよい。従って、感光層3の形成に使用される
溶剤の選択の幅が広がる。
【0092】下引層80の溶剤としてアルコール系溶剤
を使用し、下引層80の材料として共重合ポリアミド系
樹脂もしくはビニル系樹脂を使用する場合、アルコール
系溶剤は、他の一般的な溶剤に比べて低毒性であるの
で、防毒マスクなどを必要としない低公害性の作業環境
が実現できる。また、共重合ポリアミド系樹脂もしくは
ビニル系樹脂は、感光層3の形成に多く使用されている
溶剤であるケトン系もしくは塩素系溶剤に対して非溶解
性なので、感光層3の形成に使用される溶剤の選択の範
囲が広がる。
を使用し、下引層80の材料として共重合ポリアミド系
樹脂もしくはビニル系樹脂を使用する場合、アルコール
系溶剤は、他の一般的な溶剤に比べて低毒性であるの
で、防毒マスクなどを必要としない低公害性の作業環境
が実現できる。また、共重合ポリアミド系樹脂もしくは
ビニル系樹脂は、感光層3の形成に多く使用されている
溶剤であるケトン系もしくは塩素系溶剤に対して非溶解
性なので、感光層3の形成に使用される溶剤の選択の範
囲が広がる。
【0093】下引層80の溶剤として水系溶剤を使用
し、下引層80の材料としてポバールを使用する場合、
水系溶剤は毒性が全く無く、かつ不燃性であるので、局
所排気または防毒マスクおよび防爆設備を必要としない
作業環境を実現できる。従って、作業環境の改善および
設備コストの低減を図ることができる。また、ポバール
は、感光層3の形成に多く使用されている溶剤であるケ
トン系もしくは塩素系溶剤に対して非溶解性なので、感
光層3の形成に使用される溶剤の選択の範囲が広がる。
し、下引層80の材料としてポバールを使用する場合、
水系溶剤は毒性が全く無く、かつ不燃性であるので、局
所排気または防毒マスクおよび防爆設備を必要としない
作業環境を実現できる。従って、作業環境の改善および
設備コストの低減を図ることができる。また、ポバール
は、感光層3の形成に多く使用されている溶剤であるケ
トン系もしくは塩素系溶剤に対して非溶解性なので、感
光層3の形成に使用される溶剤の選択の範囲が広がる。
【0094】また、下引層80の溶剤として、感光体支
持体2の主剤である樹脂を溶解しないとともに、沸点が
上記樹脂の軟化点未満であるものを使用してもよい。こ
の場合、下引層80の乾燥工程において、上記溶剤は乾
燥温度が上記樹脂の軟化点未満でも十分な乾燥が可能と
なるので、上記樹脂の軟化による感光体支持体2の変形
を防止することができる。一方、下引層80の乾燥温度
を上記樹脂の軟化点未満としても、上記樹脂の軟化によ
る電子写真感光体1の変形を防止することができる。
持体2の主剤である樹脂を溶解しないとともに、沸点が
上記樹脂の軟化点未満であるものを使用してもよい。こ
の場合、下引層80の乾燥工程において、上記溶剤は乾
燥温度が上記樹脂の軟化点未満でも十分な乾燥が可能と
なるので、上記樹脂の軟化による感光体支持体2の変形
を防止することができる。一方、下引層80の乾燥温度
を上記樹脂の軟化点未満としても、上記樹脂の軟化によ
る電子写真感光体1の変形を防止することができる。
【0095】この結果、下引層80の溶剤は感光体支持
体2の主剤である樹脂を溶解しないので、感光層形成部
4の外周面に凹凸が形成されない。従って、下引層80
上に形成される感光層3の膜厚を均一にすることができ
る。また、感光層形成部4を構成しているグラファイト
などの導電性物質が上記溶剤中に漏出し、下引層80内
に混入することが無いので、帯電性の低下を防ぎ、電子
写真特性に悪影響を及ぼすことが無い。さらに、上記溶
剤の沸点が上記樹脂の軟化点未満なので、下引層80の
乾燥工程において、乾燥温度を低くしても十分な乾燥が
可能となる。従って、熱による上記樹脂の軟化が防止で
きるので、電子写真感光体1の変形を防止することがで
きる。
体2の主剤である樹脂を溶解しないので、感光層形成部
4の外周面に凹凸が形成されない。従って、下引層80
上に形成される感光層3の膜厚を均一にすることができ
る。また、感光層形成部4を構成しているグラファイト
などの導電性物質が上記溶剤中に漏出し、下引層80内
に混入することが無いので、帯電性の低下を防ぎ、電子
写真特性に悪影響を及ぼすことが無い。さらに、上記溶
剤の沸点が上記樹脂の軟化点未満なので、下引層80の
乾燥工程において、乾燥温度を低くしても十分な乾燥が
可能となる。従って、熱による上記樹脂の軟化が防止で
きるので、電子写真感光体1の変形を防止することがで
きる。
【0096】また、下引層80の溶剤は、感光体支持体
2の主剤である樹脂を溶解しないので、この下引層80
上に形成される感光層3の形成に伴って使用される溶剤
は、下引層80の樹脂を溶解しないものであれば、感光
体支持体2の主剤である樹脂を溶解するものも選択する
ことができる。これにより、感光層3の形成に使用され
る溶剤および感光層3を構成している樹脂の選択の幅が
広がる。
2の主剤である樹脂を溶解しないので、この下引層80
上に形成される感光層3の形成に伴って使用される溶剤
は、下引層80の樹脂を溶解しないものであれば、感光
体支持体2の主剤である樹脂を溶解するものも選択する
ことができる。これにより、感光層3の形成に使用され
る溶剤および感光層3を構成している樹脂の選択の幅が
広がる。
【0097】尚、下引層80の塗布法としては、感光層
形成部4が中空部の無い円柱状である場合、浸漬塗布
法、スプレー法、押出法又はスライドホッパー法などが
好ましい。下引層80の膜厚は、0.01〜10μmの
範囲が好ましく、特に、0.05〜5μmの範囲がより
好ましい。
形成部4が中空部の無い円柱状である場合、浸漬塗布
法、スプレー法、押出法又はスライドホッパー法などが
好ましい。下引層80の膜厚は、0.01〜10μmの
範囲が好ましく、特に、0.05〜5μmの範囲がより
好ましい。
【0098】次に、下引層80上に感光層3を形成す
る。この感光層3として、図5に示すように電荷発生層
81と電荷輸送層82とを有しているいわゆる積層型電
子写真感光体1’としてもよいし、図6に示すように電
荷発生層81と電荷輸送層82とに使用されている材料
を混合して一層としたいわゆる単層型電子写真感光体
1’’としてもよい。
る。この感光層3として、図5に示すように電荷発生層
81と電荷輸送層82とを有しているいわゆる積層型電
子写真感光体1’としてもよいし、図6に示すように電
荷発生層81と電荷輸送層82とに使用されている材料
を混合して一層としたいわゆる単層型電子写真感光体
1’’としてもよい。
【0099】積層型電子写真感光体1’とするには、下
引層80上に、蒸着または塗布などの手段により後述す
る電荷発生材料と結着樹脂とを含有する電荷発生層81
を形成し、この電荷発生層81上に、後述する電荷輸送
材料と結着樹脂とを含有する電荷輸送層82を形成すれ
ばよい。もしくは、下引層80上に、上記電荷輸送層8
2を形成し、次いで塗布などの手段により上記電荷発生
材料を含有する電荷発生層81を形成すればよい。一
方、単層型電子写真感光体1’’とするには、上記電荷
発生材料、電荷輸送材料、および結着樹脂を含有する感
光層3を蒸着または塗布などの手段により下引層80上
に形成すればよい。
引層80上に、蒸着または塗布などの手段により後述す
る電荷発生材料と結着樹脂とを含有する電荷発生層81
を形成し、この電荷発生層81上に、後述する電荷輸送
材料と結着樹脂とを含有する電荷輸送層82を形成すれ
ばよい。もしくは、下引層80上に、上記電荷輸送層8
2を形成し、次いで塗布などの手段により上記電荷発生
材料を含有する電荷発生層81を形成すればよい。一
方、単層型電子写真感光体1’’とするには、上記電荷
発生材料、電荷輸送材料、および結着樹脂を含有する感
光層3を蒸着または塗布などの手段により下引層80上
に形成すればよい。
【0100】上記電荷発生材料としては、例えば、セレ
ン、セレン−テルル、アモルファスシリコン、ピリリウ
ム塩、ジスアゾ系化合物、アンサンスロン系化合物、フ
タロシアニン系化合物、インジゴ系化合物、トリフェニ
ルメタン系化合物、スレン系化合物、トルイジン系化合
物、ピラゾリン系化合物、ペリレン系化合物、キナクリ
ドン系化合物などがある。
ン、セレン−テルル、アモルファスシリコン、ピリリウ
ム塩、ジスアゾ系化合物、アンサンスロン系化合物、フ
タロシアニン系化合物、インジゴ系化合物、トリフェニ
ルメタン系化合物、スレン系化合物、トルイジン系化合
物、ピラゾリン系化合物、ペリレン系化合物、キナクリ
ドン系化合物などがある。
【0101】電荷輸送材料としては、従来の公知の材料
を用いることができる。例えば、2,5-ジ(4- ジメチルア
ミノフェニル)-1,3,4-オキサジアゾールなどのオキサジ
アゾール系化合物、9-(4- ジエチルアミノスチル) アン
トラセンなどのスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾ
ールなどのカルバゾール系化合物、1-フェニル-3- (p-
ジメチルアミノフェニル) ピラゾリンなどのピラゾリン
系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合
物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、
チアジアゾール系化合物、イミダール系化合物、ピラゾ
ール系化合物、トリアゾール系化合物などの含窒素環式
化合物、縮合多環化合物、ヒドラゾン系化合物などがあ
る。上記電荷輸送材料は、単独でまたは二種以上混合し
て用いられる。尚、ポリビニルカルバゾールなど、成膜
性を有する電荷輸送材料を用いる場合には、結着樹脂は
必ずしも必要でない。
を用いることができる。例えば、2,5-ジ(4- ジメチルア
ミノフェニル)-1,3,4-オキサジアゾールなどのオキサジ
アゾール系化合物、9-(4- ジエチルアミノスチル) アン
トラセンなどのスチリル系化合物、ポリビニルカルバゾ
ールなどのカルバゾール系化合物、1-フェニル-3- (p-
ジメチルアミノフェニル) ピラゾリンなどのピラゾリン
系化合物、インドール系化合物、オキサゾール系化合
物、イソオキサゾール系化合物、チアゾール系化合物、
チアジアゾール系化合物、イミダール系化合物、ピラゾ
ール系化合物、トリアゾール系化合物などの含窒素環式
化合物、縮合多環化合物、ヒドラゾン系化合物などがあ
る。上記電荷輸送材料は、単独でまたは二種以上混合し
て用いられる。尚、ポリビニルカルバゾールなど、成膜
性を有する電荷輸送材料を用いる場合には、結着樹脂は
必ずしも必要でない。
【0102】積層型電子写真感光体1’および単層型電
子写真感光体1’’における結着樹脂としては、種々の
樹脂が使用できる。例えば、スチレン系重合体、アクリ
ル系重合体、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素系ポリエチ
レン、ポリプロピレン、アイオノマーなどのオレフィン
系重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリアミド、
ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリ
アリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、
シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂や、ウレタンア
クリレート、エポキシアクリレートなどの光硬化型樹脂
など、各種の重合体である。また、上記結着樹脂は、単
独でまたは二種以上混合して用いられる。
子写真感光体1’’における結着樹脂としては、種々の
樹脂が使用できる。例えば、スチレン系重合体、アクリ
ル系重合体、スチレン−アクリル系共重合体、ポリエチ
レン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、塩素系ポリエチ
レン、ポリプロピレン、アイオノマーなどのオレフィン
系重合体、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共
重合体、ポリエステル、アルキッド樹脂、ポリアミド、
ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリ
アリレート、ポリスルホン、ジアリルフタレート樹脂、
シリコーン樹脂、ケトン樹脂、ポリビニルブチラール樹
脂、ポリエーテル樹脂、フェノール樹脂や、ウレタンア
クリレート、エポキシアクリレートなどの光硬化型樹脂
など、各種の重合体である。また、上記結着樹脂は、単
独でまたは二種以上混合して用いられる。
【0103】塗布手段により電荷発生層81および電荷
輸送層82を形成する場合、溶剤として種々の有機溶剤
が使用できる。例えば、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘ
キサン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族系炭化
水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化
水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、
クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、ジメチルエ
ーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチ
レングリコールジメチルエーテル、エチレングリコール
ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエー
テルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢
酸メチルなどのエステル類、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシドなどがある。また、上記有機溶剤
は、単独でまたは二種以上混合して用いられる。
輸送層82を形成する場合、溶剤として種々の有機溶剤
が使用できる。例えば、メタノール、エタノール、イソ
プロパノール、ブタノールなどのアルコール類、n−ヘ
キサン、オクタン、シクロヘキサンなどの脂肪族系炭化
水素、ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化
水素、ジクロロメタン、ジクロロエタン、四塩化炭素、
クロロベンゼンなどのハロゲン化炭化水素、ジメチルエ
ーテル、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチ
レングリコールジメチルエーテル、エチレングリコール
ジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエー
テルなどのエーテル類、アセトン、メチルエチルケト
ン、シクロヘキサノンなどのケトン類、酢酸エチル、酢
酸メチルなどのエステル類、ジメチルホルムアミド、ジ
メチルスルホキシドなどがある。また、上記有機溶剤
は、単独でまたは二種以上混合して用いられる。
【0104】しかしながら、上記溶剤を選択する際に
は、次の各点に留意しなければならない。(1) 下引層8
0を有している場合、上記溶剤としては、下引層80を
構成している樹脂を溶解しないものを選択する。(2) 下
引層80を有していない場合、上記溶剤としては、感光
層形成部4の主剤である樹脂を溶解しないものを選択す
る。
は、次の各点に留意しなければならない。(1) 下引層8
0を有している場合、上記溶剤としては、下引層80を
構成している樹脂を溶解しないものを選択する。(2) 下
引層80を有していない場合、上記溶剤としては、感光
層形成部4の主剤である樹脂を溶解しないものを選択す
る。
【0105】また、上記溶剤を選択する際に上述した溶
解度パラメータに基づいてもよい。この場合、感光層形
成部4の主剤である樹脂の溶解度パラメータと上記溶剤
の溶解度パラメータとの差が少なくとも2以上、好まし
くは3以上離れているのが良い。さらに、上記溶剤は、
その沸点が感光層形成部4を構成している樹脂の軟化点
未満であるものを選択してもよい。この場合、電荷発生
層81および電荷輸送層82の乾燥工程において、乾燥
温度を低くしても十分な乾燥が可能となるので、感光層
形成部4の主剤である樹脂の軟化による電子写真感光体
1の変形を防止することができる。一方、電荷発生層8
1および電荷輸送層82の乾燥温度を上記樹脂の軟化点
未満としても、上記樹脂の軟化による電子写真感光体1
の変形を防止することができる。
解度パラメータに基づいてもよい。この場合、感光層形
成部4の主剤である樹脂の溶解度パラメータと上記溶剤
の溶解度パラメータとの差が少なくとも2以上、好まし
くは3以上離れているのが良い。さらに、上記溶剤は、
その沸点が感光層形成部4を構成している樹脂の軟化点
未満であるものを選択してもよい。この場合、電荷発生
層81および電荷輸送層82の乾燥工程において、乾燥
温度を低くしても十分な乾燥が可能となるので、感光層
形成部4の主剤である樹脂の軟化による電子写真感光体
1の変形を防止することができる。一方、電荷発生層8
1および電荷輸送層82の乾燥温度を上記樹脂の軟化点
未満としても、上記樹脂の軟化による電子写真感光体1
の変形を防止することができる。
【0106】上記電荷発生層81の感度を良くするため
に、例えば、ターフェニル、ハロナフトキノン類、アセ
ナフチレンなど、従来の公知の増感剤を上記電荷発生材
料とともに用いてもよい。さらに、電荷発生材料の分散
性、塗工性などを良くするため、界面活性剤、レベリン
グ剤などを併用してもよい。
に、例えば、ターフェニル、ハロナフトキノン類、アセ
ナフチレンなど、従来の公知の増感剤を上記電荷発生材
料とともに用いてもよい。さらに、電荷発生材料の分散
性、塗工性などを良くするため、界面活性剤、レベリン
グ剤などを併用してもよい。
【0107】積層型電子写真感光体1’の電荷発生層8
1における電荷発生材料と結着樹脂とは、種々の割合で
使用することができるが、結着樹脂100重量部に対し
て、電荷発生材料を5〜500重量部、特に、10〜2
50重量部に設定するのが好ましい。また、上記電荷発
生層81は、適宜の厚さを有してもよいが、0.01〜
5μm、特に、0.1〜3μmの膜厚に形成されるのが
好ましい。
1における電荷発生材料と結着樹脂とは、種々の割合で
使用することができるが、結着樹脂100重量部に対し
て、電荷発生材料を5〜500重量部、特に、10〜2
50重量部に設定するのが好ましい。また、上記電荷発
生層81は、適宜の厚さを有してもよいが、0.01〜
5μm、特に、0.1〜3μmの膜厚に形成されるのが
好ましい。
【0108】積層型電子写真感光体1’’の電荷輸送層
82における電荷輸送材料と結着樹脂とは、電荷の輸送
を阻害しない範囲で種々の割合で使用することができる
が、光照射により電荷発生層81で生じた電荷が容易に
輸送できるよう、結着樹脂100重量部に対して、電荷
輸送材料10〜500重量部、特に、25〜250重量
部に設定するのが好ましい。また、上記電荷輸送層82
は、2〜100μm、特に、5〜30μmの膜厚に形成
されるのが好ましい。
82における電荷輸送材料と結着樹脂とは、電荷の輸送
を阻害しない範囲で種々の割合で使用することができる
が、光照射により電荷発生層81で生じた電荷が容易に
輸送できるよう、結着樹脂100重量部に対して、電荷
輸送材料10〜500重量部、特に、25〜250重量
部に設定するのが好ましい。また、上記電荷輸送層82
は、2〜100μm、特に、5〜30μmの膜厚に形成
されるのが好ましい。
【0109】上記電荷発生層81および電荷輸送層82
を塗布手段により形成するには、上記電荷発生材料と結
着材料とを、および上記電荷輸送材料と結着材料とを従
来公知の方法、例えば、ロールミル、ボールミル、アト
ライタ、ペイントシェイカーあるいは超音波分散器など
を用いて調整し、従来公知の塗布手段により塗布、乾燥
すればよい。尚、電荷発生層81は、上記電荷発生材料
を蒸着することにより形成してもよい。
を塗布手段により形成するには、上記電荷発生材料と結
着材料とを、および上記電荷輸送材料と結着材料とを従
来公知の方法、例えば、ロールミル、ボールミル、アト
ライタ、ペイントシェイカーあるいは超音波分散器など
を用いて調整し、従来公知の塗布手段により塗布、乾燥
すればよい。尚、電荷発生層81は、上記電荷発生材料
を蒸着することにより形成してもよい。
【0110】単層型電子写真感光体1’’の感光層3を
塗布手段により形成する場合も、溶剤の選択には、電荷
発生層81および電荷輸送層82の溶剤を選択したのと
同様の点に留意する必要がある。また、上記溶剤を選択
する際、上述した溶解度パラメータを判断材料とするこ
とができる。さらに、沸点が感光層形成部4を構成して
いる樹脂の軟化点未満である上記溶剤を選択するか、も
しくは感光層3の乾燥温度を上記樹脂の軟化点未満とす
ることにより、上記樹脂の軟化による単層型電子写真感
光体1’’の変形を防止することができる。
塗布手段により形成する場合も、溶剤の選択には、電荷
発生層81および電荷輸送層82の溶剤を選択したのと
同様の点に留意する必要がある。また、上記溶剤を選択
する際、上述した溶解度パラメータを判断材料とするこ
とができる。さらに、沸点が感光層形成部4を構成して
いる樹脂の軟化点未満である上記溶剤を選択するか、も
しくは感光層3の乾燥温度を上記樹脂の軟化点未満とす
ることにより、上記樹脂の軟化による単層型電子写真感
光体1’’の変形を防止することができる。
【0111】単層型電子写真感光体1’’の感光層3に
おける電荷輸送材料の添加量は、結着材料100重量部
に対して40〜200重量部、特に、50〜100重量
部に設定されるのが好ましい。また、上記感光層3にお
ける電荷発生材料の添加量は、結着樹脂100重量部に
対して2〜20重量部、特に、3〜15重量部に設定す
るのが好ましい。さらに、上記感光層3の厚さは、10
〜50μm、特に、15〜25μmに設定されるのが良
い。
おける電荷輸送材料の添加量は、結着材料100重量部
に対して40〜200重量部、特に、50〜100重量
部に設定されるのが好ましい。また、上記感光層3にお
ける電荷発生材料の添加量は、結着樹脂100重量部に
対して2〜20重量部、特に、3〜15重量部に設定す
るのが好ましい。さらに、上記感光層3の厚さは、10
〜50μm、特に、15〜25μmに設定されるのが良
い。
【0112】また、積層型電子写真感光体1’では、感
光層形成部4と電荷発生層81または電荷輸送層82と
の間、もしくは電荷発生層81と電荷輸送層82との間
に、一方、単層型電子写真感光体1’’では、感光層3
と感光層形成部4との間に、電子写真感光体1の電子写
真特性を阻害しない範囲でバリア層が形成されてもよ
く、感光層形成部4の外周面には保護層が形成されてい
てもよい。
光層形成部4と電荷発生層81または電荷輸送層82と
の間、もしくは電荷発生層81と電荷輸送層82との間
に、一方、単層型電子写真感光体1’’では、感光層3
と感光層形成部4との間に、電子写真感光体1の電子写
真特性を阻害しない範囲でバリア層が形成されてもよ
く、感光層形成部4の外周面には保護層が形成されてい
てもよい。
【0113】ところで、押出成型などにより成型した円
筒状の感光層形成部4を電子写真感光体1に使用する場
合、その外周面に上述した感光層3および下引層80を
形成した後、図7に示すように、駆動伝達部5などのフ
ランジを感光層形成部4の両端面に設けることになる。
ところが、以下に説明する理由から、図8に示すような
感光層形成部4の内部および下端部に付着した感光層3
および下引層80の不要部分を除去する必要がある。
筒状の感光層形成部4を電子写真感光体1に使用する場
合、その外周面に上述した感光層3および下引層80を
形成した後、図7に示すように、駆動伝達部5などのフ
ランジを感光層形成部4の両端面に設けることになる。
ところが、以下に説明する理由から、図8に示すような
感光層形成部4の内部および下端部に付着した感光層3
および下引層80の不要部分を除去する必要がある。
【0114】上記理由とは、(1) 上記フランジを介して
電子写真感光体1のアースを取る際に上記感光層3およ
び下引層80が電荷移動の邪魔をするので、電子写真感
光体1の電荷がアースされない。このため、帯電した電
子写真感光体1に光を照射しても表面電位が低下しない
ので、良好な画像を得ることができないからである。 (2) 感光層形成部4の両端部は現像部などとの位置決め
を精度良く行う必要があるが、上記感光層3および下引
層80が邪魔をして精度良く位置決めすることができな
いからである。
電子写真感光体1のアースを取る際に上記感光層3およ
び下引層80が電荷移動の邪魔をするので、電子写真感
光体1の電荷がアースされない。このため、帯電した電
子写真感光体1に光を照射しても表面電位が低下しない
ので、良好な画像を得ることができないからである。 (2) 感光層形成部4の両端部は現像部などとの位置決め
を精度良く行う必要があるが、上記感光層3および下引
層80が邪魔をして精度良く位置決めすることができな
いからである。
【0115】そこで、先ず、感光層3を溶解する一方、
下引層80を溶解しない溶剤に上記感光層形成部4を浸
漬すること、あるいは上記溶剤を感光層形成部4に吹き
付けることなどにより感光層3の不要部分を除去する。
下引層80を溶解しない溶剤に上記感光層形成部4を浸
漬すること、あるいは上記溶剤を感光層形成部4に吹き
付けることなどにより感光層3の不要部分を除去する。
【0116】次に、下引層80を溶解する一方、感光層
形成部4の主剤である樹脂を溶解しない溶剤に感光層形
成部4を浸漬すること、あるいは上記溶剤を感光層形成
部4に吹き付けることなどにより下引層80の不要部分
を除去する。この場合、感光層3あるいは下引層80を
溶解する溶剤の溶解性を制御するために、溶解性が低
く、かつ相溶性の有る溶剤を上記溶剤に混入してもよ
い。
形成部4の主剤である樹脂を溶解しない溶剤に感光層形
成部4を浸漬すること、あるいは上記溶剤を感光層形成
部4に吹き付けることなどにより下引層80の不要部分
を除去する。この場合、感光層3あるいは下引層80を
溶解する溶剤の溶解性を制御するために、溶解性が低
く、かつ相溶性の有る溶剤を上記溶剤に混入してもよ
い。
【0117】また、下引層80を有しない円筒状の感光
層形成部4を電子写真感光体1に使用する場合も上述し
た理由から感光層形成部4の内部および下端部に付着し
た感光層3の不要部分を除去する必要がある。この場合
は、感光層3を溶解する一方、感光層形成部4を構成し
ている樹脂を溶解しない溶剤に上記感光層形成部4を浸
漬すること、あるいは上記感光層形成部4に上記溶剤を
吹き付けることなどにより感光層3の不要部分を除去す
る。
層形成部4を電子写真感光体1に使用する場合も上述し
た理由から感光層形成部4の内部および下端部に付着し
た感光層3の不要部分を除去する必要がある。この場合
は、感光層3を溶解する一方、感光層形成部4を構成し
ている樹脂を溶解しない溶剤に上記感光層形成部4を浸
漬すること、あるいは上記感光層形成部4に上記溶剤を
吹き付けることなどにより感光層3の不要部分を除去す
る。
【0118】この結果、感光層3および下引層80の不
要部分を、または感光層3の不要部分のみを除去する
際、感光層形成部4を変形させることなく、電子写真感
光体1のアースを取ることができるとともに、駆動伝達
部5などのフランジを精度良く取りつけることができ
る。
要部分を、または感光層3の不要部分のみを除去する
際、感光層形成部4を変形させることなく、電子写真感
光体1のアースを取ることができるとともに、駆動伝達
部5などのフランジを精度良く取りつけることができ
る。
【0119】次に、本発明の電子写真感光体の製造方法
の実施例1ないし6を以下に示すとともに、これら実施
例1ないし6に対する比較例1ないし4を以下に示す。 〔実施例1〕外形50mm、長さ348mm、肉厚3m
mに射出成型した感光層形成部4(重量比30%のグラ
ファイトを添加し、混練した飽和ポリエステル樹脂(ル
ミラー、東レ(株)製)による成型体)を界面活性剤を
含有した水で洗浄し、次いで、純水ですすぎ、乾燥を行
った。尚、上記飽和ポリエステル樹脂の融点は230℃
である。
の実施例1ないし6を以下に示すとともに、これら実施
例1ないし6に対する比較例1ないし4を以下に示す。 〔実施例1〕外形50mm、長さ348mm、肉厚3m
mに射出成型した感光層形成部4(重量比30%のグラ
ファイトを添加し、混練した飽和ポリエステル樹脂(ル
ミラー、東レ(株)製)による成型体)を界面活性剤を
含有した水で洗浄し、次いで、純水ですすぎ、乾燥を行
った。尚、上記飽和ポリエステル樹脂の融点は230℃
である。
【0120】次に、浸漬塗布法により、以下に示す下引
層80、電荷発生層81および電荷輸送層82を感光層
形成部4の外周面に形成した。上記下引層80は、共重
合ポリアミド樹脂である共重合ナイロン樹脂(CM4000、
東レ(株)製)6重量部をアルコール系のメタノール9
4重量部に溶解したものである。この液中に上記感光層
形成部4を浸漬し、下引層80を塗布した後、65℃で
乾燥させて、膜厚1.0μmに形成した。感光層形成部
4を構成している樹脂はメタノールに溶解しないため均
一な膜厚を有した下引層80が形成された。
層80、電荷発生層81および電荷輸送層82を感光層
形成部4の外周面に形成した。上記下引層80は、共重
合ポリアミド樹脂である共重合ナイロン樹脂(CM4000、
東レ(株)製)6重量部をアルコール系のメタノール9
4重量部に溶解したものである。この液中に上記感光層
形成部4を浸漬し、下引層80を塗布した後、65℃で
乾燥させて、膜厚1.0μmに形成した。感光層形成部
4を構成している樹脂はメタノールに溶解しないため均
一な膜厚を有した下引層80が形成された。
【0121】次に、この下引層80上に電荷発生層81
を形成した。この電荷発生層81は、β型−メタルフリ
ーフタロシアニン2重量部、ポリエステル樹脂(バイロ
ン200 、東洋紡(株)製)1重量部、およびテトラヒド
ロフラン(以下、THFと称する)100重量部を調合
し、ボールミルで8時間分散したものである。この液中
に上記感光層形成部4を浸漬し、電荷発生層81を塗布
した後、THFの沸点である67℃で30分間乾燥させ
て、電荷発生層81の膜厚を0.4μmに形成した。感
光層形成部4の主剤である樹脂は、THFに溶解される
が、下引層80として使用した共重合ナイロン樹脂はT
HFにより溶解されないので、均一な膜厚を有した電荷
発生層81が形成された。
を形成した。この電荷発生層81は、β型−メタルフリ
ーフタロシアニン2重量部、ポリエステル樹脂(バイロ
ン200 、東洋紡(株)製)1重量部、およびテトラヒド
ロフラン(以下、THFと称する)100重量部を調合
し、ボールミルで8時間分散したものである。この液中
に上記感光層形成部4を浸漬し、電荷発生層81を塗布
した後、THFの沸点である67℃で30分間乾燥させ
て、電荷発生層81の膜厚を0.4μmに形成した。感
光層形成部4の主剤である樹脂は、THFに溶解される
が、下引層80として使用した共重合ナイロン樹脂はT
HFにより溶解されないので、均一な膜厚を有した電荷
発生層81が形成された。
【0122】続いて、この電荷発生層81上に電荷輸送
層82を形成した。この電荷輸送層82は、ブタジエン
系電荷輸送材(1,1 −ビス(p−ジエチルアミノフェニ
ル)-4,4- ジフェニル-1,3- ブタジエン、高砂香料
(株)製)1重量部、ポリカーボネード樹脂(パンライ
トL-1225、帝人化成(株)製)1重量部、シリコン系レ
ベリング剤(KF-96 、信越化学工業(株)製)0.00
01重量部をジクロロメタン10重量部に溶解したもの
である。この液中に上記感光層形成部4を浸漬し、電荷
輸送層82を塗布した後、65℃で1時間乾燥させて、
電荷輸送層82の膜厚を24μmに形成した。尚、乾燥
温度はジクロロメタンの沸点(40℃)より高い。感光
層形成部4の主剤である樹脂は、ジクロロメタンに溶解
するが、共重合ナイロン樹脂がジクロロメタンに溶解し
ないので、均一な膜厚を有する電荷輸送層82が形成さ
れた。
層82を形成した。この電荷輸送層82は、ブタジエン
系電荷輸送材(1,1 −ビス(p−ジエチルアミノフェニ
ル)-4,4- ジフェニル-1,3- ブタジエン、高砂香料
(株)製)1重量部、ポリカーボネード樹脂(パンライ
トL-1225、帝人化成(株)製)1重量部、シリコン系レ
ベリング剤(KF-96 、信越化学工業(株)製)0.00
01重量部をジクロロメタン10重量部に溶解したもの
である。この液中に上記感光層形成部4を浸漬し、電荷
輸送層82を塗布した後、65℃で1時間乾燥させて、
電荷輸送層82の膜厚を24μmに形成した。尚、乾燥
温度はジクロロメタンの沸点(40℃)より高い。感光
層形成部4の主剤である樹脂は、ジクロロメタンに溶解
するが、共重合ナイロン樹脂がジクロロメタンに溶解し
ないので、均一な膜厚を有する電荷輸送層82が形成さ
れた。
【0123】そして、上記感光層形成部4を備えた電子
写真感光体1を普通紙レーザプリンタに搭載して、この
電子写真感光体1の帯電電位Vo と残留電位Vr とを測
定した。
写真感光体1を普通紙レーザプリンタに搭載して、この
電子写真感光体1の帯電電位Vo と残留電位Vr とを測
定した。
【0124】この結果、帯電電位Vo =−655
(V)、残留電位Vr =−30(V)となり、電荷発生
層81および電荷輸送層82からなる良好な感光層3が
得られたことが分かった。
(V)、残留電位Vr =−30(V)となり、電荷発生
層81および電荷輸送層82からなる良好な感光層3が
得られたことが分かった。
【0125】〔比較例1〕実施例1と同様の材料および
方法で作製した感光層形成部4の外周面に感光層3およ
び下引層80を形成した。上記下引層80は、ブチラー
ル樹脂(エスレックBM-2、積水化学(株)製)5重量部
をTHF95重量部に溶解したものである。この液中に
上記感光層形成部4を浸漬し、下引層80を塗布した。
しかしながら、感光層形成部4の主剤である飽和ポリエ
ステル樹脂がTHFに溶解されるので、上記感光層形成
部4の外周面に著しい凹凸が現出した。このため、感光
層3を塗布することができなかった。
方法で作製した感光層形成部4の外周面に感光層3およ
び下引層80を形成した。上記下引層80は、ブチラー
ル樹脂(エスレックBM-2、積水化学(株)製)5重量部
をTHF95重量部に溶解したものである。この液中に
上記感光層形成部4を浸漬し、下引層80を塗布した。
しかしながら、感光層形成部4の主剤である飽和ポリエ
ステル樹脂がTHFに溶解されるので、上記感光層形成
部4の外周面に著しい凹凸が現出した。このため、感光
層3を塗布することができなかった。
【0126】また、感光層形成部4に導電性を付与する
ために添加していたグラファイトが上記液中に漏出した
ので、この液が著しく汚染された。このため、グラファ
イトが混入した状態で膜厚が不均一な下引層80が形成
された。
ために添加していたグラファイトが上記液中に漏出した
ので、この液が著しく汚染された。このため、グラファ
イトが混入した状態で膜厚が不均一な下引層80が形成
された。
【0127】〔実施例2〕外形50mm、長さ348m
m、肉厚3mmに射出成型した感光層形成部4(重量比
30%のグラファイトを添加混練した硬質塩化ビニル樹
脂による成型体)を界面活性剤を含有した水で洗浄し、
次いで、純水ですすぎ、そして、高純度メタノールに浸
漬し、純水との置換を行い、65℃で乾燥を行った。
尚、上記高純度メタノールの沸点は65℃であり、上記
硬質塩化ビニル樹脂の融点は85℃である。
m、肉厚3mmに射出成型した感光層形成部4(重量比
30%のグラファイトを添加混練した硬質塩化ビニル樹
脂による成型体)を界面活性剤を含有した水で洗浄し、
次いで、純水ですすぎ、そして、高純度メタノールに浸
漬し、純水との置換を行い、65℃で乾燥を行った。
尚、上記高純度メタノールの沸点は65℃であり、上記
硬質塩化ビニル樹脂の融点は85℃である。
【0128】上記感光層形成部4の外周面に実施例1と
同様の材料および方法で下引層80、電荷発生層81お
よび電荷輸送層82を形成した。そして、上記感光層形
成部4を備えた電子写真感光体1を普通紙レーザプリン
タに搭載して、この電子写真感光体1の帯電電位Vo と
残留電位Vr とを測定した。
同様の材料および方法で下引層80、電荷発生層81お
よび電荷輸送層82を形成した。そして、上記感光層形
成部4を備えた電子写真感光体1を普通紙レーザプリン
タに搭載して、この電子写真感光体1の帯電電位Vo と
残留電位Vr とを測定した。
【0129】この結果、帯電電位Vo =−603
(V)、残留電位Vr =−23(V)となり、電荷発生
層81および電荷輸送層82からなる良好な感光層3が
得られたことが分かった。
(V)、残留電位Vr =−23(V)となり、電荷発生
層81および電荷輸送層82からなる良好な感光層3が
得られたことが分かった。
【0130】〔比較例2〕上記実施例2と同様の材料お
よび方法で感光層形成部4を作製し、この感光層形成部
4の外周面に下引層80および感光層3をこの順で形成
した。下引層80は、ブチラール樹脂7重量部、酸化ス
ズ(T-10、三菱金属(株)製)3重量部、メタノール5
重量部、および水90重量部を調合し、ボールミルで1
2時間分散したものである。この液中に上記感光層形成
部4を浸漬し、下引層80を塗布し、水分を完全に乾燥
させるために100℃で60分間乾燥させた。
よび方法で感光層形成部4を作製し、この感光層形成部
4の外周面に下引層80および感光層3をこの順で形成
した。下引層80は、ブチラール樹脂7重量部、酸化ス
ズ(T-10、三菱金属(株)製)3重量部、メタノール5
重量部、および水90重量部を調合し、ボールミルで1
2時間分散したものである。この液中に上記感光層形成
部4を浸漬し、下引層80を塗布し、水分を完全に乾燥
させるために100℃で60分間乾燥させた。
【0131】しかしながら、感光層形成部4を構成して
いる硬質塩化ビニル樹脂の融点が85℃であるため、下
引層80の乾燥中に塩化ビニル樹脂が軟化し、感光層形
成部4が変形してしまった。このため、下引層80上に
感光層3を形成することができなかった。
いる硬質塩化ビニル樹脂の融点が85℃であるため、下
引層80の乾燥中に塩化ビニル樹脂が軟化し、感光層形
成部4が変形してしまった。このため、下引層80上に
感光層3を形成することができなかった。
【0132】〔実施例3〕上記実施例1と同様の材料お
よび方法で感光層形成部4を作製し、この感光層形成部
4の外周面に電荷発生層81と電荷輸送層82とを形成
した。電荷発生層81は、β型−メタルフリーフタロシ
アニン2重量部、共重合ナイロン樹脂(CM-4000 (ルミ
ラー、東レ(株)製))3重量部、およびメタノール1
00重量部を調合し、ボールミルで8時間分散したもの
である。この液中に上記感光層形成部4を浸漬し、電荷
発生層81を塗布した後、65℃で30分間乾燥させ
て、電荷発生層81の膜厚を0.4μmに形成した。
よび方法で感光層形成部4を作製し、この感光層形成部
4の外周面に電荷発生層81と電荷輸送層82とを形成
した。電荷発生層81は、β型−メタルフリーフタロシ
アニン2重量部、共重合ナイロン樹脂(CM-4000 (ルミ
ラー、東レ(株)製))3重量部、およびメタノール1
00重量部を調合し、ボールミルで8時間分散したもの
である。この液中に上記感光層形成部4を浸漬し、電荷
発生層81を塗布した後、65℃で30分間乾燥させ
て、電荷発生層81の膜厚を0.4μmに形成した。
【0133】続いて、この電荷発生層81上に電荷輸送
層82を形成した。この電荷輸送層82は、上記実施例
1と同様の材料および方法で形成したものである。そし
て、上記感光層形成部4を備えた電子写真感光体1を普
通紙レーザプリンタに搭載して、この電子写真感光体1
の帯電電位Vo と残留電位Vr を測定した。
層82を形成した。この電荷輸送層82は、上記実施例
1と同様の材料および方法で形成したものである。そし
て、上記感光層形成部4を備えた電子写真感光体1を普
通紙レーザプリンタに搭載して、この電子写真感光体1
の帯電電位Vo と残留電位Vr を測定した。
【0134】この結果、帯電電位Vo =−627
(V)、残留電位Vr =−12(V)となり、電荷発生
層81および電荷輸送層82からなる良好な感光層3が
得られたことが分かった。
(V)、残留電位Vr =−12(V)となり、電荷発生
層81および電荷輸送層82からなる良好な感光層3が
得られたことが分かった。
【0135】〔比較例3〕上記実施例3と同様の材料お
よび方法で作製した感光層形成部4の外周面に電荷発生
層81と電荷輸送層82とを形成した。上記電荷発生層
81は、β型メタルフリーフタロシアニン2重量部、ブ
チラール樹脂(エスレックBL-1、積水化学(株)製)3
重量部、THF60重量部、およびメタノール40重量
部を調合し、ボールミルで8時間分散したものである。
この液中に上記感光層形成部4を浸漬し、電荷発生層8
1を塗布し、65℃で30分間乾燥させて、膜厚を0.
4μmに形成した。
よび方法で作製した感光層形成部4の外周面に電荷発生
層81と電荷輸送層82とを形成した。上記電荷発生層
81は、β型メタルフリーフタロシアニン2重量部、ブ
チラール樹脂(エスレックBL-1、積水化学(株)製)3
重量部、THF60重量部、およびメタノール40重量
部を調合し、ボールミルで8時間分散したものである。
この液中に上記感光層形成部4を浸漬し、電荷発生層8
1を塗布し、65℃で30分間乾燥させて、膜厚を0.
4μmに形成した。
【0136】しかしながら、感光層形成部4の主剤であ
る樹脂は、メタノールには溶解しないが、THFには溶
解する。このため、上記感光層形成部4の外周面には微
小な凹凸が現出した。また、感光層形成部4に導電性物
質として添加していたグラファイトが上記液中に漏出し
たので、電荷発生層81にはグラファイトが混入してい
ることが容易に予想される。
る樹脂は、メタノールには溶解しないが、THFには溶
解する。このため、上記感光層形成部4の外周面には微
小な凹凸が現出した。また、感光層形成部4に導電性物
質として添加していたグラファイトが上記液中に漏出し
たので、電荷発生層81にはグラファイトが混入してい
ることが容易に予想される。
【0137】続いて、この電荷発生層81上に、電荷輸
送層82を形成する。この電荷輸送層82は、上記実施
例1と同様の材料および方法で形成されるが、乾燥温度
が80℃である点が実施例1と異なっている。
送層82を形成する。この電荷輸送層82は、上記実施
例1と同様の材料および方法で形成されるが、乾燥温度
が80℃である点が実施例1と異なっている。
【0138】そして、上記感光層形成部4を備えた電子
写真感光体1を普通紙レーザプリンタに搭載して、この
電子写真感光体1の帯電電位Vo と残留電位Vr を測定
した。
写真感光体1を普通紙レーザプリンタに搭載して、この
電子写真感光体1の帯電電位Vo と残留電位Vr を測定
した。
【0139】この結果、帯電電位Vo =−630
(V)、残留電位Vr =−150(V)となり上記実施
例1に比べて残留電位Vr が高くなった。この理由は、
上記グラファイトが電荷発生層81中に混入し、電荷発
生層81の誘電特性が劣化したためである。
(V)、残留電位Vr =−150(V)となり上記実施
例1に比べて残留電位Vr が高くなった。この理由は、
上記グラファイトが電荷発生層81中に混入し、電荷発
生層81の誘電特性が劣化したためである。
【0140】以上のように、樹脂製の感光層形成部4の
外周面に電荷発生層81および電荷輸送層82を形成す
る場合、電荷発生層81および電荷輸送層82の形成に
伴って使用される溶剤は上記樹脂を溶解しないものとす
る必要があることが分かった。
外周面に電荷発生層81および電荷輸送層82を形成す
る場合、電荷発生層81および電荷輸送層82の形成に
伴って使用される溶剤は上記樹脂を溶解しないものとす
る必要があることが分かった。
【0141】〔実施例4〕外形50mm、長さ348m
m、肉厚3mmに射出成型した感光層形成部4(重量比
40%のグラファイトを添加し、混練したポリイミド
(ベスペル、デュポン(株)製)による成型体)を界面
活性剤が含有した水で洗浄し、純水ですすぎ、乾燥を行
った。尚、上記ポリイミドは熱により溶解せず、熱分解
温度は400℃以上である。
m、肉厚3mmに射出成型した感光層形成部4(重量比
40%のグラファイトを添加し、混練したポリイミド
(ベスペル、デュポン(株)製)による成型体)を界面
活性剤が含有した水で洗浄し、純水ですすぎ、乾燥を行
った。尚、上記ポリイミドは熱により溶解せず、熱分解
温度は400℃以上である。
【0142】次に、上記感光層形成部4の外周面に実施
例1と同様の材料および方法で、下引層80、電荷発生
層81および電荷輸送層82を形成した。ポリイミド
は、電荷発生層81および電荷輸送層82の各層に使用
する溶剤のいずれにも溶解しないので、均一な膜厚を有
する電荷発生層81および電荷輸送層82を形成するこ
とができた。
例1と同様の材料および方法で、下引層80、電荷発生
層81および電荷輸送層82を形成した。ポリイミド
は、電荷発生層81および電荷輸送層82の各層に使用
する溶剤のいずれにも溶解しないので、均一な膜厚を有
する電荷発生層81および電荷輸送層82を形成するこ
とができた。
【0143】そして、上記感光層形成部4を備えている
電子写真感光体1を普通紙レーザプリンタに搭載して、
この電子写真感光体1の帯電電位Vo と残留電位Vr と
を測定した。
電子写真感光体1を普通紙レーザプリンタに搭載して、
この電子写真感光体1の帯電電位Vo と残留電位Vr と
を測定した。
【0144】この結果、帯電電位Vo =−670
(V)、残留電位Vr =−45(V)となり、電荷発生
層81および電荷輸送層82からなる良好な感光層3が
得られたことが分かった。
(V)、残留電位Vr =−45(V)となり、電荷発生
層81および電荷輸送層82からなる良好な感光層3が
得られたことが分かった。
【0145】〔実施例5〕上記実施例4と同様の材料お
よび方法で作製した感光層形成部4の外周面に下引層8
0、電荷発生層81および電荷輸送層82を形成した。
よび方法で作製した感光層形成部4の外周面に下引層8
0、電荷発生層81および電荷輸送層82を形成した。
【0146】上記下引層80は、ラテックスである塩化
ビニリデン樹脂のエマルジョン(固形分60%の水中分
散液)33重量部、白色酸化チタン粉(タイトーンSR-1
T 、堺化学(株)製)20重量部、導電性酸化チタン粉
(ECT-62、チタン工業(株)製)5重量部、エチルセル
ロース(5%水溶液)0.8重量部、ヘキサリン酸ナト
リウム(10%水溶液)1重量部を水30重量部に調合
し、ボールミルで12時間分散したものである。この液
中に、上記感光層形成部4を浸漬し、下引層80を塗布
した後、水を完全に乾燥させるために100℃で1時間
乾燥させた。
ビニリデン樹脂のエマルジョン(固形分60%の水中分
散液)33重量部、白色酸化チタン粉(タイトーンSR-1
T 、堺化学(株)製)20重量部、導電性酸化チタン粉
(ECT-62、チタン工業(株)製)5重量部、エチルセル
ロース(5%水溶液)0.8重量部、ヘキサリン酸ナト
リウム(10%水溶液)1重量部を水30重量部に調合
し、ボールミルで12時間分散したものである。この液
中に、上記感光層形成部4を浸漬し、下引層80を塗布
した後、水を完全に乾燥させるために100℃で1時間
乾燥させた。
【0147】続いて、下引層80上に電荷発生層81を
形成した。この電荷発生層81は、β型−メタルフリー
フタロシアニン2重量部、共重合ナイロン樹脂(CM-400
0 (ルミラー、東レ(株)製))3重量部をメターノー
ル100重量部に調合し、ボールミルで8時間分散した
ものである。この液中に上記感光層形成部4を浸漬し、
電荷発生層81を塗布した後、80℃で30分間乾燥さ
せて、電荷発生層81の膜厚を0.4μmに形成した。
感光層形成部4の主剤である樹脂はメタノールに溶解し
ないため均一な膜厚を有した下引層80が形成された。
形成した。この電荷発生層81は、β型−メタルフリー
フタロシアニン2重量部、共重合ナイロン樹脂(CM-400
0 (ルミラー、東レ(株)製))3重量部をメターノー
ル100重量部に調合し、ボールミルで8時間分散した
ものである。この液中に上記感光層形成部4を浸漬し、
電荷発生層81を塗布した後、80℃で30分間乾燥さ
せて、電荷発生層81の膜厚を0.4μmに形成した。
感光層形成部4の主剤である樹脂はメタノールに溶解し
ないため均一な膜厚を有した下引層80が形成された。
【0148】続いて、この電荷発生層81上に電荷輸送
層82を形成した。この電荷輸送層82は、上記実施例
1と同様の材料および方法で形成されたが、乾燥温度が
80℃である点が実施例1と異なっている。
層82を形成した。この電荷輸送層82は、上記実施例
1と同様の材料および方法で形成されたが、乾燥温度が
80℃である点が実施例1と異なっている。
【0149】そして、上記感光層形成部4を備えている
電子写真感光体1を普通紙レーザプリンタに搭載して、
この電子写真感光体1の帯電電位Vo と残留電位Vr と
を測定した。
電子写真感光体1を普通紙レーザプリンタに搭載して、
この電子写真感光体1の帯電電位Vo と残留電位Vr と
を測定した。
【0150】この結果、帯電電位Vo =−632
(V)、残留電位Vr =−37(V)となり、電荷発生
層81および電荷輸送層82からなる良好な感光層3が
得られたことが分かった。
(V)、残留電位Vr =−37(V)となり、電荷発生
層81および電荷輸送層82からなる良好な感光層3が
得られたことが分かった。
【0151】〔実施例6〕上記実施例1で形成された感
光層形成部4を電子写真感光体1に備え、レーザプリン
タに搭載するためには、上記感光層形成部4の両端部に
駆動伝達部5などのフランジを精度良く装着する必要が
ある。ところが、感光層形成部4の両端部には、不要な
下引層80、電荷発生層81および電荷輸送層82が形
成されている。従って、上記下引層80、電荷発生層8
1および電荷輸送層82を除去する工程、即ち端面処理
工程を行う必要がある。
光層形成部4を電子写真感光体1に備え、レーザプリン
タに搭載するためには、上記感光層形成部4の両端部に
駆動伝達部5などのフランジを精度良く装着する必要が
ある。ところが、感光層形成部4の両端部には、不要な
下引層80、電荷発生層81および電荷輸送層82が形
成されている。従って、上記下引層80、電荷発生層8
1および電荷輸送層82を除去する工程、即ち端面処理
工程を行う必要がある。
【0152】このために、先ず、ジクロロメタンに上記
感光層形成部4の端部から1cmを浸漬した。そして、
同時に超音波をジクロロメタン中に発生させることによ
り、電荷発生層81および電荷輸送層82を除去するこ
とができた。しかしながら、ジクロロメタンでは下引層
80を除去することができない。
感光層形成部4の端部から1cmを浸漬した。そして、
同時に超音波をジクロロメタン中に発生させることによ
り、電荷発生層81および電荷輸送層82を除去するこ
とができた。しかしながら、ジクロロメタンでは下引層
80を除去することができない。
【0153】次に、メタノールに上記感光層形成部4を
浸漬した。そして、同時に超音波をメタノール中に発生
させることにより、下引層80を除去することができ
た。
浸漬した。そして、同時に超音波をメタノール中に発生
させることにより、下引層80を除去することができ
た。
【0154】この結果、二度の端面処理工程により感光
層形成部4の主剤である樹脂を溶解させることなく上記
下引層80、電荷発生層81および電荷輸送層82を除
去することができた。
層形成部4の主剤である樹脂を溶解させることなく上記
下引層80、電荷発生層81および電荷輸送層82を除
去することができた。
【0155】〔比較例4〕上記実施例6に対し、ジクロ
ロメタンとメタノールとの混合溶液を使用して、上記両
端部に形成された下引層80、電荷発生層81および電
荷輸送層82を除去する場合を以下に説明する。
ロメタンとメタノールとの混合溶液を使用して、上記両
端部に形成された下引層80、電荷発生層81および電
荷輸送層82を除去する場合を以下に説明する。
【0156】この場合、一度の端面処理工程により、上
記混合溶液が上記下引層80、電荷発生層81および電
荷輸送層82を除去する。しかしながら、上記混合溶液
に含有しているジクロロメタンが感光層形成部4の主剤
である樹脂も溶解してしまったので、感光層形成部4は
変形してしまい、実用に耐え得るものではなかった。
記混合溶液が上記下引層80、電荷発生層81および電
荷輸送層82を除去する。しかしながら、上記混合溶液
に含有しているジクロロメタンが感光層形成部4の主剤
である樹脂も溶解してしまったので、感光層形成部4は
変形してしまい、実用に耐え得るものではなかった。
【0157】
【発明の効果】以上のように、請求項1の発明の電子写
真感光体の製造方法は、感光層形成体の表面に少なくと
も感光層を含む所定の機能を有する機能層を形成する電
子写真感光体の製造方法において、上記感光層形成体は
樹脂を主剤として形成され、上記機能層の形成に伴って
使用される溶剤が上記感光層形成体の主剤となる樹脂を
溶解しないものであることを特徴としている。
真感光体の製造方法は、感光層形成体の表面に少なくと
も感光層を含む所定の機能を有する機能層を形成する電
子写真感光体の製造方法において、上記感光層形成体は
樹脂を主剤として形成され、上記機能層の形成に伴って
使用される溶剤が上記感光層形成体の主剤となる樹脂を
溶解しないものであることを特徴としている。
【0158】これにより、電子写真感光体は、機能層の
形成に伴って使用される溶剤による変形が防止されると
ともに、上記導電性物質の減少による電子写真感光体の
帯電性の低下が防止できるので、電子写真特性への悪影
響を防止することができるという効果を奏する。
形成に伴って使用される溶剤による変形が防止されると
ともに、上記導電性物質の減少による電子写真感光体の
帯電性の低下が防止できるので、電子写真特性への悪影
響を防止することができるという効果を奏する。
【0159】請求項2の発明の電子写真感光体の製造方
法は、請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法にお
いて、上記溶剤の溶解度パラメータと上記感光層形成体
の主剤となる樹脂の溶解度パラメータとの差が少なくと
も2以上離れていることを特徴としている。
法は、請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法にお
いて、上記溶剤の溶解度パラメータと上記感光層形成体
の主剤となる樹脂の溶解度パラメータとの差が少なくと
も2以上離れていることを特徴としている。
【0160】これにより、溶解度パラメータに基づい
て、上記溶剤を選択することができるので、溶剤の選択
が容易となるという効果を奏する。
て、上記溶剤を選択することができるので、溶剤の選択
が容易となるという効果を奏する。
【0161】請求項3の発明の電子写真感光体の製造方
法は、請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法にお
いて、上記機能層は感光層形成体の表面に複数層が積層
され、これら機能層を形成するための個々の溶剤の内、
上記感光層形成体の表面に最初に形成される第1機能層
の溶剤のみが上記感光層形成体の主剤となる樹脂を溶解
しないことを特徴としている。
法は、請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法にお
いて、上記機能層は感光層形成体の表面に複数層が積層
され、これら機能層を形成するための個々の溶剤の内、
上記感光層形成体の表面に最初に形成される第1機能層
の溶剤のみが上記感光層形成体の主剤となる樹脂を溶解
しないことを特徴としている。
【0162】これにより、上記他の機能層を形成するた
めの溶剤の選択の範囲が広がるので、使用材料に対する
規制を緩和することができるという効果を奏する。
めの溶剤の選択の範囲が広がるので、使用材料に対する
規制を緩和することができるという効果を奏する。
【0163】請求項4の発明の電子写真感光体の製造方
法は、請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法にお
いて、上記機能層を形成する工程の後に、上記機能層の
不要部を除去用溶剤により除去する工程を有し、この工
程において、上記除去用溶剤が上記感光層形成体の主剤
となる樹脂を溶解しないものであることを特徴としてい
る。
法は、請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法にお
いて、上記機能層を形成する工程の後に、上記機能層の
不要部を除去用溶剤により除去する工程を有し、この工
程において、上記除去用溶剤が上記感光層形成体の主剤
となる樹脂を溶解しないものであることを特徴としてい
る。
【0164】これにより、機能層の不要部を除去する
際、上記不要部の除去に使用する溶剤により、感光層形
成体が変形する事態を防止することができるという効果
を奏する。
際、上記不要部の除去に使用する溶剤により、感光層形
成体が変形する事態を防止することができるという効果
を奏する。
【0165】請求項5の発明の電子写真感光体の製造方
法は、感光層形成体の表面に少なくとも感光層を含む所
定の機能を有する機能層を形成する電子写真感光体の製
造方法において、上記感光層形成体は樹脂を主剤として
形成され、上記機能層の形成に伴って使用される溶剤は
沸点が上記感光層形成体の樹脂の軟化点未満のものであ
ることを特徴としている。
法は、感光層形成体の表面に少なくとも感光層を含む所
定の機能を有する機能層を形成する電子写真感光体の製
造方法において、上記感光層形成体は樹脂を主剤として
形成され、上記機能層の形成に伴って使用される溶剤は
沸点が上記感光層形成体の樹脂の軟化点未満のものであ
ることを特徴としている。
【0166】これにより、上記溶剤は、その沸点が上記
感光層形成体の主剤である樹脂の軟化点未満であるの
で、乾燥温度が上記軟化点未満でも、上記溶剤は完全に
乾燥するとともに、熱による電子写真感光体の変形を防
止することができるという効果を奏する。また、乾燥に
かかる温度を下げることができるので、コストダウンを
図ることができるという効果も併せて奏する。
感光層形成体の主剤である樹脂の軟化点未満であるの
で、乾燥温度が上記軟化点未満でも、上記溶剤は完全に
乾燥するとともに、熱による電子写真感光体の変形を防
止することができるという効果を奏する。また、乾燥に
かかる温度を下げることができるので、コストダウンを
図ることができるという効果も併せて奏する。
【0167】請求項6の発明の電子写真感光体の製造方
法は、請求項1または5に記載の電子写真感光体の製造
方法において、上記機能層の形成後にこの層を加熱して
乾燥させる乾燥工程を有し、この乾燥工程での乾燥温度
が上記感光層形成体の樹脂の軟化点未満であることを特
徴としている。
法は、請求項1または5に記載の電子写真感光体の製造
方法において、上記機能層の形成後にこの層を加熱して
乾燥させる乾燥工程を有し、この乾燥工程での乾燥温度
が上記感光層形成体の樹脂の軟化点未満であることを特
徴としている。
【0168】これにより、乾燥時の熱により上記樹脂は
軟化しないので、熱による電子写真感光体の変形を防止
することができるという効果を奏する。
軟化しないので、熱による電子写真感光体の変形を防止
することができるという効果を奏する。
【図1】本発明の電子写真感光体の製造方法で使用した
洗浄装置と乾燥装置との概略構成を示す模式図である。
洗浄装置と乾燥装置との概略構成を示す模式図である。
【図2】樹脂製感光層形成部を備えている電子写真感光
体の概略構成を示す部分断面図である。
体の概略構成を示す部分断面図である。
【図3】同図(a)ないし同図(d)は、図2に示した
電子写真感光体の他の態様を説明する断面図である。
電子写真感光体の他の態様を説明する断面図である。
【図4】図2に示した電子写真感光体を一体成型するた
めの金型の概略構成を示す断面図である。
めの金型の概略構成を示す断面図である。
【図5】下引層を有している積層型電子写真感光体の概
略構成を示す断面図である。
略構成を示す断面図である。
【図6】下引層を有している単層型電子写真感光体の概
略構成を示す断面図である。
略構成を示す断面図である。
【図7】射出成型により成型し、外周面に下引層と感光
層とを有している樹脂製感光層形成部と、この感光層形
成部の両端部に取りつけるフランジとの概略構成を示す
断面図である。
層とを有している樹脂製感光層形成部と、この感光層形
成部の両端部に取りつけるフランジとの概略構成を示す
断面図である。
【図8】同図(a)および同図(b)は、図7に示した
感光層形成部の下端部の様子を示す拡大断面図である。
感光層形成部の下端部の様子を示す拡大断面図である。
【図9】アルミニウム製感光層形成部を備えている電子
写真感光体の概略の層構造を示す断面図である。
写真感光体の概略の層構造を示す断面図である。
【図10】下引層、電荷発生層、および電荷輸送層を有
している電子写真感光体の作製方法を示すフローチャー
トである。
している電子写真感光体の作製方法を示すフローチャー
トである。
1 電子写真感光体 3 感光層(機能層) 4 感光層形成部(感光層形成体) 80 下引層(機能層) 81 電荷発生層(機能層) 82 電荷輸送層(機能層)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 黒川 誠 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 津越 正弥 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 (72)発明者 大槻 朋子 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内
Claims (6)
- 【請求項1】感光層形成体の表面に少なくとも感光層を
含む所定の機能を有する機能層を形成する電子写真感光
体の製造方法において、 前記感光層形成体は樹脂を主剤として形成され、前記機
能層の形成に伴って使用される溶剤は前記感光層形成体
の主剤となる樹脂を溶解しないものであることを特徴と
する電子写真感光体の製造方法。 - 【請求項2】前記溶剤の溶解度パラメータと前記感光層
形成体の主剤となる樹脂の溶解度パラメータとの差が少
なくとも2以上離れていることを特徴とする請求項1に
記載の電子写真感光体の製造方法。 - 【請求項3】前記機能層は感光層形成体の表面に複数層
が積層され、これら機能層を形成するための個々の溶剤
の内、前記感光層形成体の表面に最初に形成される第1
機能層の溶剤のみが前記感光層形成体の主剤となる樹脂
を溶解しないことを特徴とする請求項1に記載の電子写
真感光体の製造方法。 - 【請求項4】前記機能層を形成する工程の後に、前記機
能層の不要部を除去用溶剤により除去する工程を有し、
この工程において、前記除去用溶剤が前記感光層形成体
の主剤となる樹脂を溶解しないものであることを特徴と
する請求項1に記載の電子写真感光体の製造方法。 - 【請求項5】感光層形成体の表面に少なくとも感光層を
含む所定の機能を有する機能層を形成する電子写真感光
体の製造方法において、 前記感光層形成体は樹脂を主剤として形成され、前記機
能層の形成に伴って使用される溶剤は沸点が前記感光層
形成体の樹脂の軟化点未満のものであることを特徴とす
る電子写真感光体の製造方法。 - 【請求項6】前記機能層の形成後に、この層を加熱して
乾燥させる乾燥工程を有し、この乾燥工程での乾燥温度
が前記感光層形成体の樹脂の軟化点未満であることを特
徴とする請求項1または5に記載の電子写真感光体の製
造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33722495A JPH09179320A (ja) | 1995-12-25 | 1995-12-25 | 電子写真感光体の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33722495A JPH09179320A (ja) | 1995-12-25 | 1995-12-25 | 電子写真感光体の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09179320A true JPH09179320A (ja) | 1997-07-11 |
Family
ID=18306612
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP33722495A Pending JPH09179320A (ja) | 1995-12-25 | 1995-12-25 | 電子写真感光体の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH09179320A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010123581A (ja) * | 2001-04-06 | 2010-06-03 | Changs Ascending Enterprise Co Ltd | リチウムイオンポリマー電池 |
JP2015026067A (ja) * | 2013-06-19 | 2015-02-05 | キヤノン株式会社 | 電子写真感光体の製造方法 |
-
1995
- 1995-12-25 JP JP33722495A patent/JPH09179320A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010123581A (ja) * | 2001-04-06 | 2010-06-03 | Changs Ascending Enterprise Co Ltd | リチウムイオンポリマー電池 |
JP2015026067A (ja) * | 2013-06-19 | 2015-02-05 | キヤノン株式会社 | 電子写真感光体の製造方法 |
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