JPH09168803A - 研磨加工性に優れたオーステナイト系ステンレス熱延鋼 帯の製造方法 - Google Patents

研磨加工性に優れたオーステナイト系ステンレス熱延鋼 帯の製造方法

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JPH09168803A
JPH09168803A JP32913395A JP32913395A JPH09168803A JP H09168803 A JPH09168803 A JP H09168803A JP 32913395 A JP32913395 A JP 32913395A JP 32913395 A JP32913395 A JP 32913395A JP H09168803 A JPH09168803 A JP H09168803A
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Takashi Matsuno
隆 松野
Takeo Kusaka
武夫 日下
Toshio Takano
俊夫 高野
Tetsuo Sakiyama
哲雄 崎山
Toru Inazumi
透 稲積
Sadakazu Masuda
貞和 升田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 製造費用が安く、製造工期が短く、研磨加工
性に優れる、特に比較的板厚の厚い研磨製品用素材とし
て好適なオーステナイト系ステンレス熱延鋼帯の製造方
法を提供する。 【解決手段】 熱間圧延されたオーステナイト系ステン
レス鋼帯に、あるいは熱間圧延されたオーステナイト系
ステンレス鋼帯に焼鈍・酸洗を施した後、ベルトグライ
ンダーで表面研削を施して、その表面粗度を0.2μm
Ra以下とした後、焼鈍・酸洗を施し、次いで調質圧延
を施して鋼帯の表面粗度を0.15μmRa以下とした
オーステナイト系ステンレス熱延鋼帯の製造方法

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はオーステナイト系ス
テンレス熱延鋼帯、特に研磨加工性に優れるオーステナ
イト系ステンレス熱延鋼帯の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】オーステナイト系ステンレス鋼材に研磨
加工を施すことにより優れた光沢を得ることができる。
通常、その素材としてJIS−G4305に規定されて
いる冷間圧延ステンレス鋼帯が使用されることが多い。
研磨作業費の面から、冷間圧延ステンレス鋼帯は、研磨
加工性に優れていることが好ましい。研磨加工性を向上
するために、冷間圧延における圧下率を高くすること、
冷間圧延がレバース圧延の場合、最終圧延パスで高番手
で仕上げた圧延ロールを使用し、また冷間圧延がタンデ
ム圧延の場合、後段スタンド程表面粗度の小さい圧延ロ
ールを使用する等冷間圧延ロールの表面粗度を調整する
こと、または特開平3−23001号公報に記載されて
いるように熱延鋼板焼鈍後の冷間圧延素材について、表
面硬度(Hv)300以上、内部硬度(Hv)250以
上及び表面粗度(Ra)0.20μm以下にする前処理
圧延とベルトグラインダー研磨の前処理を施した後冷間
圧延をすること等がおこなわれている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記した技術
によるものは、図2(A)に示すように、製造工程が長
く、また、何れも冷間圧延工程が不可欠であり、あるい
は更に冷間圧延前の特別な前処理を必要とするので、手
間がかかり、製造費用が高く、また製造工期が長くなる
という問題がある。また、比較的板厚の厚い冷間圧延ス
テンレス鋼帯を製造する場合、圧延機能力等の制約か
ら、高圧下率とするために必要な板厚の厚い圧延素材の
装入ができないため、圧延後の鋼帯の表面粗度が粗くな
る。従って、比較的板厚の厚い冷間圧延ステンレス鋼帯
の研磨製品が必要な場合、研磨作業に大きな手間がかか
り、研磨作業費が高くなるという問題がある。
【0004】また、比較的板厚の厚い研磨製品が必要な
場合、熱延・酸洗後の熱間圧延ステンレス鋼帯を直接研
磨素材として使用することも考えられる。しかし、この
鋼帯は熱間圧延での肌荒れ、脱スケールのために施され
るショットブラスト、酸洗処理等のために表面粗度が大
きいため、所定の研磨加工を行う前に、順次番手を上げ
る下地研磨加工が必要であり、そのための手間がかかる
ため、やはり研磨加工費が高くなる。
【0005】本発明は、上記した事情に鑑みてなされた
ものであり、製造費用が安く、製造工期が短く、研磨加
工性に優れる、特に比較的板厚の厚い研磨製品用素材と
して好適なオーステナイト系ステンレス熱延鋼帯の製造
方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、研磨加工
性を阻害する因子について調査した。その結果、研磨加
工前の鋼帯表面粗度の影響が大きく、研磨加工前の鋼帯
の表面粗度を小さくすると良好な研磨加工性が得られる
ことを見出した。図3によりこの点について説明する。
熱間圧延されたオーステナイト系ステンレス熱延鋼帯
(SUS304)を、焼鈍・酸洗した後冷間圧延し、次
いで仕上焼鈍・酸洗をした後調質圧延して冷間圧延鋼帯
を製造するに際して、冷間圧延条件、調質圧延条件を変
更して、表面粗度の異なる板厚0.8〜3mmの冷間圧
延鋼帯を製造した。図3は、この鋼帯について、#40
0バフ研磨加工を行った場合の調質圧延後の鋼帯の表面
粗度と研磨加工性との関係を示す図である。表面粗度
は、鋼帯の圧延方向と直角方向の粗度(C方向粗度)を
示す。研磨加工性は、研磨加工後の鋼帯表面を目視観察
し、良好な研磨仕上が得られるまでの仕上パス回数に応
じて、下記に従い評価した。 ○:仕上げパス数が3パス以下のもの △:仕上げパス数が3パスを超え、7パス以下のもの ×:仕上げパス数が7パスを超えるもの
【0007】図3から、オーステナイト系ステンレス冷
間圧延鋼帯の研磨製品では、研磨加工前の鋼帯表面粗度
が0.15μmRa以下であれば、良好な研磨加工性が
えられることがわかった。
【0008】一般的に、冷間圧延前のオーステナイト系
ステンレス熱延鋼帯は、熱間圧延での肌荒れ、脱スケー
ルのために施されるショットブラスト、酸洗処理のため
に表面粗度が大きい。冷間圧延において使用される圧延
ロールの表面粗度は、前記鋼帯の表面粗度より小さいも
のが用いられるため、冷間圧延の圧下率が高い程、ロー
ル粗度の転写率が高く、表面粗度が小さくなる。図4に
より、この点について説明する。JIS−G4304の
表面仕上げNo.1、板厚3mmのオーステナイト系ス
テンレス熱延鋼帯(SUS304)を、焼鈍温度110
0℃、ショットブラストによる酸洗予備処理後硝ふっ酸
の酸洗処理による連続焼鈍・酸洗を行った後、ロール径
120mmφの圧延ロールを用いて5〜75%の圧下率
で冷間圧延を施し、次いで焼鈍温度1100℃、硝ふっ
酸による酸洗処理による仕上げ連続焼鈍・酸洗後、#6
00番仕上げロールを用いて伸長率0.5%の調質圧延
を施して冷間圧延鋼帯を製造し、調質圧延後の鋼帯の表
面粗度を調査した。
【0009】図4に、冷間圧延の圧下率と調質圧延後の
鋼帯の表面粗度(C方向粗度)との関係を示す。この図
から冷間圧延の圧下率を高くすると調質圧延後の鋼帯の
表面粗度が低下し、約55%以上の圧下率で冷間圧延す
れば、調質圧延後の鋼帯の表面粗度を0.15μmRa
以下にできることがわかる。
【0010】オーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼帯
を製造する場合、圧延素材として、通常2〜6mm程
度、厚くても9mm程度の板厚の熱延鋼帯が用いられて
いる。従って、この場合、4mmを超えるような板厚の
オーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼帯を製造する場
合、冷間圧延において必要な約55%以上の圧下率を確
保するために必要な板厚の圧延素材を圧延機に装入でき
ないため、低圧下率による冷間圧延を行わざるを得ない
ので、調質圧延後の鋼帯の表面粗度を0.15μmRa
以下にできない。このため、係る冷間圧延鋼帯では良好
な研磨加工性を得ることができない。
【0011】そこで、上記したように冷間圧延で必要な
高圧下率を確保できない比較的板厚の厚いオーステナイ
ト系ステンレス鋼帯が求められた場合に、熱延鋼帯のま
まで、良好な研磨加工性を得ることができるか否かにつ
いて検討した。調質圧延前の仕上げ焼鈍・酸洗条件では
鋼帯の表面粗度調整がうまくできなかった。しかし、熱
間圧延された鋼帯をベルトグラインダーにより表面研削
して、その表面粗度を一定の範囲内にしてやれば、焼鈍
・酸洗し、調質圧延を施した後に良好な研磨加工性がえ
られることがわかった。
【0012】厚さ2〜6mmの熱間圧延されたオーステ
ナイト系ステンレス鋼帯(SUS304)を、ベルトグ
ラインダーで研削条件を種々に変えて表面研削を施した
後、1100℃で焼鈍、硝ふっ酸の酸洗処理による焼鈍
・酸洗を施し、次いで#600番仕上のロールを用いて
伸長率0.5%の調質圧延を施した熱延鋼帯を製造し
た。この鋼帯について、ベルトグラインダーによる表面
研削後の表面粗度(C方向粗度)と調質圧延後の表面粗
度(C方向粗度)を調査した。調査結果を図1に示す。
【0013】この図から、熱間圧延されたオーステナイ
ト系ステンレス鋼帯をベルトグラインダーによる表面研
削後に焼鈍・酸洗を施し、その後に調質圧延を施した場
合、焼鈍・酸洗前の鋼帯表面粗度を0.2μmRa以下
にすれば、調質圧延後の鋼帯の表面粗度を0.15μm
Ra以下にできることがわかった。
【0014】本発明は、上記の知見に基づきなされたも
のであり、その特徴とする構成は以下のとおりである。 (1)熱間圧延されたオーステナイト系ステンレス鋼帯
に、ベルトグラインダーで表面研削を施して、その表面
粗度を0.2μmRa以下とした後、焼鈍・酸洗を施
し、次いで調質圧延を施して鋼帯の表面粗度を0.15
μmRa以下とするオーステナイト系ステンレス熱延鋼
帯の製造方法
【0015】(2)熱間圧延されたオーステナイト系ス
テンレス鋼帯に、焼鈍・酸洗を施した後、ベルトグライ
ンダーで表面研削を施して、その表面粗度を0.2μm
Ra以下とした後、再び焼鈍・酸洗を施し、次いで調質
圧延を施して鋼帯の表面粗度を0.15μmRa以下と
するオーステナイト系ステンレス熱延鋼帯の製造方法
【0016】以下に、本発明の限定理由について説明す
る。ベルトグラインダーによる表面研削後の表面粗度が
0.2μmRaを超えると、調質圧延後の表面粗度を
0.15μmRa以下にすることができないので、ベル
トグラインダーによる表面研削後の表面粗度を0.2μ
mRa以下にする必要がある。
【0017】調質圧延後の鋼帯の表面粗度が0.15μ
mRaを超えると、得られたオーステナイト系ステンレ
ス熱延鋼帯の研磨加工性が低下する。従って、この表面
粗度を0.15μmRa以下にする必要がある。
【0018】ベルトグラインダーによる表面研削によ
り、鋼帯表面に硬化層が形成され、この硬化層は鋼帯の
加工性を低下する。前記硬化層の軟質化を行うととも
に、熱間圧延されたままの鋼帯の加工性を向上するため
の軟質化と軟質化の際に鋼帯表面に形成される酸化物を
除去するために、調質圧延前に焼鈍・酸洗を行う。
【0019】ベルトグラインダーによる表面研削の前
に、スケール除去を目的として焼鈍・酸洗を行うことに
より、ベルトグラインダーによる表面研削に際して表面
粗度の調整がより容易にできる。
【0020】また、冷間圧延を必要としないので、板厚
の厚い鋼帯を、安価にまた短納期で製造することができ
る。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について説明
する。
【0022】本発明の鋼板の製造ルートは図2(B)に
より示される。本発明において使用する熱間圧延された
オーステナイト系ステンレス鋼帯については、特に制限
はなく、常法により製造されたものでよい。熱間圧延さ
れたオーステナイト系ステンレス鋼帯は、熱間圧延にお
ける肌荒れのため、その表面粗度が大きくまた表面にス
ケール層が生成している。ベルトグラインダーによる表
面研削により、このスケールを除去するとともにその表
面粗度を調整して、研削後の表面粗度を0.2μmRa
以下になるようにする。鋼帯のスケールを事前に除去し
た後、ベルトグラインダーによる表面研削を行って、研
削後の表面粗度を0.2μmRa以下にしてもよい。ベ
ルトグラインダーによる研削により、板厚によらず、幅
方向、長手方向に均一な表面粗度を鋼帯に与えることが
でき、また、前工程で発生した欠陥を軽減、除去でき
る。研削条件は常用されている研削方法から適宜選択す
ることができる。例えば、布ベルトでの研削は#80の
ベルトでの多段研削で後段ほど使用時間の長いベルトで
研削、あるは後段ほど高番手のベルトで研削することで
仕上げ研削することが望ましいが、スケールを除去し、
同じ研削後の鋼帯の表面粗度0.2μmRa以下にする
ものであれば、この方法に限定されるものではない。
【0023】熱間圧延時のスケールは、ベルトグライン
ダーによる表面研削によっても除去できるが、表面研削
の作業性の面から、事前に弾性砥石、砥粒入ブラシ等で
研削してスケールを除去した後、布ベルトで仕上げ研削
することが望ましい。また、前記ベルトグラインダーに
よる表面研削前のスケール除去を、焼鈍・酸洗によって
行ってもよい。この焼鈍・酸洗は、通常熱延鋼帯の焼鈍
・酸洗あるいは冷間圧延後調質圧延前の仕上げ焼鈍・酸
洗において常用されている条件によることができる。例
えば、酸化雰囲気中で、焼鈍温度1000〜1100℃
の連続焼鈍とこれに引き続く硝ふっ酸による酸洗を例示
できるが、これにに限定されるものではない。
【0024】ベルトグラインダーによる表面研削後、鋼
帯表面に硬化層が形成される。この硬化層は鋼帯の加工
性を低下させるし、また熱間圧延後、焼鈍・酸洗されて
いない鋼帯は加工性が劣る。母材及び表面硬化層を軟質
化し加工性を向上させるために、焼鈍・酸洗により軟質
化焼鈍を行う。焼鈍・酸洗条件としては、熱延鋼帯の焼
鈍・酸洗、あるいは冷間圧延鋼帯の調質圧延前の焼鈍・
酸洗において常用されている条件によることができる。
例えば酸化雰囲気中で焼鈍温度1100℃の連続焼鈍と
これに引き続く硝ふっ酸による酸洗を例示できるが、こ
れに限定されるものではない。焼鈍・酸洗に際して、酸
化性雰囲気で焼鈍を行うことにより、表面に形成された
酸化物が、引続いて行われる酸洗で除去される際、研削
でできた凸部が低くなり、その結果、調質圧延後の鋼帯
の表面粗度をより小さくできる。
【0025】調質圧延の条件は通常のオーステナイト系
ステンレス冷間圧延鋼帯の調質圧延において常用されて
いる条件から、調質圧延後の表面粗度が0.15μmR
a以下になるように適宜ロール粗度や伸長率を選ぶこと
ができる。例えば、ロール粗度は、#600仕上で0.
05μmRa以下、伸長率は形状改善や硬度上昇の防止
を考慮して0.3〜0.8%程度とすることができる
が、これに限定されるものではない。
【0026】
【実施例】
(実施例1)常法により熱間圧延して製造された異なる
板厚のSUS304の鋼帯を、そのままあるいは焼鈍温
度1100℃の連続焼鈍焼鈍後、ショットブラストによ
る酸洗予備処理を施した後硝ふっ酸による酸洗処理を施
した後、4スタンドの研削ヘッドで#80番手の布ベル
トを使用して、各スタンドの研削長を下記のとおりにし
たベルトグラインダーで、6mpm以下の研削速度で表
面研削を行い、研削後の表面粗度が0.2μmRa以下
の鋼帯を得た。 研削長:#1スタンド:0〜1500mm #2スタンド:1500〜3000mm #3スタンド:3000〜4500mm #4スタンド:4500〜6000mm
【0027】次いで、この鋼帯を焼鈍温度1100℃の
連続焼鈍、硝ふっ酸による酸洗処理による仕上焼鈍・酸
洗後、#600番仕上ロールで、伸長率0.5%の調質
圧延して本発明法の熱延鋼帯を製造した。この鋼帯につ
いて、調質圧延後の鋼帯の表面粗度を調査した。調査結
果を図5に示す。
【0028】また、熱間圧延後、焼鈍温度1100℃の
連続焼鈍後、ショットブラストによる酸洗予備処理後硝
ふっ酸による酸洗処理による焼鈍・酸洗を行った後、ロ
ール径120mmφの圧延ロールを用いて冷間圧延を行
い、次いで焼鈍温度1100℃の連続焼鈍、硝ふっ酸に
よる酸洗処理による焼鈍・酸洗後、調質圧延を行って従
来法による表面仕上げNo.2BのSUS304の冷間
圧延鋼帯を製造した。この鋼帯の調質圧延後の表面粗度
を併せて図5に記載する。なお、冷間圧延鋼帯の板厚に
対応する母材板厚、圧下率は表1のとおりである。
【0029】
【表1】
【0030】図5から、本発明法による鋼帯は、全ての
板厚について調質圧延後の表面粗度が0.15μmRa
以下である。一方、従来法による場合、板厚が2mmを
超える場合、調質圧延後の表面粗度が0.15μmRa
を超えている。
【0031】(実施例2)実施例1で製造した板厚2m
m、6mmの本発明法による熱延鋼帯(試験No.1〜
No.4)について、#400のバフ研磨により研磨試
験を行い、ロール目残り、砥石目残り、肌荒れがなくな
るまでの研磨回数を調査した。
【0032】また、比較のために、実施例1で製造した
板厚2mm、6mmの従来法により製造された表面仕上
げNo.2Bの冷間圧延鋼帯(試験No.5、No.
6)、及び実施例1で製造した板厚2mm、6mmの熱
間圧延された鋼帯を、焼鈍温度1100℃の連続焼鈍焼
鈍後、ショットブラストによる酸洗予備処理を施した後
硝ふっ酸による酸洗処理を施して得た表面仕上げNo.
1の熱延鋼帯(試験No.7、No.8)について同様
の研磨試験を行った。
【0033】供試材の内容および研磨試験結果を表2に
記載する。表2において、研磨加工性の評価の○、×は
以下の基準によった。なお、仕上げ研磨回数が3回を超
えるものについては、前記の研磨試験に加えてさらに#
240番手ベルトで下地研磨を行った後、#400のバ
フ研磨試験をおこなった。その結果を併せて表2に記載
した。 ○:下地研磨を行わないで、仕上研磨回数のパス数が3
回以下のもの。 ×:下地研磨を行わないで、仕上研磨回数のパス数が3
回を超えるもの。
【0034】
【表2】
【0035】表2から、本発明の方法で製造したオース
テナイト系ステンレス熱延鋼帯は、仕上げ研磨のパス回
数を少なくでき、研磨加工性に優れる。比較例は仕上げ
研磨のパス回数が多かったり、所要の仕上げが得られな
かったりして研磨加工性が劣る。
【0036】
【発明の効果】本発明の方法によれば、製造費用が安
く、製造工期が短く、研磨加工性に優れるオーステナイ
ト系ステンレス熱延鋼帯、特に板厚の厚い研磨製品用素
材として好適なオーステナイト系ステンレス鋼帯を提供
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】オーステナイト系ステンレス熱延鋼帯のベルト
グラインダーによる表面研削後の表面粗度と調質圧延後
の表面粗度との関係を示す図。
【図2】従来法および本発明における製造ルートを示す
図。
【図3】研磨加工前の鋼帯の表面粗度と研磨加工性との
関係を示す図。
【図4】オーステナイト系ステンレス冷間圧延鋼帯の圧
下率と調質圧延後の表面粗度との関係を示す図。
【図5】鋼帯の板厚と表面粗度との関係を示す図。
フロントページの続き (72)発明者 崎山 哲雄 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 稲積 透 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 升田 貞和 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱間圧延されたオーステナイト系ステン
    レス鋼帯に、ベルトグラインダーで表面研削を施して、
    その表面粗度を0.2μmRa以下とした後、焼鈍・酸
    洗を施し、次いで調質圧延を施して鋼帯の表面粗度を
    0.15μmRa以下とすることを特徴とする研磨加工
    性に優れたオーステナイト系ステンレス熱延鋼帯の製造
    方法
  2. 【請求項2】 熱間圧延されたオーステナイト系ステン
    レス鋼帯に、焼鈍・酸洗を施した後、ベルトグラインダ
    ーで表面研削を施して、その表面粗度を0.2μmRa
    以下とした後、再び焼鈍・酸洗を施し、次いで調質圧延
    を施して鋼帯の表面粗度を0.15μmRa以下とする
    ことを特徴とする研磨加工性に優れたオーステナイト系
    ステンレス熱延鋼帯の製造方法
JP32913395A 1995-12-18 1995-12-18 研磨加工性に優れたオーステナイト系ステンレス熱延鋼 帯の製造方法 Pending JPH09168803A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN114653773A (zh) * 2022-03-15 2022-06-24 宁波宝新不锈钢有限公司 轨道交通载具用不锈钢研磨品的加工方法

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