JP2007084624A - 予備混練組成物、半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置 - Google Patents

予備混練組成物、半導体封止用エポキシ樹脂組成物および半導体装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ファインピッチ化した半導体パッケージに対応し、絶縁性に優れ、カーボンブラックの分散性が良好で低コストな封止用エポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】本発明の予備混練組成物は、(A)カーボンブラック、(B)エポキシ樹脂またはフェノール樹脂硬化剤および(C)粒径が0.1〜35μmの微細シリカ粉末を含有し、前記(A)カーボンブラックの含有割合が0.1〜40重量%であり、前記(C)微細シリカ粉末の含有割合が0.1〜50重量%である。また、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、(D)エポキシ樹脂、(E)フェノール樹脂硬化剤、(F)硬化促進剤、(G)無機充填剤および(H)前記予備混練組成物を含む。
【選択図】なし

Description

本発明は、ファインピッチ化した半導体パッケージの樹脂封止に好適する予備混練組成物および封止用エポキシ樹脂組成物、並びにこのような組成物を用いた半導体装置に関する。
従来から、半導体素子のような電気・電子部品の熱硬化性樹脂による封止が広く行われており、封止用樹脂としては、エポキシ樹脂が一般に用いられている。特に、フェノール樹脂を硬化剤とし、シリカ粉末のような無機充填剤などを配合したエポキシ樹脂組成物は、成形性や信頼性に優れ、毒性がなくまた安価であることから、多用されている。また、このような封止用エポキシ樹脂組成物においては、外乱光による動作不良を防止する目的で、カーボンブラックなどの着色剤が配合されている。
ところで近年、半導体素子の高集積化、高速化、多機能化などが求められていることに加えて、設計技術や製造技術が進歩したことにより、配線の微細化(ファインピッチ化)が進められており、その結果、着色剤として封止材に含有されるカーボンブラックが、インナーリード間や接続ピン間またはワイヤ間などに挟まり、リーク不良などの絶縁不良を引き起こすという問題が生じてきている。
そこで、このようなカーボンブラックに起因する絶縁不良を防止するために、カーボンブラックの代替物質としてアゾ染料などの有機染料を使用することが検討されている。しかしながら、染料は耐熱性が低いため、半導体組み立て工程の熱履歴により分解し、外乱光の隠ぺい率が大幅に低下するという難点があった。
また、カーボンブラックを樹脂被覆することにより絶縁化する方法、あるいは、篩による粗粒分のカット、予備混練による粗粒壊砕などの方法でカーボンブラックを微細化する方法が検討されているが、これらの方法はいずれも工程上の難点を有していた(例えば、特許文献1参照)。
すなわち、樹脂被覆カーボンは製造工程が複雑であるため、また、カーボンブラックの粗粒分をカットする方法はカット工程に非常に時間がかかるため、いずれも封止材がコスト高になるという難点があった。一方、カーボンブラックを予備混練する方法では、予備混練により得られる組成物(マスターバッチ)の溶融粘度が非常に高くなるため、封止用エポキシ樹脂組成物の調製工程においてマスターバッチをエポキシ樹脂に均一分散させることが難しいという問題があった。
カーボンブラックの含有率を低減することにより、予備混練組成物(マスターバッチ)の溶融粘度を下げることはできるが、この場合多量の予備混練組成物を必要とすることになるため、コストの上昇を招く。また、封止用エポキシ樹脂組成物の調製の際に各成分の配合の自由度が低下し、応用性が下がるという問題もある。
そもそも、ファインピッチ化された半導体パッケージにおいては、接続ピンやパッド、ワイヤなどの間隔が狭くなるにつれて、封止材として、溶融粘度の低い樹脂を主剤とするエポキシ樹脂組成物を使用する傾向がある。そして、このような低粘度のエポキシ樹脂組成物の調製に際しては、混練時にトルクがかかりにくいため、カーボンブラック分散の不均一がよりいっそう発生しやすくなっていた。
特開2001−002895号公報
本発明はこれらの問題を解決するためになされたもので、ファインピッチ化した半導体パッケージに対応し、絶縁性に優れ、カーボンブラックの分散性が良好で、かつ低コストな封止用エポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。また、そのようなエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止された信頼性の高い半導体装置を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、カーボンブラックとともに粒径が0.1〜35μmの微細シリカ粉末を配合することにより、予備混練組成物中のカーボンブラックの含有量を所定の範囲に保持したまま溶融粘度を下げることができ、予備混練組成物の混練・分散性を大幅に向上させることができることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明の予備混練組成物は、(A)カーボンブラック、(B)エポキシ樹脂またはフェノール樹脂硬化剤および(C)粒径が0.1〜35μmの微細シリカ粉末を含有し、前記(A)カーボンブラックの含有割合が0.1〜40重量%であり、前記(C)微細シリカ粉末の含有割合が0.1〜50重量%であることを特徴とする。
本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、(D)エポキシ樹脂、(E)フェノール樹脂硬化剤、(F)硬化促進剤、(G)無機充填剤および(H)前記した本発明の予備混練組成物を含むことを特徴とする。
本発明の半導体装置は、前記した本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物により封止された半導体素子を具備することを特徴とする。
本発明の予備混練組成物においては、カーボンブラックとともに粒径が粒径が0.1〜35μmの微細シリカ粉末が配合され、かつ予備的に混練されているので、カーボンブラックの粗粒が壊砕されて、その分散性が向上している。また、カーボンブラックの含有量を所定の範囲に保持したままで溶融粘度を低下させることができるため、このような予備混練組成物を封止用樹脂に混練することで、カーボンブラックの分散性を大幅に高めることができる。
また、本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物においては、前記した予備混練組成物が配合されているので、カーボンブラックの粗粒あるいは凝集物が存在せず、絶縁性に優れている。したがって、このようなエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止することにより、ファインピッチ化された半導体パッケージのような装置において、リーク不良などの絶縁不良の発生を防止し、信頼性の高い樹脂封止型半導体装置を歩留まり良く得ることができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の第1の実施形態は半導体封止材用の予備混練組成物であり、(A)カーボンブラック、(B)エポキシ樹脂またはフェノール樹脂硬化剤および(C)粒径が粒径が0.1〜35μmの微細シリカ粉末を含有している。そして、(A)成分であるカーボンブラックの含有割合が予備混練組成物全体に対して0.1〜40重量%であり、(C)成分である粒径が0.1〜35μmの微細シリカ粉末の含有割合が予備混練組成物全体に対して0.1〜50重量%となっている。
この実施形態の予備混練組成物をさらに詳細に説明する。第1の実施形態の予備混練組成物において、(A)成分のカーボンブラックとしては、不純物などのレベルが封止材として適用可能のものであれば、原料の材質および製法などは特に限定されない。着色力およびその他の特性に鑑みて、一次粒子としての粒子径が25μm以下のものが好ましく、50nm以下のものがより好ましい。また、黒色度の高いものが望ましい。
(B)成分であるエポキシ樹脂またはフェノール樹脂硬化剤は、予備混練組成物の主成分である。
エポキシ樹脂としては、1分子中に2個以上のエポキシ基を有するものであれば、分子構造、分子量などは限定されることなく、一般に半導体素子の封止用に使用されているものを広く使用することができる。具体的には、下記一般式(1)で示されるクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、一般式(2)で示されるジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、一般式(3)で示されるビフェニル型エポキシ樹脂、一般式(4)で示されるビフェニルノボラック型エポキシ樹脂、一般式(5)で示される多官能型エポキシ樹脂、あるいは一般式(6)〜(8)で示されるナフタレン骨格含有エポキシ樹脂などが好ましく使用される。これらのエポキシ樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。また、これらのエポキシ樹脂には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂やビスフェノールF型エポキシ樹脂、あるいはこれらの臭素化エポキシ樹脂など、その他の公知のエポキシ樹脂を併用することができる。
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(式中、nは1以上の整数を表す。)
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(式中、nは1以上の整数を表す。)
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(式中、R〜Rは水素原子またはアルキル基を表す。)
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(式中、nは1以上の整数を表す。)
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(式中、R〜Rは水素原子またはアルキル基を表し、nは1以上の整数を表す。)
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(式中、nは0以上の整数を表す。)
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(式中、nは0以上の整数を表す。)
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(式中、nは0以上の整数を表す。)
(B)成分であるフェノール樹脂硬化剤としては、1分子中にフェノール性水酸基を2個以上有し、(A)成分であるエポキシ樹脂中のエポキシ基と反応して硬化させ得るもので特に制限されることなく使用されるが、耐湿信頼性などの点から、以下に示すものを使用することが好ましい。
すなわち、例えば、下記一般式(9)で示されるフェノールノボラック樹脂、一般式(10)で示されるクレゾールノボラック樹脂、一般式(11)で示されるジシクロペンタジエン変性フェノール樹脂、一般式(12)で示されるフェノールアラルキル樹脂、一般式(13)で示される多官能型フェノール樹脂などが好ましく使用される。これらのフェノール樹脂硬化剤は、1種を単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。また、これらのフェノール樹脂には、ナフトールアラルキル樹脂のような公知のフェノール樹脂を併用することができる。
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(式中、nは1以上の整数を表す。)
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(式中、nは1以上の整数を表す。)
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(式中、nは1以上の整数を表す。)
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(式中、nは1以上の整数を表す。)
(C)成分である粒径が0.1〜35μmの微細シリカ粉末は、予備混練組成物の溶融粘度を低減し、カーボンブラックの分散性を向上させるための成分である。この(C)成分としては、粒径が0.1〜35μmのシリカ粉末であれば特に制限はないものの、溶融シリカ粉末、合成シリカ粉末など、半導体封止用樹脂材料の充填剤として一般に用いられているものから選択して使用することが好ましい。
第1の実施形態において、(A)成分のカーボンブラックの含有割合は、予備混練組成物全体に対して0.1〜40重量%、好ましくは8〜35重量%の範囲とする。また、(C)成分の粒径が0.1〜35μmの微細シリカ粉末の含有割合は、予備混練組成物全体に対して0.1〜50重量%、好ましくは0.5〜40重量%とする。(C)粒径が0.1〜35μmの微細シリカ粉末の含有割合が0.1重量%未満では、予備混練組成物の溶融粘度を低下させる効果が小さく、この組成物を後述する(D)エポキシ樹脂、(E)フェノール樹脂硬化剤、(F)硬化促進剤および(G)無機充填剤とともに混練して半導体封止用エポキシ樹脂組成物を調製する工程における予備混練組成物の溶融分散性が損なわれる。また、(A)成分のカーボンブラックの含有割合が30重量%を超えた場合にも、予備混練組成物の溶融粘度が高くなり、半導体封止用エポキシ樹脂組成物中での溶融分散性が低下する。
第1の実施形態の予備混練組成物を調製するには、前記した(A)カーボンブラック、(B)エポキシ樹脂またはフェノール樹脂系硬化剤および(C)粒径が0.1〜35μmの微細シリカ粉末を混合した後、ニーダ、熱ロール、押出混練機のような、樹脂成分の加熱溶融混練が可能な装置により溶融混練し、冷却して固化させた後、半導体封止用樹脂材料の調製に適した粒度に粉砕する方法が採られる。
本発明の第2の実施形態は半導体封止用エポキシ樹脂組成物であり、(D)エポキシ樹脂、(E)フェノール樹脂硬化剤、(F)硬化促進剤、(G)無機充填剤および(H)前記した第1の実施形態の予備混練組成物を含有している。
第2の実施形態において、(D)成分であるエポキシ樹脂は主成分である。このエポキシ樹脂としては、第1の実施形態の予備混練組成物における(B)成分のエポキシ樹脂と同様なものを例示することができ、それらの1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、(E)成分であるフェノール樹脂硬化剤としても、前記した予備混練組成物における(B)成分のフェノール樹脂硬化剤と同様なものを例示することができ、それらの1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(E)成分のフェノール樹脂硬化剤の配合割合は、(A)成分のエポキシ樹脂が有するエポキシ基数(p)((H)成分にエポキシ樹脂が含まれる場合は、それとの合計量)と(B)成分のフェノール樹脂硬化剤が有するフェノール性水酸基数(q)((H)成分にフェノール樹脂硬化剤が含まれる場合は、それとの合計量)との比[(p)/(q)]が0.5〜1.5となる範囲が好ましく、0.6〜1.2となる範囲であるとより好ましい。[(p)/(q)]が0.5未満もしくは1.5を超えると、耐熱性、成形作業性、硬化物の電気特性等が低下する。
第2の実施形態において、(F)成分である硬化促進剤は、主として(D)エポキシ樹脂と(E)フェノール樹脂硬化剤との反応を促進するものである。この(F)成分としては、特に制限はないものの、不純物濃度の低いものが好ましい。具体的には、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリ(p‐メチルフェニル)ホスフィン、トリ(ノニルフェニル)ホスフィン、メチルジフェニルホスフィン、ジブチルフェニルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、ビス(ジフェニルホスフィノ)メタン、1,2‐ビス(ジフェニルホスフィノ)エタン、テトラフェニルホスホニウムテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィンテトラフェニルボレート、トリフェニルホスフィントリフェニルボランなどの有機リン系の硬化促進剤;1,8‐ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン‐7(DBU)、1,5‐ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン‐5などのジアザビシクロアルケン化合物系の硬化促進剤;2‐ヘプタデシルイミダゾール、2‐メチルイミダゾール、2‐エチルイミダゾール、2‐フェニルイミダゾール、2‐フェニル‐4‐メチルイミダゾール、4‐メチルイミダゾール、4‐エチルイミダゾール、2‐フェニル‐4‐ヒドロキシメチルイミダゾール、2‐エニル‐4‐メチルイミダゾール、1‐シアノエチル‐2‐メチルイミダゾール、2‐フェニル‐4‐メチル‐5‐ヒドロキシメチルイミダゾール、2‐フェニル‐4、5‐ジヒドロキシメチルイミダゾール等のイミダゾール系硬化促進剤などが挙げられる。これらは単独または2種以上混合して使用することができる。
この(F)成分の硬化促進剤の配合割合は、第2の実施形態のエポキシ樹脂組成物全体に対して0.01〜5重量%とすることが好ましい。配合割合が0.01重量%未満では、エポキシ樹脂組成物のゲルタイムが長くなり過ぎ、樹脂封止された半導体装置の生産サイクルが長くなってしまう。また、5重量%を超えると、エポキシ樹脂組成物の流動性が著しく低下するため充填性が悪くなり、また、封止後の硬化物の耐湿信頼性も低下する。
(G)成分である無機充填剤としては、溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナ、ジルコニア、タルク、クレー、マイカ、炭酸カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、チタンホワイト、ベンガラ、炭化珪素、窒化ホウ素、窒化ケイ素、窒化アルミなどの粉末、これらを球形化したビーズ、単結晶繊維、ガラス繊維等が挙げられる。これらは単独または2種以上混合して使用することができる。本発明においては、これらのなかでも、不純物濃度の低い溶融シリカ、結晶シリカ、アルミナの各粉末が好ましい。また、最大粒径が半導体パッケージなどのピン間隔よりも小さいものが好ましく、通常、最大粒径が50μm以下のものが使用される。
この(G)成分の無機充填剤の配合割合は、エポキシ樹脂組成物全体に対して70〜95重量%の範囲が好ましく、80〜92重量%の範囲がより好ましい。配合割合が70重量%未満では、封止後の硬化物の耐湿信頼性が低下し、反対に95重量%を超えると、エポキシ樹脂組成物の流動性が低下して充填性が不良となる。
なお、第2の実施形態において、上記(B)〜(G)成分とともに配合される(H)成分、すなわち、前記した第1の実施形態の予備混練組成物の配合割合は、エポキシ樹脂組成物全体に対して0.05〜20重量%の範囲が好ましく、0.1〜10重量%の範囲がより好ましい。配合割合が前記範囲を外れると、予備混練組成物が安定した適性粘度の分散物にならないおそれがある。
第2の実施形態のエポキシ樹脂組成物は、以上説明した(D)エポキシ樹脂、(E)フェノール樹脂硬化剤、(F)硬化促進剤、(G)無機充填剤および(H)第1の実施形態のカーボンブラックを含む予備混練組成物を必須成分とするが、本発明の効果を阻害しない範囲で必要に応じて、この種の組成物に一般に配合される、カップリング剤、天然ワックス類、合成ワックス類、直鎖脂肪族の金属塩、酸アミド、エステル類などの離型剤、ゴム系やシリコーン系ポリマーのような低応力付与剤などをさらに配合することができる。また、コバルトブルーなどのカーボンブラック以外の着色剤も本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合することができる。
カップリング剤としては、γ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ-グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β-(3,4‐エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ‐(メタクリロプロピル)トリメトキシシラン、γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン、N‐β‐(アミノエチル)‐γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン、N‐β‐(アミノエチル)‐γ‐アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N‐β‐(アミノエチル)‐γ‐アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N‐フェニル‐γ‐アミノプロピルトリメトキシシラン、γ‐ウレイドプロピルトリエトキシシラン、γ‐メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ‐メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(3‐トリエトキシシリルプロピル)テトラスルファン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、イミダゾールシランなどのシランカップリング剤が挙げられるが、その他、チタンカップリング剤やアルミニウムアルコレート類なども使用可能である。
第2の実施形態の半導体封止用エポキシ樹脂組成物は、(D)エポキシ樹脂、(E)フェノール樹脂硬化剤、(F)硬化促進剤、(G)無機充填剤および(H)第1の実施形態の予備混練組成物と、前記した必要に応じて配合される各種成分とを、ミキサーなどによって均一に混合し、さらに熱ロールまたはニーダなどにより加熱溶融して混練した後、冷却固化し、次いで適当な大きさに粉砕するようにすることにより調製される。
こうして得られた封止用材料は、半導体素子をはじめとする各種電気・電子部品の封止、被覆、絶縁などに適用することができ、優れた成形性と信頼性、絶縁性などの特性を付与することができる。
本発明の第3の実施形態は半導体装置であり、前記した第2の実施形態のエポキシ樹脂組成物の硬化物により封止された半導体素子を備えている。半導体素子は特に限定されるものではなく、例えば集積回路、大規模集積回路、トランジスタ、サイリスタ、ダイオードなどが適用可能である。
第2の実施形態のエポキシ樹脂組成物を用いて半導体素子を封止する方法としては、低圧トランスファー成形法が最も一般的であるが、射出成形、圧縮成形などの方法による封止も可能であり、必要に応じて真空下で成形することにより、隙間への充填性をさらに向上させることができる。封止後加熱して樹脂を硬化させるときの温度は、150℃以上とすることが望ましい。
本発明の実施形態の予備混練組成物においては、(A)カーボンブラックとともに、(C)粒径が0.1〜35μmの微細シリカ粉末が配合されているので、カーボンブラックの粗粒が壊砕され分散性が向上している。また、カーボンブラックの含有量を所望の範囲に保持しかつ溶融粘度を低下させることができる。そのため、このような予備混練組成物が配合された本発明の半導体封止用エポキシ樹脂組成物においては、カーボンブラックの粗粒あるいは凝集物が存在せず、カーボンブラックの分散性が大幅に改善されており、絶縁性に優れている。
したがって、このようなエポキシ樹脂組成物の硬化物で封止することにより、ファインピッチ化された半導体パッケージなどの装置において、リーク不良などの絶縁不良の発生を防止し、信頼性の高い樹脂封止型半導体装置を歩留まり良く得ることができる。
次に、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
実施例1,2、比較例1,2
カーボンブラック(三菱化学(株)製 商品名 MA−600;一次粒子粒径20nm)と、ビフェニル型フェノール樹脂(ジャパンエポキシレジン(株)製 商品名 YX−4000)と、溶融球状シリカ粉末(龍森(株)製 商品名 アドマインSO−25R;平均粒径0.5μm;シリカ粉末Bと表記)とを、表1に示す組成でミキサーを用いて常温で混合した後、加圧型ニーダにより70〜100℃の温度で加熱混練し、冷却固化させた後、適当な粒度(平均粒径250μm)に粉砕して、予備混練組成物を得た。
実施例3,4、比較例3〜5
実施例1,2および比較例1,2で得られた各予備混練組成物を含む原料成分を、表2に示す組成でミキサーを用いて常温で混合した後、加圧型ニーダにより70〜100℃の温度で加熱混練し、次いで、冷却粉砕して、半導体封止用エポキシ樹脂組成物を得た。なお、表2に示す予備混練組成物以外の成分には、それぞれ次のものを用いた。
ビフェニル型エポキシ樹脂:ジャパンエポキシレジン(株)製
YX−4000(商品名)
臭素化エポキシ樹脂:旭化成(株)製 AER−8028(商品名)、
多官能型フェノール樹脂:明和化成(株)製 MEH−7500(商品名)
硬化促進剤:2−メチルイミダゾール
エステル系ワックス:カルナバ1号
エポキシ系シランカップリング剤:γ‐グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
カーボンブラック:三菱化学(株)製 MA−600(商品名)
シリカ粉末A:電気化学工業(株)製 FB−820(商品名);
溶融球状シリカ粉末(平均粒径25μm)
シリカ粉末B:龍森(株)製 アドマインSO−25R(商品名);
溶融球状シリカ粉末(平均粒径0.5μm)
上記実施例3,4および比較例3〜5で得られた半導体封止用エポキシ樹脂組成物を、175℃×2分間の条件でトランスファー成形し、さらに175℃で4時間ポストキュアを行い、試験用成形品を得た。また、50μmのワイヤ配線を有するPBGAに対して、同様な条件で樹脂封止を行い、樹脂封止型半導体装置を得た。
上記各試験成形品について、外観を観察するとともに、以下に示す方法で、カーボン粗粒、未分散の予備混練組成物の有無および帯電電圧を調べた。また、樹脂封止した半導体装置について、以下に示す方法で配線間ショートの発生率を調べた。これらの結果を表2下欄に示す。
[カーボン粗粒および未分散の予備混練組成物の有無]
30mm角の試験片20個を鏡面研磨して研磨面を観察し、直径25μm以上の未分散のカーボン性異物が検出された試験片の数を計数した。また、同様にして、直径25μm以上の未分散の予備混練組成物が検出された試験片の数を計数した。
[帯電電圧]
試験用成形品を成形した直後の静電電圧を、SIMCO社製FMX−002を用いて測定した。
[配線間ショート発生率]
50μmのワイヤ配線を有するPBGAを樹脂封止した後、このPBGAにバイアスを印加し、配線間のショートを調べ、その発生率を算出した。
Figure 2007084624
Figure 2007084624
表2の試験結果から明らかなように、実施例3,4のエポキシ樹脂組成物を用いた成形品および樹脂封止型半導体用装置においては、カーボン粗粒および未分散の予備混練組成物がいずれも検出されなかった。また、比較例に比べ樹脂封止後のショート発生率が低く、絶縁信頼性に優れていることが確かめられた。

Claims (4)

  1. (A)カーボンブラック、(B)エポキシ樹脂またはフェノール樹脂硬化剤および(C)粒径が0.1〜35μmの微細シリカ粉末を含有し、前記(A)カーボンブラックの含有割合が0.1〜40重量%であり、前記(C)微細シリカ粉末の含有割合が0.1〜50重量%であることを特徴とする予備混練組成物。
  2. 前記(A)カーボンブラックの粒径が25μm以下であることを特徴とする請求項1記載の予備混練組成物。
  3. (D)エポキシ樹脂、(E)フェノール樹脂硬化剤、(F)硬化促進剤、(G)無機充填剤および(H)請求項1または2記載の予備混練組成物を含むことを特徴とする半導体封止用エポキシ樹脂組成物。
  4. 請求項3記載の半導体封止用エポキシ樹脂組成物の硬化物により封止された半導体素子を具備することを特徴とする半導体装置。
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