JPH09169922A - 反応染料混合組成物およびそれを用いる染色または捺染法 - Google Patents

反応染料混合組成物およびそれを用いる染色または捺染法

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JPH09169922A
JPH09169922A JP7330333A JP33033395A JPH09169922A JP H09169922 A JPH09169922 A JP H09169922A JP 7330333 A JP7330333 A JP 7330333A JP 33033395 A JP33033395 A JP 33033395A JP H09169922 A JPH09169922 A JP H09169922A
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伸一 籔下
Shinji Nishimura
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    • C09B67/00Influencing the physical, e.g. the dyeing or printing properties of dyestuffs without chemical reactions, e.g. by treating with solvents grinding or grinding assistants, coating of pigments or dyes; Process features in the making of dyestuff preparations; Dyestuff preparations of a special physical nature, e.g. tablets, films
    • C09B67/0033Blends of pigments; Mixtured crystals; Solid solutions
    • C09B67/0046Mixtures of two or more azo dyes
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 保存安定性に優れた反応染料組成物およびそ
れを用いる染色または捺染方法を提供すること。 【解決手段】 遊離酸の形で下記一般式(1) 【化1】 〔式中、Y0 、Y1 は、それぞれ独立に基−SO2 CH
=CH2 または−SO2CH2 CH2 0 を、Z0 はア
ルカリの作用で脱離する基を表わす。〕で示されるビス
アゾ染料を含有してなる反応染料組成物において、遊離
酸の形で下記一般式(2) 【化2】 〔式中、Y2 は、基−SO2 CH=CH2 または−SO
2 CH2 CH2 1 を、Z1 は前記Z0 と同じ意味を表
わす。〕で示されるモノアゾ化合物の含有量が、一般式
(1)で示される染料に対して1重量%であることを特
徴とする黒色用の反応染料組成物、および該染料組成物
に黄色、橙色、赤色の反応染料を1種以上配合した濃黒
色用の反応染料組成物、並びに、それらを用いてセルロ
ース系繊維材料もしくはセルロース系繊維を含有する繊
維材料を染色または捺染する方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は一般式(1)で示さ
れるビスアゾ染料を含有する反応染料組成物の保存安定
化とそれを用いる染色または捺染する方法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】一般式(1)で示されるビスアゾ染料
は、例えば、C.I.Reactive Black 5として、粉状、顆粒
状または液状水性の反応染料組成物の形態で市場に供給
されており、通常、一般式(6)
【0003】
【化6】
【0004】〔式中、Y6 は、基−SO2 CH=CH2
または−SO2 CH2 CH2 5 を表わし、ここでZ5
はアルカリの作用によって脱離する基を表わす。〕で示
されるアニリン誘導体をジアゾ化し、これに1−アミノ
−8−ナフトール−3,6−ジスルホン酸モノナトリウ
ム塩と2度カップリングさせることによって製造され
る。この為、この製造時に副生する下記一般式(2)お
よび(3)で示されるモノアゾ化合物や未反応の原料化
合物が混在する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】一般式(1)で示され
るビスアゾ染料は、黒色用の反応染料として工業的に生
産されてから、通常数日から数ケ月、場合によっては数
年を経て、実際に使用される。この保存期間中に一般式
(1)で示されるビスアゾ染料中のこれらの副生物およ
び未反応原料が徐々に経時変化して、時として染着性の
低下または色相の変化を引き起こしているものと思われ
る問題が生じている。同様に、この一般式(1)で示さ
れるビスアゾ染料に黄色および/または橙色等の反応染
料との配合により、濃色の黒色、所謂、フルブラックの
反応染料組成物を調製した場合にも問題が生じている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、前記課題
を解決するため鋭意検討した結果、C.I.Reactive Black
5等、一般式(1)で示されるビスアゾ染料の製造にお
いて副生する遊離酸の形で下記一般式(2)で示される
モノアゾ染料の含有量が多い場合、著しく保存安定性不
良であることを見出した。この一般式(2)で示される
染料の含有量を一般式(1)で示されるビスアゾ染料に
対して1重量%以下に制限すると染料組成物の保存安定
性が飛躍的に向上することを見出し、本発明を完成する
に至った。すなわち、本発明は、 遊離酸の形で下記
一般式(1)
【0007】
【化7】
【0008】〔式中、Y0 、Y1 は、それぞれ独立に基
−SO2 CH=CH2 または−SO2CH2 CH2 0
を表わす。ここでZ0 はアルカリの作用で脱離する基を
表わす。〕で示されるビスアゾ染料を含有してなる反応
染料組成物において、遊離酸の形で下記一般式(2)
【0009】
【化8】
【0010】〔式中、Y2 は、基−SO2 CH=CH2
または−SO2 CH2 CH2 1 を表わす。ここでZ1
は前記Z0 と同じ意味を表わす。〕で示されるモノアゾ
化合物の含有量が、一般式(1)で示される染料に対し
て1重量%以下であることを特徴とする反応染料組成物
〔以下、本発明組成物(I)と記す〕、 本発明組成物(I)に、遊離酸の形で下記一般式
(3)
【0011】
【化9】
【0012】〔式中、Y3 は、基−SO2 CH=CH2
または−SO2 CH2 CH2 2 を表わす。ここでZ2
はアルカリの作用で脱離する基を表わす。〕で示される
モノアゾ化合物を配合することを特徴とする反応染料組
成物〔以下、本発明組成物(II)と記す〕、
【0013】 本発明組成物(I)または同(II)に
おいて一般式(1)で示されるビスアゾ染料に対して、
0.05〜0.8 重量倍の遊離酸の形で下記一般式(4)
【0014】
【化10】
【0015】〔式中、Aは置換されていてもよいフェニ
レンまたは置換されていてもよいナフチレン基を表わ
し、Y4 は、基−SO2 CH=CH2 または−SO2
2 CH 2 3 を表わす。ここでZ3 はアルカリの作用
で脱離する基を表わす。R1 は水素原子または置換され
ていてもよい低級アルキル基を表わす。〕で示されるモ
ノアゾ染料を配合してなる反応染料組成物において、一
種以上のpH緩衝剤を該染料組成物に対して 0.1〜30
重量%、一種以上の還元防止作用を有する還元防止剤を
該染料組成物に対して 0.1〜30重量%含有する反応染
料組成物〔以下、本発明組成物(III) と記す〕、
【0016】 上記およびの各組成物が液状水性
組成物とした時、pH値が 2.5〜7である反応染料組成
物、 上記の組成物が液状水性組成物とした時、pH値
が 2.5〜7である反応染料組成物、 上記、またはの各組成物に、黄色または橙性
組成物色反応染料を一種以上配合した反応染料混合組成
物、 上記またはの組成物に、第三の染料成分として
黄色、橙色または赤色の反応染料を配合した反応染料混
合組成物、 上記の組成物に、さらに第四の染料成分として、
黄色、橙色または赤色の反応染料を配合した反応染料混
合組成物、
【0017】 上記乃至の各組成物を用いてセル
ロース系繊維材料もしくはセルロース系繊維を含有する
繊維材料を染色または捺染する方法(以下、本発明方法
と記す)、を提供する。以下、本発明について詳細に説
明する。
【0018】
【発明の実施の形態】一般式(1)で示されるビスアゾ
染料は、上記アニリン誘導体(6)を、亜硝酸ナトリウ
ム等を用いる通常のジアゾ化を行い、これに1−アミノ
−8−ナフトール−3,6−ジスルホン酸モノナトリウ
ム塩と通常の方法にて2度カップリングさせることによ
り製造することができる。
【0019】一方、上記で示されるモノアゾ化合物
(2)または(3)は、上記アニリン誘導体(6)を、
亜硝酸ナトリウム等を用いる通常のジアゾ化を行い、こ
れに1−アミノ−8−ナフトール−3,6−ジスルホン
酸モノナトリウム塩と、それぞれ通常の方法にてカップ
リングすることにより製造することができる。
【0020】本発明組成物(I)および(II)は、上記
のビスアゾ染料(1)の製造時に、余剰に存在させたア
ニリン誘導体(6)ジアゾ化物によってモノアゾ化合物
(2)をビスアゾ染料(1)に誘導して、モノアゾ化合
物(2)を反応液から削減させて製造するか、またはビ
スアゾ染料(1)製造後の反応液に、別途、反応液内に
存在するモノアゾ化合物(2)に対して、必要量のアニ
リン誘導体(6)のジアゾ化物を加えてカップリングさ
せることによって製造することができ、さらに上記のそ
れぞれの方法によって製造されたビスアゾ染料(1)の
反応液に上記の方法で製造したモノアゾ化合物(2)ま
たは(3)を添加することによっても製造することがで
きる。
【0021】本発明において用いられるモノアゾ染料
(4)は、濃色の黒色の反応染料組成物を調製する為
に、配合する橙色の反応染料の一つであり、R1 で表さ
れる基としては、例えば、水素原子、メチル基、エチル
基またはブチル基などが例示される。好ましくは、水素
原子またはメチル基であり、中でも特に好ましくは、水
素原子である。
【0022】本発明において用いられるモノアゾ染料
(4)において、Aで表される基としては、好ましくは
メチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、塩素、
臭素およびスルホ基の群からそれぞれ独立に選ばれる、
1または2個の置換基により置換されていてもよいフェ
ニレン基、またはスルホ基1個により置換されていても
よいナフチレン基であり、例えば、
【0023】
【化11】
【0024】〔式中、*印で示した結合は、−N=N−
基に連結する結合を意味する。〕などが例示できる。モ
ノアゾ染料(4)は、高い繊維反応性を有するジクロロ
トリアジン系反応染料であり、保存安定性が低く、染色
に用いた場合に染色濃度が不十分であるので、pH緩衝
剤と還元防止剤を併用して保存安定性を向上させて用い
ることが好ましい。
【0025】本発明に用いられる還元防止剤としては、
好ましくはメタニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム、
ニトロナフタレンスルホン酸ナトリウム、バナジン酸ナ
トリウム、亜硝酸ナトリウム、塩素酸ナトリウム、過塩
素酸ナトリウムおよび過炭酸ナトリウム等が挙げられ
る。特に好ましくはメタニトロベンゼンスルホン酸ナト
リウム、亜硝酸ナトリウムが挙げられる。これらの還元
防止剤は単独で用いても、或いは2種以上の混合物とし
て用いてもよい。
【0026】本発明の組成物は還元防止剤を染料組成物
に対して、 0.1〜30重量%、好ましくは1〜10重量
%添加される。
【0027】本発明に用いられるpH緩衝剤としては、
好ましくは燐酸一ナトリウム、燐酸二ナトリウム、燐酸
一カリウム、燐酸二カリウム、酢酸ナトリウム、酢酸カ
リウム、しゅう酸ナトリウム、しゅう酸カリウム、クエ
ン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、マロン酸ナトリウ
ム、コハク酸ナトリウム、ほう酸ナトリウム、ほう酸カ
リウム、フタル酸水素カリウム、N,N−ジエチルアニ
リンスルホン酸等が挙げられる。特に好ましくはクエン
酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムが挙げられる。これら
の緩衝剤は単独で用いても、或いは2種以上の混合物と
して用いてもよい。
【0028】本発明の組成物はpH緩衝剤を染料組成物
に対して、 0.1〜30重量%、好ましくは1〜10重量
%添加される。
【0029】本発明の組成物に用いられるモノアゾ染料
(4)は、公知の方法に従って製造することができ、そ
の製造方法は特に制約されるものではない。
【0030】本発明の組成物は、ビスアゾ染料(1)、
pH緩衝剤および還元防止剤を公知の方法で混合するこ
とによって得ることができる。混合方法は特に限定され
るものではない。
【0031】本発明組成物(I)、(II) および(III)
は、調製液を蒸発、例えば、噴霧乾燥等の通常の乾燥工
程を経て粉末状または顆粒状として得られる。また、本
発明組成物(I)、(II) および(III) を液状水性組成
物とした時の各液状水性組成物の水含有量としては、3
5〜80重量%、好ましくは40〜70重量%である。
【0032】本発明の各液状水性組成物のpH値は、必
要に応じ、塩酸、硫酸、臭酸、酢酸等の酸、あるいは炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、水
酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリを用い
て、pH値を 2.5〜7、好ましくは3〜 4.5の範囲に調
整する。
【0033】本発明の各液状水性組成物は、さらに必要
に応じて、公知の分散剤、溶解助剤、粉塵飛散防止剤、
ポリ燐酸塩等の硬水軟化剤、消泡剤、その他の染料助剤
等を含有することができるが、無水芒硝、食塩、塩化カ
リ等の無機中性塩はできるだけ含まないことが好まし
く、製造工程上該中性塩を含有する場合には、限外濾過
膜、逆浸透膜等の膜処理法、冷却濾過法等、好ましくは
膜処理法にて、該中性塩の含有量を本発明の組成物全重
量に対して2重量%以下、好ましくは1重量%以下に調
整することが有効である。
【0034】本発明の組成物は、長期間の保存に対して
極めて安定であり、例えば、室温にて12ケ月間保存し
たり、あるいは加促試験のため40℃〜60℃の雰囲気
下で1ケ月保存、また0℃で1ケ月保存を行った場合に
も、調製当初の該組成物を用いた場合と同等の濃さを有
し、かつ色相も同等の染色物を得ることができる。
【0035】本発明組成物(I)または(II) およびそ
の液状水性組成物に、さらに配合する橙色反応染料とし
ては、遊離酸の形で下記一般式(5)
【0036】
【化12】
【0037】〔式中、Y5 は、それぞれ独立に基−SO
2 CH=CH2 または−SO2 CH2CH2 4 を表わ
し、ここでZ4 はアルカリの作用で脱離する基を表わ
し、A1は置換されていてもよいフェニレン基または置
換されていてもよいナフチレン基を表わす。〕で示され
るモノアゾ染料が挙げられる。
【0038】本発明組成物(I)または(II)およびそ
の液状水性組成物に、さらに配合する黄色反応染料、並
びに本発明組成物(III) およびその液状水性組成物に第
三、第四の染料成分として配合する黄色の反応染料とし
ては、遊離酸の形で下記一般式(7)
【0039】
【化13】
【0040】〔式中、Y6 は、基−SO2 CH=CH2
または−SO2 CH2 CH2 6 を表わし、ここにZ6
はアルカリの作用で脱離する基を表わす。〕およびC.
I. Reactive Yellow 15、C. I. Reactive Yellow 17、
C. I. ReactiveYellow 23、C. I. Reactive Yellow 76
等が挙げられる。上記一般式(7)で示される染料にお
いては、C. I. Reactive Yellow 145 が好ましい。ま
た、C. I. Reactive Yellow 23、C. I. Reactive Yello
w 76が好ましい。
【0041】本発明組成物(III) およびその液状水性組
成物に、第三、第四の染料成分として配合する橙色の反
応染料としては、C. I. Reactive Orange 15、C. I. Re
active Orange 57等が挙げられる。
【0042】本発明組成物(III) およびその液状水性組
成物に、第三、第四の染料成分として配合する赤色の反
応染料としては、C. I. Reactive Red 21 、C. I. Reac
tiveRed 112、C. I. Reactive Red 195、C. I. Reactiv
e Red 222等が挙げられる。好ましくは、C. I. Reactiv
e Red 112、C. I. Reactive Red 195、C. I. Reactive
Red 222等が挙げられる。
【0043】本発明において用いられるビスアゾ染料
(1)において、好ましくはC. I. Reactive Black 5が
挙げられる。
【0044】本発明に用いられる反応染料は、遊離酸ま
たは塩の形で存在し、好ましくはアルカリ金属塩および
アルカリ土類金属塩であり、特に好ましくはナトリウム
塩、カリウム塩である。
【0045】本発明において用いられる一般式(1)〜
(7)で示される反応染料または化合物において、Z0
〜Z6 で表されるアルカリの作用によって脱離する基と
しては、例えば、硫酸エステル基、チオ硫酸エステル
基、燐酸エステル基、酢酸エステル基、ハロゲン原子な
どが例示される。
【0046】本発明において用いられるモノアゾ染料
(4)において、R1 で表される基としては、例えば、
水素原子、メチル基、エチル基が挙げられる。好ましく
は、水素原子またはメチル基であり、中でも特に好まし
くは、水素原子である。
【0047】本発明において用いられるモノアゾ染料
(4)および(5)において、AおよびA1 は好ましく
はメチル基、エチル基、メトキシ基、エトキシ基、塩
素、臭素およびスルホ基の群からそれぞれ独立に選ばれ
る、1または2個の置換基により置換されていてもよい
フェニレン基、またはスルホ基1個により置換されてい
てもよいナフチレン基であり、モノアゾ染料(4)と同
様 化11 に例示されるフェニレン基およびナフチレ
ン基を挙げられる。
【0048】本発明組成物(I)または(II) 、および
それらの液状水性組成物に用いられるモノアゾ化合物
(3)、並びに本発明組成物(I)または(II) 、およ
びそれらの液状水性組成物に配合する黄色および橙色反
応染料の含有量は特に限定されるものではないが、好ま
しくはビスアゾ染料(1)に対して1〜50重量%であ
る。また、本発明に用いられるモノアゾ染料(5)の含
有量は特に限定されるものではないが、好ましくはビス
アゾ染料(1)に対して5〜50重量%である。
【0049】本発明に用いられるモノアゾ染料(4)の
含有量は特に限定されるものではないが、ビスアゾ染料
(1)に対して0.05〜0.8 重量倍であり、好ましくは、
0.15〜0.7 重量倍である。
【0050】本発明組成物(III) およびその液状水性組
成物に用いられる第三、第四の染料成分である反応染料
の含有量は特に限定されるものではないが、ビスアゾ染
料(1)に対して 0.001〜0.7 重量倍であり、好ましく
は、0.01〜0.6 重量倍である。
【0051】本発明の組成物は必要に応じて、ナフタレ
ン誘導体またはアントラキノン誘導体などの溶解向上
剤、無水ぼう硝などの無機塩、分散剤、粉塵飛散防止
剤、ポリ燐酸塩などの硬水軟化剤、消泡剤、水、その他
染色助剤などを含有することができる。
【0052】本発明の組成物に用いられる反応染料は、
公知の方法に従って製造することができ、その製造方法
は特に制約されるものではない。
【0053】本発明の組成物は、反応染料、pH緩衝剤
および還元防止剤を公知の方法で混合することによって
得ることができる。混合方法は特に限定されるものでは
ない。
【0054】本発明の組成物は、所望の色相を得るため
に、必要に応じて、他の染料と混合して使用することが
できる。また混合して使用する染料としては、特に制約
はなく、公知の染料を用いることができる。
【0055】本発明方法におけるセルロース系繊維材料
としては、特に限定されるものではないが、木綿、リネ
ン、麻、ジュート、ラミー繊維、ビスコース人絹、レー
ヨンなどの天然あるいは再生セルロース繊維が例示され
る。また、セルロース系繊維を含有する繊維材料として
は、木綿/ポリエステル混紡品、木綿/ナイロン混紡
品、木綿/羊毛混紡品などが例示される。
【0056】本発明方法における染色および捺染方法と
しては、公知の方法でよい。吸尽染色法では、無水ぼう
硝や食塩などの公知の無機中性塩および、炭酸ソーダ、
重炭酸ソーダ、苛性ソーダ、第三燐酸ソーダなど公知の
酸結合剤を単独に、あるいは併用して染色する方法が例
示されるが、染色助剤としてはこれらに限定されない。
この際に用いる無機中性塩や酸結合剤の使用量について
も制約はないが、少なくとも1g/L以上が好ましく、
また、200g/L以上用いてもよいが、本発明の場
合、例えば40g/L以下の使用でも十分染色が可能で
ある。また、これらの無機中性塩や酸結合剤の染浴への
投入は一度に行ってもよいし、また、常法により分割し
て投入してもよい。また、その他、均染剤、緩染剤、浴
中柔軟剤などの染色助剤を公知の方法で併用してもよい
が、染色助剤としては特にこれらのものに限定されな
い。また、染色温度は通常30〜95℃であるが、好ま
しくは40〜80℃である。
【0057】コールドバッチアップ染色法では、無水ぼ
う硝や食塩などの公知の無機中性塩および、苛性ソー
ダ、硅酸ソーダなどの公知の酸結合剤を用いてパジング
後、密閉包装材料中に一定温度で放置して染色する方法
が例示されている。
【0058】連続染色法では、炭酸ソーダ、重炭酸ソー
ダなどの公知の酸結合剤を染料パジング液に混合し、公
知の方法でパジング後、乾熱または蒸熱により染色する
一浴パジング法および、染料パジング後、無水ぼう硝や
食塩などの公知の無機中性塩および、苛性ソーダ、硅酸
ソーダなどの公知の酸結合剤をパジングし、公知の方法
で乾熱または蒸熱により染色する二浴パジング法などが
例示される。
【0059】捺染では重炭酸ソーダなどの公知の酸結合
剤を含む捺染ペーストを印捺後、乾熱または蒸熱により
捺染する一相捺染法および、ペーストを印捺後、食塩な
どの公知の無機中性塩および、苛性ソーダ、硅酸ソーダ
などの公知の酸結合剤を含む80℃以上の高温溶液中に
投入して捺染する二相捺染法などが例示されるが、染色
方法としてはこれらに限定されない。
【0060】
【発明の効果】本発明によれば、保存安定性に優れた反
応染料組成物が得られ、染色において均一な染色物を与
える。
【0061】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに詳細に説
明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもので
はない。なお、例中の部および%はそれぞれ重量部およ
び重量%を意味する。
【0062】実施例1 式(8)
【0063】
【化14】
【0064】で示される化合物を常法にてジアゾ化し、
このジアゾ化物 2.5モル量に、1−アミノ−8−ナフト
ール−3,6−ジスルホン酸モノナトリウム塩 1.0モル
量の水溶液を加えた。その後、5〜15℃下、炭酸ナト
リウムを加えpH5に調整する。調整後、更に約30分
反応させ乾燥させることにより式(9)
【0065】
【化15】
【0066】で示される化合物の含有量が1%以下の式
(10−A)
【0067】
【化16】
【0068】で示される染料が得られた。式(10−A)
で示される染料100部を、水100部に完全に溶解さ
せて反応染料液状組成物を調製する。その後、この染料
液状組成物をpH4.0 に調整する。この染料組成物を5
0℃で一ケ月保存したものおよび保存前のもの(調製直
後のもの)を以下の染色方法に従い染色し、比較した。
【0069】(染色方法)セルロース繊維からなる編物
100部を回転式染色装置にセットし、浴比1:15、
水温を50℃にした。予め溶解させた染料組成物10部
および無水ぼう硝75部を公知の方法で浴中に投入した
後、この温度で20分間編物を処理し、公知の方法で炭
酸ソーダ30部を浴中に投入した。次いで、この温度で
60分間編物を処理し、得られた染色物は常法で洗浄し
て仕上げた。得られた染色物の比較において、50℃で
一ケ月の保存前後で濃度の低下および色相の変化はほと
んど見られなかった。
【0070】比較例1 式(8)で示される化合物を常法にてジアゾ化し、この
ジアゾ化物 2.0モル量に、1−アミノ−8−ナフトール
−3,6−ジスルホン酸モノナトリウム塩 1.0モル量の
水溶液を加えた。その後、5〜15℃下、炭酸ナトリウ
ムを加えpH5に調整する。調整後、更に約30分反応
させ乾燥させることにより式(9)で示される化合物の
含有量が3%以上の式(10−B)
【0071】
【化17】
【0072】で示される染料が得られる。式(10−
B)で示される染料100部を、水100部に完全に溶
解させて反応染料液状組成物を調整する。その後、この
染料液状組成物をpH4.0 に調整する。この染料組成物
を50℃で一ヶ月保存したものおよび保存前のもの(調
製直後のもの)を実施例1の染色方法と同様に染色し比
較した。得られた染色物の比較において、50℃で一ケ
月保存すると、非常に大きな濃度の低下および色相の変
化が見られた。
【0073】実施例2〜7および比較例2〜7 実施例:実施例1の製法で合成した式(10−A)で示
される染料を用い、表1に示す組成および水量で反応染
料液状組成物を調製し、表の保存試験温度で実施例1と
同様に実施した。その結果を表1に示す。 比較例:比較例1の製法で合成した式(10−B)で示
される染料を用い、表1に示す組成および水量で反応染
料液状組成物を調製し、表の保存試験温度で実施例1と
同様に実施した。その結果を表1に示す。得られた染色
物の比較において、各実施例は対応する比較例に対し、
明らかに保存安定性に優れている結果を表わす。
【0074】
【表1】
【0075】
【化18】
【0076】
【化19】
【0077】
【化20】
【0078】
【化21】
【0079】
【化22】
【0080】実施例8 実施例1の製法で合成した後、乾燥して、粉状の式(1
0−A)で示される染料を、湿度80%、温度60度の
条件下で一ケ月保存したものおよび保存前のもの(調製
直後のもの)を実施例1の染色方法と同様に染色し比較
した。得られた染色物の比較において、60℃で一ケ月
保存前後で、濃度の低下および色相の変化はほとんど見
られなかった。
【0081】比較例8 比較例1の製法で合成した後、乾燥して、粉状の式(1
0−B)で示される染料を、湿度80%、温度60度の
条件下で一ケ月保存したものおよび保存前のもの(調製
直後のもの)を実施例1の染色方法と同様に染色し比較
した。得られた染色物の比較において、60℃で一ケ月
保存前後で、かなりの濃度の低下および色相の変化が見
られた。
【0082】実施例9 実施例1の製法で合成した式(10−A)で示される染
料60部と式(11)で示される反応染料を2部と式
(12)で示される反応染料を40部からなる染料組成
物に、クエン酸ナトリウム5重量%(対染料組成物重
量)およびメタニトロスルホン酸ナトリウム3重量%
(対染料組成物重量)を添加し、乾燥して、顆粒状の染
料組成物を調製する。これを、湿度80%、温度60度
の条件下で一ケ月保存したものおよび保存前のもの(調
製直後のもの)を実施例1の染色方法と同様に染色し比
較した。得られた染色物の比較において、60℃で一ケ
月保存前後で、濃度の低下および色相の変化はほとんど
見られなかった。
【0083】比較例9 比較例1の製法で合成した式(10−B)で示される染
料60部と式(11)で示される反応染料を2部と式
(12)で示される反応染料を40部を加えて乾燥し
て、顆粒状の染料組成物を、湿度80%、温度60度の
条件下で一ケ月保存したものおよび保存前のもの(調製
直後のもの)を実施例1の染色方法と同様に染色し比較
した。得られた染色物の比較において、60℃で一ケ月
保存前後で、かなりの濃度の低下および色相の変化はほ
とんど見られた。
【0084】実施例10 実施例1の製法で合成した式(10−A)で示される染
料65部と式(11)で示される反応染料を2部と式
(14)で示される反応染料を35部からなる染料組成
物に、クエン酸ナトリウム5重量%(対染料組成物重
量)およびメタニトロスルホン酸ナトリウム3重量%
(対染料組成物重量)を添加し、乾燥して、顆粒状の染
料組成物を調製する。これを、湿度80%、温度60度
の条件下で一ケ月保存したものおよび保存前のもの(調
製直後のもの)を実施例1の染色方法と同様に染色し比
較した。得られた染色物の比較において、60℃で一ケ
月保存前後で、濃度の低下および色相の変化はほとんど
見られなかった。
【0085】比較例10 比較例1の製法で合成した式(10−B)で示される染
料65部と式(11)で示される反応染料を2部と式
(14)で示される反応染料を35部を加えて乾燥し
て、顆粒状の染料組成物を、湿度80%、温度60度の
条件下で一ケ月保存したものおよび保存前のもの(調製
直後のもの)を実施例1の染色方法と同様に染色し比較
した。得られた染色物の比較において、60℃で一ケ月
保存前後で、かなりの濃度の低下および色相の変化が見
られた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西村 信司 大阪市此花区春日出中3丁目1番98号 住 友化学工業株式会社内

Claims (18)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】遊離酸の形で下記一般式(1) 【化1】 〔式中、Y0 、Y1 は、それぞれ独立に基−SO2 CH
    =CH2 または−SO2CH2 CH2 0 を表わす。こ
    こでZ0 はアルカリの作用で脱離する基を表わす。〕で
    示されるビスアゾ染料を含有してなる反応染料組成物に
    おいて、遊離酸の形で下記一般式(2) 【化2】 〔式中、Y2 は、基−SO2 CH=CH2 または−SO
    2 CH2 CH2 1 を表わす。ここでZ1 は前記Z0
    同じ意味を表わす。〕で示されるモノアゾ化合物の含有
    量が、一般式(1)で示される染料に対して1重量%以
    下であることを特徴とする反応染料組成物。
  2. 【請求項2】請求項1記載の反応染料組成物に、遊離酸
    の形で下記一般式(3) 【化3】 〔式中、Y3 は、基−SO2 CH=CH2 または−SO
    2 CH2 CH2 2 を表わす。ここでZ2 はアルカリの
    作用で脱離する基を表わす。〕で示されるモノアゾ化合
    物を配合することを特徴とする反応染料組成物。
  3. 【請求項3】一般式(1)で示されるビスアゾ染料に対
    して、0.05〜0.8 重量倍の遊離酸の形で下記一般式
    (4) 【化4】 〔式中、Aは置換されていてもよいフェニレンまたは置
    換されていてもよいナフチレン基を表わし、Y4 は、基
    −SO2 CH=CH2 または−SO2 CH2 CH 2 3
    を表わす。ここでZ3 はアルカリの作用で脱離する基を
    表わす。R1 は水素原子または置換されていてもよい低
    級アルキル基を表わす。〕で示されるモノアゾ染料を配
    合してなる反応染料組成物において、一種以上のpH緩
    衝剤を該染料組成物に対して 0.1〜30重量%、一種以
    上の還元防止剤を該染料組成物に対して 0.1〜30重量
    %含有する請求項1乃至2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】請求項1乃至2に記載の組成物を液状水性
    組成物とした時、pH値が 2.5〜7である請求項1乃至
    3に記載の組成物。
  5. 【請求項5】請求項3に記載の組成物を液状水性組成物
    とした時、pH値が 2.5〜7である請求項1乃至3に記
    載の組成物。
  6. 【請求項6】還元防止剤が、メタニトロベンゼンスルホ
    ン酸ナトリウム、ニトロナフタレンスルホン酸ナトリウ
    ム、バナジン酸ナトリウム、亜硝酸ナトリウム、塩素酸
    ナトリウム、過塩素酸ナトリウムおよび過炭酸ナトリウ
    ムである請求項3および5に記載の組成物。
  7. 【請求項7】pH緩衝剤が、燐酸一ナトリウム、燐酸二
    ナトリウム、燐酸一カリウム、燐酸二カリウム、酢酸ナ
    トリウム、酢酸カリウム、しゅう酸ナトリウム、しゅう
    酸カリウム、クエン酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、
    マロン酸ナトリウム、コハク酸ナトリウム、ほう酸ナト
    リウム、ほう酸カリウム、フタル酸水素カリウム、N,
    N−ジエチルアニリンスルホン酸である請求項3および
    5に記載の組成物。
  8. 【請求項8】一般式(4)においてRが水素原子である
    請求項3および5に記載の組成物。
  9. 【請求項9】黄色または橙色反応染料を一種以上配合し
    た特許請求項1、2および4に記載の組成物。
  10. 【請求項10】橙色反応染料が遊離酸の形で下記一般式
    (5) 【化5】 〔式中、Y5 は、それぞれ独立に基−SO2 CH=CH
    2 または−SO2 CH2CH2 4 を表わし、ここでZ
    4 はアルカリの作用で脱離する基を表わし、A1は置換
    されていてもよいフェニレン基または置換されていても
    よいナフチレン基を表わす。〕で示されるモノアゾ染料
    である特許請求項9に記載の組成物。
  11. 【請求項11】一般式(1)で示されるビスアゾ染料お
    よび一般式(4)で示されるモノアゾ染料を配合してな
    る反応染料組成物に、第三の染料成分として黄色反応染
    料を配合した請求項3および5に記載の組成物。
  12. 【請求項12】一般式(1)で示されるビスアゾ染料お
    よび一般式(4)で示されるモノアゾ染料を配合してな
    る反応染料組成物に、第三の染料成分として橙色反応染
    料を配合した請求項3および7に記載の組成物。
  13. 【請求項13】一般式(1)で示されるビスアゾ染料お
    よび一般式(4)で示されるモノアゾ染料を配合してな
    る反応染料組成物に、第三の染料成分として赤色反応染
    料を配合した請求項3および5に記載の組成物。
  14. 【請求項14】一般式(1)で示されるビスアゾ染料お
    よび一般式(4)で示されるモノアゾ染料を配合してな
    る反応染料組成物に、第三の染料成分として黄色、橙色
    または赤色の反応染料を配合した反応染料組成物に、第
    四の染料成分として黄色、橙色または赤色の反応染料を
    配合した請求項3および5に記載の組成物。
  15. 【請求項15】第四の染料成分が黄色反応染料である請
    求項14に記載の組成物。
  16. 【請求項16】第四の染料成分が橙色反応染料である請
    求項14に記載の組成物。
  17. 【請求項17】第四の染料成分が赤色反応染料である請
    求項14に記載の組成物。
  18. 【請求項18】請求項1乃至17に記載の組成物を用い
    てセルロース系繊維材料もしくはセルロース系繊維を含
    有する繊維材料を染色または捺染する方法。
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US6086639A (en) * 1999-03-09 2000-07-11 Dystar Textilfarben Gmbh & Co. Deutschland Kg Black dye mixtures of fiber-reactive azo dyes and use thereof for dyeing hydroxy- and/or carboxamido-containing fiber material
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JP2013227531A (ja) * 2012-03-26 2013-11-07 Sumitomo Chemical Co Ltd 混合物及びその製造方法

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