JP3171425B2 - 内装材及びその製造方法 - Google Patents

内装材及びその製造方法

Info

Publication number
JP3171425B2
JP3171425B2 JP05430295A JP5430295A JP3171425B2 JP 3171425 B2 JP3171425 B2 JP 3171425B2 JP 05430295 A JP05430295 A JP 05430295A JP 5430295 A JP5430295 A JP 5430295A JP 3171425 B2 JP3171425 B2 JP 3171425B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pattern
vinyl chloride
chloride resin
foaming
plasticizer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP05430295A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH08244060A (ja
Inventor
忠義 見持
健 佐藤
之彦 近藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Lonseal Corp
Original Assignee
Lonseal Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Lonseal Corp filed Critical Lonseal Corp
Priority to JP05430295A priority Critical patent/JP3171425B2/ja
Publication of JPH08244060A publication Critical patent/JPH08244060A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3171425B2 publication Critical patent/JP3171425B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Laminated Bodies (AREA)
  • Shaping Of Tube Ends By Bending Or Straightening (AREA)
  • Molding Of Porous Articles (AREA)
  • Panels For Use In Building Construction (AREA)
  • Manufacture Of Porous Articles, And Recovery And Treatment Of Waste Products (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は壁装材・天井材等の内装
材の製造方法に関し、更に詳しくはケミカルエンボス法
により凹凸模様を施した発泡内装材に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、凹凸模様を有する発泡内装材の製
造方法としては、発泡剤が含有された未発泡塩化ビニル
系樹脂層の表面に発泡抑制剤を含有した塗料で所望の模
様に印刷し、これを発泡させて抑制剤含有塗料が塗工さ
れていない部分を発泡させ、塗工部分の発泡を抑制する
ことにより印刷柄と一致した凹凸模様を現出させる方
法、又は発泡剤が含有された未発泡塩化ビニル系樹脂層
の表面に発泡促進剤を混入した塗料で所望の模様に印刷
し、これを発泡させて促進剤混入塗料が塗工された部分
を周囲の部分よりも大きく発泡させることにより印刷柄
と一致した凹凸模様を現出させる方法が知られている。
これらは所謂ケミカルエンボス法とよばれ、印刷した部
分のみを他の部分よりも窪ませたり又は突出させたりす
ることで凹凸模様を印刷柄と一致させることができるこ
とから、従来から広く行なわれている手段である。
【0003】また、他の方法として発泡剤含有の未発泡
合成樹脂層を基材上に積層し、該合成樹脂層を加熱し発
泡させ、その表面にエンボスロールで凹凸模様を形成す
る所謂メカニカルエンボス法が知られている。
【0004】前記ケミカルエンボス法による発泡内装材
は、印刷模様と凹凸柄とを一致させることができる長所
があるものの、得られる模様は単調であり、特に鋭角な
細かい凹凸柄や直角模様を現出させることは不可能であ
った。また、メカニカルエンボス法による発泡内装材
は、エンボスロールの形状によりシート面への繊細でシ
ャープな凹凸表現は可能であるが、印刷模様と凹凸柄と
を機械的に一致させることは、シートの伸縮等によって
非常に困難な技術であった。
【0005】これらを解決するために、ケミカルエンボ
ス法とメカニカルエンボス法を組み合わせて成形する方
法が特公昭61−20422号公報に記載されている。
これは発泡剤が混入された未発泡塩化ビニル系樹脂層の
表面に、発泡抑制剤が混入された塗料で任意の模様を印
刷し、その表面にエンボスロールにて凹凸絞模様を形成
した後、これを加熱して発泡させるものである。この方
法ではケミカルエンボスとメカニカルエンボスの両方の
特徴をある程度取り合わせたものを製造できるが、メカ
ニカルエンボス後に発泡させるのでメカニカルエンボス
部の凹凸絞模様の鮮明さは減少し、更に発泡抑制剤が混
入された塗料の印刷部分においてもメカニカルエンボス
されているため印刷模様の鮮明さが失われるものであっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解決
し、ケミカルエンボスの印刷模様と凹凸模様の同調性、
印刷模様の鮮明さを活かしながら、更に意匠性の高い凹
凸印刷模様を創出する方法として、本発明者は発泡剤を
混入した未発泡の塩化ビニル系樹脂層表面に発泡抑制剤
を混入した塗料で印刷した後、これを加熱発泡して印刷
模様と同調した凹凸模様を形成せしめ、その後エンボス
ロールにて発泡層の表面に凹凸絞模様を形成することを
試みたが、印刷模様による凹部周囲の発泡層がエンボス
ロールの押圧によってよじれて被さってしまい、凹部の
印刷模様が失われ不鮮明になってしまう問題が生じた。
【0007】また、メカニカルエンボス鮮明に型押しす
るために塩化ビニル系樹脂の表面に溶融温度の異なる透
明なフィルム又はシートを積層し、エンボスロールによ
って型押し凹凸絞模様を形成することが考えられるが、
そのためには透明フィルム又はシートの厚さを厚くする
必要がある。しかし透明フィルム又はシートを積層する
と、壁装材・天井材として使用するには、難燃基準をこ
える重量となるという問題も生じる。
【0008】本発明はこれらの問題点を解決し、印刷模
様と同調した凹凸模様を有し、かつメカニカルエンボス
による鮮明な凹凸絞模様を形成した意匠性に優れた発泡
内装材を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決すべく研究した結果、発泡が抑制された凹部aと周囲
の発泡部分bとの垂直断面における曲線の変曲点pでの
接線と、基材1面との平行線との間の鋭角側の角度(以
下抑制部の落ち込み角度という)tと、使用する塩化ビ
ニル樹脂の種類に大きく影響されることを見出した(図
1参照)。即ち、抑制部の落ち込み角度tが40度より
も大きいと、その後のエンボスロールにて発泡塩化ビニ
ル樹脂層の表面を押圧することにより、エンボスロール
の流れ方向の圧力により凹部aの印刷模様が発泡層bに
よって被さって、変形cしてしまうという現象を見出し
た(図3参照)。また、これは塩化ビニル樹脂の種類に
にも影響されることも判明した。
【0010】一般に、ケミカルエンボスによる凹凸模様
a,bは前記の抑制部落ち込み角度が90度に近いほど
好ましいものであり、そのためにトリメット酸系の発泡
抑制剤と、アルキル硫酸ナトリウム系の乳化剤で重合さ
れた塩化ビニル樹脂を組み合わせたもので行われてい
る。しかしながらこの様な組み合わせでは、ケミカルエ
ンボスのみの凹凸模様a、bとしては好ましくても、そ
の後エンボスロールにて型押しを行うと凹部aの印刷模
様が周囲の発泡層bによって被さってしまうものであっ
た。
【0011】そのため抑制部の落ち込み角度tが40度
以下とするための手段を研究したところ、抑制部の落ち
込み角度tは使用する発泡抑制剤と可塑剤との親和性に
大きく依存することを見出した。即ち発泡抑制剤が塩化
ビニル樹脂に添加されている可塑剤に親和性があると可
塑剤に移行しやすく、親和性がないと可塑剤へ移行しに
くく、発泡抑制剤を塗布後へ移行させることによって、
角度を調整することを考えた。
【0012】可塑剤に親和性のある発泡抑制剤を用いる
と、塗料中の発泡抑制剤が印刷模様部を中心に徐々に抑
制剤濃度が薄くなるように濃度勾配をもって移行し、そ
のためその後発泡させると印刷部分を中心に緩やかなス
ロープで発泡し抑制部の落ち込み角度を40度以下にす
ることができることが判明した。
【0013】また、発泡後、その凸模様部をエンボスロ
ールにて型押しを行うと、抑制部の落ち込み角度が40
度以下でもケミカルエンボスにおいて通常使用されるラ
ウリル硫酸ナトリウム等のアルキル硫酸ナトリウム系の
乳化剤によって重合された塩化ビニル樹脂を用いると、
凹部の印刷模様が周囲の発泡層によって被さってしまう
傾向にあり、このため塩化ビニル樹脂の検討を行った結
果、アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム系の乳化
剤によって重合された塩化ビニル樹脂を用いると、エン
ボスロールによって型押ししても凹部の印刷模様が周囲
の発泡層によって被さらないことを見出した。
【0014】そのために本発明が講じた手段は、アルキ
ルベンゼンスルフォン酸ナトリウム系の乳化剤により重
合されかつ発泡剤及び可塑剤が添加された塩化ビニル系
樹脂層の表面に、該可塑剤と親和性のある発泡抑制剤を
含有する塗料で印刷模様を形成し、その後加熱発泡して
該印刷模様と同調した凹凸模様とし、その表面にエンボ
スロールで凸模様部に絞模様を形成してなる内装材を提
供すると共に、発泡抑制剤がベンゾトリアゾールである
こと及びその製造方法としてアルキルベンゼンスルフォ
ン酸ナトリウム系の乳化剤により重合された塩化ビニル
樹脂及び発泡剤、可塑剤を含有する塩化ビニル系樹脂ペ
ーストを基材に塗工し、該ペーストを加熱によりゲル化
させ、その表面に、該可塑剤と親和性のある発泡抑制剤
を含有する塗料で印刷模様を形成し、その後、該積層体
を加熱発泡せしめて印刷模様と同調した凹凸模様を現出
させ、しかる後、エンボスロールで該積層体の凸模様部
に絞模様を形成することである。
【0015】
【作用】本発明により印刷模様と同調した抑制模様と、
シャープな凹凸絞模様とを兼ね備えた従来にない新規な
意匠の内装材を提供することができる。
【0016】
【実施例】本発明の内装材の実施の一例を図面に基づい
て説明すると、内装材はアルキルベンゼンスルフォン酸
ナトリウム系の乳化剤により重合された塩化ビニル樹脂
及び発泡剤、可塑剤を含有する塩化ビニル系樹脂ペース
トを基材1に塗工し、該ペーストを加熱によりゲル化さ
せ、その表面に、該可塑剤と親和性のある発泡抑制剤を
含有する塗料で印刷模様2を形成し、その後、該積層体
を加熱して発泡3せしめて印刷模様2と同調した凹凸模
様a、bを現出させ、しかる後、エンボスロールで該積
層体の凸模様部bに絞模様4を形成したものである。
【0017】本発明の可塑剤に親和性のある発泡抑制剤
とは塩化ビニル樹脂層に添加された可塑剤に溶解する
か、又は液状の場合には相溶する発泡抑制剤であって、
例えば次のような試験方法で溶解又は相溶するものが可
塑剤に親和性のあるものとして好ましく使用できる。 (可塑剤への溶解試験方法)ビーカーに可塑剤(液状)
100g、発泡抑制剤(固体)1gを混合し、マグネッ
トスターラーで24時間撹拌し溶解するかどうかを観
る。また、液状の発泡抑制剤の場合は、ビーカーに可塑
剤(液状)100g、発泡抑制剤(液状)1gを混合
し、相溶するかどうかを観る。上記試験方法において可
塑剤に溶解する発泡抑制剤は可塑剤に親和性があると判
断することができ、この試験方法において可塑剤に溶解
又は相溶する発泡抑制剤は可塑剤へ移行し、可塑剤に親
和性があるものとして好ましく使用できる。
【0018】本発明の塩化ビニル系樹脂に添加される可
塑剤としては通常使用されている周知の可塑剤を使用す
ることができる。例えば、ジ・2−エチルヘキシルフタ
レート(DOP)の他に、ジオクチルフタレート(Dn
OP)、ジブチルフタレート(DBP)等のフタル酸エ
ステル系可塑剤、トリクレジルホスフェート(TCP)
等のリン酸エステル系可塑剤、ジ−2−エチルヘキシル
アジペート、セバチン酸エステル可塑剤、ポリエステル
系可塑剤等が挙げられ、更に二次可塑剤としてエポキシ
化大豆油等のエポキシ系可塑剤や塩素化パラフィン等を
添加して使用することも可能である。これら可塑剤の添
加料は、塩化ビニル系樹脂100重量部に対して可塑剤
を20〜80重量部の範囲で添加することが塩化ビニル
系樹脂層の硬さや可塑剤の移行、ブリード等の面から好
ましい。これらの可塑剤は数種併用して使用することも
可能である。
【0019】本発明において発泡抑制剤は塩化ビニル系
樹脂に添加される発泡剤が分解する温度において発泡剤
の分解を実質的に抑制する働きをもたらす物質のことを
いい、使用する発泡剤の種類などによってそれぞれ特定
される。
【0020】塩化ビニル系樹脂に添加する発泡剤は、塩
化ビニル系樹脂製の発泡内装材に使用している公知の発
泡剤を使用することができ、例えばアゾジカルボンアミ
ド(ADCA)、ジニトロソペンタメチレンテトラミン
(DPT)、アゾビスイソブチロニトリル(AIB
N)、4,4’オキシビスベンゼスルホニヒルドラジッ
ド(OBSH)等を使用することができる。また、これ
ら発泡剤のほかに、発泡剤の分解温度を低下させる働き
を持つキッカーを塩化ビニル系樹脂に添加して発泡させ
ることも可能である。例えば発泡剤がADCAの場合は
酸化亜鉛、亜鉛石鹸、カドミウム石鹸、鉛石鹸がキッカ
ーとなりADCAの分解温度を低下させることができ
る。
【0021】発泡抑制剤は使用する発泡剤に適した物質
を選定して始めて効果があり、また、発泡剤の分解温度
そのものを上げる作用を有する発泡抑制剤やキッカーの
働きを妨げる作用を有する発泡抑制剤等があり、これら
を適宜選定して使用する。キッカーの働きを妨げる発泡
抑制剤はキッカーの働きを妨げることにより発泡剤の元
々の分解温度に達しないと分解しないようにし、その分
解温度の差によって発泡する部分と発泡しない部分とを
形成するものである。
【0022】発泡剤としてADCA、可塑剤としてDO
Pを主体としたものを使用する場合において好ましい発
泡抑制剤、即ち発泡抑制効果があり、かつ可塑剤と親和
性の良い発泡抑制剤としてはベンゾトリアゾール、2−
ベンゾチアゾールチオール、無水マレイン酸、無水ci
sΔ4テトラヒドロフタル酸などの常温で固体状の物質
の他、アセチルアセトンなどの液状物質なども使用でき
る。なかでもベンゾトリアゾールは発泡抑制効果に優
れ、かつDOPに適度に移行し、とりわけ好ましい。こ
の発泡抑制剤は単体でも複数種混合して使用しても良
く、更に上記の物質に限定されず、可塑剤に親和性があ
り、かつ発泡抑制効果があればどのような発泡抑制剤を
使用しても良い。発泡抑制剤は印刷塗料に混合して使用
するのが一般的である。
【0023】印刷塗料は着色剤・樹脂成分を溶剤などに
溶解または分散させた液状のものを通常使用し、発泡抑
制剤はその種類によって濃度を適宜調整して印刷塗料に
添加して使用する。通常は5〜30重量%の濃度で使用
する。また、塩化ビニル樹脂層への印刷はグラビア印
刷、ロータリースクリーン印刷等の任意の印刷方法で行
うことができる。印刷後は塗料の溶剤又は水分をオーブ
ン等によって50〜150℃で加熱して揮発させる。印
刷後、発泡剤が分解する温度150〜240℃で発泡さ
せるが、印刷後あまり時間をおきすぎると発泡抑制剤が
移行し過ぎて印刷部分の抑制効果が減少することもある
ため、印刷・乾燥後100時間以内、特に好ましくは2
4〜48時間後に発泡させると発泡抑制剤が適度に可塑
剤へ移行し、抑制部の落ち込み角度が40度以下の緩や
かスロープとなる。抑制部の落ち込み角度tはあまり緩
やかすぎても凹部aの印刷模様2の輪郭が不鮮明になる
ため、10〜40度の範囲とすることが好ましい。
【0024】本発明でいう塩化ビニル系樹脂とは、塩化
ビニル樹脂に可塑剤及び2次可塑剤・安定剤・充填剤・
減粘剤・難燃剤・発泡剤・着色剤・紫外線吸収剤・酸化
防止剤・帯電防止剤・加工助剤等の各種添加剤を適宜添
加したもののほか、酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、
エチレン−塩化ビニル共重合体等の他のモノマーとの共
重合体、或いは塩化ビニル樹脂に他の熱可塑性樹脂、合
成ゴムなどをブレンドしたものを総称していう。
【0025】また、本発明で使用する塩化ビニル樹脂
は、ケミカルエンボス後のエンボスロールによる型押し
工程において凹部の印刷模様が周囲の発泡層によって被
さってしまわないようにするために、アルキルベンセン
スルフォン酸ナトリウム系の乳化剤を用いて重合した塩
化ビニル樹脂を用いる。
【0026】ケミカルエンボスにおいて一般に使用され
ているアルキル硫酸ナトリウム系の乳化剤によって重合
された塩化ビニル樹脂では抑制部の落ち込み角度が40
度以下であってもエンボスロールを通過させるとケミカ
ルエンボス凹部の周囲の発泡層が流れ方向によじれて凹
部へと被さってしまい、凹部の印刷模様が不鮮明になっ
てしまう。
【0027】このため、エンボスロールの押圧によって
も発泡層が凹部へ被さりにくい塩化ビニル樹脂を検討し
た結果、アルキルベンセンスルフォン酸ナトリウム系の
乳化剤を用いて重合された塩化ビニル樹脂を使用すると
よいことが判明した。この塩化ビニル樹脂の重合度は特
に限定されず、一般に使用されているものであればどの
ような重合度のものでも良く、通常は重合度500〜3
000の範囲のものが好ましく使用できる。また、アル
キルベンセンスルフォン酸ナトリウム系の乳化剤として
は、アルキル基の炭素数が8〜16の範囲ののもが好ま
しく使用出来、例えばドデシルベンゼンスルフォン酸ナ
トリウムが挙げられる。
【0028】本発明で用いる基材1は特に限定はされ
ず、例えば水酸化アルミニウム・水酸化マグネシウム等
の金属水和物等の難燃物質が添加された難燃紙・不燃紙
等の紙、天然繊維・化学繊維・ガラス繊維等の繊維から
なる織布又は不織布等が挙げられる。また、これらの基
材は重すぎると壁装・天井材の防火性能上問題があるた
め、好ましくは0.5mm以下とすることが良く、その
上に積層される塩化ビニル系樹脂層の厚みを考慮すると
0.05〜0.2mmとすることがとりわけ好ましい。
【0029】基材1への塩化ビニル系樹脂層の積層は、
基材1上に直接塩化ビニル系樹脂製ペーストを塗工し、
発泡温度以下の100〜170℃で加熱してゲル化して
塩化ビニル系樹脂層を積層するか、或いは離型紙などの
離型体に塩化ビニル系樹脂製ペーストを塗工し、ゲル化
させシート状に形成し、その塩化ビニル樹脂シートを離
型体から剥離して接着剤や熱や熱ラミネート法などによ
り基材1に積層する方法などによって行なわれる。
【0030】基材及び塩化ビニル系樹脂層の積層体は、
壁装材、天井材として使用する場合は防火性能によって
重量等の制限があり、例えばビニル壁紙の2級の防火性
能が要求される場合は400g/m以下の重量とする
ことが要求されるため、塩化ビニル系樹脂層の重量もそ
の範囲内になるように基材に積層する。難燃紙製の基材
の重量が70g/mの場合は塩化ビニル系樹脂層の重
量を330g/m以下とする。塩化ビニル系樹脂の比
重を1〜2とすると塩化ビニル系樹脂層は0.17〜
0.33mm以下の厚さとなる。塩化ビニル系樹脂層の
厚さや重量はこのような防火性能上で決定されるが、一
般的には0.1〜0.5mm程度の厚さで成形されるこ
とが多い。また、積層体の幅、長さとも特に制限はなう
が、一般的には800〜1500mmの幅の長尺状に成
形され、使用する場所によって長さを適宜裁断して使用
する。
【0031】塩化ビニル系樹脂層の発泡倍率はあまり低
くてもケミカルエンボスの凹凸段差がなくなり、高すぎ
ると塩化ビニル系樹脂発泡層3がへたったり、強度・弾
性力等がなくなるため、好ましくは1.5〜6倍の範囲
で発泡させるのが良い。本発明においては発泡抑制剤が
添加された塗料で形成された印刷模様2部分を残して塩
化ビニル系樹脂層を発泡させた後、これを赤外ヒーター
等で加熱して表面を軟化又は溶融させ、エンボスロール
にて凸模様部bの塩化ビニル系樹脂発泡層3に任意の凹
凸絞4模様を型押成形する。
【0032】エンボスロールは直径200〜1000m
m、幅1〜2mの金属製のロールに凹凸絞模様が形成さ
れたもので、この金属製エンボスロールとゴムロールと
の間に発泡後の塩化ビニル系樹脂層3と基材1とからな
る積層体を通過させることにより、塩化ビニル系樹脂発
泡層3の表面に凹凸絞模様4が付与される。エンボスロ
ールとゴムロールとの間は間隙を適宜とって型押しする
か又は間隙をとらずにエンボスロールとゴムロールとを
密着させて押圧して型押しする方法によってメカニカル
エンボスを行う。また、エンボスロールにて機械的に絞
模様4を形成した後或いは型押し前に、耐汚染性等を付
与するために公知の処理剤を1〜30μm程度の厚さで
塩化ビニル樹脂層の表面に塗工し、皮膜を形成すること
も可能である。
【0033】また、安定剤においても特に限定はされな
いが、通常塩化ビニル系樹脂の発泡用安定剤と使用され
ているものが特に好ましく、このような安定剤としては
例えばカルシウム−亜鉛系、バリウム−亜鉛系、カリウ
ム−亜鉛系、亜鉛−ナトリウム−カリウム−バリウム複
合安定剤、亜鉛−カルシウム−錫複合安定剤等の含亜鉛
安定剤が発泡剤との組み合わせによって好ましく使用で
き、更に発泡剤の分解温度や塩化ビニル系樹脂発泡体の
セルの大きさや強度等を調整するための化合物が安定剤
に混入されたものでも良いが、これらに限定されるもの
ではない。
【0034】次に本発明の実施例と比較例を更に具体的
に説明する。前記0017で説明した試験方法にて、発
泡抑制剤をDOPに混入し、溶解性を調べると共にDO
Pへの移行性を観た。DOPへの移行性は発泡抑制剤を
10重量%含有する塗料を作成し、塩化ビニル樹脂層の
表面に、この塗料で印刷し、乾燥させ24時間後の印刷
部分周囲の発泡抑制剤の有無をガスクロマトグラフィー
又は液体クロマトグラフィ−によって測定し、発泡抑制
剤が検出されたものを移行すると判断した。ただし、D
OPと溶解・相溶しない発泡抑制剤であっても、他の可
塑剤と溶解・相溶するものであれば本発明の発泡抑制剤
として使用することが出来るものである。
【0035】 (DOPと各種発泡抑制剤の溶解・相溶性試験の結果) 発泡抑制剤 溶解性 移行性 アジピン酸 溶解しない 移行しない フタル酸 溶解しない 移行しない 無水マレイン酸 溶解する 移行する 無水cisΔ4テトラヒドロフタル酸 溶解する 移行する 無水トリメット酸 溶解しない 移行しない 無水テトラクロロフタル酸 溶解しない 移行しない ベンゾトリアゾール 溶解する 移行する 2−ベンゾチアゾールチオール 溶解する 移行する 塩化テレフタロイル 溶解しない 移行しない アセチルアセトン(液状) 溶解(相溶)する 移行する
【0036】次に、下記に記載の配合(実施例)と配
合(比較例)により塩化ビニル樹脂ペーストを作製
し、これをペーストコーターによって難燃処理を施した
厚さ0.12mmの難燃紙からなる基材上に、それぞれ
厚さ0.16mmに塗工し、160℃に設定された加熱
炉で50秒間加熱し乾燥ゲル化させた。
【0037】
【表1】 (注1)乳化剤としてドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムを用いて重合 した塩化ビニル樹脂 (注2)乳化剤としてラウリル硫酸ナトリウムを用いて重合した塩化ビニル樹 脂
【0038】前記の配合及びから形成された塩化ビ
ニル樹脂層の表面に、下記の発泡抑制剤を10重量%混
合させた塗料で任意の模様をグラビア印刷した。24時
間放置後、210℃に設定した加熱炉で60秒間加熱
し、塩化ビニル樹脂層を発泡させケミカルエンボスの凹
凸模様を現出させた。 a.ベンゾトリアゾール b.無水トリメリット酸 c.無水マレイン酸 d.無水cisΔ4テトラヒドロフタル酸
【0039】次に、反射柄が彫刻されている金属製のエ
ンボスロールにて、発泡された凸模様部の塩化ビニル樹
脂層表面を遠赤外線ヒーターで加熱してから絞模様を型
押して、機械的な絞模様を形成した。それぞれの積層体
についての試験結果を下記に示す。
【0040】
【表2】 (注1):ケミカル凹部被り性はエンボスロールにて型押し後、ケミカルエ ンボス凹部印刷模様が周囲の発泡層によって被さらず、印刷模様が鮮明に残って いるものを○、被さってしまったものを×とした。
【0041】以上の結果より、可塑剤と親和性のある発
泡抑制剤を使用することにより、抑制部の落ち込み角度
tが40度以下のスロープ状となり、かつ、アルキルベ
ンゼンスルフォン酸ナトリウム系の乳化剤によって重合
された塩化ビニル樹脂層を用いたものは、アルキル硫酸
ナトリウム系の乳化剤によって重合された塩化ビニル樹
脂に比較して、図3のようにケミカルエンボスによる凹
部aの印刷模様2に周囲の発泡層bが変形cして被さっ
てしまうこともなく、図2に示すように凹部aの印刷模
様2が非常に鮮明で、型押し絞模様4も鮮明なものであ
った。
【0042】
【発明の効果】本発明の内装材は発泡抑制剤として可塑
剤と親和性のある物質を用いることにより、発泡抑制剤
が可塑剤中へ移行し、ケミカルエンボスの抑制部の落ち
込み角度が緩やかとなり、併せてアルキルベンゼンスル
フォン酸ナトリウム系の乳化剤を用いて重合された塩化
ビニル樹脂を使用することにより、エンボスロールの型
押し工程時に凸模様部の発泡層がケミカルエンボス凹部
に被さって凹部の印刷模様が失われてしまったり、凹部
と発泡層との境界部が不鮮明になることもなく、凹部の
印刷模様はより一層鮮明な状態で保持され、得られる内
装材はケミカルエンボスによる凹部の鮮明な印刷模様と
凸模様部の発泡層のメカニカルエンボスによる絞意匠と
を兼ね備えた従来にない新規な模様を有するものとな
る。
【0043】また、発泡抑制剤としてベンゾトリアゾー
ルを用いた場合は、他の発泡抑制剤と比較して発泡抑制
効果が大きいので、その塗布部のケミカルエンボス凹部
はほとんど発泡せず印刷模様が鮮明に残り、且つ可塑剤
へ適度に移行するため、ケミカルエンボスの抑制部の落
ち込み角度が緩やかになり、得られる内装材は凹部の印
刷模様がより一層鮮明なものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 抑制部の落ち込み角度の説明図
【図2】 実施例の拡大断面図
【図3】 比較例の拡大断面図
【符号の説明】
1:基材、2:印刷模様、3:塩化ビニル樹脂発泡層、
a:発泡凹部、b:発泡凸部、4:絞模様、
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B32B 5/18 B32B 27/00 E 27/00 27/30 101 27/30 101 33/00 33/00 E04C 2/20 K E04C 2/20 B29C 67/22 // B29K 27:06 105:04 B29L 31:58 C08L 27:06 (56)参考文献 特開 昭60−135410(JP,A) 特開 昭63−33430(JP,A) 特開 昭52−69979(JP,A) 特開 昭56−25423(JP,A) 特開 昭59−145123(JP,A) 特開 昭63−210147(JP,A) 特開 平5−318612(JP,A) 特開 平1−110123(JP,A) 特公 昭61−20422(JP,B2) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C08J 9/00 - 9/42 B29C 44/00 B29C 59/00 B29C 59/04 B29D 7/00 B32B 5/18 B32B 27/00 B32B 27/30 101 B32B 33/00 E04C 2/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
    ム系の乳化剤により重合されかつ発泡剤及び可塑剤が添
    加された塩化ビニル系樹脂層の表面に、該可塑剤と親和
    性のある発泡抑制剤を含有する塗料で印刷模様を形成
    し、その後加熱発泡して該印刷模様と同調した凹凸模様
    とし、その表面にエンボスロールで凸模様部に絞模様を
    形成してなることを特徴とする内装材。
  2. 【請求項2】 発泡抑制剤がベンゾトリアゾールである
    ことを特徴とする請求項1に記載の内装材。
  3. 【請求項3】 アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウ
    ム系の乳化剤により重合された塩化ビニル系樹脂及び発
    泡剤、可塑剤を含有する塩化ビニル系樹脂ペーストを基
    材に塗工し、該ペーストを加熱によりゲル化させた後、
    その表面に、該可塑剤と親和性のある発泡抑制剤を含有
    する塗料で印刷模様を形成し、その後、該積層体を加熱
    発泡せしめて印刷模様と同調した凹凸模様を現出させ、
    しかる後、エンボスロールで該積層体の凸模様部に絞模
    様を形成することを特徴とする内装材の製造方法。
JP05430295A 1995-03-14 1995-03-14 内装材及びその製造方法 Expired - Lifetime JP3171425B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05430295A JP3171425B2 (ja) 1995-03-14 1995-03-14 内装材及びその製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP05430295A JP3171425B2 (ja) 1995-03-14 1995-03-14 内装材及びその製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08244060A JPH08244060A (ja) 1996-09-24
JP3171425B2 true JP3171425B2 (ja) 2001-05-28

Family

ID=12966785

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP05430295A Expired - Lifetime JP3171425B2 (ja) 1995-03-14 1995-03-14 内装材及びその製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3171425B2 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7014802B1 (en) 1997-02-20 2006-03-21 Mannington Mills, Of Delaware, Inc. Methods to make a surface covering having a natural appearance
US6114008A (en) * 1997-02-20 2000-09-05 Mannington Mills, Inc. Surface coverings having a natural appearance and methods to make a surface covering having a natural appearance
US6228463B1 (en) 1997-02-20 2001-05-08 Mannington Mills, Inc. Contrasting gloss surface coverings optionally containing dispersed wear-resistant particles and methods of making the same
US6613256B2 (en) 2001-02-20 2003-09-02 Awi Licensing Company Mechanical embossing texture differentiation between chemically restricted areas and non-restricted areas
US6866737B2 (en) 2001-09-18 2005-03-15 Awi Licensing Company Method for mechanically embossing a surface covering using a recyclable solidified slurry embossing tool
JP2006272804A (ja) * 2005-03-30 2006-10-12 Kaneka Corp ケミカルエンボス加工用塩化ビニル樹脂シートおよびそれを発泡させたケミカルエンボス加工塩化ビニル樹脂製品
BE1019895A3 (nl) * 2011-04-01 2013-02-05 Den Steen Consult Trade Bvba Van Werkwijze voor het vervaardigen van wandbekleding met relief in een continu proces.
JP6515623B2 (ja) * 2014-03-27 2019-05-22 大日本印刷株式会社 転写シート及び化粧材
EP3484701B1 (en) * 2016-07-18 2023-06-14 Beaulieu International Group NV Multi-layered sheets suitable as floor of wall covering exhibiting a three-dimensional relief and a decorative image
US11560715B2 (en) * 2018-05-17 2023-01-24 Nissan Motor Co., Ltd. Fiber-reinforced plastic panel material
JP7416401B2 (ja) * 2019-10-23 2024-01-17 株式会社ウェーブロック・アドバンスト・テクノロジー 表皮基材、発泡表皮基材、発泡表皮材、表皮基材の製造方法、発泡表皮基材の製造方法、発泡表皮材の製造方法、加飾成形体、および、加飾成形体の製造方法
CN111101691A (zh) * 2019-12-30 2020-05-05 成都富思特新材料有限公司 一种用于艺术涂料的滚筒制作方法

Also Published As

Publication number Publication date
JPH08244060A (ja) 1996-09-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4022943A (en) Sheet type covering material with metallic luster and process for making same
JP3171425B2 (ja) 内装材及びその製造方法
US4844849A (en) Method of making embossed decorative sheets
JPH0647875A (ja) 装飾シートおよびその製造方法
JP2009281112A (ja) 壁紙及びその製造方法
US4175154A (en) Sheet backing for decorative covering material
JPS61102251A (ja) 化粧積層品
US3574659A (en) Process of textured resinous sheet preparation
KR101735871B1 (ko) 가볍고 엠보무늬가 깊은 동조 엠보무늬 벽지의 제조방법 및 그 제조방법에 의해 제조된 벽지
JP2002096433A (ja) 壁 紙
JP2002067068A (ja) 化粧材の製造方法
EP1426120B1 (en) The use of collapsable microspheres to create texture in surface coverings
JP3988896B2 (ja) 壁装材シート
JPS6333430A (ja) エンボスシ−トの製造方法
JP3158959B2 (ja) 耐汚染性を有する壁紙の製造方法
JP7027703B2 (ja) 木目意匠壁紙
NO760486L (ja)
JP2000233461A (ja) 発泡シート
JP2018122575A (ja) パール意匠化粧用シート
JPH10175280A (ja) 化粧シート
JPH09123339A (ja) 吸放湿性を有する化粧材
JP3664183B2 (ja) 内装用化粧材
JP2952050B2 (ja) 装飾シ−トの製造方法
JPH0588177B2 (ja)
JP2018122574A (ja) グロスマット化粧用シート

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090323

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090323

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100323

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110323

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110323

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120323

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130323

Year of fee payment: 12

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

EXPY Cancellation because of completion of term