JPH0915627A - 液晶表示素子 - Google Patents
液晶表示素子Info
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- JPH0915627A JPH0915627A JP16534395A JP16534395A JPH0915627A JP H0915627 A JPH0915627 A JP H0915627A JP 16534395 A JP16534395 A JP 16534395A JP 16534395 A JP16534395 A JP 16534395A JP H0915627 A JPH0915627 A JP H0915627A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 耐透気性、耐水蒸気透過性、光学特性が良好
な上、溶剤的影響を加えても、その表示品質に劣化を起
こさないという信頼性の高い優れた液晶表示素子の提
供。 【構成】 プラスチックフィルム上に透明導電層を積層
した透明導電性フィルムからなる透明電極の間に液晶層
を封入した液晶表示素子において、両透明電極がプラス
チックフィルムの一方の面に耐溶剤性樹脂層が積層さ
れ、他方の面にアンカーコート層、ポリビニルアルコー
ル系樹脂層、耐溶剤性樹脂層及び透明導電層が順次積層
された積層体で、少なくともその透明導電層直下の耐溶
剤性樹脂層がノボラック型エポキシ系樹脂又はシリコー
ン系樹脂の硬化物層である透明導電性フィルムからな
り、透明導電層が液晶層側になるように配置されたこと
を特徴とする液晶表示素子。
な上、溶剤的影響を加えても、その表示品質に劣化を起
こさないという信頼性の高い優れた液晶表示素子の提
供。 【構成】 プラスチックフィルム上に透明導電層を積層
した透明導電性フィルムからなる透明電極の間に液晶層
を封入した液晶表示素子において、両透明電極がプラス
チックフィルムの一方の面に耐溶剤性樹脂層が積層さ
れ、他方の面にアンカーコート層、ポリビニルアルコー
ル系樹脂層、耐溶剤性樹脂層及び透明導電層が順次積層
された積層体で、少なくともその透明導電層直下の耐溶
剤性樹脂層がノボラック型エポキシ系樹脂又はシリコー
ン系樹脂の硬化物層である透明導電性フィルムからな
り、透明導電層が液晶層側になるように配置されたこと
を特徴とする液晶表示素子。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、液晶層の両側の透明電
極を透明導電性フィルムとした液晶表示素子に関し、更
に詳しくは該透明導電性フィルムのガスバリア性、水蒸
気バリア性、耐溶剤性が改良された、耐久性の優れた液
晶表示素子に関する。
極を透明導電性フィルムとした液晶表示素子に関し、更
に詳しくは該透明導電性フィルムのガスバリア性、水蒸
気バリア性、耐溶剤性が改良された、耐久性の優れた液
晶表示素子に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、液晶表示素子は、より軽薄化、よ
り大型化という要求に加え、長期信頼性、形状の自由
度、曲面表示等の高度な要求がなされている。特に、ペ
イジャー(ポケットベル)、携帯電話、電子手帳、ペン
入力機器など、携帯して移動する事のできる機器の利用
が普及するにつれ、従来の厚く、重く、割れやすいガラ
ス基板に変わって、プラスチックを基板とする液晶パネ
ルが検討され、一部で実用化し始めている。
り大型化という要求に加え、長期信頼性、形状の自由
度、曲面表示等の高度な要求がなされている。特に、ペ
イジャー(ポケットベル)、携帯電話、電子手帳、ペン
入力機器など、携帯して移動する事のできる機器の利用
が普及するにつれ、従来の厚く、重く、割れやすいガラ
ス基板に変わって、プラスチックを基板とする液晶パネ
ルが検討され、一部で実用化し始めている。
【0003】こうしたプラスチック基板は軽薄化の要望
を満たし、特開昭56−130010号公報等で公知で
ある。
を満たし、特開昭56−130010号公報等で公知で
ある。
【0004】さらには、耐透気性、耐水蒸気透過性を改
善したプラスチック基板も特開昭61−41122号公
報や、特開昭61ー73924号公報、特開平3−93
23号公報等に記載されている。
善したプラスチック基板も特開昭61−41122号公
報や、特開昭61ー73924号公報、特開平3−93
23号公報等に記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
のプラスチック基板を用いて液晶表示パネルを作成し、
検討したところ、耐透気性には優れているものの、耐水
蒸気透過性に劣るという欠点があることが判った。。
のプラスチック基板を用いて液晶表示パネルを作成し、
検討したところ、耐透気性には優れているものの、耐水
蒸気透過性に劣るという欠点があることが判った。。
【0006】耐水蒸気透過性が劣る基板を用いると、例
え電極の導電層自体の耐透気性、耐水蒸気透過性が高く
ても実際に液晶セルとして使用する場合、導電層はエッ
チングされ、パターンニングされるため、そのような導
電層のない部分から水蒸気が浸透し、液晶部に気泡が発
生し、表示不能点となってディスプレーの表示品位を劣
化させてしまう。特に屋外用等の過酷な条件下ではこの
欠点が容易に発生し大きな問題となる。
え電極の導電層自体の耐透気性、耐水蒸気透過性が高く
ても実際に液晶セルとして使用する場合、導電層はエッ
チングされ、パターンニングされるため、そのような導
電層のない部分から水蒸気が浸透し、液晶部に気泡が発
生し、表示不能点となってディスプレーの表示品位を劣
化させてしまう。特に屋外用等の過酷な条件下ではこの
欠点が容易に発生し大きな問題となる。
【0007】本発明は、かかる問題がなく、耐透気性、
耐水蒸気透過性、光学特性が良好な上、溶剤的影響を加
えても、その表示品質に劣化を起こさないという信頼性
の高い優れた液晶表示素子を提供することを目的とす
る。
耐水蒸気透過性、光学特性が良好な上、溶剤的影響を加
えても、その表示品質に劣化を起こさないという信頼性
の高い優れた液晶表示素子を提供することを目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的は、以下の本発
明により達成される。すなわち、本発明は、プラスチッ
クフィルム上に透明導電層を積層した透明導電性フィル
ムからなる透明電極の間に液晶層を封入した液晶表示素
子において、両透明電極がプラスチックフィルムの一方
の面に耐溶剤性樹脂層が積層され、他方の面にアンカー
コート層、ポリビニルアルコール系樹脂層、耐溶剤性樹
脂層及び透明導電層が順次積層された積層体で、少なく
ともその透明導電層直下の耐溶剤性樹脂層がノボラック
型エポキシ系樹脂又はシリコーン系樹脂の硬化物層であ
る透明導電性フィルムからなり、透明導電層が液晶層側
になるように配置されたことを特徴とする液晶表示素子
である。
明により達成される。すなわち、本発明は、プラスチッ
クフィルム上に透明導電層を積層した透明導電性フィル
ムからなる透明電極の間に液晶層を封入した液晶表示素
子において、両透明電極がプラスチックフィルムの一方
の面に耐溶剤性樹脂層が積層され、他方の面にアンカー
コート層、ポリビニルアルコール系樹脂層、耐溶剤性樹
脂層及び透明導電層が順次積層された積層体で、少なく
ともその透明導電層直下の耐溶剤性樹脂層がノボラック
型エポキシ系樹脂又はシリコーン系樹脂の硬化物層であ
る透明導電性フィルムからなり、透明導電層が液晶層側
になるように配置されたことを特徴とする液晶表示素子
である。
【0009】上述の本発明は、以下のようにしてなされ
たものである。従来の透明導電層を積層したプラスチッ
クフィルム面の反対面にポリビニルアルコール系樹脂層
が積層されたガスバリアー性の透明導電性フィルムは、
透明導電層を液晶層側にして液晶表示素子を構成したと
きに、高湿度環境下での耐水蒸気透過性が悪く、かつ外
部からの液晶層への水分侵入の方が外部への水分放出よ
りも起こりやすいことが判った。本発明はこの知見を基
に新たな耐溶剤層を組み合わせることにより、前記目的
が達成されることを見出し、なされたものである。
たものである。従来の透明導電層を積層したプラスチッ
クフィルム面の反対面にポリビニルアルコール系樹脂層
が積層されたガスバリアー性の透明導電性フィルムは、
透明導電層を液晶層側にして液晶表示素子を構成したと
きに、高湿度環境下での耐水蒸気透過性が悪く、かつ外
部からの液晶層への水分侵入の方が外部への水分放出よ
りも起こりやすいことが判った。本発明はこの知見を基
に新たな耐溶剤層を組み合わせることにより、前記目的
が達成されることを見出し、なされたものである。
【0010】以下本発明の詳細を説明する。
【0011】本発明で用いることのできるプラスチック
フィルムについては、液晶用途として公知のものが全て
適用できるが、光学特性、熱特性の点から、ポリアリレ
ートや、ポリカーボネートが好ましい。
フィルムについては、液晶用途として公知のものが全て
適用できるが、光学特性、熱特性の点から、ポリアリレ
ートや、ポリカーボネートが好ましい。
【0012】プラスチックフィルムでは、通常、平均分
子量が高くなればガラス転移温度も向上する。また、機
械特性も向上する。その様な観点から、特にポリカーボ
ネートについてはビスフェノールAのみからなるビスフ
ェノール成分よりなるポリカーボネートを用いる場合、
分子量30,000以上でガラス転移温度150℃以上
のポリカーボネートであることが好ましい。また、耐熱
性向上のため、共重合成分として、例えば9,9ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンあるいは1,1
ビス(4−ヒドロキシフェニル)3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン等を入れても差し支えない。ただし、
最適な平均分子量、共重合条件の選択は、耐熱性と機械
特性及び経済性のバランスで実施される。ここで、平均
分子量とは、数平均分子量のことであり、GPC等の公
知の測定手段で簡便に決定することができる。
子量が高くなればガラス転移温度も向上する。また、機
械特性も向上する。その様な観点から、特にポリカーボ
ネートについてはビスフェノールAのみからなるビスフ
ェノール成分よりなるポリカーボネートを用いる場合、
分子量30,000以上でガラス転移温度150℃以上
のポリカーボネートであることが好ましい。また、耐熱
性向上のため、共重合成分として、例えば9,9ビス
(4−ヒドロキシフェニル)フルオレンあるいは1,1
ビス(4−ヒドロキシフェニル)3,3,5−トリメチ
ルシクロヘキサン等を入れても差し支えない。ただし、
最適な平均分子量、共重合条件の選択は、耐熱性と機械
特性及び経済性のバランスで実施される。ここで、平均
分子量とは、数平均分子量のことであり、GPC等の公
知の測定手段で簡便に決定することができる。
【0013】本発明で用いることのできる耐溶剤性樹脂
層は、素子製造の各工程で必要とされる耐有機溶剤性、
耐アルカリ性、耐エッチング液性を同時に満足する高度
な耐溶剤性を積層フィルムに付与することのできる材料
からなる層である。この様な材料としては、エポキシ系
樹脂硬化物、シリコーン系樹脂硬化物等が例示される。
層は、素子製造の各工程で必要とされる耐有機溶剤性、
耐アルカリ性、耐エッチング液性を同時に満足する高度
な耐溶剤性を積層フィルムに付与することのできる材料
からなる層である。この様な材料としては、エポキシ系
樹脂硬化物、シリコーン系樹脂硬化物等が例示される。
【0014】エポキシ系樹脂硬化物では、特に次の一般
式(1)で示されるノボラック型のエポキシ系硬化性樹
脂の硬化物が特に好ましい。
式(1)で示されるノボラック型のエポキシ系硬化性樹
脂の硬化物が特に好ましい。
【0015】
【化2】
【0016】ここで、R1 はHまたはCH3 、R2 はH
またはグリシジルフェニルエーテル基、nは1から50
の整数を示す。なお、nは一般的に分布を持っており、
ある数を特定できないが、平均の数としては大きい方が
より好ましく、3以上さらには5以上が良い。
またはグリシジルフェニルエーテル基、nは1から50
の整数を示す。なお、nは一般的に分布を持っており、
ある数を特定できないが、平均の数としては大きい方が
より好ましく、3以上さらには5以上が良い。
【0017】また、この様なエポキシ系樹脂を硬化させ
る硬化剤としては、公知の物が適用される。例えば、ア
ミン系ポリアミノアミド系、酸及び酸無水物、イミダゾ
ール、メルカプタン、フェノール樹脂等の硬化剤が用い
られる。
る硬化剤としては、公知の物が適用される。例えば、ア
ミン系ポリアミノアミド系、酸及び酸無水物、イミダゾ
ール、メルカプタン、フェノール樹脂等の硬化剤が用い
られる。
【0018】また、シリコーン系樹脂硬化物層のシリコ
ーン系硬化性樹脂としては、公知の各種のシリコーン系
樹脂が適用できるが、中でもトリアルコキシシランを4
0重量%以上含むものが好ましい。トリアルコキシシラ
ンが40重量%未満で、テトラアルコキシシランの含有
量が多いと得られる層が硬くなり過ぎて層にクラックが
入ったり、可撓性が悪くなる。また、ジアルコキシシラ
ン、モノアルコキシシランが多くなると目的とする耐溶
剤性が十分でなくなる。
ーン系硬化性樹脂としては、公知の各種のシリコーン系
樹脂が適用できるが、中でもトリアルコキシシランを4
0重量%以上含むものが好ましい。トリアルコキシシラ
ンが40重量%未満で、テトラアルコキシシランの含有
量が多いと得られる層が硬くなり過ぎて層にクラックが
入ったり、可撓性が悪くなる。また、ジアルコキシシラ
ン、モノアルコキシシランが多くなると目的とする耐溶
剤性が十分でなくなる。
【0019】ここでトリアルコキシシランとしては、メ
チルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン等である。他の成分としては、テトラ
アルコキシシラン、ジアルコキシシラン、モノアルコキ
シシラン、コロイダルシリカ等が挙げられる。テトラア
ルコキシシランとしてはメチルシリケート、エチルシリ
ケート、プロピルシリケート等である。ジアルコキシシ
ランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン等であり、
モノアルコキシシランとしては、トリメチルメトキシシ
ラン等である。
チルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、
ビニルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピ
ルトリメトキシシラン、β−(3,4エポキシシクロヘ
キシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシ
プロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリ
メトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプ
ロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルト
リメトキシシラン等である。他の成分としては、テトラ
アルコキシシラン、ジアルコキシシラン、モノアルコキ
シシラン、コロイダルシリカ等が挙げられる。テトラア
ルコキシシランとしてはメチルシリケート、エチルシリ
ケート、プロピルシリケート等である。ジアルコキシシ
ランとしては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジ
エトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン等であり、
モノアルコキシシランとしては、トリメチルメトキシシ
ラン等である。
【0020】本発明のシリコーン系硬化性樹脂には、透
明性を損なわない範囲で、接着性改善等の面より、アク
リル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミ
ン樹脂、ポリビニールアルコール系樹脂、尿素樹脂等を
添加することが可能である。
明性を損なわない範囲で、接着性改善等の面より、アク
リル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、メラミ
ン樹脂、ポリビニールアルコール系樹脂、尿素樹脂等を
添加することが可能である。
【0021】このトリアルコキシシランが40%以上含
むシリコーン系硬化性樹脂には、硬化をより促進するた
めに塩酸、酢酸等の酸性水溶液を添加することが好まし
い。また、上記組成物は揮発性溶媒によって希釈するこ
とも可能で、その溶媒としては、アルコール類、エステ
ル類、エーテル類、ケトン類及びこれらの混合溶媒等が
挙げられる。
むシリコーン系硬化性樹脂には、硬化をより促進するた
めに塩酸、酢酸等の酸性水溶液を添加することが好まし
い。また、上記組成物は揮発性溶媒によって希釈するこ
とも可能で、その溶媒としては、アルコール類、エステ
ル類、エーテル類、ケトン類及びこれらの混合溶媒等が
挙げられる。
【0022】この様な耐溶剤性樹脂層をポリマーフィル
ム上に積層する場合、接着性を向上させる目的で、事前
にポリマーフィルム上にアンカーコート層を設ける場合
もある。
ム上に積層する場合、接着性を向上させる目的で、事前
にポリマーフィルム上にアンカーコート層を設ける場合
もある。
【0023】耐溶剤性樹脂層用も含め、ここで用いるこ
とのできるアンカーコート層は、ポリマーフィルムと耐
溶剤性樹脂層あるいはポリビニルアルコール系樹脂層と
を接着する目的で積層するものである。その様なアンカ
ーコート材料としては親水基を有するポリエステル樹
脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹
脂,フェノキシエーテル樹脂,フェノキシエステル樹脂
等のフェノキシ系樹脂の硬化物、及びイオン高分子錯体
よりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましく適用
される。
とのできるアンカーコート層は、ポリマーフィルムと耐
溶剤性樹脂層あるいはポリビニルアルコール系樹脂層と
を接着する目的で積層するものである。その様なアンカ
ーコート材料としては親水基を有するポリエステル樹
脂、アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、フェノキシ樹
脂,フェノキシエーテル樹脂,フェノキシエステル樹脂
等のフェノキシ系樹脂の硬化物、及びイオン高分子錯体
よりなる群から選ばれた少なくとも1種が好ましく適用
される。
【0024】中でも、連続的に積層するときの工程上の
観点から、アンカーコート層を形成した後のその表面に
タック性、すなわち積層表面の接着性、粘着性が残らな
いものが良い。すなわち、連続的にポリマーフィルム上
にアンカーコート層を積層した積層フィルムは、ロール
状に巻き取る方が容易であり、そのときにアンカーコー
ト層表面にタック性が残っている場合、積層フィルム同
士が接着してしまう。その様な観点からアクリル樹脂、
ポリウレタン樹脂、フェノキシ系樹脂硬化物がより好ま
しい。
観点から、アンカーコート層を形成した後のその表面に
タック性、すなわち積層表面の接着性、粘着性が残らな
いものが良い。すなわち、連続的にポリマーフィルム上
にアンカーコート層を積層した積層フィルムは、ロール
状に巻き取る方が容易であり、そのときにアンカーコー
ト層表面にタック性が残っている場合、積層フィルム同
士が接着してしまう。その様な観点からアクリル樹脂、
ポリウレタン樹脂、フェノキシ系樹脂硬化物がより好ま
しい。
【0025】ここで言うポリウレタン樹脂とはウレタン
結合をポリマー骨格に有するポリマーで、これ単独でも
アンカーコート剤として機能するが、ポリマー中あるい
はポリマー末端に水酸基を有するものであれば、多官能
イソシアネート化合物を添加し、硬化させたものでも良
い。
結合をポリマー骨格に有するポリマーで、これ単独でも
アンカーコート剤として機能するが、ポリマー中あるい
はポリマー末端に水酸基を有するものであれば、多官能
イソシアネート化合物を添加し、硬化させたものでも良
い。
【0026】多官能イソシアネート化合物としては、1
分子中にイソシアネート基を2つ以上含有する化合物で
あればよく、以下の物が例示される。
分子中にイソシアネート基を2つ以上含有する化合物で
あればよく、以下の物が例示される。
【0027】2,6−トリレンジイソシアネート、2,
4−トリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネ
ート−トリメチロールプロパンアダクト体、t−シクロ
ヘキサン−1,4−ジイソシアネート、m−フェニレン
ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3,6−ヘキサ
メチレントリイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添
キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,
4′−ジイソシアネート、水添ジフェニルメタン−4,
4′−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リ
ジンエステルトリイソシアネート、トリフェニルメタン
トリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニ
ル)チオホスフェート、m−テトラメチルキシリレンジ
イソシアネート、p−テトラメチルキシリレンジイソシ
アネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネー
ト、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメ
チルオクタン、ビシクロヘプタントリイソシアネート、
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネート等のポリイソシアネートおよびそれらの混合物あ
るいは多価アルコール付加体等。
4−トリレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネ
ート−トリメチロールプロパンアダクト体、t−シクロ
ヘキサン−1,4−ジイソシアネート、m−フェニレン
ジイソシアネート、p−フェニレンジイソシアネート、
ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3,6−ヘキサ
メチレントリイソシアネート、イソホロンジイソシアネ
ート、1,5−ナフタレンジイソシアネート、トリジン
ジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、水添
キシリレンジイソシアネート、ジフェニルメタン−4,
4′−ジイソシアネート、水添ジフェニルメタン−4,
4′−ジイソシアネート、リジンジイソシアネート、リ
ジンエステルトリイソシアネート、トリフェニルメタン
トリイソシアネート、トリス(イソシアネートフェニ
ル)チオホスフェート、m−テトラメチルキシリレンジ
イソシアネート、p−テトラメチルキシリレンジイソシ
アネート、1,6,11−ウンデカントリイソシアネー
ト、1,8−ジイソシアネート−4−イソシアネートメ
チルオクタン、ビシクロヘプタントリイソシアネート、
2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネー
ト、2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシア
ネート等のポリイソシアネートおよびそれらの混合物あ
るいは多価アルコール付加体等。
【0028】この中でも特に汎用性、反応性の観点から
2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレン
ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート−トリメ
チロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシ
アネートが好ましい。
2,6−トリレンジイソシアネート、2,4−トリレン
ジイソシアネート、トリレンジイソシアネート−トリメ
チロールプロパンアダクト体、ヘキサメチレンジイソシ
アネートが好ましい。
【0029】また、フェノキシ系樹脂硬化物には、下記
一般式(2)で示されるフェノキシ樹脂、フェノキシエ
ーテル樹脂、フェノキシエステル樹脂を多官能イソシア
ネート化合物で硬化させたものが好ましく適用される。
一般式(2)で示されるフェノキシ樹脂、フェノキシエ
ーテル樹脂、フェノキシエステル樹脂を多官能イソシア
ネート化合物で硬化させたものが好ましく適用される。
【0030】
【化3】
【0031】ここでR1 からR6 は、同一または異なる
水素または炭素数1から3のアルキル基、R7 は炭素数
2から5のアルキレン基、Xはエーテル基、エステル
基、mは0から3の整数、nは20から300の整数を
それぞれ意味する。
水素または炭素数1から3のアルキル基、R7 は炭素数
2から5のアルキレン基、Xはエーテル基、エステル
基、mは0から3の整数、nは20から300の整数を
それぞれ意味する。
【0032】その中でも特にR1 ,R2 はメチル基、R
3 ,R4 ,R5 及びR6 は水素、R 7 はペンチレン基の
ものが、合成が容易でコスト面から好ましい。
3 ,R4 ,R5 及びR6 は水素、R 7 はペンチレン基の
ものが、合成が容易でコスト面から好ましい。
【0033】ところで、この様な積層構成の積層フィル
ムにおいて、そのガス透過度、水蒸気透過度は、液晶表
示パネルの劣化防止の面から、ガス透過度は25℃,0
%RHで1cc/m2 ・日・atm以下、水蒸気透過度
は40℃,90%RHで20g/m2 ・日・atm以下
であることが好ましい。
ムにおいて、そのガス透過度、水蒸気透過度は、液晶表
示パネルの劣化防止の面から、ガス透過度は25℃,0
%RHで1cc/m2 ・日・atm以下、水蒸気透過度
は40℃,90%RHで20g/m2 ・日・atm以下
であることが好ましい。
【0034】なお、本発明でのガス透過度は、MOCO
N社製オキシトラン2/20MLを用いて25℃,0%
RHで測定した、等圧法による酸素透過度の値であり、
水蒸気透過度はMOCON社製パーマトランW1Aを用
いて、40℃,90%RHで測定した値である。このと
き、水蒸気透過度は、測定フィルム面の一方が40℃で
90%RH、他面が40℃で0%RHに近い湿度とな
る。そのため、積層フィルムの積層材料特性が湿度によ
り大きく変化する場合、測定値はサンプル設置への積層
フィルム面の設置方向により変化する。この様な透明導
電性フィルムで液晶表示素子を構成したときには、液晶
表示素子外部から内部への水蒸気透過度が20g/m2
・日・atm以下であることが好ましい。
N社製オキシトラン2/20MLを用いて25℃,0%
RHで測定した、等圧法による酸素透過度の値であり、
水蒸気透過度はMOCON社製パーマトランW1Aを用
いて、40℃,90%RHで測定した値である。このと
き、水蒸気透過度は、測定フィルム面の一方が40℃で
90%RH、他面が40℃で0%RHに近い湿度とな
る。そのため、積層フィルムの積層材料特性が湿度によ
り大きく変化する場合、測定値はサンプル設置への積層
フィルム面の設置方向により変化する。この様な透明導
電性フィルムで液晶表示素子を構成したときには、液晶
表示素子外部から内部への水蒸気透過度が20g/m2
・日・atm以下であることが好ましい。
【0035】ガス透過度が1cc/m2 ・日・atmよ
りも多い、あるいは素子外部から内部への水蒸気透過度
20g/m2 ・日・atmよりも多いフィルムを用いた
透明電極基板2枚で7μm厚の液晶を挟持し、封止剤で
密閉して液晶セルを構成し、60℃で90%RHという
条件下で1000時間の加速耐久試験を行ったところ、
液晶層中に気泡が発生した。従って、実用面から上述の
範囲が好ましい。
りも多い、あるいは素子外部から内部への水蒸気透過度
20g/m2 ・日・atmよりも多いフィルムを用いた
透明電極基板2枚で7μm厚の液晶を挟持し、封止剤で
密閉して液晶セルを構成し、60℃で90%RHという
条件下で1000時間の加速耐久試験を行ったところ、
液晶層中に気泡が発生した。従って、実用面から上述の
範囲が好ましい。
【0036】本発明のガスバリア層に用いられるポリビ
ニルアルコール系樹脂層は、ビニルアルコール成分、ビ
ニルアルコール共重合体成分よりなる群から選ばれた少
なくとも1種を50モル%以上含有する高分子樹脂が好
適に使用されている。
ニルアルコール系樹脂層は、ビニルアルコール成分、ビ
ニルアルコール共重合体成分よりなる群から選ばれた少
なくとも1種を50モル%以上含有する高分子樹脂が好
適に使用されている。
【0037】これらの高分子樹脂は、酸素透過係数とし
て、0.1cc/m2 ・日・atm・mm以下の値を示
し、このガスバリア層の厚みとして実用的な100μm
以下で前述の基準のガス透過度1cc/m2 ・日・at
m以下を達成することができる。
て、0.1cc/m2 ・日・atm・mm以下の値を示
し、このガスバリア層の厚みとして実用的な100μm
以下で前述の基準のガス透過度1cc/m2 ・日・at
m以下を達成することができる。
【0038】これ以外の樹脂、例えば、ポリメチルメタ
クリレートをガスバリア層とする場合、ガス透過度を1
cc/m2 ・日・atm以下とするには、ガスバリア層
自体の厚みを6mm以上にする必要があるため、透明導
電性フィルムとして実用的でない。
クリレートをガスバリア層とする場合、ガス透過度を1
cc/m2 ・日・atm以下とするには、ガスバリア層
自体の厚みを6mm以上にする必要があるため、透明導
電性フィルムとして実用的でない。
【0039】この様に、ポリビニルアルコール系樹脂は
非常に高いガスバリア性を有しているが、親水性樹脂の
ため、前述の通り水蒸気バリア性が劣ってしまう欠点が
ある。そのために、前記公報に記載されているように、
水蒸気バリア性を有する保護層が必要となる。
非常に高いガスバリア性を有しているが、親水性樹脂の
ため、前述の通り水蒸気バリア性が劣ってしまう欠点が
ある。そのために、前記公報に記載されているように、
水蒸気バリア性を有する保護層が必要となる。
【0040】また、ポリビニルアルコール系樹脂の水蒸
気透過係数は、湿度により大きく変化し、湿度が高くな
るにつれて高い水蒸気透過係数となる。例えば、ポリビ
ニルアルコール系樹脂を積層した積層フィルムについ
て、ポリビニルアルコール系樹脂層側を90%RHにし
て水蒸気透過度を測定した値(この値をSAとする)
と、その反対側を90%RHにして測定した値(この値
をSBとする)を比較した場合、SA>SBとなってし
まう。すなわち、ポリビニルアルコール系樹脂層側と反
対面に透明導電層を有する透明導電フィルムを基板とし
て液晶表示素子を構成したときに、積層フィルムの特性
として、素子外部から内部への水蒸気透過度(この値を
SCとする)と、素子内部から外部への水蒸気透過度
(この値をSDとする)を比較した場合、SC>SDと
なってしまう。
気透過係数は、湿度により大きく変化し、湿度が高くな
るにつれて高い水蒸気透過係数となる。例えば、ポリビ
ニルアルコール系樹脂を積層した積層フィルムについ
て、ポリビニルアルコール系樹脂層側を90%RHにし
て水蒸気透過度を測定した値(この値をSAとする)
と、その反対側を90%RHにして測定した値(この値
をSBとする)を比較した場合、SA>SBとなってし
まう。すなわち、ポリビニルアルコール系樹脂層側と反
対面に透明導電層を有する透明導電フィルムを基板とし
て液晶表示素子を構成したときに、積層フィルムの特性
として、素子外部から内部への水蒸気透過度(この値を
SCとする)と、素子内部から外部への水蒸気透過度
(この値をSDとする)を比較した場合、SC>SDと
なってしまう。
【0041】実際の素子においては外部から内部への水
蒸気侵入がしにくく、内部から外部への水蒸気放出がし
易い、すなわち、SC<SDとなるような基板を用いる
ことが好ましい。さらに好ましくは、SD−SC≧10
g/m2 ・日・atmとすることにより、水蒸気透過度
に方向性を与える効果が明確になる。
蒸気侵入がしにくく、内部から外部への水蒸気放出がし
易い、すなわち、SC<SDとなるような基板を用いる
ことが好ましい。さらに好ましくは、SD−SC≧10
g/m2 ・日・atmとすることにより、水蒸気透過度
に方向性を与える効果が明確になる。
【0042】そのため、本発明においては、プラスチッ
クフィルムに対して、透明導電層を設ける側にガスバリ
ア層のポリビニルアルコール系樹脂層を設けた構成とし
ているので、液晶表示素子にしたときに、積層体特性と
してガスバリア性と、外部からの水蒸気バリア性すなわ
ちSCをそれぞれ1cc/m2 ・日・atm以下、20
g/m2 ・日・atm以下に保ちつつ、SC<SDとす
ることができる。
クフィルムに対して、透明導電層を設ける側にガスバリ
ア層のポリビニルアルコール系樹脂層を設けた構成とし
ているので、液晶表示素子にしたときに、積層体特性と
してガスバリア性と、外部からの水蒸気バリア性すなわ
ちSCをそれぞれ1cc/m2 ・日・atm以下、20
g/m2 ・日・atm以下に保ちつつ、SC<SDとす
ることができる。
【0043】透明導電性フィルムはこの様な積層フィル
ムの表面に透明導電層を設けることで達成できる。そし
て、この様な表面平滑性の高い透明導電層は蒸着法、ス
パッタリング法などの公知の手段で設けることができ
る。
ムの表面に透明導電層を設けることで達成できる。そし
て、この様な表面平滑性の高い透明導電層は蒸着法、ス
パッタリング法などの公知の手段で設けることができ
る。
【0044】そして、透明導電層は、主として非結晶性
のインジウム酸化物からなり、その組成分として錫を5
〜15重量%含有し、かつ、透明導電層の膜厚が20〜
200nmの範囲にあることが好ましい。
のインジウム酸化物からなり、その組成分として錫を5
〜15重量%含有し、かつ、透明導電層の膜厚が20〜
200nmの範囲にあることが好ましい。
【0045】結晶性の高いインジウム酸化物は、非結晶
性のものと比較すると、透明性、導電性が高く、透明電
極材料として好ましいが、屈曲性の高いフィルム上に結
晶性の膜を製膜し、このフィルムを屈曲したときには割
れやすく、取扱性が悪くなってしまう。
性のものと比較すると、透明性、導電性が高く、透明電
極材料として好ましいが、屈曲性の高いフィルム上に結
晶性の膜を製膜し、このフィルムを屈曲したときには割
れやすく、取扱性が悪くなってしまう。
【0046】なお、本発明ではインジウム酸化物の結晶
性、非結晶性を次のように定義する。製膜したインジウ
ム酸化物の表面を透過型電子顕微鏡で観察したときに、
非晶質膜面に点在する高々100nm程度の大きさの微
結晶が観察される。この観察方法で、単位体積(100
μm2 )あたりの微結晶粒の面積割合が20%以下の場
合を非結晶性と定義する。
性、非結晶性を次のように定義する。製膜したインジウ
ム酸化物の表面を透過型電子顕微鏡で観察したときに、
非晶質膜面に点在する高々100nm程度の大きさの微
結晶が観察される。この観察方法で、単位体積(100
μm2 )あたりの微結晶粒の面積割合が20%以下の場
合を非結晶性と定義する。
【0047】インジウム酸化物は本来透明な電気絶縁体
であるが、微量の不純物を含有する場合や、わずかに酸
素不足の場合には半導体になる。好ましい半導体金属酸
化物としては、不純物として、錫、またはフッ素を含む
インジウム酸化物を挙げることができ、特に好ましく
は、錫を5〜15重量%含有するインジウム酸化物が、
高い透明性を保ちつつ、良好な導電性を示す。
であるが、微量の不純物を含有する場合や、わずかに酸
素不足の場合には半導体になる。好ましい半導体金属酸
化物としては、不純物として、錫、またはフッ素を含む
インジウム酸化物を挙げることができ、特に好ましく
は、錫を5〜15重量%含有するインジウム酸化物が、
高い透明性を保ちつつ、良好な導電性を示す。
【0048】そして、その厚さとしては、20〜200
nmの範囲がふさわしい。20nmよりも薄いと、電気
的に面積抵抗が高くなり、良好な透明導電フィルムとし
て活用しにくくなる。また、200nmよりも厚くなる
と、透明導電性フィルムの550nm光線透過率とし
て、80%以上の値を得難くなる上、屈曲したときに容
易に割れてしまい、取扱が困難となる。
nmの範囲がふさわしい。20nmよりも薄いと、電気
的に面積抵抗が高くなり、良好な透明導電フィルムとし
て活用しにくくなる。また、200nmよりも厚くなる
と、透明導電性フィルムの550nm光線透過率とし
て、80%以上の値を得難くなる上、屈曲したときに容
易に割れてしまい、取扱が困難となる。
【0049】ここで550nmの光線透過率は透明導電
性フィルムの透明性を表す指標で、公知の可視分光光度
計を用い、550nmにおける平行光線透過率を表す。
性フィルムの透明性を表す指標で、公知の可視分光光度
計を用い、550nmにおける平行光線透過率を表す。
【0050】以下本発明の実施例を比較例と共に説明す
る。なお、実施例、比較例における「部」は、重量部で
ある。
る。なお、実施例、比較例における「部」は、重量部で
ある。
【0051】
〔実施例1〕ビスフェノール成分がビスフェノールAの
みからなる平均分子量37,000のポリカーボネート
樹脂を用いて溶液流延法により以下のようにポリカーボ
ネートフィルムを製膜した。
みからなる平均分子量37,000のポリカーボネート
樹脂を用いて溶液流延法により以下のようにポリカーボ
ネートフィルムを製膜した。
【0052】すなわち、該ポリカーボネート樹脂を溶媒
のメチレンクロライドに濃度20重量%に溶解して得ら
れた溶液をダイコーティング法により厚さ175μmの
ポリエステルフィルム上に流延して、製膜した。次い
で、乾燥工程で溶媒を残留溶媒濃度が13重量%になる
まで蒸発除去した後に、ポリエステルフィルムからポリ
カーボネートフィルムを剥離した。得られたポリカーボ
ネートフィルムを温度120℃の乾燥炉中で、縦横の張
力をバランスさせながら、残留溶媒濃度が0.08重量
%になるまで乾燥した。
のメチレンクロライドに濃度20重量%に溶解して得ら
れた溶液をダイコーティング法により厚さ175μmの
ポリエステルフィルム上に流延して、製膜した。次い
で、乾燥工程で溶媒を残留溶媒濃度が13重量%になる
まで蒸発除去した後に、ポリエステルフィルムからポリ
カーボネートフィルムを剥離した。得られたポリカーボ
ネートフィルムを温度120℃の乾燥炉中で、縦横の張
力をバランスさせながら、残留溶媒濃度が0.08重量
%になるまで乾燥した。
【0053】こうして得られたフィルムは、厚みが10
2μmであった。
2μmであった。
【0054】次いで、このポリカーボネートフィルムの
一方の面上に、2μmのアンカーコート層、6μmのガ
スバリア層を、さらにこの積層体の両面に8μmの耐溶
剤性樹脂層をそれぞれ以下のようにして順次形成して積
層フィルムを作製した。
一方の面上に、2μmのアンカーコート層、6μmのガ
スバリア層を、さらにこの積層体の両面に8μmの耐溶
剤性樹脂層をそれぞれ以下のようにして順次形成して積
層フィルムを作製した。
【0055】アンカーコート層は、硬化したフェノキシ
樹脂とし、具体的にはフェノキシ樹脂の東都化成(株)
製フェノトートYP−50を用い、この20部と溶媒の
メチルエチルケトン50部と2−エトキシエチルアセテ
ート30部を混合した後、これに硬化剤のイソシアネー
ト成分として武田薬品工業(株)製A3を20部混合し
た溶液をポリカーボネートフィルム上にマイヤーバーを
用いて塗工し、130℃で15分熱処理して形成した。
樹脂とし、具体的にはフェノキシ樹脂の東都化成(株)
製フェノトートYP−50を用い、この20部と溶媒の
メチルエチルケトン50部と2−エトキシエチルアセテ
ート30部を混合した後、これに硬化剤のイソシアネー
ト成分として武田薬品工業(株)製A3を20部混合し
た溶液をポリカーボネートフィルム上にマイヤーバーを
用いて塗工し、130℃で15分熱処理して形成した。
【0056】ガスバリア層は、ポリビニルアルコールと
し、具体的には(株)クラレ製のPVA−117を用
い、この15部と水85部を加熱混合したものをアンカ
ーコート層上にマイヤーバーを用いて塗工し、110℃
で30分熱処理することで形成した。
し、具体的には(株)クラレ製のPVA−117を用
い、この15部と水85部を加熱混合したものをアンカ
ーコート層上にマイヤーバーを用いて塗工し、110℃
で30分熱処理することで形成した。
【0057】耐溶剤性樹脂層は、クレゾールノボラック
型エポキシ樹脂硬化物とし、具体的にはクレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂として日本化薬(株)製EOCN
ー104Sを100部と、溶媒としてメチルエチルケト
ン150部を混合した後、メチルヘキサヒドロ無水フタ
ル酸74部、1,8ージアザビシクロ(5,4,0)ウ
ンデセン5部を加え均一に混合したものを、ガスバリア
層上にマイヤーバーを用いて塗工し、100℃で3分熱
処理し、さらにそれとは反対のポリカーボネートフィル
ム面にも同じものを同様にマイヤーバーを用いて塗工
し、100℃で3分熱処理後、さらに135℃で60分
熱処理することで両面に形成した。
型エポキシ樹脂硬化物とし、具体的にはクレゾールノボ
ラック型エポキシ樹脂として日本化薬(株)製EOCN
ー104Sを100部と、溶媒としてメチルエチルケト
ン150部を混合した後、メチルヘキサヒドロ無水フタ
ル酸74部、1,8ージアザビシクロ(5,4,0)ウ
ンデセン5部を加え均一に混合したものを、ガスバリア
層上にマイヤーバーを用いて塗工し、100℃で3分熱
処理し、さらにそれとは反対のポリカーボネートフィル
ム面にも同じものを同様にマイヤーバーを用いて塗工
し、100℃で3分熱処理後、さらに135℃で60分
熱処理することで両面に形成した。
【0058】こうして得られた積層フィルムのの光線透
過率は89%であった。酸素透過度は0.03cc/m
2 ・日・atmであった。水蒸気透過度はSCが15g
/m 2 ・日・atm、SDが36g/m2 ・日・atm
であり、SCは十分な水蒸気バリア性を示していると同
時に、SC<SDであった。
過率は89%であった。酸素透過度は0.03cc/m
2 ・日・atmであった。水蒸気透過度はSCが15g
/m 2 ・日・atm、SDが36g/m2 ・日・atm
であり、SCは十分な水蒸気バリア性を示していると同
時に、SC<SDであった。
【0059】また、この積層フィルムについて、その各
サンプルを40℃の5%KOH水、25℃のアセトン、
50℃のnメチルピロリドンの各液中にそれぞれ浸漬
し、5分間放置するという耐溶剤製試験を行った。その
結果何ら変化も観られなかった。
サンプルを40℃の5%KOH水、25℃のアセトン、
50℃のnメチルピロリドンの各液中にそれぞれ浸漬
し、5分間放置するという耐溶剤製試験を行った。その
結果何ら変化も観られなかった。
【0060】次いで、この積層フィルムのガスバリア層
を設けた面側に透明導電層を積層した。透明導電層は、
インジウム−錫酸化物層を以下のようにスパッタリング
法により形成した。
を設けた面側に透明導電層を積層した。透明導電層は、
インジウム−錫酸化物層を以下のようにスパッタリング
法により形成した。
【0061】スパッタリングターゲットには組成が重量
比でインジウム/錫=90/10、充填密度が90%の
インジウム−錫酸化物ターゲットを用いた。そして、連
続スパッタ装置にこの積層フィルムをセットし、1.3
mPaの圧力まで排気した後、Ar/O2 =98.5/
1.5の体積混合比のガスを導入し、雰囲気圧力を0.
27Paにした。そしてフィルム温度を50℃に設定
し、投入電力密度1W/cm2 でDCスパッタリングを
行った。その結果得られた透明導電層は、結晶粒の存在
割合が面積比で0%であり、非結晶性であった。また膜
厚130nmであり、表面抵抗値が40Ω/□であっ
た。この表面抵抗値Ω/□は、単位正方形の対抗辺に電
極を配置して測定する正方形測定で測定した値である。
比でインジウム/錫=90/10、充填密度が90%の
インジウム−錫酸化物ターゲットを用いた。そして、連
続スパッタ装置にこの積層フィルムをセットし、1.3
mPaの圧力まで排気した後、Ar/O2 =98.5/
1.5の体積混合比のガスを導入し、雰囲気圧力を0.
27Paにした。そしてフィルム温度を50℃に設定
し、投入電力密度1W/cm2 でDCスパッタリングを
行った。その結果得られた透明導電層は、結晶粒の存在
割合が面積比で0%であり、非結晶性であった。また膜
厚130nmであり、表面抵抗値が40Ω/□であっ
た。この表面抵抗値Ω/□は、単位正方形の対抗辺に電
極を配置して測定する正方形測定で測定した値である。
【0062】この様にして得た透明導電性フィルムの5
50nmでの光線透過率は85%、ヘイズ値は0.7%
であった。なお、ヘイズ値は、日本電色製COH−30
0Aを用いて測定した値である。
50nmでの光線透過率は85%、ヘイズ値は0.7%
であった。なお、ヘイズ値は、日本電色製COH−30
0Aを用いて測定した値である。
【0063】次に、この透明導電性フィルムを用いて、
STNセルを作製し、温度60℃で相対湿度90%RH
の条件で1000時間の湿熱耐久性試験を行った。その
結果は、外観及び表示性能に何らの変化も観られなかっ
た。
STNセルを作製し、温度60℃で相対湿度90%RH
の条件で1000時間の湿熱耐久性試験を行った。その
結果は、外観及び表示性能に何らの変化も観られなかっ
た。
【0064】〔実施例2〕ユニチカ製ポリアリレートU
−100を、メチレンクロライドに25重量%溶解し
た。そしてこの溶液をダイコーティング法により厚さ1
75μmのポリエステルフィルム上に流延した。次い
で、乾燥炉で残留溶媒濃度を15重量%とし、ポリエス
テルフィルムから剥離した。そして、このポリアリレー
トフィルムを温度120℃の乾燥炉中で、縦横の張力を
バランスさせながら、残留溶媒濃度が0.08重量%に
なるまで乾燥した。
−100を、メチレンクロライドに25重量%溶解し
た。そしてこの溶液をダイコーティング法により厚さ1
75μmのポリエステルフィルム上に流延した。次い
で、乾燥炉で残留溶媒濃度を15重量%とし、ポリエス
テルフィルムから剥離した。そして、このポリアリレー
トフィルムを温度120℃の乾燥炉中で、縦横の張力を
バランスさせながら、残留溶媒濃度が0.08重量%に
なるまで乾燥した。
【0065】こうして得られたポリアリレートフィルム
は、厚みが101μmであった。
は、厚みが101μmであった。
【0066】このポリアリレートフィルムの一方の面上
に、2μmのアンカーコート層、7μmのガスバリア層
を、さらにこの積層体の両面に8μmの耐溶剤性樹脂層
をそれぞれ以下のようにして順次形成して積層フィルム
を作製した。
に、2μmのアンカーコート層、7μmのガスバリア層
を、さらにこの積層体の両面に8μmの耐溶剤性樹脂層
をそれぞれ以下のようにして順次形成して積層フィルム
を作製した。
【0067】アンカーコート層はポリウレタン樹脂硬化
物とし、具体的には武田薬品工業(株)製タケラックA
2071を100部に、硬化剤のイソシアネート成分と
して武田薬品工業(株)製A3を20部混合した溶液を
ポリアリレートフィルム上にマイヤーバーを用いて塗工
し、130℃で15分熱処理して形成した。
物とし、具体的には武田薬品工業(株)製タケラックA
2071を100部に、硬化剤のイソシアネート成分と
して武田薬品工業(株)製A3を20部混合した溶液を
ポリアリレートフィルム上にマイヤーバーを用いて塗工
し、130℃で15分熱処理して形成した。
【0068】ガスバリア層は、エチレンービニルアルコ
ール共重合体とし、具体的には(株)クラレ製のエバー
ルEPF101A(エチレン含有量32重量%)を用
い、この20部と、溶媒の水63部とn−プロピルアル
コール43部を加熱混合した溶液をアンカーコート層上
にマイヤーバーを用いて塗工し、110℃で30分熱処
理することで形成した。
ール共重合体とし、具体的には(株)クラレ製のエバー
ルEPF101A(エチレン含有量32重量%)を用
い、この20部と、溶媒の水63部とn−プロピルアル
コール43部を加熱混合した溶液をアンカーコート層上
にマイヤーバーを用いて塗工し、110℃で30分熱処
理することで形成した。
【0069】耐溶剤性樹脂層は、実施例1と同じクレゾ
ールノボラック型エポキシ樹脂硬化物とし、実施例1と
同じように形成した。
ールノボラック型エポキシ樹脂硬化物とし、実施例1と
同じように形成した。
【0070】こうして得られた積層フィルムの光線透過
率は90%であった。酸素透過度は0.9cc/m2 ・
日・atmであった。水蒸気透過度はSCが13g/m
2 ・日・atm、SDが26g/m2 ・日・atmであ
り、SCは十分な水蒸気バリア性を示していると同時
に、SC<SDであった。
率は90%であった。酸素透過度は0.9cc/m2 ・
日・atmであった。水蒸気透過度はSCが13g/m
2 ・日・atm、SDが26g/m2 ・日・atmであ
り、SCは十分な水蒸気バリア性を示していると同時
に、SC<SDであった。
【0071】また、この積層フィルムについて、その各
サンプルを40℃の5%KOH水、25℃のアセトン、
50℃のn−メチルピロリドンの各液中にそれぞれ浸漬
し、5分間放置するという耐溶剤製試験を行った。その
結果何ら変化も観られなかった。
サンプルを40℃の5%KOH水、25℃のアセトン、
50℃のn−メチルピロリドンの各液中にそれぞれ浸漬
し、5分間放置するという耐溶剤製試験を行った。その
結果何ら変化も観られなかった。
【0072】次いで、この積層フィルムのガスバリア層
を設けた面側に実施例1と同じようにして同じ透明導電
層を積層した。
を設けた面側に実施例1と同じようにして同じ透明導電
層を積層した。
【0073】この様にして得た透明導電性フィルムの5
50nmでの光線透過率は85%、ヘイズ値は0.7%
であった。
50nmでの光線透過率は85%、ヘイズ値は0.7%
であった。
【0074】次に、この透明導電性フィルムを用いて、
STNセルを作製し、温度60℃で相対湿度90%RH
の条件で1000時間の湿熱耐久性試験を行った。その
結果は、外観及び表示性能に何らの変化も観られなかっ
た。
STNセルを作製し、温度60℃で相対湿度90%RH
の条件で1000時間の湿熱耐久性試験を行った。その
結果は、外観及び表示性能に何らの変化も観られなかっ
た。
【0075】〔実施例3〕実施例1において、耐溶剤性
樹脂層を下記のシリコーン系樹脂の硬化物層とした以外
は、実施例1と同じ構成の透明導電性フィルムを作製し
た。
樹脂層を下記のシリコーン系樹脂の硬化物層とした以外
は、実施例1と同じ構成の透明導電性フィルムを作製し
た。
【0076】耐溶剤層は以下のように形成した。まず、
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン100部、メチ
ルトリメトキシシラン82部、ジメチルジメトキシシラ
ン14部及び0.01N塩酸64部を混合し、20℃で
3時間攪拌した。この組成物をガスバリア層上にマイヤ
ーバーを用いて塗工し、130℃で10分熱処理し、更
にそれとは反対のフィルム面に同じ組成物を同様にマイ
ヤーバーを用いて塗工し、130℃で10分熱処理し
て、各々3.5μmの膜厚の耐溶剤性樹脂層を形成し
た。
γ−アミノプロピルトリメトキシシラン100部、メチ
ルトリメトキシシラン82部、ジメチルジメトキシシラ
ン14部及び0.01N塩酸64部を混合し、20℃で
3時間攪拌した。この組成物をガスバリア層上にマイヤ
ーバーを用いて塗工し、130℃で10分熱処理し、更
にそれとは反対のフィルム面に同じ組成物を同様にマイ
ヤーバーを用いて塗工し、130℃で10分熱処理し
て、各々3.5μmの膜厚の耐溶剤性樹脂層を形成し
た。
【0077】こうして得られた透明導電層積層前の積層
フィルムの光線透過率は89%であった。酸素透過度は
0.03cc/m2 ・日・atmであった。水蒸気透過
度はSCが15g/m2 ・日・atm、SDが37g/
m2 ・日・atmであり、SCは十分な水蒸気バリア性
を示していると同時に、SC<SDであった。
フィルムの光線透過率は89%であった。酸素透過度は
0.03cc/m2 ・日・atmであった。水蒸気透過
度はSCが15g/m2 ・日・atm、SDが37g/
m2 ・日・atmであり、SCは十分な水蒸気バリア性
を示していると同時に、SC<SDであった。
【0078】また、この積層フィルムについて、その各
サンプルを40℃の5%KOH水、25℃のアセトン、
50℃のn−メチルピロリドンの各液中にそれぞれ浸漬
し、5分間放置するという耐溶剤製試験を行った。その
結果何ら変化も観られなかった。
サンプルを40℃の5%KOH水、25℃のアセトン、
50℃のn−メチルピロリドンの各液中にそれぞれ浸漬
し、5分間放置するという耐溶剤製試験を行った。その
結果何ら変化も観られなかった。
【0079】また、この積層フィルムのガスバリア層を
設けた面側に透明導電層を積層した透明導電性フィルム
の550nmでの光線透過率は85%、ヘイズ値は0.
6%であった。
設けた面側に透明導電層を積層した透明導電性フィルム
の550nmでの光線透過率は85%、ヘイズ値は0.
6%であった。
【0080】次に、この透明導電性フィルムを用いて、
STNセルを作製し、温度60℃で相対湿度90%RH
の条件で1000時間の湿熱耐久性試験を行った。その
結果は、外観及び表示性能に何らの変化も観られなかっ
た。
STNセルを作製し、温度60℃で相対湿度90%RH
の条件で1000時間の湿熱耐久性試験を行った。その
結果は、外観及び表示性能に何らの変化も観られなかっ
た。
【0081】〔比較例1〕実施例1において、透明導電
層を設ける面を積層フィルムのガスバリア層を設けた面
とは反対側の面とした以外は実施例1と同じ透明導電性
フィルムを作製した。
層を設ける面を積層フィルムのガスバリア層を設けた面
とは反対側の面とした以外は実施例1と同じ透明導電性
フィルムを作製した。
【0082】透明導電層を設ける前の積層フィルムの光
線透過率は90%であった。酸素透過度は0.03cc
/m2 ・日・atmであった。水蒸気透過度はSCが3
6g/m2 ・日・atm、SDが15g/m2 ・日・a
tmであり、SCは悪い水蒸気バリア性を示していると
同時に、SC>SDであった。
線透過率は90%であった。酸素透過度は0.03cc
/m2 ・日・atmであった。水蒸気透過度はSCが3
6g/m2 ・日・atm、SDが15g/m2 ・日・a
tmであり、SCは悪い水蒸気バリア性を示していると
同時に、SC>SDであった。
【0083】この透明導電性フィルムを用いて、STN
セルを作製し、実施例1,2と同様の湿熱耐久性試験を
行った。その結果は、液晶層中に直径1mm程度の気泡
が数個発生し、表示欠点となった。
セルを作製し、実施例1,2と同様の湿熱耐久性試験を
行った。その結果は、液晶層中に直径1mm程度の気泡
が数個発生し、表示欠点となった。
【0084】〔比較例2〕実施例1において、アンカー
コート層、ガスバリア層を設けず、実施例1のポリカー
ボネートフィルム両面に、直接実施例1と同じ耐溶剤層
のみを設け、実施例1と同じ透明導電層を積層した透明
導電性フィルムを作製した。
コート層、ガスバリア層を設けず、実施例1のポリカー
ボネートフィルム両面に、直接実施例1と同じ耐溶剤層
のみを設け、実施例1と同じ透明導電層を積層した透明
導電性フィルムを作製した。
【0085】透明導電層を積層する前の積層フィルムの
光線透過率は90%であった。酸素透過度は340cc
/m2 ・日・atmであった。水蒸気透過度はSCが3
0g/m2 ・日・atm、SDが30g/m2 ・日・a
tmであり、耐透気性が非常に悪かった。さらに、SC
は悪い水蒸気バリア性を示した。
光線透過率は90%であった。酸素透過度は340cc
/m2 ・日・atmであった。水蒸気透過度はSCが3
0g/m2 ・日・atm、SDが30g/m2 ・日・a
tmであり、耐透気性が非常に悪かった。さらに、SC
は悪い水蒸気バリア性を示した。
【0086】この透明導電性フィルムを用いて、STN
セルを作製し、実施例1,2と同様の湿熱耐久性試験を
行った。その結果は、液晶層中に直径1mm程度の気泡
が数個発生し、表示欠点となった。
セルを作製し、実施例1,2と同様の湿熱耐久性試験を
行った。その結果は、液晶層中に直径1mm程度の気泡
が数個発生し、表示欠点となった。
【0087】〔比較例3〕実施例1において、ガスバリ
ア層上には耐溶剤性樹脂層を設けない以外は実施例1と
同じ構成の透明導電性フィルムを作製した。
ア層上には耐溶剤性樹脂層を設けない以外は実施例1と
同じ構成の透明導電性フィルムを作製した。
【0088】透明導電層を設ける前の積層フィルムの光
線透過率は90%であった。酸素透過度は0.03cc
/m2 ・日・atmであった。水蒸気透過度はSCが1
5g/m2 ・日・atm、SDが36g/m2 ・日・a
tmであった。
線透過率は90%であった。酸素透過度は0.03cc
/m2 ・日・atmであった。水蒸気透過度はSCが1
5g/m2 ・日・atm、SDが36g/m2 ・日・a
tmであった。
【0089】また、透明導電性フィルムの550nmで
の光線透過率は85%、ヘイズ値は0.7%であった。
の光線透過率は85%、ヘイズ値は0.7%であった。
【0090】次に、この透明導電性フィルムを40℃の
5%KOH水中に浸漬し、5分間放置するという耐溶剤
製試験を行った。その結果透明導電層が剥離し、かつ、
ガスバリア層表面が荒れてしまった。そのため、透明導
電層のITOパターニング工程で、透明導電性フィルム
表面が荒らされ、均一な外観の液晶表示セルを作製でき
なかった。
5%KOH水中に浸漬し、5分間放置するという耐溶剤
製試験を行った。その結果透明導電層が剥離し、かつ、
ガスバリア層表面が荒れてしまった。そのため、透明導
電層のITOパターニング工程で、透明導電性フィルム
表面が荒らされ、均一な外観の液晶表示セルを作製でき
なかった。
【0091】〔比較例4〕実施例1において、耐溶剤性
樹脂層を下記の硬化したフェノキシ樹脂層とした以外
は、実施例1と同じ構成の透明導電性フィルムを作製し
た。
樹脂層を下記の硬化したフェノキシ樹脂層とした以外
は、実施例1と同じ構成の透明導電性フィルムを作製し
た。
【0092】耐溶剤性樹脂層の硬化したフェノキシ樹脂
は、具体的にはフェノキシ樹脂の東都化成(株)製フェ
ノトートYP−50を用い、この20部と溶媒のメチル
エチルケトン50部と2−エトキシエチルアセテート3
0部を混合した後、これに硬化剤のイソシアネート成分
として武田薬品工業(株)製A3を20部混合した溶液
をガスバリア層上にマイヤーバーを用いて塗工し、13
0℃で15分熱処理して形成した。さらにそれとは反対
のポリマーフィルム面にも同じ物を同様にマイヤーバー
を用いて塗工し、130℃で15分熱処理後、さらに1
30℃で120分熱処理することで両面に形成した。
は、具体的にはフェノキシ樹脂の東都化成(株)製フェ
ノトートYP−50を用い、この20部と溶媒のメチル
エチルケトン50部と2−エトキシエチルアセテート3
0部を混合した後、これに硬化剤のイソシアネート成分
として武田薬品工業(株)製A3を20部混合した溶液
をガスバリア層上にマイヤーバーを用いて塗工し、13
0℃で15分熱処理して形成した。さらにそれとは反対
のポリマーフィルム面にも同じ物を同様にマイヤーバー
を用いて塗工し、130℃で15分熱処理後、さらに1
30℃で120分熱処理することで両面に形成した。
【0093】この透明導電性フィルムを50℃のn−メ
チルピロリドン中に5分間浸漬したところ、耐溶剤性樹
脂層が膨潤し、形態が保持されなかった。
チルピロリドン中に5分間浸漬したところ、耐溶剤性樹
脂層が膨潤し、形態が保持されなかった。
【0094】〔比較例5〕実施例1において、アンカー
コート層を設けない以外は、実施例1と同じ構成の透明
導電性フィルムを作製した。
コート層を設けない以外は、実施例1と同じ構成の透明
導電性フィルムを作製した。
【0095】得られた導電性フィルムは、ポリカーボネ
ートフィルムとガスバリア層のポリビニルアルコール樹
脂層とは容易に剥離してしまった。この剥離強度を測定
したところ、4g/cmと非常に低い値であった。な
お、剥離強度は、JIS−K−7133規格のT型剥離
試験によって25℃で測定した。
ートフィルムとガスバリア層のポリビニルアルコール樹
脂層とは容易に剥離してしまった。この剥離強度を測定
したところ、4g/cmと非常に低い値であった。な
お、剥離強度は、JIS−K−7133規格のT型剥離
試験によって25℃で測定した。
【0096】
【発明の効果】本発明は、以上の通り、透明電極に用い
る透明導電性フィルムに関し、ガスバリア層のポリビニ
ルアルコール系樹脂層を特定の積層配置とすることによ
り水蒸気バリア性を最高度に発揮させると共に、耐溶剤
層に素子作製工程上必要とされる耐溶剤性を十分満足す
る特定の樹脂を用いることにより、プラスチックフィル
ム基板の液晶表示素子の品位に関わるガスバリア性、水
蒸気バリア性を向上させると同時に耐溶剤性も改善した
もので、液晶表示素子の耐久性、信頼性を向上させる効
果を奏するものである。
る透明導電性フィルムに関し、ガスバリア層のポリビニ
ルアルコール系樹脂層を特定の積層配置とすることによ
り水蒸気バリア性を最高度に発揮させると共に、耐溶剤
層に素子作製工程上必要とされる耐溶剤性を十分満足す
る特定の樹脂を用いることにより、プラスチックフィル
ム基板の液晶表示素子の品位に関わるガスバリア性、水
蒸気バリア性を向上させると同時に耐溶剤性も改善した
もので、液晶表示素子の耐久性、信頼性を向上させる効
果を奏するものである。
【0097】このように、本発明はプラスチック基板の
液晶表示素子の工業生産に大きな寄与をなすものであ
る。
液晶表示素子の工業生産に大きな寄与をなすものであ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 プラスチックフィルム上に透明導電層を
積層した透明導電性フィルムからなる透明電極の間に液
晶層を封入した液晶表示素子において、両透明電極がプ
ラスチックフィルムの一方の面に耐溶剤性樹脂層が積層
され、他方の面にアンカーコート層、ポリビニルアルコ
ール系樹脂層、耐溶剤性樹脂層及び透明導電層が順次積
層された積層体で、少なくともその透明導電層直下の耐
溶剤性樹脂層がノボラック型エポキシ系樹脂又はシリコ
ーン系樹脂の硬化物層である透明導電性フィルムからな
り、透明導電層が液晶層側になるように配置されたこと
を特徴とする液晶表示素子。 - 【請求項2】 前記ポリビニルアルコール系樹脂層が、
ビニルアルコール成分、ビニルアルコール共重合体成分
よりなる群から選ばれた少なくとも1種を50モル%以
上含有する高分子樹脂である請求項1に記載の液晶表示
素子。 - 【請求項3】 前記ノボラック型エポキシ系樹脂が、下
記一般式(1)で示されるノボラック型エポキシ系樹脂
である請求項1または2に記載の液晶表示素子。 【化1】 (ここで、R1 はHまたはCH3 、R2 はHまたはグリ
シジルフェニルエーテル基、nは1から50の整数を示
す。) - 【請求項4】 前記シリコーン系樹脂が、トリアルコキ
シシランを40重量%以上含むシリコーン系樹脂である
請求項1〜3に記載のいずれかの液晶表示素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16534395A JPH0915627A (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 液晶表示素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP16534395A JPH0915627A (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 液晶表示素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0915627A true JPH0915627A (ja) | 1997-01-17 |
Family
ID=15810547
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP16534395A Pending JPH0915627A (ja) | 1995-06-30 | 1995-06-30 | 液晶表示素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0915627A (ja) |
-
1995
- 1995-06-30 JP JP16534395A patent/JPH0915627A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040608 |