JPH09175468A - 自転車用ハンガー部 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】使用中に振動や衝撃を受けてもハンガーワンが
緩むことがなく、ハンガーシャフトががたつくことな
く、小さなトルクでスムーズに回転する自転車用ハンガ
ー部を提供する。 【解決手段】ハンガーラック１の両端開口に螺着された
左右のハンガーワン２，３の中心孔にハンガーシャフト
４が挿通され、ハンガーワンの内周面とハンガーシャフ
トの外周面で形成された空間にベアリング球５が介装さ
れた自転車用ハンガー部において、ハンガーラックの周
面にねじ孔１１を形成し、このねじ孔に螺着された緩み
止ねじ７の先端を左右のハンガーワンの外周面に圧接さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、両端に自転車のクラン
クが取り付けられたハンガーシャフトを回転可能に保持
するハンガー部に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】かかる自転車用ハンガー部は、フレーム
用パイプが溶接される円筒状のハンガーラックの両端開
口に左右のハンガーワンが螺着され、ハンガーワンの中
心孔にハンガーシャフトが挿通される。そして、ハンガ
ーワンの内周面に形成された円弧部とハンガーシャフト
の外周面に形成された円弧部で構成される空間にベアリ
ング球を介装してベアリングを構成し、このベアリング
でハンガーシャフトを回転可能に保持する。

【０００３】ここで、一方のハンガーワンの端部には鍔
部を形成し、まず、このハンガーワンをハンガーラック
の一方の開口部に螺着し、鍔部をハンガーラックの端縁
に当接させる。次に、他方のハンガーワンをハンガーラ
ックの他方の開口部に螺着するが、ハンガーシャフトが
がたつくことなく、小さなトルクでスムーズに回転する
ために、ハンガーワンの内周面に形成された円弧部とハ
ンガーシャフトの外周面に形成された円弧部で構成され
る空間とベアリング球の隙間を調整しながら所定位置ま
でねじ込み、更に、ハンガーラックから突出した部分の
ハンガーラックにロックリングナットをねじ込んで固定
している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このように、一方のハ
ンガーワンは、その鍔部をハンガーラックの端縁に当接
させることにより緩まないようにし、他方のハンガーワ
ンはロックリングナットをねじ込んで緩まないようにし
ているが、使用中に振動や衝撃を受けるので、実際に
は、これらのハンガーワンが緩むことがある。ハンガー
ワンが緩むと、ハンガーワンの内周面に形成された円弧
部とハンガーシャフトの外周面に形成された円弧部で構
成される空間が広がり、この空間とベアリング球の隙間
が大きくなるので、ハンガーシャフトががたつき、スム
ーズに回転しなくなる。

【０００５】そこで本発明は、使用中に振動や衝撃を受
けてもハンガーワンが緩むことがなく、ハンガーシャフ
トががたつくことなく、小さなトルクでスムーズに回転
する自転車用ハンガー部を提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は、円筒状のハンガーラックの両端開口に
螺着された左右のハンガーワンの中心孔にハンガーシャ
フトが挿通され、ハンガーワンの内周面とハンガーシャ
フトの外周面で形成された空間にベアリング球が介装さ
れた自転車用ハンガー部において、ハンガーラックの周
面にねじ孔を形成し、このねじ孔に螺着された緩み止ね
じの先端を左右のハンガーワンの外周面に圧接させる。

【０００７】

【実施例】以下に図面に示す実施例に基づいて本発明を
具体的に説明する。図１において、ハンガーラック１
は、両端に開口部を有する筒状体であり、その外周面に
図示略のフレーム用パイプが溶接される。そして、両端
の開口部の内面に内ねじ溝が形成されている。また、ハ
ンガーラック１の端部近傍の外周面には、２個のねじ孔
１１，１１が形成されている。

【０００８】ハンガーラック１の両端の開口部に右ハン
ガーワン２と左ハンガーワン３がそれぞれ螺着されてい
る。右ハンガーワン２には、前面が傾斜した鍔部２３が
形成されており、この鍔部２３がハンガーラック１の傾
斜した左側の端縁に当接している。また、左ハンガーワ
ン３のハンガーラック１から突出した部分には、ロック
リングナット６が螺着され、ロックリングナット６はハ
ンガーラック１の右側の端縁に当接している。

【０００９】右ハンガーワン２の中心孔２１と左ハンガ
ーワン３の中心孔３１には、両端に図示略のクランクが
取り付けられるハンガーシャフト４が挿通されている。
右ハンガーワン２と左ハンガーワン３の内面には、それ
ぞれ円弧部２２，３２が形成され、ハンガーシャフト４
の外周面にも円弧部４１，４１が形成されており、これ
らの円弧部で空間が形成されている。そして、この空間
にベアリング球５が介装されてベアリングを構成し、こ
のベアリングでハンガーシャフト４を回転可能に保持し
ている。

【００１０】ここで、ハンガーシャフト４がスムーズに
回転するために、左右のハンガーワン２，３の円弧部２
２，３２とハンガーシャフト４の円弧部４１，４１で形
成された空間とベアリング球５の隙間を正しく調整する
必要があるので、先ず、右ハンガーワン２をハンガーラ
ック１の右側開口に一杯にねじ込み、鍔部２３をハンガ
ーラック１の左側の端縁に当接させる。鍔部２３をハン
ガーラック１の端縁に当接させることにって右ハンガー
ワン２は緩みにくくなる。

【００１１】次に、ハンガーシャフト４とベアリング球
５をハンガーラック１内に装填してから、左ハンガーワ
ン３をハンガーラック１の左側開口に螺着するが、左ハ
ンガーワン３のねじ込み代を調整することによって左右
のハンガーワン２，３の円弧部２２，３２とハンガーシ
ャフト４の円弧部４１，４１で形成された空間とベアリ
ング球５の隙間を正しく調整する。左ハンガーワン３の
位置が定まると、左ハンガーワン３のハンガーラック１
から突出した部分には、ロックリングナット６を螺着し
てハンガーラック１の右側の端縁に当接させる。このロ
ックリングナット６によって左ハンガーワン３は緩みに
くくなる。

【００１２】そして、本発明においては、緩み止ねじ７
をねじ孔１１にねじ込んで緩み止ねじ７の先端を右ハン
ガーワン２と左ハンガーワン３の外周面にそれぞれ圧接
させる。これによって、右ハンガーワン２と左ハンガー
ワン３は完全にロックされ、振動や衝撃が加わっても、
右ハンガーワン２と左ハンガーワン３は緩むことがな
く、左右のハンガーワン２，３の円弧部２２，３２とハ
ンガーシャフト４の円弧部４１，４１で形成された空間
とベアリング球５の隙間は正しい寸法に維持されて、ハ
ンガーシャフト４がスムーズに回転する。

【００１３】

【発明の効果】以上説明したように、本発明の自転車用
ハンガー部は、ハンガーラックの周面にねじ孔を形成し
て、このねじ孔に緩み止ねじをねじ込み、緩み止ねじの
先端を左右のハンガーワンの外周面に圧接させるので、
使用中に振動や衝撃を受けてもハンガーワンが緩むこと
がなく、ハンガーシャフトががたつくことなく、小さな
トルクでスムーズに回転する自転車用ハンガー部とする
ことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明実施例の一部断面図である。

【符号の説明】

１ ハンガーラック １１ ねじ孔 ２ 右ハンガーワン ３ 左ハンガーワン ４ ハンガーシャフト ５ ベアリング球 ６ ロックリングナット ７ 緩み止ねじ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 円筒状のハンガーラックの両端開口に螺
   着された左右のハンガーワンの中心孔にハンガーシャフ
   トが挿通され、ハンガーワンの内周面とハンガーシャフ
   トの外周面で形成された空間にベアリング球が介装され
   た自転車用ハンガー部において、 前記ハンガーラックの周面にねじ孔が形成され、該ねじ
   孔に螺着された緩み止ねじの先端が左右のハンガーワン
   の外周面に圧接したことを特徴とする自転車用ハンガー
   部。