JP2879024B2 - 遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると共に、静電気防止効果を有するレーヨンの製造方法 - Google Patents

遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると共に、静電気防止効果を有するレーヨンの製造方法

Info

Publication number
JP2879024B2
JP2879024B2 JP9031448A JP3144897A JP2879024B2 JP 2879024 B2 JP2879024 B2 JP 2879024B2 JP 9031448 A JP9031448 A JP 9031448A JP 3144897 A JP3144897 A JP 3144897A JP 2879024 B2 JP2879024 B2 JP 2879024B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight
properties
mixed
viscose
fine powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP9031448A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH10219514A (ja
Inventor
信秀 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JEGARANIN KK
Original Assignee
JEGARANIN KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JEGARANIN KK filed Critical JEGARANIN KK
Priority to JP9031448A priority Critical patent/JP2879024B2/ja
Publication of JPH10219514A publication Critical patent/JPH10219514A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2879024B2 publication Critical patent/JP2879024B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠赤外線放射特
性、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると
共に、静電気防止効果を有するレーヨンの製造方法に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭
性、防カビ性および防虫性を有すると共に、静電気防止
効果を有するレーヨンは存在していなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来は
遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防
虫性を有すると共に、静電気防止効果を有するレーヨン
は存在していなかったため、レーヨンを木綿や合成繊維
と混紡して作られた、特に病院における下着、シ―ツ、
ふとんカバ―、その他台所の布巾等はクリ―ニングや洗
浄をしても、汚臭や雑菌が除去されず、極めて不衛生で
あり、更にノミやダニ等の衛生害虫に対する防虫性もな
く、また下着やシーツの場合遠赤外線を放射しないの
で、皮膚表面温度を昇温させることや、血流を促進させ
ることができず、然も下着の場合、静電気が発生して不
快感を与えるという課題があった。
【0004】本発明はかかる課題を解決すべくなしたも
ので、遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性お
よび防虫性を有すると共に、静電気防止効果を有するレ
ーヨンの製造方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、粒径5μm以
下の蛇紋石微粉末20〜30重量%、電気石微粉末10
〜20重量%およびマグネシア微粉末20〜30重量%
を基材とすると共に、粒径5μm以下のチタン微粉末5
〜15重量%および炭素微粉末20〜30重量%を混合
材として前記基材に添加混合して、混合機および粉砕機
に順次複数回に亘って投入して、前記基材および混合材
を混合攪拌および粉砕して均一に混合し、然る後200
〜500℃の仮焼温度で焼成機により焼成して得られた
複合セラミックスを、レーヨン製造工程中の混合工程に
おいて、ビスコースを投入した混合機に5〜10重量%
投入するか、または脱泡工程において、ビスコースを投
入した紡糸タンクに5〜10重量%投入して、前記ビス
コースに前記複合セラミックスを添加混入するという手
段、粒径5μm以下の蛇紋石微粉末45〜55重量%、
電気石微粉末3〜7重量%およびマグネシア微粉末20
〜30重量%を基材とすると共に、粒径5μm以下のチ
タン微粉末5〜15重量%および炭素微粉末5〜15重
量%を混合材として前記基材に添加混合して、混合機お
よび粉砕機に順次複数回に亘って投入して、前記基材お
よび混合材を混合攪拌および粉砕して均一に混合し、然
る後200〜500℃の仮焼温度で焼成機により焼成し
て得られた複合セラミックスを、レーヨン製造工程中の
混合工程において、ビスコースを投入した混合機に5〜
10重量%投入するか、または脱泡工程において、ビス
コースを投入した紡糸タンクに5〜10重量%投入し
て、前記ビスコースに前記複合セラミックスを添加混入
するという手段、粒径5μm以下の蛇紋石微粉末15〜
25重量%、電気石微粉末3〜7重量%およびマグネシ
ア微粉末20〜30重量%を基材とすると共に、粒径5
μm以下のチタン微粉末20〜30重量%および炭素微
粉末20〜30重量%を混合材として前記基材に添加混
合して、混合機および粉砕機に順次複数回に亘って投入
して、前記基材および混合材を混合攪拌および粉砕して
均一に混合し、然る後200〜500℃の仮焼温度で焼
成機により焼成して得られた複合セラミックスを、レー
ヨン製造工程中の混合工程において、ビスコースを投入
した混合機に5〜10重量%投入するか、または脱泡工
程において、ビスコースを投入した紡糸タンクに5〜1
0重量%投入して、前記ビスコースに前記複合セラミッ
クスを添加混入するという手段、粒径5μm以下の蛇紋
石微粉末5〜15重量%、電気石微粉末5〜15重量%
およびマグネシア微粉末25〜35重量%を基材とする
と共に、粒径5μm以下のチタン微粉末20〜30重量
%および炭素微粉末20〜30重量%を混合材として前
記基材に添加混合して、混合機および粉砕機に順次複数
回に亘って投入して、前記基材および混合材を混合攪拌
および粉砕して均一に混合し、然る後200〜500℃
の仮焼温度で焼成機により焼成して得られた複合セラミ
ックスを、レーヨン製造工程中の混合工程において、ビ
スコースを投入した混合機に5〜10重量%投入する
か、または脱泡工程において、ビスコースを投入した紡
糸タンクに5〜10重量%投入して、前記ビスコースに
前記複合セラミックスを添加混入するという手段、のい
ずれかを採用することにより、上記課題を解決した。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明者は、単一成分のセラミッ
クスにつき、夫々遠赤外線放射率、抗菌率、脱臭率、防
カビ性を示す防カビ抵抗、ノミやダニ等の衛生害虫に対
する防虫性を示す忌避率および導電性を示す導電率につ
き、個々に測定し、遠赤外線放射率、抗菌率、脱臭率、
防カビ抵抗、忌避率および導電率のいずれかにおいて優
れたものを抽出すると共に、前記各セラミックスを複数
種類一定比率で混合攪拌し、然る後仮焼して遠赤外線放
射特性、抗菌性および脱臭性を有すると共に、防カビ
性、防虫性および導電性を有する複合セラミックスを製
造し、そして該複合セラミックスをレーヨン製造工程中
においてビスコースに添加混入することにより、遠赤外
線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性、防虫性を有す
ると共に、静電気防止効果を有するレーヨンを完成し
た。
【0007】本発明に使用される遠赤外線放射特性、抗
菌性および脱臭性を有すると共に、防カビ性、防虫性お
よび導電性を有する複合セラミックスを構成する単一成
分のセラミックスの平均放射率、抗菌率、脱臭率、防カ
ビ抵抗、忌避率、導電率および水素イオン濃度を測定し
たところ、表1に示す測定値を得た。なお、前記防カビ
抵抗はJIS 2911によって測定した。
【0008】
【表1】
【0009】表1の結果から、炭素が97%の極めて高
い遠赤外線放射率を有し、そしてマグネシアが95%、
蛇紋石が94%、チタンが90%、最低の電気石でも8
5%という高い遠赤外線放射率を有すると共に、いずれ
も水素イオン濃度はアルカリ域にあることが判った。ま
た、蛇紋石はブドウ状球菌に対しては98%の抗菌率を
有するが、大腸菌に対しては65%と中程度の抗菌率し
かなく、硫化水素に対しては100%の脱臭率を有する
が、アンモニアに対しては50%と中程度の脱臭率しか
なく、マグネシアは大腸菌に対して99.9%、ブドウ
状球菌に対して98%と極めて高い抗菌率を有するが、
アンモニアに対して25%、硫化水素に対して45%と
脱臭率は高くなく、更に、電気石は大腸菌に対して65
%、ブドウ状球菌に対して70%と中程度の抗菌率を有
し、アンモニアに対して63%、硫化水素に対して65
%と中程度の脱臭率を有することが判った。
【0010】そして、蛇紋石とマグネシアは防カビ抵抗
3で最高値であったが、電気石は防カビ抵抗2で中程度
であった。また、ノミやダニ等の衛生害虫に対する防虫
性を示す忌避率は、マグネシアが97%、蛇紋石が96
%、電気石が85%でいずれも高率であった。
【0011】一方、チタンは大腸菌に対して20%、ブ
ドウ状球菌に対して25%の低い抗菌率しかなく、アン
モニアに対して60%の中程度の脱臭率を有するが、硫
化水素に対しては20%と低い脱臭率しか有しておら
ず、また炭素は大腸菌、ブドウ状球菌に対していずれも
20%と低い抗菌率しかなく、アンモニアに対して65
%、硫化水素に対して55%と中程度の脱臭率を有す
る。そして、防カビ抵抗はチタン、炭素とも1で低い防
カビ抵抗しかなく、忌避率もチタンが50%、炭素が2
5%で低いことが判った。
【0012】更に、導電性を示す導電率は、蛇紋石が
5.6mho/cm、電気石が6.1mho/cm、そ
してマグネシアが6.0mho/cmで余り高くないの
に対して、チタンが13.0mho/cm、そして炭素
が15〜18mho/cmで非常に高いことが判った。
【0013】前記抗菌率、脱臭率、防カビ抵抗および忌
避率において劣っているチタンおよび炭素を本発明に使
用される複合セラミックスの素材として採用するのは、
チタンおよび炭素は導電率が高く、更にチタンは光によ
って他のセラミックスを活性励起させるという作用を有
するため、炭素とチタンを混合することにより、炭素は
チタンの活性励起作用によって炭素の特性である導電性
が活性励起されて更に導電率が高くなるためである。
【0014】上記の結果より、本発明者は遠赤外線放射
率、抗菌率、脱臭率、防カビ抵抗および忌避率におい
て、中程度から高率の数値を示した蛇紋石、電気石およ
びマグネシアを本発明に使用する複合セラミックスの基
材として採用し、これら基材に混合材としてチタンおよ
び炭素を添加混合することによって、遠赤外線放射特
性、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると
共に、導電性を有する複合セラミックスが得られると考
え、前記各セラミックスをその配合比率を種々変えて複
合セラミックスを製造した。
【0015】すなわち、基材となる蛇紋石20〜30重
量%、好ましくは25重量%、電気石10〜20重量
%、好ましくは15重量%、マグネシア20〜30重量
%、好ましくは25重量%に対して、混合材としてチタ
ン5〜15重量%、好ましくは10重量%、炭素20〜
30重量%、好ましくは25重量%を添加混合して複合
セラミックスAを製造し、または基材となる蛇紋石45
〜55重量%、好ましくは50重量%、電気石3〜7重
量%、好ましくは5重量%、マグネシア20〜30重量
%、好ましくは25重量%に対して、混合材としてチタ
ン5〜15重量%、好ましくは10重量%、炭素5〜1
5重量%、好ましくは10重量%を添加混合して複合セ
ラミックスBを製造し、そしてまたは基材となる蛇紋石
15〜25重量%、好ましくは20重量%、電気石3〜
7重量%、好ましくは5重量%、マグネシア20〜30
重量%、好ましくは25重量%に対して、混合材として
チタン20〜30重量%、好ましくは25重量%、炭素
20〜30重量%、好ましくは25重量%を添加混合し
て複合セラミックスCを製造し、また更に基材となる蛇
紋石5〜15重量%、好ましくは10重量%、電気石5
〜15重量%、好ましくは10重量%、マグネシア25
〜35重量%、好ましくは30重量%に対して、混合材
としてチタン20〜30重量%、好ましくは25重量
%、炭素20〜30重量%、好ましくは25重量%を添
加混合して複合セラミックスDを製造した。
【0016】そして、本発明で採用する複合セラミック
スを構成する単一成分のセラミックスである蛇紋石、電
気石、マグネシア、チタン、炭素を夫々表2に示す好ま
しい混合率により混合して製造された複合セラミックス
の遠赤外線放射率、抗菌率、脱臭率、防カビ抵抗、忌避
率、導電率および水素イオン濃度を測定した結果を表3
に示す。前記防カビ抵抗はJIS 2911によって測
定した。なお、表3における記号A〜Dは表2の記号A
〜Dと対応している。
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】前記表3の結果から、いずれの複合セラミ
ックスも、その複合セラミックスを構成する各単一成分
の各セラミックスの相乗効果により遠赤外線放射率が8
9〜91%、大腸菌に対する抗菌率が92〜94%、ブ
ドウ状球菌に対する抗菌率が92〜95%およびアンモ
ニアに対する脱臭率が92〜94%、硫化水素に対する
脱臭率が93〜95%で高い数値が出て、遠赤外線放射
特性、抗菌性および脱臭性において優れていると共に、
防カビ抵抗が2〜3、および忌避率が90〜92%で高
く、防カビ抵抗性および衛生害虫に対する防虫性を示す
忌避効果においても優れていることが判った。また、前
記各複合セラミックスには、チタンおよび炭素が含まれ
ているため、それぞれ13.0〜18.5mho/cm
の高い導電率を有することが判った。
【0020】以下本発明に採用する遠赤外線放射特性、
抗菌性、脱臭性を有すると共に、防カビ性、防虫性およ
び導電性を有する複合セラミックスの製造方法について
更に詳細に説明する。前記複合セラミックスを構成する
各単一成分の各セラミックスの粒径は、5μm以下の微
粉末を使用する必要があり、そしてこれら各セラミック
スを混合すると、各セラミックスの比重、水分、湿度等
の物理的特性が夫々異なると共に、これら原材料である
前記各セラミックスは粒径が5μm以下の微粉末である
ため、凝集化が安易に作用して、前記各セラミックスを
均一に混合することは極めて容易ではない。
【0021】そこで本発明者は、表2に示すような好ま
しい混合率により前記基材と混合材を夫々所定比率で混
合機に投入して混合攪拌した後、その混合物を粉砕機に
投入して粉砕し、そして更に、前記粉砕したものを再び
混合機に投入して混合攪拌し、その後また粉砕機に投入
して粉砕するという工程を順次約30分間繰返すという
手段を採用することにより、基材と混合材とが均一に混
合された複合セラミックスを製造することができた。
【0022】そして、前記均一に混合された複合セラミ
ックスの化学特性の安定化を図るため、複合セラミック
スを200〜500℃の仮焼温度で焼成機により焼成し
て、遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性、防
虫性および導電性を有する複合セラミックスとするので
ある。
【0023】なお、前記複合セラミックスの材料である
各セラミックスの水素イオン濃度は、表1に示すように
アルカリ性状を呈している。また、前記各セラミックス
より成る複合セラミックスも表3に示すようにアルカリ
性状を呈している。
【0024】表1記載の水素イオン濃度を有する各セラ
ミックスを複合した本発明に採用される複合セラミック
スの水素イオン濃度は、前記のように200℃〜500
℃で焼成されているので、表3に示すように非常に安定
してアルカリ性状を呈し、水素イオン濃度の経時変化が
ない。更に、これら複合セラミックスは仮焼によって結
晶化されて、電界エネルギー(陽イオン)を発生する機
能を有する複合セラミックスになる。前記複合セラミッ
クスがアルカリ性状を呈するのは、その焼成加工中に不
純物がガス化されるので、単一成分のセラミックスより
もアルカリ性に移行するからである。
【0025】前記表3から前記製造方法によって得られ
た複合セラミックスは、陽イオンを有する複合セラミッ
クスであり、アルカリ域の水素イオンになり、1年以上
という長時間に亘って経時変化がなく安定していて、脱
臭機構は分解作用であるという特性を有し、その結果前
記製造方法によって得られた複合セラミックスは、遠赤
外線放射特性を有すると共に、抗菌性、脱臭性、防カビ
性および防虫性を兼ね備える外、前記したようにチタン
および炭素が含まれているため導電性を有していること
が判る。
【0026】一般的に生菌の表層(壁)は陰イオンであ
って、そのため中性領域(pH7.0〜7.5)でしか
生息が不可能であるが、前記製造方法によって得られた
複合化された複合セラミックスの最大の特性として陽イ
オンを発生するので、陰イオンである菌体の表層(壁)
が、前記複合セラミックスの陽イオンによって破壊され
ると同時に、菌体蛋白質が変成して、呼吸困難となり死
滅するのである。
【0027】更に、硫化水素およびアンモニア等に対す
る脱臭作用は、物理的吸着または化学的吸着等の一般的
作用ではなく、分解作用のため飽和状態にならないの
で、抗菌力と同様に、脱臭力を半恒久的に有すると共
に、毒性をも有していないのである。
【0028】本発明製造方法の素材となる複合セラミッ
クスの粒子の粒径は、レーヨンの生産に支障のない程度
に充分小さいことが好ましい。比較的太いレーヨンの場
合は粒径5〜15μm程度のものの利用も可能である
が、通常は0.1〜5μm程度のもの、特に0.2〜
1.5μm程度のものが好適である。逆に粒径が0.1
μm以下の場合は粒子の凝集が起り易く、不都合なこと
が多い。
【0029】前記製造方法により製造された複合セラミ
ックスを、公知のレーヨンの製造工程中の混合工程にお
ける、ビスコースの品質を一定、均一にするため混合機
に入れて混合する混合工程において、前記混合機に好ま
しくは5〜10重量%、特に好ましくは8重量%の比率
で投入して、該複合セラミックスをビスコースに添加混
入する。
【0030】または、前記複合セラミックスの混合工程
における添加混入に代えて、混合工程、濾過工程の後、
ビスコースを紡糸タンクに入れて脱泡する脱泡工程にお
いて、前記紡糸タンクに好ましくは5〜10重量%、特
に好ましくは8重量%の比率で複合セラミックスを投入
して、該複合セラミックスをビスコースに添加混入して
もよい。
【0031】そして、前記工程においてビスコースに複
合セラミックスを添加混入した後は、公知のレーヨン製
造工程によりレーヨンを製造する。
【0032】前記特に好ましい混合率によって得られた
表2の記号A〜Dに示す複合セラミックスをセルロース
に添加混入して得られたレーヨンにつき、遠赤外線放射
率、抗菌率、脱臭率、防カビ抵抗、忌避率および水素イ
オン濃度について測定した平均値を表4に示す。
【0033】
【表4】
【0034】表4で示すように、本発明製造方法によっ
て得られたレーヨンは、90%の遠赤外線放射率を有す
ると共に、92〜93%の抗菌率、91〜92%の脱臭
率を有し、更に防カビ抵抗2で中程度の防カビ性を有
し、衛生害虫に対する忌避率も90%と極めて高く、汎
用のレーヨンにはない遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭
性、防カビ性および防虫性が付与されていることが判っ
た。そして、本発明製造方法によって得られたレーヨン
の水素イオン濃度は7.5で中性であった。
【0035】また、汎用レーヨンと、前記特に好ましい
混合率によって得られた表2の記号A〜Dに示す複合セ
ラミックスをセルロースに添加混入して得られた本発明
によるレーヨンの帯電電圧について測定した結果を表5
に示す。表5の測定結果より、本発明によるレーヨンは
汎用レーヨンに比してほぼ半分の帯電電圧しかなく、そ
の分静電気防止効果を有することが判った。これは、複
合セラミックスに含まれているチタンと炭素の導電性に
よるもので、本発明によるレーヨンに帯電した電荷はす
ぐに中和する方向に移動し、帯電電圧が減少して静電気
を帯電しないからである。
【0036】
【表5】
【0037】本発明によって得られたレーヨンは、主と
して木綿、合成繊維等を混紡して使用するが、その混紡
の比率は用途等によって異なる。主なる用途は、服地、
和装地、裏地、下着、肌着や毛布等である。そして、下
着や肌着として着用すると静電気防止効果を有している
ため、静電気発生による不快感がない。
【0038】前記のように遠赤外線放射率が高い本発明
製造方法に係るレーヨンを混紡した下着、肌着を着用す
ると、体温で遠赤外線の放射効率が高まり、それにより
皮膚表面温度を昇温させる効果があり、更に遠赤外線の
放射により生体水が活性化されて血流も促進されるの
で、疲労回復等の効果がある。また、本発明製造方法に
係るレーヨンはpH7.5の中性であるため、人体に被
着する下着、肌着の素材として最適である。
【0039】
【発明の効果】本発明製造方法によって得られたレーヨ
ンは遠赤外線放射特性を有するので、該レーヨンを木綿
等と混紡した下着や肌着として利用することにより、皮
膚表面温度を昇温させると共に、血流を促進させるとい
う効果がある。本発明製造方法の素材となる抗菌性、脱
臭性、防カビ性およびノミやダニ等の衛生害虫に対する
防虫性を有する複合セラミックスが、アルカリ性状を呈
し、且つ水素イオン濃度の経時変化がなく、陽イオンを
発生して一般生菌を死滅させて抗菌性を有すると共に、
硫化水素およびアンモニアを分解して脱臭性をも有し、
その抗菌性と脱臭性は恒久的にその作用を有するため、
本発明製造方法によって得られたレーヨンは前記複合セ
ラミックスにより抗菌性と脱臭性を合わせ保有し、木綿
または合成繊維と混紡することにより、特に病院に於け
るシーツ、ふとんカバーやその他、布巾、靴下等に使用
され、その用途は極めて広い。更に、本発明製造方法に
よって得られたレーヨンは防カビ抵抗を有すると共に、
ノミやダニ等の衛生害虫に対する忌避率が高く、カビの
発生が阻止され、ノミやダニ等の衛生害虫が寄りつかず
防虫性があるという優れた効果を有する。また更に、本
発明製造方法によって得られたレーヨンは静電気防止効
果を有するため、該レーヨンを混紡した繊維により織ら
れた下着や肌着を着用すると、静電気の発生が防止され
るため、静電気発生による不快感がない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) D01F 1/00 - 8/18

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒径5μm以下の蛇紋石微粉末20〜30
    重量%、電気石微粉末10〜20重量%およびマグネシ
    ア微粉末20〜30重量%を基材とすると共に、粒径5
    μm以下のチタン微粉末5〜15重量%および炭素微粉
    末20〜30重量%を混合材として前記基材に添加混合
    して、混合機および粉砕機に順次複数回に亘って投入し
    て、前記基材および混合材を混合攪拌および粉砕して均
    一に混合し、然る後200〜500℃の仮焼温度で焼成
    機により焼成して得られた複合セラミックスを、レーヨ
    ン製造工程中の混合工程において、ビスコースを投入し
    た混合機に5〜10重量%投入するか、または脱泡工程
    において、ビスコースを投入した紡糸タンクに5〜10
    重量%投入して、前記ビスコースに前記複合セラミック
    スを添加混入することを特徴とする遠赤外線放射特性、
    抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると共
    に、静電気防止効果を有するレーヨンの製造方法。
  2. 【請求項2】粒径5μm以下の蛇紋石微粉末45〜55
    重量%、電気石微粉末3〜7重量%およびマグネシア微
    粉末20〜30重量%を基材とすると共に、粒径5μm
    以下のチタン微粉末5〜15重量%および炭素微粉末5
    〜15重量%を混合材として前記基材に添加混合して、
    混合機および粉砕機に順次複数回に亘って投入して、前
    記基材および混合材を混合攪拌および粉砕して均一に混
    合し、然る後200〜500℃の仮焼温度で焼成機によ
    り焼成して得られた複合セラミックスを、レーヨン製造
    工程中の混合工程において、ビスコースを投入した混合
    機に5〜10重量%投入するか、または脱泡工程におい
    て、ビスコースを投入した紡糸タンクに5〜10重量%
    投入して、前記ビスコースに前記複合セラミックスを添
    加混入することを特徴とする遠赤外線放射特性、抗菌
    性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると共に、静
    電気防止効果を有するレーヨンの製造方法。
  3. 【請求項3】粒径5μm以下の蛇紋石微粉末15〜25
    重量%、電気石微粉末3〜7重量%およびマグネシア微
    粉末20〜30重量%を基材とすると共に、粒径5μm
    以下のチタン微粉末20〜30重量%および炭素微粉末
    20〜30重量%を混合材として前記基材に添加混合し
    て、混合機および粉砕機に順次複数回に亘って投入し
    て、前記基材および混合材を混合攪拌および粉砕して均
    一に混合し、然る後200〜500℃の仮焼温度で焼成
    機により焼成して得られた複合セラミックスを、レーヨ
    ン製造工程中の混合工程において、ビスコースを投入し
    た混合機に5〜10重量%投入するか、または脱泡工程
    において、ビスコースを投入した紡糸タンクに5〜10
    重量%投入して、前記ビスコースに前記複合セラミック
    スを添加混入することを特徴とする遠赤外線放射特性、
    抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると共
    に、静電気防止効果を有するレーヨンの製造方法。
  4. 【請求項4】粒径5μm以下の蛇紋石微粉末5〜15重
    量%、電気石微粉末5〜15重量%およびマグネシア微
    粉末25〜35重量%を基材とすると共に、粒径5μm
    以下のチタン微粉末20〜30重量%および炭素微粉末
    20〜30重量%を混合材として前記基材に添加混合し
    て、混合機および粉砕機に順次複数回に亘って投入し
    て、前記基材および混合材を混合攪拌および粉砕して均
    一に混合し、然る後200〜500℃の仮焼温度で焼成
    機により焼成して得られた複合セラミックスを、レーヨ
    ン製造工程中の混合工程において、ビスコースを投入し
    た混合機に5〜10重量%投入するか、または脱泡工程
    において、ビスコースを投入した紡糸タンクに5〜10
    重量%投入して、前記ビスコースに前記複合セラミック
    スを添加混入することを特徴とする遠赤外線放射特性、
    抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると共
    に、静電気防止効果を有するレーヨンの製造方法。
JP9031448A 1997-01-31 1997-01-31 遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると共に、静電気防止効果を有するレーヨンの製造方法 Expired - Fee Related JP2879024B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9031448A JP2879024B2 (ja) 1997-01-31 1997-01-31 遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると共に、静電気防止効果を有するレーヨンの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9031448A JP2879024B2 (ja) 1997-01-31 1997-01-31 遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると共に、静電気防止効果を有するレーヨンの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH10219514A JPH10219514A (ja) 1998-08-18
JP2879024B2 true JP2879024B2 (ja) 1999-04-05

Family

ID=12331545

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9031448A Expired - Fee Related JP2879024B2 (ja) 1997-01-31 1997-01-31 遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると共に、静電気防止効果を有するレーヨンの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2879024B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP2476721B1 (fr) * 2007-12-14 2016-02-24 Rhodia Poliamida E Especialidades Ltda Utilisation d'un article à base d'une composition polymérique pour diminuer la fatigue musculaire
JP7260860B2 (ja) * 2020-02-08 2023-04-19 株式会社ユメロン黒川 蛇紋石含有繊維およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH10219514A (ja) 1998-08-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
DE60117534T2 (de) Zusammensetzung für ferninfrarotbestrahlung mit excellenten antistatischen eigenschaften und faser- sowie textilprodukt beides dieses enthaltend
WO2006118159A1 (ja) 銀系無機抗菌剤及び抗菌製品
CN107162596A (zh) 复合陶瓷及其制备方法和应用
JP2879024B2 (ja) 遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると共に、静電気防止効果を有するレーヨンの製造方法
JP2836020B2 (ja) 抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると共に、遠赤外線放射特性を有する複合レーヨンと絹繊維とを混紡または交撚して紡糸する加工糸の製造方法
JPH10219513A (ja) 遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると共に、静電気防止効果を有する繊維の製造方法
JP2579600B2 (ja) 抗菌性および脱臭性を有すると共に、遠赤外線放射特性を有するレーヨンの製造方法
JP2876309B2 (ja) 抗菌性、脱臭性および防虫性を有すると共に、遠赤外線放射特性を有するレーヨンの製造方法
JPH09176914A (ja) 消臭性並びに抗菌性を保持する合成繊維
JPH1136189A (ja) 遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると共に、静電気防止効果を有する和紙並びにその製造方法
JPH0598564A (ja) 脱臭性および抗菌性を有する繊維構造物の製造方法
KR101451335B1 (ko) 항균 기능성 건강 증진용 베개 및 그 제조방법
JP2794627B2 (ja) ベッドパット
JPH10167803A (ja) 遠赤外線放射特性を有すると共に、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有する複合セラミックスとその製造方法
JP3085182B2 (ja) 遠赤外線放射体
KR930008252B1 (ko) 항균 방취성 및 원적외선 방사성을 갖는 폴리프로필렌 장섬유 부직포의 제조방법
JP2920123B2 (ja) 遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると共に、静電気防止効果を有する塗料の製造方法
JP2822321B2 (ja) 遠赤外線放射特性を有すると共に、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有する複合セラミックスとその製造方法
KR100478931B1 (ko) 다기능성 단추의 제조방법
JP3078249B2 (ja) 健康枕及びその製造法
JP2002104823A (ja) 抗菌・防黴剤
JPH081007B2 (ja) 脱臭性および抗菌性を有する繊維の製造方法
JP2002348776A (ja) 保温特性等にすぐれた布帛材料
JPH075354B2 (ja) 脱臭および抗菌性を有する複合セラミックスとその製造方法
JPH11335157A (ja) 赤外線放射材料の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees