JPH09157327A - 界面活性剤の担持材 - Google Patents

界面活性剤の担持材

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JPH09157327A
JPH09157327A JP31441395A JP31441395A JPH09157327A JP H09157327 A JPH09157327 A JP H09157327A JP 31441395 A JP31441395 A JP 31441395A JP 31441395 A JP31441395 A JP 31441395A JP H09157327 A JPH09157327 A JP H09157327A
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surfactant
meth
group
reaction
carrier
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JP31441395A
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English (en)
Inventor
Naotake Shioji
尚武 塩路
Tomonori Gomi
知紀 五味
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤を、例
えば洗剤として用いる際における使い勝手を向上させる
ことができる担持材を提供する。 【解決手段】 界面活性剤を担持する担持材は、一般式
(1) CH2 =CR−CO−(X)n −Y ……(1) (式中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Xは、
全オキシアルキレン基に対するオキシエチレン基のモル
分率が50%以上である炭素数2〜4のオキシアルキレン
基を表し、Yは、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェノ
キシ基、または、炭素数1〜9のアルキル基を置換基と
して1個〜3個有するオキシアルキルフェニル基を表
し、nは、平均で3〜100 の整数を表す)で表される
(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む単量体成分
を重合させてなる架橋重合体を含有する。担持材1は、
例えば、袋状の基材2と組み合わせて複合体として用い
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、界面活性剤を担持
する担持材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、界面活性剤は洗剤等として用い
られている。そして、界面活性剤を洗剤として用いる場
合には、バケツや洗面器等の適当な容器を用いて該界面
活性剤の水溶液を作成する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の作成方法では、掃除や洗浄等を行う際に、その都
度、容器を用いて界面活性剤の水溶液を作成しなければ
ならないので、その作業が煩雑かつ面倒となっている。
つまり、いわゆる使い勝手が悪い。従って、界面活性剤
或いはその水溶液を適当な担持材に担持させることによ
り、容器を用いて該水溶液を作成しなくとも、掃除や洗
浄等を速やかにかつ簡便に行うことができる方法が求め
られている。即ち、界面活性剤を洗剤として用いる際に
おける使い勝手を向上させることができる担持材が求め
られている。
【0004】尚、架橋重合体の一種である吸水性樹脂の
吸水性等を向上させることを目的として、特開昭58-326
41号公報には、吸水性樹脂を界面活性剤で処理すること
が開示されている。また、特開平6-122896号公報には、
界面活性剤に水溶性の架橋型ポリアクリル酸を添加する
ことにより、保湿剤を多量に配合することができる洗剤
を得る方法が開示されている。ところが、これら公報に
は、界面活性剤を担持することにより、該界面活性剤の
使い勝手を向上させるという技術的思想については、何
ら開示も示唆もされていない。
【0005】本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされ
たものであり、その目的は、界面活性剤を例えば洗剤と
して用いる際における使い勝手を向上させることができ
る担持材を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本願発明者等は、上記目
的を達成すべく、界面活性剤を担持する担持材について
鋭意検討した結果、特定の分子構造を備える(メタ)ア
クリル酸エステル系単量体を含む単量体成分を重合させ
てなる架橋重合体を含有する担持材が、該界面活性剤を
担持可能であることを見い出した。また、上記の担持材
が、界面活性剤をゲル化して担持すると共に、担持した
際の賦形性に優れ、かつ、界面活性剤を徐々に放出する
性質(徐放性)を有していることを確認した。つまり、
上記の担持材に界面活性剤を担持することにより、界面
活性剤を例えば洗剤として用いる際における使い勝手を
向上させることができることを見い出し、本発明を完成
するに至った。
【0007】即ち、請求項1記載の発明の界面活性剤の
担持材は、上記の課題を解決するために、界面活性剤を
担持する担持材であって、一般式(1) CH2 =CR−CO−(X)n −Y ……(1) (式中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Xは、
全オキシアルキレン基に対するオキシエチレン基のモル
分率が50%以上である炭素数2〜4のオキシアルキレン
基を表し、Yは、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェノ
キシ基、または、炭素数1〜9のアルキル基を置換基と
して1個〜3個有するオキシアルキルフェニル基を表
し、nは、平均で3〜100 の整数を表す)で表される
(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む単量体成分
を重合させてなる架橋重合体を含有することを特徴とし
ている。また、請求項2記載の発明の界面活性剤の担持
材は、上記の課題を解決するために、請求項1記載の界
面活性剤の担持材において、上記界面活性剤がノニオン
性界面活性剤であることを特徴としている。
【0008】上記の構成によれば、担持材は、界面活性
剤をゲル化して担持すると共に、担持した際の賦形性に
優れ、かつ、界面活性剤を徐々に放出する性質(徐放
性)を有している。つまり、担持材に界面活性剤を担持
することにより、界面活性剤を例えば洗剤として用いる
際における使い勝手を向上させることができる。これに
より、掃除や洗浄等を速やかにかつ簡便に行うことがで
きる。
【0009】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
おける架橋重合体は、前記一般式(1)で表される(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体を含む単量体成分を重
合させてなる。上記の(メタ)アクリル酸エステル系単
量体は、式中、Rで示される置換基が、水素原子または
メチル基であり、また、Xで示される炭素数2〜4のオ
キシアルキレン基が、全オキシアルキレン基に対するオ
キシエチレン基のモル分率が50%以上であり、さらに、
nで示されるオキシアルキレン基の繰り返しが、平均で
3〜100 の整数であり、その上、Yで示される末端基
が、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェノキシ基、また
は、炭素数1〜9のアルキル基を置換基として1個〜3
個有するオキシアルキルフェニル基である。
【0010】上記の(メタ)アクリル酸エステル系単量
体としては、具体的には、例えば、メトキシポリエチレ
ングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリ
エチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコー
ル・ポリブチレングリコールモノ(メタ)アクリレー
ト、エトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アク
リレート、エトキシポリエチレングリコール・ポリプロ
ピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エトキシ
ポリエチレングリコール・ポリブチレングリコールモノ
(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコ
ールモノ(メタ)アクリレート、ベンジルオキシポリエ
チレングリコールモノ(メタ)アクリレート等が挙げら
れる。これら化合物は、単独で用いてもよく、また、二
種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0011】尚、上記化合物の代わりに、例えばアルコ
キシポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレー
トや、フェノキシポリブチレングリコールモノ(メタ)
アクリレート等の、上記モル分率が50%未満である化合
物を使用すると、得られる架橋重合体、即ち、担持材が
備えるべき各種物性や各種特性が低下するため、好まし
くない。つまり、例えば、賦形性や、界面活性剤を徐々
に放出する性質(徐放性)、或いは、液体の浸透性や分
散性、吸収速度等が低下するため、好ましくない。ま
た、上記化合物の代わりに、例えば末端部分にヒドロキ
シル基を有するポリエチレングリコールモノ(メタ)ア
クリレート等の化合物、即ち、末端部分が疎水性炭化水
素基で構成されていない化合物を使用すると、得られる
架橋重合体、即ち、担持材が備えるべき上記の各種物性
や各種特性が低下するため、好ましくない。
【0012】本発明において架橋重合体の原料として用
いられる単量体成分は、(メタ)アクリル酸エステル系
単量体の他に、必要に応じて、上記の(メタ)アクリル
酸エステル系単量体と共重合可能な単量体(以下、共重
合単量体と称する)を含んでいてもよい。該共重合単量
体は、特に限定されるものではなく、種々の化合物が使
用可能である。
【0013】上記の共重合単量体としては、具体的に
は、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、
およびこれらの中和物や部分中和物等の不飽和モノカル
ボン酸系単量体;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、
シトラコン酸、およびこれらの中和物や部分中和物等の
不飽和ジカルボン酸系単量体;ビニルスルホン酸、アリ
ルスルホン酸、メタリルスルホン酸、スチレンスルホン
酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン
酸、スルホエチル(メタ)アクリレート、スルホプロピ
ル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシスルホプロピ
ル(メタ)アクリレート、スルホエチルマレイミド、3
−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸、お
よびこれらの中和物や部分中和物等の不飽和スルホン酸
系単量体;(メタ)アクリルアミド、イソプロピルアク
リルアミド、t−ブチル(メタ)アクリルアミド等のア
ミド系単量体;(メタ)アクリル酸エステル、スチレ
ン、2−メチルスチレン、酢酸ビニル等の疎水性単量
体;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプ
ロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、アリル
アルコール、ポリエチレングリコールモノアリルエーテ
ル、ポリプロピレングリコールモノアリルエーテル、3
−メチル−3−ブテン−1−オール(イソプレノー
ル)、ポリエチレングリコールモノイソプレノールエー
テル、ポリプロピレングリコールモノイソプレノールエ
ーテル、3−メチル−2−ブテン−1−オール(プレノ
ール)、ポリエチレングリコールモノプレノールエーテ
ル、ポリプロピレングリコールモノプレノールエーテ
ル、2−メチル−3−ブテン−2−オール(イソプレン
アルコール)、ポリエチレングリコールモノイソプレン
アルコールエーテル、ポリプロピレングリコールモノイ
ソプレンアルコールエーテル、N−メチロール(メタ)
アクリルアミド、グリセロールモノ(メタ)アクリレー
ト、グリセロールモノアリルエーテル、ビニルアルコー
ル等の水酸基含有不飽和単量体;ジメチルアミノエチル
(メタ)アクリレート、ジメチルアミノプロピル(メ
タ)アクリルアミド等のカチオン性単量体;(メタ)ア
クリロニトリル等のニトリル系単量体;(メタ)アクリ
ルアミドメタンホスホン酸、(メタ)アクリルアミドメ
タンホスホン酸メチルエステル、2−(メタ)アクリル
アミド−2−メチルプロパンホスホン酸等のリン含有単
量体等が挙げられる。また、上記の不飽和モノカルボン
酸系単量体、不飽和ジカルボン酸系単量体、および不飽
和スルホン酸系単量体の中和物や部分中和物は、相当す
る化合物を、一価金属、二価金属、アンモニア、または
有機アミンにより中和させることにより得られる。これ
ら共重合単量体は、単独で用いてもよく、また、二種類
以上を併用してもよい。このうち、不飽和モノカルボン
酸系単量体、不飽和スルホン酸系単量体、および、これ
らの混合物が、共重合性に優れており、かつ、安価であ
るため、特に好ましい。
【0014】本発明においては、(メタ)アクリル酸エ
ステル系単量体および共重合単量体(以下、両者をまと
めて両単量体と称する)を、両単量体の合計量に対する
(メタ)アクリル酸エステル系単量体の割合が、20重量
%〜 100重量%の範囲内で重合させて架橋重合体を得
る。つまり、本発明にかかる架橋重合体は、上記両単量
体を、これらの重量比((メタ)アクリル酸エステル系
単量体/共重合単量体)が、20/80〜 100/0の範囲
内、好ましくは、40/60〜90/10の範囲内で重合させる
ことによりなっている。(メタ)アクリル酸エステル系
単量体の上記割合が20重量%未満の場合には、得られる
架橋重合体、即ち、担持材が備えるべき前記の各種物性
や各種特性が低下するため、好ましくない。
【0015】本発明においては、両単量体を共重合させ
る際に、溶媒を用いることができる。上記の溶媒として
は、両単量体が溶解可能な液体、例えば、水、水と均一
に混合する親水性の有機溶媒が挙げられ、該有機溶媒と
しては、例えば、メチルアルコールやエチルアルコール
等の炭素数1〜4の低級アルコール、アセトン等の低級
ケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド
等が挙げられる。これら溶媒は、単独で用いてもよく、
また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。尚、二
種類以上の溶媒を混合する場合の混合比率は、上記両単
量体の種類等を考慮に入れて適宜設定すればよい。ま
た、逆相懸濁重合法(後述する)により重合反応を行う
場合には、疎水性の有機溶媒を用いることができる。
【0016】上記溶媒の使用量、即ち、溶媒中の両単量
体の濃度(以下、モノマー濃度と称する)は、特に限定
されるものではないが、重合反応の制御の容易さ、経済
性、反応収率等を考慮に入れて、モノマー濃度が20重量
%以上、飽和濃度以下の範囲内、好ましくは30重量%〜
95重量%の範囲内、さらに好ましくは55重量%〜80重量
%の範囲内となるように設定すればよい。モノマー濃度
が20重量%未満の場合には、溶媒の使用量が過多とな
り、経済性や反応収率等が低下するため、好ましくな
い。モノマー濃度が飽和濃度以上の場合には、重合反応
が不均一となると共に、重合反応の反応熱(重合熱)を
除去することが困難となるため、好ましくない。
【0017】本発明においては、両単量体を共重合させ
る際に、必要に応じて、架橋剤を用いることができる。
上記の架橋剤としては、具体的には、例えば、エチレン
グリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコール
ジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)ア
クリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリ
レート、ペンタエリスリトールジ(メタ)アクリレー
ト、N,N−メチレンビスアクリルアミド、イソシアヌ
ル酸トリアリル、トリメチロールプロパンジアリルエー
テル等の、一分子中にエチレン系不飽和基を2個以上有
する化合物;エチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコー
ル、グリセリン、ポリグリセリン、プロピレングリコー
ル、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ポリ
プロピレングリコール、ポリビニルアルコール、ペンタ
エリスリトール、ソルビット、ソルビタン、グルコー
ス、マンニット、マンニタン、ショ糖、ブドウ糖等の多
価アルコール;エチレングリコールジグリシジルエーテ
ル、グリセリンジグリシジルエーテル、ポリエチレング
リコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコール
ジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグ
リシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジ
ルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエ
ーテル、トリメチロールプロパンジグリシジルエーテ
ル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、
グリセリントリグリシジルエーテル等のポリエポキシ化
合物等が挙げられる。これら架橋剤は、単独で用いても
よく、また、二種類以上を適宜混合して用いてもよい。
【0018】架橋剤を用いることにより、得られる架橋
重合体の架橋密度を任意の値に制御することができる。
上記の架橋剤のうち、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレートが特に好ましい。また、ポリエチレン
グリコールジ(メタ)アクリレートを構成するエチレン
オキサイド(以下、EOと記す)の付加モル数は、4モ
ル〜 100モルの範囲内が好ましく、架橋効率の点から、
5モル〜50モルの範囲内が特に好ましい。
【0019】尚、架橋剤として、ポリエチレングリコー
ルジ(メタ)アクリレート以外の化合物を用いる場合に
おいても、該化合物と共に、ポリエチレングリコールジ
(メタ)アクリレートを併用することが好ましい。
【0020】上記両単量体に対する架橋剤のモル比は、
1×10-5〜5×10-2の範囲内が好ましく、5×10-4〜2
×10-2の範囲内が特に好ましい。架橋剤のモル比が1×
10-5よりも小さい場合には、得られる架橋重合体の架橋
密度が小さくなり過ぎ、担持材が備えるべき前記の各種
物性や各種特性が低下するため、好ましくない。架橋剤
のモル比が5×10-2よりも大きい場合には、得られる架
橋重合体の架橋密度が高くなり過ぎ、担持材が備えるべ
き前記の各種物性や各種特性が低下するため、好ましく
ない。
【0021】そして、架橋剤として多価アルコールを用
いる場合には、重合反応後、得られた反応生成物を 150
℃〜 250℃で加熱処理することが好ましい。また、架橋
剤としてポリエポキシ化合物を用いる場合には、重合反
応後、得られた反応生成物を50℃〜 250℃で加熱処理す
ることが好ましい。
【0022】上記の架橋重合体は、両単量体を、架橋
剤、溶媒、および重合開始剤の存在下、例えば、溶液重
合法や懸濁重合法、逆相懸濁重合法等の公知の重合方法
を用いて重合することにより得られる。また、いわゆる
注型重合法、薄膜重合法、噴霧重合法、或いは、双腕型
ニーダーを反応器として用い、該ニーダーの剪断力によ
り反応生成物を細分化しながら重合する重合法等を用い
て重合することにより、架橋重合体を得ることもでき
る。
【0023】上記の重合開始剤としては、具体的には、
例えば、過酸化水素;過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモ
ニウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩;2,2’−アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、4,4’−ア
ゾビス(4−シアノ吉草酸)等の水溶性アゾ化合物;ア
ゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(4−
メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等の油溶
性アゾ化合物;過酸化ベンゾイル、過酸化ラウロイル、
過酢酸、ベンゾイルパーオキサイド、キュメンハイドロ
パーオキサイド等の有機系過酸化物等のラジカル重合開
始剤が挙げられるが、特に限定されるものではない。こ
れら重合開始剤は、単独で用いてもよく、また、二種類
以上を併用してもよい。また、これら重合開始剤の分解
を促進する還元剤を併用し、両者を組み合わせることに
よりレドックス系開始剤とすることもできる。上記の還
元剤としては、具体的には、例えば、亜硫酸水素ナトリ
ウム等の(重)亜硫酸(塩)、L−アスコルビン酸
(塩)、第一鉄塩等の還元性金属(塩)、アミン類等が
挙げられるが、特に限定されるものではない。尚、重合
開始剤を用いる代わりに、反応系に放射線や電子線、紫
外線等を照射することにより重合反応を行ってもよい。
【0024】逆相懸濁重合法を行う場合に、両単量体の
水溶液を疎水性の有機溶媒に分散させる分散剤として
は、例えば、ソルビタン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸
エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリグリセリン
脂肪酸エステル、エチルセルロース、セルロースアセテ
ート等のセルロースエステル、セルロースエーテル、α
−オレフィン−無水マレイン酸共重合体等のカルボキシ
ル基含有重合体等が挙げられる。尚、上記疎水性の有機
溶媒は、特に限定されるものではない。
【0025】反応温度は、両単量体、架橋剤、溶媒、お
よび重合開始剤の種類や組み合わせ、使用量等にもよる
が、反応が完結し、しかも、得られる架橋重合体の分子
量が大きくなるように、比較的低温の方が好ましい。反
応温度は、例えば、20℃〜 100℃の範囲内が好適であ
る。尚、反応時間は、特に限定されるものではなく、反
応温度等に応じて適宜設定すればよい。また、上記の重
合反応を行う際の重合容器等の反応器は、特に限定され
るものではないが、重合反応後、得られた反応生成物を
簡単に破砕(後述する)することができるように、いわ
ゆる双腕型ニーダーが好ましい。
【0026】また、反応系は、重合反応を行う際に、攪
拌されていてもよく、また、静置されていてもよい。つ
まり、該反応系は、攪拌重合を行ってもよく、静置重合
を行ってもよく、また、攪拌重合および静置重合を組み
合わせて行ってもよい。このうち、静置重合を行うこと
が最も好ましい。静置重合を行うことにより、架橋重合
体におけるいわゆる可溶分が少なくなり、例えば、賦形
性や徐放性、或いは、液体の浸透性や分散性、吸収速度
等の各種物性や各種特性に優れた架橋重合体、即ち、担
持材を効率的に製造することができる。尚、静置重合を
行う場合には、重合反応後、得られた反応生成物を破砕
することが好ましい。静置重合によって得られる反応生
成物は、極めて容易に破砕することができる。
【0027】重合反応により得られる反応生成物は、そ
のまま、或いは必要に応じて、亜硫酸塩、亜硫酸水素
塩、ピロ亜硫酸塩、亜二チオン酸塩、亜硝酸塩、亜リン
酸塩、次亜リン酸塩等の酸素含有還元性無機塩を添加し
て該反応生成物中の残留モノマー量を低下させた後、乾
燥機等を用いて乾燥される。乾燥温度は、 100℃〜 160
℃が好ましく、 120℃〜 140℃がさらに好ましい。ま
た、減圧下で乾燥(減圧乾燥)するか、若しくは、不活
性ガス気流下で乾燥することが特に好ましい。乾燥物で
ある架橋重合体は、必要に応じて、ハンマーミル、ジェ
ットミル等の粉砕機を用いて粉砕される。乾燥温度が 1
00℃未満の場合には、反応生成物を充分に乾燥させるの
に時間がかかるため、好ましくない。乾燥温度が 160℃
を越える場合には、乾燥により得られる架橋重合体が熱
により劣化し、該架橋重合体、即ち、担持材が備えるべ
き上記の各種物性や各種特性が低下する傾向がある。
【0028】本発明における担持材、つまり、上記の架
橋重合体は、所定形状に造粒されていてもよく、また、
不定形破砕状、球状、鱗片状、繊維状、棒状、塊状等、
種々の形状であってもよい。さらに、架橋重合体は、1
次粒子であってもよく、また、1次粒子の造粒体であっ
てもよい。架橋重合体の平均粒径は、用いる両単量体の
種類や担持材の用途等を考慮に入れて適宜設定すればよ
く、例えば数μm〜数百μmが好適である。尚、架橋重
合体の造粒方法は、前記の各種物性や各種特性が満足さ
れるのであれば、特に限定されるものではない。
【0029】また、架橋重合体は、その物性や特性、例
えば液体の浸透性や分散性、吸収速度等を向上させるた
めに、表面に種々の加工や修飾(モディファイ)等が施
されていてもよい。即ち、架橋重合体は、例えば、架橋
重合体の表面近傍にさらに架橋構造を導入する表面処理
等が施されていてもよい。上記の表面処理を施すことに
より、架橋重合体は、初期吸収速度(吸収開始直後の吸
収速度)がより一層速くなる。
【0030】上記の表面処理を施す際に用いられる表面
架橋剤は、例えば、架橋重合体がカルボキシル基および
/またはカルボキシレート基を含有する場合、該カルボ
キシル基および/またはカルボキシレート基と反応可能
な官能基を分子内に2個以上含有する化合物が好適であ
る。上記の表面架橋剤としては、具体的には、例えば、
グリセリン、エチレングリコール、ペンタエリスリトー
ル等の多価アルコール;エチレングリコールジグリシジ
ルエーテル等のポリエポキシ化合物;エチレンジアミ
ン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、
テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミ
ン、ポリエチレンイミン等の多価アミン;グルタルアル
デヒド、グリオキザール等の多価アルデヒド;(ポリ)
塩化アルミニウム、塩化マグネシウム、塩化カルシウ
ム、硫酸アルミニウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシ
ウム等の多価金属塩等が挙げられる。これら表面架橋剤
は、単独で用いてもよく、また、二種類以上を併用して
もよい。
【0031】表面架橋剤の使用量は、特に限定されるも
のではないが、架橋重合体に対して0.005重量%〜5重
量%の範囲内が好ましい。また、上記の表面処理を施す
際の処理方法は、特に限定されるものではない。例え
ば、粉体状の架橋重合体に表面架橋剤をそのまま、或い
は適当な溶媒に溶解させた溶液の状態で混合した後、必
要に応じて加熱することにより表面処理を施してもよ
く、また、架橋重合体を疎水性の有機溶媒に分散させた
後、該分散液に表面架橋剤を添加し、次いで、必要に応
じて加熱することにより表面処理を施してもよい。
【0032】さらに、担持材は、加工性の改良および品
質性能の向上等のために、必要に応じて、シリカ微粒子
等の無機微粒子や、パルプ繊維等からなる充填剤;活性
炭やカーボンブラック、鉄フタロシアニン誘導体、植物
性精油等を吸着させたゼオライト等を主体とする消臭剤
または脱臭剤;芳香剤;銀や銅、亜鉛等の金属等を主体
とする抗菌剤、殺菌剤、防カビ剤、防腐剤;脱酸素剤
(酸化防止剤);発泡剤;顔料や染料等の着色料;香料
等が添加されていてもよい。これら添加剤を添加するこ
とにより、担持材に種々の機能を付与することができ
る。上記添加剤の添加量は、特に限定されるものではな
く、例えば添加剤の種類等に応じて適宜設定すればよ
い。尚、添加剤の添加方法は、特に限定されるものでは
ない。
【0033】上記構成の架橋重合体、即ち、担持材が担
持可能な界面活性剤は、ノニオン性界面活性剤、アニオ
ン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、両性界面活性
剤、或いは、高分子界面活性剤、反応性界面活性剤等が
挙げられるが、特に限定されるものではない。本発明に
かかる担持材は、上記の界面活性剤のうち、ノニオン性
界面活性剤の担持に特に好適に用いられる。
【0034】ノニオン性界面活性剤としては、具体的に
は、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポ
リオキシエチレンアルキルアリールエーテル;ソルビタ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪
酸エステル;グリセロールモノラウレート等の脂肪酸モ
ノグリセライド;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロ
ピレン共重合体;エチレンオキサイドと、脂肪族アミ
ン、脂肪族アミドまたは酸とを反応させてなる縮合生成
物等が挙げられる。これら界面活性剤は、担持材に、単
独で担持されてもよく、また、二種類以上の混合物とし
て担持されてもよい。
【0035】上記の界面活性剤は、担持材に担持される
際には、水溶液の状態となっていることが好ましい。水
溶液中の界面活性剤の濃度は、特に限定されるものでは
ない。本発明にかかる担持材は、界面活性剤が比較的高
濃度、例えば50重量%程度であっても、該界面活性剤を
充分に担持し得るようになっている。担持材の使用量
は、例えば、界面活性剤の水溶液 100重量部に対して、
数重量部程度とすればよいが、特に限定されるものでは
ない。尚、界面活性剤が液体である場合には、水溶液の
状態としないで、界面活性剤を担持材に担持させること
もできる。
【0036】そして、担持材に、界面活性剤或いはその
水溶液(以下、説明の便宜上、単に界面活性剤と記す)
を担持させるには、担持材と界面活性剤とを接触させれ
ばよい。担持材と界面活性剤とを接触させる接触方法
は、特に限定されるものではない。つまり、例えば、界
面活性剤が容器等に入っている場合等には、担持材を界
面活性剤に投入すればよい。また、平板等の上に担持材
を拡げた後、該担持材に界面活性剤を撒布することによ
り、担持材に界面活性剤を担持させてもよい。担持材
は、界面活性剤と接触するだけで該界面活性剤を担持可
能であるが、必要に応じて、両者を攪拌・混合してもよ
い。担持材は、界面活性剤を担持した後、ゲル状の不溶
物となる。つまり、担持材は、界面活性剤をゲル化して
担持する。尚、担持材に界面活性剤を担持させる際の温
度や接触時間等は、特に限定されるものではない。
【0037】界面活性剤を例えば洗剤として用いる際に
は、該界面活性剤は、予め担持材に担持されていてもよ
く、また、洗剤として使用する直前に、担持材に担持さ
れてもよい。つまり、担持材に界面活性剤を担持させる
時期(タイミング)は、特に限定されるものではない。
また、界面活性剤を例えば洗剤として用いる際には、使
用時に、担持材に、水をさらに吸収または付着等させて
もよい。
【0038】以上のように、上記界面活性剤の担持材
は、一般式(1) CH2 =CR−CO−(X)n −Y ……(1) (式中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Xは、
全オキシアルキレン基に対するオキシエチレン基のモル
分率が50%以上である炭素数2〜4のオキシアルキレン
基を表し、Yは、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェノ
キシ基、または、炭素数1〜9のアルキル基を置換基と
して1個〜3個有するオキシアルキルフェニル基を表
し、nは、平均で3〜100 の整数を表す)で表される
(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む単量体成分
を重合させてなる架橋重合体を含有する構成である。ま
た、上記界面活性剤がノニオン性界面活性剤である構成
である。
【0039】上記構成の担持材は、界面活性剤をゲル化
して担持すると共に、担持した際の賦形性に優れ、か
つ、徐放性を有している。つまり、担持材に界面活性剤
を担持することにより、界面活性剤を例えば洗剤として
用いる際における使い勝手を向上させることができる。
これにより、掃除や洗浄等を速やかにかつ簡便に行うこ
とができる。尚、上記構成の担持材は、耐久性、耐熱
性、および耐光性にも優れている。また、担持材は、界
面活性剤をゲル化して担持するので、界面活性剤を担持
した担持材を、例えば袋や容器等を用いて密閉しなくて
も、保存することができる。
【0040】上記構成の担持材は、必要に応じて、例え
ば、親水性若しくは疎水性の繊維からなる織布や不織
布、編布;パルプ、紙;スポンジ等の多孔質物品;等の
基材と組み合わせて、シート状や塊状等に成形すること
により、複合体とすることもできる。親水性の繊維とし
ては、具体的には、例えば、綿、羊毛、レーヨン、アセ
テート、ビニロン等が挙げられる。疎水性の繊維として
は、具体的には、例えば、ポリエステル、ポリアクリロ
ニトリル、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリエチレ
ン、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、グラスウール、ロ
ックウール等が挙げられる。また、多孔質物品を構成す
る材質としては、具体的には、例えば、ポリアセター
ル、ポリウレタン、セルロース、フェノール樹脂等が挙
げられる。尚、基材の材質や形状、構成等は、特に限定
されるものではない。
【0041】担持材を基材と組み合わせて複合体とする
方法としては、例えば、図1に示すように、袋状等に形
成された基材2の中に、担持材1を封入すればよい。担
持材1は、界面活性剤を担持した後、基材2に封入され
てもよく、また、基材2に封入された後、界面活性剤を
担持してもよい。これにより、担持材1を適当な形状
(塊状)に成形し、複合体とすることができる。尚、基
材2の形状は、袋状にのみ限定されるものではない。
【0042】さらに、図2に示すように、基材2の適当
な位置に、合成樹脂等からなる把手3を取り付けてもよ
い。これにより、上記複合体がさらに持ち易くなり、よ
り一層使い勝手が向上する。尚、把手3の形状は、特に
限定されるものではなく、例えば、基材2の片面全体を
覆うように、板状に形成されていてもよい。
【0043】上記の複合体は、例えば、床や壁、トイ
レ、家具等の拭き掃除や、洗車等に好適に用いることが
できる。尚、担持材や複合体の使用形態は、特に限定さ
れるものではない。
【0044】
【実施例】以下、実施例および比較例により、本発明を
さらに詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。尚、実施例および比較例に記載
の「部」は、「重量部」を示している。
【0045】〔実施例1〕内面が三フッ化エチレンでラ
イニング処理された内容積 2.5Lのジャケット付き卓上
型ニーダーに温度計を取り付けて反応器とした。上記の
ジャケットには温水が供給されるようになっている。こ
の反応器に、(メタ)アクリル酸エステル系単量体とし
てのメトキシポリエチレングリコールメタクリレート
(EOの付加モル数:9モル) 250.0部、共重合単量体
としてのメタクリル酸ナトリウムの43重量%水溶液 58
1.4部、溶媒としてのイオン交換水 164.8部、および、
架橋剤としてのポリエチレングリコールジメタクリレー
ト(EOの付加モル数:8モル)2.6部を反応液として
供給した。上記のメトキシポリエチレングリコールメタ
クリレートは、前記一般式(1)中のRがメチル基、X
がエチレンオキサイド、Yがメトキシ基、nが9のメタ
クリル酸エステルである。両単量体(単量体成分)の重
量比(メトキシポリエチレングリコールメタクリレート
/メタクリル酸ナトリウム)は50/50であった。また、
両単量体に対するポリエチレングリコールジメタクリレ
ートの割合は、 0.2モル%であった。
【0046】次いで、窒素ガス気流下、反応液の温度
(反応開始温度)を40℃に保ち、ブレードにて攪拌しな
がら、該反応液に、重合開始剤としての2,2’−アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩1.16部を添加して
重合を開始した。そして、添加後、20秒間攪拌して該
2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩を
溶解させ、その後、攪拌を停止して反応液を静置した。
両単量体に対する2,2’−アゾビス(2−アミジノプ
ロパン)塩酸塩の割合は、0.15モル%であった。
【0047】2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパ
ン)塩酸塩の添加後、直ちに重合反応が開始され、 120
分間経過後に反応温度がピークに達して84℃となった。
この間、ジャケットに供給する温水の温度は、反応液の
温度とほぼ等しくなるように適宜昇温させた。続いて、
該反応液の温度を80℃に調節した後、反応生成物である
含水ゲル重合体を1時間熟成した。その後、ニーダーの
ブレードを40 rpmの回転数で10分間回転させて、含水ゲ
ル重合体を微細な大きさに破砕した。次いで、上記のニ
ーダーを反転させて含水ゲル重合体をニーダーから取り
出した。
【0048】得られた含水ゲル重合体を、熱風循環式乾
燥機を用いて、 120℃で4時間乾燥した。次いで、乾燥
物である架橋重合体を卓上簡易型粉砕機(協立理工株式
会社製)を用いて粉砕することにより、架橋重合体であ
る担持材を得た。
【0049】次に、得られた担持材の物性を、以下の方
法により評価した。即ち、先ず、容量20mlのガラス製ス
クリュー管(株式会社マルエム製)に、ノニオン性界面
活性剤としてのポリオキシエチレンノニルフェニルエー
テル(商品名 エマルゲン909;花王株式会社製;H
LB 12.4)の50重量%水溶液10gを入れた。次に、該
水溶液に、上記の担持材 0.3gを添加して均一な状態と
なるまで攪拌した。該水溶液に対する担持材の添加量
は、3重量%である。
【0050】上記の混合物を室温で1時間静置した後、
該スクリュー管を転倒させて、該混合物、即ち、内容物
の状態を観察した。これにより、担持材が、界面活性剤
をゲル化して担持することができるか否かを評価した。
その結果、スクリュー管を転倒させてから室温で30秒間
経過した後において、内容物は全く流動せず、完全にゲ
ル状態となっていた。結果を表1に記載した。
【0051】〔実施例2〕実施例1における両単量体の
重量比(メトキシポリエチレングリコールメタクリレー
ト/メタクリル酸ナトリウム)を50/50から20/80に変
更した以外は、実施例1と同様の反応および操作を行
い、架橋重合体である担持材を得た。
【0052】次に、得られた担持材の物性を、実施例1
と同様の方法により評価した。その結果、スクリュー管
を転倒させてから室温で30秒間経過した後において、内
容物は僅かに流動したものの、実質的にゲル状態となっ
ていた。結果を表1に記載した。
【0053】〔実施例3〕実施例1における両単量体の
重量比(メトキシポリエチレングリコールメタクリレー
ト/メタクリル酸ナトリウム)を50/50から95/5に変
更した以外は、実施例1と同様の反応および操作を行
い、架橋重合体である担持材を得た。
【0054】次に、得られた担持材の物性を、実施例1
と同様の方法により評価した。その結果、スクリュー管
を転倒させてから室温で30秒間経過した後において、内
容物は僅かに流動したものの、実質的にゲル状態となっ
ていた。結果を表1に記載した。
【0055】〔実施例4〕実施例1におけるメトキシポ
リエチレングリコールメタクリレートの代わりに、(メ
タ)アクリル酸エステル系単量体としてのブトキシポリ
エチレングリコールメタクリレート(EOの付加モル
数:70モル)を用いた以外は、実施例1と同様の反応お
よび操作を行い、架橋重合体である担持材を得た。上記
のブトキシポリエチレングリコールメタクリレートは、
前記一般式(1)中のRがメチル基、Xがエチレンオキ
サイド、Yがブトキシ基、nが70のメタクリル酸エス
テルである。
【0056】次に、得られた担持材の物性を、実施例1
と同様の方法により評価した。その結果、スクリュー管
を転倒させてから室温で30秒間経過した後において、内
容物は僅かに流動したものの、実質的にゲル状態となっ
ていた。結果を表1に記載した。
【0057】〔実施例5〕実施例1において用いたメタ
クリル酸ナトリウムの43重量%水溶液 581.4部の一部
を、共重合単量体としてのアクリル酸の水溶液に置換し
た以外は、実施例1と同様の反応および操作を行い、架
橋重合体である担持材を得た。メトキシポリエチレング
リコールメタクリレート、メタクリル酸ナトリウムおよ
びアクリル酸の重量比(メトキシポリエチレングリコー
ルメタクリレート/メタクリル酸ナトリウム/アクリル
酸)は50/25/25であった。
【0058】次に、得られた担持材の物性を、実施例1
と同様の方法により評価した。その結果、スクリュー管
を転倒させてから室温で30秒間経過した後において、内
容物は全く流動せず、完全にゲル状態となっていた。結
果を表1に記載した。
【0059】〔実施例6〕先ず、実施例1と同様の反応
および操作を行い、架橋重合体である担持材を得た。次
に、実施例1において用いたポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテルの50重量%水溶液の代わりに、アニオ
ン性界面活性剤としてのドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム(商品名 ネオペレックスNo.25;花王株
式会社製)の10重量%水溶液10gを用いた以外は、実施
例1と同様の操作を行って、得られた担持材の物性を評
価した。上記の水溶液に対する担持材の添加量は、3重
量%である。
【0060】その結果、スクリュー管を転倒させてから
室温で30秒間経過した後において、内容物は全く流動せ
ず、完全にゲル状態となっていた。結果を表1に記載し
た。
【0061】〔実施例7〕先ず、実施例1と同様の反応
および操作を行い、架橋重合体である担持材を得た。次
に、実施例1において用いたポリオキシエチレンノニル
フェニルエーテルの50重量%水溶液の代わりに、ノニオ
ン性界面活性剤としてのポリオキシエチレンアルキルエ
ーテル(商品名 ソフタノール90;株式会社日本触媒
製;HLB13.3)の40重量%水溶液10gを用いると共
に、担持材の添加量を 0.3gから 0.5gに変更した以外
は、実施例1と同様の操作を行って、得られた担持材の
物性を評価した。上記の水溶液に対する担持材の添加量
は、5重量%である。
【0062】その結果、スクリュー管を転倒させてから
室温で30秒間経過した後において、内容物は全く流動せ
ず、完全にゲル状態となっていた。結果を表1に記載し
た。
【0063】〔比較例1〕温度計等を備えた所定の反応
器に、アクリル酸ナトリウム 74.95モル%、アクリル酸
25.0モル%、およびトリメチロールプロパントリアクリ
レート0.05モル%からなるアクリル酸塩系単量体成分の
43重量%水溶液 4,000部を反応液として仕込んだ。
【0064】次いで、窒素ガス気流下、上記の反応液
に、過硫酸アンモニウム 0.6部、および亜硫酸水素ナト
リウム 0.2部を添加して溶解させた後、反応液を静置
し、55℃〜80℃で所定時間、静置重合させた。その後、
反応生成物である含水ゲル重合体を微細な大きさに破砕
した。
【0065】得られた含水ゲル重合体を、熱風循環式乾
燥機を用いて、 180℃で所定時間、乾燥した。次いで、
乾燥物である比較用の架橋重合体を卓上簡易型粉砕機
(協立理工株式会社製)を用いて粉砕することにより、
比較用の担持材を得た。
【0066】次に、得られた比較用の担持材の物性を、
実施例1と同様の方法により評価した。その結果、スク
リュー管を転倒させてから室温で30秒間経過した後にお
いて、内容物は流動してしまい、ゲル状態となっていな
かった。結果を表1に記載した。
【0067】〔比較例2〕先ず、比較例1と同様の反応
および操作を行い、比較用の担持材を得た。次に、得ら
れた比較用の担持材の物性を、実施例6と同様の方法に
より評価した。その結果、スクリュー管を転倒させてか
ら室温で30秒間経過した後において、内容物は流動して
しまい、ゲル状態となっていなかった。結果を表1に記
載した。
【0068】〔比較例3〕先ず、比較例1と同様の反応
および操作を行い、比較用の担持材を得た。次に、得ら
れた比較用の担持材の物性を、実施例7と同様の方法に
より評価した。その結果、スクリュー管を転倒させてか
ら室温で30秒間経過した後において、内容物は流動して
しまい、ゲル状態となっていなかった。結果を表1に記
載した。
【0069】
【表1】
【0070】表1に記載された実施例1〜7の結果から
明らかなように、本実施例の担持材は、界面活性剤をゲ
ル化して担持することができることがわかる。一方、比
較例1〜3の結果から明らかなように、比較用の担持材
は、界面活性剤をゲル化して担持することができないこ
とがわかる。
【0071】
【発明の効果】本発明の界面活性剤の担持材は、以上の
ように、界面活性剤を担持する担持材であって、一般式
(1) CH2 =CR−CO−(X)n −Y ……(1) (式中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Xは、
全オキシアルキレン基に対するオキシエチレン基のモル
分率が50%以上である炭素数2〜4のオキシアルキレン
基を表し、Yは、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェノ
キシ基、または、炭素数1〜9のアルキル基を置換基と
して1個〜3個有するオキシアルキルフェニル基を表
し、nは、平均で3〜100 の整数を表す)で表される
(メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む単量体成分
を重合させてなる架橋重合体を含有する構成である。ま
た、本発明の界面活性剤の担持材は、以上のように、上
記界面活性剤がノニオン性界面活性剤である構成であ
る。
【0072】上記の構成によれば、担持材は、界面活性
剤をゲル化して担持すると共に、担持した際の賦形性に
優れ、かつ、界面活性剤を徐々に放出する性質(徐放
性)を有している。つまり、担持材に界面活性剤を担持
することにより、界面活性剤を例えば洗剤として用いる
際における使い勝手を向上させることができる。これに
より、掃除や洗浄等を速やかにかつ簡便に行うことがで
きるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の担持材と、基材とを組み合わせてなる
複合体の一例を示す概略の断面図である。
【図2】把手が取り付けられた上記複合体の一例を示す
概略の断面図である。
【符号の説明】
1 担持材 2 基材 3 把手

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】界面活性剤を担持する担持材であって、 一般式(1) CH2 =CR−CO−(X)n −Y ……(1) (式中、Rは、水素原子またはメチル基を表し、Xは、
    全オキシアルキレン基に対するオキシエチレン基のモル
    分率が50%以上である炭素数2〜4のオキシアルキレン
    基を表し、Yは、炭素数1〜5のアルコキシ基、フェノ
    キシ基、または、炭素数1〜9のアルキル基を置換基と
    して1個〜3個有するオキシアルキルフェニル基を表
    し、nは、平均で3〜100 の整数を表す)で表される
    (メタ)アクリル酸エステル系単量体を含む単量体成分
    を重合させてなる架橋重合体を含有することを特徴とす
    る界面活性剤の担持材。
  2. 【請求項2】上記界面活性剤がノニオン性界面活性剤で
    あることを特徴とする請求項1記載の界面活性剤の担持
    材。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007510021A (ja) * 2003-10-28 2007-04-19 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 食器洗い機のすすぎ洗い過程での被膜抑制添加剤としてのアルキレンオキシド単位含有コポリマーの使用

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JP2007510021A (ja) * 2003-10-28 2007-04-19 ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト 食器洗い機のすすぎ洗い過程での被膜抑制添加剤としてのアルキレンオキシド単位含有コポリマーの使用

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