JPH10219513A - 遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると共に、静電気防止効果を有する繊維の製造方法 - Google Patents

遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると共に、静電気防止効果を有する繊維の製造方法

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JPH10219513A
JPH10219513A JP3144997A JP3144997A JPH10219513A JP H10219513 A JPH10219513 A JP H10219513A JP 3144997 A JP3144997 A JP 3144997A JP 3144997 A JP3144997 A JP 3144997A JP H10219513 A JPH10219513 A JP H10219513A
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JP
Japan
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weight
mixed
fine powder
property
fiber
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JP3144997A
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Nobuhide Maeda
信秀 前田
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OHARA SANWA KK
Original Assignee
OHARA SANWA KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性
および防虫性を有すると共に、導電性を有する複合セラ
ミックスを、ラジカル基を有するポリマーと混合して紡
糸して繊維とすることにより、該繊維に遠赤外線放射特
性、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると
共に、静電気防止効果を保持させる。 【解決手段】セラミックス中、蛇紋石、角閃石およびマ
グネシアを基材とし、チタンおよび炭素を混合材とし、
前記基材に混合材を添加混合攪拌後、焼成して得られた
複合セラミックスを、ラジカル基を有するポリマーと混
合して紡糸し、該紡糸された糸を用いて遠赤外線放射特
性、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると
共に、静電気防止効果を有する繊維を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遠赤外線放射特
性、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると
共に、静電気防止効果を有する繊維の製造方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】従来、遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭
性、防カビ性および防虫性を有すると共に、静電気防止
効果を有する繊維は存在していなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、従来は
遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防
虫性を有すると共に、静電気防止効果を有する繊維は存
在していなかったため、従来の繊維を用いて作られた、
特に病院における下着、シ―ツ、ふとんカバ―、その他
台所の布巾等はクリ―ニングや洗浄をしても、汚臭や雑
菌が除去されず、極めて不衛生であり、更にノミやダニ
等の衛生害虫に対する防虫性もなく、また下着やシーツ
の場合遠赤外線を放射しないので、皮膚表面温度を昇温
させることや、血流を促進させることができず、然も下
着の場合、静電気が発生して不快感を与えるという課題
があった。
【0004】本発明はかかる課題を解決すべくなしたも
ので、遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性お
よび防虫性を有すると共に、静電気防止効果を有する繊
維の製造方法を提供しようとするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、粒径5μm以
下の蛇紋石微粉末20〜30重量%、角閃石微粉末10
〜20重量%およびマグネシア微粉末20〜30重量%
を基材とすると共に、粒径5μm以下のチタン微粉末5
〜15重量%および炭素微粉末20〜30重量%を混合
材として前記基材に添加混合して、混合機および粉砕機
に順次複数回に亘って投入して、前記基材および混合材
を混合攪拌および粉砕して均一に混合し、然る後200
〜500℃の仮焼温度で焼成機により焼成して得られた
複合セラミックスを、ラジカル基を有するポリマーと混
合して紡糸し、繊維とするという手段、粒径5μm以下
の蛇紋石微粉末45〜55重量%、角閃石微粉末3〜7
重量%およびマグネシア微粉末20〜30重量%を基材
とすると共に、粒径5μm以下のチタン微粉末5〜15
重量%および炭素微粉末5〜15重量%を混合材として
前記基材に添加混合して、混合機および粉砕機に順次複
数回に亘って投入して、前記基材および混合材を混合攪
拌および粉砕して均一に混合し、然る後200〜500
℃の仮焼温度で焼成機により焼成して得られた複合セラ
ミックスを、ラジカル基を有するポリマーと混合して紡
糸し、繊維とするという手段、粒径5μm以下の蛇紋石
微粉末15〜25重量%、角閃石微粉末3〜7重量%お
よびマグネシア微粉末20〜30重量%を基材とすると
共に、粒径5μm以下のチタン微粉末20〜30重量%
および炭素微粉末20〜30重量%を混合材として前記
基材に添加混合して、混合機および粉砕機に順次複数回
に亘って投入して、前記基材および混合材を混合攪拌お
よび粉砕して均一に混合し、然る後200〜500℃の
仮焼温度で焼成機により焼成して得られた複合セラミッ
クスを、ラジカル基を有するポリマーと混合して紡糸
し、繊維とするという手段、粒径5μm以下の蛇紋石微
粉末5〜15重量%、角閃石微粉末5〜15重量%およ
びマグネシア微粉末25〜35重量%を基材とすると共
に、粒径5μm以下のチタン微粉末20〜30重量%お
よび炭素微粉末20〜30重量%を混合材として前記基
材に添加混合して、混合機および粉砕機に順次複数回に
亘って投入して、前記基材および混合材を混合攪拌およ
び粉砕して均一に混合し、然る後200〜500℃の仮
焼温度で焼成機により焼成して得られた複合セラミック
スを、ラジカル基を有するポリマーと混合して紡糸し、
繊維とするという手段、のいずれかを採用することによ
り、上記課題を解決した。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明者は、単一成分のセラミッ
クスにつき、夫々遠赤外線放射率、抗菌率、脱臭率、防
カビ性を示す防カビ抵抗、ノミやダニ等の衛生害虫に対
する防虫性を示す忌避率および導電性を示す導電率につ
き、個々に測定し、遠赤外線放射率、抗菌率、脱臭率、
防カビ抵抗、忌避率および導電率のいずれかにおいて優
れたものを抽出すると共に、前記各セラミックスを複数
種類一定比率で混合攪拌し、然る後仮焼して遠赤外線放
射特性、抗菌性および脱臭性を有すると共に、防カビ
性、防虫性および導電性を有する複合セラミックスを製
造し、そして該複合セラミックスをラジカル基を有する
ポリマーと混合して紡糸し、繊維とすることにより、遠
赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性、防虫性を
有すると共に、静電気防止効果を有する繊維を完成し
た。
【0007】本発明に使用される遠赤外線放射特性、抗
菌性および脱臭性を有すると共に、防カビ性、防虫性お
よび導電性を有する複合セラミックスを構成する単一成
分のセラミックスの平均放射率、抗菌率、脱臭率、防カ
ビ抵抗、忌避率、導電率および水素イオン濃度を測定し
たところ、表1に示す測定値を得た。なお、前記防カビ
抵抗はJIS 2911によって測定した。
【0008】
【表1】
【0009】表1の結果から、炭素が97%の極めて高
い遠赤外線放射率を有し、そしてマグネシアが95%、
蛇紋石が94%、角閃石が93%、最低のチタンでも9
0%という高い遠赤外線放射率を有すると共に、いずれ
も水素イオン濃度はアルカリ域にあることが判った。ま
た、蛇紋石はブドウ状球菌に対しては98%の抗菌率を
有するが、大腸菌に対しては65%と中程度の抗菌率し
かなく、硫化水素に対しては100%の脱臭率を有する
が、アンモニアに対しては50%と中程度の脱臭率しか
なく、マグネシアは大腸菌に対して99.9%、ブドウ
状球菌に対して98%と極めて高い抗菌率を有するが、
アンモニアに対して25%、硫化水素に対して45%と
脱臭率は高くなく、更に、角閃石は大腸菌に対して70
%、ブドウ状球菌に対して80%と比較的高い抗菌率を
有し、アンモニアに対して85%、硫化水素に対して8
7%と高い脱臭率を有することが判った。
【0010】そして、蛇紋石、角閃石およびマグネシア
は防カビ抵抗3で最高値を示し、ノミやダニ等の衛生害
虫に対する防虫性を示す忌避率は、マグネシアが97
%、蛇紋石が96%、角閃石が87%でいずれも高率で
あった。
【0011】一方、チタンは大腸菌に対して20%、ブ
ドウ状球菌に対して25%の低い抗菌率しかなく、アン
モニアに対して60%の中程度の脱臭率を有するが、硫
化水素に対しては20%と低い脱臭率しか有しておら
ず、また炭素は大腸菌、ブドウ状球菌に対していずれも
20%と低い抗菌率しかなく、アンモニアに対して65
%、硫化水素に対して55%と中程度の脱臭率を有す
る。そして、防カビ抵抗はチタン、炭素とも1で低い防
カビ抵抗しかなく、忌避率もチタンが50%、炭素が2
5%で低いことが判った。
【0012】更に、導電性を示す導電率は、蛇紋石が
5.6mho/cm、角閃石が5.8mho/cm、そ
してマグネシアが6.0mho/cmで余り高くないの
に対して、チタンが13.0mho/cm、そして炭素
が15〜18mho/cmで非常に高いことが判った。
【0013】前記抗菌率、脱臭率、防カビ抵抗および忌
避率において劣っているチタンおよび炭素を本発明に使
用される複合セラミックスの素材として採用するのは、
チタンおよび炭素は導電率が高く、更にチタンは光によ
って他のセラミックスを活性励起させるという作用を有
するため、炭素とチタンを混合することにより、炭素は
チタンの活性励起作用によって炭素の特性である導電性
が活性励起されて更に導電率が高くなるためである。
【0014】上記の結果より、本発明者は遠赤外線放射
率、抗菌率、脱臭率、防カビ抵抗および忌避率におい
て、中程度から高率の数値を示した蛇紋石、角閃石およ
びマグネシアを本発明に使用する複合セラミックスの基
材として採用し、これら基材に混合材としてチタンおよ
び炭素を添加混合することによって、遠赤外線放射特
性、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると
共に、導電性を有する複合セラミックスが得られると考
え、前記各セラミックスをその配合比率を種々変えて複
合セラミックスを製造した。
【0015】すなわち、基材となる蛇紋石20〜30重
量%、好ましくは25重量%、角閃石10〜20重量
%、好ましくは15重量%、マグネシア20〜30重量
%、好ましくは25重量%に対して、混合材としてチタ
ン5〜15重量%、好ましくは10重量%、炭素20〜
30重量%、好ましくは25重量%を添加混合して複合
セラミックスAを製造し、または基材となる蛇紋石45
〜55重量%、好ましくは50重量%、角閃石3〜7重
量%、好ましくは5重量%、マグネシア20〜30重量
%、好ましくは25重量%に対して、混合材としてチタ
ン5〜15重量%、好ましくは10重量%、炭素5〜1
5重量%、好ましくは10重量%を添加混合して複合セ
ラミックスBを製造し、そしてまたは基材となる蛇紋石
15〜25重量%、好ましくは20重量%、角閃石3〜
7重量%、好ましくは5重量%、マグネシア20〜30
重量%、好ましくは25重量%に対して、混合材として
チタン20〜30重量%、好ましくは25重量%、炭素
20〜30重量%、好ましくは25重量%を添加混合し
て複合セラミックスCを製造し、また更に基材となる蛇
紋石5〜15重量%、好ましくは10重量%、角閃石5
〜15重量%、好ましくは10重量%、マグネシア25
〜35重量%、好ましくは30重量%に対して、混合材
としてチタン20〜30重量%、好ましくは25重量
%、炭素20〜30重量%、好ましくは25重量%を添
加混合して複合セラミックスDを製造した。
【0016】そして、本発明で採用する複合セラミック
スを構成する単一成分のセラミックスである蛇紋石、角
閃石、マグネシア、チタン、炭素を夫々表2に示す好ま
しい混合率により混合して製造された複合セラミックス
の遠赤外線放射率、抗菌率、脱臭率、防カビ抵抗、忌避
率、導電率および水素イオン濃度を測定した結果を表3
に示す。前記防カビ抵抗はJIS 2911によって測
定した。なお、表3における記号A〜Dは表2の記号A
〜Dと対応している。
【0017】
【表2】
【0018】
【表3】
【0019】前記表3の結果から、いずれの複合セラミ
ックスも、その複合セラミックスを構成する各単一成分
の各セラミックスの相乗効果により遠赤外線放射率が9
2〜94%、大腸菌に対する抗菌率が92〜94%、ブ
ドウ状球菌に対する抗菌率が92〜95%、およびアン
モニアに対する脱臭率が91〜94%、硫化水素に対す
る脱臭率が90〜95%で高い数値が出て、遠赤外線放
射特性、抗菌性および脱臭性において優れていると共
に、防カビ抵抗が3および忌避率が90〜93%で高
く、防カビ性および衛生害虫に対する防虫性を示す忌避
効果においても優れていることが判った。また、前記各
複合セラミックスには、チタンおよび炭素が含まれてい
るため、それぞれ12.0〜18.0mho/cmの高
い導電率を有することが判った。
【0020】以下本発明に採用する遠赤外線放射特性、
抗菌性、脱臭性を有すると共に、防カビ性、防虫性およ
び導電性を有する複合セラミックスの製造方法について
更に詳細に説明する。前記複合セラミックスを構成する
各単一成分の各セラミックスの粒径は、5μm以下の微
粉末を使用する必要があり、そしてこれら各セラミック
スを混合すると、各セラミックスの比重、水分、湿度等
の物理的特性が夫々異なると共に、これら原材料である
前記各セラミックスは粒径が5μm以下の微粉末である
ため、凝集化が安易に作用して、前記各セラミックスを
均一に混合することは極めて容易ではない。
【0021】そこで本発明者は、表2に示すような好ま
しい混合率により前記基材と混合材を夫々所定比率で混
合機に投入して混合攪拌した後、その混合物を粉砕機に
投入して粉砕し、そして更に、前記粉砕したものを再び
混合機に投入して混合攪拌し、その後また粉砕機に投入
して粉砕するという工程を順次約30分間繰返すという
手段を採用することにより、基材と混合材とが均一に混
合された複合セラミックスを製造することができた。
【0022】そして、前記均一に混合された複合セラミ
ックスの化学特性の安定化を図るため、複合セラミック
スを200〜500℃の仮焼温度で焼成機により焼成し
て、遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性、防
虫性および導電性を有する複合セラミックスとするので
ある。
【0023】なお、前記複合セラミックスの材料である
各セラミックスの水素イオン濃度は、表1に示すように
アルカリ性状を呈している。また、前記各セラミックス
より成る複合セラミックスも表3に示すようにアルカリ
性状を呈している。
【0024】表1記載の水素イオン濃度を有する各セラ
ミックスを複合した本発明に採用される複合セラミック
スの水素イオン濃度は、前記のように200℃〜500
℃で焼成されているので、表3に示すように非常に安定
してアルカリ性状を呈し、水素イオン濃度の経時変化が
ない。更に、これら複合セラミックスは仮焼によって結
晶化されて、電界エネルギー(陽イオン)を発生する機
能を有する複合セラミックスになる。前記複合セラミッ
クスがアルカリ性状を呈するのは、その焼成加工中に不
純物がガス化されるので、単一成分のセラミックスより
もアルカリ性に移行するからである。
【0025】前記表3から前記製造方法によって得られ
た複合セラミックスは、陽イオンを有する複合セラミッ
クスであり、アルカリ域の水素イオンになり、1年以上
という長時間に亘って経時変化がなく安定していて、脱
臭機構は分解作用であるという特性を有し、その結果前
記製造方法によって得られた複合セラミックスは、遠赤
外線放射特性を有すると共に、抗菌性、脱臭性、防カビ
性および防虫性を兼ね備える外、前記したようにチタン
および炭素が含まれているため導電性を有していること
が判る。
【0026】一般的に生菌の表層(壁)は陰イオンであ
って、そのため中性領域(pH7.0〜7.5)でしか
生息が不可能であるが、前記製造方法によって得られた
複合化された複合セラミックスの最大の特性として陽イ
オンを発生するので、陰イオンである菌体の表層(壁)
が、前記複合セラミックスの陽イオンによって破壊され
ると同時に、菌体蛋白質が変成して、呼吸困難となり死
滅するのである。
【0027】更に、硫化水素およびアンモニア等に対す
る脱臭作用は、物理的吸着または化学的吸着等の一般的
作用ではなく、分解作用のため飽和状態にならないの
で、抗菌力と同様に、脱臭力を半恒久的に有すると共
に、毒性をも有していないのである。
【0028】本発明製造方法の素材となる複合セラミッ
クスの粒子の粒径は、繊維の生産に支障のない程度に充
分小さいことが好ましい。比較的太い繊維の場合は粒径
5〜15μm程度のものの利用も可能であるが、通常は
0.1〜5μm程度のもの、特に0.2〜1.5μm程
度のものが好適である。逆に粒径が0.1μm以下の場
合は粒子の凝集が起り易く、不都合なことが多い。
【0029】そして、ポリマーに対する前記複合セラミ
ックスの混合率は、10〜80重量%の範囲が好まし
く、20〜70重量%が特に好ましく、30〜60重量
%が最も好ましい。遠赤外線放射率、抗菌率、脱臭率、
防カビ抵抗、忌避率および導電率を高くする点では、前
記複合セラミックスの混合率が高い程好ましいが、繊維
製造の点ではその混合率が低いほうが好ましいことが多
い。
【0030】前記複合セラミックスは各セラミックス間
の粒間(異なるセラミックスとの間)に電界エネルギー
(陽イオン)を発生する。すなわち、母材(ポリマー)
のラジカル基は一般に不安定であるので、安定化するた
め光エネルギーによって励起されてそのエネルギーが大
きくなり、このエネルギーによって複合セラミックスが
有している陽イオンを発生するという固有の特性が励起
され、これにより遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、
防カビ性、防虫性および導電性が大きくなり、その作用
効果も大きくなる。
【0031】複合セラミックスと混合するポリマーは、
高分子の構造式に、OH基、COOH基、NH基、CN
基、CI基、NO基、CO基なるラジカル基を有する、
ポリアミド、ポリエステル、ポリスチレン、ポリウレタ
ン、アクリル、ポリカーボネート、ポリアクリロニトリ
ルが好適であり、これらポリマーが前記複合セラミック
スと混合されることによって、更に光作用で励起されて
電界エネルギーが大きくなり、遠赤外線放射特性、抗菌
性、脱臭性、防カビ性、防虫性および導電性の作用効果
が大きくなる。
【0032】本発明製造方法により得られる繊維の素材
である遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性、
防虫性および静電気防止効果を有する糸は、現在一般に
用いられている紡糸方法によって製造できる。すなわ
ち、通常の速度で紡糸、延伸、熱処理等を行なうことが
でき、高速紡糸により半配向または充分に配向した糸を
得ることができる。また、本発明製造方法により得られ
る繊維は、前記遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防
カビ性、防虫性および静電気防止効果を有する糸を巻縮
して、または巻縮しないで連続フィラメント状、または
ステープル状でそれ単独で、あるいは汎用の繊維と混紡
して従来と同様の方法で、目的に応じて織物、編物、不
織布、立毛織編物にすることができる。更に、肌着、靴
下、シーツ等の繊維製品も従来と同様の方法で容易に製
造することができる。
【0033】前記特に好ましい混合率によって得られた
表2の記号A〜Dに示す複合セラミックスを用いて製造
された繊維につき、遠赤外線放射率、抗菌率、脱臭率、
防カビ抵抗、忌避率および水素イオン濃度について測定
した平均値を表4に示す。
【0034】
【表4】
【0035】表4で示すように、本発明製造方法によっ
て得られた繊維は、93%の遠赤外線放射率を有すると
共に、92〜93%の抗菌率、91〜92%の脱臭率を
有し、更に防カビ抵抗3で非常に高い防カビ性を有し、
衛生害虫に対する忌避率も92%と極めて高く、汎用の
繊維にはない遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カ
ビ性および防虫性が付与されていることが判った。そし
て、本発明製造方法によって得られた繊維の水素イオン
濃度は7.6で中性であった。
【0036】また、汎用繊維と、前記特に好ましい混合
率によって得られた表2の記号A〜Dに示す複合セラミ
ックスを用いて製造された繊維の帯電電圧について測定
した結果を表5に示す。表5の測定結果より、本発明に
よる繊維は汎用繊維に比してほぼ半分の帯電電圧しかな
く、その分静電気防止効果を有することが判った。これ
は、複合セラミックスに含まれているチタンと炭素の導
電性によるもので、本発明による繊維に帯電した電荷は
すぐに中和する方向に移動し、帯電電圧が減少して、静
電気を帯電しないからである。
【0037】
【表5】
【0038】前記のように、ラジカル基を有するポリマ
ーに混入している前記複合セラミックスが光エネルギー
によって励起されているために、遠赤外線放射率、抗菌
率、脱臭率、防カビ抵抗、忌避率および導電率において
優れている。そして、この場合、ポリマーがラジカル基
を有しているとその励起作用(運動)が大きく、その励
起作用によって、前記複合セラミックスの陽イオン作用
である抗菌力および脱臭力において特に効果的に作用す
る。すなわち、光エネルギーが光イオンに転換し、その
光イオンによって複合セラミックスの電界エネルギーが
励起して、陽イオンを発生させるのである。
【0039】本発明によって得られた繊維の主なる用途
は、服地、和装地、裏地、下着や肌着等である。前記の
ように遠赤外線放射率が高い本発明製造方法に係る繊維
を用いて製造された下着、肌着を着用すると、体温で遠
赤外線の放射効率が高まり、それにより皮膚表面温度を
昇温させる効果があり、更に遠赤外線の放射により生体
水が活性化されて血流も促進されるので、疲労回復等の
効果がある。
【0040】本発明製造方法による繊維はpH7.5の
中性であるため、人体に被着する下着、肌着の素材とし
て最適である。また、本発明製造方法による繊維を用い
て付近とすることによりカビの発生が防止され、シーツ
にした場合はノミやダニ等の衛生害虫が寄りつかず快適
な睡眠を得ることができる。そして、下着や肌着として
着用すると静電気防止効果を有しているため、静電気発
生による不快感がない。
【0041】
【発明の効果】本発明製造方法によって得られた繊維は
遠赤外線放射特性を有するので、下着や肌着として利用
することにより、皮膚表面温度を昇温させると共に、血
流を促進させるという効果がある。本発明製造方法の素
材となる抗菌性、脱臭性、防カビ性およびノミやダニ等
の衛生害虫に対する防虫性を有する複合セラミックス
が、アルカリ性状を呈し、且つ水素イオン濃度の経時変
化がなく、陽イオンを発生して一般生菌を死滅させて抗
菌性を有すると共に、硫化水素およびアンモニアを分解
して脱臭性をも有し、その抗菌性と脱臭性は恒久的にそ
の作用を有するため、本発明製造方法によって得られた
繊維は前記複合セラミックスにより抗菌性と脱臭性を合
わせ保有し、特に病院に於けるシーツ、ふとんカバーや
その他、布巾、靴下等に使用され、その用途は極めて広
い。更に、本発明製造方法によって得られた繊維は防カ
ビ抵抗を有すると共に、ノミやダニ等の衛生害虫に対す
る忌避率が高く、カビの発生が阻止され、ノミやダニ等
の衛生害虫が寄りつかず防虫性があるという優れた効果
を有する。また更に、本発明製造方法によって得られた
繊維は静電気防止効果を有するため、本発明繊維により
織られた下着や肌着を着用すると、静電気の発生が防止
されるため、静電気発生による不快感がない。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年7月7日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0007
【補正方法】変更
【補正内容】
【0007】本発明に使用される遠赤外線放射特性、抗
菌性および脱臭性を有すると共に、防カビ性、防虫性お
よび導電性を有する複合セラミックスを構成する単一成
分のセラミックスの平均放射率、抗菌率、脱臭率、防カ
ビ抵抗、忌避率、導電率および水素イオン濃度を測定し
たところ、表1に示す測定値を得た。なお、前記防カビ
抵抗はJIS 2911によって測定した。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】そして、本発明で採用する複合セラミック
スを構成する単一成分のセラミックスである蛇紋石、角
閃石、マグネシア、チタン、炭素を夫々表2に示す好ま
しい混合率により混合して製造された複合セラミックス
の遠赤外線放射率、抗菌率、脱臭率、防カビ抵抗、忌避
率、導電率および水素イオン濃度を測定した結果を表3
に示す。前記防カビ抵抗はJIS 2911によっ
て測定した。なお、表3における記号A〜Dは表2の記
号A〜Dと対応している。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】本発明製造方法による繊維はpH7.5の
中性であるため、人体に被着する下着、肌着の素材とし
て最適である。また、本発明製造方法による繊維を用い
布巾とすることによりカビの発生が防止され、シーツ
にした場合はノミやダニ等の衛生害虫が寄りつかず快適
な睡眠を得ることができる。そして、下着や肌着として
着用すると静電気防止効果を有しているため、静電気発
生による不快感がない。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒径5μm以下の蛇紋石微粉末20〜30
    重量%、角閃石微粉末10〜20重量%およびマグネシ
    ア微粉末20〜30重量%を基材とすると共に、粒径5
    μm以下のチタン微粉末5〜15重量%および炭素微粉
    末20〜30重量%を混合材として前記基材に添加混合
    して、混合機および粉砕機に順次複数回に亘って投入し
    て、前記基材および混合材を混合攪拌および粉砕して均
    一に混合し、然る後200〜500℃の仮焼温度で焼成
    機により焼成して得られた複合セラミックスを、ラジカ
    ル基を有するポリマーと混合して紡糸し、繊維とするこ
    とを特徴とする遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防
    カビ性および防虫性を有すると共に、静電気防止効果を
    有する繊維の製造方法。
  2. 【請求項2】粒径5μm以下の蛇紋石微粉末45〜55
    重量%、角閃石微粉末3〜7重量%およびマグネシア微
    粉末20〜30重量%を基材とすると共に、粒径5μm
    以下のチタン微粉末5〜15重量%および炭素微粉末5
    〜15重量%を混合材として前記基材に添加混合して、
    混合機および粉砕機に順次複数回に亘って投入して、前
    記基材および混合材を混合攪拌および粉砕して均一に混
    合し、然る後200〜500℃の仮焼温度で焼成機によ
    り焼成して得られた複合セラミックスを、ラジカル基を
    有するポリマーと混合して紡糸し、繊維とすることを特
    徴とする遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性
    および防虫性を有すると共に、静電気防止効果を有する
    繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】粒径5μm以下の蛇紋石微粉末15〜25
    重量%、角閃石微粉末3〜7重量%およびマグネシア微
    粉末20〜30重量%を基材とすると共に、粒径5μm
    以下のチタン微粉末20〜30重量%および炭素微粉末
    20〜30重量%を混合材として前記基材に添加混合し
    て、混合機および粉砕機に順次複数回に亘って投入し
    て、前記基材および混合材を混合攪拌および粉砕して均
    一に混合し、然る後200〜500℃の仮焼温度で焼成
    機により焼成して得られた複合セラミックスを、ラジカ
    ル基を有するポリマーと混合して紡糸し、繊維とするこ
    とを特徴とする遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防
    カビ性および防虫性を有すると共に、静電気防止効果を
    有する繊維の製造方法。
  4. 【請求項4】粒径5μm以下の蛇紋石微粉末5〜15重
    量%、角閃石微粉末5〜15重量%およびマグネシア微
    粉末25〜35重量%を基材とすると共に、粒径5μm
    以下のチタン微粉末20〜30重量%および炭素微粉末
    20〜30重量%を混合材として前記基材に添加混合し
    て、混合機および粉砕機に順次複数回に亘って投入し
    て、前記基材および混合材を混合攪拌および粉砕して均
    一に混合し、然る後200〜500℃の仮焼温度で焼成
    機により焼成して得られた複合セラミックスを、ラジカ
    ル基を有するポリマーと混合して紡糸し、繊維とするこ
    とを特徴とする遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防
    カビ性および防虫性を有すると共に、静電気防止効果を
    有する繊維の製造方法。
JP3144997A 1997-01-31 1997-01-31 遠赤外線放射特性、抗菌性、脱臭性、防カビ性および防虫性を有すると共に、静電気防止効果を有する繊維の製造方法 Pending JPH10219513A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100319791B1 (ko) * 1999-05-26 2002-01-05 김성태 숯가루가 함유된 합성섬유의 제조방법
JP2017020141A (ja) * 2015-07-14 2017-01-26 加茂繊維株式会社 繊維
US10399041B2 (en) 2014-11-17 2019-09-03 Qatar Foundation For Education, Science And Community Development Two-dimensional metal carbide antimicrobial membrane and antimicrobial agent
CN113840874A (zh) * 2019-11-05 2021-12-24 麦闪石 G.M.株式会社 利用麦闪石颗粒的放射远红外线及阴离子的硅橡胶组合物及其制备方法

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