JPH09165496A - 注形用エポキシ樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

注形用エポキシ樹脂組成物及びその製造方法

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JPH09165496A
JPH09165496A JP34687695A JP34687695A JPH09165496A JP H09165496 A JPH09165496 A JP H09165496A JP 34687695 A JP34687695 A JP 34687695A JP 34687695 A JP34687695 A JP 34687695A JP H09165496 A JPH09165496 A JP H09165496A
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JP
Japan
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epoxy resin
alumina particles
resin composition
casting
mixing
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JP34687695A
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Yasuhisa Kanezashi
康寿 金指
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Toshiba Corp
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Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、エポキシ樹脂反応の変動を抑制
し、アルミナ粒子の凝集を防止して、図1グラフに示さ
れるように、ポットライフや品質の安定した製品が得ら
れる注形用のエポキシ樹脂組成物およびその製造方法を
提供する。 【解決手段】 本発明は、(A)エポキシ樹脂に、
(B)アルミナ粒子および(C)硫酸アルミニウムを配
合してなることを特徴とする注形用エポキシ樹脂組成物
である。また、アルミナ粒子を混合する際に、高剪断力
を有するタービン翼を設けた高速混合機を用いて混合す
ることを特徴とする注形用エポキシ樹脂組成物の製造方
法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ樹脂の反
応性の変動を抑制し、アルミナ粒子の凝集を防止する注
形用エポキシ樹脂組成物及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】エポキシ樹脂注形品は、電気絶縁性、機
械的特性に優れているため、絶縁構造物として、各種の
産業分野で広く利用されている。近年の産業用機器の小
形化、大電圧化、大容量化、使用環境の過酷化に伴い、
絶縁物の信頼性の向上、品質の安定化が求められてい
る。特に重電の送変電系統の分野では、公共性の観点か
ら絶縁物に高度の信頼性が求められている。送変電系統
の分野におけるエポキシ注形品の多くは、SF6 ガスに
さらされる特殊環境下に使用されるため、無機充填剤と
して、耐SF6 分解ガス性が良好なアルミナ粒子を使用
している。
【0003】通常、アルミナ粒子を充填する注形用エポ
キシ樹脂組成物は、その混合において、注形品に優れた
電気絶縁性、機械的特性を付与させるために、樹脂成分
とアルミナ粒子が均一に分散するよう、濡れ性を高め、
また水分、揮発成分を除去することが必要となる。この
ため、加熱・真空混合が通常行われている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、工業用に使用
されているアルミナ粒子の多くは、ボーキサイトよりバ
イヤー法によって製造されていて、アルミナ粒子に、不
純物としてナトリウムを含む塩基性の金属酸化物が残る
欠点がある。このアルミナ粒子をエポキシ樹脂と混合す
る場合、塩基性成分がエポキシ樹脂の反応を促進させる
ため、アルミナ粒子を酸処理等の処理を行って弱塩基性
の状態とし、反応性への影響を抑制しているのが現状で
ある。
【0005】上記の酸処理等によって、アルミナ粒子
は、その表面の塩基性成分が除かれて反応性は抑えられ
るものの、エポキシ樹脂との混合時の剪断力により砕か
れて、内部の塩基性成分が表面に現れ反応を促進させ
る。この反応促進作用は高温になるほど助長される。こ
のため、加熱混合時の混合条件によって反応性が異な
り、製品の品質安定性に大きく影響を及ぼしていた。
【0006】一方、粒子表面の荷電状態の変化は粒子の
凝集を生じる。通常、アルミナ粒子表面は正電荷にチャ
ージしているが、酸処理に使用されているSO4 2-、C
-、NO3 - 等負イオンが付着すると、正電荷が消費
され粒子間の反発力が弱まり、粒子が凝集しやすくな
る。粒子の凝集は、樹脂粘度の変化や、製品表面の粒子
の沈降を引き起こし製品に欠陥を生じさせる。こうした
ことから、混合温度、時間を限定し、製品の必要量に応
じてアルミナの混合をその都度行っているのが現状であ
る。
【0007】本発明は、上記の事情に鑑みてなされたも
ので、エポキシ樹脂の混合時における反応の変動を抑制
し、かつアルミナ粒子の凝集を防止して、品質の安定し
た製品が得られる注形用のエポキシ樹脂組成物およびそ
の製造方法を提供しようとするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の目的
を達成しようと鋭意研究を重ねた結果、特定の強酸塩を
配合することによって塩基性成分を抑制する一方、高剪
断力を有するタービン翼を設けた高速混合機を用いるこ
とによって、上記の目的を達成することができることを
見いだし、本発明を完成したものである。
【0009】即ち、本発明は、(A)エポキシ樹脂に、
(B)アルミナ粒子および(C)硫酸アルミニウムを配
合してなることを特徴とする注形用エポキシ樹脂組成物
である。また、(B)アルミナ粒子を混合する際に、高
剪断力を有するタービン翼を設けた高速混合機を用いて
混合することを特徴とする注形用エポキシ樹脂組成物の
製造方法である。
【0010】本発明に用いる(A)エポキシ樹脂として
は、注形用として使用されるものであれば特に制限はな
く、広く使用することができる。具体的な樹脂として
は、例えば、ビスフェノールA型エポキシ、多官能エポ
キシ、ノボラックエポキシ、シクロオレフィン系エポキ
シ、変性エポキシ等が多用され、これらは単独又は混合
して使用することができる。硬化剤としては、アミン
系、酸無水物系等が多用される。
【0011】本発明に用いる(B)アルミナ粒子として
は、ボーキサイトからバイヤー法によって製造されたも
のを使用する。工業的に使用されるアルミナ粒子の多く
は、ボーキサイトからバイヤー法によって製造される。
即ち、ボーキサイトを水酸化ナトリウムで処理すると、
アルミニウム分はアルミン酸塩として溶け、鉱石中のS
iO2 TiO2 Fe2 3 は、沈殿して分離される。溶
液中のアルミン酸ナトリウムを加水分解し、Al(O
H)3 として沈殿させた後、焼成してアルミナ粒子が得
られる。
【0012】本発明に用いる(C)硫酸アルミニウムと
しては、通常、充填剤として使用されるものであればよ
く、特に限定されるものではない。上述したアルミナ粒
子の製法上、アルミナ粒子には、どうしても不純物とし
てナトリウムを含む塩基性の金属酸化物が残こり、この
塩基性成分がエポキシ樹脂の反応を促進させ、製品の品
質安定に大きく影響を及ぼしている。従って、この塩基
性成分を中和させるために硫酸アルミニウムを配合して
調整する。硫酸アルミニウムの配合割合は、エポキシ樹
脂組成物に対して 0.1〜 0.5重量%配合することが望ま
しい。配合割合がこの範囲を外れると、混合時の増粘、
反応が促進され、また、粒子の凝集力が高まり好ましく
ない。
【0013】一方、添加配合した強酸塩(C)硫酸アル
ミニウムの偏在又は混合時の剪断力によって、アルミナ
粒子の表面状態が変化するとアルミナ粒子の凝集を引き
起こし、樹脂粘度の変化、製品表面の粒子の沈降に伴う
不均一層を発生させる。これらのアルミナ粒子の凝集に
起因する製品への欠陥を避けるため、図2に示したよう
な高度な剪断力を有するタービン翼を設けた高速混合機
を使用して混合する。タービン翼を設けた高速混合機
は、種々あるが機械的特性・電気絶縁性の安定した硬化
物を得るには、より均一に粒子を分散させるように、タ
ービン翼1を取り付けた主軸によって発生する上下の循
環流のほかに、外周方向の接線流も付与できる同心二軸
2の混合機であることが望ましい。また、凝集を防止す
るための主軸の回転数は、 500〜1500rpmの高速が好
ましい。この範囲を外れると凝集しやすくなり好ましく
ない。
【0014】本発明のエポキシ樹脂組成物は、上述した
(A)エポキシ樹脂に、(B)アルミナ粒子および
(C)硫酸アルミニウムを配合したものであるが、本発
明の目的に反しない限度において他の成分、例えば難燃
剤、着色剤、減粘剤、その他の添加剤を添加配合するこ
とができる。
【0015】また、上述した各成分およびその他の成分
を配合して、高度な剪断力を有するタービン翼を設けた
高速混合機を使用して混合し、エポキシ樹脂組成物を製
造することができる。
【0016】
【作用】本発明の注形用エポキシ樹脂組成物及びその製
造方法によれば、硫酸アルミニウムを配合することによ
って、弱い酸性状態としエポキシ樹脂の反応を抑制する
ことができる。また、高度な剪断力を有するタービン翼
を設けた高速混合機を使用して混合することによって、
アルミナ粒子を均一に分散し、凝集を防止することがで
きる。
【0017】
【実施例】本発明を実施例によって具体的に説明する。
以下の実施例および比較例において「部」とは「重量
部」を意味する。
【0018】実施例1 ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエピコート828
(油化シェルエポキシ社製、商品名)100 部に対して、
アルミナ粒子(平均粒径10μm) 450部、硫酸アルミニ
ウム 1.6部を加えて、80℃の温度でタービン翼を有する
高速同芯二軸混合機(1000rpm)で 3〜24時間加熱混
合した。混合した後、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸
のHN−5500(日立化成工業社製、商品名)80部、
ベンジルジメチルアミンの 0.2部を加え、更に、10分間
加熱混合して注形用のエポキシ樹脂組成物を製造した。
【0019】実施例2 ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエピコート828
(油化シェルエポキシ社製、商品名)100 部に対して、
アルミナ粒子(平均粒径10μm)450 部、硫酸アルミニ
ウム 1.6部を加えて、80℃の温度でタービン翼を有する
高速同芯2軸混合機(1000rpm)で 8時間加熱混合し
た。混合した後、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸のH
N−5500(日立化成工業社製、商品名)80部、ベン
ジルジメチルアミンの 0.2部加え、更に、10分間加熱混
合して注形用のエポキシ樹脂組成物を製造した。
【0020】比較例1 ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエピコート828
(油化シェルエポキシ社製、商品名)100 部に対して、
pH=8 に調整したアルミナ粒子(平均粒径10μm)45
0 部加えて、80℃の温度でタービン翼を有する高速同芯
二軸混合機(1000rpm)で、 3〜24時間加熱混合し
た。混合した後、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸のH
N−5500(日立化成工業社製、商品名)80部、ベン
ジルジメチルアミンの 0.2部を加え、更に、10分間加熱
混合して注形用のエポキシ樹脂組成物を製造した。
【0021】比較例2 ビスフェノールA型エポキシ樹脂のエピコート828
(油化シェルエポキシ社製、商品名)100 部に対して、
アルミナ粒子(平均粒径10μm)450 部、硫酸アルミニ
ウム 1.6部を加えて、80℃の温度でプロペラ型混合機
(50rpm)で 8時間加熱混合した。混合した後、メチ
ルヘキサヒドロ無水フタル酸のHN−5500(日立化
成工業社製、商品名)80部、ベンジルジメチルアミンの
0.2部を加え、更に、10分間混合して注形用のエポキシ
樹脂組成物を製造した。
【0022】実施例1および比較例1において、混合時
間が3 ,5 ,10,15,25時間の時点で注形用エポキシ樹
脂組成物のサンプルを採取し、B型粘度計を用いて80℃
でのポットライフ( 100ポアズ粘度上昇するまでの時
間)を測定し、混合時間とポットライフの関係を求めた
ので図1に示した。
【0023】図1に示したように、実施例1の本発明の
硫酸アルミニウムを配合したものは、25時間混合経過後
も初期3 時間混合のものと同じポットライフを保持して
おり、混合時間によって反応時間は変化していなかっ
た。即ち、硫酸アルミニウムの配合によってエポキシ樹
脂の反応性が抑制されていることが認められた。しか
し、比較例1の pH=8 に調整したアルミナ粒子(平均
粒径10μm)を使用したものは、ポットライフは25時間
混合後ほぼ半減しており、混合時間によって反応時間が
変化することがわかる。即ち、塩基性成分が調整されて
いないため、エポキシ樹脂の反応が進行したものであ
る。
【0024】また、図2に示したようなタービン翼1を
有する同芯二軸2の高速混合機(1000rpm)と、プロ
ペラ型混合機(50rpm)で混合した場合の、混合前後
のアルミナ粒子の粒度分布を測定したのでその結果を表
1に示した。
【0025】
【表1】
【0026】実施例2の本発明のタービン翼を有する高
速同芯2軸混合機を使用したものは、混合前と混合後の
アルミナ粒子の粒度分布に変化は全くなく凝集が認めら
れなかったが、比較例2の従来のプロペラ型混合機(50
rpm)で混合したものは、粒径50μm以上のものが存
在し、粒子が凝集していた。粒度分布の測定は、エポキ
シ樹脂組成物のエポキシ樹脂分をTHF(テトラヒドロ
フラン)の溶剤に溶かして除去し、残ったアルミナ粒子
をレーザー回折/散乱式粒度分布測定装置で測定した。
【0027】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の注形用エポキシ樹脂組成物及びその製造方法は、混合
条件によるエポキシ樹脂の反応性の変動を抑制するとと
もに、アルミナ粒子の凝集を防止したもので、信頼性の
あるエポキシ樹脂注形品を製造することができるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】硫酸アルミニウムの配合の有無によるエポキシ
樹脂反応性への影響を示したグラフである。
【図2】本発明において使用する高速同芯二軸混合機の
タービン翼の斜視図である。
【符号の説明】
1 タービン翼 2 同芯二軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // B29C 39/00 7726−4F B29C 39/00 B29K 63:00

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)エポキシ樹脂に、(B)アルミナ
    粒子および(C)硫酸アルミニウムを配合してなること
    を特徴とする注形用エポキシ樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 (A)エポキシ樹脂に、(B)アルミナ
    粒子および(C)硫酸アルミニウムを配合する際に、高
    剪断力を有するタービン翼を設けた高速混合機を用いて
    混合することを特徴とする注形用エポキシ樹脂組成物の
    製造方法。
JP34687695A 1995-12-13 1995-12-13 注形用エポキシ樹脂組成物及びその製造方法 Pending JPH09165496A (ja)

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