JPH091626A - 自動車用ウインドモールの製造方法 - Google Patents

自動車用ウインドモールの製造方法

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JPH091626A
JPH091626A JP7159035A JP15903595A JPH091626A JP H091626 A JPH091626 A JP H091626A JP 7159035 A JP7159035 A JP 7159035A JP 15903595 A JP15903595 A JP 15903595A JP H091626 A JPH091626 A JP H091626A
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JP
Japan
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glass
molding
lip
cross
lower lip
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Application number
JP7159035A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuji Nagahashi
雄二 長橋
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Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
Original Assignee
Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd filed Critical Kinugawa Rubber Industrial Co Ltd
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Publication of JPH091626A publication Critical patent/JPH091626A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ガラス側上リップとガラス側下リップとが近
接する部分について、二次処理を施すことなくそれら両
リップを融着させる。 【構成】 ガラス側上リップ7とガラス側下リップ8と
を備えたウインドモール1であって、それら両リップ
7,8間の距離をモール長手方向で変化させる。押出成
形直後の長尺なウインドモール1を、そのガラス側下リ
ップ8の下面を摺動面としてサイジング治具33の案内
基準面34上を走行させてガラス側下リップ8をわずか
に押し上げる。この押し上げ動作により、ガラス側下リ
ップ8にくせ付けを施し、同時にガラス側上下リップ
7,8を融着部12にて相互に融着させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車のウインドシー
ルドガラス、特に接着タイプのフロントガラスの周縁部
に装着されるウインドモールの製造方法に関し、さらに
詳しくはフロントピラーに沿う部分に雨水捕捉用のドリ
ップ溝を備えたウインドモールの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】自動車のフロントガラスの周縁部に装着
されるウインドモールにあっては、ルーフパネルの前端
に沿うことになるフロントガラスの上縁部ではそのフロ
ントガラスの上面側への突出量が可及的に小さいことが
いわゆるフラッシュサーフェイス化の上で好ましく、他
方、フロントピラーに沿うこととなるフロントガラスの
両側縁部ではそのフロントガラスの上面側への突出量を
ある程度大きくして雨水を捕捉するためのダムあるいは
溝機能が発揮されるのが望ましい。これは、フロントガ
ラスに付着した水が車両走行に伴って車体側部に回り込
むのを防いで、その雨水をフロントガラスの下方にスム
ーズに流下させるためである。
【0003】このようなことから、フロントガラスの上
縁部に相当する部分と両側縁部に相当する部分とで断面
形状が相互に異なるウインドモールを長尺一体なものと
して連続的に成形する技術が従来から種々提案されてい
る。
【0004】例えば、特開平6−320643号公報で
は、ウインドモールのうちフロントガラスの両側縁部に
相当する部分では、図12に示すように係止リップ10
1と表層リップ102との間に略くの字状に屈曲した支
柱部103を形成し、これら各リップ101,102と
支柱部103とで形成される空間を雨水捕捉用のドリッ
プ溝104として機能させる一方、ウインドモール10
0のうちフロントガラス105の上縁部に相当する部分
では、図13に示すように上記の支柱部103を切断除
去した上で双方のリップ101,102を押し潰して相
互に融着させるようにしている。
【0005】また、ウインドモール100のうちフロン
トガラス105の上縁部に相当する部分では、上記の支
柱部103を切断除去することなくそのまま両リップ1
01,102の間に支柱部103を折り畳むようにして
押し潰してしまうものとして、例えば特開平6−144
005号公報に記載のものがある。
【0006】さらに、特開平6−156073号公報の
ように、ウインドモールの上部と下部とを互いに離して
押出成形して、その両者を融着させる際のオーバーラッ
プ量を可変制御することで結果的にモールの断面形状を
変化させるようにしたものもある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のような従来の技
術では、ウインドモール100の断面形状を変化させる
ためには、押出成形の後に支柱部103を切断除去した
り、あるいはウインドモール100の一部を押し潰す等
の二次処理が必要不可欠であり、結果的にコストアップ
を招く結果となって好ましくない。
【0008】特に、連続的に押出成形されるウインドモ
ール100の一部分について上記のような二次処理を施
すためには、ウインドモール100の長さを測長しつつ
所定のタイミングで二次処理のための手段を作動させな
ければならず、制御の複雑化によって設備費の高騰を招
くことになる。
【0009】また、従来のいずれの技術においても、二
次処理の際にウインドモール100を上下からローラ等
で加圧することになるため、その加圧力による歪み等の
ために形状精度の向上が望めないばかりでなく、特にウ
インドモール100の表面に押出成形と同時に装飾用の
光輝フィルム等が貼着される場合には上記の加圧力のた
めに光輝フィルムに曇りや歪み等が発生することがあ
り、成形品質の向上を図る上でなおも問題を残してい
る。
【0010】本発明は以上のような課題に着目してなさ
れたもので、その目的とするところは、実質的に従来の
ような二次処理の必要なくしてウインドモールの断面形
状をその長手方向で変化させることができるようにした
製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、ウインドガラスの周縁部に沿って装着されて、その
長手方向で断面形状が変化する長尺なウインドモールに
して、ウインドガラスの端面とこれに対向する車体パネ
ル側の支持面との間に位置する脚部と、この脚部から前
記支持面側に突出して該支持面に弾接する車体側リップ
と、前記脚部からウインドガラス側にそれぞれ突出し
て、そのウインドガラスの上面に圧接するガラス側下リ
ップおよびこのガラス側下リップの上方に位置するガラ
ス側上リップとを有し、ウインドモールの長手方向の特
定部分で前記ガラス側下リップとガラス側上リップとの
間の距離を脚部の高さとともに最小寸法から最大寸法へ
と連続的に変化させることによりそれらガラス側下リッ
プとガラス側上リップおよび脚部とによって囲まれる部
分にドリップ溝を形成するようにしたウインドモールの
製造方法である。
【0012】その上で、前記ガラス側上下リップ間の距
離が最小寸法のままで維持される均一断面モール部と、
前記ガラス側上下リップ間の距離を最小寸法に維持した
ままでガラス側下リップが最小肉厚寸法から最大肉厚寸
法へと連続的に変化する第1の断面変化モール部と、前
記ガラス側下リップが最大肉厚寸法になった状態でガラ
ス側上下リップ間の距離が脚部の高さとともに最小寸法
から最大寸法へと連続的に変化する第2の断面変化モー
ル部とを、長手方向で相互に一体のものとして連続的に
押出成形する工程と、押出成形された各モール部を冷却
する工程と、冷却工程の初期段階でガラス側下リップを
その下面側から所定量だけ押し上げて、ガラス側下リッ
プにくせ付けを施しながら少なくとも均一断面モール部
のガラス側下リップとガラス側上リップとを相互に融着
させる工程とを含んでいる。
【0013】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の構成に加えて、冷却工程の始端部にサイジング治具が
配置されているとともに、このサイジング治具の上面に
モール長手方向に所定の長さを有する案内基準面が形成
されていて、この案内基準面にガラス側下リップの下面
が摺接しながらウインドモールが連続的に搬送されるも
のであることを特徴としている。
【0014】
【作用】本発明によると、均一断面モール部と第1の断
面変化モール部および第2の断面変化モール部のそれぞ
れが押出成形が完了した時点で相互に断面形状が相違し
ながら長尺一体のものとして成形されているので、その
押出成形直後のウインドモールを実質的に冷却工程に投
入する前に、例えばサイジング治具の案内基準面上を走
行させる。
【0015】この案内基準面は、ガラス側下リップの下
面と摺接してそのガラス側下リップをわずかに押し上げ
ることから、それによってガラス側下リップが所定の形
状となるようにくせ付けが施され、同時にガラス側下リ
ップとガラス側上リップとの間の距離が最小寸法に保た
れている均一断面モール部および第1の断面変化モール
部では、上記のように案内基準面によってガラス側下リ
ップが押し上げられることによって、そのガラス側下リ
ップとガラス側上リップとが相互に融着して一体化され
る。
【0016】したがって、従来のように特別な二次処理
を施すことなく、長手方向で断面形状が変化するウイン
ドモールを容易に成形することができるようになる。
【0017】
【実施例】図2〜5は本発明の第1の実施例を示す図
で、自動車のフロントガラス2の周縁部に装着される樹
脂製のウインドモール1は、そのフロントガラス2のう
ち車体ルーフ側の上縁部に沿って配設される均一断面の
アッパーモール部1Aと、同じくフロントガラス2のう
ちフロントピラー側の両側縁部に沿って配設される均一
断面のサイドモール部1Cと、上記アッパーモール部1
Aとサイドモール部1Cとの中間に位置して断面形状が
連続的に変化するコーナーモール部1Bとから構成され
ていて、後述する特殊形状の口金を用いることにより押
出成形法にて長尺一体のものとして成形される。
【0018】前記アッパーモール部1Aとサイドモール
部1Cおよびコーナーモール部1Bは、フロントガラス
2の端面2aとこれに対向する車体パネル3側の支持面
3aとの間の隙間に挿入されることになる略J字状の脚
部4と、この脚部4の上下二箇所から支持面3a側に向
けて一体に突出形成された車体側上リップ5および車体
側下リップ6と、同じく脚部4の上下二箇所からフロン
トガラス2側に向けて一体に突出形成されたガラス側上
リップ7およびガラス側下リップ8とを備えている点で
いずれも共通しており、脚部4の下端に曲折形成された
アンカー部9とガラス側下リップ8との間にフロントガ
ラス2を挾持するようなかたちで該フロントガラス2の
周縁部に装着される。
【0019】そして、車体側上下リップ5,6は前記隔
間内で撓んで車体パネル3の支持面3aに弾接し、特に
車体側上リップ5は図5に示すように支持面3aとの間
に雨水捕集用のドリップチャンネル10を形成すること
になる。なお、車体側上リップ5が撓んだ形状は図5に
のみ図示し、図3,4では図示省略してある。
【0020】ここで、前記脚部4には金属あるいはガラ
ス繊維等の伸びのない材質のワイヤ状の芯材11が埋設
される。また、本実施例では、脚部4やガラス側上リッ
プ7が硬質樹脂で形成されているのに対して、車体側上
下リップ5,6やガラス側下リップ8の一部のガラス当
接部7a,4a,9a等は軟質樹脂にて形成され、いず
れの材質で形成された部分も後述するように一体のもの
として同時に押出成形される。
【0021】前記アッパーモール部1Aでは、図3に示
すようにガラス側上下リップ7,8が相互に近接してい
てその先端部側では両者が融着部12にて融着して一体
化されているとともに、車体側上下リップ5,6同士も
相互に近接した形状となっている。他方、図5に示すサ
イドモール部1Cでは、アッパーモール部1Aに比べて
ガラス側上下リップ7,8が上下方向に大きく離れてい
てそれらガラス側上下リップ7,8と脚部4との間にド
リップ溝13が形成されているとともに、ガラス側下リ
ップ8の肉厚もアッパーモール部1A側よりも大きく形
成されている。さらに、車体側上下リップ5,6同士も
アッパーモール部1A側に比べて上下方向に大きく離れ
た形状となっている。つまり、アッパーモール部1Aの
断面形状とサイドモール部1Cの断面形状とを相互に比
較した場合に、サイドモール部1Cは、アッパーモール
部1Aにおけるガラス側上リップ7と車体側上リップ5
との位置関係、およびガラス側下リップ8と車体側下リ
ップ6との位置関係を変えることなく、実質的にそれら
両者を脚部4とともに上下方向に引き伸ばした形状とな
っている。
【0022】そして、アッパーモール部1Aとサイドモ
ール部1Cとの間のコーナーモール部1Bでは、図4に
示すように、そのアッパーモール部1Aとサイドモール
部1Cとを滑らかに連続させるべく、そのコーナーモー
ル部1Bにおけるガラス側下リップ8よりも上方の断面
形状がアッパーモール部1Aからサイドモール部1C側
に向かって漸次大きくなるように形成されている。
【0023】すなわち、コーナーモール部1Bは、図3
の断面形状から図4の断面形状に変化する部分として、
アッパーモール部1Aに近い部分にあって且つガラス側
上下リップ7,8間の距離をアッパーモール部1A側と
同じ最小寸法に維持したままでそのガラス側下リップ8
の肉厚がサイドモール部1C側に向かって図3の最小肉
厚寸法から図4の最大肉厚寸法へと漸次大きくなる第1
の断面変化モール部と、図4の断面形状から図5の断面
形状に変化する部分として、第1の断面変化モール部以
外の部分であって且つガラス側下リップ8の肉厚を図4
の最大肉厚寸法に維持したままでガラス側上下リップ
7,8間の距離が図4の最小寸法から図5の最大寸法へ
と漸次大きくなる第2の断面変化モール部とを含んでい
る。
【0024】この場合、前記第1の断面変化モール部で
は、図3,4に示すように、アッパーモール部1A側か
らサイドモール部1C側に向かってガラス側下リップ8
の肉厚が漸次大きくなることから、その肉厚増加に応じ
てガラス側上下リップ7,8同士の融着部12の位置が
双方のリップ7,8の根元部側へと連続的に変化する。
【0025】以上により、フロントガラス2の上面側の
突出量が比較的小さいアッパーモール部1Aとフロント
ガラス2の上面側への突出量が比較的大きいサイドモー
ル部1Cとが、上記のように断面形状が連続的且つ滑ら
かに変化するコーナーモール部1Bを介して一体的に接
続されている。
【0026】したがって、装着時に車体のフロントピラ
ーに沿って配設されることとなるサイドモール部1Cで
は、図5に示すようにガラス側上下リップ7,8と脚部
4とで画成された空間がドリップ溝13として機能し、
フロントガラス2の表面に付着した雨水がそのドリップ
溝13で捕集されることにより車体側面に回り込むのが
防止され、これらの雨水はそのドリップ溝13に沿って
フロントガラス2の下方にスムーズに流下することにな
る。
【0027】図6には前記ウインドモール1を押出成形
するための製造ラインの概略が示されている。
【0028】同図に示すように、長尺な芯材11が測長
装置14で測長されながら押出機15に送り込まれて、
この芯材11を母材として後述する可変断面押出工法に
よりウインドモール1が押出成形される。押出成形され
たウインドモール1は冷却槽16を通過しながら引取り
装置17で引き取られた上で、測長装置18にて車両一
台分毎の長さに測長されて裁断機19で裁断される。
【0029】前記冷却槽16の始端部には後述するサイ
ジング治具33が設置されており、このサイジング治具
33の上を押出成形直後のウインドモール1が通過する
ことになる。
【0030】前記押出機15の口金20は、図7,8に
示すように、固定口金21とこの固定口金21の前面側
に密着するように配置された遮蔽板を兼ねた可動口金2
2とで形成されており、固定口金21には上下方向に長
い主押出口23が形成されているとともに、可動口金2
2には副押出口24が形成されている。そして、この可
動口金22で主押出口23の一部の遮蔽するようにその
可動口金22を固定口金21に重ね合わせることによ
り、その主押出口23と副押出口24とで合成されて形
状可変のモール押出口25が形成される。
【0031】前記主押出口23は、アッパーモール部1
Aとサイドモール部1Cおよびコーナーモール部1Bの
各断面形状に共通するところの図3〜5に示すガラス側
下リップ8および車体側下リップ6を中心とした脚部4
の下部の形状を押出成形するためのもので、図示外の材
料供給口から所定の樹脂材料を供給すると、可動口金2
2で遮蔽された部分以外の主押出口23で成形された下
部成形体31が、可動口金22が位置する固定口金21
の前面側に押し出される。尚、主押出口23のうち、可
動口金22で遮蔽されない上部の開口部26から押し出
された材料はいわゆる捨て生地として回収される。
【0032】一方、前記可動口金22は所定厚みのプレ
ート状のものとして形成されていて、内部には所定の樹
脂通路が形成されているとともに、これらの樹脂通路に
は硬質樹脂材料と軟質樹脂材料とがそれぞれ材料供給口
27,28およびフレキシブルパイプ29,30を介し
て供給される。そして、可動口金22には主押出口23
とオーバーラップするように副押出口24が形成されて
いて、この副押出口24は前述した樹脂通路に連通して
いる。この副押出口24の形状は、アッパーモール部1
A、サイドモール部1Cおよびコーナーモール部1Bの
各断面形状に共通するところの図3〜5に示すガラス側
上リップ7および車体側上リップ5を中心とした脚部4
の上部の形状と一致していて、その副押出口24で成形
された上部成形体32が前方側に押し出される。
【0033】また、前記可動口金22は、図示しない駆
動手段により、固定口金21に密着した状態で図7,8
の上下方向にスライド駆動されるようになっている。す
なわち、可動口金22が図7に示す下降限位置P1にあ
る時には、主押出口23と副押出口24とで合成形成さ
れるモール押出口25の形状が図3に示すアッパーモー
ル部1Aの断面形状と一致し、他方、可動口金22が図
8に示す上昇限位置P2にある時には、前記主押出口2
3と副押出口24とで合成形成されるモール押出口25
の形状が図5に示すサイドモール部1Cの断面形状と一
致するようになっている。
【0034】したがって、可動口金22を下降限位置P
1と上昇限位置P2との間で連続的にスライド変位させた
場合には、前記主押出口23と副押出口24とで合成形
成されるモール押出口25の形状そのものが連続的に変
化することになる。
【0035】図7に示すように、今仮に可動口金22を
下降限位置P1に位置させた上で、主押出口23と副押
出口24とで合成されるモール押出口25に芯材11を
引き通しながら固定口金21の主押出口23から樹脂材
料を押し出し、同時に固定口金用とは別の材料供給口2
7,28から樹脂材料を供給して副押出口24からも樹
脂材料を押し出す。
【0036】この状態においては、主押出口23の一部
が可動口金22にて遮蔽されていることから、その遮蔽
部分を除いた主押出口23の断面形状をもつ下部成形体
31が主押出口23から押出成形される。この主押出口
23からのみ押し出される下部成形体31は、ガラス側
下リップ8や車体側下リップ6を含んでいるものの、ガ
ラス側上リップ7や車体側上リップ5の形状を含んでお
らず、ウインドモール1としては不完全な形状のもので
ある。
【0037】なお、前記固定口金21に体する材料供給
口を予め二系統に分け、一方からは硬質樹脂材料を、他
方からは軟質樹脂材料をそれぞれ供給して、それら双方
の材料を同時に押し出すことにより、図3に示す車体側
下リップ6やガラス当接部7a,4a,9aを軟質樹脂
で成形し且つそれ以外の部分を硬質樹脂で成形すること
ができる。
【0038】一方、可動口金22の副押出口24からも
その副押出口24で成形された上部成形体32が主押出
口24からの下部成形体31と同方向に押出成形され、
その双方の押出口23,24から押し出された上下の成
形体31,32が融着して一体化される。
【0039】つまり、主押出口23と副押出口24とは
押出方向においてわずかにオフセットしているだけであ
るから、それぞれに別の押出口23,24から押出成形
されることになる双方の成形体31,32は成形と同時
に瞬間的に融着一体化されることになり、可動口金22
が図7の下降限位置P1に位置しているかぎり、図3に
示すところの均一断面のサイドモール部1Aが連続的に
成形されることになる。
【0040】これに対して、上記のような押出動作と並
行して、図8に示すようにその下降限位置P1から上昇
限位置P2に向けて可動口金22を所定の速度で連続的
にスライド変位させると、主押出口23と副押出口24
とで合成されて形成されるところのモール押出口25の
形状が連続的に変化する。これにより、脚部4の上部の
形状が図3の状態から図4の状態を経て図5の状態へと
連続的且つ滑らかに変化するところのコーナーモール部
1Bが押出成形される。ただし、この時には図3,4に
示す融着部12は形成されていない。
【0041】さらに、可動口金22を図8に示す上昇限
位置P2に固定すれば、図5に示すところの均一断面の
サイドモール部1Cが連続的に成形される。
【0042】このように、固定口金21および可動口金
22からの押出成形動作と同期して、所定のタイミング
で可動口金22をスライド変位させることにより、図3
〜5に示すように長手方向で断面形状が異なるアッパー
モール部1Aとコーナーモール部1Bおよびサイドモー
ル部1Cとを備えたウインドモール1が一本の連続した
ものとして成形されることになる。
【0043】押出機15で成形されたウインドモール1
は、図6に示すようにその後段の冷却槽16を通過する
ことで冷却されることは先に述べたとおりであるが、図
1,6に示すようにその冷却槽16の始端部にはサイジ
ング治具33が配置されており、このサイジング治具3
3の上を成形直後のウインドモール1が通過するように
なっている。
【0044】サイジング治具33は、図9,10,11
に示すように、ガラス側下リップ8と摺接する案内基準
面34のほか、アンカー部9や車体側下リップ6を案内
する案内溝35が形成されているとともに、ウインドモ
ール1の長手方向に所定長さを有するブロック状のもの
として形成されていて、特にその案内基準面34上を走
行するガラス側下リップ8をわずかに押し上げることに
よりそのガラス側下リップ8の姿勢が正規製品形状とな
るようにいわゆるくせ付け(矯正)する役目をする。
【0045】すなわち、図3,4,5のほか図9,1
0,11にも示すように、アッパーモール部1A、コー
ナーモール部1Bおよびサイドモール1Cとからなるウ
インドモール1は、前記コーナーモール部1Bの一部で
はガラス側下リップ8の肉厚が連続的に変化することに
なるものの、ウインドモール1全体を通してそのガラス
側下リップ8の下面の高さは同一高さ位置にある。
【0046】したがって、押出成形直後のウインドモー
ル1がサイジング治具33上を通過して、その案内基準
面34によってガラス側下リップ8が所定量だけリフト
アップされることにより、そのガラス側下リップ8がリ
フトアップされた位置にくせ付けされる。
【0047】同時に、ガラス側上下リップ7,8間の距
離が最小寸法に保たれているアッパーモール部1A、お
よびコーナーモール部1Bのうちの第1の断面変化モー
ル部では、上記のくせ付けの際にガラス側上リップ7に
対してガラス側下リップ8が相対的に押し上げられるこ
とにより、両者が融着部12にて融着される。
【0048】この時、図9,10に示すように、ガラス
側下リップ8の肉厚が最小肉厚寸法から最大肉厚寸法に
変化する過程では、その肉厚変化に伴って融着部12が
両リップ7,8の根元部側に移動し、逆にガラス側下リ
ップ8の肉厚が最大肉厚寸法から最小肉厚寸法に変化す
る過程ではその肉厚変化に伴って融着部12が両リップ
7,8の根元部側から先端部側に移動する。
【0049】そして、上記のように、サイジング治具3
3を通過することによってくせ付けされたガラス側下リ
ップ8は直ちに図5の冷却槽16で冷却されることでそ
の位置および形状に保持される。
【0050】このように本実施例によれば、脚部4の上
方のガラス側リップが上リップ7と下リップ8の二枚構
成となっていて、かつそれら双方のリップ7,8同士が
相互に近接することになるアッパーモール部1Aおよび
コーナーモール部1Bの一部でその両者を融着接合する
場合に、従来のように二次処理によって加圧力を加える
ことなく、単にサイジング治具を通過させるだけで融着
接合することができることになる。
【0051】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載の発明によ
れば、長手方向で断面形状が変化するように連続して押
出成形されるウインドモールについて、そのガラス側下
リップを所定量だけ押し上げてくせ付けを施すととも
に、ガラス側上リップとガラス側下リップとが相互に近
接することになる少なくとも均一断面モール部では上記
の押し上げ動作により双方のリップを融着させるように
したことにより、従来のようにウインドモールの一部を
切除したり、あるいはローラ等により押し潰す等の二次
処理が一切不要で、工数の低減に伴ってコストダウンを
図ることができるほか、二次処理のためのタイミング制
御も不要となって、制御の簡素化により設備費を併せて
低減できる。
【0052】また、ウインドモールをローラ等で加圧し
ていないために形状精度の向上と安定化が図れるほか、
例えばモール表面に装飾用の光輝フィルム等が埋設され
る場合にもそのフィルムに曇りや歪みが生ずることがな
く、成形品質が大幅に向上する。
【0053】また、請求項2に記載の発明のように、サ
イジング治具の上面に、モール長手方向に所定の長さを
有する案内基準面を形成して、この案内基準面をドア側
下リップとの摺接面としてウインドモールを搬送走行さ
せることにより、ガラス側下リップのくせ付け効果の安
定化と、ガラス側上下リップの融着信頼性が一段と向上
する利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を示す図で、サイジング治具
とウインドモールとの関係を示す要部斜視図。
【図2】自動車の前斜視図。
【図3】図2のA−A線に沿うウインドモールの拡大断
面図。
【図4】図2のB−B線に沿うウインドモールの拡大断
面図。
【図5】図2のC−C線に沿うウインドモールの拡大断
面図。
【図6】ウインドモールの製造ライン全体の概略説明
図。
【図7】押出機の口金の作動説明図。
【図8】押出機の口金の作動説明図。
【図9】図1に示すサイジング治具とアッパーモール部
との関係を示す断面図。
【図10】図1に示すサイジング治具とコーナーモール
部との関係を示す断面図。
【図11】図1に示すサイジング治具とサイドモール部
との関係を示す断面図。
【図12】従来のウインドモールにおけるサイドモール
部の断面図。
【図13】従来のウインドモールにおけるアッパーモー
ル部の断面図。
【符号の説明】
1…ウインドモール 1A…アッパーモール部(均一断面モール部) 1B…コーナーモール部(第1,第2の断面変化モール
部) 1C…サイドモール部 2…フロントガラス 3…車体パネル 3a…支持面 4…脚部 5…車体側上リップ 6…車体側下リップ 7…ガラス側上リップ 8…ガラス側下リップ 12…融着部 13…ドリップ溝 15…押出機 16…冷却槽 21…固定口金 22…可動口金 33…サイジング治具 34…案内基準面

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウインドガラスの周縁部に沿って装着さ
    れて、その長手方向で断面形状が変化する長尺なウイン
    ドモールにして、ウインドガラスの端面とこれに対向す
    る車体パネル側の支持面との間に位置する脚部と、この
    脚部から前記支持面側に突出して該支持面に弾接する車
    体側リップと、前記脚部からウインドガラス側にそれぞ
    れ突出して、そのウインドガラスの上面に圧接するガラ
    ス側下リップおよびこのガラス側下リップの上方に位置
    するガラス側上リップとを有し、ウインドモールの長手
    方向の特定部分で前記ガラス側下リップとガラス側上リ
    ップとの間の距離を脚部の高さとともに最小寸法から最
    大寸法へと連続的に変化させることによりそれらガラス
    側下リップとガラス側上リップおよび脚部とによって囲
    まれる部分にドリップ溝を形成するようにしたウインド
    モールの製造方法であって、 前記ガラス側上下リップ間の距離が最小寸法のままで維
    持される均一断面モール部と、前記ガラス側上下リップ
    間の距離を最小寸法に維持したままでガラス側下リップ
    が最小肉厚寸法から最大肉厚寸法へと連続的に変化する
    第1の断面変化モール部と、前記ガラス側下リップが最
    大肉厚寸法になった状態でガラス側上下リップ間の距離
    が脚部の高さとともに最小寸法から最大寸法へと連続的
    に変化する第2の断面変化モール部とを、長手方向で相
    互に一体のものとして連続的に押出成形する工程と、 押出成形された各モール部を冷却する工程と、 冷却工程の初期段階でガラス側下リップをその下面側か
    ら所定量だけ押し上げて、ガラス側下リップにくせ付け
    を施しながら少なくとも均一断面モール部のガラス側下
    リップとガラス側上リップとを相互に融着させる工程、 とを含むことを特徴とする自動車用ウインドモールの製
    造方法。
  2. 【請求項2】 冷却工程の始端部にサイジング治具が配
    置されているとともに、このサイジング治具の上面にモ
    ール長手方向に所定の長さを有する案内基準面が形成さ
    れていて、この案内基準面にガラス側下リップの下面が
    摺接しながらウインドモールが連続的に搬送されるもの
    であることを特徴とする請求項1記載の自動車用ウイン
    ドモールの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006347147A (ja) * 2005-06-20 2006-12-28 Tokiwa Chemical Industry Co Ltd 合成樹脂芯材の押出し成形品の成型方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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