JPH091767A - 化粧材及びその製造方法 - Google Patents
化粧材及びその製造方法Info
- Publication number
- JPH091767A JPH091767A JP17820195A JP17820195A JPH091767A JP H091767 A JPH091767 A JP H091767A JP 17820195 A JP17820195 A JP 17820195A JP 17820195 A JP17820195 A JP 17820195A JP H091767 A JPH091767 A JP H091767A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- layer
- emulsion resin
- decorative material
- resin
- foaming agent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Landscapes
- Laminated Bodies (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【目的】 環境面への悪影響がない水性エマルジョンを
使用し、しかも意匠性及び施工性に優れた化粧材及びそ
の製造方法を提供する。 【構成】 基材1上に、水性エマルジョン樹脂層2が設
けられ、該エマルジョン樹脂層2の表面にはエンボスに
よる凹凸3が形成され、さらに絵柄印刷層4を有し、該
エマルジョン樹脂層2の上に盛り上げ印刷層5が設けら
れている。
使用し、しかも意匠性及び施工性に優れた化粧材及びそ
の製造方法を提供する。 【構成】 基材1上に、水性エマルジョン樹脂層2が設
けられ、該エマルジョン樹脂層2の表面にはエンボスに
よる凹凸3が形成され、さらに絵柄印刷層4を有し、該
エマルジョン樹脂層2の上に盛り上げ印刷層5が設けら
れている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は建装材、特に内装材とし
て壁装材、天井材等に使用する化粧材に関するもので、
詳しくは意匠性及び施工性に優れた化粧材及びその製造
方法に関するものである。
て壁装材、天井材等に使用する化粧材に関するもので、
詳しくは意匠性及び施工性に優れた化粧材及びその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、内装材として使用する壁紙とし
て従来は軟質ポリ塩化ビニルが主に用いられているが、
製造時の有機溶剤の飛散、経時における可塑剤の移行に
よるピーラブル性の低下、燃焼時の塩化水素ガスの発生
など、種々の問題があり、特に最近の環境問題の重要性
から環境面への悪影響が問題視されるようになってき
た。
て従来は軟質ポリ塩化ビニルが主に用いられているが、
製造時の有機溶剤の飛散、経時における可塑剤の移行に
よるピーラブル性の低下、燃焼時の塩化水素ガスの発生
など、種々の問題があり、特に最近の環境問題の重要性
から環境面への悪影響が問題視されるようになってき
た。
【0003】そこで、この従来の問題を解決するため、
アクリル系、エチレンビニルアルコール系等の水性エマ
ルジョンを使用したものが開発されたが、軟質ポリ塩化
ビニルに比べて環境面への悪影響は少ないものの、基材
上に水性エマルジョンを塗布し、その上に同じく水性エ
マルジョンを用いて盛り上げ印刷を行う場合、印刷層の
エマルジョンが流れて絵柄再現性が悪く、また発泡、非
発泡にかかわらず全体のボリューム感が小さいなど、軟
質ポリ塩化ビニルと比べると意匠性、施工性が劣ってい
るという欠点がある。
アクリル系、エチレンビニルアルコール系等の水性エマ
ルジョンを使用したものが開発されたが、軟質ポリ塩化
ビニルに比べて環境面への悪影響は少ないものの、基材
上に水性エマルジョンを塗布し、その上に同じく水性エ
マルジョンを用いて盛り上げ印刷を行う場合、印刷層の
エマルジョンが流れて絵柄再現性が悪く、また発泡、非
発泡にかかわらず全体のボリューム感が小さいなど、軟
質ポリ塩化ビニルと比べると意匠性、施工性が劣ってい
るという欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来の
問題に鑑み為されたもので、その目的とするところは、
環境面への悪影響がない水性エマルジョンを使用し、し
かも意匠性及び施工性に優れた化粧材及びその製造方法
を提供することにある。
問題に鑑み為されたもので、その目的とするところは、
環境面への悪影響がない水性エマルジョンを使用し、し
かも意匠性及び施工性に優れた化粧材及びその製造方法
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の化粧材は、基材上に、表面に凹凸を有する
水性エマルジョン樹脂層を設け、その上に盛り上げ印刷
層を設けてなることを特徴としている。
に、本発明の化粧材は、基材上に、表面に凹凸を有する
水性エマルジョン樹脂層を設け、その上に盛り上げ印刷
層を設けてなることを特徴としている。
【0006】また、本発明の化粧材は、前記エマルジョ
ン樹脂層及び盛り上げ印刷層に含有された発泡剤により
該エマルジョン樹脂層及び盛り上げ印刷層を発泡させて
なることを特徴としている。
ン樹脂層及び盛り上げ印刷層に含有された発泡剤により
該エマルジョン樹脂層及び盛り上げ印刷層を発泡させて
なることを特徴としている。
【0007】また、本発明の化粧材は、前記発泡剤がマ
イクロカプセル発泡剤であることを特徴としている。
イクロカプセル発泡剤であることを特徴としている。
【0008】また、本発明の化粧材は、前記エマルジョ
ン樹脂層を構成する樹脂がアクリル系樹脂であることを
特徴としている。
ン樹脂層を構成する樹脂がアクリル系樹脂であることを
特徴としている。
【0009】さらに、本発明の化粧材は、前記アクリル
系樹脂の粒子が組成の異なる内層と外層の二重構造から
なることを特徴としている。
系樹脂の粒子が組成の異なる内層と外層の二重構造から
なることを特徴としている。
【0010】また一方、本発明の化粧材の製造方法は、
基材上に、水性エマルジョン樹脂をコーティングし、そ
の表面にエンボスを施した後、その上に盛り上げ印刷層
を形成することを特徴としている。
基材上に、水性エマルジョン樹脂をコーティングし、そ
の表面にエンボスを施した後、その上に盛り上げ印刷層
を形成することを特徴としている。
【0011】また、本発明の化粧材の製造方法は、前記
エマルジョン樹脂及び盛り上げ印刷樹脂に発泡剤を含有
し、エマルジョン樹脂層及び盛り上げ印刷層を形成させ
た後、これらの層を発泡させることを特徴としている。
エマルジョン樹脂及び盛り上げ印刷樹脂に発泡剤を含有
し、エマルジョン樹脂層及び盛り上げ印刷層を形成させ
た後、これらの層を発泡させることを特徴としている。
【0012】また、本発明の化粧材の製造方法は、前記
発泡剤がマイクロカプセル発泡剤であることを特徴とし
ている。
発泡剤がマイクロカプセル発泡剤であることを特徴とし
ている。
【0013】また、本発明の化粧材の製造方法は、前記
エマルジョン樹脂を構成する樹脂がアクリル系樹脂であ
ることを特徴としている。
エマルジョン樹脂を構成する樹脂がアクリル系樹脂であ
ることを特徴としている。
【0014】またさらに、本発明の化粧材の製造方法
は、前記アクリル系樹脂の粒子が組成の異なる内層と外
層の二重構造からなることを特徴としている。
は、前記アクリル系樹脂の粒子が組成の異なる内層と外
層の二重構造からなることを特徴としている。
【0015】以下、本発明を詳しく説明する。
【0016】図1は本発明の化粧材の一構成例を示す断
面図である。
面図である。
【0017】本発明の化粧材の一構成例は、図1に示す
とおり、基材1上に、水性エマルジョン樹脂層2が設け
られ、該エマルジョン樹脂層2の表面にはエンボスによ
る凹凸3が形成され、さらに絵柄印刷層4を有し、該エ
マルジョン樹脂層2の上に盛り上げ印刷層5が設けられ
ている。
とおり、基材1上に、水性エマルジョン樹脂層2が設け
られ、該エマルジョン樹脂層2の表面にはエンボスによ
る凹凸3が形成され、さらに絵柄印刷層4を有し、該エ
マルジョン樹脂層2の上に盛り上げ印刷層5が設けられ
ている。
【0018】上記基材1としては、難燃紙、不燃紙、ガ
ラス繊維、不織布など、通常、化粧材の基材として使用
されるものであれば何でも使用可能である。特に、裏打
紙の表面に耐水層、裏面にブロッキング防止層を設けて
3層構成とした基材はピーラブル性が向上するので好ま
しい。
ラス繊維、不織布など、通常、化粧材の基材として使用
されるものであれば何でも使用可能である。特に、裏打
紙の表面に耐水層、裏面にブロッキング防止層を設けて
3層構成とした基材はピーラブル性が向上するので好ま
しい。
【0019】上記水性エマルジョン樹脂層2は、樹脂成
分に各種添加剤を添加し、希釈剤として水を加えたエマ
ルジョン塗工液を基材1上にコーティングして形成す
る。コーティング手段としては、ナイフコーター、コン
マコーター、バーコーター、グラビアコーター等、公知
の各種コーターを用いることができる。
分に各種添加剤を添加し、希釈剤として水を加えたエマ
ルジョン塗工液を基材1上にコーティングして形成す
る。コーティング手段としては、ナイフコーター、コン
マコーター、バーコーター、グラビアコーター等、公知
の各種コーターを用いることができる。
【0020】上記エマルジョン樹脂層を構成する樹脂成
分としては、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共
重合系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン
(ポリプロピレン、ポリエチレンなど)、ポリエステル
(ポリエチレンテレフタレートなど)、フッ素系樹脂
(PVDF、PFA、ETFEなど)、ニトリルゴム、
スチレン−ブタジエンゴムなどが挙げられる。
分としては、アクリル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル共
重合系樹脂、ポリビニルアルコール、ポリオレフィン
(ポリプロピレン、ポリエチレンなど)、ポリエステル
(ポリエチレンテレフタレートなど)、フッ素系樹脂
(PVDF、PFA、ETFEなど)、ニトリルゴム、
スチレン−ブタジエンゴムなどが挙げられる。
【0021】上記の樹脂の中でも、アクリル系樹脂は、
耐候性に優れ、ポリ塩化ビニルと比べて艶が低くマット
であり内装材としては適度な艶をもたせられるので、好
ましい。アクリル系樹脂としては、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル
酸、アクリルアミド、アクリロニトリル等の重合体、さ
らにはこれらの化合物と共重合可能な他の単量体との共
重合体等を単独で或いは2種以上を混合して使用するこ
とが出来る。
耐候性に優れ、ポリ塩化ビニルと比べて艶が低くマット
であり内装材としては適度な艶をもたせられるので、好
ましい。アクリル系樹脂としては、アクリル酸エステ
ル、メタクリル酸エステル、アクリル酸、メタクリル
酸、アクリルアミド、アクリロニトリル等の重合体、さ
らにはこれらの化合物と共重合可能な他の単量体との共
重合体等を単独で或いは2種以上を混合して使用するこ
とが出来る。
【0022】なお、上記アクリル系樹脂は、その粒子が
内層と外層との組成が異なる二重構造からなるものが好
ましい。一般に、アクリル系樹脂は柔軟性に劣るが、粒
子がこのような二重構造からなるアクリル系樹脂を使用
することにより、柔軟性だけでなく、カール性、エンボ
ス適性、印刷適性等が改良される。好ましい組成の一例
をあげると、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルア
クリレートよりなる群から選ばれた少なくとも一種の単
量体単位50〜99重量%、これと共重合可能なモノエ
チレン性単量体単位1〜49重量%、多官能グラフト剤
及び/又は多官能架橋剤単位1〜20重量%からなる樹
脂を内層とし、アルキル基の炭素数が1〜4のアルキル
メタクリレートよりなる群から選ばれた少なくとも一種
の単量体単位10〜99重量%、これと共重合可能なモ
ノエチレン性単量体単位1〜90重量%、多官能グラフ
ト剤及び/又は多官能架橋剤単位3重量%以下からなる
樹脂を外層とする。
内層と外層との組成が異なる二重構造からなるものが好
ましい。一般に、アクリル系樹脂は柔軟性に劣るが、粒
子がこのような二重構造からなるアクリル系樹脂を使用
することにより、柔軟性だけでなく、カール性、エンボ
ス適性、印刷適性等が改良される。好ましい組成の一例
をあげると、アルキル基の炭素数が1〜8のアルキルア
クリレートよりなる群から選ばれた少なくとも一種の単
量体単位50〜99重量%、これと共重合可能なモノエ
チレン性単量体単位1〜49重量%、多官能グラフト剤
及び/又は多官能架橋剤単位1〜20重量%からなる樹
脂を内層とし、アルキル基の炭素数が1〜4のアルキル
メタクリレートよりなる群から選ばれた少なくとも一種
の単量体単位10〜99重量%、これと共重合可能なモ
ノエチレン性単量体単位1〜90重量%、多官能グラフ
ト剤及び/又は多官能架橋剤単位3重量%以下からなる
樹脂を外層とする。
【0023】エマルジョン塗工液の樹脂成分の含有比率
は樹脂塗布量によっても異なり一概には言えないが、6
0〜80%程度の範囲が適当である。
は樹脂塗布量によっても異なり一概には言えないが、6
0〜80%程度の範囲が適当である。
【0024】エマルジョン塗工液に樹脂成分とともに添
加される添加剤としては、通常用いられる安定剤、難燃
剤、充填剤、無機微粒子などであるが、本発明において
は、さらに発泡剤を添加することが望ましい。発泡剤を
使用して水性エマルジョン樹脂層2を発泡体とすること
により、層全体がボリューム感と柔軟性を持ち、施工性
が向上する。
加される添加剤としては、通常用いられる安定剤、難燃
剤、充填剤、無機微粒子などであるが、本発明において
は、さらに発泡剤を添加することが望ましい。発泡剤を
使用して水性エマルジョン樹脂層2を発泡体とすること
により、層全体がボリューム感と柔軟性を持ち、施工性
が向上する。
【0025】上記発泡剤としては、水への溶解性、発泡
倍率、発泡時期などの点からカプセル発泡剤が特に好ま
しい。このカプセル発泡剤は、熱可塑性樹脂の中空の粒
子で、中空部分に揮発性物質(たとえばイソブタンなど
の揮発性炭化水素)が封入されているもので、カプセル
を形成する熱可塑性樹脂には、塩化ビニリデン−アクリ
ロニトリル共重合体などが使用される。カプセルの粒径
としては、好ましくは5〜20μmのものが使用され
る。かかるカプセル発泡剤は、加熱により封入されてい
る揮発性物質が揮発することによって発泡し、有機発泡
剤のようなガス化発泡はしない。
倍率、発泡時期などの点からカプセル発泡剤が特に好ま
しい。このカプセル発泡剤は、熱可塑性樹脂の中空の粒
子で、中空部分に揮発性物質(たとえばイソブタンなど
の揮発性炭化水素)が封入されているもので、カプセル
を形成する熱可塑性樹脂には、塩化ビニリデン−アクリ
ロニトリル共重合体などが使用される。カプセルの粒径
としては、好ましくは5〜20μmのものが使用され
る。かかるカプセル発泡剤は、加熱により封入されてい
る揮発性物質が揮発することによって発泡し、有機発泡
剤のようなガス化発泡はしない。
【0026】なお、エマルジョン塗工液に添加する樹脂
成分及び各種添加剤の粒径は小さいものの方が望まし
い。水性エマルジョンを塗工する場合、塗工直後の塗布
量と乾燥後の塗布量との差が30〜50%程度もあり、
その乾燥過程でかなりの水分が飛ぶため、塗工直後は平
滑な面であっても乾燥後の面はやや不均一になりやすい
ので、乾燥後も出来るだけ平滑な面を形成するように、
出来るだけ粒径の小さい、例えば数μm程度の粒径を有
する添加剤等を使用するのが望ましい。
成分及び各種添加剤の粒径は小さいものの方が望まし
い。水性エマルジョンを塗工する場合、塗工直後の塗布
量と乾燥後の塗布量との差が30〜50%程度もあり、
その乾燥過程でかなりの水分が飛ぶため、塗工直後は平
滑な面であっても乾燥後の面はやや不均一になりやすい
ので、乾燥後も出来るだけ平滑な面を形成するように、
出来るだけ粒径の小さい、例えば数μm程度の粒径を有
する添加剤等を使用するのが望ましい。
【0027】エマルジョン塗工液に添加するカプセル発
泡剤の量及びエマルジョン樹脂の塗布量によって厚み感
等をコントロールすることが可能であるが、本発明にお
いては、カプセル発泡剤は樹脂固形分100重量部に対
して3〜20重量部使用するのが好ましく、エマルジョ
ン樹脂の塗布量は30〜200g/m2であることが好
ましい。また、上記水性エマルジョン樹脂層2の層厚
は、目的とする厚み感、柔軟性を出すためには、発泡後
の膜厚で0.15〜0.5mm程度とするのが好まし
い。
泡剤の量及びエマルジョン樹脂の塗布量によって厚み感
等をコントロールすることが可能であるが、本発明にお
いては、カプセル発泡剤は樹脂固形分100重量部に対
して3〜20重量部使用するのが好ましく、エマルジョ
ン樹脂の塗布量は30〜200g/m2であることが好
ましい。また、上記水性エマルジョン樹脂層2の層厚
は、目的とする厚み感、柔軟性を出すためには、発泡後
の膜厚で0.15〜0.5mm程度とするのが好まし
い。
【0028】基材1上にこのようにして形成された水性
エマルジョン樹脂層2の表面には、絵柄印刷層4が施さ
れ、さらにエンボスによる微細な凹凸3が形成される。
このようなエンボスによる微細な凹凸3が形成されるこ
とにより、その上に形成する盛り上げ印刷層5は凹凸3
に保持されるため、盛り上げ印刷層5の転移性が向上
し、且つ転移後の盛り上げ印刷層5の流れを防ぐので、
柄の微細表現、再現性が上がり、意匠性が向上する。
エマルジョン樹脂層2の表面には、絵柄印刷層4が施さ
れ、さらにエンボスによる微細な凹凸3が形成される。
このようなエンボスによる微細な凹凸3が形成されるこ
とにより、その上に形成する盛り上げ印刷層5は凹凸3
に保持されるため、盛り上げ印刷層5の転移性が向上
し、且つ転移後の盛り上げ印刷層5の流れを防ぐので、
柄の微細表現、再現性が上がり、意匠性が向上する。
【0029】エンボスの方法としては、具体的には、凹
凸パターンが形成されたエンボス版を水性エマルジョン
樹脂層2の表面に加熱加圧することにより凹凸3を形成
するメカニカルエンボス法が用いられる。エンボスは、
水性エマルジョン樹脂層2を加熱により発泡させる工程
において同時に行うことが可能である。エンボスの深さ
は特に限定されることはないが、出来るだけ微細である
ことが望ましく、特に100〜300μm程度の深さの
エンボスを施すことが望ましい。
凸パターンが形成されたエンボス版を水性エマルジョン
樹脂層2の表面に加熱加圧することにより凹凸3を形成
するメカニカルエンボス法が用いられる。エンボスは、
水性エマルジョン樹脂層2を加熱により発泡させる工程
において同時に行うことが可能である。エンボスの深さ
は特に限定されることはないが、出来るだけ微細である
ことが望ましく、特に100〜300μm程度の深さの
エンボスを施すことが望ましい。
【0030】なお、上記絵柄印刷層4は、グラビア印刷
等により施されるが、上記エンボスを施す前に水性エマ
ルジョン樹脂層2の表面に形成してもよいし、又は水性
エマルジョン樹脂層2の表面にエンボスを行ってから絵
柄印刷層4を形成してもよい。ただし、工程数が省ける
という意味では、後者の方法が望ましい。
等により施されるが、上記エンボスを施す前に水性エマ
ルジョン樹脂層2の表面に形成してもよいし、又は水性
エマルジョン樹脂層2の表面にエンボスを行ってから絵
柄印刷層4を形成してもよい。ただし、工程数が省ける
という意味では、後者の方法が望ましい。
【0031】このようにして、表面にエンボスによる微
細な凹凸3が形成された水性エマルジョン樹脂層2の上
に、盛り上げ印刷層5を設ける。盛り上げ印刷層5は、
水性エマルジョン樹脂を用いて例えばグラビア印刷もし
くはロータリースクリーン印刷により形成する。この盛
り上げ印刷層5は、所望の絵柄状に設けてもよいし、或
いは全面に設けてもよい。水性エマルジョン樹脂層2の
表面に形成した凹凸3の上に盛り上げ印刷層5を形成す
ることにより、前述の柄の再現性の向上とともに、立体
感、ボリューム感が出る。また、上記凹凸3の形状によ
り本物感が表現できる。例えば、石目のエンボスを形成
し、その上の全面に盛り上げ印刷層5を形成することに
より、ペンキの塗装感が表現でき、また、微細な間隔の
複数の平行な直線又は曲線状の凹凸条模様からなる縞模
様を一単位模様とし、隣り合った単位模様同志の条模様
の条方向が互いに異なるように組み合わされた凹凸模様
を形成し、その上に部分的に盛り上げ印刷層5を形成す
ることにより、高級な布目を表現できる。なお、この盛
り上げ印刷層5に用いる水性エマルジョン樹脂として
は、前記の水性エマルジョン樹脂層2に用いたものと同
様なものを用いることが出来る。
細な凹凸3が形成された水性エマルジョン樹脂層2の上
に、盛り上げ印刷層5を設ける。盛り上げ印刷層5は、
水性エマルジョン樹脂を用いて例えばグラビア印刷もし
くはロータリースクリーン印刷により形成する。この盛
り上げ印刷層5は、所望の絵柄状に設けてもよいし、或
いは全面に設けてもよい。水性エマルジョン樹脂層2の
表面に形成した凹凸3の上に盛り上げ印刷層5を形成す
ることにより、前述の柄の再現性の向上とともに、立体
感、ボリューム感が出る。また、上記凹凸3の形状によ
り本物感が表現できる。例えば、石目のエンボスを形成
し、その上の全面に盛り上げ印刷層5を形成することに
より、ペンキの塗装感が表現でき、また、微細な間隔の
複数の平行な直線又は曲線状の凹凸条模様からなる縞模
様を一単位模様とし、隣り合った単位模様同志の条模様
の条方向が互いに異なるように組み合わされた凹凸模様
を形成し、その上に部分的に盛り上げ印刷層5を形成す
ることにより、高級な布目を表現できる。なお、この盛
り上げ印刷層5に用いる水性エマルジョン樹脂として
は、前記の水性エマルジョン樹脂層2に用いたものと同
様なものを用いることが出来る。
【0032】なお、上記の如く、水性エマルジョン樹脂
層2の表面に凹凸3を形成する方法としてメカニカルエ
ンボス法を用いているが、他の方法としては、例えば基
材1上に水性エマルジョン樹脂をロータリースクリーン
印刷法を用いて全面又は部分的に塗工することにより凹
凸を形成する方法がある。
層2の表面に凹凸3を形成する方法としてメカニカルエ
ンボス法を用いているが、他の方法としては、例えば基
材1上に水性エマルジョン樹脂をロータリースクリーン
印刷法を用いて全面又は部分的に塗工することにより凹
凸を形成する方法がある。
【0033】また、上記盛り上げ印刷層5を含む全面
に、フッ素系樹脂フィルム、EVAフィルムなどのラミ
ネートまたは表面処理剤による表面処理層の形成によっ
て化粧剤の表面を保護するようにしても構わない。
に、フッ素系樹脂フィルム、EVAフィルムなどのラミ
ネートまたは表面処理剤による表面処理層の形成によっ
て化粧剤の表面を保護するようにしても構わない。
【0034】
【作用】本発明によると、水性エマルジョン樹脂層の表
面に凹凸を形成してその上に盛り上げ印刷を行うことに
より、発泡エマルジョンの盛り上げ印刷の転移性、再現
性を向上させるため、意匠性が向上する。
面に凹凸を形成してその上に盛り上げ印刷を行うことに
より、発泡エマルジョンの盛り上げ印刷の転移性、再現
性を向上させるため、意匠性が向上する。
【0035】また、本発明によると、水性エマルジョン
樹脂層の表面に凹凸を形成してその上に盛り上げ印刷を
行うことにより立体感を表現でき、特に水性エマルジョ
ン樹脂層及び盛り上げ印刷層を発泡層とすることにより
ボリューム感が向上する。
樹脂層の表面に凹凸を形成してその上に盛り上げ印刷を
行うことにより立体感を表現でき、特に水性エマルジョ
ン樹脂層及び盛り上げ印刷層を発泡層とすることにより
ボリューム感が向上する。
【0036】さらに、本発明によると、水性エマルジョ
ンを主体として使用しているため、燃焼時の有害ガスの
発生がなく、有機溶剤の使用による周りへの飛散もない
ため環境面への悪影響が少なく、かつ燃焼時のガス濃度
も低いため、そのことによる安全性が高い。また、カビ
の発生原因となる可塑剤も使用していないため内装材と
して好適である。
ンを主体として使用しているため、燃焼時の有害ガスの
発生がなく、有機溶剤の使用による周りへの飛散もない
ため環境面への悪影響が少なく、かつ燃焼時のガス濃度
も低いため、そのことによる安全性が高い。また、カビ
の発生原因となる可塑剤も使用していないため内装材と
して好適である。
【0037】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。
説明する。
【0038】坪量120g/m2の難燃性裏打紙(特種
製紙(株)製 TT-120TW、紙層の片側に耐水性加工、も
う片側に耐ブロッキング性加工を施してある)に、ナイ
フコーターの一種であるコンマコーターを使用して塗布
量が約210g/m2(乾燥時120g/m2)となるよ
うに下記組成の水性アクリル系樹脂エマルジョンを塗布
した。水性アクリル系エマルジョン組成(部は重量部を示す) ・アクリル酸エステル 100 ・水酸化アルミニウム 100 ・マイクロカプセル発泡剤 12 ・分散剤等の添加剤 8 ・酸化チタン 20 水性アクリル系エマルジョンを塗布したシートを乾燥炉
で95℃で90秒間、その後120℃で25秒間乾燥し
た。次いで、150〜170℃で20〜40秒間加熱し
て上記エマルジョン層を発泡させ、同時にニッケル製の
エンボス版を用いてエンボスを施し、原反シートを作製
した。
製紙(株)製 TT-120TW、紙層の片側に耐水性加工、も
う片側に耐ブロッキング性加工を施してある)に、ナイ
フコーターの一種であるコンマコーターを使用して塗布
量が約210g/m2(乾燥時120g/m2)となるよ
うに下記組成の水性アクリル系樹脂エマルジョンを塗布
した。水性アクリル系エマルジョン組成(部は重量部を示す) ・アクリル酸エステル 100 ・水酸化アルミニウム 100 ・マイクロカプセル発泡剤 12 ・分散剤等の添加剤 8 ・酸化チタン 20 水性アクリル系エマルジョンを塗布したシートを乾燥炉
で95℃で90秒間、その後120℃で25秒間乾燥し
た。次いで、150〜170℃で20〜40秒間加熱し
て上記エマルジョン層を発泡させ、同時にニッケル製の
エンボス版を用いてエンボスを施し、原反シートを作製
した。
【0039】次に、この原反シートにグラビア印刷法に
より絵柄を印刷し、続いて同じくグラビア印刷法により
盛り上げ印刷を行い、再び乾燥炉で150℃30秒間加
熱して全体を発泡させ、本発明の化粧材を得た。なお、
盛り上げ印刷には、上記組成の水性アクリル系エマルジ
ョンを使用した。
より絵柄を印刷し、続いて同じくグラビア印刷法により
盛り上げ印刷を行い、再び乾燥炉で150℃30秒間加
熱して全体を発泡させ、本発明の化粧材を得た。なお、
盛り上げ印刷には、上記組成の水性アクリル系エマルジ
ョンを使用した。
【0040】得られた化粧材は、上記のエンボスが入っ
ていないものと比べると、印刷柄の流れはなく、柄の再
現性は良好で、ボリューム感のある意匠性に優れたもの
であった。
ていないものと比べると、印刷柄の流れはなく、柄の再
現性は良好で、ボリューム感のある意匠性に優れたもの
であった。
【0041】また、得られた化粧材は以下に示すよう
に、燃焼時の煙濃度が少なく、有毒ガスの発生も非常に
少なかった。また、施工後の経時変化によるピーラブル
性低下などの不都合も生じなかった。
に、燃焼時の煙濃度が少なく、有毒ガスの発生も非常に
少なかった。また、施工後の経時変化によるピーラブル
性低下などの不都合も生じなかった。
【0042】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、水性エマルジョン樹脂層の表面に凹凸を形成して
その上に盛り上げ印刷を行うことにより、盛り上げ印刷
の転移性、柄の再現性を向上させて、それにより意匠性
を向上させることが出来る。
れば、水性エマルジョン樹脂層の表面に凹凸を形成して
その上に盛り上げ印刷を行うことにより、盛り上げ印刷
の転移性、柄の再現性を向上させて、それにより意匠性
を向上させることが出来る。
【0043】また、本発明によれば、水性エマルジョン
樹脂層の表面に凹凸を形成してその上に盛り上げ印刷を
行うことにより立体感を表現でき、特に水性エマルジョ
ン樹脂層及び盛り上げ印刷層を発泡層とすることにより
ボリューム感を向上させることが出来る。
樹脂層の表面に凹凸を形成してその上に盛り上げ印刷を
行うことにより立体感を表現でき、特に水性エマルジョ
ン樹脂層及び盛り上げ印刷層を発泡層とすることにより
ボリューム感を向上させることが出来る。
【0044】さらに、本発明によれば、水性エマルジョ
ンを主体として使用しているため、燃焼時の有害ガスの
発生がなく、有機溶剤の使用による周りへの飛散もない
ため環境面への悪影響が少なく、かつ燃焼時のガス濃度
も低いため、そのことによる安全性が高い化粧材が得ら
れる。しかも、カビの発生原因となる可塑剤も使用して
いないため内装材として使用するのに好適な化粧材が得
られる。
ンを主体として使用しているため、燃焼時の有害ガスの
発生がなく、有機溶剤の使用による周りへの飛散もない
ため環境面への悪影響が少なく、かつ燃焼時のガス濃度
も低いため、そのことによる安全性が高い化粧材が得ら
れる。しかも、カビの発生原因となる可塑剤も使用して
いないため内装材として使用するのに好適な化粧材が得
られる。
【図1】本発明の化粧材の一構成例を示す断面図であ
る。
る。
1 基材 2 水性エマルジョン樹脂層 3 凹凸 4 絵柄印刷層 5 盛り上げ印刷層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 B32B 27/12 B32B 27/12 27/30 27/30 A
Claims (10)
- 【請求項1】 基材上に、表面に凹凸を有する水性エマ
ルジョン樹脂層を設け、その上に盛り上げ印刷層を設け
てなることを特徴とする化粧材。 - 【請求項2】 前記エマルジョン樹脂層及び盛り上げ印
刷層に含有された発泡剤により該エマルジョン樹脂層及
び盛り上げ印刷層を発泡させてなることを特徴とする請
求項1記載の化粧材。 - 【請求項3】 前記発泡剤はマイクロカプセル発泡剤で
あることを特徴とする請求項2記載の化粧材。 - 【請求項4】 前記エマルジョン樹脂層を構成する樹脂
はアクリル系樹脂であることを特徴とする請求項1また
は2記載の化粧材。 - 【請求項5】 前記アクリル系樹脂の粒子が組成の異な
る内層と外層の二重構造からなることを特徴とする請求
項4記載の化粧材。 - 【請求項6】 基材上に、水性エマルジョン樹脂をコー
ティングし、その表面にエンボスを施した後、その上に
盛り上げ印刷層を形成することを特徴とする化粧材の製
造方法。 - 【請求項7】 前記エマルジョン樹脂及び盛り上げ印刷
樹脂に発泡剤を含有し、エマルジョン樹脂層及び盛り上
げ印刷層を形成させた後、これらの層を発泡させること
を特徴とする請求項6記載の化粧材の製造方法。 - 【請求項8】 前記発泡剤はマイクロカプセル発泡剤で
あることを特徴とする請求項7記載の化粧材の製造方
法。 - 【請求項9】 前記エマルジョン樹脂を構成する樹脂は
アクリル系樹脂であることを特徴とする請求項6または
7記載の化粧材の製造方法。 - 【請求項10】 前記アクリル系樹脂の粒子が組成の異
なる内層と外層の二重構造からなることを特徴とする請
求項9記載の化粧材の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17820195A JPH091767A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 化粧材及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP17820195A JPH091767A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 化粧材及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH091767A true JPH091767A (ja) | 1997-01-07 |
Family
ID=16044351
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP17820195A Pending JPH091767A (ja) | 1995-06-21 | 1995-06-21 | 化粧材及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH091767A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
USD841588S1 (en) | 2017-06-13 | 2019-02-26 | Dai-Ichi Seiko Co., Ltd. | Electrical connector terminal |
-
1995
- 1995-06-21 JP JP17820195A patent/JPH091767A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
USD841588S1 (en) | 2017-06-13 | 2019-02-26 | Dai-Ichi Seiko Co., Ltd. | Electrical connector terminal |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
WO1991005660A1 (en) | Process for manufacturing plastic siding panels with outdoor weatherable embossed surfaces | |
JP5056889B2 (ja) | 紙質基材と樹脂層との密着性が高い発泡壁紙 | |
JP2002096433A (ja) | 壁 紙 | |
JP2003266549A (ja) | 発泡化粧シート用原反と発泡化粧シートの製造方法 | |
JP3171425B2 (ja) | 内装材及びその製造方法 | |
JPH091767A (ja) | 化粧材及びその製造方法 | |
JP2000211049A (ja) | 発泡化粧材 | |
JP2009214315A (ja) | 発泡化粧材 | |
JP5211834B2 (ja) | 水性樹脂エマルジョン組成物、発泡化粧材およびその製造方法 | |
JPH0839709A (ja) | 化粧シートおよびその製造方法 | |
US4258085A (en) | Process of forming an embossed surface covering | |
US4198448A (en) | Process of forming an embossed surface covering | |
JP4560678B2 (ja) | 紙質基材と樹脂層との密着性が高い発泡壁紙 | |
JP3401916B2 (ja) | 壁紙の製造方法 | |
JPH08332443A (ja) | 内装用化粧材の製造方法 | |
JP3302241B2 (ja) | 内装材およびその製造方法 | |
JP2002067247A (ja) | 化粧シート | |
JPS6018315B2 (ja) | 装飾材及びこのものの製造法 | |
JP2004042520A (ja) | 耐可塑剤性多層発泡化粧材 | |
JP2001030398A (ja) | 化粧材及びその製造方法 | |
JPH09123339A (ja) | 吸放湿性を有する化粧材 | |
JP3868619B2 (ja) | 化粧材 | |
JP4359549B2 (ja) | インク受像紙の製造方法 | |
JPS5851180A (ja) | 転写紙及びこれを用いた化粧材の製造法 | |
JP3180232B2 (ja) | 発泡シート材の製造法 |