JPH09159684A - 磁気式回転検出装置 - Google Patents

磁気式回転検出装置

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JPH09159684A
JPH09159684A JP7318412A JP31841295A JPH09159684A JP H09159684 A JPH09159684 A JP H09159684A JP 7318412 A JP7318412 A JP 7318412A JP 31841295 A JP31841295 A JP 31841295A JP H09159684 A JPH09159684 A JP H09159684A
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    • G01P3/44Devices characterised by the use of electric or magnetic means for measuring angular speed
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両などの各種装置に組み込まれた磁気式回
転検出装置の製造コストの低減を図るとともに検出精度
を良好にする。 【解決手段】 N極とS極を交互に回転方向に沿って着
磁した磁気回転板10の着磁面に、回転センサ20内に
組み込まれた磁気抵抗素子30を対向させる。磁気抵抗
素子30は、磁性体と非磁性体を交互に積層するととも
に線状パターン化した人工格子膜を有し、人工格子膜の
面に平行な磁界の強さの変化に対してのみ人工格子膜の
抵抗値を大きく変化させる性質を有する。この性質を利
用すれば、人工格子膜の抵抗値の変化により信号処理回
路40にて大きく変化する電圧信号を得ることができ、
回転センサ20内に増幅器などの他の回路を必要としな
くなるとともに、コネクタ片22の数を少なく済ませる
ことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両などの各種装
置に組み込まれて回転部分の回転角、回転方向、回転速
度などを磁気的に検出する磁気式回転検出装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の装置は、特開平4−37
0763号公報に示されているように、着磁した歯車に
磁気抵抗素子を近接させておき、同歯車の回転に応じた
磁気抵抗素子の抵抗値の変化を電圧変化に変換し、同変
換された電圧と基準電圧と比較することによりパルス列
信号に変換して出力するようにしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記従来の磁
気抵抗素子は磁界の変化の強さに対する抵抗値の変化が
小さいために磁気抵抗素子をブリッジ接続する必要があ
り、そのために一つのパルス列信号を取り出すために
は、磁気抵抗素子を含む回転センサに電源端子、接地端
子及び出力端子の少なくとも3個の端子を必要とすると
いう問題があった。また、前記のように磁気抵抗素子の
抵抗値の変化が小さいために変換された電圧信号の変化
も小さく、磁気抵抗素子からの出力を回転センサから離
れた位置にある電気制御装置に直接接続することができ
ず、同センサには増幅器、波形整形回路などの各種回路
を内蔵させる必要があった。そのために、電波障害防止
用のコンデンサを含む各種回路を回転センサ内に内蔵さ
せたり、同センサを電磁シールドするなどの対策が必要
であり、装置全体のコストが高くなるという問題があっ
た。
【0004】
【発明の概要】本発明は上記問題に対処するためになさ
れたもので、磁性体と非磁性体とを交互に積層するとと
もに線状パターン化した人工格子膜を備え巨大磁気抵抗
効果を有する磁気抵抗素子を用いることにより、安価な
製造コストで精度よく回転を検出できる磁気式回転検出
装置を提供することを目的とするものである。また、こ
の目的を達成するために、本発明は、磁気抵抗素子自体
を工夫したり、同素子に対向する着磁された回転体を工
夫したり、回転に応じてパルス列信号を発生する回路構
成を工夫したりしている。
【0005】以下、本願の各発明の構成上の特徴をそれ
ぞれ説明する。本発明の一つの特徴は、磁性体と非磁性
体を交互に積層するとともに線状パターン化した人工格
子膜を有する磁気抵抗素子を用い、同素子を着磁した回
転体の回転面に対向させるとともに、同素子と隔離して
配置された信号処理回路に同素子の人工格子膜の両端を
導線を介して接続しておき、回転体の回転に伴う磁界の
強さの変化に応じた人工格子膜の抵抗値の変化に基づい
てパルス列信号を信号処理回路から出力するようにした
ことにある(図1,6参照)。
【0006】この場合、信号処理回路は、例えば、電圧
源回路からの所定電圧を人工格子膜に印加するととも
に、同人工格子膜に流れる電流値を電流検出用抵抗によ
り電圧信号に変換し、波形整形回路にて前記電圧信号と
基準電圧信号とを比較してパルス列信号を出力する(図
15参照)。また、信号処理回路は、例えば、電流源回
路から人工格子膜に所定電流を流し、波形整形回路にて
同人工格子膜に発生する電圧信号と基準電圧信号とを比
較してパルス列信号を出力する(図17〜20参照)。
【0007】前記のように構成した磁気抵抗素子の人工
格子膜の抵抗値は磁界の強さの変化に対して大きく変化
するので、磁気抵抗素子と信号処理回路とを導線を介し
て直接的に接続することができ、磁気抵抗素子から一つ
のパルス列信号を得るための端子は2つだけで済む。ま
た、磁気抵抗素子を含む回転センサ内には増幅器、波形
整形回路などを設ける必要がなくなるとともに、これら
の回路を不要とすることにより電波障害防止用の回路を
回転センサ内に組み込んだり、同センサを電磁シールド
する必要がなくなる。したがって、装置全体の製造コス
トを安価にすることができるとともに、回転体の回転を
精度よく検出できるようになる。
【0008】また、本発明の他の構成上の特徴は、前記
回転体を車両の回転部分に組み付けるとともに、前記磁
気抵抗素子を車両の非回転部分に組み付け、回転体と磁
気抵抗素子をカバーにより外部から遮断するようにした
ことにある(図11〜14参照)。これによれば、磁性
体の粉末などが回転体の着磁部に付着することを防止す
ることができ、磁気抵抗素子に入力される磁束が磁性体
粉末などにより影響を受けることがなくなるので、前記
効果に加えて、車両の回転部分の回転を検出するために
本発明に係る磁気式回転検出装置を用いても、同回転を
常に精度よく検出できる。
【0009】また、本発明の他の構成上の特徴は、N極
とS極とを回転方向に沿って交互かつほぼ同一幅に着磁
した回転体の回転面に、前記のような人工格子膜を有す
る磁気抵抗素子を対向させた磁気式回転検出装置におい
て、人工格子膜の面を回転体の着磁面に対して垂直に配
置し、人工格子膜を回転体の着磁面の回転方向と直交す
る方向を長手方向にして延設し、かつ人工格子膜の面に
直交する方向の磁気抵抗素子の厚さを少なくとも着磁面
の各磁極の回転方向幅より小さくしたことにある(図2
1〜24参照)。
【0010】前記のように構成した磁気抵抗素子は、通
過する磁界の強さが大きくなるにしたがって人工格子膜
の抵抗値が小さくなり、またこの人工格子膜の抵抗値の
変化は人工格子膜の面と平行な磁界に対してその方向と
は無関係に大きく影響を受けるとともに、垂直な磁界の
強さの変化に対してほとんど影響を受けないという性質
を有している。したがって、回転体の回転により磁気抵
抗素子が磁極上に位置すると、各磁極の着磁面に垂直な
強い磁界が人工格子膜の面に対して平行に通過するの
で、人工格子膜の抵抗値が小さくなる。一方、磁気抵抗
素子が磁極間上に位置するときには、N極からS極に向
かう強い磁界は磁気抵抗素子の人工格子膜の面に垂直に
通過するので、人工格子膜の抵抗値は大きく保たれる。
したがって、回転体の回転に伴って、磁気抵抗素子の人
工格子膜の抵抗値は大きく変化し、この抵抗値の変化に
より回転体の回転が良好に検出される。
【0011】また、前記のように着磁面から垂直に発生
する磁界に応答させた磁気式回転検出装置においては、
前記回転体のN極とS極の各着磁部間に溝を設けるよう
にするとよい(図28,29参照)。これによれば、各
磁極間の非着磁部の回転方向幅が広くなり、回転体の回
転に伴って人工格子膜の抵抗値が大きく保たれる時間
を、人工格子膜が磁極上にあって同人工格子膜の抵抗値
が小さくなる時間と同等にすることができる。これによ
り、抵抗値の変化に伴う電圧信号をパルス列信号に整形
する際にデューティ比をほぼ50%にすることが可能に
なり、回転体の速い回転にも応答できるようになる。
【0012】また、前記溝に樹脂を埋め込んで着磁面を
平坦にするとよい(図30,31参照)。これによれ
ば、回転体に溝を設けても同回転体の機械的強度が悪化
することがなくなる。
【0013】また、前記回転体にN極とS極とを所定の
間隔を隔てて着磁するようにするとよい(図32,33
参照)。これによっても、前記した場合と同様に、各磁
極間の非着磁部の回転方向幅を広くすることができるよ
うになって、回転体の速い回転にも応答できるようにな
る。
【0014】また、前記回転体に着磁する場合に、先端
を丸くした着磁ヨークを用いて前記N極とS極とを着磁
するようにするとよい(図34参照)。これによれば、
着磁面の回転方向に沿った磁界の強さの変化を正弦波状
にすることができ、抵抗値の変化に伴う電圧信号をパル
ス列信号に整形する際にデューティ比をほぼ50%にす
ることが可能になり、回転体の速い回転にも応答できる
ようになる。
【0015】また、前記回転体の第1回転面に回転方向
に沿って一方の磁極をほぼ同一幅ずつ所定の間隔をおい
て着磁するとともに、前記第1回転面に平行な同回転体
の第2回転面に他方の磁極を着磁するとよい(図35,
36参照)。これによれば、回転体の第1及び第2回転
面に対してN極及びS極をそれぞれ着磁すればよく、回
転体に対する着磁が簡単になる。
【0016】また、前記人工格子膜を連続した一本の線
状体を繰り返し折り返してパターン化するとよい(図2
5参照)。これによれば、抵抗値を変化させる人工格子
膜のの実効長を長くすることができるので、回転体の回
転に伴う人工格子膜の抵抗値の変化をより大きくするこ
とができて回転体の回転がより良好に検出される。
【0017】また、前記人工格子膜の線状パターンの幅
を、磁界の強さの変化が大きい位置にて小さく、かつ磁
界の強さの変化が小さい位置にて大きく形成するとよい
(図26,27参照)。例えば、前記線状パターンの幅
を、回転体の着磁面の回転方向と直角な幅方向中心付近
にて小さくかつ同幅方向端部にて大きく形成したり(図
26参照)、回転体の着磁面に近い位置にて小さくかつ
遠い位置にて大きく形成したりする(図27参照)。こ
れによれば、抵抗値の変化に大きな影響を与える線状パ
ターンの幅の小さい部分(断面積が小さくなって抵抗が
大とされた部分)が磁界の強さの変化の大きい位置に位
置するので、回転体の回転に伴う人工格子膜の抵抗値の
変化をより大きくすることができて回転体の回転がより
良好に検出される。
【0018】また、前記磁気抵抗素子と前記回転体の着
磁面との間に磁性板を人工格子膜の面とほぼ同一面にて
配置するとよい(図37参照)。これによれば、各磁極
の着磁面に対して垂直に出入りする磁束を人工格子膜に
集中させることができ、回転体の回転に伴う人工格子膜
の抵抗値の変化をより大きくすることができて回転体の
回転がより良好に検出される。
【0019】また、前記磁気抵抗素子と同一面内に磁性
板を設けるとともに、同磁性板の一部を延設して前記回
転体の磁極間隔にほぼ等しい位置に脚部を設け、同脚部
を回転体の着磁面に対して垂直となるように配置すると
よい(図38参照)。これによれば、2つ磁極の着磁面
に対して垂直に出入りする磁束を人工格子膜に同時に集
中させることができ、回転体の回転に伴う人工格子膜の
抵抗値の変化をより大きくすることができて回転体の回
転がより良好に検出される。
【0020】また、本発明の他の構成上の特徴は、N極
とS極とを回転方向に沿って交互かつほぼ同一幅に着磁
した回転体の回転面に、前記のように人工格子膜を有す
る磁気抵抗素子を対向させた磁気式回転検出装置におい
て、磁気抵抗素子の人工格子膜の面を回転体の着磁面に
対して垂直に配置し、人工格子膜を回転体の着磁面の回
転方向を長手方向として延設し、かつ人工格子膜の長手
方向に沿った単位長さ当りの抵抗値を回転体のN,S各
磁極幅にほぼ等しい間隔を有する同長手方向の2位置に
て他の位置より高くしたことにある(図39〜41参
照)。
【0021】これによれば、人工格子膜の抵抗値の高い
一方の部分が一つの磁極上にあるときには、同抵抗値の
高い他方の部分は他の磁極上にあり、人工格子膜は2磁
極面に垂直に出入りする磁束に同時に応答してその抵抗
値を下げる。一方、人工格子膜の抵抗値の高い一方の部
分が一つの磁極間上にあるときには、同抵抗値の高い他
方の部分も他の磁極間上にあり、人工格子膜の抵抗値は
大きくなる。このように2磁極に出入りする両磁束に対
して人工格子膜を同時に応答させるようにしたので、回
転体の回転に伴う人工格子膜の抵抗値の変化をより大き
くすることができて回転体の回転が良好に検出される。
【0022】また、このように2磁極に出入りする両磁
束に人工格子膜の長手方向に沿った単位長さ当りの抵抗
値の高い2部分を同時に応答させるようにした磁気式回
転検出装置においては、回転体の回転面に回転方向に沿
った帯状の2領域を互いに隣接して設け、この2領域に
N極とS極とを回転方向に沿って交互かつほぼ同一幅で
あって2領域の隣接した各磁極が異磁極になるようにそ
れぞれ着磁し、前記のような人工格子膜を有する磁気抵
抗素子を前記2領域に人工格子膜が垂直になるように対
向させるようにしてもよい(図42,45参照)。
【0023】また、前記2領域に代えて、回転体の互い
に平行な第1及び第2回転面にN極とS極とを回転方向
に沿って交互かつほぼ同一幅であって前記第1及び第2
回転面の対向する各磁極が異磁極になるようにそれぞれ
着磁し、前記のような人工格子膜を有する磁気抵抗素子
を回転体の第1及び第2回転面と直交する第3回転面に
人工格子膜が垂直になるように対向させてもよい(図4
3,46参照)。
【0024】これによっても、磁気抵抗素子が磁極上に
位置しているときに、人工格子膜の長手方向に沿った単
位長さ当りの抵抗値の高い2部分は、2領域、又は第1
及び第2回転面にそれぞれ出入りする両磁束に同時に応
答してその抵抗値を下げる。ただし、これらの場合、各
領域毎に、又は第1及び第2の各回転面毎に回転方向に
発生する磁界も存在するが、この磁界は人工格子膜の面
に対して垂直に作用するので、人工格子膜の抵抗値の変
化にほとんど影響を与えない。したがって、この場合
も、回転体の回転に伴う人工格子膜の抵抗値の変化をよ
り大きくすることができて回転体の回転が良好に検出さ
れる。
【0025】また、前記のように第1,2回転面に着磁
するようにした磁気式回転検出装置においては、人工格
子膜の長手方向に沿った単位長さ当りの抵抗値を同長手
方向端部にて中央部より大きくするとよい(図44参
照)。この場合、第1及び第2回転面の各磁極近傍位置
にて磁界の強さは大きいので、磁界の強さの変化が大き
い位置を前記抵抗値の高い部分に対応させることがで
き、回転体の回転に伴う人工格子膜の抵抗値の変化をよ
り大きくすることができて回転体の回転がより良好に検
出される。
【0026】さらに、前記2領域及び第1,2回転面に
着磁するようにした磁気式回転検出装置においても、人
工格子膜の実効長を長くするために、人工格子膜を連続
した一本の線状体を繰り返し折り返してパターン化する
とよい(図42〜46参照)。
【0027】また、本発明の他の構成上の特徴は、回転
体の回転面にN極とS極とを回転方向に沿って交互かつ
ほぼ同一幅に着磁し、前記と同様な人工格子膜を有する
磁気抵抗素子を回転体の着磁面に対向させた磁気式回転
検出装置において、人工格子膜の面を回転体の着磁面に
対して平行に対向させ、人工格子膜を回転体の着磁面の
回転方向と直交する方向を長手方向にして延設し、かつ
長手方向と直交する方向の人工格子膜全体の幅を少なく
とも着磁面の各磁極の回転方向幅より小さくしたことに
ある(図47〜49参照)。ただし、人工格子膜全体の
幅とは、人工格子膜が一本の線状体で構成されている場
合にはその幅をさし、人工格子膜が一本の線状体を繰り
返し折り返してパターン化されている場合には複数の線
状体に渡る両端間の距離をさす(以下、同じ)。
【0028】これによれば、磁気抵抗素子が磁極間上に
位置するとき、N極からS極に向かう着磁面に水平な強
い磁界が人工格子膜の面に平行に通過するので、人工格
子膜の抵抗値は小さくなる。一方、磁気抵抗素子が磁極
上に位置するときには、前記平行な磁界はほとんどな
く、かつ磁極面に垂直な磁界は人工格子膜の面に垂直に
通過するので、人工格子膜の抵抗値は大きく保たれる。
したがって、回転体の回転に伴い、磁気抵抗素子の人工
格子膜の抵抗値は大きく変化するので、この抵抗値の変
化により回転体の回転が良好に検出される。
【0029】このように着磁面に対して水平な磁界を用
いて回転体の回転が検出される磁気式回転検出装置にお
いても、人工格子膜の実効長を長くするために、前記人
工格子膜を連続した一本の線状体を繰り返し折り返して
パターン化するとよい(図50(D)〜(H)参照)。
【0030】また、前記のような着磁面に水平な磁界に
磁気抵抗素子を応答させるために、回転体の回転面に回
転方向に沿った帯状の2領域を互いに隣接して設け、前
記2領域にN極とS極とを回転方向に沿って交互かつほ
ぼ同一幅であって前記2領域の同一回転方向位置の各磁
極が異磁極になるようにそれぞれ着磁し、前記磁気抵抗
素子の人工格子膜の面を前記2領域に対向させるととも
に、人工格子膜を前記2領域の回転方向と直交する方向
を長手方向にして延設してもよい(図51(A)〜(C),
図53(A)〜(C)参照)。また、この場合も、回転体の
回転方向の各磁極間に非着磁部を設けるとよい(図51
(B)(C),図53(B)(C)参照)。また、前記2領域に
それぞれN極とS極とを交互に着磁するのに代えて、一
方の領域に一方の磁極を回転方向に沿ってほぼ同一幅に
所定間隔をおいて着磁するとともに、他方の領域に他方
の磁極を前記一方の磁極に対応する回転方向位置にて着
磁するようにしてもよい(図51(D)(E),図53(D)
(E)参照)。
【0031】さらに、前記回転面を2領域に分割して同
2領域に着磁するのに代えて、回転体の互いに平行な第
1及び第2回転面にN極とS極とを回転方向に沿って交
互かつほぼ同一幅であって第1及び第2回転面の対向す
る各磁極が異磁極になるようにそれぞれ着磁し、前記磁
気抵抗素子の人工格子膜の面を第1及び第2回転面に直
交する第3回転面に対して平行に対向させ、人工格子膜
を第3回転面の回転方向と直交する方向を長手方向にし
て延設させるようにしてもよい(図52(A)〜(C),5
4(A)〜(C)参照)。また、この場合も、回転体の回転
方向の各磁極間に非着磁部を設けるとよい(図52(B)
(C),図54(B)(C)参照)。また、第1及び第2回転
面にN極とS極とを交互に着磁するのに代えて、回転体
の第1回転面に一方の磁極を回転方向に沿ってほぼ同一
幅に所定間隔をおいて着磁するとともに、第1回転面に
平行な第2回転面に他方の磁極を第1回転面の磁極に対
向した位置にて着磁するようにしてもよい(図52(D)
(E),図54(D)(E)参照)。
【0032】さらに、前記2領域、又は第1及び第2回
転面に着磁して着磁面に対して平行な磁界を利用する磁
気式回転検出装置においても、人工格子膜の実効長を長
くするために、前記人工格子膜を連続した一本の線状体
を繰り返し折り返してパターン化するとよい(図50参
照)。
【0033】また、この着磁面に平行な磁界を利用する
磁気式回転検出装置において、前記磁気抵抗素子の人工
格子膜の面内にて、同人工格子膜の延設方向の両端部に
一対の磁性帯を同人工格子膜の延設方向と直角に延設し
たり(図56(A)(C),図57参照)、同人工格子膜の
両側に一対の磁性帯を同人工格子膜の延設方向と平行に
延設したりするとよい(図56(B)(C),図58参
照)。これによれば、人工格子膜の抵抗値の変化に悪影
響を与える不要な磁束を人工格子膜に集中させたり、阻
止したりして人工格子膜を通過させないようにすること
ができる。したがって、回転体の回転に伴う人工格子膜
の抵抗値の変化を大きくすることができ、回転体の回転
を良好に検出できるようになる。
【0034】また、本発明の他の構成上の特徴は、回転
体の回転面に回転方向に沿った帯状の2領域を互いに隣
接して設け、一方の領域に回転方向に沿ってほぼ同一幅
にN極とS極とを交互に着磁するとともに、他方の領域
にて回転方向に沿って前記所定幅ずつN極とS極とを交
互かつ回転方向の磁極中心を一方の領域の回転方向の磁
極中心に対して回転方向の磁極幅のほぼ2分の1ずつず
らして着磁し、前記磁気抵抗素子の人工格子膜を前記2
領域に対向させるとともに、人工格子膜の長手方向を回
転体の着磁面の回転方向と直交する方向に延設するとと
もに、その全体の幅を少なくとも回転方向の磁極幅の2
分の1より小さくしたことにある(図59(A)(B),図
60参照)。
【0035】これによれば、人工格子膜が2領域の隣合
う磁極が異磁極である位置上にあるとき、同人工格子膜
の抵抗値は前述の着磁面に水平な磁界により小さくな
る。一方、人工格子膜が2領域の隣合う磁極が同一磁極
である位置上にあるときには、同人工格子膜の抵抗値は
同人工格子膜に垂直な磁界しか存在しないために大きく
なる。したがって、このように構成した磁気式回転検出
装置においても、回転体の回転に伴う人工格子膜の抵抗
値の変化により、回転体の回転を良好に検出できる。
【0036】また、前記ような磁気式回転検出装置にお
いても、着磁面に平行な磁界に磁気抵抗素子を応答させ
るために、回転体の回転面に回転方向に沿った帯状領域
を設けるとともに、同帯状領域の回転方向に沿ってほぼ
同一幅を有しかつ境界線を回転方向に対して所定角度だ
け傾けてある複数の領域に分割して、この分割した各領
域にN極とS極とを回転方向に沿って交互に着磁するよ
うにしてもよい。(図61(A)参照)。また、前記帯状
領域に一方の磁極を着磁するとともに、同帯状領域の幅
方向の一部に回転方向に沿って所定の間隔をおいて他方
の磁極を形成するようにしてもよい(図61(B)(C)参
照)。
【0037】また、本発明の他の構成上の特徴は、回転
体の回転面に回転方向に直交する方向にて区画されかつ
同回転方向に帯状に延びた複数の領域を設けるとともに
前記複数の帯状領域に異なる回転方向位置にてそれぞれ
着磁し、磁性体と非磁性体とを交互に積層するとともに
線状パターン化してなり帯状領域に等しい数の人工格子
膜を有する磁気抵抗素子を、各人工格子膜が複数の帯状
領域にそれぞれ対向するように配置したことにある(図
62〜67参照)。これによれば、回転体の回転位置、
回転角度、回転速度などを検出するための信号を一つの
磁気抵抗素子から得ることができ、装置全体の構成が簡
単になって装置の製造コストを低減できる。また、一つ
の磁気抵抗素子内に複数の人工格子膜を設けたことによ
り、各人工格子膜に対して接地端子を共通に利用でき、
同人工格子膜に接続される端子数を少なく済ませること
ができ、この理由によっても装置全体の製造コストを低
減できる。
【0038】また、本発明の他の構成上の特徴は、回転
体の回転面に回転方向に直交する方向にて区画されかつ
同回転方向に帯状に延びた複数の領域を設け、各帯状領
域に回転方向に沿ってほぼ同一幅にN極とS極とを交互
に回転方向位置を所定量だけずらしてそれぞれ着磁し、
磁性体と非磁性体とを交互に積層するとともに線状パタ
ーン化してなり帯状領域に等しい数の人工格子膜を有す
る磁気抵抗素子を、各人工格子膜が各帯状領域にそれぞ
れ対向するように配置したことにある(図68〜70参
照)。これによれば、回転体の回転に伴う磁気抵抗素子
の各人工格子膜の抵抗値の変化に基づいて複数の異なる
位相(例えば、π/2)のパルス列信号を形成できるの
で、回転体の回転方向及び回転角が検出できるようにな
る。また、この磁気抵抗素子においては、同素子内に複
数の人工格子膜が設けられており、かつ各人工格子膜に
対して接地端子を共通に利用できるので、装置全体の製
造コストを低減できる。
【0039】さらに、本発明の他の構成上の特徴は、回
転体の回転面にN極とS極とを回転方向に沿って交互か
つほぼ同一幅に着磁した回転体と、磁性体と非磁性体と
を交互に積層するとともに線状パターン化した複数の人
工格子膜を有する磁気抵抗素子とを備え、磁気抵抗素子
の複数の人工格子膜を回転体の着磁面にその回転方向位
置をずらしてそれぞれ対向させるようしたことにある
(図71,72参照)。これによっても、前記場合と同
様に、回転体の回転に伴う磁気抵抗素子の各人工格子膜
の抵抗値の変化に基づいて複数の異なる位相(例えば、
π/2)のパルス列信号を形成できるので、前記と同じ
理由により、装置全体の製造コストを低減できる。
【0040】
【発明の実施の形態】
(1)本発明に係る磁気式回転検出装置の概略 本発明の実施形態を具体的に説明する前に、本発明に係
る磁気式回転検出装置について簡単に説明しておく。
【0041】本発明に係る磁気式回転検出装置は、図1
に示すように、N極とS極を交互に着磁してなる回転体
としての磁気回転板10に対向させた回転センサ20を
備えている。回転センサ20は樹脂製のハウジング21
に組み込まれた磁気抵抗素子30を有しており、同素子
30の抵抗値が磁気回転板10の回転に伴う磁界の強さ
の変化に応じて変化するようになっている。また、回転
センサ20は、磁気抵抗素子30に接続されかつ軸線方
向に延設された一対のコネクタ片22,22を後端にて
突出させており、同コネクタ片22,22には信号処理
回路40が接続されている。信号処理回路40は、磁気
抵抗素子30の抵抗値の変化を電圧変化として入力し
て、同入力電圧と所定のしきい値とを比較して磁気回転
板10の回転速度に比例した周波数のパルス列信号を出
力する。
【0042】磁気抵抗素子30は、図2(A)(B)に示す
ように、鏡面仕上げしたシリコン基板上に絶縁層として
のシリコン酸化膜(SiO2膜)を形成した酸化膜付きの
シリコン基板31上に、鉄ニッケルNiFeなどの磁性体
からなるバッファ層32を設け、さらにバッファ層32
上に線状パターン化された強磁性体34aと非磁性体3
4bを交互に積層してなる多層構造の人工格子膜34を
設けて構成されている。本実施例では、シリコン基板3
1上に鉄ニッケルNiFeなどの磁性体をバッファ層32
として数nm(例えば5nm)の厚さに蒸着し、同層3
2上に強磁性体34aとしてのコバルトCoと非磁性体
34bとしての銅Cuとを各1〜2nmの厚さで交互に
各16層蒸着した後、所望とする線状パターンのレジス
トパターン層を用いて同レジストパターン層部分以外の
バッファ層32、強磁性体34a及び非磁性体34bの
各層を除去することにより、所望の形状に線状パターン
化された人工格子膜34が形成される。その後、バッフ
ァ層32及び人工格子膜34は、シリコン酸化膜(Si
2膜)などからなる保護膜36により覆われる。ま
た、この人工格子膜34の両端は前記線状パターン化の
行程において方形状に形成されており、この方形状の部
分上に位置する保護膜36の一部が除去されて、同部分
にはアルミニウムからなる電極37,37が蒸着により
形成されている。なお、この電極37,37がボンディ
ングワイヤ、導電性接着材などによりコネクタ片22,
22に接続されている。
【0043】図3(A)は前述のように構成した磁気抵抗
素子30の縦断面を模式的に示すとともに、図3(B)は
同素子30の横断面を模式的に示している。この磁気抵
抗素子30においては、図示矢印Aで示す人工格子膜3
4に対して垂直方向(以下、単に垂直方向という)の磁
界の強さの変化に対して人工格子膜34の電極37,3
7間の抵抗変化率が大きく変動することはないが、図示
矢印B,Cで示す人工格子膜34の面に平行な方向(以
下、単に水平方向という)の磁界の強さの変化に対して
は同抵抗変化率はB,C両方向とも同程度に大きく変化
することが知られている。そして、図4に示すように、
水平方向の磁界の強さが「0」のとき人工格子膜34の
抵抗が最大になるとともに、水平方向の±500エルス
テッドの磁界の強さで人工格子膜34の電極37,37
間の抵抗はほぼ最小となり(飽和し)、±500エルス
テッドの磁界の強さの変化に対して抵抗変化率はほぼ2
0パーセント程度である。なお、抵抗変化率は(最大抵
抗値−最小抵抗値)/(最大抵抗値)として定義される。
【0044】以下の本発明の実施形態では、このように
大きな抵抗変化率を得ることができる人工格子膜34を
備えた磁気抵抗素子30を用いることにより、磁気抵抗
素子30の抵抗変化を同素子30から離れて位置する信
号処理回路40に直接伝達して回転センサ20、信号処
理回路40などの回路構成を簡単にしたことを一つの特
徴としている。特に、磁気抵抗素子30を車両各部の回
転の検出に利用している。また、磁気抵抗素子30の構
造及び配置、磁気回転板10の構造及び配置などを工夫
することにより、磁気回転板10を取り付けた回転部材
の回転を良好に検出できるようにしたことを他の特徴と
している。
【0045】(2)磁気式回転検出装置の車両への一適用
例 次に、本発明に係る磁気式回転検出装置を車輪速度を検
出するために車両に適用した例について説明すると、図
5は車両の全体を概略的に示している。回転センサ20
は各輪毎に設けられて、各回転センサ20は図5,6に
示すようにワイヤ23及びコネクタ24を介して車体に
搭載した電気制御装置40Aに接続されている。電気制
御装置40Aには、前述した信号処理回路40が内蔵さ
れている。
【0046】回転センサ20は、図7に示すとともに上
述したように、ハウジング21内に組み込まれた磁気抵
抗素子30及びコネクタ片22,22を備えているとと
もに、ハウジング20の外周上に固定された取り付け用
パッケージ25を備えている。この取り付け用パッケー
ジ25には、固定用のネジ孔25aが形成されている。
この回転センサ20の特徴は、人工格子膜34の面が回
転センサ20の軸線方向(コネクタ片22の軸線方向)
と平行になっている。そして、両電極37,37を結ぶ
直線は回転センサ20の軸線方向と直角をなし、人工格
子膜34は同センサ20の軸線方向先端部に配置されて
いる。
【0047】次に、この回転センサ20の変形例につい
て説明すると、図8〜10は回転センサ20の各変形例
を取り付け用パッケージ25を省略してそれぞれ示して
いる。図8の回転センサ20の特徴は、人工格子膜34
の面が回転センサ20の軸線方向に平行になっている。
そして、両電極37,37を結ぶ直線は回転センサ20
の軸線方向と平行をなし、人工格子膜34は回転センサ
20の側端部に配置されている。
【0048】図9の回転センサ20の特徴は、コネクタ
片22,22の先端部22a,22aを直角に曲げて構
成してなり、磁気抵抗素子30の両電極37,37を同
先端部22a,22aに接続させている。これにより、
人工格子膜34の面が回転センサ20の軸線方向と直交
している。そして、両電極37,37を結ぶ直線は回転
センサ20の軸線方向と直角をなし、人工格子膜34は
回転センサ20の側端部に配置されている。
【0049】図10の回転センサ20は、図7の回転セ
ンサ20において、ハウジング21の先端と人工格子膜
34との間に磁性板26を設けてある。これにより、同
センサ20は磁気回転板10からの磁力線を集中させる
ことができる。なお、このように磁性体26を人工格子
膜34の前方に配置することは、図8,9の回転センサ
20においても同様である。
【0050】次に、磁気回転板10及び回転センサ20
の車輪部への取り付け構造について説明すると、図11
は同車輪部を断面図より概略的に示している。磁気回転
板10は、車輪51と連動して回転するハブ52の内側
端に固定された非磁性体からなる円筒状のロータ53に
固定されている。一方、回転センサ20は、ハブ52を
ボールベアリング54を介して回転可能に支持するキャ
リア55の内側端に設けたカップ状のカバー56に磁気
回転板10に対向させて固定されている。なお、キャリ
ア55はアーム57を介して車体側に接続されている。
ハブ52の外周上とキャリア55の外側内周面との間に
はシール部材58が設けられており、カバー56とシー
ル部材58とにより磁気回転板10及び回転センサ20
は外部から遮断されている。これにより、キャリア5
5、カバー56及びシール部材58により囲まれた空間
には外部からの水、ゴミなどの異物が侵入しないように
なっているとともに、特に磁気回転板10に磁性体粉末
などの異物が付着しないようになっている。
【0051】この図11の磁気回転板10と回転センサ
20との取り付け構造の特徴は、回転センサ20をカバ
ー56の底面に組み付け、磁気回転板10を環状に形成
して、その上面と回転センサ20の軸線方向先端面を対
向させてロータ53の外周端部に固定させてある。そし
て、磁気回転板10としてはその上面にて周方向(回転
方向)に沿ってN極とS極を交互に着磁したものを用
い、回転センサ20としては上記図7又は図10に示し
たものを用いる。
【0052】次に、磁気回転板10と回転センサ20と
の取り付け構造の変形例について説明する。第1変形例
は、図12に示すように、回転センサ20をカバー56
の側面に取り付け、磁気回転板10を環状に形成して、
その外周面と回転センサ20の軸線方向先端面を対向さ
せてロータ53の外周端部に固定させてある。そして、
磁気回転板10としてはその外周面に周方向に沿ってN
極とS極を交互に着磁したものを用い、回転センサ20
としては上記図7又は図10に示したものを用いる。
【0053】第2変形例は、図13に示すように、回転
センサ20をカバー56の底面に取り付け、磁気回転板
10を環状に形成して、その内周面と回転センサ20の
側面を対向させてロータ53の側面端部に固定させてあ
る。そして、磁気回転板10としてはその内周面に周方
向に沿ってN極とS極を交互に着磁したものを用い、回
転センサ20としては上記図8に示したものを用いる。
【0054】第3変形例は、図14に示すように、回転
センサ20をカバー56の底面に取り付け、磁気回転板
10を環状に形成して、その外周面と回転センサ20の
側面を対向させてロータ53の外周端部に固定させてあ
る。そして、磁気回転板10としてはその外周面に周方
向に沿ってN極とS極を交互に着磁したものを用い、回
転センサ20としては上記図8に示したものを用いる。
このように、磁気回転板10と回転センサ20との取り
付け構造は、周囲の空間の問題により適宜変更できる。
【0055】次に、電気制御装置40A内の信号処理回
路40について説明する。図15に示すように、信号処
理回路40は定電圧源回路41を備え、同回路41はワ
イヤ23及びコネクタ24(図6参照)を介して磁気抵
抗素子30の一方の電極37に接続されている。他方の
電極37はワイヤ23及びコネクタ24を信号処理回路
40内の電流検出用抵抗R1の一端に接続されている。
抵抗R1の他端は接地されている。
【0056】抵抗R1の一端は、波形整形回路42を構
成するバッファアンプOP1に接続されている。波形整
形回路42は、前記バッファアンプOP1と、基準電圧
発生器を構成する直列接続した抵抗R2,R3と、基準
電圧発生器からの基準電圧を入力するバッファアンプO
P2と、コンデンサC1及び抵抗R4からなってバッフ
ァアンプOP1に入力される電圧信号からオフセット直
流電圧を除去するための交流カプリング回路と、バッフ
ァアンプOP1,OP2の両出力電圧を比較するための
比較器OP3とを備えている。
【0057】このような構成により、磁気回転板10の
回転により磁気抵抗素子30内の人工格子膜34の抵抗
値が変化すると、人工格子膜34には定電圧源回路41
から一定の電圧が付与されているので、人工格子膜34
には前記変化する抵抗値と抵抗R1の抵抗値の和に反比
例した電流が流れる。抵抗R1はこの電流を検出して同
電流に比例した電圧信号を出力し(図16参照)、この
電圧信号はバッファアンプOP1に入力される。そし
て、波形整形回路42は、前記入力電圧信号と抵抗R
2,R3からなる基準電圧発生器からの基準電圧信号と
を比較して、図16に示すような矩形波状のパルス列信
号を出力する。このパルス列信号の周期又は単位時間内
のパルス数を信号処理回路40に接続したコンピュータ
等の別回路により演算するようにすれば、車輪の回転速
度を検出できる。例えば、所定時間(6ms)内におけ
るパルス信号の立ち上がり(或は立ち下がり、又は立ち
上がり及び立ち下がりの両方)の数をカウントし、この
カウント値を所定の計算式に代入し又は同カウント値に
基づいて所定のマップを参照して回転速度を導出でき
る。
【0058】前記のように構成かつ動作する磁気式回転
検出装置においては、上述のように、磁気抵抗素子30
の人工格子膜34の抵抗値は磁界の強さの変化に応じて
大きく変化する。したがって、人工格子膜34及び検出
用抵抗R1に流れる電流は磁気回転板10(車輪51)
の回転により充分に大きく変化し、磁気抵抗素子30を
収容した回転センサ20内にアンプ、その他の電気回路
を内蔵しなくても、信号処理回路40のバッファアンプ
OP1には、大きな電圧変化を有しかつ大きなS/N比
を有する電圧信号が入力される。したがって、簡単かつ
低コストな構成により、信号処理回路40から車輪51
の回転を精度よく表すパルス列信号を得ることができ
る。
【0059】次に、前述した信号処理回路40の実施形
態を変形した各種変形例について説明する。第1変形例
は、図17に示すように定電流源回路43を備え、同回
路43は前記実施形態の場合と同様に磁気抵抗素子30
の一方の電極37に接続されている。他方の電極37
は、信号処理回路40内の接地端子に直接接続されてい
る。波形整形回路42も前記実施形態と同様に構成され
ているが、バッファアンプOP1は磁気抵抗素子30の
両電極37,37間の電圧信号を入力するようになって
いる。このように構成した第1変形例においても、磁気
回転板10(車輪51)の回転により人工格子膜34の
抵抗値が変化すると、同人工格子膜34には常に一定の
電流が流れているので、バッファアンプOP1には同抵
抗値の変化に対応して変化する電圧信号が入力される。
その結果、前記実施形態の場合と同様な効果を得ること
ができる。
【0060】また、第2変形例においては、図18に示
すように、磁気抵抗素子30の一方の電極37は前記第
1変形例と同様に定電流源回路43に接続されている
が、他方の電極37は導線を介して信号処理回路40ま
で延長されないで車体に直接接続されて接地されてい
る。他の構成及びこの第2変形例の動作は前記第1変形
例と同じである。この第2変形例によれば、磁気抵抗素
子30と信号処理回路40とをワイヤ23内を通した一
本の電線で接続することができ、前記第1変形例よりも
さらに簡素化及び低コスト化を図ることができる。
【0061】また、第3変形例にかかる信号処理回路4
0は、図19に示すように、磁気抵抗素子30の両電極
37,37間(人工格子膜34)に常に一定の電圧が印
加されるように調整する定電圧源回路44を有する。こ
の定電圧源回路44は、人工格子膜34の両端子の電圧
を入力するバッファアンプOP4,OP5と、前記両端
子の電圧差を検出する差動増幅器OP6と、同増幅器O
P6の出力電圧に応じた出力電圧を発生する出力アンプ
OP7とからなり、保護用抵抗R5を介して一方の電極
37に可変電圧を印加する。他方の電極37は、前記実
施形態と同様に、電流検出用抵抗R1を介して接地され
ている。波形整形回路42も上記実施形態と同様に構成
されている。
【0062】このような構成によれば、人工格子膜34
の両端には常に一定の電圧が付与されるので、人工格子
膜34の抵抗値に反比例した電流が保護用抵抗R5、人
工格子膜34及び電流検出用抵抗R1に流れる。したが
って、波形整形回路42には人工格子膜34の抵抗値に
反比例した電圧信号が入力され、同整形回路42は上記
実施形態と同様に回転体の回転に応じたパルス列信号を
出力する さらに、第4変形例に係る信号処理回路40は、図20
に示すように、前記第3変形例におけるコンデンサC1
及び抵抗R4からなる交流カプリング回路を省略してい
る。このようにしても、抵抗R2,R3からなる基準電
圧発生器からの基準電圧信号を変更することにより、前
記第3変形例と同様に動作する。このような、第3及び
第4変形例においても、磁気抵抗素子30を収容した回
転センサ20内にアンプ、その他の電気回路を内蔵しな
くても、信号処理回路40のバッファアンプOP1に
は、大きな電圧変化を有しかつ大きなS/N比を有する
電圧信号が入力されるので、上記実施形態と同様な効果
が期待できる。
【0063】(3)着磁面に対して磁気抵抗素子を垂直に
配置した例 a.磁気回転板と磁気抵抗素子の基本的な配置例 まず、磁気抵抗素子30を磁気回転板(回転体)10の
着磁面に対して垂直に配置した場合の磁気回転板10と
磁気抵抗素子30の基本的な第1配置例について説明す
る。この第1配置例においては、磁気回転板10の上面
を磁極面として、同磁極面に対向して回転センサ20を
近接配置している。磁気回転板10は図21(A)(B)に
示すように円板状に形成され、その上面にて回転軸L1
を中心として周方向に沿って交互かつほぼ同一幅で放射
状に配置されたN極及びS極を備えている。この場合、
図22(A)に示すように磁気回転板10の上表面のみに
N極とS極を着磁するようにしてもよいし、図22(B)
に示すように上表面と下表面とにN極とS極を着磁する
ように構成してもよい。なお、磁気回転板10の節約、
磁気回転板10の取り付け上の問題などにより、図22
(A)(B)に2点鎖線で示すように同回転板10を環状に
形成するようにしてもよい。
【0064】回転センサ20に内蔵の磁気抵抗素子30
は、その人工格子膜34の面を磁気回転板10の上面に
対して垂直かつ同回転板10の径方向に向けて配置され
ているとともに、人工格子膜34側を磁気回転板10の
上面側に向けて同回転板10の着磁面に近接して配置さ
れている。人工格子膜34は、その長手方向を磁気回転
板10の上面に平行かつ径方向にして延設されている。
磁気回転板10のN,S各磁極の周方向幅は、回転セン
サ20を上方に配置した径方向位置にて磁気抵抗素子2
0の厚さ(人工格子膜34に垂直方向の長さ)より大き
く設定されている。なお、図21(A)の矢印は磁気回転
板10の回転方向を示し、図21(B)の矢印は磁界の方
向を示している。
【0065】前記のように配置した磁気回転板10を回
転軸L1回りに回転させると、人工格子膜34(両電極
37,37間)の抵抗値は磁気回転板10の回転に応じ
て変化する。この場合、磁気回転板10の上面に垂直方
向であってN,S両磁極上の磁界は強いが、同垂直方向
であってN,S磁極間上の磁界はほぼ「0」である。ま
た、磁気回転板10の上面に平行な磁界も存在し、この
磁界はN,S両磁極上にて弱くかつN,S磁極間上にて
強い。一方、磁気抵抗素子30は、人工格子膜34に平
行なあらゆる方向の磁界の変化に対して大きな抵抗値の
変化を表すとともに、人工格子膜34に垂直な方向の磁
界の変化に対して小さな抵抗値の変化を表すという性質
を有している。したがって、磁気回転板10の回転によ
り、磁気抵抗素子20がN,S両磁極上に位置する際の
人工格子膜34(両電極37,37間)の抵抗値は非常
に小さくなり、磁気抵抗素子20がN,S磁極間上に位
置する際の人工格子膜34の抵抗値は非常に大きくな
り、前記配置により磁気回転板10の回転に伴って人工
格子膜34の大きな抵抗値の変化を得ることができる。
したがって、この人工格子膜34を両電極37,37を
介し上述した各種信号処理回路40に接続すれば、磁気
回転板10の回転に応じたパルス列信号を得ることがで
き、同回転板10の回転を精度よく検出できる。
【0066】次に、磁気回転板10と磁気抵抗素子30
の基本的な第2配置例について説明する。この第2配置
例においては、磁気回転板10の側面(外側面又は内側
面)を磁極面として、同磁極面に対向して回転センサ2
0を近接配置している。磁気回転板10は図23(A)
(B)に示すように円板状に形成され、その側面(外側面
又は内側面)にて回転軸L1を中心として周方向に沿っ
て交互かつほぼ同一幅で全周に渡って配置されたN極及
びS極を備えている。この場合、図24(A)に示すよう
に円柱状に形成した磁気回転板10の外側表面にN極と
S極を着磁するようにしてもよいし、図24(B)に示す
ように環状に形成した磁気回転板10の外側表面と内側
表面にN極とS極を着磁するように構成してもよい。な
お、磁気回転板10の節約、磁気回転板10の取り付け
上の問題などにより、図24(A)に2点鎖線で示すよう
に同回転板10を環状に形成するようにしてもよい。
【0067】回転センサ20に内蔵の磁気抵抗素子30
は、その人工格子膜34の面を磁気回転板10の上面及
び下面に対して垂直かつ同回転板10の径方向に向けて
配置されているとともに、人工格子膜34側を磁気回転
板10の側面側に向けて同回転板10の着磁部に近接し
て配置されている。この場合、人工格子膜34は、その
長手方向を磁気回転板10の側面に平行かつ上下方向に
して延設されている。磁気回転板10のN,S各磁極の
周方向幅は、磁気抵抗素子20の厚さ(人工格子膜34
に垂直方向の長さ)より大きく設定されている。
【0068】前記のように配置した磁気回転板10を回
転軸L1回りに回転させると、人工格子膜34(両電極
37,37間)の抵抗値は磁気回転板10の回転に応じ
て変化する。この場合、磁気回転板10の径方向(人工
格子膜の面に平行な方向)であってN,S両磁極上の磁
界は強いが、同径方向であってN,S磁極間上の磁界は
ほぼ「0」である。また、磁気回転板10の側面に平行
(人工格子膜の面に垂直な方向)な磁界も存在し、この
磁界はN,S両磁極上にて弱くかつN,S磁極間上にて
強い。したがって、前述した磁気抵抗素子30の性質を
考慮すると、磁気回転板10の回転により、磁気抵抗素
子20がN,S両磁極の側方に位置する際の人工格子膜
34の抵抗値は非常に小さくなり、磁気抵抗素子20が
N,S磁極間の側方に位置する際の人工格子膜34の抵
抗値は非常に大きくなり、前記配置により磁気回転板1
0の回転に伴って人工格子膜34(両電極37,37
間)の大きな抵抗値の変化を得ることができる。したが
って、この場合も、磁気回転板10の回転を精度よく検
出できる。
【0069】b.磁気抵抗素子の人工格子膜の工夫 次に、磁気抵抗素子30を磁気回転板10の着磁面に対
して垂直に配置した場合の磁気抵抗素子30の人工格子
膜34について説明する。図25(A)(B)(C)は、磁気
抵抗素子30の人工格子膜34を平面的に示しており、
同素子30は方形状に形成されてそれらの各辺が例えば
1〜5mm程度に設定されている。図25(A)の場合、
人工格子膜34の磁気感知部34-1は磁気回転板10の
磁極側に平行かつ近接して配置された一本の線状パター
ンで構成され、その長さは例えば1〜4mm程度に設定
されているとともに、その幅は0.03〜0.05mm
程度に設定されている。また、磁気感知部34-1の両端
と両電極37,37は接続部34-2,34-2により接続
され、その長さは0.2〜1.0mm程度に設定されて
いるとともにその幅は感知部34-1の数倍〜十数倍に設
定されている。
【0070】このように、感知部34-1を磁気回転体1
0の磁極に近接して配置するとともに、感知部34-1の
幅を接続部34-2,34-2の幅に比べて小さく構成する
ことにより、感知部34-1の断面積が小さくなって抵抗
が大きくなるので磁気回転板10の回転に伴う人工格子
膜34の抵抗値の変化率を大きくとることができる。ま
た、図25(B)(C)には人工格子膜34の他の例を示し
てあり、検知部34-1を繰り返し折り返してパターン化
した線状パターンで構成し、同検知部34-1を磁気回転
板10の磁極に対して平行又は垂直方向に複数回往復さ
せることにより、検知部34-1の実効長を長くするよう
にしている。これにより、図23(A)の場合よりも、人
工格子膜34の抵抗値の変化率をさらに大きくすること
ができる。
【0071】次に、人工格子膜34の変形例について説
明する。図26(A)(B)は、人工格子膜34の検知部3
4-1の幅方向両端部の線状パターンの幅を大きくすると
ともに、同検知部の幅方向中央部の線状パターンの幅を
小さくした例を示している。磁気抵抗素子30の人工格
子膜34に沿った方向の磁極面の長さが磁気抵抗素子3
0の幅より大きい場合、例えば磁気回転板10と磁気抵
抗素子30とを図21のように配置した場合には、磁界
の強さは図26(A)(B)にて破線で示すように検知部3
4-1の幅方向両端にて磁界の強さが小さくかつ同幅方向
中央部にて磁界の強さが大きい。したがって、この変形
例によれば、磁気回転板10の回転に伴って人工格子膜
34に平行な磁界の強さの変化が大きい位置にて検知部
34-1の線状パターンの幅が小さく、同磁界の強さの変
化が小さい位置にて検知部34-1の線状パターン幅が大
きく構成され、人工格子膜34の抵抗値の変化率を大き
くすることができる。
【0072】また、図27(A)(B)は、磁気回転板10
の磁極面に近い人工格子膜34の検知部34-1の線状パ
ターンの幅を小さく、かつ同磁極面から遠い位置の同検
知部34-1の線状パターンの幅を大きくした例を示して
いる。磁気回転板10から発生する磁界の強さは、磁極
面から遠ざかるほど小さくなる。したがって、この変形
例によっても、磁気回転板10の回転に伴って人工格子
膜34に平行な磁界の強さの変化が大きい位置にて検知
部34-1の線状パターンの幅が小さく、同磁界の強さの
変化が小さい位置にて検知部34-1の線状パターンの幅
が大きく構成され、人工格子膜34の抵抗値の変化率を
大きくすることができる。
【0073】さらに、図27(C)には、図27(B)にて
一点鎖線Cで囲んだ検知部34-1の変形例を拡大して示
してある。この変形例においては、検知部34-1の幅方
向両端部の線状パターンの幅を大きくするとともに同検
知部34-1の幅方向中央部の線状パターンの幅を小さく
し、かつ磁気回転板10の磁極面から遠ざかるしたがっ
て同検知部34-1の線状パターンの幅を大きくしてい
る。したがって、この変形例によれば、前記図26(A)
(B)及び図27(A)(B)の両変形例の共に考慮され、人
工格子膜34の抵抗値の変化率をさらに大きくすること
ができる。
【0074】このように、人工格子膜34の抵抗値の変
化率を大きくする工夫により、磁気回転板10の回転に
伴って信号処理回路40が入力する電圧信号の変化が大
きくなり、同回転板10の回転をより良好に検出できる
ようになる。
【0075】c.磁気回転板の改良 次に、磁気回転板10の改良例について説明する。磁気
回転板10と磁気抵抗素子30とを上述した図21(A)
(B)又は図23(A)(B)に示すように配置し、磁気回転
板10を図22(A)(B)又は図24(A)(B)に示すよう
に着磁した場合、NS両磁極間の幅が狭くなる。したが
って、磁気回転板10の回転時において、磁気抵抗素子
30がN,S磁極上にある時間が長く、N,S両磁極間
にある時間が短くなり、信号処理回路40から出力され
るパルス波形のデューティ比は50%から大きく外れ、
磁気回転板10が高速回転した場合の磁気抵抗素子30
の応答性が良好でなくなるという問題がある。この問題
に対処するために、まず磁気回転板10自身の構造的な
改良例について説明する。
【0076】まず、図22(A)(B)に示すような磁気回
転板10の上面に着磁した場合の改良例について説明す
る。この改良例においては、図28に示すように、磁気
回転板10の上面であって周方向に沿って交互に配置し
たN極及びS極との間に着磁されていない溝10aが形
成されている。これによれば、磁気回転板10の回転時
に、磁気抵抗素子30がN,S両磁極間にある時間を長
くすることができ、信号処理回路40から出力されるパ
ルス列信号のデューティ比を50%に近づけることがで
きるので、磁気回転板10の高速回転時の磁気抵抗素子
30の応答性が良好となる。また、このN,S両磁極間
上における磁気回転板10に平行な磁界の強さも、同
N,S両磁極間上の位置がN,S両磁極から遠ざかるた
めに、弱くなり、磁気抵抗素子30の抵抗値は磁気回転
板10の回転に伴って大きく変化するようになり、信号
処理回路40は磁気回転板10の回転に応じてパルス列
信号を精度よく発生できるようになる。
【0077】次に、図23(A)(B)に示すような磁気回
転板10の側面に着磁した場合の改良例について説明す
る。この改良例においては、図29に示すように、磁気
回転板10の側面であって周方向に沿って交互に配置し
たN極及びS極との間に着磁されていない溝10bが形
成されている。これによっても、前述と同様な理由によ
り、信号処理回路40から出力されるパルス信号のデュ
ーティ比を50%に近づけることができるとともに、磁
気回転板10の回転に応じたパルス列信号を精度よく発
生できるようになる。なお、これらの溝10a,10b
おいては、その断面形状を方形、台形、正弦波などの種
々の形状にしたり、深さ、幅などを種々に設定したりす
ることにより、信号処理回路40から適切なパルス信号
を得ることができるように調整できる。
【0078】また、前述のように磁気回転板10に溝1
0a,10bを設けることにより同回転板10の回転の
検出精度は向上するが、同回転板10の機械的強度が低
下するので、異物の侵入、周囲の部品との接触などによ
り同回転板10の突起部分が破損するという問題があ
る。この問題に対処するために、改良例は、図30,3
1に示すように、図28,29のように磁性材料で構成
した磁気回転板10の溝10a,10bに樹脂等の非磁
性材料を侵入させるとともに、同回転板10の上下面及
び側面を同材料により被覆したモールド層11を設けて
ある。これによれば、磁気回転板10の表面の凹凸がな
くなって平坦になり、同回転板10の機械的強度が向上
する。
【0079】また、前記のように磁気回転板10をモー
ルドする場合、溝付きの磁気回転板10を樹脂磁石で構
成するとともに、同回転板10を前記樹脂磁石で用いた
樹脂と同一材料の樹脂でモールドするとよい。すなわ
ち、希土類、フェライト等の磁性材料の粉末と樹脂とを
混合するとともに整形して溝付きの磁気回転板10を整
形し、同磁気回転板10を着磁した後に同回転板10を
前記混合したものと同じ樹脂でモールドしてモールド層
11を形成する。このように樹脂磁石で用いた材料と同
じ樹脂でモールドしたことにより、接着強度が高く保た
れるとともに、温度変化による割れに対しても堅固にな
る。
【0080】なお、図28,30においては、環状に形
成した磁気回転板10について説明したが、同回転板1
0を円形に形成するようにしてもよいことは上述の説明
からも理解できるであろう。また、図29,31におい
ては、円形に形成した磁気回転板10について説明した
が、同回転板10を環状に形成するようにしてもよいこ
とも上記説明から明らかである。
【0081】次に、前述した磁気回転板10が高速回転
した場合の磁気抵抗素子30の応答性の問題を解決する
他の例について説明する。この例は磁気回転板10の着
磁状態を工夫するもので、図22(A)(B)に示すように
磁気回転板10の上面に着磁する場合には、図32に示
すように磁気回転板10の上面にN,S磁極を所定幅の
非着磁部をそれぞれ挟んで周方向に沿って交互に着磁す
る。また、図24(A)(B)に示すように磁気回転板10
の側面に着磁する場合にも、図33に示すように磁気回
転板10の側面にN,S磁極を大きな間隔をもって周方
向に着磁する。なお、図32,33中の矢印は磁気回転
板10内の磁力線の向きを示している。
【0082】これによれば、磁気回転板10の回転時
に、前述した溝10a,10bを設けた場合と同じ理由
により、磁気回転板10の高速回転時の磁気抵抗素子3
0の応答性が良好となるとともに、信号処理回路40は
磁気回転板10の回転に応じて50%のデューティ比に
近いパルス列信号を精度よく発生できるようになる。な
お、この場合も、磁気回転板10を前述の場合と同様に
円形に形成してもよいし、環状に形成してよい。
【0083】また、前記図32,33のように磁気回転
板10に着磁する場合、図34(A)に示すように磁気回
転板10の着磁面に対して着磁用ヨーク12の先端を丸
くするとよい。これにより、磁気回転板10の着磁部の
表面の磁界の強さを、図34(B)に示すように正弦波に
近い状態にすることができる。その結果、磁気回転板1
0の回転に伴う磁気抵抗素子30の抵抗値の変化は図3
4(C)に示すようになり、前述のように信号処理回路4
0からほぼ50%のデューティー比を有する適切なパル
ス列信号を得ることができるようになる。
【0084】さらに、磁気回転板10に対する着磁状態
を工夫するようにした同回転板10の変形例について説
明する。まず、磁気回転板10の上面に着磁する場合の
例について説明すると、図35に示すように、磁性材料
を円板状に成形するとともに上面に径方向に延設され周
方向に沿ってほぼ同一幅の複数の溝10a及び突起部1
0cを設けるように磁気回転板10を成形する。次に、
この成形した磁気回転板10の上面側の各突起部10c
をN極(又はS極)に着磁し、下面側をS極(又はN
極)に着磁する。これによれば、磁気回転板10全体で
2極のみに着磁することになるので、上述した磁気回転
板10の上面にN極とS極とを交互に着磁する場合に比
べて、着磁方法が簡単になる。
【0085】このように構成した磁気回転板10の使用
に際しては、上述した図21のように磁気抵抗素子20
を配置する。したがって、この場合には、突起部10c
の上面に垂直な磁界の強さと、溝部10aの上面に垂直
な磁界の強さの違いによる磁気抵抗素子10の抵抗値の
変化を検出して、磁気回転板10の回転を検出すること
になる。なお、突起部10cと溝部10aの上方の磁界
の向きは同じであるので、磁界の強さの変化を検出する
ために、溝部10aの幅を充分大きくすることが必要で
ある。また、この場合、円板上の磁気回転板10は環状
であっても、円形上であってもよい。
【0086】次に、磁気回転板10の側面に着磁する場
合の例について説明すると、図36に示すように、磁性
材料を環状に成形するとともに外周面にて周方向に沿っ
てほぼ同一幅の複数の溝10b及び突起部10dを有す
るように磁気回転板10を成形する。次に、この成形し
た磁気回転板10の外周面側の各突起部10dをN極
(又はS極)に着磁し、内周面側をS極(又はN極)に
着磁する。この場合も、磁気回転板10全体で2極のみ
に着磁することになるので、上述した磁気回転板10の
外周面にN極とS極とを交互に着磁する場合に比べて、
着磁方法が簡単になる。
【0087】このように構成した磁気回転板10の使用
に際しては、上述した図23のように磁気抵抗素子20
を配置する。したがって、この場合には、突起部10d
の頂面に垂直な磁界の強さと、溝部10bの底面に垂直
な磁界の強さの違いによる磁気抵抗素子10の抵抗値の
変化を検出して、磁気回転板10の回転を検出すること
になる。なお、この場合も、突起部10dと溝部10b
の上方の磁界の向きは同じであるので、磁界の強さの変
化を検出するために、溝部10bの幅を充分大きくする
ことが必要である。また、この場合には、磁気回転板1
0の内周面側に溝部10bと突起部10dを周方向に交
互に設けるようにしてもよい。さらに、図35,36の
磁気回転板10においても、図30,31の場合と同様
に、溝部10a,10b及び突起部10c,10dの破
損をさけるため、磁気回転板10を非磁性材料からなる
樹脂などによりモールドするようにしてもよい。
【0088】d.磁性板の挿入 次に、回転センサ20内に磁性板を組み込むようにした
本発明の実施形態について説明する。図10で簡単に説
明するとともに図37(A)(B)に拡大して示すように、
磁性板26が回転センサ30内に組み込まれている。こ
の磁性板26は、磁気抵抗素子30と同程度の厚さに磁
性材料で整形されており、その面を人工格子膜34と同
一平面内に設けられている。また、磁性板26の人工格
子膜34側の端面は、磁気回転板10側の端面の幅より
も小さく形成されている。これにより、図21,23の
ように配置された磁気回転板10の着磁面に垂直に出入
りする磁力線が人工格子膜34に効率的に集められ、磁
気回転板10の回転に伴う磁界の強さの変化に磁気抵抗
素子30が良好に応答するようになる。これにより、磁
気回転板10の回転の検出精度がより良好になる。
【0089】また、図38(A)〜(D)は、磁性板26を
磁気抵抗素子30に付設した変形例を示している。これ
らの場合も、磁性板26は図示省略した回転センサ20
内に組み込まれている。これらの特徴は、磁性体26は
磁気抵抗素子30とほぼ同一に平面内に配置される主部
26aと、同主部26aの少なくとも一部から延設され
て主部26aに対して平行かつ磁気回転板10の着磁面
に対して垂直な脚部26bを備えている。主部26aと
脚部26bとの距離は磁気回転体10の各磁極の幅に設
定されている。
【0090】これによれば、磁気抵抗素子30が磁気回
転板10の磁極と対向する位置にあるとき、脚部26b
は隣の磁極に対向する。また、磁気抵抗素子30が磁気
回転板10の磁極間と対向する位置にあるとき、脚部2
6bは隣の磁極間に対向する。したがって、この変形例
によれば、複数の磁極に垂直に出入りする磁束を磁気抵
抗素子30の面内に集中させることができ、磁気回転板
10の回転に伴う磁気抵抗素子30の人工格子膜34の
抵抗値の変化を大きくすることができ、同回転板10の
回転の検出精度を良好にすることができる。
【0091】なお、このような図37,38の磁性板2
6の挿入は図25〜27に示すように変形した磁気抵抗
素子30にも適用できるとともに、同磁性板26を挿入
した回転センサ20は図22、図24及び図28〜図3
6のように磁気回転板10を構成した場合にも適用でき
る。
【0092】e.2極同時検出 上記説明では、磁気回転板10の一つの磁極に垂直に出
入りする磁力線に磁気抵抗素子30を応答させるように
したが、磁気回転板10のN極からその着磁面に対して
ほぼ垂直に出る磁力線及びS極にその着磁面に対してほ
ぼ垂直に入る磁力線の両者に応答させる磁気回転板10
の磁気式回転検出装置について説明する。
【0093】まず、上記図21で詳しく説明したよう
に、磁気回転板10の上面に周方向に沿ってN極とS極
とを交互に放射状に着磁した場合について説明する。こ
の場合、図39(A)(B)に示すように、回転センサ20
を磁気回転板10の上面に対向して配置し、磁気抵抗素
子30の人工格子膜34の面を磁気回転体10の上面に
対して垂直かつ同磁気回転体10の径方向に直角に向け
る。磁気抵抗素子30は、図39(C)で示すように、そ
の人工格子膜34を周方向を長手方向として延設すると
ともにその線状パターン化密度を磁気回転板10のN,
S各磁極幅(N極及びS極の各中心間距離)にほぼ等し
い間隔で高くし、かつ同密度の高い部分を磁気回転板1
0の着磁部に近接してある。言い替えると、人工格子膜
34の長手方向に沿った単位長さ当りの抵抗値を、磁気
回転板10のN,S磁極間にほぼ等しい間隔を有する同
長手方向の2位置にて対位置より高くしてある。
【0094】このように構成した磁気式回転検出装置に
おいては、人工格子膜34の線状パターン化密度の高い
部分(長手方向の抵抗値の高い部分)がN,S両磁極上
にそれぞれ位置するときには、同部分の抵抗値がN,S
両磁極の着磁面に対してほぼ垂直な磁界により小さくな
る。一方、人工格子膜34の線状パターン化密度の高い
部分がN,S両磁極間上に位置するときには、同部分の
抵抗値が大きくなる。このようにして上記図21に示し
た磁気式回転検出装置のように人工格子膜34の抵抗値
の変化により磁気回転板10の回転は検出されるが、こ
の場合には、人工格子膜34の線状パターン化密度の高
い部分はN,S両磁極の着磁面に対してほぼ垂直な両磁
界に対して同時に応答するので、磁気抵抗素子30の抵
抗値の変化率を大きくすることができ、磁気回転板10
の回転の検出精度を良好にすることができる。
【0095】次に、図23で説明したように、磁気回転
板10の側面に周方向に沿ってN極とS極とを交互に着
磁した場合について説明する。この場合、図40(A)
(B)に示すように、回転センサ20を磁気回転板10の
側面に対向して配置し、磁気抵抗素子30の人工格子膜
34の面を磁気回転体10の側面に対して垂直かつ同磁
気回転板10の上下面に平行に向ける。そして、磁気抵
抗素子30は、前記図39(C)の場合と同様に構成す
る。したがって、この場合も、前記理由と同様な理由に
より磁気回転板10の回転が検出されるとともに、磁気
回転板10の回転に伴う磁気抵抗素子30の抵抗値の変
化率を大きくすることができ、磁気回転板10の回転の
検出精度を良好にすることができる。
【0096】なお、上記図39,40の磁気式回転検出
装置においては、磁気回転板10のN,S磁極に対して
出入りする磁力線は図41に矢印で示すように、着磁面
に対して若干傾く。したがって、同図に示すように、人
工格子膜34の線状パターン化密度の高い部分(長手方
向の抵抗値の高い部分)を前記磁力線の向きに沿って傾
けるようにすることにより、磁気回転板10の回転に伴
う磁気抵抗素子30の抵抗値の変化率をさらに大きくす
ることができる。これにより、前記図39,40の場合
よりも磁気回転板10の回転検出精度をより良好にする
ことができる。
【0097】さらに、このようなN,S両磁極に出入り
する両磁力線に同時に応答する磁気抵抗素子30を用い
た磁気式回転検出装置の変形例を説明する。まず、磁気
回転板10の上面に磁気抵抗素子30(回転センサ2
0)を配置した変形例について説明する。図42に示す
ように、環状に形成した磁気回転板10の上面を外輪領
域と内輪領域の2領域に分けるとともに、両領域の上面
にそれぞれ周方向に沿ってN極とS極を交互に全周に渡
ってほぼ同一幅ずつ着磁する。また、外輪領域と内輪領
域の互いに隣接する各磁極は異なる磁極になっている。
磁気抵抗素子30は、その人工格子膜34の面を磁気回
転板10の上面に対して垂直かつ同回転板10の径方向
に向けて配置されている。この磁気抵抗素子30の厚さ
は各磁極幅より小さく、かつ径方向の長さは磁気回転板
10の径方向幅にほぼ等しく設定されている。そして、
人工格子膜34は磁気回転板10の径方向を長手方向と
して延設されるとともに、その中央位置を磁気回転板1
0の外輪領域と内輪領域の境界に対向させている。
【0098】これによれば、磁気抵抗素子30が外輪領
域及び内輪領域の各磁極上に位置するとき、各磁極にほ
ぼ垂直に出入りする強さの大きな磁界が磁気抵抗素子3
0の人工格子膜34の各面に平行に通過するので、人工
格子膜34の抵抗値は小さくなる。一方、磁気抵抗素子
30が外輪領域及び内輪領域の各磁極間上に位置すると
き、前記各磁極にほぼ垂直に出入りする磁界は人工格子
膜34をほとんど通過しない。また、この場合、外輪領
域及び内輪領域の各隣合う磁極間にて発生する磁気回転
板10の上面に平行な磁界は磁気抵抗素子30を通過す
るが、この磁界は人工格子膜34に対して垂直であるの
で、人工格子膜34の抵抗値は大きく保たれる。これに
より、この図42のように配置した磁気抵抗素子30を
用いても、磁気回転板10の回転を精度よく検出するこ
とができる。
【0099】また、図43に示すように、磁気回転板1
0を同じく環状に形成して、その内側面に周方向に沿っ
てほぼ同一幅でN,S極を交互に着磁し、その外側面に
前記内側面の着磁と対向する位置にて反対磁極になるよ
うに周方向に沿ってN,S極を交互に着磁してもよい。
この場合も、磁気抵抗素子30を前記図42の場合と同
様に磁気回転板10に対して配置するが、磁気抵抗素子
30の径方向幅を磁気回転板10の径方向幅よりも大き
くし、人工格子膜34が磁気回転板10の内側面及び外
側面の上方に位置するようにする。これによっても、前
記図42の場合と同様な理由により、磁気抵抗素子30
が各磁極の上方に位置するとき人工格子膜34の抵抗値
は小さくなり、また磁気抵抗素子30が各磁極間上に位
置するとき人工格子膜34の抵抗値は大きくなる。した
がって、図43のように配置した磁気抵抗素子20を用
いても、磁気回転板10の回転とを精度よく検出するこ
とができる。
【0100】さらに、この場合、図44(A)(B)に破線
で示すように、磁気回転板10の内側面及び外側面の各
磁極に出入りする磁界の強さは、磁気回転板10の内側
端及び外側端にて大きくなる。したがって、同図(A)
(B)に示すように、磁気抵抗素子30の人工格子膜34
を、磁気回転板10の内側端及び外側端の上方位置に対
向する人工格子膜34の両端部にて細くかつ密集させて
線状パターン化密度を高くし、中央部にて太くして同密
度を低くするとよい。すなわち、人工格子膜34の長手
方向に沿った単位長さ当りの抵抗値を同長手方向端部に
て中央部よりも大きくする。これによれば、磁気回転板
10の回転に伴う磁気抵抗素子30の人工格子膜34の
抵抗値の変化率をより大きくすることができ、より良好
に磁気回転板10の回転を検出できる。
【0101】次に、磁気回転板10の外側面に磁気抵抗
素子30(回転センサ20)を配置した変形例について
説明する。図45に示すように、磁気回転板10の外側
面を上下の2領域に分けるとともに、上下各領域にそれ
ぞれ周方向に沿ってN極とS極とを交互に全周に渡って
ほぼ同一幅ずつ着磁する。また、上下各領域の互いに隣
接した各磁極は異なる磁極にする。磁気抵抗素子30
は、その人工格子膜34の面を磁気回転板10の上下面
に対して垂直かつ同回転板10の径方向に向けて配置さ
れている。この磁気抵抗素子30の厚さは各磁極幅より
小さく、かつ上下方向の長さは磁気回転板10の厚さに
ほぼ等しく設定されている。そして、人工格子膜34
は、磁気回転板10の外側面に平行な上下方向を長手方
向として延設され、その中央位置を磁気回転板10の上
下の2領域の境界に対向させている。
【0102】これによれば、磁気抵抗素子30が上下2
領域の各磁極の側方に位置するとき、各磁極にほぼ垂直
に出入りする大きな強さの磁界が磁気抵抗素子30の人
工格子膜34の各面に平行に通過するので、人工格子膜
34の抵抗値は小さくなる。一方、磁気抵抗素子30が
上下2領域の各磁極間上に位置するとき、前記各磁極に
ほぼ垂直に出入りする磁界は人工格子膜34をほとんど
通過しない。また、この場合、上下2領域の各隣合う磁
極間にて発生する磁気回転板10の側面に平行な磁界は
磁気抵抗素子30を通過するが、この磁界は人工格子膜
34に対して垂直であるので、人工格子膜34の抵抗値
は大きく保たれる。これにより、この図45のように配
置した磁気抵抗素子30を用いても、磁気回転板10の
回転を精度よく検出することができる。
【0103】また、図46に示すように、磁気回転板1
0の上面に放射状かつ周方向に沿ってほぼ同一幅ずつ
N,S極を交互に着磁し、下面に前記上面の着磁と対向
する位置にて反対極になるように放射状かつ周方向に沿
ってN,S極を交互に着磁してもよい。この場合も、磁
気抵抗素子10を前記図45の場合と同様に磁気回転板
10の側方に配置する。これによっても、前記図45の
場合と同様な理由により、磁気抵抗素子30が各磁極の
側方に位置するとき人工格子膜34の抵抗値は小さくな
り、また磁気抵抗素子30が各磁極間の側方に位置する
とき人工格子膜34の抵抗値は大きくなる。したがっ
て、図46のように配置した磁気抵抗素子20を用いて
も、磁気回転板10の回転とを精度よく検出することが
できる。
【0104】さらに、この場合、磁気回転板10の上面
及び下面の各磁極に出入りする磁界の強さは、磁気回転
板10の上面及び下面側方位置にて大きくなる。したが
って、この場合も、前記図44(A)(B)の場合と同様
に、磁気抵抗素子30の人工格子膜34を、磁気回転板
10の上下両面に対向する人工格子膜34の両端部にて
細くかつ密集させて線状パターン化密度を高くし、中央
部にて太くして同密度を低くするとよい。これによれ
ば、磁気回転板10の回転に伴う磁気抵抗素子30の人
工格子膜34の抵抗値の変化率をより大きくすることが
でき、磁気回転板10の回転をより良好に検出できる。
また、これらの図45,46の場合も、磁気回転板10
を環状に形成するようにしてもよい。
【0105】(4)水平磁場検知の例 次に、磁気抵抗素子30を磁気回転板10の着磁面に対
して平行に配置した場合の磁気回転板10と磁気抵抗素
子30の基本的な第1配置例について説明する。この第
1配置例においては、磁気回転板10の上面を磁極面と
して、同磁極面に対向して回転センサ20を近接配置し
ている。磁気回転板10は図47(A)(B)に示すように
円板状に形成され、その上面にて回転軸L1を中心とし
て周方向に沿って交互かつほぼ同一幅で放射状に配置さ
れたN極及びS極を備えている。磁気抵抗素子30は、
その人工格子膜34の面を磁気回転板10の上面に対し
て平行に向けて配置されている。人工格子膜34は、図
47,49に示すように、磁気回転板10の径方向すな
わち磁気回転板10の回転方向と直角方向を長手方向と
して延設され、人工格子膜34の周方向の線状パターン
全体の幅は少なくとも磁極幅よりも狭い。好ましくは、
人工格子膜34の周方向の線状パターン全体の幅をなる
べく狭く設定するとよい。ただし、線状パターン全体の
幅とは、人工格子膜34が一本の線状体で構成されてい
る場合にはその幅をさし、人工格子膜34が一本の線状
体を繰り返し折り返してパターン化されている場合には
複数の線状体に渡る両端間の距離をさす。なお、磁気回
転板10の節約、磁気回転板10の取り付け上の問題な
どにより、同回転板10を環状に形成するようにしても
よい。
【0106】次に、磁気回転板10と磁気抵抗素子30
の基本的な第2配置例について説明する。この第2配置
例においては、磁気回転板10の外側面を磁極面とし
て、同磁極面に対向して回転センサ20を近接配置して
いる。磁気回転板10は図48(A)(B)に示すように円
板状に形成され、その外側面にて回転軸L1を中心とし
て周方向に沿って交互かつほぼ同一幅で全周に渡って配
置されたN極及びS極を備えている。磁気抵抗素子30
は、その人工格子膜34の面を磁気回転板10の外側面
に平行かつ同回転板10の径方向に直角にして着磁面に
対して近接配置されている。人工格子膜34は、図4
8,49に示すように、磁気回転板10の上下方向すな
わち磁気回転板10の回転方向と直角方向を長手方向と
して延設され、人工格子膜34の周方向の線状パターン
全体の幅は少なくとも磁極幅よりも狭い。好ましくは、
人工格子膜34の周方向の全体幅をなるべく狭く設定す
るとよい。なお、磁気回転板10を環状に形成して、外
側面又は内側面に周方向に沿って交互かつほぼ同一幅で
全周に渡ってN極及びS極を着磁するようにしてもよ
い。この場合、磁気抵抗素子30を磁気回転板10の内
側面に対向させるようにしてもよい。
【0107】図47又は図48のように配置した磁気回
転板10を回転軸L1回りに回転させると、図49(A)
(B)に示すように、磁気抵抗素子30は磁気回転板10
の磁極上に位置したり、磁極間上に位置したりする。磁
気抵抗素子30が磁気回転板10の磁極上に位置してい
る場合(図49の実線参照)、磁気抵抗素子30の人工
格子膜34の面を垂直に通過する磁界すなわち磁極を出
入りする着磁面に対して垂直な磁界の強さは大きいが、
人工格子膜34の面に平行な磁界すなわち着磁面に対し
て平行な磁界の強さは小さい。したがって、この場合に
おける人工格子膜34の抵抗値は大きい。一方、磁気抵
抗素子30が磁気回転板10の磁極間上に位置している
場合(図49の2点鎖線参照)、磁気抵抗素子30の人
工格子膜34の面に平行な磁界の強さが大きくなる。し
たがって、この場合における人工格子膜34の抵抗値は
小さくなる。その結果、図47,48のように磁気抵抗
素子30をその人工格子膜34の面を着磁面に対して平
行に配置するようにしても、磁気回転板10の回転が磁
気抵抗素子30の人工格子膜34の抵抗値変化として検
出されることになる。
【0108】前述のようにして磁気回転板10の回転を
検出する場合、磁気抵抗素子30が磁気回転板10の磁
極上に位置しているときには、磁極に出入りする着磁面
に対して平行な磁界の影響を受けないようにする必要が
ある。したがって、図50(A)〜(C)に示すように、人
工格子膜34の延設方向と直角な線状パターン全体の幅
をなるべく狭くすなわち細い一本の線で構成するとよ
い。一方、磁気回転板10の回転に伴って磁気抵抗素子
30の人工格子膜34の抵抗値の変化をなるべく大きく
するためには、人工格子膜34の実効長を長くする必要
がある。したがって、図50(D)〜(H)に示すように、
検知する磁界(着磁面に平行な磁気回転板10の回転方
向の磁界)の方向に対して狭い幅の範囲内で縦方向又は
横方向に往復するように人工格子膜34の線状パターン
を形成するとよい。すなわち、人工格子膜34の延設方
向と直角な線状パターンの全体幅をなるべく狭くして人
工格子膜34の実効長を長くするとよい。なお、図中の
矢印は検知する磁界の方向を示している。
【0109】また、これらの図47,48のような配置
例においても、上述した磁気抵抗素子30を磁気回転板
10の着磁面に対して平行に配置した場合に例示した図
28〜図33に示すように、磁気回転板10の磁極間隔
を広げたり、溝10a,10bを設けたり、同溝10
a,10bを樹脂モールド層11で埋めるようにしたり
してもよい。
【0110】また、図47においては磁気回転板10の
上面にて同上面に平行かつ周方向の磁界を利用するよう
にした。しかし、磁気抵抗素子30は人工格子膜34に
平行な磁界であれば、人工格子膜34の抵抗値はあるゆ
る方向の磁界に対して小さくなるので、磁気回転板10
の上面にて径方向の磁界も利用できる。この場合も、磁
気抵抗素子30を図47のように磁気回転板10の上面
に対向させ、人工格子膜34を径方向を長手方向として
延設させる。そして、図51(A)に示すように、環状に
形成した磁気回転板10の上面を外輪領域と内輪領域の
2領域に分けるとともに、両領域の上面にそれぞれ周方
向に沿ってN極とS極とを交互に全周に渡ってほぼ同一
幅ずつ着磁する。また、外輪領域と内輪領域の互いに隣
接した各磁極は異なる磁極に設定する。なお、この場合
も、磁気抵抗素子30の人工格子膜34の周方向の線状
パターンの全体幅は少なくとも磁極の幅より狭く、なる
べく狭くすることが望ましい。
【0111】このように構成した磁気式回転検出装置に
おいては、磁気抵抗素子30が磁気回転板10の磁極上
にあるときには、着磁面に平行かつ径方向を向いた外輪
及び内輪領域間の磁界のための人工格子膜34の抵抗値
は小さくなる。一方、磁気抵抗素子30が磁気回転板1
0の周方向の磁極間上にあるときには、前記外輪及び内
輪領域間の磁界の強さは小さいので、人工格子膜34の
抵抗値は大きくなる。したがって、図51(A)のように
配置した磁気式回転検出装置においても、磁気回転板1
0の回転を検出することができる。
【0112】しかし、前記図51(A)のように構成した
磁気回転板10にあっては、磁気抵抗素子30が周方向
の磁極間にあるとき、外輪及び内輪領域の周方向に各隣
合う磁極間の着磁面に水平な磁界が磁気抵抗素子30の
人工格子膜34の抵抗値を小さくする方向に作用する。
これに対処するために、図51(A)の磁気回転板10を
図51(B)(C)のよう変形するとよい。図51(B)の磁
気回転板10は、外輪及び内輪領域の周方向の各磁極間
に非着磁部分を形成したものである。また、図51(C)
の磁気回転板10は、前記非着磁部分に溝10aを設け
るようにしたものである。これによれば、磁気抵抗素子
30は周方向の各磁極間上に位置したとき、同素子30
が着磁面に平行かつ周方向の磁界の影響を受け難くする
ことができ、同位置にある磁気抵抗素子30の人工格子
膜34の抵抗値を大きくすることができる。これによ
り、図51(B)(C)のように変形した磁気回転板10を
用いれば、磁気式回転検出装置の検出精度を良好にする
ことができる。
【0113】また、図51(B)(C)の磁気回転板10に
おいては外輪及び内輪領域に周方向にN極とS極を非着
磁部及び溝10aを介して交互に着磁するようにした
が、この場合、外輪及び内輪領域間の径方向の磁界を利
用しているので、図51(B)(C)の磁気回転板10を図
51(D)(E)のように変形することもできる。すなわ
ち、図51(D)(E)においては、内輪領域側に一方の磁
極(例えばS極)を着磁し、外輪領域側に他方の磁極
(例えばN極)を着磁するようにしている。なお、上述
した着磁面に垂直な磁界を利用する場合と同様に、非磁
性材料で構成したモールド層11により図51(C)(E)
の溝10aを埋めてしまうようにしてもよい。
【0114】さらに、図51(A)〜(E)の磁気回転板1
0をそれぞれ図52(A)〜(E)のように変形してもよ
い。すなわち、磁気回転板10を図51(A)〜(E)と同
様に磁性材料で環状に形成し、図52(A)〜(E)に示す
ように、磁気回転板10の内側面と外側面に異磁極を着
磁するようにしてもよい。これによっても、図51(A)
〜(E)の場合と同様に磁気回転板10の上面に平行かつ
径方向の磁界を発生させることができる。したがって、
これらの場合も、磁気回転板10の回転に伴う磁気抵抗
素子30の人工格子膜34の抵抗値変化により、同回転
板10の回転を検出できる。なお、この場合も、非磁性
材料で構成したモールド層11により図52(C)(E)の
溝10aを埋めてしまうようにしてもよい。
【0115】次に、図48に示すように磁気回転板10
の外側面にて同側面に平行かつ周方向の磁界を利用する
ようにした磁気式回転検出装置の変形例について説明す
る。この変形例の場合には、磁気回転板10の外側面に
平行かつ上下方向の磁界を利用している。例えば、図5
3(A)に示すように、環状又は円形に形成した磁気回転
板10の外側面を上下2領域に分けるとともに、両領域
にそれぞれ周方向に沿ってN極とS極とを交互に全周に
渡ってほぼ同一幅ずつ着磁し、上下領域の隣接した各磁
極は異磁極になるように設定する。そして、磁気抵抗素
子30を図48に示すように磁気回転板10の外側面に
平行かつ径方向に直角に配置し、同素子30の人工格子
膜34を上下方向を長手方向として延設させて人工格子
膜34が上下領域のN極及びS極にそれぞれ対向するよ
うにする。なお、この場合も、磁気抵抗素子30の人工
格子膜34の周方向の線状パターン全体の幅は少なくと
も磁極の幅より狭く、なるべく狭くすることが望まし
い。
【0116】このように構成した磁気式回転検出装置に
おいても、図51の例で説明したように、磁気抵抗素子
30が磁気回転板10の磁極に対向しているときには人
工格子膜34の抵抗値は小さくなり、かつ同素子30が
磁気回転板10の磁極間に対向しているときには人工格
子膜34の抵抗値は大きくなる。したがって、図53
(A)のように配置した磁気式回転検出装置においても、
磁気回転板10の回転を検出することができる。
【0117】しかし、前記図53(A)のように構成した
磁気回転板10にあっては、磁気抵抗素子30が周方向
の磁極間にあるとき、上下2領域の周方向に各隣合う磁
極間の着磁面に水平な磁界が磁気抵抗素子30の人工格
子膜34の抵抗値を小さくする方向に作用する。これに
対処するために、図53(A)の磁気回転板10を図53
(B)(C)のように変形するとよい。図53(B)の磁気回
転板10は、上下2領域の周方向の各磁極間に非着磁部
分を形成したものである。また、図53(C)の磁気回転
板10は、前記非着磁部分に溝10bを設けるようにし
たものである。これによれば、磁気抵抗素子30が周方
向の各磁極間に対向したとき、同素子30は着磁面に平
行かつ周方向の磁界の影響を受け難くすることができ、
同位置にある磁気抵抗素子30の人工格子膜34の抵抗
値を大きくすることができる。これにより、図53(B)
(C)のように変形した磁気回転板10を用いれば、磁気
式回転検出装置の検出精度を良好にすることができる。
【0118】また、図53(B)(C)の磁気回転板10に
おいては上下2領域に周方向のN極とS極を交互に非着
磁部及び溝10bを介して着磁するようにしたが、この
場合、上下2領域間の上下方向の磁界を利用しているの
で、図53(B)(C)の磁気回転板10を図53(D)(E)
のように変形することもできる。すなわち、図53(D)
(E)においては、上領域側に一方の磁極(例えばS極)
を着磁し、下領域側に他方の磁極(例えばN極)を着磁
するようにしている。なお、上述した着磁面に垂直な磁
界を利用する場合と同様に、非磁性材料で構成したモー
ルド層11により図53(C)(E)の溝10bを埋めてし
まうようにしてもよい。
【0119】さらに、図53(A)〜(E)の磁気回転板1
0をそれぞれ図54(A)〜(E)のように変形してもよ
い。すなわち、磁気回転板10を図53(A)〜(E)と同
様に磁性材料で環状又は円形に形成し、図54(A)〜
(E)に示すように、磁気回転板10の上面と下面に異磁
極を着磁するようにしてもよい。これによっても、図5
1(A)〜(E)の場合と同様に磁気回転板10の外側面に
平行かつ上下方向の磁界を発生させることができる。し
たがって、これらの場合も、磁気回転板10の回転に磁
気抵抗素子30の人工格子膜34の抵抗値変化により、
同回転板10の回転を検出できる。なお、この場合も、
非磁性材料で構成したモールド層11により図54(C)
(E)の溝10aを埋めてしまうようにしてもよい。
【0120】次に、前記図51〜54のように着磁した
磁気回転板10を用いた場合における磁気抵抗素子30
の改良例について説明する。図51〜54の各(A)〜
(C)においては、図55(A)に示すように、磁気抵抗素
子30の人工格子膜34の面に平行な磁界として、磁気
回転板10の回転検出に利用される径方向又は上下方向
の磁界(図示実線参照)の他に、周方向に平行な磁界
(図示破線参照)も存在する。すなわち、図51(A)〜
(C)の場合には内外各領域にて周方向に隣合う磁極間に
磁界が発生し、図52(A)〜(C)の場合には磁気回転板
10の内外両側面にて周方向に隣合う磁極間に磁界が発
生し、図53(A)〜(C)の場合には上下各領域にて周方
向に隣合う磁極間に磁界が発生し、図54(A)〜(C)の
場合には磁気回転板10の上下各面にて周方向に隣合う
磁極間に磁界が発生する。
【0121】また、図51〜54の各(D)(E)において
も、図55(B)に示すように、磁気抵抗素子30の人工
格子膜34の面に平行な磁界として、磁気回転板10の
回転検出に利用される径方向又は上下方向の磁界(図示
実線参照)の他に、周方向に斜め方向の磁界(図示破線
参照)も存在する。すなわち、図51(D)(E)の場合に
は内外各領域にて周方向に隣合う各2磁極の対角線方向
に磁界が発生し、図52(D)(E)の場合には磁気回転板
10の内外両側面にて周方向に隣合う各2磁極の対角線
方向に磁界が発生し、図53(D)(E)の場合には上下各
領域にて周方向に隣合う各2磁極の体格線方向に磁界が
発生し、図54(D)(E)の場合には磁気回転板10の上
下各面にて周方向に隣合う各2磁極の対角線方向に磁界
が発生する。
【0122】これらの周方向又は対角線方向の磁界は、
磁気抵抗素子30が磁気回転板10の磁極間に位置する
とき、同素子30の人工格子膜34の面内を平行に通過
するので、人工格子膜34の抵抗値を小さくする側に作
用する。したがって、この磁界が磁気抵抗素子30の人
工格子膜34の面内を通過しないようにすることが望ま
しい。図56(A)〜(C)はこのような問題を解決した磁
気抵抗素子30を概略平面図により示している。なお、
図中矢印は磁気回転板10の回転を検出するための磁界
の方向を表している。
【0123】図56(A)においては、人工格子膜34の
延設方向の両端部にて人工格子膜34とほぼ直角に磁性
体で構成した帯状の一対の磁性帯38を人工格子膜34
と同一面に形成している。これらの磁性帯38の長さは
磁気回転板10に着磁した各磁極間の周方向距離にほぼ
等しい。このように構成した磁気抵抗素子30を前記図
47,48のように配置すれば、各磁極に出入りする磁
力線であって周方向又は斜め方向の磁力線はこの磁性帯
38を集中して通過することになり、人工格子膜34を
通過しなくなる。
【0124】したがって、磁気抵抗素子30が磁気回転
板10の磁極間に対向して位置している場合でも、同素
子30の人工格子膜34の抵抗値は大きく保たれるよう
になる。また、この改良した磁気抵抗素子を、図57
(A)〜(H)に示すように、磁性帯38の幅を種々に換え
たり、人工格子膜34を縦又は横に往復させることによ
り狭い幅内にて線状パターン化密度を高めたり、電極3
7の位置を換えたり、電極37と磁性帯38の位置関係
を換えるように種々に変形することもできる。このよう
な磁性帯38を設けた磁気抵抗素子30は、特に図51
〜54の各(A)〜(C)の場合に適用し、図55の周方向
に平行な磁界の影響を受けないようにすることに対して
有効である。
【0125】また、図56(B)においては、人工格子膜
34の両側に人工格子膜34の延設方向とほぼ平行に磁
性体で構成した帯状の一対の磁性帯39を人工格子膜3
4と同一面に形成している。これらの磁性帯39の長さ
は磁気回転板10の着磁部の幅にほぼ等しく、両磁性帯
39の間隔は同回転板10の各磁極の周方向距離にほぼ
等しい。このように構成した磁気抵抗素子30を前記図
47,48のように配置すれば、各磁極に出入りする磁
力線であって周方向又は斜め方向の磁力線はこの磁性帯
39により通過が阻止され、人工格子膜34を通過しな
くなる。
【0126】したがって、この変形例においても、磁気
抵抗素子30が磁気回転板10の磁極間に対向して位置
している場合でも、同素子30の人工格子膜34の抵抗
値は大きく保たれるようになる。また、この改良した磁
気抵抗素子を、図58(A)〜(P)に示すように、磁性帯
39の幅を種々に換えたり、人工格子膜34を縦又は横
に往復させることにより狭い幅内にて密度を高めたり、
電極37の位置を換えたり、磁性帯39と人工格子膜3
4とを接続したりするように種々に変形することもでき
る。このような磁性帯39を設けた磁気抵抗素子30
は、特に図51〜54の各(D)(E)の場合に適用し、図
55の周方向と斜め方向の磁界の影響を受けないように
することに対して有効である。
【0127】また、前記図56(A)(B)の磁性帯38,
39を両方採用して、磁気抵抗素子30を図56(C)の
ように変形するようにしてもよい。なお、磁性帯38,
39は人工格子膜34の強磁性帯34aと同一材料であ
ってもよいし、異なる材料であってもよい。
【0128】次に、図51,53の磁気回転板10の着
磁状態を変形した同回転板10の変形例について説明す
る。まず、第1変形例について説明すると、図59(A)
に示すように、環状に形成した磁気回転板10を内外輪
の2領域に分割するとともに各領域に周方向に沿ってN
極とS極とをほぼ同一幅で交互に着磁する。ただし、こ
の場合、内輪領域の周方向の磁極中心が外輪領域の磁極
間に対向するように、内外輪の着磁状態を周方向にずら
してある。磁気抵抗素子30は、前記図47の場合と同
様に、内外領域の上方位置にて人工格子膜34が磁気回
転板10の上面に平行になるように配置され、その人工
格子膜34は径方向に延設されて内外2領域の境界を横
切って位置している。また、この場合、人工格子膜34
の周方向の線状パターン全体の幅は少なくとも各領域の
磁極の周方向幅の2分の1よりも狭く、なるべく狭くす
ることが望ましい。
【0129】また、第2変形例について説明すると、図
59(B)に示すように、環状又は円形に形成した磁気回
転板10の外側面を上下2領域(ただし、図示では左右
に位置する)に分割するとともに各領域に周方向に沿っ
てN極とS極とをほぼ同一幅で交互に着磁する。ただ
し、この場合、上領域の周方向の磁極中心が下領域の磁
極間に対向するように、上下2領域の着磁状態を周方向
にずらしてある。磁気抵抗素子30は、前記図48の場
合と同様に、上下領域の対向した位置にて人工格子膜3
4が磁気回転板10の外側面に平行になるように配置さ
れ、その人工格子膜34は上下方向に延設されて上下2
領域の境界を横切って位置している。また、この場合
も、人工格子膜34の周方向の線状パターン全体の幅は
少なくとも各領域の磁極の周方向幅の2分の1よりも狭
く、なるべく狭くすることが望ましい。
【0130】前記図59(A)(B)の磁気式回転検出装置
においては、図60に示すように、磁気抵抗素子20が
内外領域又は上下領域の隣接した各磁極が異なる位置に
あれば(図示実線参照)、内外領域又は上下領域の一方
から他方へ着磁面に平行な磁界の強さは大きいので、同
素子30の人工格子膜34の抵抗値は小さくなる。ま
た、磁気抵抗素子20が内外領域又は上下領域の隣接し
た各磁極が同一である位置にあれば(図示2点鎖線参
照)、内外領域間又は上下領域間の磁界は発生しないの
で、同素子30の人工格子膜34の抵抗値は大きくな
る。したがって、この磁気式回転検出装置においても、
磁気回転板10の回転が検出できる。また、この場合、
内外領域又は上下領域における周方向の隣合う磁極間の
幅が狭くても、内外領域又は上下領域の隣接した各磁極
が同一である位置における着磁面に平行な磁界の強さは
きわめて小さいので、周方向の各磁極間に非着磁部分を
設けなくても人工格子膜34の抵抗値が大きくなる幅が
確保され、磁気回転板10の回転が良好に検出される。
【0131】さらに、図59(A)(B)の磁気回転板10
の着磁状態を変形した変形例について説明する。図61
(A)は図59(A)の磁気回転板10の上面又は図59
(B)の磁気回転板10の外側面の帯状領域にて周方向に
沿ってほぼ同一幅の多数の領域をそれらの境界線を周方
向に対して斜めに傾けて設け、同多数の領域にN極とS
極とを交互にそれぞれ着磁する。そして、磁気抵抗素子
30は、図59(A)(B)の場合と同様に、人工格子膜3
4が着磁面に対して平行に対向し、かつ人工格子膜34
が径方向又は上下方向を長手方向として延設されるよう
に配置される。また、この場合も、人工格子膜34の周
方向の線状パターン全体の幅は少なくとも磁極の周方向
幅の2分の1よりも狭く、なるべく狭くすることが望ま
しい。
【0132】これによれば、磁気抵抗素子30の人工格
子膜34がN極とS極の両極の上方に位置するとき(図
示実線参照)、着磁面に対して平行なN極からS極に向
かう磁界の強さが大きく、人工格子膜34の抵抗値は小
さくなる。一方、磁気抵抗素子30の人工格子膜34が
一方の磁極のみに対向して位置するとき(図示2点鎖線
参照)、着磁面に対して平行なN極からS極に向かう磁
界はほとんどなくなるので、人工格子膜34の抵抗値は
大きくなる。したがって、この磁気式回転検出装置にお
いても、磁気回転板10の回転が検出できる。また、こ
の場合、周方向の隣合う各磁極間の幅が狭くても、磁気
抵抗素子30の人工格子膜34が一方の磁極のみに対向
しているときには、着磁面に平行な磁界の強さはきわめ
て小さいので、周方向の各磁極間に非着磁部分を設けな
くても人工格子膜34の抵抗値が大きくなる幅が確保さ
れ、磁気回転板10の回転が良好に検出される。
【0133】さらに、図61(B)に示すように、図59
(A)の磁気回転板10の内外2領域又は図59(B)の磁
気回転板10の上下2領域に一方の磁極(例えばN極)
に全体的に着磁すると共に、方形状の他方の磁極(例え
ばS極)を内外2領域又は上下2領域にて交互に周方向
に沿って等間隔で着磁するようにしてもよい。また、図
61(C)に示すように、方形状の他方の磁極(例えばS
極)を内外2領域又は上下2領域の一方に周方向に沿っ
て等間隔で着磁するようにしてもよい。磁気抵抗素子3
0は、図59(A)(B)の場合と同様に配置する。なお、
これらの場合には、人工格子膜34の周方向の線状パタ
ーン全体の幅は前記方形状の磁極の周方向幅より狭く設
定されている。
【0134】これによっても、前記図61(A)の場合と
同様な理由により、磁気抵抗素子30の人工格子膜34
が異なる磁極を横切って位置するとき(図示実線参照)
には人工格子膜34の抵抗値は小さくなり、人工格子膜
34が一方の磁極のみに対向して位置するとき(図示2
点鎖線参照)には人工格子膜34の抵抗値は大きくな
る。したがって、この磁気式回転検出装置においても、
磁気回転板10の回転が検出できる。また、この場合
も、磁気抵抗素子30の人工格子膜34が一方の磁極の
みに対向しているときには、着磁面に平行な磁界の強さ
はきわめて小さいので、磁気回転板10の回転が良好に
検出される。
【0135】(5)回転センサの車両へのその他の適用例 次に、上記のような磁気抵抗素子30を内蔵した回転セ
ンサ20の車両への他の適用例について説明する。上述
した実施形態においては車輪51の回転速度を検出する
例についてのみ説明したが、この回転センサ20は回転
体の回転に応じて大きな振幅の周期波形信号を得ること
ができるために、同センサ20と信号処理回路40が離
れたところに位置する車両の各部の回転を検出するのに
適している。例えば、この回転センサ20を用いて、ト
ランスミッションの入力軸及び出力軸の回転速度を検出
したり、エンジンの回転を検出したり、ステアリングシ
ャフトの回転角を検出するためにも適している。なお、
車両ばかりではなく、種々の装置へも適用できる。前記
車両に適用した例のうち、トランスミッションの入力軸
及び出力軸の回転速度を検出する場合には、上記実施形
態にて説明したものと類似しているので、その説明を省
略し、以下エンジンの回転を検出する場合と、ステアリ
ングシャフトの回転角を検出する場合とについて説明す
る。
【0136】エンジンの回転を検出してエンジンの点火
時期などの制御に利用するためには、180度ずれた2
つのクランク角度基準位置を検出するとともに、クラン
ク角度を検出する必要がある。また、この場合には、デ
ィストリビュータのタイミングロータの回転を検出する
のが通常であり、この実施形態においても同タイミング
ロータの回転検出のために磁気回転板10を同ロータに
固定する。図62(A)はこの実施形態の正断面図を示し
ており、磁気回転板10は上下方向に3領域に分割した
環状部10A〜10Cを備えている。上段の環状部10
Aにおいては、図63(A)に示すように、周方向の一箇
所にて外側面に一方の磁極(例えばN極)が着磁されて
いるとともに、同着磁した外側面に対向する内側面位置
に他方の磁極(例えばS極)が着磁されている。中段の
環状部10Bにおいては、図63(B)に示すように、前
記上段の環状部10Aの着磁位置から周方向に180度
離れた一箇所にて外側面に一方の磁極(例えばN極)が
着磁されているとともに、同着磁下外側面に対向する内
側面位置に他方の磁極(例えばS極)が着磁されてい
る。下段の環状部10Cにおいては、図63(C)に示す
ように、外側面の周方向全周に渡って一方の磁極(例え
ばN極)が所定の間隔を隔ててほぼ同一幅に着磁されて
いるとともに、同着磁した外側面に対向する内側面位置
に他方の磁極(例えばS極)が着磁されている。
【0137】回転センサ20は磁気回転板10の外側面
に対向して配置され、上記図7で説明したように磁気抵
抗素子30を内蔵している。磁気抵抗素子30も、上記
図2で説明したようなシリコン基板31上にバッファ層
32を備えているが、同バッファ層32上には環状部1
0A〜10Cにそれぞれ対応した人工格子膜34a〜3
4c及び同人工格子膜34a〜34cにそれぞれ対応し
た各一対の電極37a〜37cを備えている。この磁気
抵抗素子10は人工格子膜34a〜34cの面を磁気回
転板10の上下面に対して垂直かつ同回転板10の径方
向に向けて配置され、各人工格子膜34a〜34cはそ
れぞれの側面に平行かつ上下方向を長手方向にして延設
されるとともに、磁気回転板10の各環状部10A〜1
0Cにそれぞれ近接して対向している。また、回転セン
サ20は、上記図6,7で説明したようにワイヤ23及
びコネクタ24を介して電気制御装置40A内の信号処
理回路40に接続される4個(人工格子膜34a〜34
bより一つ多い)のコネクタ片22a〜22dを備えて
いる。コネクタ片22a〜22cは各人工格子膜34a
〜34cの一方の電極37a〜37cにそれぞれ接続さ
れ、コネクタ片22dは各人工格子膜34a〜34cの
一方の電極37a〜37cに共通に接続されている。
【0138】次に、電気制御装置40A内に設けられ、
前記のような磁気抵抗素子30に適用される信号処理回
路40について説明する。図64に示すように、信号処
理回路40は人工格子膜34a〜34cにそれぞれ対応
した定電流源回路43a〜43cを備えており、各回路
43a〜43cはワイヤ23及びコネクタ24を介して
磁気抵抗素子30の各一方の電極37a〜37cにそれ
ぞれ接続されている。他方の電極37a〜37cは、ワ
イヤ23及びコネクタ24を介して接地されている。各
定電流源回路43a〜43cは、直流電圧を除去するた
めの交流カップリング回路としてのコンデンサC1a〜
C1c及びバッファアンプOP8a〜OP8cを介して
比較器OP3a〜OP3cの各一端に接続されている。
比較器OP3a〜OP3cの各他端には、図示しないポ
テンショメータからの基準電圧がそれぞれ供給されてい
る。
【0139】前記のように構成した実施形態の動作を説
明する。ディストリビュータのタイミングロータの回転
に連動して磁気回転板10が中心軸線L1回りに回転し
て、各環状部10A〜10Cの各着磁部分が各磁気抵抗
素子30の人工格子膜34a〜34cに対向する位置に
来たとき、各人工格子膜34a〜34cの抵抗値はそれ
ぞれ独立して小さくなる。一方、各環状部10A〜10
Cの各非着磁部分が各磁気抵抗素子30の人工格子膜3
4a〜34cに対向する位置に来たときには、各人工格
子膜34a〜34cの抵抗値はそれぞれ独立して大きく
なる。そして、これらの抵抗値の変化は定電流源回路4
3a〜43cから流れる定電流により電圧の変化に変換
され、コンデンサC1a〜C1cによってそれぞれ直流
電圧が除去されてバッファアンプOP8Oa〜OP8c
を介して比較器OP3a〜OP3cにそれぞれ供給され
る(図65参照)。したがって、磁気回転板10の着磁
部が磁気抵抗素子30の人工格子膜34a〜34cにそ
れぞれ対向した位置に来たとき、比較器OP3a〜OP
3cはパルス信号をそれぞれ独立して発生する。
【0140】したがって、比較器OP3a,OP3b
は、ディストリビュータのタイミングロータが一回転す
る毎に180度位相のずれた一つのパルス列信号をそれ
ぞれ発生することになる。また、比較器OP3cは、同
タイミングロータが一回転する毎に多数のパルス信号を
発生することになる(図65参照)。その結果、磁気抵
抗素子30の人工格子膜34a,34bによりディスト
リビュータのタイミングロータの180度離れた回転位
置が検出されるとともに、人工格子膜34cにより同ロ
ータの回転角が良好に検出されることになる。これら情
報からクランク角度基準位置及びクランク角度を検出す
ることは従来から行われてきた方法により実現されるの
で、この実施形態による磁気式回転検出装置を用いれば
エンジンの点火時期などの制御を良好に行うことができ
る。また、この実施形態によれば、磁気抵抗素子30内
に複数の人工格子膜34a〜34cを組み込むようにし
たので、複数の回転情報を同時に得る回転センサ20を
簡単に構成できる。また、この場合、各人工格子膜34
a〜34cに対応した一対の電極37a〜37cのうち
の各一方を共通に接地端子として用いることができるの
で、コネクタ片22a〜22dの数を少なくするととも
に同コネクタ22a〜22dと信号処理回路40との接
続線の数も少なくすることができて、装置全体の構成が
簡単になる。
【0141】なお、前記磁気回転板10の各環状部10
A,10Bの着磁方向に関しては、図66(A)に示すよ
うに周方向の一箇所の内外側面にのみ非着磁部を設け
て、他の部分の外側面に一方の磁極(例えばS極)を着
磁しかつ同他の部分の内側面に他方の磁極(例えばN
極)を着磁するようにしてもよい。さらに、図66(B)
に示すように、外側面の周方向の一箇所に一方の磁極
(例えばN極)を着磁するとともに同一箇所に対向する
内側面に他方の磁極(例えばS極)を着磁し、他の部分
の外側面に他方の磁極(例えばN極)を着磁するととも
に同他の部分の内側面に一方の磁極(例えばS極)を着
磁するようにしてもよい。
【0142】さらに、図67に示すように、磁気回転板
10を径方向に3分割した環状部10D〜10Fを設け
るとともに、回転センサ20を磁気回転板10の上面に
対向させるようにしてもよい。この場合には、磁気抵抗
素子30の人工格子膜34を各環状部10D〜10Fの
上面にて径方向に延設して近接配置される。磁気回転板
10の各環状部10D〜10Fの上面及び下面には、前
記図63の場合の内外側面の着磁例のように着磁されて
いる。なお、このような磁気回転板10の環状部10A
〜10C,10D〜10F及び磁気抵抗素子30に関し
ては、図21〜42,45に示すような各種変形例を適
用することもできる。
【0143】次に、ステアリングシャフトの回転角を検
出する場合について説明する。ステアリングシャフトの
回転角を検出するためには、ステアリングシャフトの回
転に応じてπ/2ずつ位相のずれたパルス列信号を出力
する必要がある。したがって、図68(A)及び図69
(A)に示すように、環状に形成した磁気回転板10をス
テアリングシャフトに固定するとともに、同回転板10
の上面を内外2領域分けて各領域に周方向にN極とS極
とを交互かつほぼ同一幅にそれぞれ着磁する。この場
合、内側領域の各磁極中心と外側領域の各磁極中心とは
磁極幅の4分の1(位相換算でπ/2)だけそれぞれず
れている。
【0144】回転センサ20は磁気回転板10の上面に
対向して配置され、磁気抵抗素子30を内蔵している。
この磁気抵抗素子30も、前記と同様にシリコン基板3
1上にバッファ層32を備えているが、バッファ層32
上には内外2領域にそれぞれ対応した人工格子膜34
d,34e及び人工格子膜34d,34eにそれぞれ対
応した各一対の電極37d,37eを備えている。この
磁気抵抗素子20も人工格子膜34d,34eの面を磁
気回転板10の上面に対して垂直かつ同回転板10の径
方向に向けて配置され、各人工格子膜34d,34eは
同回転板10の内外2領域上の近接した位置にてそれぞ
れ上面に平行かつ径方向を長手方向として延設されてい
る。この回転センサ20は3個(人工格子膜34d,3
4eより一つ多い)のコネクタ片22e〜22gを備え
ている。コネクタ片22e,22fは各人工格子膜34
d,34eの一方の電極37d,37eにそれぞれ接続
され、コネクタ片22gは各人工格子膜34d,34e
の他方の電極37d,37eに共通に接続されている。
コネクタ片22e〜22gは、ワイヤ23及びコネクタ
24を介して電気制御装置40A内の信号処理回路40
に接続されている。信号処理回路40は、図64の人工
格子膜34cに対応した各回路を除く回路と同様に構成
されるので、説明を省略する。
【0145】このように構成した磁気式回転検出装置に
おいては、磁気回転板10の上面の着磁面に対して垂直
に出入りする磁界を利用するもので、磁気回転板10の
上面の着磁パターンと信号処理回路40内の比較器OP
3a,OP3bの入出力との関係は図70のようにな
る。したがって、信号処理回路40は磁気回転板10
(ステアリングシャフト)の回転に伴ってπ/2だけ位
相のずれたパルス列信号を出力することができるので、
ステアリングシャフトの回転角を前記図62の場合と同
様に簡単な構成で検出できるようになる。
【0146】また、前記図68(A)及び図69(A)に示
した磁気式回転検出装置を、同じく着磁面に垂直な磁界
を用いた図68(B)及び図69(A)に示すように変形す
ることもできる。この変形例において、回転センサ20
は前記場合と同じように構成されているが、磁気回転板
10の外側面の上下2領域のそれぞれに周方向にN極と
S極とを着磁してある。上下2領域の各着磁部の位相関
係については、図68(A)の場合と同じである。なお、
このような磁気回転板10及び磁気抵抗素子30に関し
ては、図21〜42,45に示すような各種変形例を適
用することもできる。
【0147】さらに、前記図68(A)(B)及び図69
(A)では、着磁面に垂直な磁界を利用した磁気式回転検
出装置について説明したが、同装置を図68(C)(D)及
び図69(B)に示すように変更してもよい。図68(C)
及び図69(B)の場合、磁気回転板10を前記図68
(A)に示すように構成するとともに、同図68(A)に示
す回転センサ20を、磁気抵抗素子30の人工格子膜3
4d,34eの面が内外に2分割した着磁面にそれぞれ
平行に対向するとともに人工格子膜34d,34eが径
方向を長手方向として延設されるように配置する。ま
た、図68(D)及び図69(B)の場合、磁気回転板10
を前記図68(B)に示すように構成するとともに、同図
68(B)に示す回転センサ20を、磁気抵抗素子30の
人工格子膜34d,34eの面が上下に2分割した着磁
面にそれぞれ平行に対向するとともに人工格子膜34
d,34eが上下方向を長手方向として延設されるよう
に配置する。なお、このような磁気回転板10及び磁気
抵抗素子30に関しては、図50,図51,図52の
(B)〜(E)、図53〜図61に示すような各種変形例を
適用することもできる。
【0148】次に、前記のようなπ/2だけ位相の異な
る2列のパルス列信号を得る磁気式回転検出装置の変形
例について説明する。この場合、前記図68に示す磁気
式回転板10の上面又は側面の帯状領域に図71(A)
(B)に示すようにN極とS極を周方向に沿って交互かつ
ほぼ同一幅に着磁する。そして、磁気抵抗素子30を、
その人工格子膜34f,34gの面が着磁面に垂直かつ
人工格子膜34f,34gが着磁面の移動方向に沿って
延設するように配置する。人工格子膜34f,34g
は、磁気回転板10の移動方向の磁極幅の4分の1の間
隔で配置する。これによっても、磁気回転板10の回転
に伴って各人工格子膜34f,34gの抵抗値はπ/2
の位相差をもって正弦波状に変化することになるので、
この磁気抵抗素子30を用いても図70に示すようなπ
/2の位相差をもった2列のパルス列信号を取り出すこ
とができる。したがって、この変形例によれば、磁気回
転板10の着磁部を簡単に構成できる。
【0149】また、前記図71(A)(B)の磁気式回転検
出装置は着磁面に対して垂直な磁界を利用するものであ
るが、これを着磁面に対して水平な磁界を利用するよう
に変形することも可能である。この場合、前記図68に
示す磁気式回転板10の上面又は側面の帯状領域に図7
2(A)(B)に示すようにN極とS極を周方向に沿って交
互かつほぼ同一幅に着磁する。そして、磁気抵抗素子3
0を、その人工格子膜34f,34gの面が着磁面に平
行かつ人工格子膜34f,34gが着磁面の移動方向と
直交するように配置する。人工格子膜34f,34g
は、磁気回転板10の移動方向の磁極幅の4分の1の間
隔で配置される。これによっても、磁気回転板10の回
転に伴って各人工格子膜34f,34gの抵抗値はπ/
2の位相差をもって正弦波状に変化することになるの
で、この磁気抵抗素子30を用いても図70に示すよう
なπ/2の位相差をもった2列のパルス列信号を取り出
すことができる。したがって、この変形例によっても、
磁気回転板10の着磁部を簡単に構成できる。
【0150】なお、図68及び図71,72の磁気式回
転検出装置においては、π/2だけ位相のずれた2列の
パルス列を得るようにした。しかし、磁気抵抗素子30
内の人工格子膜を前記図71又は図72のように3個以
上設けることにより、3以上のパルス列信号を得ること
も可能である。また、各人工格子膜34f,34gの間
隔を種々に設定することにより、各パルス列信号の位相
差を種々に設定することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る磁気式回転検出装置の概略図で
ある。
【図2】 (A)は図1の磁気抵抗素子の縦断面図であ
り、(B)は(A)の人工格子膜の拡大断面である。
【図3】 (A)は同磁気抵抗素子の縦断模式図であり、
(B)は同磁気抵抗素子の横断模式図である。
【図4】 同磁気抵抗素子の磁界の強さに対する抵抗値
の変化特性図である。
【図5】 本発明に係る磁気式回転検出装置を車輪速度
を検出するために適用した車両の全体概略図である。
【図6】 図5の回転センサと電気制御装置との接続関
係を示す概略図である。
【図7】 回転センサの具体例を示す正断面図である。
【図8】 回転センサの第1変形例を示す正断面図であ
る。
【図9】 (A)は回転センサの第2変形例を示す正断面
図であり、(B)は(A)のB−B線に沿って見た側断面図
である。
【図10】 回転センサの第3変形例を示す正断面図で
ある。
【図11】 回転センサ及び磁気回転板の取り付け状態
を示す概略断面図である。
【図12】 回転センサ及び磁気回転板の取り付け状態
の第1変形例を示す概略断面図である。
【図13】 回転センサ及び磁気回転板の取り付け状態
の第2変形例を示す概略断面図である。
【図14】 回転センサ及び磁気回転板の取り付け状態
の第3変形例を示す概略断面図である。
【図15】 図1の信号処理回路の回路図である。
【図16】 (A)は図15の信号処理回路に入力される
電圧信号波形図であり、(B)は同信号処理回路から出力
されるパルス信号波形図である。
【図17】 信号処理回路の第1変形例を示す回路図で
ある。
【図18】 信号処理回路の第2変形例を示す回路図で
ある。
【図19】 信号処理回路の第3変形例を示す回路図で
ある。
【図20】 信号処理回路の第4変形例を示す回路図で
ある。
【図21】 (A)は磁気回転板の磁極面に対して磁気抵
抗素子の人工格子膜の面を垂直に配置した基本的な第1
配置例を示す平面図であり、(B)は同第1配置例の正面
図である。
【図22】 (A)(B)は前記第1配置例に用いる磁気回
転板の着磁例をそれぞれ示す概略斜視図である。
【図23】 (A)は磁気回転板の磁極面に対して磁気抵
抗素子の人工格子膜の面を垂直に配置した基本的な第2
配置例を示す平面図であり、(B)は同第2配置例の正面
図である。
【図24】 (A)(B)は前記第2配置例に用いる磁気回
転板の着磁例をそれぞれ示す概略斜視図である。
【図25】 (A)〜(B)は磁気抵抗素子の人工格子膜の
パターン例をそれぞれ示す概略図である。
【図26】 (A)(B)は同人工格子膜の変形例を示す概
略図である。
【図27】 (A)〜(C)は同人工格子膜の他の変形例を
それぞれ示す概略図である。
【図28】 上面に着磁した磁気回転板に溝を設けた変
形例を示す概略斜視図である。
【図29】 側面に着磁した磁気回転板に溝を設けた変
形例の一部を示す概略斜視図である。
【図30】 (A)は図28の磁気回転板を樹脂モールド
した変形例の一部を示す平面図であり、(B)は前記(A)
のB−B線に沿ってみた断面図であり、(C)は前記(A)
のC−C線に沿って見た断面図である。
【図31】 (A)は図29の磁気回転板を樹脂モールド
した変形例の一部を示す平面図であり、(B)は前記(A)
のB−B線に沿ってみた断面図であり、(C)は前記(A)
のC−C線に沿って見た断面図である。
【図32】 上面に着磁した磁気回転板において各磁極
間に非着磁部を設けるようにした変形例を示す概略斜視
図である。
【図33】 側面に着磁した磁気回転板において各磁極
間に非着磁部を設けるようにした変形例の一部を示す概
略斜視図である。
【図34】 (A)は磁気回転板と同回転板を着磁するた
めの着磁ヨークとを示す概略図であり、(B)は同着磁ヨ
ークを用いて着磁した磁気回転板の着磁状態を示す展開
図であり、(C)は同着磁した磁気回転板の回転に伴う磁
気抵抗素子の抵抗値の変化状態を示すタイムチャートで
ある。
【図35】 上面と下面に異磁極を着磁した磁気回転板
の変形例を示す概略斜視図である。
【図36】 内側面と外側面に異磁極を着磁した磁気回
転板の変形例の一部を示す概略斜視図である。
【図37】 (A)は磁気抵抗素子に磁性板を付設した回
転センサの変形例を示す概略平面図であり、(B)は同変
形例の概略側面図である。
【図38】 (A)〜(D)は同磁性板の他の付設例を示す
概略図である。
【図39】 (A)は磁気回転板の上面に対向して磁気抵
抗素子を配置し、N,S両極の各着磁面にほぼ垂直に出
入りする両磁力線を用いた磁気式回転検出装置の平面図
であり、(B)は同磁気式回転検出装置の正面図であり、
(C)は(A)のC−C線に沿って見た拡大断面図である。
【図40】 (A)は磁気回転板の側面に対向して磁気抵
抗素子を配置し、N,S両極の各着磁面にほぼ垂直に出
入りする両磁力線を用いた磁気式回転検出装置の平面図
であり、(B)は同磁気式回転検出装置の正面図である。
【図41】 図39,40の人工格子膜の変形例を示す
磁気抵抗素子の概略図である。
【図42】 図39の磁気式回転検出装置の第1変形例
を示す概略斜視図である。
【図43】 図39の磁気式回転検出装置の第2変形例
を示す概略斜視図である。
【図44】 (A)(B)は共に図43の磁気式回転検出装
置に用いるのに適した磁気抵抗素子の拡大図である。
【図45】 図40の磁気式回転検出装置の第1変形例
を示す概略斜視図である。
【図46】 図40の磁気式回転検出装置の第2変形例
を示す概略斜視図である。
【図47】 (A)は磁気回転板の磁極面に対して磁気抵
抗素子の人工格子膜の面を平行に配置した基本的な第1
配置例を示す平面図であり、(B)は同第1配置例の正面
図である。
【図48】 (A)は磁気回転板の磁極面に対して磁気抵
抗素子の人工格子膜の面を平行に配置した基本的な第2
配置例を示す平面図であり、(B)は同第2配置例の正面
図である。
【図49】 (A)は図47,48の着磁面と磁気抵抗素
子の配置関係を詳細に示す平面図であり、(B)は同配置
関係を詳細に示す正面図である。
【図50】 (A)〜(H)は図47,48の磁気抵抗素子
の人工格子膜の各種変形例を示す概略平面図である。
【図51】 (A)〜(E)は図47の磁気回転板の各種変
形例の一部を示す概略斜視図である。
【図52】 (A)〜(E)は図47の磁気回転板の他の各
種変形例の一部を示す概略斜視図である。
【図53】 (A)〜(E)は図48の磁気回転板の各種変
形例の一部を示す概略斜視図である。
【図54】 (A)〜(E)は図48の磁気回転板の他の各
種変形例の一部を示す概略斜視図である。
【図55】 (A)(B)は図51〜54の磁気回転板の着
磁面に平行かつ不要な磁界の発生状態を説明するための
同回転板の着磁面の概略図である。
【図56】 (A)〜(C)は図51〜図54の磁気回転板
に対向させる磁気抵抗素子の改良例を示す概略平面図で
ある。
【図57】 (A)〜(H)は図56(A)の各種変形例を示
す磁気抵抗素子の概略平面図である。
【図58】 (A)〜(P)は図56(B)の各種変形例を示
す磁気抵抗素子の概略平面図である。
【図59】 (A)は図51(A)の磁気回転板の着磁例の
変形例を示す概略平面図であり、(B)は図53(A)の磁
気回転板の着磁例の変形例を示す概略正面図である。
【図60】 図59(A)(B)の作動を説明するための磁
気回転板と磁気抵抗素子の配置関係を示す平面図であ
る。
【図61】 (A)〜(C)は図59(A)(B)の磁気回転板
の着磁状態をさらに変形した同回転板の着磁部の概略平
面図である。
【図62】 本発明に係る磁気式回転検出装置を車両用
エンジンの回転検出に適用した場合の概略正断面図であ
る。
【図63】 (A)〜(C)は図62の磁気回転板の各環状
部の断面図である。
【図64】 前記磁気式回転検出装置の信号処理回路の
回路図である。
【図65】 図62の磁気回転板の各環状部の着磁パタ
ーンと図64の信号処理回路内の各比較器の入出力信号
波形の関係を示すタイムチャートである。
【図66】 (A)(B)は図63の(A)(B)の着磁例の変
形例を示す環状部の断面図である。
【図67】 前記磁気式回転検出装置において回転セン
サを磁気回転板の上面に配置するように変形した変形例
を示す概略正断面図である。
【図68】 (A)〜(D)は、本発明に係る磁気式回転検
出装置を車両用ステアリングシャフトの回転角検出に適
用した場合の各種例を示す概略図である。
【図69】 (A)は図68(A)(B)の着磁部の拡大図で
あり、(B)は図68(C)(D)の着磁部の拡大図である。
【図70】 図68の磁気回転板の各環状部の着磁パタ
ーンと図64の信号処理回路内の各比較器の入出力信号
波形の関係を示すタイムチャートである。
【図71】 図68の変形例を示す磁気式回転検出装置
の概略図である。
【図72】 図68の他の変形例を示す磁気式回転検出
装置の概略図である。
【符号の説明】
10…磁気回転板、10a,10b…溝、10c,10
d…突起部、11…モールド層、20…回転センサ、2
1…ハウジング、22,22a〜22g…コネクタ片、
23…ワイヤ、24…コネクタ、25…取り付け用パッ
ケージ、26…磁性板、26a…主部、26b…脚部、
30…磁気抵抗素子、31…シリコン基板、32…バッ
ファ層、34,34a〜34g…人工格子膜、36…保
護膜、37,37a〜37g…電極、40…信号処理回
路、41…定電圧源回路、42…波形整形回路、43…
定電流源回路。

Claims (38)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中心軸回りに回転する回転面に回転方向に
    沿って着磁状態を異ならせて着磁した回転体と、 磁性体と非磁性体を交互に積層するとともに線状パター
    ン化した人工格子膜を有してなり前記回転体の着磁部に
    対向して配置した磁気抵抗素子と、 前記磁気抵抗素子と隔離して配置されるとともに同磁気
    抵抗素子の人工格子膜の両端に導線を介して接続され、
    前記回転体の回転に伴う磁界の強さの変化に応じた前記
    人工格子膜の抵抗値の変化に基づいて同回転体の回転に
    応じたパルス列信号を出力する信号処理回路とを備えた
    ことを特徴とする磁気式回転検出装置。
  2. 【請求項2】前記請求項1に記載の信号処理回路を、 前記人工格子膜に接続されて同人工格子膜に所定電圧を
    印加する電圧源回路と、 前記人工格子膜に接続されて同人工格子膜に流れる電流
    値に比例した電圧信号を出力する電流検出用抵抗と、 前記電圧信号と所定の基準電圧信号とを比較して両電圧
    信号の大小関係に応じて前記パルス列信号を出力する波
    形整形回路とにより構成した磁気式回転検出装置。
  3. 【請求項3】前記請求項1に記載の信号処理回路を、 前記人工格子膜に接続されて同人工格子膜に所定電流を
    流す電流源回路と、 前記人工格子膜に接続されて同人工格子膜に発生する電
    圧信号と所定の基準電圧信号とを比較して両電圧信号の
    大小関係に応じて前記パルス列信号を出力する波形整形
    回路とにより構成した磁気式回転検出装置。
  4. 【請求項4】車両の回転部分に組付けられ、中心軸回り
    に回転する回転面に回転方向に沿って着磁状態を異なら
    せて着磁した回転体と、 車両の非回転部分に組付けられ、磁性体と非磁性体を交
    互に積層するとともに線状パターン化した人工格子膜を
    有してなり、前記回転体の着磁部に対向して配置した磁
    気抵抗素子と、 車両の非回転部分に組み付けられ、前記回転体と前記磁
    気抵抗素子とを外部から遮断するカバーと、 前記磁気抵抗素子と隔離して車体に搭載されるとともに
    同磁気抵抗素子の人工格子膜に導線を介して接続され、
    前記回転体の回転に伴う磁界の強さの変化に応じた前記
    人工格子膜の抵抗値の変化に基づいて同回転体の回転に
    応じたパルス列信号を出力する信号処理回路とを備えた
    ことを特徴とする磁気式回転検出装置。
  5. 【請求項5】中心軸回りに回転する回転面にN極とS極
    とを回転方向に沿って交互かつほぼ同一幅に着磁した回
    転体と、 磁性体と非磁性体とを交互に積層するとともに線状パタ
    ーン化した人工格子膜を有してなり前記回転体の回転面
    に対向させた磁気抵抗素子とを備え、 前記回転体の回転を前記磁気抵抗素子の人工格子膜の抵
    抗値の変化により検出する磁気式回転検出装置であっ
    て、 前記人工格子膜の面を前記回転体の着磁面に対して垂直
    に配置するとともに同人工格子膜を同回転体の着磁面の
    回転方向と直交する方向を長手方向にして延設し、かつ
    同人工格子膜の面に直交する方向の磁気抵抗素子の厚さ
    を少なくとも前記着磁面の各磁極の回転方向幅より小さ
    くしたことを特徴とする磁気式回転検出装置。
  6. 【請求項6】前記請求項5に記載の磁気式回転検出装置
    において、前記回転体のN極とS極の各着磁部間に溝を
    設けるようにしたことを特徴とする磁気式回転検出装
    置。
  7. 【請求項7】前記請求項6に記載の磁気式回転検出装置
    において、前記溝に樹脂を埋め込んで着磁面を平坦にし
    たことを特徴とする磁気式回転検出装置。
  8. 【請求項8】前記請求項5に記載の磁気式回転検出装置
    において、前記回転体にN極とS極とを所定の間隔を隔
    てて着磁するようにしたことを特徴とする磁気式回転検
    出装置。
  9. 【請求項9】前記請求項5に記載の磁気式回転検出装置
    において、前記回転体に先端を丸くした着磁ヨークを用
    いて前記N極とS極とを着磁するようにした磁気式回転
    検出装置。
  10. 【請求項10】中心軸回りに回転する互いに平行な第1
    及び第2回転面を備え、前記第1回転面に回転方向に沿
    って一方の磁極をほぼ同一幅ずつ所定の間隔をおいて着
    磁するとともに、前記第2回転面に他方の磁極を着磁し
    た回転体と、 磁性体と非磁性体とを交互に積層するとともに線状パタ
    ーン化した人工格子膜を有し前記回転体の第1回転面に
    対向させた磁気抵抗素子とを備え、 前記回転体の回転を前記磁気抵抗素子の人工格子膜の抵
    抗値の変化により検出する磁気式回転検出装置であっ
    て、 前記人工格子膜の面を前記第1回転面に対して垂直に配
    置するとともに同人工格子膜を同第1回転面の回転方向
    と直交する方向を長手方向にして延設し、かつ同人工格
    子膜の面に直交する方向の磁気抵抗素子の厚さを少なく
    とも前記着磁面の各磁極の回転方向幅より小さくしたこ
    とを特徴とする磁気式回転検出装置。
  11. 【請求項11】前記請求項5〜請求項10のいずれか一
    つに記載の人工格子膜を、連続した一本の線状体を繰り
    返し折り返してパターン化したことを特徴とする磁気式
    回転検出装置。
  12. 【請求項12】 図26,27 前記請求項5〜請求項10のいずれか一つに記載の人工
    格子膜の線状パターンの幅を、磁界の強さの変化が大き
    い位置にて小さく、かつ磁界の強さの変化が小さい位置
    にて大きく形成したことを特徴とする磁気式回転検出装
    置。
  13. 【請求項13】前記請求項5〜請求項10のいずれか一
    つに記載の人工格子膜の線状パターンの幅を、前記回転
    体の着磁面の回転方向と直角な幅方向中心付近にて小さ
    くかつ同幅方向端部にて大きく形成したことを特徴とす
    る磁気式回転検出装置。
  14. 【請求項14】前記請求項5〜請求項10のいずれか一
    つに記載の人工格子膜の線状パターンの幅を、前記回転
    体の着磁面に近い位置にて小さくかつ遠い位置にて大き
    く形成したことを特徴とする磁気式回転検出装置。
  15. 【請求項15】前記請求項5〜請求項14のいずれか一
    つに記載の磁気式回転検出装置において、前記磁気抵抗
    素子と前記回転体の着磁面との間に磁性板を前記人工格
    子膜の面とほぼ同一面にて配置したことを特徴とする磁
    気式回転検出装置。
  16. 【請求項16】前記請求項5〜請求項14のいずれか一
    つに記載の磁気式回転検出装置において、前記磁気抵抗
    素子と同一平面内に磁性板を設けるとともに、同磁性板
    の一部を延設して前記回転体の磁極間隔にほぼ等しい位
    置に脚部を設け、同脚部を前記回転体の着磁面に対して
    垂直となるように配置したことを特徴とする磁気式回転
    検出装置。
  17. 【請求項17】中心軸回りに回転する回転面にN極とS
    極とを回転方向に沿って交互かつほぼ同一幅に着磁した
    回転体と、 磁性体と非磁性体とを交互に積層するとともに線状パタ
    ーン化した人工格子膜を有し前記回転体の回転面に対向
    させた磁気抵抗素子とを備え、 前記回転体の回転を前記磁気抵抗素子の人工格子膜の抵
    抗値の変化により検出する磁気式回転検出装置であっ
    て、 前記人工格子膜の面を前記回転体の着磁面に対して垂直
    に配置し、同人工格子膜を前記回転体の着磁面の回転方
    向を長手方向として延設し、かつ同人工格子膜の長手方
    向に沿った単位長さ当りの抵抗値を前記回転体のN,S
    各磁極幅にほぼ等しい間隔を有する同長手方向の2位置
    にて他の位置より高くしたことを特徴とする磁気式回転
    検出装置。
  18. 【請求項18】中心軸回りに回転する回転面に回転方向
    に沿った帯状の2領域を互いに隣接して設け、前記2領
    域にN極とS極とを回転方向に沿って交互かつほぼ同一
    幅であって前記2領域の隣接した各磁極が異磁極になる
    ようにそれぞれ着磁した回転体と、 磁性体と非磁性体とを交互に積層するとともに線状パタ
    ーン化した人工格子膜を有し前記回転体の回転面の2領
    域に対向させてなる磁気抵抗素子とを備え、 前記回転体の回転を前記磁気抵抗素子の人工格子膜の抵
    抗値の変化により検出する磁気式回転検出装置であっ
    て、 前記人工格子膜の面を前記回転体の着磁面に対して垂直
    に配置し、同人工格子膜を前記回転体の着磁面の回転方
    向と直交する方向を長手方向にして延設し、かつ前記人
    工格子膜の面に直交する方向の磁気抵抗素子の厚さを少
    なくとも前記着磁面の各磁極の回転方向幅より小さくし
    たことを特徴とする磁気式回転検出装置。
  19. 【請求項19】中心軸回りに回転する互いに平行な第1
    及び第2回転面にN極とS極とを回転方向に沿って交互
    かつほぼ同一幅であって前記第1及び第2回転面の対向
    する各磁極が異磁極になるようにそれぞれ着磁した回転
    体と、 磁性体と非磁性体とを交互に積層するとともに線状パタ
    ーン化した人工格子膜を有し前記回転体の第1及び第2
    回転面と直交する第3回転面に対向させた磁気抵抗素子
    とを備え、 前記回転体の回転を前記磁気抵抗素子の人工格子膜の抵
    抗値の変化により検出する磁気式回転検出装置であっ
    て、 前記人工格子膜の面を前記第3回転面に対して垂直に配
    置し、同人工格子膜を前記第3回転面の回転方向と直交
    する方向を長手方向にして延設し、かつ前記人工格子膜
    の面に直交する方向の磁気抵抗素子の厚さを少なくとも
    前記着磁面の各磁極の回転方向幅より小さくしたことを
    特徴とする磁気式回転検出装置。
  20. 【請求項20】前記請求項19に記載の磁気式回転検出
    装置において、前記人工格子膜の長手方向に沿った単位
    長さ当りの抵抗を同長手方向端部にて中央部より大きく
    するようにしたことを特徴とする磁気式回転検出装置。
  21. 【請求項21】前記請求項18〜請求項20のいずれか
    一つに記載の磁気式回転検出装置において、前記人工格
    子膜を連続した一本の線状体を繰り返し折り返してパタ
    ーン化したことを特徴とする磁気式回転検出装置。
  22. 【請求項22】中心軸回りに回転する回転面にN極とS
    極とを回転方向に沿って交互かつほぼ同一幅に着磁した
    回転体と、 磁性体と非磁性体とを交互に積層するとともに線状パタ
    ーン化した人工格子膜を有し前記回転体の回転面に対向
    させた磁気抵抗素子とを備え、 前記回転体の回転を前記磁気抵抗素子の人工格子膜の抵
    抗値の変化により検出する磁気式回転検出装置であっ
    て、 前記人工格子膜の面を前記回転体の着磁面に対して平行
    に対向させ、同人工格子膜を同回転体の着磁面の回転方
    向と直交する方向を長手方向にして延設し、かつ前記長
    手方向と直交する方向の前記人工格子膜全体の幅を少な
    くとも前記着磁面の各磁極の回転方向幅より小さくした
    ことを特徴とする磁気式回転検出装置。
  23. 【請求項23】前記請求項22に記載の人工格子膜を、
    連続した一本の線状体を繰り返し折り返してパターン化
    したことを特徴とする磁気式回転検出装置。
  24. 【請求項24】中心軸回りに回転する回転面に回転方向
    に沿った帯状の2領域を互いに隣接して設け、前記2領
    域にN極とS極とを回転方向に沿って交互かつほぼ同一
    幅であって前記2領域の隣接した各磁極が異磁極になる
    ようにそれぞれ着磁した回転体と、 磁性体と非磁性体とを交互に積層するとともに線状パタ
    ーン化した人工格子膜を有し前記回転体の回転面の2領
    域に対向させてなる磁気抵抗素子とを備え、 前記回転体の回転を前記磁気抵抗素子の人工格子膜の抵
    抗値の変化により検出する磁気式回転検出装置であっ
    て、 前記人工格子膜の面を前記回転体の着磁面に対して平行
    に対向させ、同人工格子膜を同回転体の着磁面の回転方
    向と直交する方向を長手方向にして延設し、かつ前記長
    手方向と直交する方向の同人工格子膜全体の幅を少なく
    とも前記着磁面の各磁極の回転方向幅より小さくしたこ
    とを特徴とする磁気式回転検出装置。
  25. 【請求項25】前記請求項24に記載の回転体の回転方
    向の各磁極間に非着磁部を設けたことを特徴とする磁気
    式回転検出装置。
  26. 【請求項26】中心軸回りに回転する回転面に回転方向
    に沿った帯状の2領域を互いに隣接して設け、一方の領
    域に一方の磁極を回転方向に沿ってほぼ同一幅に所定間
    隔をおいて着磁するとともに、他方の領域に他方の磁極
    を前記一方の磁極に隣接した位置にて着磁した回転体
    と、 磁性体と非磁性体とを交互に積層するとともに線状パタ
    ーン化した人工格子膜を有し前記回転体の回転面の2領
    域に対向させた磁気抵抗素子とを備え、 前記回転体の回転を前記磁気抵抗素子の人工格子膜の抵
    抗値の変化により検出する磁気式回転検出装置であっ
    て、 前記人工格子膜の面を前記回転体の着磁面に対して平行
    に対向させ、同人工格子膜を同回転体の着磁面の回転方
    向と直交する方向を長手方向にして延設し、かつ前記長
    手方向と直交する方向の同人工格子膜全体の幅を少なく
    とも前記着磁面の各磁極の回転方向幅より小さくしたこ
    とを特徴とする磁気式回転検出装置。
  27. 【請求項27】中心軸回りに回転する互いに平行な第1
    及び第2回転面にN極とS極とを回転方向に沿って交互
    かつほぼ同一幅であって前記第1及び第2回転面の対向
    する各磁極が異磁極になるようにそれぞれ着磁した回転
    体と、 磁性体と非磁性体とを交互に積層するとともに線状パタ
    ーン化した人工格子膜を有し前記回転体の第1及び第2
    回転面と直交する第3回転面に対向させた磁気抵抗素子
    とを備え、 前記回転体の回転を前記磁気抵抗素子の人工格子膜の抵
    抗値の変化により検出する磁気式回転検出装置であっ
    て、 前記人工格子膜の面を前記第3回転面に対して平行に対
    向させ、同人工格子膜を同第3回転面の回転方向と直交
    する方向を長手方向にして延設し、かつ同長手方向と直
    交する方向の同人工格子膜全体の幅を少なくとも前記第
    1及び第2回転面の各磁極の回転方向幅より小さくした
    ことを特徴とする磁気式回転検出装置。
  28. 【請求項28】前記請求項27に記載の前記回転体の第
    1及び第2回転面の各磁極間に非着磁部を設けたことを
    特徴とする磁気式回転検出装置。
  29. 【請求項29】中心軸回りに回転する互いに平行な第1
    及び第2回転面を有し、前記第1回転面に一方の磁極を
    回転方向に沿ってほぼ同一幅に所定間隔をおいて着磁す
    るとともに、前記第2回転面に他方の磁極を前記第1回
    転面の磁極に対向した位置にて着磁した回転体と、 磁性体と非磁性体とを交互に積層するとともに線状パタ
    ーン化した人工格子膜を有し前記回転体の第1及び第2
    回転面と直交する第3回転面に対向させた磁気抵抗素子
    とを備え、 前記回転体の回転を前記磁気抵抗素子の人工格子膜の抵
    抗値の変化により検出する磁気式回転検出装置であっ
    て、 前記人工格子膜の面を前記第3回転面に対して平行に対
    向させ、同人工格子膜を同第3回転面の回転方向と直交
    する方向を長手方向にして延設し、かつ同長手方向と直
    交する方向の同人工格子膜全体の幅を少なくとも前記第
    1及び第2回転面の各磁極の回転方向幅より小さくした
    ことを特徴とする磁気式回転検出装置。
  30. 【請求項30】前記請求項24〜請求項29のいずれか
    一つに記載の磁気式回転検出装置において、前記人工格
    子膜を連続した一本の線状体を繰り返し折り返してパタ
    ーン化したことを特徴とする磁気式回転検出装置。
  31. 【請求項31】前記請求項24〜請求項30のいずれか
    一つに記載の磁気式回転検出装置において、前記人工格
    子膜の面内にて、同人工格子膜の長手方向の両端部に一
    対の磁性帯を同人工格子膜の延設方向と直角に延設する
    ようにした磁気式回転検出装置。
  32. 【請求項32】前記請求項24〜請求項30のいずれか
    一つに記載の磁気式回転検出装置において、前記人工格
    子膜の面内にて、同人工格子膜の両側に一対の磁性帯を
    同人工格子膜の延設方向と平行に延設するようにした磁
    気式回転検出装置。
  33. 【請求項33】中心軸回りに回転する回転面に回転方向
    に沿った帯状の2領域を互いに隣接して設け、一方の領
    域に回転方向に沿ってほぼ同一幅にN極とS極とを交互
    に着磁するとともに、他方の領域にて回転方向に沿って
    前記所定幅ずつN極とS極とを交互かつ回転方向の磁極
    中心を前記一方の領域の回転方向の磁極中心に対して回
    転方向の磁極幅のほぼ2分の1ずつずらして着磁した回
    転体と、 磁性体と非磁性体とを交互に積層するとともに線状パタ
    ーン化した人工格子膜を有し前記回転体の回転面の2領
    域に対向させた磁気抵抗素子とを備え、 前記回転体の回転を前記磁気抵抗素子の人工格子膜の抵
    抗値の変化により検出する磁気式回転検出装置であっ
    て、 前記人工格子膜の面を前記回転体の着磁面に対して平行
    に対向させ、同人工格子膜を同回転体の着磁面の回転方
    向と直交する方向を長手方向にして延設し、かつ同長手
    方向と直交する方向の同人工格子膜全体の幅を少なくと
    も前記着磁面の各磁極の回転方向幅の2分の1より小さ
    くしたことを特徴とする磁気式回転検出装置。
  34. 【請求項34】中心軸回りに回転する回転面に回転方向
    に沿った帯状領域を設けるとともに、前記帯状領域を回
    転方向に沿ってほぼ同一幅を有しかつ各境界線を回転方
    向に対して所定角度だけ傾けてある複数の領域に分割
    し、この分割した各領域にN極とS極とを回転方向に沿
    って交互に着磁した回転体と、 磁性体と非磁性体とを交互に積層するとともに線状パタ
    ーン化した工格子膜を有し前記回転体の帯状領域に対向
    させた磁気抵抗素子とを備え、 前記回転体の回転を前記磁気抵抗素子の人工格子膜の抵
    抗値の変化により検出する磁気式回転検出装置であっ
    て、 前記人工格子膜の面を前記回転体の着磁面に対して平行
    に対向させ、同人工格子膜を同回転体の着磁面の回転方
    向と直交する方向を長手方向にして延設し、かつ同長手
    方向と直交する方向の同人工格子膜全体の幅を少なくと
    も前記着磁面の各磁極の回転方向幅の2分の1より小さ
    くしたことを特徴とする磁気式回転検出装置。
  35. 【請求項35】中心軸回りに回転する回転面に回転方向
    に沿った帯状領域を設け、前記帯状領域に一方の磁極を
    着磁するとともに、同帯状領域の幅方向の一部に回転方
    向に沿って所定の間隔をおいて他方の磁極を形成してな
    る回転体と、 磁性体と非磁性体とを交互に積層するとともに線状パタ
    ーン化した人工格子膜を有し前記回転体の帯状領域に対
    向させた磁気抵抗素子とを備え、 前記回転体の回転を前記磁気抵抗素子の人工格子膜の抵
    抗値の変化により検出する磁気式回転検出装置であっ
    て、 前記人工格子膜の面を前記回転体の帯状領域に対して平
    行に対向させ、同人工格子膜を同回転体の帯状領域の回
    転方向と直交する方向を長手方向にして延設し、かつ同
    長手方向と直交する方向の同人工格子膜全体の幅を少な
    くとも前記他方の磁極の回転方向幅より小さくしたこと
    を特徴とする磁気式回転検出装置。
  36. 【請求項36】中心軸回りに回転する回転面に回転方向
    に直交する方向にて区画されかつ同回転方向に帯状に伸
    びた複数の領域を設けるとともに前記複数の帯状領域に
    異なる回転方向位置にてそれぞれ着磁した回転体と、 磁性体と非磁性体とを交互に積層するとともに線状パタ
    ーン化してなり前記帯状領域に等しい数の人工格子膜を
    有する磁気抵抗素子とを備え、 前記磁気抵抗素子の各人工格子膜を前記回転体の各帯状
    領域にそれぞれ対向させるようしたことを特徴とする磁
    気式回転検出装置。
  37. 【請求項37】中心軸回りに回転する回転面に回転方向
    に直交する方向にて区画されかつ同回転方向に帯状に伸
    びた複数の領域を設け、各帯状領域に回転方向に沿って
    ほぼ同一幅にN極とS極とを交互にそれぞれ着磁すると
    ともに各帯状領域の各磁極の回転方向位置を所定量だけ
    ずらしてなる回転体と、 磁性体と非磁性体とを交互に積層するとともに線状パタ
    ーン化してなり前記帯状領域に等しい数の人工格子膜を
    有する磁気抵抗素子とを備え、 前記磁気抵抗素子の各人工格子膜を前記回転体の各帯状
    領域にそれぞれ対向させるようしたことを特徴とする磁
    気式回転検出装置。
  38. 【請求項38】中心軸回りに回転する回転面にN極とS
    極とを回転方向に沿って交互かつほぼ同一幅に着磁した
    回転体と、 磁性体と非磁性体とを交互に積層するとともに線状パタ
    ーン化した複数の人工格子膜を有する磁気抵抗素子とを
    備え、 前記磁気抵抗素子の複数の人工格子膜を前記回転体の着
    磁面にその回転方向位置をずらしてそれぞれ対向させる
    ようしたことを特徴とする磁気式回転検出装置。
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