JPH09157458A - ポリエチレン系樹脂組成物およびそれを用いたフィルム - Google Patents

ポリエチレン系樹脂組成物およびそれを用いたフィルム

Info

Publication number
JPH09157458A
JPH09157458A JP7322090A JP32209095A JPH09157458A JP H09157458 A JPH09157458 A JP H09157458A JP 7322090 A JP7322090 A JP 7322090A JP 32209095 A JP32209095 A JP 32209095A JP H09157458 A JPH09157458 A JP H09157458A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ethylene
resin composition
group
film
polyethylene resin
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP7322090A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3599862B2 (ja
Inventor
Shuji Kanazawa
修治 金沢
Shinichi Yagi
信一 八木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NIPPON PORIOREFUIN KK
Japan Polyolefins Co Ltd
Original Assignee
NIPPON PORIOREFUIN KK
Japan Polyolefins Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NIPPON PORIOREFUIN KK, Japan Polyolefins Co Ltd filed Critical NIPPON PORIOREFUIN KK
Priority to JP32209095A priority Critical patent/JP3599862B2/ja
Publication of JPH09157458A publication Critical patent/JPH09157458A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3599862B2 publication Critical patent/JP3599862B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高いフィルム強度、適度な滑性を有し、低温
ヒートシール性に優れ、袋とした場合に開口性に優れる
フィルム及びその材料となるポリエチレン系樹脂組成
物。 【解決手段】 下記(ア)〜(ウ)の要件を満足する密
度が0.86〜0.96g/cm3のエチレン・α−オレフィ
ン共重合体に対し、アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミ
ドを100〜1500ppm含有してなるポリエチレン
系樹脂組成物。 (ア)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む
周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む触媒の存在下
に、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共
重合させることにより得られる。(イ)分子量分布Mw
/Mnが1.5〜5.0。(ウ)組成分布パラメーターが
1.01〜1.2。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、肥料、化学薬品な
どの重包装袋や米袋、砂糖袋などに用いられるフィルム
及びそのフィルムの原料となるポリエチレン系樹脂組成
物に関するもので、特に、袋の開口性に優れつつ滑りに
くく、しかも原料組成物の高分岐度あるいは低分子量成
分の表面へのにじみ出しが少なく、さらに、フィルム強
度、低温ヒートシール性に優れたものに関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、チーグラー型触媒で得られる
エチレン・α−オレフィン共重合体である直鎖状低密度
ポリエチレン(LLDPE)は、重包装袋や米、砂糖袋
などの分野で大量に使用されている。チーグラー型触媒
で得られるLLDPEは、高圧法低密度ポリエチレン
(HPLDPE)と比較し、強度およびじん性が大き
く、フイルム、シート、中空成形体、射出成形体等さま
ざまな用途に用いられているが、成形品の薄肉化、軽量
化の為さらなる高強度化が要求されている。また、ポリ
エチレンフィルムからなる袋においては、そのフィルム
どうしが密着(ブロック)してしまうことにより、袋の
開口に煩わしさを伴うことがある。その為、開口性を改
良するために、シリカ等の抗ブロッキング剤を大量に用
いる手法がとられるが、それでも開口性が必ずしも十分
になるとはいえず、さらに、フィルムの表面状態が肌荒
れしたり印刷性や透明性が悪化等することがある。また
開口性を改良するもうひとつの方法として滑剤を使用す
ることが考えられるが、脂肪酸アミド等の滑剤を大量に
添加するとフィルムの表面が滑り過ぎて、自動充填装置
へ袋を供給する際のつかみ不良や、内容物を充填した袋
を輸送したり、段積み保管したりする際に荷崩れ等が起
きるおそれがある。
【0003】また、近年、これらの分野では自動充填装
置による処理がより高速化しており、袋が高速で供給さ
れることにより、その際の摩擦により静電気が発生し、
粉体などの内容物の充填時に、内容物が開口部付近に付
着し、袋を密封するためのヒートシールに支障が生ずる
ことがある。そこで、静電気の帯電を防止するために、
種々の帯電防止剤の添加が行われている。しかし、帯電
防止剤を一定量以上添加すると、帯電防止剤成分の表面
ブリード現象により粘着性が発現し、フィルムの開口性
が悪くなるという問題がある。また一般の重包装用フィ
ルムにオレイン酸アミド等の公知の滑剤を添加するとフ
ィルム表面が滑り過ぎて、倉庫保管中に荷崩れ発生の重
大な原因となることがあった。また、ポリエチレンフィ
ルムから袋を製造する上では、低温で且つ強固にヒート
シールできることが重要である。
【0004】このような状況下、特開昭61−2186
49号公報には、開口性を改善すべく、アルキレンビス
高級脂肪酸アマイドを添加する技術が開示されており、
その実施例においてはエチレン・酢酸ビニル共重合体に
メチレンビスステアリン酸アミドを添加することが例示
されている。しかしながら、高強度を保ちつつ、低滑
性、ブリード防止、低温ヒートシールを達成することは
できない。また、任意成分としての帯電防止剤の配合を
開示するものの、高速成形時の帯電防止剤を添加した場
合の役割とフィルムのブロッキング防止(開口性)と滑
性の制御等についての具体的な示唆開示はない。また、
特開昭62−25138号公報ではアンチブロック剤と
脂肪酸ビスアミドを併用する技術が開示されている。し
かしながら、この公報においても高速成形時における静
電気防止のために配合される帯電防止剤に起因するブロ
ッキングの防止およびフィルムの滑性の制御についての
教示はない。
【0005】さらに、特開平1−282232号公報で
は熱安定性ポリオレフィン樹脂組成物としてヒンダード
フェノール系酸化防止剤に、 R−CO−NH−(CH2)n−NH−CO−R (Rは炭素数5〜21のアルキル基またはアルケニル
基) の構造式からなるアルキレンビス脂肪酸アミド化合物を
添加することが提案されている。しかしながら、この公
報においては熱安定性を目的としているに過ぎず、帯電
防止剤の記載はなく、かつフィルムの滑性に及ぼす効果
については何も教示していない。また特開平5−592
24号公報においては粘着防止剤である無機充填剤を使
用しなくても良好なスリップ性と粘着防止効果の得られ
る飽和アミドと不飽和アミドとの混合組成物の製造方法
の記載はあるものの、この技術をポリエチレン系樹脂組
成物に応用展開することは困難である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従って、高いフィルム
強度と適度な滑性を有し、低温ヒートシール性に優れ、
袋とした場合に、その開口性に優れるフィルムとなるポ
リエチレン系樹脂組成物、さらにはこれらの諸性質を保
持しつつ帯電防止剤がフィルムの表面にブリードした状
態で良好な帯電防止性能を発揮させるポリエチレン系樹
脂組成物は未だかってないものである。したがって、本
発明はこれらの諸特性を有するポリエチレン系樹脂組成
物およびそれを用いたフィルムを提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、鋭意検討の
結果、特定の触媒で重合された特定のパラメーターを有
する密度が0.86〜0.96g/cm3のエチレン・α
−オレフィン(共)重合体を主成分とする樹脂成分に対
し、アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドあるいはそれ
らに帯電防止剤を添加することにより上記問題点を解決
したポリエチレン系樹脂組成物およびそれを用いたフィ
ルムを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0008】請求項1記載のポリエチレン系樹脂組成物
は、(A)下記(ア)〜(ウ)の要件を満足する密度が
0.86〜0.96g/cm3のエチレン・α−オレフィ
ン共重合体に対し、 (ア)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む
周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む触媒の存在下
に、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共
重合させることにより得られる。 (イ)分子量分布Mw/Mnが1.5〜5.0。 (ウ)組成分布パラメーターが1.01〜1.2。 (B)アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドを100〜
1500ppm含有してなることを特徴とするものであ
る。この際、さらに帯電防止剤が100〜2000pp
m含有されていることが望ましい。
【0009】請求項3記載のポリエチレン系樹脂組成物
は、(A)下記(ア)〜(ウ)の要件を満足する密度が
0.86〜0.96g/cm3のエチレン・α−オレフィ
ン共重合体を50重量%以上と、 (ア)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む
周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む触媒の存在下
に、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共
重合させることにより得られる。 (イ)分子量分布Mw/Mnが1.5〜5.0。 (ウ)組成分布パラメーターが1.01〜1.2。 (A’)少なくとも1種の高圧ラジカル重合法によるエ
チレン系重合体を含んだエチレン系重合体を50重量%
以下とからなる樹脂成分に対し、 (B)アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドを100〜
1500ppm含有してなることを特徴とするものであ
る。この際、さらに帯電防止剤が100〜2000pp
m含有されていることが望ましい。
【0010】請求項5記載の発明は、前記エチレン・α
−オレフィン共重合体(A)とは異なるエチレン・α−
オレフィン共重合体(A”)をさらに含有し、(A)成
分と(A”)成分の合計量を100重量%とした場合
に、(A)成分が20重量%以上で(A”)成分が80
重量%以下とされていることを特徴とする請求項1〜4
のいずれかに記載のポリエチレン系樹脂組成物である。
前記アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドとしては、エ
チレンビスステアリン酸アミドが特に好ましい。前記帯
電防止剤としては、多価アルコール系帯電防止剤及び/
又はアミン置換型帯電防止剤であることが特に好まし
い。本発明のフィルムは、請求項1〜7のいずれかに記
載のポリエチレン系樹脂組成物からなることを特徴とす
るものである。この際、静摩擦係数tanθが0.4〜
0.6であることが望ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。 〔(A)エチレン・α−オレフィン共重合体〕本発明に
用いられるエチレン・α−オレフィン共重合体(A)
は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む周
期律表第IV族の遷移金属化合物と、必要により助触媒、
有機アルミニウム化合物、担体とを含む触媒の存在下
に、エチレンおよび炭素数3〜20のα−オレフィンと
を共重合させることにより得られるものである。この場
合、上記触媒にあらかじめエチレン及び/又はα−オレ
フィンを予備重合させて得られるものを触媒に供しても
よい。
【0012】上記α−オレフィンとしては、炭素数が3
〜20、好ましくは3〜12のものであり、具体的には
プロピレン、1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、
1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセ
ンなどが挙げられる。また、これらのα−オレフィンの
含有量は、通常30モル%以下、好ましくは20モル%
以下の範囲で選択されることが望ましい。
【0013】本発明の上記エチレン・α−オレフィン共
重合体を製造する触媒であるシクロペンタジエニル骨格
を有する配位子を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物
について、そのシクロペンタジエニル骨格とは、シクロ
ペンタジエニル基、置換シクロペンタジエニル基等であ
る。置換シクロペンタジエニル基としては、炭素数1〜
10の炭化水素基、シリル基、シリル置換アルキル基、
シリル置換アリール基、シアノ基、シアノアルキル基、
シアノアリール基、ハロゲン基、ハロアルキル基、ハロ
シリル基等から選ばれた少なくとも1種の置換基を有す
るもの等である。その置換シクロペンタジエニル基の置
換基は2個以上有していてもよく、また係る置換基同士
が互いに結合して環を形成してもよい。
【0014】上記炭素数1〜10の炭化水素基として
は、アルキル基、シクロアルキル基、アリール基、アラ
ルキル基等が挙げられ、具体的には、メチル基、エチル
基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、
イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、ペン
チル基、ヘキシル基、オクチル基、2−エチルヘキシル
基、デシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シク
ロアルキル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリ
ル基等のアリール基;ベンジル基、ネオフイル基等のア
ラルキル基等が例示される。これらの中でもアルキル基
が好ましい。置換シクロペンタジエニル基の好適なもの
としては、メチルシクロペンタジエニル基、エチルシク
ロペンタジエニル基、n−ヘキシルシクロペンタジエニ
ル基、1,3-ジメチルシクロペンタジエニル基、1,3-n-ブ
チルメチルシクロペンタジエニル基、1,3-n-プロピルメ
チルエチルシクロペンタジエニル基などが具体的に挙げ
られる。本発明の置換シクロペンタジエニル基として
は、これらの中でも炭素数3以上のアルキル基が置換し
たシクロペンタジエニル基が好ましく、特に1,3-置換シ
クロペンタジエニル基が好ましい。置換基同士すなわち
炭化水素同士が互いに結合して1または2以上の環を形
成する場合の置換シクロペンタジエニル基としては、イ
ンデニル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基
等)等の置換基により置換された置換インデニル基、ナ
フチル基、炭素数1〜8の炭化水素基(アルキル基等)
等の置換基により置換された置換ナフチル基、炭素数1
〜8の炭化水素基(アルキル基等)等の置換基により置
換された置換フルオレニル基等が好適なものとして挙げ
られる。
【0015】シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
を含む周期律表第IV族の遷移金属化合物について、その
遷移金属としては、ジルコニウム、チタン、ハフニウム
等が挙げられ、特にジルコニウムが好ましい。該遷移金
属化合物は、シクロペンタジエニル骨格を有する配位子
としては通常1〜3個を有し、また2個以上有する場合
は架橋基により互いに結合していてもよい。なお、係る
架橋基としては炭素数1〜4のアルキレン基、アルキル
シランジイル基、シランジイル基などが挙げられる。
【0016】周期律表第IV族の遷移金属化合物において
シクロペンタジエニル骨格を有する配位子以外の配位子
としては、代表的なものとして、水素、炭素数1〜20
の炭化水素基(アルキル基、アルケニル基、アリール
基、アルキルアリール基、アラルキル基、ポリエニル基
等)、ハロゲン、メタアルキル基、メタアリール基など
が挙げられる。
【0017】これらの具体例としては以下のものがあ
る。ジアルキルメタロセンとして、ビス(シクロペンタ
ジエニル)チタニウムジメチル、 ビス(シクロペンタ
ジエニル)チタニウムジフェニル、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジメチル、ビス(シクロペンタ
ジエニル)ジルコニウムジフェニル、ビス(シクロペン
タジエニル)ハフニウムジメチル、 ビス(シクロペン
タジエニル)ハフニウムジフェニルなどがある。モノア
ルキルメタロセンとしては、ビス(シクロペンタジエニ
ル)チタニウムメチルクロライド、ビス(シクロペンタ
ジエニル)チタニウムフェニルクロライド、ビス(シク
ロペンタジエニル)ジルコニウムメチルクロライド、ビ
ス(シクロペンタジエニル)ジルコニウムフェニルクロ
ライドなどがある。またモノシクロペンタジエニルチタ
ノセンであるペンタメチルシクロペンタジエニルチタニ
ウムトリクロライド、ペンタエチルシクロペンタジエニ
ルチタニウムトリクロライド)、ビス(ペンタメチルシ
クロペンタジエニル)チタニウムジフェニルなどが挙げ
られる。
【0018】置換ビス(シクロペンタジエニル)チタニ
ウム化合物としては、ビス(インデニル)チタニウムジ
フェニルまたはジクロライド、ビス(メチルシクロペン
タジエニル)チタニウムジフェニルまたはジクロライ
ド、ジアルキル、トリアルキル、テトラアルキルまたは
ペンタアルキルシクロペンタジエニルチタニウム化合物
としては、ビス(1,2−ジメチルシクロペンタジエニ
ル)チタニウムジフェニルまたはジクロライド、ビス
(1,2−ジエチルシクロペンタジエニル)チタニウム
ジフェニルまたはジクロライドまたは他のジハライド錯
体、シリコン、アミンまたは炭素連結シクロペンタジエ
ン錯体としてはジメチルシリルジシクロペンタジエニル
チタニウムジフェニルまたはジクロライド、メチレンジ
シクロペンタジエニルチタニウムジフェニルまたはジク
ロライド、他のジハライド錯体が挙げられる。
【0019】ジルコノセン化合物としては、ペンタメチ
ルシクロペンタジエニルジルコニウムトリクロライド、
ペンタエチルシクロペンタジエニルジルコニウムトリク
ロライド、ビス(ペンタメチルシクロペンタジエニル)
ジルコニウムジフェニル、アルキル置換シクロペンタジ
エンとしては、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ジ
ルコニウムジメチル、ビス(メチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、ビス(n−ブチルシクロペ
ンタジエニル)ジルコニウムジメチル、それらのハロア
ルキルまたはジハライド錯体、ジアルキル、トリアルキ
ル、テトラアルキルまたはペンタアルキルシクロペンタ
ジエンとしてはビス(ペンタメチルシクロペンタジエニ
ル)ジルコニウムジメチル、ビス(1,2−ジメチルシ
クロペンタジエニル)ジルコニウムジメチル、およびそ
れらのジハライド錯体、シリコン、炭素連結シクロペン
タジエン錯体としては、ジメチルシリルジシクロペンタ
ジエニルジルコニウムジメチルまたはジハライド、メチ
レンジシクロペンタジエニルジルコニウムジメチルまた
はジハライド、メチレンジシクロペンタジエニルジルコ
ニウムジメチルまたはジハライドなどが挙げられる。
【0020】さらに他のメタロセンとしては、ビス(シ
クロペンタジエニル)ハフニウムジクロライド、ビス
(シクロペンタジエニル)ハフニウムジメチル、ビス
(シクロペンタジエニル)バナジウムジクロライドなど
が挙げられる。
【0021】本発明の他の周期律表第IV族の遷移金属化
合物の例として、下記一般式で示されるシクロペンタ
ジエニル骨格を有する配位子とそれ以外の配位子および
遷移金属原子が環を形成するものも挙げられる。
【化1】 式中、Cpは前記シクロペンタジエニル骨格を有する配
位子、Xは水素、ハロゲン、炭素数1〜20のアルキル
基、アリールシリル基、アリールオキシ基、アルコキシ
基、アミド基、シリルオキシ基等を示す。YはSi
2、CR2、SiR2SiR2、CR2CR2、CR=C
R、SiR2CR2、BR2、BRからなる群から選ばれ
る2価基を示す。Zは−O−、−S−、−NR−、−P
R−またはOR、SR、NR2、PR2からなる群から選
ばれる2価中性リガンドを示す。ただし、Rは水素また
は炭素数1〜20のアルキル基、アリール基、シリル
基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アリール基、ま
たはY、ZまたはYとZの双方からの2個またはそれ以
上のR基は縮合環系を形成するものである。Mは周期律
表第IV族の遷移金属原子を表す。
【0022】式で表される化合物の例としては、(t
−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライ
ド、(t−ブチルアミド)(テトラメチルシクロペンタ
ジエニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロライ
ド、(メチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエ
ニル)−1,2−エタンジイルジルコニウムジクロライ
ド、(メチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエ
ニル)−1,2−エタンジイルチタンジクロライド、
(エチルアミド)(テトラメチルシクロペンタジエニ
ル)メチレンタンジクロライド、(t−ブチルアミド)
ジメチル(テトラメチルシクロペンタジエニル)シラン
チタンジクロライド、(t−ブチルアミド)ジメチル
(テトラメチルシクロペンタジエニル)シランジルコニ
ウムジベンジル、(ベンジルアミド)ジメチル(テトラ
メチルシクロペンタジエニル)シランチタンジクロライ
ド、(フェニルホスフイド)ジメチル(テトラメチルシ
クロペンタジエニル)シランチタンジクロライドなどが
挙げられる。
【0023】本発明でいう助触媒としては、前記周期律
表第IV族の遷移金属化合物を重合触媒として有効になし
うる、または触媒的に活性化された状態のイオン性電荷
を均衝させうるものをいう。本発明において用いられる
助触媒としては、有機アルミニウムオキシ化合物のベン
ゼン可溶のアルミノキサンやベンゼン不溶の有機アルミ
ニウムオキシ化合物、ホウ素化合物、酸化ランタンなど
のランタノイド塩、酸化スズ等が挙げられる。これらの
中でもアルミノキサンが最も好ましい。
【0024】また、触媒は無機または有機化合物の担体
に担持して使用されてもよい。該担体としては無機また
は有機化合物の多孔質酸化物が好ましく、具体的には、
SiO2、Al23、MgO、ZrO2、TiO2、B2
3、CaO、ZnO、BaO、ThO2等またはこれらの
混合物が挙げられ、SiO2−Al23、SiO2−V2
5、SiO2−TiO2、SiO2−MgO、SiO2
Cr23等が挙げられる。
【0025】有機アルミニウム化合物として、トリエチ
ルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム等のト
リアルキルアルミニウム;ジアルキルアルミニウムハラ
イド;アルキルアルミニウムセスキハライド;アルキル
アルミニウムジハライド;アルキルアルミニウムハイド
ライド、有機アルミニウムアルコキサイド等が挙げられ
る。
【0026】本発明の(A)エチレン・α−オレフィン
共重合体の製造方法は、前記触媒の存在下、実質的に溶
媒の存在しない気相重合法、スラリー重合法、溶液重合
法等で製造され、実質的に酸素、水等を断った状態で、
ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等の脂肪族炭化
水素、ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水
素、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環族
炭化水素等に例示される不活性炭化水素溶媒の存在下ま
たは不存在下で製造される。重合条件は特に限定されな
いが、重合温度は通常15〜350℃、好ましくは20
〜200℃、さらに好ましくは50〜110℃である。
また、重合圧力は低中圧法の場合、常圧〜70kg/cm
2G、好ましくは常圧〜20kg/cm2Gであり、高圧法の場
合、1500kg/cm2G以下が望ましい。重合時間は低中
圧法の場合、通常3分〜10時間、好ましくは5分〜5
時間程度が望ましい。高圧法の場合、通常1分〜30
分、好ましくは2分〜20分程度が望ましい。また、重
合は一段重合法はもちろん、水素濃度、モノマー濃度、
重合圧力、重合温度、触媒等の重合条件が互いに異なる
2段階以上の多段重合法など特に限定されるものではな
い。
【0027】上記触媒で得られる本発明の特定の(A)
エチレン・α−オレフィン共重合体は分子量分布と組成
分布が極めて狭いものであり、機械的強度が強く、ヒー
トシール性、抗ブロッキング性に優れ、特にフイルム用
途として用いられると本共重合体の特性が発揮される。
これらの重合体は、従来のチーグラー型触媒やフイリッ
プス型触媒(総称してチーグラー型触媒という)で得ら
れるこれらのエチレン・α−オレフィン共重合体とは性
状が明白に異なるものである。すなわち、上記触媒で得
られる本発明の特定のエチレン・α−オレフィン共重合
体(A)は、触媒の活性点が均一である為、分子量分布
と、組成分布が狭くなり、(イ)分子量分布Mw/Mn
が1.5〜5.0となり、(ウ)組成分布パラメーター
(Cb)が1.01〜1.2となる。このため短鎖分岐が
効率よく融点を低下させるため、密度の割には、融点が
低くなる。このためヒートシール時に樹脂が早く融解
し、低温でのヒートシール強度が強く、高速でのヒート
シールが可能となると考えられる。また短鎖分岐量が極
めて多い成分や低分子量成分が少ないため樹脂表面への
にじみ出しが少なく(低溶出性)、また開口性も良好で
あり、しかも強度も優れ、フィルムとして用いられると
特に本共重合体の特性が発揮される。
【0028】〔組成分布パラメーターの測定法〕本発明
のエチレン・α−オレフィン共重合体の組成分布パラメ
ーター(Cb)の測定法は下記の通りである。酸化防止
剤(例えば、ブチルヒドロキシトルエン)を加えたオル
ソジクロルベンゼン(ODCB)に、試料を濃度が0.
2重量%となるように135℃で加熱溶解した後、けい
藻土(セライト545)を充填したカラムに移送し、
0.1℃/minの冷却速度で25℃まで冷却し、共重合体
試料をセライト表面に沈着する。次に、この試料が沈着
されているカラムにODCBを一定流量で流しながら、
カラム温度を5℃刻みに120℃迄段階的に昇温して行
く。すると各温度に対応した溶出成分を含んだ溶液が採
取される。この溶液にメタノールを加え、試料を沈澱
後、ろ過、乾燥し、各温度における溶出試料を得る。各
試料の、重量分率および分岐度(炭素数1000個あた
りの分岐数)を測定する。分岐度は13C−NMRで測
定し求める。
【0029】このような方法で30℃から90℃で採取
した各フラクションについては、次のような分岐度の補
正を行う。溶出温度に対して測定した分岐度をプロット
し、相関関係を最小二乗法で直線に近似し、検量線を作
成する。この近似の相関係数は十分大きい。この検量線
により求めた値を各フラクションの分岐度とする。な
お、溶出温度95℃以上で採取したフラクションについ
ては溶出温度と分岐度に必ずしも直線関係が成立しない
のでこの補正は行わない。
【0030】次ぎに、それぞれのフラクションの重量分
率wiを、溶出温度5℃当たりの分岐度biの変化量(b
i−bi-1)で割って相対濃度ciを求め、分岐度に対し
て相対濃度をプロットし、組成分布曲線を得る。この組
成分布曲線を一定の幅で分割し、次式より組成分布パラ
メーター(Cb)を算出する。
【数1】 ここで、cjとbjはそれぞれj番目の区分の相対濃度と
分岐度である。組成分布パラメーター(Cb)は試料の
組成が均一である場合に1.0となり、組成分布が広が
るに従って値が大きくなる。
【0031】なお、エチレン・α−オレフィン共重合体
の組成分布を表現する方法は他にも多くの提案がなされ
ている。例えば、特開昭60−88016号公報では、
試料を溶剤分別して得た各分別試料の分岐数に対して、
累積重量分率が特定の分布(対数正規分布)をすると仮
定して数値処理を行い、重量平均分岐度(Cw)と数平
均分岐度(Cn)の比を求めている。しかしながら、こ
の近似計算は、試料の分岐数と累積重量分率が対数正規
分布からずれると精度が下がり、市販のLLDPEにつ
いて測定を行うと相関係数R2はかなり低く、値の精度
は充分でない。尚、このCw/Cnの測定法および数値
処理法は、本発明のCbのそれと異なるが、あえて数値
の比較を行えば、Cw/Cnの値は、Cbよりかなり大
きくなる。
【0032】上記の(A)エチレン・α−オレフィン共
重合体は、密度0.86〜0.96g/cm3、好ましく
は0.89〜0.95g/cm3、さらに好ましくは0.8
9〜0.94g/cm3の範囲、MFRは0.01〜10
0g/10min、好ましくは0.1〜50g/10min、さら
に好ましくは0.5〜40g/10minの範囲である。ま
た、分子量分布の広さMw/Mnは、1.5〜5.0、好
ましくは1.8〜4.5である。Mw/Mnが5.0を超
えると衝撃強度が低下したり、低分子量成分の表面への
にじみが多くなったりする。尚、分子量分布(Mw/M
n)は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー(G
PC)により重量平均分子量(Mw)と数平均分子量
(Mn)を求め、それらの比(Mw/Mn)として求め
られる。また、組成分布パラメーター(Cb)は1.0
1〜1.2である必要がある。Cbの値が1.2を超える
場合は、低温ヒートシール特性不良、あるいは樹脂成分
の表面へのにじみ出しを生じる等のおそれがある。
【0033】〔(A’)高圧ラジカル重合法によるエチ
レン系重合体〕本発明で用いられる高圧ラジカル重合法
によるエチレン系重合体(A’)とは、エチレン単独重
合体とエチレン系共重合体の両方を意味するもので、高
圧ラジカル重合法による密度0.91〜0.94g/cm
3のエチレン単独重合体、エチレン・ビニルエステル共
重合体およびエチレンとα,β−不飽和カルボン酸また
はその誘導体との共重合体等が挙げられる。
【0034】上記高圧ラジカル重合法による密度0.9
1〜0.94g/cm3のエチレン単独重合体とは、公知
の高圧ラジカル法による低密度ポリエチレンである。
【0035】上記エチレン・ビニルエステル共重合体と
は、高圧ラジカル重合法で製造されるエチレンを主成分
とするプロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、カプロン酸ビ
ニル、カプリル酸ビニル、ラウリル酸ビニル、ステアリ
ン酸ビニル、トリフルオル酢酸ビニルなどのビニルエス
テル単量体および他の不飽和単量体との共重合体であ
る。これらの共重合体のうち好ましいものとしては、エ
チレン・酢酸ビニル共重合体(EVA)を挙げることが
できる。すなわち、エチレン65〜99.5重量%、酢
酸ビニル0.5〜35重量%および他の不飽和単量体0
〜25重量%からなる共重合体が好ましい。
【0036】上記のエチレンとα,β−不飽和カルボン
酸またはその誘導体との共重合体とは、エチレンとα,
β−不飽和カルボン酸またはその誘導体および他の不飽
和単量体との共重合体、およびそれらの金属塩、アミ
ド、イミド等が挙げられる。そのエチレン・α,β−不
飽和カルボン酸共重合体の具体例としてはアクリル酸、
メタクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等の
不飽和カルボン酸類を挙げることができる。またその誘
導体の具体例としては、アクリル酸メチル、メタクリル
酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、メタクリル酸プロピル、アクリル酸
イソプロピル、メタクリル酸イソプロピル、アクリル酸
−n−ブチル、メタクリル酸−n−ブチル等を挙げるこ
とができる。これらの共重合体のうち、好ましくは高圧
ラジカル重合法で製造されるエチレン・アクリル酸エチ
ル共重合体等を挙げることができる。すなわち、エチレ
ン65〜99.5重量%、アクリル酸エチルエステル0.
5〜35重量%および他の不飽和単量体0〜25重量%
からなる共重合体が好ましい。
【0037】上記他の不飽和単量体とは、プロピレン、
1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテ
ン、1−オクテン、1−デセン等の炭素数3〜10のオ
レフィン類、C2〜C3アルカンカルボン酸のビニルエス
テル類、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル
酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、グリシジル
(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル
類、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸および
無水マレイン酸等のエチレン性不飽和カルボン酸または
その無水物類などの群から選ばれた少なくとも1種であ
る。
【0038】本発明における(A’)成分である高圧ラ
ジカル重合法によるエチレン(共)重合体は、密度が
0.91〜0.94g/cm3、好ましくは 0.915〜
0.935g/cm3、より好ましくは0.92〜0.93
g/cm3、MFRが0.1〜20g/10min、好ましく
は0.2〜10g/10min、より好ましくは0.3〜5g
/10minである。
【0039】前記高圧ラジカル重合法による(共)重合
体(A’)は溶融張力が大きく、インフレーション成形
あるいはTダイフィルム成形に好適で、高速成形性やフ
イルム成形時のバブル安定性を向上させる。樹脂成分
(A)+(A’)、あるいは後述する(A)+(A’)
+(A”)の合計量に対し、(A’)成分が50重量%
を超えると耐衝撃性、機械的強度が劣るので、(A’)
成分量は50重量%以下とすることが好ましく、さら
に、成形性とのバランスを考慮すると10〜30重量%
の範囲とすることがより望ましい。
【0040】〔(A”)エチレン・α−オレフィン共重
合体〕本発明において、(A)成分とは異なるエチレン
・α−オレフィン共重合体(A”)とは、(A)成分を
重合する触媒(ア)とは異なり、従来公知のチーグラー
触媒あるいはフィリップス触媒において重合されるエチ
レン・α−オレフィン共重合体である。この(A”)成
分は、(A)成分より一般的に分子量分布あるいは組成
分布が広く、密度が0.86〜0.96g/cm3、MF
Rが0.1〜20g/10minの範囲のものが好ましく、い
わゆる超低密度ポリエチレン(VLDPE)、直鎖状低
密度ポリエチレン(LLDPE)、高密度ポリエチレン
(HDPE)を包含するものである。
【0041】本発明の必須成分であるエチレン・α−オ
レフィン共重合体(A)は、加工性やコストの面では不
利な場合があり、そのような観点から、加工性に優れ安
価なエチレン・α−オレフィン共重合体(A”)が配合
される。(A”)成分の配合量は(A)+(A”)の合
計量に対して80重量%以下であるが、好ましい範囲は
用途に応じ、強度を重視する場合には(A”)成分は
(A)+(A”)の合計量に対して30重量%以下、経
済性を重視する場合には(A”)成分は80〜30重量
%、より好ましくは50〜30重量%である。
【0042】従って、(A)成分、(A’)成分、
(A”)成分の配合割合は、(A)+(A’)+
(A”)全体を100重量%とした場合は、(A)成分
が100〜10重量%、(A”)成分が0〜80重量
%、(A’)成分が0〜50重量%以下の範囲となる。
【0043】〔(B)アルキレンビス飽和高級脂肪酸ア
ミド〕本発明で用いられる(B)アルキレンビス飽和高
級脂肪酸アミドとは、下記一般式で示される化合物であ
る。
【化2】 (但し、R1は炭素原子1〜20のアルキレン基であ
り、R2、R3は炭素原子5〜21のアルキル基であ
る。) かかる化合物の具体例としては例えば、メチレンビスス
テアリン酸アミド、エチレンビスステアリン酸アミド、
メチレンビスパルミチン酸アミド、エチレンビスパルミ
チン酸アミド、メチレンビスベヘン酸アミド、エチレン
ビスベヘン酸アミド、ヘキサメチレンビスステアリン酸
アミド、ヘキサエチレンビスパルミチン酸アミド、ヘキ
サメチレンビスベヘン酸アミド等を挙げることができ
る。これらのうちでは、エチレンビスステアリン酸アミ
ドが最も好ましい。
【0044】上記(B)成分のアルキレンビス飽和高級
脂肪酸アミドの配合割合は、(A)、(A’)、
(A”)樹脂成分の合計に対して、100〜1500p
pm、好ましくは300〜1200ppm、より好まし
くは400〜1000ppmである。(B)成分の配合
量が1500ppmを越えるとヒートシール性や印刷特
性に支障が生じ、100ppm未満では開口性を改良す
る効果が発揮されない。
【0045】上記一般式で示されるアルキレンビス高級
脂肪酸アミドとしては、飽和高級脂肪酸を用いた化合物
でなくてはならない。帯電防止剤を添加した場合、その
添加量が増加すると帯電防止効果が向上する反面、滑性
およびブロッキングが増加し、開口性が悪化する。しか
し、帯電防止剤とアルキレンビス飽和高級脂肪酸アミド
を併用すると、帯電防止剤の滑性を抑えて開口性を改善
できるので、従来フィルムに多用されていた抗ブロッキ
ング剤を大量に用いる必要がなくなる。したがって、抗
ブロッキング剤を大量に用いた時に生じる透明性の悪化
などの弊害を避けることができるので、米、砂糖袋用等
のフィルム用途に対しては特に有効である。尚、本願の
アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドではなく、アルキ
レンビス不飽和高級脂肪酸アミドを使用すると、開口性
は改善されるけれども、同時に滑性をも付与し、高滑性
となるので重包装袋用フィルムの場合は好ましくない。
【0046】〔帯電防止剤〕本発明で用いられる帯電防
止剤とは、ポリオレフィン用として一般的に用いられて
いる非イオン系界面活性剤、両性ベタイン型界面活性
剤、アミン系帯電防止剤、多価アルコールの高級脂肪酸
エステル系帯電防止剤等の内部練り込み型帯電防止剤が
使用される。上記非イオン系界面活性剤の具体例として
は、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニル)
アミン、ポリオキシエチレンアルキル(またはアルケニ
ル)アミンの高級脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン
アルキル(またはアルケニル)アミド、ポリオキシエチ
レンアルキル(またはアルケニル)アミドの高級脂肪酸
エステル、高級アルコールの高級脂肪酸エステル、多価
アルコールの高級脂肪酸エステル等を挙げることができ
る。両性ベタイン型界面活性剤の具体例としては、アル
キル(またはアルケニル)ジヒドロオキシエチルベタイ
ン等の単独または併用混合物が挙げられる。アミン系帯
電防止剤の具体例としては、パルミチルジエタノールア
ミン、ステアリルジエタノールアミン、パルミチルジエ
タノールアミド、ステアリルジエタノールアミド等が挙
げられる。多価アルコールの高級脂肪酸エステル系帯電
防止剤の具体例としては、グリセリンモノパルミテー
ト、グリセリンモノステアレート等が挙げられる。これ
らの帯電防止剤は単独または複数の混合物として用いら
れるが、複数の混合物として用いるのが好ましい。具体
例としては、アミン系帯電防止剤と多価アルコールの高
級脂肪酸エステル系帯電防止剤の混合物等が挙げられ
る。
【0047】帯電防止剤を配合する場合、その割合は、
(A)、(A’)、(A”)樹脂成分の合計量に対し
て、100〜2000ppm、好ましくは300〜15
00ppm、より好ましくは400〜1300ppmで
ある。帯電防止剤の配合量が2000ppmを越えると
ブロッキング現象が生じて開口性が悪化し、100pp
m未満では帯電防止効果が得られにくいからである。
【0048】〔配合法〕本発明の組成物の配合は従来の
樹脂組成物配合法として一般に用いられる公知の方法に
より配合することができる。その一例としては、上記
(A)、(A’)、(A”)樹脂成分および所望により
各種添加剤をタンブラー、リボンブレンダーまたはヘン
シェルタイプミキサー等の混合機を使用してドライブレ
ンドした後、単軸押出機、二軸押出機等の連続式溶融混
練機により溶融混合し、押出してペレットを調整するこ
とによって該樹脂組成物を得ることができる。
【0049】また他の配合方法としては、(A)成分の
エチレン・α−オレフィン共重合体及び/又は(A”)
成分の高圧ラジカル重合法によるエチレン(共)重合体
と(B)成分のアルキレンビス飽和高級脂肪酸アミド、
さらに帯電防止剤とを混合、溶融混練し、アルキレンビ
ス飽和高級脂肪酸アミドと帯電防止剤の両成分の高濃度
の樹脂組成物を得て(以下マスターバッチと称す)、次
いで該マスターバッチと(A)成分(又は(A)+
(A’)、又は(A)+(A”)、又は(A)+
(A’)+(A”))とを混合してなる、いわゆるマス
ターバッチ法により該樹脂組成物を得ることもできる。
【0050】前記組成物には表面の肌荒れや印刷性、透
明性を損なわない程度の範囲で抗ブロッキング剤を併用
添加することにより、上記性能を活かすことが出来る。
用いられる抗ブロッキング剤はシリカ、炭酸カルシウ
ム、タルク、ゼオライト等が挙げられ樹脂成分に対して
500〜5000ppm程度、好ましくは1000〜4
000ppmである。
【0051】本発明においては、該ポリエチレン系樹脂
組成物に対し、防曇剤、有機あるいは無機フィラー、酸
化防止剤、滑剤、有機あるいは無機系顔料、紫外線防止
剤、分散剤、核剤、発泡剤、難燃剤、架橋剤などの公知
の添加剤を、本願発明の特性を本質的に阻害しない範囲
で添加することができる。
【0052】〔フィルム〕本発明のフィルムとは、上記
特定のポリエチレン系樹脂組成物から成形されたフィル
ムであり、適度の滑性を有し、かつ耐衝撃性等の機械的
強度あるいはさらに帯電防止性能に優れ、また袋とした
ときに開口性に優れるものである。近年の重包装フィル
ムへの要求としては、静摩擦係数tanθが大きすぎて
も(滑りにくい)または小さすぎても(滑りやすい)自
動パレタイザーシステムに不向きの場合があり、開口性
と同様に滑性のコントロールが非常に重大な問題となっ
ている。特に重包装袋等においては前記従来技術で述べ
られたように静電気によるヒートシール面に内容物の粉
体等の夾雑物が付着する等の問題を有している。しかし
ながら、本発明のフィルムであれば高速成形性等が要求
される自動充填用袋、重包装用袋等に好適である。
【0053】本発明のフィルムに帯電防止性能をより効
果的に発現させるためには、該フィルムにコロナ放電処
理等の表面処理を施すことが好ましい。このような方法
をとることによりフィルム表面にブリードアウトした帯
電防止剤と表面処理効果により帯電防止性能は相乗的な
効果を発揮する。
【0054】本発明のフィルムの帯電防止性能として
は、表面固有抵抗が1×1013Ω未満であることが好ま
しい。この範囲を満たしていないフィルムの場合には静
電気によりヒートシール面に粉体等の夾雑物が付着し、
十分なヒートシール強度が得られないおそれがある。
【0055】本発明のフィルムの開口性とはブロッキン
グ強度として判定される。該ブロッキング強度として
2.0kgf/10cm2未満であることが好ましく、ブ
ロッキング伸びは10%未満が好ましい。この範囲を満
たしていないフィルムは開口性が十分ではないおそれが
ある。
【0056】本発明のフィルムの滑性は適度に制御され
たものであり、具体的には静摩擦係数tanθが0.4
〜0.6の範囲であることが好ましい。tanθが0.4
未満ではフィルムが滑りすぎて高速自動充填包装機に不
適となるおそれが生じ、倉庫内で段積された包装袋の荷
崩れなどが発生するなどの不都合が生じるおそれがあ
る。また、tanθが0.6を越えると滑性が不足し、
フィルムへの充填作業などに支障をきたすので好ましく
ない。
【0057】フィルムの厚みは用途に応じて適宜決定さ
れると共に、アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミド、あ
るいは帯電防止剤の適性配合量は、そのフィルムの厚み
によって決められる。この適正配合量はフィルムの帯電
防止性能を保持しながら、開口性を改善すると共に、適
度の滑性を保つことができるようにフィルム表面にブリ
ードする量によるものである。
【0058】フィルム厚みが100〜250μmの重包
装袋用フィルムの場合は、アルキレンビス飽和高級脂肪
酸アミドの添加量は100〜1000ppm、帯電防止
剤の添加量は100〜1500ppmが好ましく、フィ
ルム厚みが20〜100μmの一般包装袋用フィルムお
よび米、砂糖袋用等フィルムの場合は、アルキレンビス
飽和高級脂肪酸アミドの添加量は200〜1500pp
m、帯電防止剤の添加量は300〜2000ppmであ
ることが好ましい。
【0059】本発明のフィルムの製造方法は、インフレ
ーション成形法、Tダイ成形法、水冷フィルム成形法等
の公知の成形方法を用いることができるが、これらに限
定されるものではない。本発明のポリエチレン系樹脂組
成物を原料とし、インフレーション成形法でフィルムを
成形する場合、押出機の形態としては一般的に用いられ
るフィルム成形機の押出機が使用可能であるが、特にス
クリュー径が25〜200mmφ、スクリューL/Dが
15〜35であることが好ましい。上記インフレーショ
ン成形における押出条件としては、押出温度160〜2
50℃、好ましくは180〜220℃、ダイリップ間隔
0.5〜5.0mm、好ましくは1.0〜3.5mm、ブロ
ーアップ比は1.0〜4.0、好ましくは2.0〜3.0
で、フィルム厚み20〜250μmのフィルムを成形す
ることができる。
【0060】本発明のフィルムは、生鮮食品、加工食
品、日用品、雑貨等の一般包装用フィルム、文房具、テ
イッシュペーパー、生理用品等の軽包装用の高速自動充
填包装用フィルム、米、砂糖袋、粉末製品等の帯電防止
フィルム、肥料、樹脂ペレット、薬品等の重包装袋用等
に好適に用いられる。
【0061】
【実施例】次に実施例により本発明をさらに詳しく説明
するが、本発明はこれらによって限定されるものではな
い。表1,2に示す組成からなる樹脂組成物にて本発明
の実施例および比較例のフィルムを製造した。即ち、各
成分の所定量をタンブラーミキサーにて混合した後、5
0mmφ押出機を用いてペレット化した後、65mmφ
押出機付きインフレーション成形装置(モダンマシナリ
ー社製)を用いてブロー比2.55、フィルム厚み10
0μm、フィルム幅400mmで40kg/hの押出量
で成形した。またフィルム表面にはコロナ処理を施し、
表面張力が42dyn/cmとなるようにした。実施例
および比較例において使用した樹脂成分を以下に示す。 (A):エチレン・α−オレフィン共重合体 A1:エチレン・1−ブテン共重合体 密度=0.920g/cm3 MFR=0.6g/10min 分子量分布(Mw/Mn)=2.4 組成分布パラメーター(Cb)=1.04 A2:エチレン・1−ヘキセン共重合体 密度=0.921g/cm3 MFR=0.7g/10min 分子量分布(Mw/Mn)=2.4 組成分布パラメーター(Cb)=1.05 この共重合体の重合は以下のようにして行った。攪拌機
を付したステンレス製オートクレーブを窒素置換し精製
トルエンを入れ、次いで1−ブテン、あるいは1−ヘキ
センを添加し、更にビス(n−ブチルシクロペンタジエ
ニル)ジルコニウムジクロライド(Zrとして0.02m
mol)、メチルアルモキサン[MAO](MAO/Zr
=500[モル比])の混合溶液を加えた後、80℃に
昇温した。次ぎに、エチレンを張り込み重合を開始し
た。エチレンを連続的に重合しつつ、全圧を維持し1時
間重合を行った。なお、各実施例に必要な量は、これら
の重合を繰り返して製造した。
【0062】(A’):高圧ラジカル法エチレン(共)
重合体 高圧ラジカル法低密度ポリエチレン 密度=0.923g/cm3 MFR=1.0g/10min (A”):チーグラー触媒によるエチレン・α−オレフ
ィン共重合体 エチレン・1−ブテン共重合体 密度=0.922g/cm3 MFR=0.5g/10min 分子量分布(Mw/Mn)=3.7 組成分布パラメーター(Cb)=1.51
【0063】(B):アルキレンビス飽和高級脂肪酸ア
ミド エチレンビスステアリン酸アミド(EBSA) [商品名:スリパックスE、日本化成(株)製] (C):帯電防止剤 C1:グリセリンモノステアレート [商品名:S100、 理研ビタミン(株)製] C2:ステアリルジエタノールアミン [商品名:SE165、理研ビタミン(株)製] (D):抗ブロッキング剤 シリカ(けいそう土) [商品名:セライトスーパーフロス、ジョンマンビル
(株)製] (E):その他の添加剤 E1:エチレンビスオレイン酸アミド(EBOA) (アルキレンビス不飽和高級脂肪酸アミド) [商品名:スリパックスO、日本化成(株)製] E2:エルカ酸アミド(EA) [商品名:ニュートロンS、日本精化(株)製] E3:オレイン酸アミド(OA) [商品名:ニュートロン 、日本精化(株)製]
【0064】得られた各フィルムについてブロッキング
性(ブロッキング強度、ブロッキング伸び)、滑性(静
摩擦係数)、表面固有抵抗、挟雑物シール性、開口性、
ダート衝撃強さ、印刷適性を測定した。測定結果を表
1,2に示す。尚、物性の測定に用いた試験方法は以下
の通りである。 [密度]JIS K6760に準拠した。 [MFR]JIS K6760に準拠した。 [ブロッキング性]フィルムサンプルを縦方向(インフ
レーション成形時の)に2cm幅で切り出し内面同士の
末端部分をオーバーラップさせて相対し、0.5kg/cm2
の荷重下で60℃×5時間養生した後、引張り試験機
(オリエンテック社製)を用いてチャック間150mm
とし、500mm/minで引っ張り、オーバーラップさせた
部分が、剥がれるまでの距離を伸び率とし、最大荷重を
ブロッキング強度とした。
【0065】[静摩擦係数]静摩擦係数測定機(新東科
学(株)製)を用いて傾斜速さ2.7度/秒で滑走斜度
を変化して行った時のフィルムの滑り出し角度(移動ブ
ロック:200g)をtanθの値で表した。 [開口性]インフレーション成形で得られたフィルムを
自動製袋機にて幅40cm×長さ60cm(内容物20
kg)にて製袋し、ケイ酸カルシウムの粉末を充填機
(ニューロング社製)及びトップシーラーでヒートシー
ルテストを行い、その際、口開きの悪いものが自動的に
充填機系外に吹き飛ばされるので、その数で評価した。
(枚数/50枚) 0〜2枚:○ 3〜5枚:△ 6枚以上:×
【0066】[表面固有抵抗(帯電防止性能)]JIS
K6911に準拠した。表面固有抵抗測定装置(HEWL
ETT・PACKARD社製)を用いて測定した。 印加電圧 500V 印加時間 60秒 [夾雑物シール性]前記の開口性評価の際のトップシー
ル部分を観察し以下の様に判定した。 容易に剥がれそうなもの:× 剥がれそうだが使用には差し支えないもの:△ 良好にシールされているもの:○ [ダート強度]JIS Z1702に準拠した。
【0067】[印刷適性]成形したフイルムを印刷工程
にかけた後、印刷面にセロテープを密着させ一気に剥
す。10枚の試験を行い、インクの剥がれた枚数を調べ
た。 0枚 :○ 1〜3枚:△ 4枚以上:×
【0068】
【表1】
【0069】
【表2】
【0070】〔実施例1〜8〕ブロッキング性、滑性、
表面固有抵抗、挟雑物シール性、開口性、ダート強度、
印刷適性のいずれも良好で重袋フィルムに要求されるす
べての性能を満たしていた。
【0071】〔実施例9〕帯電防止剤を添加していない
為、表面固有抵抗、夾雑物シール性、開口性こそ劣るも
のであったが、滑り性、ブロッキング性、ダート強度、
印刷適性はいずれも良好であった。
【0072】〔比較例1〕実施例1で使用したEBSA
の代りにEBOAを400ppm添加した他は実施例1
と同様に成形した。その結果フィルムが滑りすぎ重袋フ
ィルムとしては不適当であった。 〔比較例2〕実施例2で使用したEBSAの代りにEA
を800ppm添加した他は実施例1と同様に成形し
た。その結果フィルムの表面固有抵抗値が高く、開口性
がやや悪く、フィルムが滑りすぎ、またブロッキング特
性も悪く重袋フィルムとしては不適当であった。
【0073】〔比較例3〕EBSAの代りにOAを60
0ppm添加したところ、開口性が悪く、フィルムが滑
り過ぎ、またブロッキング特性が悪く、重袋フィルムと
しては不適当であった。 〔比較例4〕帯電防止剤を3000ppmと多量に配合
したところ、抗ブロッキング性、滑り性が悪く、夾雑物
シール性、開口性印刷適性が悪く、重袋フィルムとして
不適当であった。
【0074】〔比較例5〕EBSAを2000ppmと
多量に配合したところ、夾雑物シール性、印刷適性が悪
く重袋フィルムとして不適当であった。 〔比較例6〕樹脂成分として本発明の特徴である(A)
成分を用いない為、夾雑物シール性が悪く、ダート強度
が低く重袋フィルムとして不適当であった。
【0075】
【発明の効果】本発明は特定の触媒で重合されたエチレ
ン・α−オレフィン共重合体、若しくはさらにエチレン
(共)重合体を主成分とする樹脂成分に対し、特定のア
ルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドを添加したポリエチ
レン系樹脂組成物であり、該組成物を用いて製造された
フィルムは低滑性であり、フィルム強度、低温ヒートシ
ール性に優れたものである。しかも原料組成物の高分岐
度あるいは低分子量成分の製品袋表面へのにじみ出しが
少ない。また、袋としたときに、開口性に優れている。
さらに、帯電防止剤を配合することにより上記特性に加
え、帯電防止性、特に、高速成形時の静電気の帯電防止
性能に優れ、肥料、化学薬品などの重包装袋や米、砂糖
袋などに好適に用いられる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08K 5/20 C08K 5/20

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)下記(ア)〜(ウ)の要件を満足
    する密度が0.86〜0.96g/cm3のエチレン・α
    −オレフィン共重合体に対し、 (ア)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む
    周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む触媒の存在下
    に、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共
    重合させることにより得られる。 (イ)分子量分布Mw/Mnが1.5〜5.0。 (ウ)組成分布パラメーターが1.01〜1.2。 (B)アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドを100〜
    1500ppm含有してなることを特徴とするポリエチ
    レン系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】 さらに帯電防止剤が100〜2000p
    pm含有されていることを特徴とする請求項1記載のポ
    リエチレン系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (A)下記(ア)〜(ウ)の要件を満足
    する密度が0.86〜0.96g/cm3のエチレン・α
    −オレフィン共重合体を50重量%以上と、 (ア)シクロペンタジエニル骨格を有する配位子を含む
    周期律表第IV族の遷移金属化合物を含む触媒の存在下
    に、エチレンと炭素数3〜20のα−オレフィンとを共
    重合させることにより得られる。 (イ)分子量分布Mw/Mnが1.5〜5.0。 (ウ)組成分布パラメーターが1.01〜1.2。 (A’)少なくとも1種の高圧ラジカル重合法によるエ
    チレン系重合体を含んだエチレン系重合体を50重量%
    以下とからなる樹脂成分に対し、 (B)アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミドを100〜
    1500ppm含有してなることを特徴とするポリエチ
    レン系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 さらに帯電防止剤が100〜2000p
    pm含有されていることを特徴とする請求項3記載のポ
    リエチレン系樹脂組成物。
  5. 【請求項5】 前記エチレン・α−オレフィン共重合体
    (A)とは異なるエチレン・α−オレフィン共重合体
    (A”)をさらに含有し、(A)成分と(A”)成分の
    合計量を100重量%とした場合に、(A)成分が20
    重量%以上で(A”)成分が80重量%以下とされてい
    ることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のポ
    リエチレン系樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 前記アルキレンビス飽和高級脂肪酸アミ
    ドが、エチレンビスステアリン酸アミドであることを特
    徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のポリエチレン
    系樹脂組成物。
  7. 【請求項7】 前記帯電防止剤が、多価アルコール系帯
    電防止剤及び/又はアミン置換型帯電防止剤であること
    を特徴とする請求項2または4記載のポリエチレン系樹
    脂組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれかに記載のポリエ
    チレン系樹脂組成物からなることを特徴とするフィル
    ム。
  9. 【請求項9】 静摩擦係数tanθが0.4〜0.6であ
    ることを特徴とする請求項8記載のフィルム。
JP32209095A 1995-12-11 1995-12-11 ポリエチレン系樹脂組成物およびそれを用いたフィルム Expired - Fee Related JP3599862B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32209095A JP3599862B2 (ja) 1995-12-11 1995-12-11 ポリエチレン系樹脂組成物およびそれを用いたフィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP32209095A JP3599862B2 (ja) 1995-12-11 1995-12-11 ポリエチレン系樹脂組成物およびそれを用いたフィルム

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09157458A true JPH09157458A (ja) 1997-06-17
JP3599862B2 JP3599862B2 (ja) 2004-12-08

Family

ID=18139809

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP32209095A Expired - Fee Related JP3599862B2 (ja) 1995-12-11 1995-12-11 ポリエチレン系樹脂組成物およびそれを用いたフィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3599862B2 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000248135A (ja) * 1999-03-04 2000-09-12 Denki Kagaku Kogyo Kk 帯電防止性樹脂組成物
JP2003137244A (ja) * 2001-10-30 2003-05-14 Japan Polychem Corp 医療用ブロー容器
JP2009249404A (ja) * 2008-04-01 2009-10-29 Toyo Seikan Kaisha Ltd 低温時の耐ストレスクラック性及び滑り性に優れた成形体
JP2020164596A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 大日本印刷株式会社 樹脂フィルム、積層体及び包装製品

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3921150A4 (en) * 2019-02-10 2022-10-19 Holcim Technology Ltd THERMOPLASTIC ROOF MEMBRANES FOR FULLY BONDED ROOF SYSTEMS

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000248135A (ja) * 1999-03-04 2000-09-12 Denki Kagaku Kogyo Kk 帯電防止性樹脂組成物
JP2003137244A (ja) * 2001-10-30 2003-05-14 Japan Polychem Corp 医療用ブロー容器
JP2009249404A (ja) * 2008-04-01 2009-10-29 Toyo Seikan Kaisha Ltd 低温時の耐ストレスクラック性及び滑り性に優れた成形体
JP2020164596A (ja) * 2019-03-28 2020-10-08 大日本印刷株式会社 樹脂フィルム、積層体及び包装製品

Also Published As

Publication number Publication date
JP3599862B2 (ja) 2004-12-08

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2007131958A1 (en) Use of propylene copolymer waxes for production of tacky plastics films
JP3506538B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂シート
JP3686737B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物およびそれを用いた積層体
JPH0665443A (ja) エチレン系共重合体組成物
JP3592816B2 (ja) 接着性樹脂組成物およびその積層体
EP1063260A1 (en) Polyolefin resin composition, laminate thereof, and process for producing the same
JP3599862B2 (ja) ポリエチレン系樹脂組成物およびそれを用いたフィルム
JPH08269270A (ja) 複合フィルム用ポリエチレン組成物および複合フィルム
JP3872141B2 (ja) バリヤー性包装材
JP3650445B2 (ja) 積層体、および該積層体からなる袋、チャック袋ならびに圧縮収納袋
JPH09176400A (ja) 充填剤含有エチレン・α−オレフィン共重合体組成物およびその組成物を用いた成形品
JPH08295745A (ja) 易引裂性包装材およびその製造方法
JPH1080985A (ja) 帯電防止性に優れた積層体
JP3710545B2 (ja) 充填剤含有エチレン系重合体組成物
JP3506539B2 (ja) ポリプロピレン系樹脂組成物およびその組成物を用いた容器
JP3989749B2 (ja) ポリオレフィン系樹脂組成物、マスターバッチ、積層体及びそれらの製造方法
JP3742139B2 (ja) 充填剤含有エチレン系重合体組成物およびそれを用いた成形品
EP1108530A1 (en) Medium density polyethylene compositions for easy-tear films
JPH0912796A (ja) フィルムおよび積層体
JP3699513B2 (ja) ストレッチフィルム
JP2000053821A (ja) 極性基含有樹脂材料およびこれを用いた積層体
JP3578854B2 (ja) ポリエチレン系樹脂組成物およびそれを用いたフィルム
JPH0665442A (ja) エチレン系共重合体組成物
JPH0940818A (ja) エチレン・α−オレフィン共重合体組成物
JP2000053819A (ja) 変性樹脂材料およびこれを用いた積層体

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20031224

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20031224

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040323

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040520

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040615

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040811

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20040907

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20040915

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080924

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090924

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090924

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100924

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110924

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120924

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130924

Year of fee payment: 9

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees