JP2009214315A - 発泡化粧材 - Google Patents

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Abstract

【課題】 本発明は、高倍率に発泡させた時の圧縮回復性に優れており、保存時の製品自体の自重、あるいは施工時ローラー押さえによるへこみあるいは施工後の置き跡による潰れに対して回復可能であり、かつエンボスによる意匠性が損なわれない発泡化粧材を提供することにある。
【解決手段】 少なくとも熱膨張性マイクロカプセル発泡剤は熱膨張性マイクロカプセル発泡剤aと熱膨張性マイクロカプセル発泡剤bの2種からなり、熱膨張性マイクロカプセル発泡剤aは、原粒の平均粒子径が5〜35μm、内包ガス量が10〜35%、最大発泡時のシェル膜厚が0.03〜0.10μmであり、熱膨張性マイクロカプセル発泡剤bは、原粒の平均粒子径が5〜35μm、内包ガス量が10〜35%、最大発泡時のシェル膜厚が0.10〜0.25μmであることを特徴とする発泡化粧材を提供する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、新規な発泡化粧材に関する。特に、高倍率に発泡させても優れた圧縮回復性を保ち、保存時の製品自体の自重、あるいは施工時ローラー押さえによるへこみあるいは施工後の置き跡による潰れに対して回復可能であり、かつエンボスによる意匠性が損なわれない発泡化粧材に関するものであり、建築物の内装材等として有用である。
従来、エチレン・ビニルエステル系共重合体含有水性エマルジョン、熱膨張性マイクロカプセル発泡剤及び無機フィラーからなる発泡化粧材用樹脂組成物が特許文献1に開示されている。
しかしながら、本発明者らが、上記公開公報に記載の技術を使用し、6.0〜8.0倍の高発泡倍率化粧材について検討したところ、圧縮回復性が十分ではないという問題が明らかになった。圧縮回復性とは、壁紙として使用した場合、保存時の壁紙製品自体の自重、あるいは施工時ローラー押さえによるへこみあるいは施工後の置き跡による潰れの回復性のことを表す。
特開2003−13396号公報
本発明は、従来の技術における上記のような問題点に着目してなされたもので、その課題とするところは、高倍率に発泡させた時の圧縮回復性に優れており、保存時の製品自体の自重、あるいは施工時ローラー押さえによるへこみあるいは施工後の置き跡による潰れに対して回復可能であり、かつエンボスによる意匠性が損なわれない発泡化粧材を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、少なくとも水性エマルジョン系樹脂、熱膨張性マイクロカプセル発泡剤、および、無機フィラーを含有する樹脂組成物より形成される発泡化粧材であって、該熱膨張性マイクロカプセル発泡剤は熱膨張性マイクロカプセル発泡剤aと熱膨張性マイクロカプセル発泡剤bの2種からなり、
熱膨張性マイクロカプセル発泡剤aは、原粒の平均粒子径が5〜35μm、内包ガス量が10〜35%、最大発泡時のシェル膜厚が0.03〜0.10μmであり、
熱膨張性マイクロカプセル発泡剤bは、原粒の平均粒子径が5〜35μm、内包ガス量が10〜35%、最大発泡時のシェル膜厚が0.10〜0.25μmである、
ことを特徴とする発泡化粧材である。
請求項2に記載の発明は、前記水性エマルジョン系樹脂が固形分で100重量部に対して、前記熱膨張性マイクロカプセル発泡剤aおよび前記熱膨張性マイクロカプセル発泡剤bとを合計で2〜30重量部、前記無機フィラーを20〜200重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の発泡化粧材である。
請求項3に記載の発明は、前記熱膨張性マイクロカプセル発泡剤aと前記熱膨張性マイクロカプセル発泡剤bとの含有比率a/bが8/2〜2/8であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の発泡化粧材である。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の発泡化粧材の表面にエンボス加工を施すことを特徴とする発泡化粧材である。
請求項1に記載の発明は、少なくとも水性エマルジョン系樹脂、熱膨張性マイクロカプセル発泡剤、および、無機フィラーを含有する樹脂組成物より形成される発泡化粧材であって、該熱膨張性マイクロカプセル発泡剤は熱膨張性マイクロカプセル発泡剤aと熱膨張性マイクロカプセル発泡剤bの2種からなり、
熱膨張性マイクロカプセル発泡剤aは、原粒の平均粒子径が5〜35μm、内包ガス量が10〜35%、最大発泡時のシェル膜厚が0.03〜0.10μmであり、
熱膨張性マイクロカプセル発泡剤bは、原粒の平均粒子径が5〜35μm、内包ガス量が10〜35%、最大発泡時のシェル膜厚が0.10〜0.25μmである、
ことを特徴とする発泡化粧材である。
請求項1の発明より、高倍率に発泡させた時の圧縮回復性に優れ、かつエンボスによる意匠性が損なわれない発泡化粧材を提供することが可能となる。熱膨張性マイクロカプセル発泡剤を使用した発泡化粧材の圧縮回復性、エンボス再現性は、発泡後の熱膨張性マイクロカプセル発泡剤のシェル膜厚に大きく左右される。シェル膜厚が厚いほどシェル内部に内包ガスを閉じ込めておく能力が高いために圧縮回復性が優れ、薄いほど内包ガスが抜けやすくなるために圧縮回復性が劣る傾向にある。また、シェル膜厚が厚いほどエンボス時の反発を受けやすいためにエンボス再現性が劣り、薄いほどエンボスが入りやすいためにエンボス再現性が優れる傾向にある。そのため、圧縮回復性とエンボス再現性の両方を同時に付与させることは困難であった。
そこで本発明者らが思考錯誤した結果、シェル膜厚の厚い熱膨張性マイクロカプセル発泡剤とシェル膜厚の薄い熱膨張性マイクロカプセル発泡剤を混合させることで、圧縮回復性とエンボス再現性の両方に優れた発泡化粧材を作製することに成功した。シェル膜厚の異なる2種の熱膨張性マイクロカプセル発泡剤を混合させることにより、シェル膜厚の厚い熱膨張性マイクロカプセル発泡剤が優れた圧縮回復性を付与し、シェル膜厚の薄い熱膨張性マイクロカプセル発泡剤が優れたエンボス再現性を付与させるためである。
請求項2に記載の発明は、前記水性エマルジョン系樹脂が固形分で100重量部に対して、前記熱膨張性マイクロカプセル発泡剤aおよび前記熱膨張性マイクロカプセル発泡剤bとを合計で2〜30重量部、前記無機フィラーを20〜200重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の発泡化粧材である。熱膨張性マイクロカプセル発泡剤aおよび熱膨張性マイクロカプセル発泡剤bとを合計で2〜30重量部、無機フィラーを20〜200重量部含有することにより、高発泡で、かつ強度等の性能に優れた発泡化粧材を提供することが可能となる。熱膨張性マイクロカプセル発泡剤a、bの合計が2重量部より少ない場合には発泡性が低下する傾向があり、30重量部より多い場合には機械的強度が低下する傾向にあることから好ましくない。また、無機フィラーが20重量部より少ない場合には難燃性が低下する傾向にあり、200重量部より多い場合には発泡性、機械的強度及び耐ひび割れ性が低下する傾向にあることから好ましくない。
請求項3に前記熱膨張性マイクロカプセル発泡剤aと前記熱膨張性マイクロカプセル発泡剤bとの含有比率a/bが8/2〜2/8であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の発泡化粧材である。熱膨張性マイクロカプセル発泡剤aと熱膨張性マイクロカプセル発泡剤bとの含有比率a/bが8/2〜2/8であることにより、高倍率に発泡させた時の圧縮回復性に優れ、かつエンボスによる意匠性が損なわれない発泡化粧材を提供することが可能となる。熱膨張性マイクロカプセル発泡剤aの比率がa/b=8/2を超えると圧縮回復性が低下する傾向にあるため好ましくなく、a/b=2/8より少ないとエンボス再現性が劣る傾向にあるため好ましくない。
請求項4に記載の発明は、請求項1から3のいずれかに記載の発泡化粧材の表面にエンボス加工を施すことを特徴とする発泡化粧材である。エンボス加工を施すことにより、凹凸模様を施し意匠性を付与させた発泡化粧材を提供することができる。
本発明の化粧材の一例について説明する。図1に本発明の発泡化粧材の層構成の一例について示す。本発明の発泡化粧材の一例を挙げると、図1に示す様に、支持体となる適宜の基材1の表面上に、熱膨張性マイクロカプセル発泡剤22、23及び無機フィラー24が水性エマルジョン系樹脂21中に混合分散された樹脂組成物からなる発泡樹脂層2を具備して構成されるものである。また、上記発泡樹脂層は必要に応じて2層以上の多層から構成されていてもよい。
基材1は、本発明の化粧材の基材となるものであって、材質は特に限定されず、例えば紙、織布、不織布等、透湿性で好ましくは可撓性のシート状態であれば何であっても良い。壁紙の場合には、いわゆる壁紙用裏打紙を好適に使用することができる。
発泡樹脂層2は、前記基材1上に設けられ、水性エマルジョン系樹脂21中に熱膨張性マイクロカプセル発泡剤22、23及び無機フィラー24が混合分散されて構成されるものである。必要に応じて、着色剤、分散剤、ブロッキング防止剤、消泡剤、増粘剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、艶消剤、滑剤、減摩剤、帯電防止剤、抗菌剤、防黴剤等の種々の添加剤を加えてもよい。
また、発泡樹脂層は必要に応じて2層以上の多層構成でもよく、このとき、層によって樹脂組成物の配合を変更してもよい。
水性エマルジョン系樹脂21には、熱可塑性合成樹脂であるものを使用することが望ましい。熱可塑性合成樹脂として具体的には、例えば、酢酸ビニル系樹脂、エチレン−ビニルエステル系共重合体、アクリル系樹脂、エチレン−(メタ)アクリル酸エステル系共重合体、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂、エポキシ系樹脂、シリコーン系樹脂、ポリブテン系樹脂、ポリブタジエン系樹脂、スチレン−ブタジエン系共重合体等を挙げることができ、これらの2種以上の共重合体又は混合物を有効成分として含有していてもよい。
熱膨張性マイクロカプセル発泡剤22及び23に使用される重合性モノマーとしては、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、α−クロルアクリロニトリル、α−エトキシアクリロニトリル、フマロニトリル、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、及びメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、β―カルボキシエチルアクリレートなどの(メタ)アクリル酸エステル、スチレン、α−メチルスチレン、クロロスチレンなど、スチレン系モノマー、アクリルアミド、置換アクリルアミド、メタクリルアミド、置換メタクリルアミド、ブタジエン等が挙げられる。これらの重合性モノマーは単独で、あるいは2種類以上を組み合わせて使用することができる。その組み合わせとしては、ポリマーの軟化温度、耐熱性、耐薬品性等、あらゆる用途に応じて選択することができる。例えば、塩化ビニリデンを含む共重合体、及びニトリル系モノマーを含む共重合体はガスバリヤー性に優れ、また特許第2131557号にも示されているように、ニトリル系モノマーを80重量%以上含む共重合体では耐熱性、耐薬品性に優れている。
必要に応じて、架橋剤を添加することも可能である。例えば、ジビニルベンゼン、ジメタクリル酸エチレングリコール、ジメタクリル酸トリエチレングリコール、トリアクリルホルマール、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、メタクリル酸アリル、ジメタクリル酸1,3−ブチルグリコール、トリアリルイソシアネート等があげられるが、これらに限定されるものではない。
熱膨張性マイクロカプセル発泡剤のシェル(発泡剤の外壁)は上記成分に適宜重合開始剤を配合することにより、調整される。重合開始剤としては過酸化物やアゾ化合物等、公知の重合開始剤を用いることができる。例えば、アゾビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキサイド、2,2´−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等があげられるが、これらに限定されるものではない。好適には、使用する重合性モノマーに可溶な油溶性の重合開始剤が使用される。
熱膨張性マイクロカプセル発泡剤に包含される内包ガスはシェルの軟化点以下でガス状になる物質であり、公知の物が使用される。例えば、プロパン、プロピレン、ブテン、ノルマルブタン、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、ノルマルペンタン、シクロペンタン、ヘキサン、ヘプタン、石油エーテル、オクタン、イソオクタン、デカン等の低沸点液体が挙げられる。好適には、イソブタン、ノルマルブタン、ノルマルペンタン、イソペンタン、シクロペンタン、石油エーテル等の低沸点液体を単独、もしくは2種類以上を混合して使用される。
本発明に使用する熱膨張性マイクロカプセル発泡剤は、原粒の平均粒子径が5〜35μm、内包ガス量が10〜35%、最大発泡時のシェル膜厚が0.03〜0.10μmの熱膨張性中空球体である熱膨張性マイクロカプセル発泡剤a22と、原粒の平均粒子径が5〜35μm、内包ガス量が10〜35%、最大発泡時のシェル膜厚が0.10〜0.25μmの熱膨張性中空球体である熱膨張性マイクロカプセル発泡剤b23とを混合して用いる。
発泡剤の原粒の平均粒子径が5μm未満のものは発泡後のシェル層の厚みが薄くなり圧縮回復性が劣る傾向があり好ましくない。平均粒子径35μm以上のものは発泡化粧材の表面性が劣る傾向になるので好ましくない。また、内包ガス量が10%未満であると発泡剤の発泡倍率が小さくなる傾向およびエンボス不良になる傾向なので好ましくなく、35%以上であると発泡剤が膨張しすぎて発泡後のシェル層が薄くなり圧縮回復性が低下する方向なので好ましくない。
また発泡した時のシェル膜厚が0.03μm以下のものは壁紙の圧縮回復性が低下する傾向になり好ましくなく、発泡した時のシェル膜厚が0.25μm以上のものは壁紙のエンボスによる意匠性が劣る傾向なので好ましくない。最大発泡時のシェル膜厚が0.03〜0.10μmの熱膨張性中空球体である熱膨張性マイクロカプセル発泡剤aと最大発泡時のシェル膜厚が0.10〜0.25μmの熱膨張性中空球体である熱膨張性マイクロカプセル発泡剤bとを混合して用いることにより、高倍率に発泡させた時の圧縮回復性に優れ、かつエンボスによる意匠性が損なわれない発泡化粧材を提供することが可能となる。熱膨張性マイクロカプセル発泡剤を使用した発泡化粧材の圧縮回復性、エンボス再現性は、発泡後の熱膨張性マイクロカプセル発泡剤のシェル膜厚に大きく左右される。シェル膜厚が厚いほどシェル内部に内包ガスを閉じ込めておく能力が高いために圧縮回復性が優れ、薄いほど内包ガスが抜けやすくなるために圧縮回復性が劣る傾向にある。また、シェル膜厚が厚いほどエンボス時の反発を受けやすいためにエンボス再現性が劣り、薄いほどエンボスが入りやすいためにエンボス再現性が優れる傾向にある。そのため、圧縮回復性とエンボス再現性の両方を同時に付与させることは困難であった。
そこで本発明者らが思考錯誤した結果、シェル膜厚の厚い熱膨張性マイクロカプセル発泡剤とシェル膜厚の薄い熱膨張性マイクロカプセル発泡剤を混合させることで、圧縮回復性とエンボス再現性の両方に優れた発泡化粧材を作製することに成功した。シェル膜厚の異なる2種の熱膨張性マイクロカプセル発泡剤を混合させることにより、シェル膜厚の厚い熱膨張性マイクロカプセル発泡剤が優れた圧縮回復性を付与し、シェル膜厚の薄い熱膨張性マイクロカプセル発泡剤が優れたエンボス再現性を付与させるためである。
ここで、原粒とは発泡前の熱膨張性マイクロカプセル発泡剤のことを意味し、この原粒の平均粒子径は日機装製マイクロトラック粒度分析計で測定できる。また、この原粒の内包ガス量の測定は、発泡剤に有機溶剤を添加し球体外壁を膨潤させ高温で破壊しこの揮発成分から水分を差し引いたものを内包量(%)とする。
また最大発泡時のシェル膜厚とは水性エマルジョン(A)のうち特に熱流動中点が130℃〜150℃でトルエン不溶分が15%以下のエチレン酢酸ビニル共重合体含有水性エマルジョンで、かつ該共重合体中におけるエチレン含有量が15〜20%である水性エマルジョン(A´)を用いて測定する。測定方法としては水性エマルジョン(A´)と炭酸カルシウムと熱膨張性中空球体をドライ比で水性エマルジョン(A´):炭酸カルシウム:熱膨張性マイクロカプセル発泡剤=100:80:10に配合し、所定の発泡条件である180℃×30秒で発泡させた時を最大発泡とする。最大発泡時のシェル層は発泡前の原粒のシェルの膜厚から最大発泡時の発泡倍率でシェル層膜厚を以下に示すように数学的に算出した。なお、原粒のシェル膜厚は原粒の断面をレーザー顕微鏡で観察しシェル膜厚を測定した。
(シェル膜厚の算出方法)
まず、発泡後の熱膨張性マイクロカプセル発泡剤粒子の比重dを求める。
=(熱膨張性マイクロカプセル発泡剤を添加した発泡化粧材の発泡後の重量−熱膨張性マイクロカプセル発泡剤を添加していない発泡化粧材の重量)/(熱膨張性マイクロカプセル発泡剤を添加した発泡化粧材の発泡後の体積−熱膨張性マイクロカプセル発泡剤を添加していない発泡化粧材の体積)によって算出される。
次に、発泡後の粒子の半径r、体積V及び重量Wを求める。
=r×(d/d(1/3)によって算出される。
ここで、rは発泡前の粒子の半径、dは発泡前の粒子の比重である。
=4/3×π×r によって算出される。
=d×Vによって算出される。
そして、発泡後のシェルの重量W、体積Vを求める。
=W−W×Y/100によって算出される。
ここで、Yは内包量(%)である。
=W/dによって算出される。
ここで、dはシェルの比重である。
さらに、発泡後の粒子内の内包ガス充填部の半径rをもとめる。
=(r −3×V/4π)(1/3)によって算出される。
そして、発泡後のシェルの半径、つまりシェル膜厚rを求める。
=r−r=r×(d/d(1/3)−(r −3×V/4π)(1/3)によって算出される。
以上がシェル膜厚の算出方法である。
本発明の組成物における熱膨張性マイクロカプセル発泡剤a、bの合計の含有量としては、通常、水性エマルジョン系樹脂100重量部(固形分)あたり2〜30重量部、好ましくは5〜15重量部である。熱膨張性マイクロカプセル発泡剤が2重量部より少ない場合には発泡性が不足する傾向があり、30重量部より多い場合には機械的強度が低下する傾向にあることから好ましくない。
熱膨張性マイクロカプセル発泡剤a、bの含有量の比率としては、熱膨張性マイクロカプセル発泡剤a/熱膨張性マイクロカプセル発泡剤b=8/2〜2/8、好ましくは6/4〜4/6である。熱膨張性マイクロカプセル発泡剤aの比率がa/b=8/2を超えると圧縮回復性が低下する傾向にあり好ましくなく、a/b=2/8より少ないとエンボスによる意匠性が劣る傾向なので好ましくない。
無機フィラー24としては、例えば水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化第一鉄、塩基性炭酸亜鉛、塩基性炭酸鉛、珪砂、クレー、タルク、シリカ類、二酸化チタン、珪酸マグネシウム等が挙げられる。中でも、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムが好適である。
樹脂組成物における無機フィラー24の含有量としては、通常、水性エマルジョン系樹脂100重量部(固形分)あたり20〜200重量部、好ましくは50〜150重量部である。20重量部以下の場合には、難燃性が低下する傾向にあり、200重量部以上の場合には発泡性、機械的強度および耐ひび割れ性に劣る傾向にあることから好ましくない。
以下、本発明の化粧材製造方法の一例について説明する。
まず、発泡樹脂層2を構成する樹脂組成物を配合する。このとき、熱膨張性マイクロカプセル発泡剤22、23の合計の含有量としては、水性エマルジョン系樹脂100重量部(固形分)あたり2〜30重量部であることが好ましい。
次に、配合した樹脂組成物を基材1上に塗工し、発泡樹脂層21を形成する。樹脂組成物の塗工方法としては、例えばナイフコート法、ノズルコート法、ダイコート法、リップコート法、コンマコート法、グラビアコート法、ロータリースクリーンコート法、リバースロールコート法等の塗工方法を挙げられる。
発泡樹脂層2を構成する層は、2層以上の多層から構成される場合、下層から上層へ向かって1層ずつ順次塗工形成しても良いし、多層塗工装置を用いて全層を同時に塗工形成しても良い。前者の場合には、より下側の層を乾燥固化した後により上側の層を塗工形成しても良いが、より下側の層を乾燥させずに湿潤状態においてより上側の層を塗工形成すると、各層間が相溶して層間密着性に優れる。
発泡樹脂層2を構成する各層の厚さは特に限定されず、目的とする用途や要求特性に応じて適宜決定すればよい。例えば、壁紙として使用する場合、発泡樹脂層2の乾燥後の塗布量は50〜300g/m、更に好ましくは100〜250g/m程度とすることが好ましい。
次に、基材1上に塗工した発泡樹脂層2の乾燥を行う。発泡性樹脂組成物の塗布後の乾燥方法としては、例えば熱風乾燥法、赤外線照射乾燥法、真空乾燥法等の、従来公知の各種の乾燥方法から選ばれる1種の単独又は2種以上を組み合わせた方法を用いることができる。
乾燥温度は、発泡性樹脂組成物の発泡開始温度を越えない範囲であることが必要である。特に、発泡樹脂組成物が水性エマルジョン系樹脂を主成分とする場合には、水の沸点を越えない90〜95℃の範囲であることが最も好ましい。このとき、発泡樹脂層2はゲル状となることもある。
次に、必要に応じて発泡樹脂層2に絵柄模様3を印刷する。発泡樹脂層2の表面に水性インキを使用して、例えばグラビア印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法等にて適宜の絵柄模様3を印刷形成してもよい。
発泡樹脂層2の発泡のための加熱方法としては、熱風加熱法又は赤外線加熱法、若しくはその併用などを用いることができる。加熱温度や加熱時間は、発泡樹脂層2を構成する樹脂組成物の主体となる水性エマルジョン系樹脂の溶融粘度特性と、樹脂組成物に添加された発泡剤の発泡温度特性とによって決定される。例えば、水性エマルジョン系樹脂に熱膨張性マイクロカプセル発泡剤を添加した樹脂組成物を使用する場合の一般的な条件は、加熱温度140〜200℃、加熱時間20〜80秒の範囲である。
また、発泡樹脂層2の表面に凹凸模様4を形成してもよい。形成法としては、加熱発泡後、発泡した発泡樹脂層2の表面にエンボス版を押圧するメカニカルエンボス法が挙げられる。
以下に本発明の実施例を具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<実施例1〜3>
熱膨張性マイクロカプセル発泡剤の平均粒子径、原粒のシェル膜厚、内包ガス量、最大発泡倍率および最大発泡時のシェル膜厚を表1に示す。
Figure 2009214315
坪量100g/mの一般紙基材上に、下記表2の実施例で示される樹脂組成物を、目付量(乾燥後の塗布量)150g/mに塗工して、発泡樹脂層2を形成した。続いて、乾燥炉にて乾燥温度を90℃、時間1分にて乾燥を行った。さらに、この発泡樹脂層2上に水性インキを用いてグラビア印刷にて絵柄模様3を印刷した。最後に、発泡炉にて加熱温度を180℃、時間30秒にて発泡し、メカニカルエンボス法にてエンボスを行い、凹凸模様4を形成した。以上より発泡化粧材を得ることが出来た。
<比較例1〜4>
樹脂組成物を表2に記載の通り変更して実施例と同様に比較例1〜4の発泡化粧材を作製した。
実施例1〜3及び比較例1〜4で得られた発泡化粧材について、後記する方法で発泡倍率、圧縮回復性、エンボス性について評価した。その結果を表2に示す。
(発泡倍率)
発泡前の乾燥発泡樹脂層の厚さ(a)を測定し、これを初期値とした。次に、発泡炉にて発泡した後の発泡化粧材の発泡樹脂層厚さ(b)を測定し、(b)/(a)を発泡倍率として算出した。
(圧縮回復率)
作製した発泡化粧材を2cm×2cmの大きさに裁断し、圧縮前の試験片の厚み(c)を測定し、これを初期値とした。次に、1000gの分銅を試験片の上に乗せ250g/cmの圧力で圧縮した。24時間放置した後、分銅を除いて解圧し、さらに24時間放置した後、試験片の厚み(d)を測定し、(d)×100/(c)を圧縮回復率として算出した。
(エンボス性)
作製した発泡化粧材に対してメカニカルエンボスを実施し、エンボス版の版柄の再現性が特に良好なものを○、良好なものを△、エンボス版の再現性不良のものを×として評価した。
本発明の発泡化粧材の樹脂組成及び評価結果を表2に示す。
Figure 2009214315
以上詳細に説明した様に、本発明の発泡化粧材は、高倍率に発泡させても優れた圧縮回復性を保ち、保存時の製品自体の自重、あるいは施工時ローラー押さえによるへこみあるいは施工後の置き跡による潰れに対して回復可能であり、かつエンボスによる意匠性が損なわれない発泡化粧材に関するものであり、建築物の内装材等として有用である。
本発明の化粧材の実施の形態を示す模式断面図である。
符号の説明
1 基材
2 発泡樹脂層
21 水性エマルジョン系樹脂
22 熱膨張性マイクロカプセル発泡剤a
23 熱膨張性マイクロカプセル発泡剤b
24 無機フィラー
3 絵柄印刷層
4 エンボス凹凸模様

Claims (4)

  1. 少なくとも水性エマルジョン系樹脂、熱膨張性マイクロカプセル発泡剤、および、無機フィラーを含有する樹脂組成物より形成される発泡化粧材であって、該熱膨張性マイクロカプセル発泡剤は熱膨張性マイクロカプセル発泡剤aと熱膨張性マイクロカプセル発泡剤bの2種からなり、
    熱膨張性マイクロカプセル発泡剤aは、原粒の平均粒子径が5〜35μm、内包ガス量が10〜35%、最大発泡時のシェル膜厚が0.03〜0.10μmであり、
    熱膨張性マイクロカプセル発泡剤bは、原粒の平均粒子径が5〜35μm、内包ガス量が10〜35%、最大発泡時のシェル膜厚が0.10〜0.25μmである、
    ことを特徴とする発泡化粧材。
  2. 前記水性エマルジョン系樹脂が固形分で100重量部に対して、前記熱膨張性マイクロカプセル発泡剤aおよび前記熱膨張性マイクロカプセル発泡剤bとを合計で2〜30重量部、前記無機フィラーを20〜200重量部含有することを特徴とする請求項1に記載の発泡化粧材。
  3. 前記熱膨張性マイクロカプセル発泡剤aと前記熱膨張性マイクロカプセル発泡剤bとの含有比率a/bが8/2〜2/8であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の発泡化粧材。
  4. 請求項1から3のいずれかに記載の発泡化粧材の表面にエンボス加工を施すことを特徴とする発泡化粧材。
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