JP3097858U - リール固定用ダブルナットの弛み止め構造 - Google Patents

リール固定用ダブルナットの弛み止め構造 Download PDF

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Abstract

【課題】釣竿に装着されるリールを固定するためのダブルナットが弛むのを効果的に防止できるようにする。
【解決手段】釣竿1のリール保持部材2に装着されるリールRを固定するダブルナット3が弛むのを防止するため、ダブルナット3の第1ナット3aと第2ナット3bの対向面に凹溝6を設け、この凹溝6に、ゴム製または樹脂製等の弾性リング5を嵌め込むことにより、各ナット3a、3bを締め付け合った際、弾性リング5同士が圧接し合うようにする。
【選択図】    図2

Description

【0001】
【考案の属する技術分野】
本考案は、釣竿にリールを固定するためのダブルナットが弛むのを防止する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、釣竿のリール保持部材に装着されるリールをダブルナットで固定する際、ダブルナットが弛むのを防止する技術として、例えばダブルナットのネジの向きを異ならせるような技術(例えば、特許文献1参照)や、ダブルナットの間に滑り部材を介在させて、一方側のナットの回転力が他方側のナットに伝達されないようにする技術(例えば、特許文献2参照)や、ダブルナット間に環状のゴムワッシャーを介在させることにより、ナットのネジ部の摩擦力を高めると同時に、ナット同士間の摩擦力を高めるようにした技術(例えば、特許文献3参照)が知られている。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−346609号公報
【特許文献2】
特開2000−41540号公報
【特許文献3】
実用新案登録第3070686号公報
【0004】
【考案が解決しようとする課題】
ところが、ダブルナットのネジの向きを異ならせるような方法は、構造が複雑化するとともに操作が煩雑となるという問題があり、また、ダブルナットの間に滑り部材を介在させる方法は、ナットの共回り防止には一定の効果があるものの、ナットのネジ部の摩擦力をあまり高めることが出来ず、弛み防止に限界がある。また、ダブルナットの間に環状のゴムワッシャーを介在させる方法は、ナット同士を締め付け合う際に、圧接させるゴムワッシャーが変形して部分的に外部に飛び出したり、ゴムワッシャーがナットの圧接面から外れたりしてナット同士の摩擦力が低下するような不具合がある。
【0005】
そこで本考案は、簡易な構造でありながら、ダブルナットの弛み防止が効果的に図られるようにすることを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するため本考案は、釣竿のリール保持部材に装着されるリールを固定するダブルナットが弛むのを防止するようにした弛み止め構造において、前記ダブルナットのそれぞれのナットの対向面に、各ナットの締め付けによって圧接し合う弾性リングを埋め込むようにした。
【0007】
このように、各ナットの対向面に弾性リングを埋め込み、ナットの締め付けによって弾性リングが圧接し合うようにすれば、ダブルナット間に単に弾性リングを介装するような不具合、すなわち、弾性リングが変形して外部に飛び出したり、ナットの圧接面から外れたりするような不具合がなくなり、ナット同士間の摩擦力が低下することがない。
ここで、弾性リングとしては、ゴム製、樹脂製等のOリングが適用可能である。
【0008】
また本考案では、釣竿のリール保持部材に装着されるリールを固定するダブルナットが弛むのを防止するようにした弛み止め構造において、前記ダブルナットのそれぞれのナットの対向面に、中心側に向けて徐々に彫り込みが深くなる凹溝を形成し、また、各ナットの中間部のオネジ部に、弾性リングを介装するようにした。
【0009】
このように、ダブルナットのそれぞれのナットの対向面に、中心側に向けて徐々に彫り込みが深くなる凹溝を形成し、各ナットを締め付けた際、弾性リングが圧縮されるようにすれば、ナット間の摩擦抵抗を高めることが出来ると同時に、圧縮された弾性リングが外側にはみ出るような不具合を防止出来る。
また、弾性リングが圧縮された際、オネジ部に圧着されるようにしておけば、ナット間の摩擦抵抗のみならず、弾性リングとオネジ部との摩擦抵抗も高まって、ダブルナットの弛み止めに一層効果的である。
【0010】
また本発明では、前記ダブルナットのうち、リール保持部材側のナットの外側面に、ベアリングを埋め込むようにした。
そして、締め付け状態において、このベアリングをリール保持部材に当接させておくことにより、リール保持部材に振動や回転力が生じても、ベアリングの作用によりダブルナット側に伝達されず、ダブルナットが弛むような不具合を一層抑制出来る。
【0011】
【考案の実施の形態】
本考案のダブルナットの弛み止め構造の構成例について添付した図面に基づき説明する。
ここで図1は本考案の弛み止め構造の第1構成例を採用した釣竿の要部を示す部分図、図2は第1構成例によるリールの固定状態を示す部分断面図、図3は同ダブルナットの分解斜視図、図4は同ダブルナットの断面図、図5は弛み止め構造の第2構成例の説明図、図6は一方側のナットの外側面にベアリングを埋め込んだ第3構成例の説明図である。
【0012】
本考案に係るダブルナットの弛み止め構造は、釣竿のリール保持部材にリールを装着してダブルナットで固定した後、ダブルナットが弛むのを防止するための技術であり、釣竿を操作中に振動があった場合でも、誤ってダブルナットに手が触ってダブルナットに弛む方向に回転力が与えられた場合でも、リールがガタついたり不安定になったりするような不具合を生じないようにされている。
【0013】
まず、本弛み止め構造の第1構成例から説明すると、図1、図2に示すように、釣竿1には、リールRを保持するためのリール保持部材2と、このリール保持部材2を介してリールRを固定するためのダブルナット3が設けられており、前記リール保持部材2は、リールRの基端側の脚Raが挿し込み可能で且つ釣竿1側に固定される固定フード2aと、リールRの前方側の脚Rbが挿し込み可能で且つ軸方向に沿って前後動可能な可動フード2bを備えるとともに、前記ダブルナット3は、釣竿1のオネジ部4に螺合する第1ナット3aと第2ナット3bを備えている。
【0014】
そして、図2に示すように、リールRの前後の脚Ra、Rbを固定フード2aと可動フード2bの脚挿入部に挿し込んだ後、第1ナット3aを可動フード2b側に回転させてリールRを固定する位置までねじ込み、その後、第2ナット3bを回転させて第1ナット3aに圧接する位置までねじ込むと、今度は逆に第1ナット3aを第2ナット3b側に向けて回転させることで、ナット3a、3b同士を締め付け合って弛みをなくすのが一般的なダブルナットによる固定法である。
【0015】
この際、各ナット3a、3bのメネジとオネジ部4のネジ山、ネジ溝同士の遊びの間隔が少なくなって摩擦抵抗が増大するとともに、両方のナット3a、3bの圧接面部の摩擦抵抗も増大して各ナット3a、3bの弛み防止が図られるが、本考案の第1構成例では各ナット3a、3bの圧接面部に弾性リング5を埋め込むことにより、ナット3a、3b同士の摩擦抵抗を一層増大させるようにしている。
【0016】
すなわち、図3、図4に示すように、各ナット3a、3bの対向面には環状の凹溝6が形成されており、この環状の凹溝6にゴム製または樹脂製等の弾性リング5が嵌め込まれている。
そして、弾性リング5を嵌め込んだ状態で、弾性リング5の一部が、各ナット3a、3bの前面または後面から外部に突出するようにしている。
【0017】
以上のような弛み止め構造において、図2に示すように、リールRの前後の脚Ra、Rbを固定フード2aと可動フード2bの脚挿入部に挿し込み、第1ナット3aを可動フード2b側に回転させてリールRを固定する位置までねじ込む。次いで、第2ナット3bを回転させて第1ナット3aに圧接する位置までねじ込んだ後、第1ナット3aを逆に回して第2ナット3b側に向けて締付けることで、ナット3a、3b間の弛みをなくす。この際、各ナット3a、3bとオネジ部4のネジ山、ネジ溝の遊びが少なくなって摩擦抵抗が増大するとともに、弾性リング5同士が圧接し合ってナット3a、3b同士の摩擦抵抗も増大し、各ナット3a、3bが単独で弛むような不具合が抑制される。
また、弾性リング5が変形しても、ナット3a、3bの圧接面から外れて外側に飛び出たりするような不具合はない。
【0018】
次に、図5に基づいて、本考案の第2構成例の弛み止め構造について説明する。
この構成例は、ダブルナット3の各ナット3a、3bの対向面に、中心側に向けてテーパ状に彫り込みが深くなる凹溝6tを形成するとともに、各ナット3a、3bの中間部のオネジ部4に、弾性リング7を介在させるようにしたものである。そして、図5(b)に示すように、各ナット3a、3bを締め付け合った際、弾性リング7が圧縮力を受けると同時に、オネジ部4に圧着するようにしており、各ナット3a、3b間の摩擦抵抗のみならず、弾性リング7とオネジ部4との間の摩擦力も高まるようにしている。
また、各ナット3a、3bの圧接面は中心側に向けてテーパ状に傾斜しているため、弾性リング7が外側にはみ出るような不具合はなく、中心側のオネジ部4側に向けて圧接されるため、弾性リング7とオネジ部4との間の摩擦力を高めるのに好都合である。
【0019】
ところで、図6は、ダブルナット3のうち、可動フード2b側の第1ナット3aの外側面にベアリング8を埋め込むようにした第3構成例の説明図である。
そして、このベアリング8をリール保持部材2の可動フード2bの前面に当接させることにより、可動フード2bの振動や回転力がダブルナット3に伝わりにくくなるものである。
尚、図6(a)は第1構成例の第1ナット3aの外側面にベアリング8を埋め込み、図6(b)は第2構成例の第1ナット3aの外側面にベアリング8を埋め込んだものである。
【0020】
以上のような弛み止め構造において、リール操作中等に可動フード2bが振動したり、弛む方向に回転力が与えられた場合でも、ベアリング8の作用によりダブルナット3に回転力が伝達されず、リールRが弛んだりガタついたりするような不具合がない。
【0021】
尚、本考案は以上のような実施形態に限定されるものではない。本考案の実用新案登録請求の範囲に記載した事項と実質的に同一の構成を有し、同一の作用効果を奏するものは本考案の技術的範囲に属する。
【0022】
【考案の効果】
以上のように本考案に係るダブルナットの弛み止め構造は、ダブルナットでリール保持部材を固定するようにした弛み止め構造において、ダブルナットのそれぞれのナットの対向面に、各ナットの締め付けによって圧接し合う弾性リングを埋め込むようにしたため、ナット同士間の摩擦抵抗が増大して弛み防止に効果的であり、また弾性リングが外部に飛び出すような不具合を防止出来る。
また、ダブルナットのそれぞれのナットの対向面に、中心側に向けて徐々に彫り込みが深くなる凹溝を形成し、各ナットの中間部のオネジ部に弾性リングを介装するようにすれば、各ナットを締め付けた際、弾性リングの介在によってナット間の摩擦抵抗が高まると同時に、圧縮された弾性リングが外側にはみ出るような不具合を防止出来、しかも、弾性リングが圧縮された際、オネジ部に圧着されるようにしておけば、ナット間の摩擦抵抗のみならず、弾性リングとオネジ部との摩擦抵抗も高まって、ダブルナットの弛み止めに一層効果的である。
そして、ダブルナットのうち、リール保持部材側のナットの外側面に、ベアリングを埋め込むようにすれば、リール保持部材に振動や回転力が生じてもベアリングの作用によりダブルナット側に伝達されず、ダブルナットが弛むような不具合を一層抑制出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の弛み止め構造の第1構成例を採用した釣竿の要部を示す部分図
【図2】第1構成例によるリールの固定状態を示す部分断面図
【図3】同ダブルナットの分解斜視図
【図4】同ダブルナットの断面図
【図5】弛み止め構造の第2構成例で、(a)は締め付け前の説明図、(b)は締め付け状態の説明図
【図6】第1ナットの外側面にベアリングを埋め込んだ第3構成例の説明図で、(a)は第1構成例に適用したもの、(b)は第2構成例に適用したもの
【符号の説明】
2…リール保持部材、2a…固定フード、2b…可動フード、3…ダブルナット、3a…第1ナット、3b…第2ナット、4…オネジ部、5…弾性リング、6…凹溝、6t…テーパ状の凹溝、7…弾性リング、8…ベアリング。

Claims (3)

  1. 釣竿のリール保持部材に装着されるリールを固定するダブルナットが弛むのを防止するようにした弛み止め構造であって、前記ダブルナットのそれぞれのナットの対向面には、各ナットの締め付けによって圧接し合う弾性リングが埋め込まれていることを特徴とするリール固定用ダブルナットの弛み止め構造。
  2. 釣竿のリール保持部材に装着されるリールを固定するダブルナットが弛むのを防止するようにした弛み止め構造であって、前記ダブルナットのそれぞれのナットの対向面には、中心側に向けて徐々に彫り込みが深くなる凹溝が形成され、また、各ナットの中間部のオネジ部には、弾性リングが介装されることを特徴とするリール固定用ダブルナットの弛み止め構造。
  3. 前記ダブルナットのうち、リール保持部材側のナットの外側面には、ベアリングが埋め込まれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリール固定用ダブルナットの弛み止め構造。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017175927A (ja) * 2016-03-28 2017-10-05 グローブライド株式会社 リールシート及び当該リールシートを備える釣竿

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