JPH09174678A - 磁気記録媒体用熱可塑性樹脂フィルム - Google Patents

磁気記録媒体用熱可塑性樹脂フィルム

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JPH09174678A
JPH09174678A JP7350473A JP35047395A JPH09174678A JP H09174678 A JPH09174678 A JP H09174678A JP 7350473 A JP7350473 A JP 7350473A JP 35047395 A JP35047395 A JP 35047395A JP H09174678 A JPH09174678 A JP H09174678A
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JP
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film
thermoplastic resin
resin film
voronoi
recording medium
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JP7350473A
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English (en)
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Kazushi Tamada
一志 玉田
Kazuyoshi Fukada
一吉 深田
Sunao Harada
直 原田
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Original Assignee
Toray Industries Inc
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Publication date
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  • Magnetic Record Carriers (AREA)
  • Coating Of Shaped Articles Made Of Macromolecular Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 電磁変換特性、無欠点性、平滑性、耐ヘッド
偏摩耗性に優れた、基体フィルムを提供すること、加え
て、磁気テープ用途などに好適な基体フィルムを提供す
る。 【解決手段】 基体となる熱可塑性樹脂フィルムの表面
の突起についてボロノイ分割を行い、そのボロノイ多角
形の面積の平均値をXbar 、標準偏差をσとしたときの
相対標準偏差(σ/Xbar )で規定されるボロノイ係数
の値が1以下であることを特徴とする磁気記録媒体用熱
可塑性樹脂フィルム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体用熱
可塑性樹脂フィルムに関する。さらに詳しくは無欠点
性、表面突起の分散性に優れた磁気記録媒体用熱可塑性
樹脂フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、磁気記録層として磁性層を塗布し
た、あるいは強磁性金属薄膜を用いた8mmビデオテー
プ、さらには6.35mm幅のテープを用いたデジタル
型ビデオテープなどの記録媒体が普及し、高密度記録媒
体としてコンピュータデータの記録用途等への展開も急
速に進んでいる。
【0003】このうち強磁性金属薄膜を用いた記録媒体
は一般にME型と呼称され、基体フィルム上に磁気記録
層としてCo−Ni等の合金を非常に薄く蒸着した高性
能記録媒体の代名詞となっている。このME型記録媒体
の表面形状はその蒸着層の薄さゆえに基体となるベース
フィルムの表面形状をダイレクトに反映する。このこと
は記録媒体の電気的、機械的特性に基体フィルムが及ぼ
す影響が大であることを意味し、基体の表面形状設計が
非常に重要なポイントとなる。
【0004】これまではこの表面形状設計の着眼点とし
て例えば表面粗さを規定したもの、個々の突起の高
さや密度あるいはその分布を規定したもの等が知られて
いた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記
においては、フィルムの平均的な特性を知ることはでき
るが、ドロップアウトや磁気ヘッド偏磨耗等の原因とな
る粗大突起、特に出現頻度の低いものについては検出が
困難であった。またについては、有効なパラメータで
はあるが面分布を規定するものではなく、突起の分散集
合状態を表現することができなかった。
【0006】一方、一般的には(a)最近接突起間距離
や(b)動径分布関数を用いる方法が突起の2次元分布
を知る手法として知られているが、(a)では区別でき
ない分布状態が存在し(例えば格子状配列とその一部を
ランダムに取り出した配列)、(b)では視野外の突起
分布の影響の取り扱いが困難であった。
【0007】そこで本発明の課題は、上記のような現状
に鑑み、電磁変換特性、無欠点性、平滑性、耐ヘッド偏
摩耗性に優れた、基体フィルムを提供すること、加え
て、磁気テープ用途などに好適な基体フィルムを提供す
ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の磁気記録媒体用熱可塑性樹脂フィルムは、
基体となる熱可塑性樹脂フィルムの表面の突起について
ボロノイ分割を行い、そのボロノイ多角形の面積の平均
値をXbar 、標準偏差をσとしたときの相対標準偏差
(σ/Xbar )で規定されるボロノイ係数の値が1以下
であることを特徴とするものからなる。
【0009】上記フィルムを構成する熱可塑性樹脂は、
ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレン−2,
6−ナフタレートであることが好ましい。
【0010】また、上記熱可塑性樹脂フィルム表層の皮
膜にスルホン化ポリスチレンもしくはその塩を含有して
いることが好ましい。この皮膜は、たとえば塗布層とし
て構成することができる。
【0011】また、磁気記録媒体の磁性層は、強磁性金
属薄膜で構成できる。そして本発明に係る磁気記録媒体
用熱可塑性樹脂フィルムは、たとえばデジタル記録方式
のビデオカセットレコーダーテープ用に用いることがで
きる。このような磁気記録媒体用熱可塑性フィルムを用
いて磁気記録媒体を作製することにより、目標とする磁
気記録媒体が得られる。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における熱可塑性樹脂と
は、線状、分枝状あるいは網状の高分子からなる、芳香
族ポリアミド系樹脂、ポリエステルイミド、ポリイミド
等のポリイミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリエー
テル系樹脂、ポリビニル系樹脂等をいうが、好ましくは
ポリエステル系樹脂が好適である。ここでいうポリエス
テル系樹脂とは線状ポリエステルを主体とするものであ
ればどのようなものでもよい。たとえば、ポリエチレン
テレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレー
ト、ポリテトラメチレンテレフタレート、ポリ−1,4
−シクロヘキシレンジメチレンテレフタレート、ポリエ
チレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート、ポリ
エチレン−p−オキシベンゾエートなどがその代表例で
ある。
【0013】また上記のポリエステルは、ホモポリエス
テルであっても、コポリエステルであってもよい。コポ
リエステルの場合、共重合する成分としては、例えば、
ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ネオペ
ンチルグリコール、ポリエチレングリコール、p−キシ
リレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノー
ルなどのジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタ
ル酸、イソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン
酸、5−ナトリウムスルホイソフタル酸などのジカルボ
ン酸成分、トリメリット酸、ピロメリット酸などの多官
能ジカルボン酸成分、p−オキシエトキシ安息香酸など
が挙げられる。なお、共重合の場合、共重合する成分は
20モル%以下とするのが好ましい。
【0014】さらに、上記のポリエステルは、他にポリ
エステルと非反応性のスルホン酸のアルカリ金属塩誘導
体、該ポリエステルに実質的に不溶なポリアルキレング
リコールなどの少なくとも一つを5重量%を越えない程
度に混合してもよい。また、そのフィルム中に延伸した
際に、フィルム表面突起の原因となる微細粒子、すなわ
ち、触媒残査あるいは着色防止剤等がポリエステルのモ
ノマーあるいはオリゴマーと反応して生成したいわゆる
内在粒子あるいは外部から加えられた不活性粒子等が含
まれていてもよい。
【0015】次に本発明における基体フィルムの形成方
法について述べる。基体フィルムは通常上記熱可塑性樹
脂を公知の方法により溶融押出し、キャスティングドラ
ム上で冷却固化して未延伸フィルムシートを得、一軸延
伸し、必要ならば所望の塗液を塗布・乾燥し、その後に
一軸延伸方向と直交する方向に延伸配向し、そして熱固
定することによって得られる。溶融押出は単一種の熱可
塑性樹脂を用いて行い、単層の基体フィルムとしてもよ
く、異種の熱可塑性樹脂を用いて矩形のフィードブロッ
クにより共押出をして、2層もしくは3層以上の基体フ
ィルムとしてもよい。二軸延伸は例えば逐次二軸延伸
法、同時二軸延伸法で行うことができるが、所望するな
らば熱固定前にさらに縦あるいは横方向あるいは縦と横
方向に再度延伸させ機械的強度を高めた、いわゆる強力
化タイプとすることもできる。
【0016】また上記基体フィルムの一方または両方の
面に、塗液を塗布・乾燥し特定の表面形態を形成しても
良い。これは前述の通り一軸方向への延伸を終えた段階
で所望の塗液を基体フィルム上に塗布する。塗布方法と
しては、ドクターブレード方式、グラビア方式、リバー
スロール方式、メタリングバー方式のいずれであっても
よい。
【0017】本発明における表面粒子の形成法として
は、基体フィルムを構成する樹脂内に不活性粒子をあら
かじめ投入混合しておく外粒法、または触媒残査あるい
は着色防止剤等がポリエステルのモノマーあるいはオリ
ゴマーと反応して生成したいわゆる内在粒子を利用する
内粒法、さらにフィルム表面に不活性粒子を含有した塗
液を塗布し突起を形成する塗布法、あるいは内粒法、外
粒法と塗布法の併用等任意の方法を適用しうる。
【0018】不活性粒子の例としては架橋ポリスチレ
ン、ジビニルベンゼン、アクリル樹脂等をその組成とす
る有機粒子、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシ
ウム等をその組成とする無機粒子、内層と外層の組成が
変化するいわゆるシェルコア型の粒子が挙げられるが、
当然これらに限定されるものではない。また突起を形成
しうるものであれば形状は限定されるものではなく、球
形、楕円形、偏平形、板状、繭状、柱状、針状、不定形
等のものを用いることができる。
【0019】粒子を均一に分散させる手法として、例え
ば外粒法では、あらかじめ粒子を高濃度に含有するマス
ターチップを作成し、これを実質的に粒子を含有しない
ポリマチップと混合する方法、またポリマを加熱搬送す
る経路をできるだけ短くし滞留時間を少なくする方法、
あるいはフィルタに用いる焼結金属繊維径を使用粒子径
に対し一定範囲とする方法等が適用できる。
【0020】塗布法については、例えば無機粒子を用い
る系においては分散液のpHを制御する方法、分散液に
超音波を照射し強制的に分散させる方法などが適用で
き、有機粒子においてはスルホン化ポリスチレンもしく
はその塩等の分散剤を添加する方法が有効である。添加
量としては有機粒子固形分100重量部に対し0.01
〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部、さらに
好ましくは0.2〜0.5重量部である。添加量が0.
01重量部を下回ると粒子の分散効果が認められず、2
0重量部を超えるとスルホン化ポリスチレンもしくはそ
の塩に粒子がトラップされかえって凝集を招くため好ま
しくない。
【0021】上記のスルホン化ポリスチレンの塩は対カ
チオンとして種々のものを用いることができるがナトリ
ウム、カリウム、アンモニウム等が好ましく、特にアン
モニウムが好ましい。
【0022】ボロノイ分割法によれば、従来困難であっ
た突起の分散状態に関する定量的な評価が可能となる。
突起がかたまって存在する場合、多くは3次元的に粒子
が集合しているため突起の高さが大きくなり、明らかに
電気的・機械的特性に悪影響を及ぼす。しかし突起の高
さが均一であっても、単に平面的に凝集している場合が
存在し、これも程度の差こそあれ記録媒体の性能に影響
を及ぼす。さらに分散状態にある場合でも、ランダムに
存在している状態と完全に均一に存在している場合では
種々特性に相違が生ずる。この相違を表現しうる手段と
してボロノイ分割法によるボロノイ係数が利用できる。
【0023】ボロノイ係数は1.0を超えると突起の凝
集状態が大であることを表わし、該凝集による突起高さ
の増大が著しくなり実用に供することができない。望ま
しくは0.7以下、さらに望ましくは0.525以下が
良い。理論的に突起がランダムに存在する場合、ボロノ
イ係数は0.525となり、突起配列が格子状に近づく
に従って小さくなってゆく。
【0024】磁性層を設ける側の表面粗さは2.0nm
以下、好ましくは1.5nm以下、さらに好ましくは
1.3nm以下が良い。表面粗さが2.0nmを超える
と出力が低下し、実用に供することが困難となる。
【0025】磁性層を設ける側の表面突起の高さは50
nmを超えないことが必要である。高さ50nm以上の
突起が存在すると、ヘッドの偏摩耗等による出力低下を
生ずる原因となり好ましくない。添加粒子の凝集体によ
りこれらの突起が生成していると、高さ50nmは超え
ないまでも、突起高さの分布が不揃いとなることが多
く、出力変動や出力低下を招く原因となる。従って凝集
率は20%以下、好ましくは10%以下、さらに好まし
くは5%以下がよい。
【0026】本基体フィルムは強磁性金属薄膜型磁気記
録媒体のベースとしてオーディオ、ビデオ、コンピュー
タの外部記憶装置(フロッピーディスク、磁気テープ)
等、多方面に使用が可能であるが、好ましくは上記用途
の中でも高密度記録が要求される分野、特にデジタルビ
デオに代表される高密度薄膜型ビデオテープに使用する
と優れた結果を得ることができ好適である。
【0027】[測定法] (1) 表面粗さ(算術平均粗さ) AFM(原子間力顕微鏡)を使用した。Digital Instru
ments 社製の原子間力顕微鏡NanoScope II、AFM D
ヘッドを使用し以下の条件で算術平均粗さ(中心線平均
粗さと同じ。4次曲面を最小自乗法であてはめ差し引
き、うねり成分を除去した。単位nm)を測定した。 探針(tip) : SiNカンチレバー一体型針" OMCL" 走査モード: 力一定モード(トポグラフィックモード) 走査範囲 : 5μm×5μm 走査速度 : 0.69Hz 測定環境 : 室温、大気中
【0028】(2) 突起高さ 上記(1) の表面粗さ測定と同様にAFMにて測定を行
い、平均値からの高さを突起高さとした。
【0029】(3) ボロノイ係数 ボロノイ分割(計測された各突起について隣り合う突起
を結ぶ線分の垂直2等分線を引く)により囲まれる多角
形(ボロノイ多角形)の面積分布を評価する。各突起が
格子状に規則正しく配列している場合は、この分布は非
常に鋭くなり、凝集状態となっている場合は幅の広い分
布となる。分布の鋭さを下記式(1) にて算出し、この値
から突起の分散状態を評価する。理想的な格子状配列で
はこの値は0、ランダム配列であれば0.525に近づ
き、凝集傾向が増大するにつれ大きくなってゆく。本法
を用いるには対象とする表面突起の2次元的な位置の情
報と、望ましくは各突起の高さの情報があればよい。例
えば位置の情報を得るには後述するSEM(電界放射型
走査電子顕微鏡)を用いてもよいが、粒子の大きさ、分
布状態等により通常の光学顕微鏡や微分干渉顕微鏡等も
使用できる。特に本願発明のごとく非常に突起の高さが
低い(約50nm以下)場合には前述のAFMが有効で
ある。突起の高さの情報についてはAFMや3次元粗さ
測定装置等が利用可能である。これも対象突起により適
宜使い分ける。測定面積については閉じたボロノイ多角
形を形成する突起(有効突起)が多数視野内に入るよう
測定面積を調整する。ここで閉じたボロノイ多角形とは
該多角形のいずれの辺も視野の境界を構成しない多角形
のことである。この有効突起が少ないと意味有るボロノ
イ係数は得られない。通常、有効突起を20個/1視野
とするのが望ましい。 ボロノイ係数(相対標準偏差)=(ボロノイ多角形の面
積分布の標準偏差)/(ボロノイ多角形の面積分布の平
均値) 本願においては前記AFMを使用し(測定条件等は表面
粗さ測定法と同じ)、測定面積25μm2 ( 5μm×5
μm)、高さ10nm以上の突起を対象とした。有効突
起数はおおむね30〜200個/1視野であった。
【0030】(4) 粒子突起の個数、凝集率 SEM(電界放射型走査電子顕微鏡、日立製S−800
型)を使用して、積層フィルムの表面を倍率3万倍、角
度0゜で5枚写真撮影して、粒状突起の数をカウント
し、その平均値を面積換算により1mm2 当たりの突起
個数として算出した。また凝集率は同じSEM写真を用
いて下記式にて算出した。 凝集率(%)=〔(2個以上の粒子が凝集した凝集塊の
総数)/(1個以上の粒子塊の総数)〕×100
【0031】(5) 平均粒径 TEM(透過型電子顕微鏡、日立製H−800型)を使
用して、フィルムに含有される個々の粒子の中心位置で
切断した超薄切片を観察し、計測された直径の平均を平
均粒径とする。通常そのままで粒子形態を特定できる
が、観察しにくい場合はRuO4 やOsO4 等で染色す
る。シェルコア粒子の測定においてシェル部の変形が生
じている場合は、観察されるシェルコア粒子の断面部分
について、コア部中心を中心とする内接円をその直径と
し平均粒径を算出する。粒子形状が球形以外の場合も、
前記方式に準じて平均粒径の算出を行う。
【0032】(6) 電磁変換特性 本発明フィルムに強磁性体薄膜を設けた磁気テープの特
性は、市販のHi8方式8mmビデオテープレコーダー
を用い測定する。電磁変換特性としてビデオS/N比、
ドロップアウト(D.O.)個数を求めた。S/N比、
ドロップアウトの測定には、TV試験信号発生器から信
号を供給し、ビデオノイズメーター、ドロップアウトカ
ウンターを用いた。ビデオS/N比は市販のスタンダー
ドHi8MEテープを零デシベル(dB)として比較測
定した。ドロップアウトは再生信号の減衰が−16dB
以上、長さが15μ秒以上のものを求めた。
【0033】(7) 出力低下の程度 (6) の電磁変換特性測定法に従い100回測定を行った
後のS/N比の低下を下記基準により評価した。本評価
により粗大粒子(突起)によるヘッドの偏磨耗の程度を
見積もることができる。 ◎:S/N比ダウンがほとんど認められなかったもの。 ○:S/N比ダウンは認められたが実用上支障のないも
の。 △:S/N比ダウンが認められ実用上支障を生じるも
の。 ×:S/N比ダウンが著しく、全く実用にならないも
の。
【0034】
【実施例】 実施例1 平均粒径180nmのシリカ粒子を2重量%含有するポ
リエチレンテレフタレートのペレットと、実質的に不活
性粒子を含有しないポリエチレンテレフタレートのペレ
ットを所定割合で混合した。フィルムの一方の面(以
下、B面とする)を構成するこれらの混合ペレットを1
80℃で3時間減圧乾燥した後(約650Pa)、押出
機1に供給した。一方、平均粒径60nmのシリカ粒子
を0.5重量%含有するポリエチレンテレフタレートの
ペレットと、実質的に不活性粒子を含有しないポリエチ
レンテレフタレートのペレットを所定割合で混合した。
フィルムのもう一方の面(以下、A面とする)を構成す
るこれらの混合ペレットを140℃で5時間減圧乾燥
(約650Pa)した後170℃で3時間減圧乾燥(約
650Pa)し押出機2に供給した。これらペレットを
それぞれ280℃に溶融した後、金属繊維径3.0μm
の焼結フィルタを通じ、フィードブロックを用いて溶融
状態で2層に積層し(A/B)、口金スリットからシー
ト状に押出し、静電印加キャスト法を用いて表面温度3
0℃のキャスティングドラムに巻き付けて冷却固化し、
2層構造の未延伸フィルムを作った。この未延伸フィル
ムを長手方向に3.0倍延伸した。この延伸はシリコン
ロールの周速差を利用して、2段階で行った。
【0035】このフィルムのA面及びB面に、下記組成
よりなる水分散体をメタリングバーコーターを用いて塗
布量がそれぞれ0.007g/m2 ( 延伸乾燥後、A
面)、0.016g/m2 ( 延伸乾燥後、B面)になる
よう塗布し、ステンタを用いて加熱乾燥し、幅方向に
3.6倍延伸した。このフィルムを定長下で熱処理し、
総厚さ6.3μmの二軸配向ポリエステルフィルムを得
た。 A面 メチルセルロース : 0.1重量% 水溶性ポリエステル樹脂: 0.3重量% コロイダルシリカ : 0.01重量% (平均粒径18nm) B面 メチルセルロース : 0.3重量% 水溶性ポリエステル樹脂: 0.4重量% コロイダルシリカ : 0.1重量% (平均粒径18nm)
【0036】実施例2 A面に外部粒子を用いない他は、実施例1と同様に製膜
を行い、A面に下記組成よりなる水分散体を塗布量が
0.003g/m2 ( 延伸乾燥後)となるように塗布し
た。B面については実施例1と同様に処理し、二軸配向
ポリエステルフィルムを得た。 シェルコア粒子 : 0.015重量%(固形分) シェル部:アクリル系樹脂 コア部:ジビニルベンゼン系樹脂 (日本合成ゴム(株)製、S2469(F)−19、平均粒径20nm) 界面活性剤 : 0.15重量%(固形分) (日本油脂(株)製、ニューレックスR) 水溶性ポリエステル樹脂: 0.7重量%(固形分) スルホン化ポリスチレン: 0.0007重量%(固形分)
【0037】実施例3 平均粒径90nmのシリカ粒子を0.06重量%含有す
るポリエチレンテレフタレートのペレットをA層に使用
し、平均粒径180nmの架橋ポリスチレン粒子を0.
16重量%含有するポリエチレンテレフタレートのペレ
ットをB層に使用するほかは、実施例1と同様に製膜を
行い、下記組成の水分散体を塗布・乾燥し二軸配向ポリ
エステルフィルムを得た。 A面 メチルセルロース : 0.1重量% 水溶性ポリエステル樹脂: 0.4重量% コロイダルシリカ : 0.03重量% (平均粒径25nm) B面 メチルセルロース : 0.3重量% 水溶性ポリエステル樹脂: 0.4重量% コロイダルシリカ : 0.1重量% (平均粒径18nm)
【0038】実施例4 平均粒径90nmのシリカ粒子を0.12重量%含有す
るポリエチレンテレフタレートのペレットをA層に使用
し、平均粒径300nmの架橋ポリスチレン粒子を0.
2重量%含有するポリエチレンテレフタレートのペレッ
トをB層に使用するほかは、実施例1と同様に製膜を行
い、二軸配向ポリエステルフィルムを得た。このフィル
ムには水分散体の塗布を行わなかった。
【0039】実施例5 攪拌装置、精留塔、凝縮器を備えたエステル交換反応器
にナフタレン−2,6−ジカルボン酸ジメチル100部
とエチレングリコール50部及び酢酸マグネシウム4水
塩0.06部を供給した後、180〜240℃まで徐々
に昇温し、同時に生成したメタノールを連続的に反応系
外へ留出させながらエステル交換反応を行った。こうし
て得られた反応物に、リン酸トリメチルエステル0.0
25部を添加し15分間反応させてから、ニ酸化ゲルマ
ニウム0.02部添加し、さらに5分間反応させた。引
き続いてエチレングリコールを連続的にに留出させなが
ら290℃まで昇温し同時に26Paまで減圧を進めて
重縮合反応を行い、固有粘度0.64のポリエチレン−
2,6−ナフタレートポリマを得た。
【0040】A層用として使用する上記の実質的に不活
性粒子を含有しないポリマを、170℃で6時間真空乾
燥させた。一方B層用として使用する、上記の実質的に
不活性粒子を含有しないポリマに平均粒径300nmの
架橋ポリスチレン粒子を0.2重量%含有させたポリマ
を、別の乾燥機で170℃、6時間真空乾燥させた。
【0041】これらペレットをそれぞれ295℃に溶融
した後、フィードブロックを用いて溶融状態で2層に積
層し(A/B)、口金スリットからシート状に押出し、
静電印加キャスト法を用いて表面温度30℃のキャステ
ィングドラムに、速度30m/分で巻き付けて冷却固化
し、2層構造の未延伸フィルムを作った。この未延伸フ
ィルムを長手方向に4.0倍延伸した。この延伸はシリ
コンロールの周速差を利用して、2段階で行った。
【0042】このフィルムのA面及びB面に、下記組成
よりなる水分散体をメタリングバーコーターを用いて塗
布量がそれぞれ0.007g/m2 ( 延伸乾燥後、A
面)、0.016g/m2 ( 延伸乾燥後、B面)になる
よう塗布し、ステンタを用いて加熱乾燥し、幅方向に
5.0倍延伸した。このフィルムを定長下で熱処理し、
総厚さ4.5μmの二軸配向ポリエチレン−2,6−ナ
フタレートフィルムを得た。 A面 メチルセルロース : 0.1重量% 水溶性ポリエステル樹脂: 0.3重量% コロイダルシリカ : 0.03重量% (平均粒径11nm) B面 メチルセルロース : 0.3重量% 水溶性ポリエステル樹脂: 0.4重量% コロイダルシリカ : 0.1重量% (平均粒径18nm)
【0043】実施例6 平均粒径60nmのシリカ粒子を0.02重量%含有す
るポリエチレン−2,6−ナフタレートのペレットをA
層用として用いる他は、実施例5と同様に製膜を行い、
下記組成の水分散体を塗布・乾燥させ、二軸配向ポリエ
チレン−2,6−ナフタレートフィルムを得た。 A面 メチルセルロース : 0.1重量% 水溶性ポリエステル樹脂: 0.3重量% コロイダルシリカ : 0.01重量% (平均粒径18nm) B面 メチルセルロース : 0.3重量% 水溶性ポリエステル樹脂: 0.4重量% コロイダルシリカ : 0.1重量% (平均粒径18nm)
【0044】実施例7 A面に塗布する水分散体を実施例2と同様の組成とした
他は実施例5と同様に製膜を行い(ただしB面には塗布
を行わない)、二軸配向ポリエチレン−2,6−ナフタ
レートフィルムを得た。
【0045】実施例8 A、B、C層としてそれぞれ下記組成のポリマを用いた
A/B/Cの3層構造をもつ他は実施例1と同様に製膜
を行い(ただしA,C外層面には塗布を行わない)、二
軸配向ポリエステルフィルムを得た。 A層:平均粒径30nmのコロイダルシリカ粒子を0.
7重量%含有するポリエチレンテレフタレート。最終製
品フィルムでの積層厚み0.05μm。 B層:実質的に粒子を含まないポリエチレンテレフタレ
ート。最終製品フィルムでの積層厚み4.75μm。 C層:平均粒径が300nm及び800nmの架橋ポリ
スチレン粒子をそれぞれ0.17重量%、0.05重量
%含有するポリエチレンテレフタレート。最終製品フィ
ルムでの積層厚み1.50μm。
【0046】比較例1 スルホン化ポリスチレンを用いない他は実施例2と同様
に製膜、塗布を行い二軸配向ポリエステルフィルムを得
た。本フィルムは分散剤であるスルホン化ポリスチレン
が存在しないため粒子の凝集が生じた。
【0047】比較例2 スルホン化ポリスチレン及び水溶性ポリエステル樹脂を
用いない他は実施例2と同様に製膜、塗布を行い二軸配
向ポリエステルフィルムを得た。本フィルムは分散剤で
あるスルホン化ポリスチレン及び水溶性ポリエステル樹
脂が存在しないため粒子の凝集傾向が増大した。
【0048】比較例3 A層に使用するポリマのろ過フィルタを、実施例3の場
合に使用したフィルタを2段直列にして使用し、高精度
化を図った他は、実施例3と同様に製膜、塗布を行い二
軸配向ポリエステルフィルムを得た。本フィルムはポリ
マのフィルタ滞留時間が実施例3の場合の2倍となり、
添加粒子の凝集が発生した。
【0049】比較例4 原料となるシリカ粒子に当初より凝集が認められるもの
を使用した他は実施例3と同様に製膜、塗布を行い二軸
配向ポリエステルフィルムを得た。
【0050】比較例5 A層に使用するポリマをろ過するフィルタを、実施例8
で使用したものを5段直列にして使用し高精度化を図っ
た他は、実施例8と同様に製膜、塗布を行い二軸配向ポ
リエステルフィルムを得た。本フィルムはポリマのフィ
ルタ滞留時間が実施例8の場合の5倍となり、添加粒子
の凝集が発生した。
【0051】
【表1】
【0052】
【発明の効果】本発明フィルムでは、表面突起の分散性
についてボロノイ係数値を一定値以下としたため、電磁
変換特性、無欠点性、平滑性、耐ヘッド偏摩耗性に優れ
た磁気記録媒体用熱可塑性樹脂フィルムとすることがで
きる。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29K 67:00 B29L 7:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基体となる熱可塑性樹脂フィルムの表面
    の突起についてボロノイ分割を行い、そのボロノイ多角
    形の面積の平均値をXbar 、標準偏差をσとしたときの
    相対標準偏差(σ/Xbar )で規定されるボロノイ係数
    の値が1以下であることを特徴とする磁気記録媒体用熱
    可塑性樹脂フィルム。
  2. 【請求項2】 熱可塑性樹脂がポリエチレンテレフタレ
    ートまたはポリエチレン−2,6−ナフタレートである
    請求項1記載の磁気記録媒体用熱可塑性樹脂フィルム。
  3. 【請求項3】 熱可塑性樹脂フィルム表層皮膜にスルホ
    ン化ポリスチレンもしくはその塩を含有することを特徴
    とする請求項1または2に記載の磁気記録媒体用熱可塑
    性樹脂フィルム。
  4. 【請求項4】 前記皮膜が塗布層であることを特徴とす
    る請求項3に記載の磁気記録媒体用熱可塑性樹脂フィル
    ム。
  5. 【請求項5】 磁性層を強磁性金属薄膜で構成したこと
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の磁気
    記録媒体用熱可塑性樹脂フィルム。
  6. 【請求項6】 デジタル記録方式のビデオカセットレコ
    ーダーテープ用に用いることを特徴とする請求項1ない
    し5のいずれかに記載の磁気記録媒体用熱可塑性樹脂フ
    ィルム。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし5のいずれかに記載の磁
    気記録媒体用熱可塑性フィルムを用いたことを特徴とす
    る磁気記録媒体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH11126320A (ja) * 1997-10-20 1999-05-11 Matsushita Electric Ind Co Ltd 磁気記録媒体およびその製造方法
JP2000248092A (ja) * 1999-03-02 2000-09-12 Toray Ind Inc 磁気記録媒体用ポリエステルフィルムの製造方法
JP2017147050A (ja) * 2016-02-15 2017-08-24 旭化成株式会社 蓄電デバイス用セパレータ
JP2018101705A (ja) * 2016-12-20 2018-06-28 日本特殊陶業株式会社 静電チャック

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JP2017147050A (ja) * 2016-02-15 2017-08-24 旭化成株式会社 蓄電デバイス用セパレータ
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