JPH09176914A - 消臭性並びに抗菌性を保持する合成繊維 - Google Patents

消臭性並びに抗菌性を保持する合成繊維

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JPH09176914A
JPH09176914A JP7354605A JP35460595A JPH09176914A JP H09176914 A JPH09176914 A JP H09176914A JP 7354605 A JP7354605 A JP 7354605A JP 35460595 A JP35460595 A JP 35460595A JP H09176914 A JPH09176914 A JP H09176914A
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synthetic fiber
oxide
fine powder
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ceramic fine
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Yoshiyuki Tokuda
美幸 徳田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 近赤外線及び遠赤外線領域の電磁波の放射並
びに銀若しくは銅の継続したオリゴダイナミック作用と
により、広範囲の細菌類や黴菌類を極めて安全に而も確
実に抗菌せしめるとともに、紫外線領域の電磁波の吸収
により創出される酸化力で消臭効果も有する、消臭性並
びに抗菌性を保持する合成繊維の提供。 【構成】 単糸繊度が10デニール以上に形成される合
成繊維に、粒径が1μm以下で且その組成が炭化珪素或
いは酸化珪素が40乃至60%、酸化アルミナ20乃至
30%重量、酸化マンガン並びに酸化亜鉛4乃至8%、
酸化チタン2乃至5%、及び銀若しくは銅0.1乃至
1.0%重量の割合で焼成されたセラミックス微粉体
が、0.3乃至3.0%重量割合に配合されてなる構
成。若しくは適宜繊度に形成された合成繊維の外表面
に、前記セラミックス微粉体を適宜の添着材を介して該
合成繊維の重量に対し実質的に0.1乃至1.0%重量
の割合で添着させた構成。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は内装用編織資材を初め、
生活雑貨、寝具類、衣料品等各種の繊維加工品に高い使
用安全性と優れた消臭性並びに抗菌性を長期に亘って保
持せしめることの可能な、消臭性並びに抗菌性を保持す
る合成繊維に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年においては生活水準の向上及び高齢化
とが相俟って富みに健康指向が高まっており、これがた
め住生活に係る壁材、敷物等内装材を初め、生活雑貨、
寝具類、衣料品等に至るまで清潔感並びに衛生機能を保
持するものが求められるに至っている。
【0003】これがため、従来においては殺菌や殺黴成
分を有する化合物例えばアミド系化合物、アミン塩、第
4級アンモニウム塩、ベンズイミダゾーン系化合物、カ
ーバメート系化合物、グアニジン誘導体、不飽和カルボ
ニル化合物、有機ハロゲン化合物、ヨードプロパルギル
化合物、有機金属化合物、フエノール類、トリアゾール
系化合物、チアジアジン系化合物等を適宜重量割合に配
合し、以って抗菌性を保持する合成繊維を得ることが特
開昭58−144116号公報や特開平1−17460
9号公報、或いは特公平7−81206号公報等で開示
されている。
【0004】更に銀や銅が有する微量金属イオンによる
殺菌作用、所謂オリゴダイナミック作用を利用して抗菌
性を保持する合成繊維を得ることが、特開昭59−17
69号公報や特関昭59−30963号公報等で開示さ
れている。
【0005】しかしながら殺菌や殺黴成分を有する合成
物を配合してなる抗菌性合成繊維においては、殺菌や殺
黴成分が揮散し若しくは溶出されることにより抗菌性が
発揮されるものであるから、該殺菌殺黴成分の揮散若し
くは溶出とともに短期に抗菌性が滅失することとなり、
而も該殺菌殺黴成分は毒性も強く壁材や敷物等の内装材
や生活雑貨或いは寝具類等、比較的密閉性の高い住空間
内での使用には安全性が危惧され、特に抵抗力の弱い幼
児や高齢者には一段と危険性も高い。
【0006】またオリゴダイナミック作用を用いる合成
繊維においては、その使用安全性については著るしく高
いものの、銀若しくは銅は使用経過とともにその外表面
に酸化膜等が生成されて不動態化するため、折角の優れ
た殺菌殺黴も使用経過とともに急激に減失され長期に亘
る抗菌性が期待できない問題を抱えている。
【0007】他方シリカ、アルミナ、ジルコニア、チタ
ニア、マグネシア、ムライト、ジルコン、コージュライ
ト及び窒化ケイ素や炭化ケイ素との複合体等を主成分と
するセラミックスが遠赤外線領域即ち波長6乃至14μ
m程度の電磁波放射特性に優れること、並びに該遠赤外
線領域の電磁波は物体の内部にまで透過され易く且水分
子を共振励起させて発熱作用を生ぜしめること、及び該
セラミックスの粉体は耐薬品性や耐熱性に優れ而も合成
樹脂素材とも十分に混合分散しえることとも相俟って、
適宜の合成樹脂素材にセラミックス粉体を適宜割合で配
合のうえ所望の遠赤外線放射繊維を形成し、これを編成
若しくは織成して保温による健康増進効果を得、或いは
植物の育成効果を図るものとして特公平1−30955
号公報や実公平4−29723号公報が開示されてい
る。
【0008】かかる如き経緯に鑑み発明者は鋭意研究を
重ねた結果、セラミックスはその組成成分如何で近赤外
線領域から遠赤外線領域に亘る広範囲の電磁波を放射し
え、且細菌類や黴菌類の菌体を形成する水分及び繁殖に
係る環境水分の水分子は波長6乃至11μmの遠赤外線
領域の電磁波よりも1乃至3μmの近赤外線領域の電磁
波で激しく共振励起され菌体の生理機能の阻害と繁殖の
抑制がなされること、並びに近赤外線領域の電磁波の放
射によって無機化合物も共振励起され酸化還元作用が促
進されること、或いは酸化チタンは紫外線領域の電磁波
の吸収により強力な酸化力を創出しうること、及び近赤
外線や遠赤外線領域の電磁波の放射若しくは紫外線領域
の吸収を効率良くなさしめるためには、可能な限り微粒
状のセラミックス粉体を用いることが有効であることを
究明し本発明に至った。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】即ち本発明は、化学的
薬殺成分による抗菌を図る技術思想に代えて近赤外線や
遠赤外線領域の電磁波を放射せしめて細菌類や黴菌類の
菌体を形成する水分、及び繁殖に係る環境水分の水分子
を有効に共振励起せしめて菌体の生理機能を阻害し繁殖
を抑制させ、且銀若しくは銅のオリゴダイナミック作用
を長期に亘って継続発揮させて、広範囲の細菌類や黴菌
類を極めて安全に而も確実に抗菌せしめるとともに、紫
外線領域の電磁波を効率良く吸収して強い酸化力を創出
せしめ、以って細菌類や黴菌類から生成される悪臭をも
有効に消臭しえる合成繊維を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに本発明が用いた手段は、熔融紡糸法若しくは溶液紡
糸法により紡糸且延伸されその単糸繊度が10デニール
以上に形成される合成繊維において、赤外線領域の電磁
波の効率的放射を初め紫外線領域の電磁波の効率的吸収
を図るための表面積率の増大、及びオリゴダイナミック
作用の効率的発揮のための接触面積率の増大のため、そ
の粒径が1μm以下で且近赤外線領域から遠赤外線領域
の電磁波を有効に放射させるためにその組成成分が、炭
化珪素或いは酸化珪素が40乃至60%、酸化アルミナ
20乃至30%重量、酸化マンガン4乃至8%重量割合
に加え、紫外線領域の電磁波吸収により強力な酸化力を
創出させるための酸化チタン2乃至5%、オリゴダイナ
ミック作用を継続して発揮させるための還元作用を有す
る酸化亜鉛4乃至8%、及び銀若しくは銅0.1乃至
1.0%重量割合で焼成させてなるセラミックス微粉体
が、合成繊維に対し0.3乃至3.0%重量割合で配合
されてなる構成に存する。
【0011】更には、熔融紡糸法若しくは溶液紡糸法に
おいて紡糸且延伸され適宜繊度に形成される合成繊維の
該表面に、前記セラミックス微粉体を適宜の添着材を介
して合成繊維の重量に対し実質的に0.1乃至1.0%
重量の割合で添着させてなる構成に存する。
【作 用】
【0012】上述の如き手段を用いてなる本発明は、以
下のような作用を有する。即ち合成繊維に対し0.3乃
至3.0%重量割合で配合され若しくは合成繊維の外表
面に実質的に0.1乃至1.0%重量割合で添着される
セラミックス微粉体は、その粒径が1μm以下で且炭化
珪素或いは酸化珪素40乃至60%、酸化アルミナ20
乃至30%、酸化マンガン並びに酸化亜鉛4乃至8%、
酸化チタン2乃至5%、及び銀若しくは銅0.1乃至
1.0%重量の組成からなるため、近赤外線領域から遠
赤外線領域に亘る広範囲の電磁波が放射され、特に細菌
類や黴菌類の菌体を形成する水分や繁殖に係る環境水分
の水分子が激しく共振励起され、更には近赤外線領域の
電磁波の放射に伴い酸化マンガンも共振励起され、而も
外部からの紫外線領域の電磁波の吸収により酸化チタン
からの酸化力の創出に際して触媒的に作用し酸化力を一
段と強力に創出し、更には酸化亜鉛も共振励起されてイ
オン化し且銀若しくは銅に対し電子放出所謂還元作用が
働くことになる。
【0013】そして該セラミックス微粉体は粒径が1μ
m以下で且組成成分のそれぞれが凝集結合した状態で焼
成されたものであるため一段と嵩高であるから、従来セ
ラミックス粉体として使用されている粒径が略10乃至
30μmのものに比べて、その表面積率は略100乃至
900倍以上にも及ぶものであるため、近赤外線や遠赤
外線領域の電磁波の放射効率が極めて高く、而も外部の
紫外線領域の電磁波吸収効率も著るしく高まって酸化チ
タンからの酸化力の創出が有効になされ、更に銀や銅の
環境水分との接触面積率も極めて大きく形成されるため
効率良くオリゴダイナミック作用が発揮される。更に組
成成分が無機化合物や金属物であるから熱的安定性に優
れ、且微粉状であることとも相俟ってあらゆる合成樹脂
素材と混合分散しえるとともに、比較的高温度を用いる
熔融紡糸法でも安定した紡糸がなしえる。
【実施例】
【0014】以下に本発明実施例を図に基づき詳細に説
明すれば、図1はセラミックス微粉体が配合されてなる
本発明の断面説明図であって、該セラミックス微粉体が
配合された本発明1は、その使用特性に合せた適宜の合
成樹脂素材を用い且その成形特性に合せて熔融紡糸法若
しくは溶液紡糸法により所要の繊度、強度、伸度に紡糸
且延伸して糸状1Aに形成されるものであるが、配合さ
れるセラミックス微粉体1Bの最大粒径が1μm程度の
ものも使用されることから、安定した紡糸性を図るうえ
でその単糸繊度は少なくとも10デニール以上のものが
選択される。
【0015】そして配合されるセラミックス微粉体1B
は、図2に示す如く細菌類や黴菌類の菌体を形成する水
分や繁殖に必須の環境水分の水分子を強く共振励起させ
るうえから、その波長が略1乃至3μmの近赤外線領域
の電磁波及び波長が略6乃至14μmの遠赤外線領域の
電磁波を有効に放射しえるよう、炭化珪素或いは酸化珪
素が40乃至60%、酸化アルミナ20乃至30%、酸
化マンガン並びに酸化亜鉛4乃至8%重量の組成割合を
主たる組成とするものであって、更に該セラミックス微
粉体1Bには外部光線の中の紫外線領域の電磁波の吸収
に伴い共振励起により、その遊離酸素による強力な酸化
力を創出させるための酸化チタンが2乃至5%重量割合
で組成されてなり、加えてその微量金属イオンによる殺
菌作用所謂オリゴダイナミック作用を以って殺菌殺黴を
図るため、銀若しくは銅が0.1乃至1.0%重量の割
合で組成されている。
【0016】かかる組成において、酸化マンガンの使用
は近赤外線領域から遠赤外線領域に亘る電磁波の放射特
性を保持させる目的のほか、放射される近赤外線領域の
電磁波で共振励起がなされ、他方における酸化チタンが
らの遊離酸素の創出を一段と促進させるための触媒的機
能を有することによるものである。更に酸化亜鉛を使用
する所以は、近赤外線領域から遠赤外線領域までの電磁
波の放射特性を保持させるほかに、近赤外線領域の電磁
波で共振励起されてイオン化し、他方における銀若しく
は銅のイオン化との間のイオン化傾向の差異に伴う電子
放出所謂還元作用が働き、銀若しくは銅の不動態化が防
止されて長期に亘るオリゴダイナミック作用が持続され
ることによる。
【0017】セラミックス微粉体1Bの粒径が1μm以
下のものを用いることは、近赤外線や遠赤外線領域の電
磁波放射効率を高めること、並びに紫外線領域の電磁波
の吸収効率を高めること、及びオリゴダイナミック作用
を効率良く発揮させるための表面積率や吸収面積率或い
は接触面積率の増大のほかに、合成樹脂素材との混合分
散性を高めることにあるもので、特に本発明に用いるセ
ラミックス微粉体1Bはその組成成分のそれぞれは更に
極微粒状のものであって、かかる極微粒状の場合には組
成成分の相互に強い凝集力が働くため従来のセラミック
ス粉体の如く、融点近くで焼結させることなく比較的低
温度例えば200乃至300℃程度で焼成させて凝集力
を高めたものが、一段と嵩高なものとなり表面積率や吸
収面積率或いは接触面積率の増大化ために用いられる。
そしてかかる凝集力を以って焼成させるものでは、それ
ぞれの組成成分の粒径が異るものを使用することが、凝
集力を強めるうえで要望される。
【0018】かくしてなるセラミックス微粉体1Bを適
宜の合成樹脂素材に配合し糸条1Aを形成する場合には
本発明1が容易に作成しえるが、形成される糸状1Aの
内部に混合分散されたセラミックス微粉体1Bからの近
赤外線や遠赤外線領域の電磁波の放射や紫外線の吸収、
酸化力の創出、或いはオリゴダイナミック作用等は期待
しえぬものであるから、かかる手段による場合には形成
される糸条1A所謂繊維の重量に対して該セラミックス
微粉体1Bを、少なくとも0.3%重量以上好ましくは
1.0乃至3.0%重量割合で配合させることが、有効
な消臭性並びに抗菌性を図るうえから望まれるものであ
る。
【0019】本発明の目的はかかる手段のほかに次なる
手段によっても達成しえるものであって、図3に示す如
く予め使用特性に合せた合成樹脂素材を用いて熔融紡糸
若しくは溶液紡糸により紡糸し且延伸して所要の繊度、
強度、伸度に形成された糸条2Aに、該糸条2Aと接着
性を有する適宜の添着材に該セラミックス微粉体1Bを
混合分散させたうえ、該糸条2Aの外表面にセラミック
ス微粉体1Bが実質的に0.1乃至1.0%重量の割合
で添着されるよう添着層2Bが形成されたものでも採用
しえる。かかる手段においては添着に係る加工手段が新
たに要請されるものの、糸条2Aの外表面にセラミック
ス微粉体1Bが添着されるため、近赤外線や遠赤外線領
域の電磁波の放射や紫外線領域の電磁波の吸収、或いは
オリゴダイナミック作用等が効率良く発揮されることか
ら、セラミックス微粉体1Bの添着量も著るしく削減さ
れ0.1%以上好ましくは0.3乃至1.0%重量の割
合で目的が達せられる。
【0020】更にかかる手段は、細繊度繊維の多数糸条
2A所謂マルチフイラメントにおいても採用しえるもの
で、図4に示すように所要の繊度、強度、伸度に形成さ
れた糸条2Aの多数本の外表面に、適宜の添着材にセラ
ミックス微粉体1Bを混合分散させたうえ、これら多数
本の糸条2の重量に対して実質的にセラミックス微粉体
1Bが0.1乃至1.0%重量の割合で添着されるよう
添着層2Bを形成させれば良い。
【0021】以下に本発明1で織成してなる織物素地を
用いて消臭性及び抗菌性の試験を行った結果を報告すれ
ば、織物素地を形成するために使用した本発明消臭性並
びに抗菌性を保持する合成繊維1には、セラミックス微
粉体1Bとして炭化珪素50%、酸化アルミナ30%、
酸化マンガン並びに酸化亜鉛がそれぞれ7%、酸化チタ
ン5%、及び銀1.0%重量の割合の組成で且その平均
粒径が0.96μmを使用した。そしてこのセラミック
ス微粉体1Bをポリプロピレン樹脂繊維用グレードのペ
レットに対しそれぞれ0.1%、0.3%、1.0%、
3.0%、5.0%の割合で配合し且無配合のものも対
照用として、熔融紡糸法により単糸繊度30デニールの
糸状1Aをそれぞれ作成し、而もそれぞれの糸条1Aを
20本集束させたうえ経糸及び緯糸に用い織密度20×
20本/吋で平織した織物素地を、それぞれ試料1、試
料2、試料3、試料4、試料5及び対照試料とした。
【0022】試験方法は細菌類としてStaphylo
coccus aureus、黴菌類としてAsper
gillus−flavusの菌種を用い、これらを標
準寒天培地にて35℃48時間前培養した供試菌を用い
て供試菌液を106−7/mlに調整したうえ、減菌シ
ャーレに供試菌液2mlを滴下しこの供試菌液の上にそ
れぞれ2cmにカットした試料片を静置し、経過時間
毎に菌液0.1mlを取り出し塗沫後再培養したうえ生
菌数を判読することで抗菌性を測定した結果は表1の通
りである。
【0023】
【表1】
【0024】かかる抗菌性試験からも明らかなように、
抗菌性を期待するにはセラミックス微粉体1Bの配合割
合を少なくとも0.3%以上の割合で配合することが望
ましく、且その配合割合を3.0%以上に増加させても
抗菌性には差異が認められない状況が確認される。
【0025】消臭性の測定には、細菌類のStaphy
lococcus aureus、及び黴菌類のAsp
ergi−llus flavusをそれぞれシャーレ
内の標準寒天培地にて35℃48時間前培養したうえ、
試料1乃至試料5及び対照試料の織物素地で包被し更に
30℃湿度60%の条件下において、経過時間とともに
菌類の繁殖や繁殖に伴う分泌物、生成物等から招来され
る臭気を3人の測定者により官能測定したもので、測定
方法は臭気を強く感ずる場合は*印4個、少し感ずる場
合は*印2個、感じられない場合は*印0個として、合
計数を以って判定した結果は表2の通りであった。
【0026】
【表2】
【0027】
【発明の効果】本発明は上述の如く、配合若しくは添着
されるセラミックス微粉体の粒径が1μm以下で且組成
成分のそれぞれが更に微粒のうえ、相互が凝集された状
態に焼成されてなるため放射や吸収或いは接触に係る表
面積率が極めて大きく、而も主たる組成成分が炭化珪素
或いは酸化珪素40乃至60%、酸化アルミナ20乃至
30%、酸化マンガン並びに酸化亜鉛4乃至8%の重量
割合からなるため、近赤外線から遠赤外線領域に亘る電
磁波が放射されて細菌類や黴菌類の菌体を形成する水分
や繁殖に必須の環境水分の水分子が激しく共振励起され
て、これら菌類の生理機能が阻害されるとともに繁殖も
著るしく抑制される。加えて近赤外線領域の電磁波で共
振励起された酸化亜鉛がイオン化するとともに、他方に
おける銀若しくは銅のイオン化とのイオン化傾向の差異
に伴い、該酸化亜鉛からの電子放出がなされることによ
り銀若しくは銅が還元されるため、オリゴダイナミック
作用が効果的に且長期に亘って発揮されるため確実な抗
菌が期待できる。更に外部の自然光や人工光の存在下で
は、その紫外線領域の電磁波の吸収に伴い酸化チタンよ
り遊離酸素が創出されるとともに、近赤外線領域の電磁
波で酸化マンガンが共振励起されて触媒的に働くため遊
離酸素の創出が一段と促進され、強力な酸化力となって
広範囲に亘る菌類の殺菌殺黴とともに、これら菌類の繁
殖や該繁殖に伴い分泌物や生成物からの悪臭も酸化分散
するため、著るしく消臭効果も期待できる。而もセラミ
ックス微粉体は、その粒径が1μm以下の微粉体で且無
機化合物や金属で組成されてなるから合成樹脂素材とも
混合分散性に優れ、細繊度の繊維の形成に際しても繊維
内部全体に亘って均質に分散されるため、本発明により
編成或いは織成された各種の繊維加工品では、全体に亘
って消臭性や抗菌性が均質に発揮され、而も使用安全性
に極めて優れる等多くの特長を保持するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】セラミックス微粉体が配合されてなる本発明の
断面説明図である。
【図2】セラミックス微粉体の拡大説明図である。
【図3】セラミックス微粉体が添着されてなる本発明の
断面説明図である。
【図4】セラミックス微粉体が多数糸条に添着されてな
る本発明の断面説明図である。
【符号の説明】
1 セラミックス微粉体が配合されてなる本発明 1A 単糸繊度が10デニール以上に形成された糸条 1B セラミックス微粉体 2 セラミックス微粉体が添着されてなる本発明 2A 適宜繊度に形成された糸条 2B 添着層

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熔融紡糸法若しくは溶液紡糸法により紡
    糸し且延伸することにより、少なくともその単糸繊度が
    10デニール以上の繊度で形成される合成繊維におい
    て、該合成繊維中にその粒径が1μm以下で且炭化珪素
    或いは酸化珪素が40乃至60%、酸化アルミナ20乃
    至30%、酸化マンガン並びに酸化亜鉛がそれぞれ4乃
    至8%、酸化チタン2乃至5%、及び銀若しくは銅0.
    1乃至1.0%の重量割合の組成で焼成されたセラミッ
    クス微粉体が、0.3乃至3.0%重量割合で配合され
    てなる消臭性並びに抗菌性を保持する合成繊維。
  2. 【請求項2】 熔融紡糸法若しくは溶液紡糸法により紡
    糸し且延伸して適宜の繊度に形成される合成繊維の外表
    面に、その粒径が1μm以下で且炭化珪素或いは酸化珪
    素が40乃至60%、酸化アルミナ20乃至30%、酸
    化マンガン並びに酸化亜鉛がそれぞれ4乃至8%、酸化
    チタン2乃至5%、及び銀若しくは銅0.1乃至1.0
    %の重量割合で組成されるセラミックス微粉体が、適宜
    の添着材により該合成繊維の重量に対し実質的に0.1
    乃至1.0%重量の割合で添着されるよう添着層が形成
    されてなる、消臭性並びに抗菌性を保持する合成繊維。
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