JPH09125150A - 表面光沢に優れたステンレス冷延鋼板の製造方法及び その製造装置 - Google Patents

表面光沢に優れたステンレス冷延鋼板の製造方法及び その製造装置

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JPH09125150A
JPH09125150A JP28964895A JP28964895A JPH09125150A JP H09125150 A JPH09125150 A JP H09125150A JP 28964895 A JP28964895 A JP 28964895A JP 28964895 A JP28964895 A JP 28964895A JP H09125150 A JPH09125150 A JP H09125150A
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grinding
steel sheet
rolling
hot
cold
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JP28964895A
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Inventor
Sadakazu Masuda
貞和 升田
Masaru Miyake
勝 三宅
Yukio Kimura
幸雄 木村
Haruyuki Nakanishi
晴行 中西
Koichiro Arima
興一郎 有馬
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JFE Engineering Corp
Original Assignee
NKK Corp
Nippon Kokan Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 単純なプロセスにより短工期で、かつ、フェ
ライト系、オーステナイト系、その他の系統のステンレ
ス鋼板を問わず、冷間圧延後の曇ったような仕上げ、白
ぼけ、白筋模様欠陥を解決した表面光沢に優れたステン
レス鋼板の製造方法及びその装置を提供する。 【解決手段】 ステンレス鋼の熱延のままの鋼板、熱延
で高温巻取りによる自己焼鈍した鋼板、熱延巻取り後に
焼鈍した鋼板、熱延巻取り後に焼鈍し酸洗をした鋼板、
あるいは熱延後焼鈍酸洗ラインで処理した鋼板、のいず
れかの鋼板を、表面研削1し、加熱処理2し、引き続い
て表面研削3した後に、冷間圧延する。さらに、表面研
削機、研削液絞り機、加熱装置、無研削液表面研削機を
連設したことを特徴とする表面光沢に優れたステンレス
鋼板の製造装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、表面光沢に優れた
ステンレス冷延鋼板の製造方法及びその製造装置に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】ステンレス鋼板は、耐食性と表面光沢に
優れることから、各種の用途に広く使用されている。し
かしながら、冷間圧延時その表面に、フェライト系、オ
ーステナイト系、その他の系統のステンレス鋼板を問わ
ず、白筋模様が発生する場合がある。
【0003】白筋模様は、コイルグラインダーによる表
面研削の結果発生する加工硬化部を起点とした微細なク
ラックの集合体と健全部との光沢の違いから発生するも
のであり、ステンレス冷延鋼板表層の圧延方向と直角方
向に発生する。これを防止するための対策として、例え
ば、フェライト系ステンレス鋼板について特公平2ー2
2128号公報のコイルグラインダー後に焼鈍を実施す
る技術が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
2ー22128号公報の方法は、熱延−焼鈍・酸洗−コ
イルグラインダーによる表面研削−洗浄−焼鈍−酸洗−
冷間圧延と多くのプロセスラインを通過させるために非
常に高価な商品となり、かつ、プロセスラインを多く通
すが故に長い工期と新たな疵(例えば、巻取り疵、巻き
戻し疵)の発生をもたらすものであった。また、コイル
グラインダーによる表面研磨の後に酸洗を実施すること
により鋼板表面に再び凹凸のピットが形成され、冷間圧
延後も全体的な光沢の低下を引き起こすものであった。
【0005】さらに、コイルグラインダーによる表面研
削後の焼鈍により表層の硬度は母層に比べて大きく低下
しており、冷間圧延の潤滑油、圧延油の油粒によるオイ
ルピットが表面に発生する。そして、酸洗後の凹凸部、
あるいはオイルピット部に潤滑油、圧延油が封じ込めら
れたまま圧延されるため、圧延前よりもいくらか小さく
なるものの、圧延後も凹部が潰されずに残存する。この
凹部が曇ったような仕上げ、白ぼけとなり表面光沢を低
下させる。
【0006】本発明の課題は、単純なプロセスにより短
工期で、かつ、フェライト系、オーステナイト系、その
他の系統のステンレス鋼板を問わず、冷間圧延後の曇っ
たような仕上げ、白ぼけ、白筋模様の欠陥のない表面光
沢に優れたステンレス冷延鋼板の製造方法及び装置の提
供にある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
ステンレス鋼の熱延のままの鋼板、熱延で高温巻取りに
よる自己焼鈍した鋼板、熱延巻取り後に焼鈍した鋼板、
熱延巻取り後に焼鈍し酸洗をした鋼板、あるいは熱延後
焼鈍酸洗ラインで処理した鋼板、のいずれかの鋼板を、
表面研削し、加熱処理し、引き続いて表面研削した後
に、冷間圧延することを特徴とする表面光沢に優れたス
テンレス鋼板の製造方法である。
【0008】請求項2記載の発明は、冷間圧延前の表面
研削装置であって、表面研削機、加熱機、表面研削機を
連設したことを特徴とする表面光沢に優れたステンレス
鋼板の製造装置である。
【0009】表面光沢に優れたステンレス冷延鋼板を得
るために、予め、冷間圧延前の鋼板表面の凹凸を小さく
するもので、熱延のスケール、熱延の肌荒れ、熱延素材
の表面疵、熱延板焼鈍に伴う表面疵、酸洗(ショットブ
ラスト、ブラシロール、液体ホーニング、テンションレ
ベラ、超音波洗浄などメカニカル脱スケールを併用す
る、溶融塩処理する、電解処理する場合を含む)後の凹
凸部を除去するために表面研削を実施する。
【0010】次いで、表面研削で加工硬化した鋼板表層
を加熱処理する。この加熱処理により鋼板表層の硬度が
母層に比べ低下し、冷間圧延の潤滑油、圧延油の油粒に
よるオイルピットが表面に発生し易くなる。この軟化層
を表面研削で除去しつつ、前段の表面研削の取り残し、
あるいは研削面の凹凸も除去して、冷間圧延前の鋼板表
面の凹凸を非常に小さくするものである。
【0011】図5はフェライト系ステンレスの熱延板を
焼鈍、酸洗した鋼板の研削種別ごとの鋼板表層からの硬
度傾向を示したグラフである。熱延板を焼鈍、酸洗した
ままの研削種別D、酸洗後ベルト研削したB、酸洗後ベ
ルト研削し焼鈍し酸洗したC、酸洗後ベルト研削し加熱
しベルト研削したA(本発明)を示している。
【0012】酸洗後ベルト研削したBは、表層の加工硬
化が大きく、これが冷間圧延後に白筋模様となる。酸洗
後ベルト研削し焼鈍し酸洗したCは、表層の硬度が母層
に比べて大きく低下している。酸洗後ベルト研削し加熱
しベルト研削したA(本発明)は、軟化層もなく、なだ
らかな硬度分布である。
【0013】請求項3記載の発明は、冷間圧延前の表面
研削装置であって、表面研削機、研削液絞り機、加熱
機、無研削液表面研削機を連設したことを特徴とする表
面光沢に優れたステンレス鋼板の製造装置である。
【0014】研削液絞り機により研削液を絞り除去した
後に加熱することで、加熱エネルギーを減らしつつ、加
熱時の酸化量を減らし、また後段の表面研削を無研削液
研削として、研削液が残ることによるスリップなどをな
くすものである。
【0015】請求項4の記載の発明は、冷間圧延前の表
面研削装置であって、表面研削機、加熱機、表面研削
機、研削液絞り機または脱脂機を連設したことを特徴と
する表面光沢に優れたステンレス鋼板の製造装置であ
る。後段の研削に研削液を用いるが、研削後に研削液を
残さないものである。
【0016】請求項5発明は、請求項2、請求項3ある
いは請求項4記載の発明において、前段の表面研削機を
重研削機、後段の表面研削機を鏡面研削機としたことを
特徴とする表面光沢に優れたステンレス鋼板の製造装置
である。
【0017】研削後の加熱処理により、加工硬化を除去
できるので、研削加工前の鋼板表面状態が非常に悪い場
合の疵取りのための大きな研削量の重研削ができ、かつ
加熱後の研削の量的な負荷を軽くして、加工硬化を無く
し、粗さが小さく、うねりが小さい研削面を得るもので
ある。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を図示の装置
を参照して説明する。図1は本発明の方法及び装置を実
施するための第1の実施形態を示すレイアウト図であ
る。本発明のステンレス鋼板の製造方法は、熱延のまま
の鋼板、熱延で高温巻取りによる自己焼鈍した鋼板、熱
延巻取り後に焼鈍した鋼板、熱延巻取り後に焼鈍し酸洗
をした鋼板、あるいは熱延後焼鈍酸洗ラインで処理した
鋼板、のいずれかの鋼板10を、表面研削機1で表面研
削し、加熱装置2で加熱処理し、引き続いて表面研削機
3で表面研削した後に、冷間圧延することで構成され
る。
【0019】さらに詳述すると、帯状鋼板10は鋼板を
巻き戻してラインに供給するペイオフリール11で供給
されつつ、複数のヘッドの研削機1の押さえロール1
a、1cで帯状鋼板10を支持しつつ、研磨ベルト1
b、1dで研磨される。ついで、加熱・冷却装置2で加
熱及び冷却された後、複数ヘッドの研削機3の押さえロ
ール3a、3cで帯状鋼板10を支持しつつ、研磨ベル
ト3b、3dで研磨され、研削液をリンガーロール8で
絞って除去した後、テンションリール16で巻き取られ
る。
【0020】13は前工程で疵防止のために挿入された
間紙で、12のペーパーワインダで巻き取られ、同時に
14のペーパーペイオフリールで鋼板10の間に間紙を
挿入する。
【0021】表面研削機1、3のヘッド数は本発明の場
合、通常4〜6ヘッドで、ヘッド数を増加すれば鋼板の
深い疵も除去できるし、研磨疵を残さずに研磨が可能で
ある。研削量は通常0.5〜30μm程度である。特
に、後段の研削機3による研削量は、加熱による軟化
量、前段の研削機の研削機による凹凸の除去と再研削に
よる加工硬化量のバランスを図って決定する。
【0022】研磨の方向は、通常は幅方向に直交する方
向であるが、0.5〜30°の角度で幅端部方向に研磨
することで圧延時のオイルピットの発生の軽減を図って
もよい。この研磨方向は、研磨機3のみ角度を付して、
研磨機1による研磨目の山部を効率よく除去してもよ
い。研磨は両面研磨でもよく、片面研磨としてもよい。
【0023】砥粒番手は通常研磨ベルト1b、1d、3
b、3dと研磨順につれて、80番、120番、240
番、320番のように細かくしていく。
【0024】加熱装置2aは、表面軟化処理をするため
の加熱炉であり、重油またはガス焚きなどによる直接あ
るいは間接加熱の加熱炉、誘導加熱、直接通電加熱など
による電気炉である。ガス焚き炉は後で研磨するので還
元あるいは無酸化の加熱である必要はない。
【0025】鋼板の加熱温度は100°C以上、加熱時
間を短かく(ライン速度を早く)するためには400°
C以上で850°C以下とする。
【0026】特に、準安定オーステナイト系ステンレス
鋼ではマルテンサイト相が多大に誘起されるため表面硬
化が進むので200°C以上とする。
【0027】加熱時間は加熱温度、加熱方式別の加熱深
度にもよるが、表層からの深さ30〜60μmの軟化を
図るために、通常10秒以上、3分以下程度である。
【0028】冷却装置2bは、例えばガス冷却、ミスト
冷却、液体スプレー冷却、ロール冷却を用いることがで
きる。
【0029】図2は本発明の方法及び装置を実施するた
めの第2の実施形態を示すレイアウト図である。第2の
実施形態の大略的な特色は、ステンレス冷延鋼板を1ラ
インで製造するための装置で、熱延鋼板を焼鈍あるいは
容体化処理する熱処理炉20、熱延スケールおよび焼鈍
あるいは容体化処理の酸化膜を除去する酸洗槽21、酸
洗の洗浄兼研削機1、研削液絞り機5、加熱装置2、形
状矯正22、複数ヘッドの無研削液の研削機3、多段冷
間圧延機4、光輝焼鈍炉23、調質圧延機6を連設す
る。
【0030】図2の装置の特色を詳述すると、17は帯
状鋼板10を溶接するか、ダミー板の溶接や、ダミー板
間の溶接をする溶接機で、例えば、TIG溶接機、レー
ザ溶接機、MIG溶接機、プラズマアーク溶接機、サブ
マージアーク溶接機、スポット溶接機、フラッシュバッ
ト等の抵抗溶接機が用いられる。
【0031】18はエッジ疵や熱間割れを除去するサイ
ドトリマであり、19は前述の欠陥のうち軽微な疵を除
去するエッジグラインダあるいはエッジミラーである。
【0032】20は熱延鋼板を焼鈍あるいは容体化処理
する熱処理炉で、20aが加熱帯、20bが冷却帯であ
る。
【0033】21は酸洗槽で、例えば硝弗酸、硝酸、塩
酸、硫酸などの単体または併用、あるいは電解、溶融塩
の併用など、さらにはショットブラスト、ブラシロー
ル、液体ホーニング、テンションレベラ、超音波洗浄な
どメカニカル脱スケールを併用する場合を含むものであ
る。
【0034】1は洗浄兼研削機で、ブラシロール1e、
押さえロール1fとスプレーg(図示しない)で構成
し、重研削も可能で、酸の除去と研削屑の除去をしつつ
研削している。ブラシロールは金属製のワイヤブラシあ
るいはナイロンなど化学繊維に砥粒を混入したブラシを
ロール状に成形したものである。研削むらを防ぐにはブ
ラシの植毛率を高くすることが好ましい。
【0035】5は加熱前の研削液絞り機で、リンガーロ
ール形式である。22は形状矯正機で、均一研削のため
に形状矯正を行う。
【0036】16は張力調整機で、この場合は冷間圧延
機4のために張力を付与するもので、ブライドルロール
形式である。
【0037】4は多段冷間圧延機で、所定の板厚にし、
研削面を平坦化し磨き効果で光沢のある表面に圧延をす
るもので、この形式は高圧下可能な圧延機であるが、必
要により複数段の配置としてもよい。
【0038】23は光輝焼鈍炉で、脱脂・洗浄帯23
a、乾燥帯23b、光輝焼鈍帯23c、冷却帯23dで
構成され、光輝焼鈍帯内では還元性または無酸化性ガス
の雰囲気中や、真空中で焼鈍を行い、鋼板の酸化脱炭を
防ぎ、金属光沢の向上を図るものである。
【0039】6は調質圧延機で、形状矯正、降伏点の消
去、ロール表面のプリント効果で光沢の向上を図るもの
で、4重圧延形式が望ましい。
【0040】図3は本発明の方法及び装置を実施するた
めの第3の実施形態を示すレイアウト図である。第3の
実施形態の大略的な特色は、前段の研削機1の前に、形
状矯正機22を配置し、均一研削のための形状矯正と熱
延スケールあるいは前工程の熱処理での酸化膜に亀裂を
入れ研削効率を高めている。また、前段の研削機1を弾
性体砥石ロール1hと押さえロール1jで構成してい
る。後段の研削機3に続いて研削屑と研削液除去の脱脂
・洗浄機7と絞り機8を設ける。さらに、ロール研磨機
6b付きの調質圧延機6と鋼板10の分割をする剪断機
24を設ける。
【0041】弾性体砥石ロールは鋼板の形状に馴染み易
いもので、ある程度弾性を持たせたロール状の砥石であ
り、砥粒の番手、種類、混入率、結合剤の強度の選択で
重研削から鏡面研削まで可能である。この場合は重研削
に用いる。
【0042】また、弾性体砥石ロールの構造は積層型
(砥粒を混入した円盤をロール状に積層したもの)、フ
ラップ型(砥粒を混入したフラップホイールをロール状
に積層したもの)、一体型(砥粒を混入したナイロンロ
ール状に一体成形したもの)などがあり、研削量、研削
仕上げ面により選択する。
【0043】以上、詳述したように、本発明の装置は、
単純なプロセスで、工期も短かく冷間圧延後の曇ったよ
うな仕上げ、白ぼけ、白筋模様欠陥を解決できる効果を
有する。
【0044】図4は図1の装置を用いた本発明の製造方
法と比較例の冷間圧延後の表面性状の結果を示すグラフ
である。フェライト系ステンレスの熱延板の焼鈍、酸洗
した板厚3mmの鋼板を、板厚0.75mmまで冷間圧
延機のワークロールの径を変えて圧延したときの冷間圧
延直後の冷延鋼板の表面性状である。
【0045】表面性状として、総合値として表面光沢度
(GS)、個別の項目として白筋模様、オイルピットを
評価した。
【0046】Dは、熱延板を焼鈍、酸洗したままの鋼板
を冷間圧延した鋼板で、酸洗後の凹凸があることもあり
最も光沢度が低い。
【0047】Bは、Dと同じ鋼板をベルト研削で80
番、120番、240番、320番の4ヘッドを用い
て、総量で50μm研削したのち冷間圧延した結果で、
加工硬化しているために最も白筋模様が発生おり、研削
をしたわりには光沢度が低い。
【0048】Cは、Bと同じ条件でベルト研削した後、
650°Cで焼鈍し、酸洗し、冷間圧延した結果で、白
筋模様は良好であるが、逆にオイルピットは増加し、再
酸洗でまた凹凸が発生したことにより光沢度の改善はあ
るものの問題(用途によっては最終研削、特別な調質圧
延、光輝焼鈍などが必要)がある。
【0049】Aは、本発明の製造方法であるが、Bのベ
ルト研削の80番、120番の後に650°Cの表面軟
化熱処理をし、次いで、240番、320番のベルト研
削をいた後に、冷間圧延した結果で、白筋模様もオイル
ピットも良好で、再酸洗がないために光沢度が最もよ
い。
【0050】このように、本発明の製造方法は単純なプ
ロセスでありながら冷間圧延後の曇ったような仕上げ、
白ぼけ、白筋模様欠陥を解決した表面光沢に優れたステ
ンレス鋼板が得られた。
【0051】
【発明の効果】請求項1及び請求項2記載の発明の効果
は以下のとおりである。
【0052】(1)熱延鋼板であっても冷延鋼板並の表
面性状が得られる。
【0053】(2)熱延鋼板のスケールの除去のための
酸洗が省略できる場合がある。
【0054】(3)その場合、表面研削前の酸洗による
鋼板表面の凹凸の発生がなくなるので、冷間圧延後の曇
ったような仕上げ、白ぼけ欠陥が発生しない。
【0055】(4)表面研削後の酸洗を行なわないので
鋼板表面に新たな凹凸は発生せず、鋼板表面の凹凸によ
る冷間圧延後の曇ったような仕上げ、白ぼけ欠陥が発生
しない。
【0056】(5)加熱処理と、引き続く表面研削によ
り、表面研削後の表層は母層と同程度の硬度となり、冷
間圧延の潤滑油、圧延油に油粒によるオイルピットの発
生を軽減でき、冷間圧延後の曇ったような仕上げ、白ぼ
け欠陥を低減できる。
【0057】(6)表面研削間の加熱処理の手段、雰囲
気を限定する必要がない。即ち、後段の表面研削で再研
削を行うので、無酸化加熱である必要がない。
【0058】(7)後段にも研削があるので、前段の研
削温度、研削液の加熱による反応(例えば、研削液中の
硫黄など)を気にする必要がなく、温間、高温研削で研
削能力を高めることも可能で、かつ研削液の選択の幅が
広がる。
【0059】(8)単純なプロセスなので、独立したラ
インであってもコンパクトなラインとなり、あるいは酸
洗、調質圧延、冷間圧延などと併設も容易で、数多くの
プロセスラインを通過させる必要がなく短工期で、新た
な欠陥も発生しない。
【0060】(9)素材疵、ゴールドダスト欠陥は、従
来の方法(冷間圧延の前にコイルグラインダーによる表
面研削を1回実施する)に比べ大幅に低減できる。
【0061】(10)調質圧延あるいは冷間圧延での白
筋模様の発生を解消できる。
【0062】請求項3記載の発明の効果は、請求項1、
請求項2の記載の発明の効果に加えて以下の効果があ
る。
【0063】(1)研削液絞り機により研削液を絞り除
去することで、加熱エネルギーの低減、加熱時の酸化量
の低減があり、酸化量の増大による後段表面研削機の研
削量の増大を防止する。なお、後段表面研削機の研削量
が多いと、研削による加工硬化が発生し、調質圧延ある
いは冷間圧延での白筋模様の発生を解消できない。
【0064】(2)後段表面研削機を無研削液表面研削
機としたので、調質圧延時あるいは冷間圧延時の張力調
整ロールと鋼板間のスリップなどのトラブルが発生しな
い。
【0065】(3)研削後の洗浄プロセスが不要で、巻
取り疵、巻き戻し疵の発生チャンスが低減する。
【0066】請求項4記載の発明の効果は、請求項1、
請求項2の記載の発明の効果に加えて以下の効果があ
る。
【0067】(1)研削後に研削液を残さないので調質
圧延時あるいは冷間圧延時の張力調整ロールと鋼板間の
スリップなどのトラブルが発生しない。
【0068】(2)研削後の特別な洗浄プロセスが不要
で、巻取り疵、巻き戻し疵の発生チャンスが低減する。
【0069】(3)後段の研削に研削液を用いているの
で、研削発熱、研削加工による加工硬化は低減できる。
【0070】請求項5記載の発明の効果は、請求項1、
請求項2の記載の発明の効果に加えて以下の効果があ
る。
【0071】(1)素材疵、ゴールドダスト欠陥を大幅
に低減でき、かつ、表面研削前の酸洗などによる鋼板表
面の凹凸のピットを完全に除去でき、冷間圧延後の曇っ
たような仕上げ、白ぼけ欠陥が発生しない。
【0072】(2)研削後の冷間圧延が圧延による磨き
効果の小さい軽圧下の圧延(例えば、調質圧延)であっ
ても、研削後の表面の粗さが小さく、うねりが小さいも
のであるために表面光沢の非常に優れたステンレス鋼板
が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法及び装置を実施するための第1の
実施形態を示すレイアウト図である。
【図2】本発明の方法及び装置を実施するための第2の
実施形態を示すレイアウト図である。
【図3】本発明の方法及び装置を実施するための第3の
実施形態を示すレイアウト図である
【図4】図1の装置を用いた本発明の製造方法と比較例
の冷間圧延後の表面性状の結果を示すグラフである。
【図5】フェライト系ステンレスの熱延板を焼鈍、酸洗
した鋼板の研削種別ごとの鋼板表層からの硬度傾向を示
したグラフである。
【符号の説明】
1 前段の表面研削機 2 加熱装置 3 後段の表面研削機 4 冷間圧延機 5 前段の表面研削機の研削液の絞り機 6 調質圧延機 7 脱脂・洗浄機 8 後段の表面研削機の研削液の絞り機
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中西 晴行 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 有馬 興一郎 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ステンレス鋼の熱延のままの鋼板、熱延
    で高温巻取りによる自己焼鈍した鋼板、熱延巻取り後に
    焼鈍した鋼板、熱延巻取り後に焼鈍し酸洗をした鋼板、
    あるいは熱延後焼鈍酸洗ラインで処理した鋼板、のいず
    れかの鋼板を、表面研削し、加熱処理し、引き続いて表
    面研削した後に、冷間圧延することを特徴とする表面光
    沢に優れたステンレス冷延鋼板の製造方法。
  2. 【請求項2】 冷間圧延前の表面研削装置であって、表
    面研削機、加熱装置、表面研削機を連設したことを特徴
    とする表面光沢に優れたステンレス冷延鋼板の製造装
    置。
  3. 【請求項3】 冷間圧延前の表面研削装置であって、表
    面研削機、研削液絞り機、加熱装置、無研削液表面研削
    機を連設したことを特徴とする表面光沢に優れたステン
    レス冷延鋼板の製造装置。
  4. 【請求項4】 冷間圧延前の表面研削装置であって、表
    面研削機、加熱装置、表面研削機、研削液絞り機または
    脱脂機を連設したことを特徴とする表面光沢に優れたス
    テンレス冷延鋼板の製造装置。
  5. 【請求項5】 請求項2、請求項3あるいは請求項4記
    載の発明において、前段の表面研削機を重研削機、後段
    の表面研削機を鏡面研削機としたことを特徴とする表面
    光沢に優れたステンレス冷延鋼板の製造装置。
JP28964895A 1995-11-08 1995-11-08 表面光沢に優れたステンレス冷延鋼板の製造方法及び その製造装置 Withdrawn JPH09125150A (ja)

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WO2007090326A1 (fr) * 2006-02-11 2007-08-16 Anshan Falan Steel Strip Co., Ltd. Chaîne de production automatique de production de bande d'acier d'emballage de haute tenue à revêtement coloré mettant en oeuvre un procédé de non refroidissement rapide
KR20190007059A (ko) 2016-07-01 2019-01-21 닛신 세이코 가부시키가이샤 페라이트계 스테인리스 강판 및 그 제조 방법

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