JPH09156025A - 赤外線遮蔽フィルム - Google Patents

赤外線遮蔽フィルム

Info

Publication number
JPH09156025A
JPH09156025A JP33603495A JP33603495A JPH09156025A JP H09156025 A JPH09156025 A JP H09156025A JP 33603495 A JP33603495 A JP 33603495A JP 33603495 A JP33603495 A JP 33603495A JP H09156025 A JPH09156025 A JP H09156025A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
film
infrared shielding
layer
infrared
adhesive mass
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP33603495A
Other languages
English (en)
Inventor
Takashi Ikeda
尚 池田
Masanaga Yamagou
真永 山郷
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toppan Inc
Original Assignee
Toppan Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toppan Printing Co Ltd filed Critical Toppan Printing Co Ltd
Priority to JP33603495A priority Critical patent/JPH09156025A/ja
Publication of JPH09156025A publication Critical patent/JPH09156025A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 太陽光の可視光は十分に通し、窓ガラス等に
貼り付けても透明性を損なわず、一方、太陽光に含まれ
る赤外線についてはこれを吸収してカットするとともに
紫外線についても同時にカットし、しかも高い耐光性、
耐熱性を持ち、遮蔽効果が長続きする赤外線遮蔽フィル
ムを提供する。 【解決手段】 基材フィルム2の一方の面(表面側)に
透明な保護層1を設け、他方の面に無機系の赤外線遮蔽
剤を使用した赤外線遮蔽層3、粘着剤層4及び剥離フィ
ルム5を順に積層した構成からなる赤外線遮蔽フィルム
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、店舗、オフィス、
住宅等の窓開口部、自動車、鉄道、船舶、航空機等の窓
開口部や、ショーケース、ショーウインドウ等に貼り付
けて、太陽光の熱線(赤外線)をカットする赤外線遮蔽
フィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】窓ガラスから室内に入り込む太陽光は、
可視光線だけでなく、赤外線や紫外線を含んでいる。太
陽光に含まれる紫外線は日焼けの原因となり、人体に対
する悪影響が最近指摘されている。また、紫外線による
包装材の劣化が原因で内容物の変質が生じることもよく
知られていることである。一方、太陽光に含まれる赤外
線についても、直射日光による室内の温度上昇を引き起
こし、夏場の冷房効果を低下させるなどの問題があっ
た。
【0003】従来はこのような問題に対し、例えば着色
フィルムや金属蒸着フィルムなどを窓ガラスに貼り付け
ることにより対処していた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
着色フィルムは、紫外線をある程度はカットするもの
の、赤外線はほとんどカットせず、可視光線をカットし
てしまうので、窓ガラス等に貼り付けた場合、透明性が
損なわれるという問題がある。
【0005】また、上記の金属蒸着フィルムは、紫外線
及び赤外線はカットするものの、可視光の透過が悪いの
で透明性が損なわれ、しかも可視光を吸収するのではな
く反射するため、明るい側から見ると鏡面になってしま
うので、使用できる用途が非常に限られてしまうという
問題がある。
【0006】また、上記のフィルムの使用以外にも、例
えば可視光線は透過するが赤外線を吸収する材料として
アミノ化合物などの有機系染料が知られているが、これ
らの有機系染料は経時での耐光性、耐熱性が悪く、赤外
線の遮蔽効果が長続きしないという問題がある。
【0007】本発明は、上記従来の問題点に鑑み為され
たもので、その技術的課題とするところは、太陽光の可
視光は十分に通し、窓ガラス等に貼り付けても透明性を
損なわず、一方、太陽光に含まれる赤外線についてはこ
れを吸収してカットするとともに紫外線についても同時
にカットし、しかも高い耐光性、耐熱性を持ち、遮蔽効
果が長続きする赤外線遮蔽フィルムを提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の赤外線遮蔽フィルムは、透明な基材フィル
ム上に無機系の赤外線遮蔽剤を使用した赤外線遮蔽層を
設けてなることを特徴としている。
【0009】また、本発明の赤外線遮蔽フィルムは、赤
外線遮蔽層の上に粘着剤層及び剥離フィルムを順次積層
してなることを特徴としている。
【0010】また、本発明の赤外線遮蔽フィルムは、基
材フィルムの赤外線遮蔽層とは反対側に粘着剤層及び剥
離フィルムを順次積層してなることを特徴としている。
【0011】また、本発明の赤外線遮蔽フィルムは、表
面に透明な保護層を設けてなることを特徴としている。
【0012】また、本発明の赤外線遮蔽フィルムは、透
明な基材フィルム上に無機系の赤外線遮蔽剤を含有した
透明な保護層を設けてなることを特徴としている。
【0013】また、本発明の赤外線遮蔽フィルムは、透
明な基材フィルム上に無機系の赤外線遮蔽剤を含有した
粘着剤層を設けてなることを特徴としている。
【0014】また、本発明の赤外線遮蔽フィルムは、前
記無機系の赤外線遮蔽剤が、粒径500オングストロー
ム以下の酸化錫の微粉末を主成分とすることを特徴とし
ている。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て詳しく説明する。
【0016】本発明の赤外線遮蔽フィルムの基本的な構
成は、透明な基材フィルム上に無機系の赤外線遮蔽剤を
使用した赤外線遮蔽層を設けてなるものである。
【0017】本発明に使用される無機系の赤外線遮蔽剤
として具体的には、酸化錫、酸化銅、酸化亜鉛、酸化マ
グネシウム、酸化アンチモン、酸化インジウム、及び周
期表4A、5A、6Aに属する金属元素の酸化物、金、
銀等の金属、カーボンブラック等を使用することが出
来、これらのうち1種類のものを単独で使用してもよい
が、2種類以上のものを混合して使用してもよい。2種
類以上の遮蔽剤を混合して使用する場合は、特に上記の
酸化錫を主成分とするのが好ましい。
【0018】本発明に使用される無機系の赤外線遮蔽剤
は、従来知られている例えばアミノ化合物などの有機系
の赤外線遮蔽剤と比べると、格段に高い耐光性を有する
ので、赤外線の遮蔽効果が長続きする利点がある。無機
系の赤外線遮蔽剤として例えば上記の酸化錫の微粉末を
使用した本発明の赤外線遮蔽フィルムの分光透過特性は
図5に示したとおり、特徴のある光遮蔽性を持ってい
る。すなわち、赤外線及び紫外線を吸収してカットし、
一方、可視光線はほとんど透過させるため、透明性に優
れている。
【0019】なお、本発明に使用される無機系の赤外線
遮蔽剤は、通常粉末状のものが使用されるが、その粒子
径の大きさとしては、500オングストローム以下の微
粉末のものが本発明においては特に好ましい。このよう
な粒径が500オングストローム以下の微粉末のものを
使用することにより、バインダー樹脂に分散させたとき
の分散性、透明性、および赤外線遮蔽能力の全てにおい
て優れた特性が得られる。
【0020】本発明の赤外線遮蔽フィルムは、上述のと
おり、無機系の赤外線遮蔽剤を使用した赤外線遮蔽層を
透明な基材フィルム上に形成することにより得られる
が、該赤外線遮蔽層は、無機系の赤外線遮蔽剤を適当な
バインダー樹脂とともに適当な溶剤中に分散させ、これ
を透明な基材フィルム上に塗工、乾燥することにより設
けることができる。ここで、上記基材フィルムとして
は、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレ
ンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリカ
ーボネート、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポ
リメチルメタクリレート、セルロースアセテート等、ま
たはそれらの積層体等、また上記バインダー樹脂として
は、例えばアクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ
ウレタン系樹脂、ポリビニル系樹脂、合成ゴム系樹脂、
繊維素系樹脂等、またはそれらの混合物等、また上記溶
剤としては、例えばトルエン、キシレン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、酢酸ブ
チル、シクロヘキサン、エタノール、イソプロピルアル
コール等、またはそれらの混合物等、それぞれ従来公知
の任意の材料を適宜組み合わせて使用することができ
る。
【0021】なお、前記赤外線遮蔽層の膜厚及び赤外線
遮蔽剤含有率は、目的とする用途に要求される可視光線
透過性能及び赤外線遮蔽性能や、使用する赤外線遮蔽剤
の分光吸収特性等を勘案して適宜設計すべきものであっ
て、あらゆる用途や材料に普遍的に適用できる最適な範
囲を一概に決定することは出来ない。すなわち、膜厚が
厚いほど、また赤外線遮蔽剤含有率が高いほど、赤外線
遮蔽性能は向上するが、反面可視光線透過性能は低下す
るので、用途に合わせて両者の妥協点をとるのがよい。
一般には、赤外線遮蔽層の膜厚は0.1〜50μm、よ
り好ましくは1〜10μm、赤外線遮蔽剤含有率はバイ
ンダー樹脂100重量部に対して1〜400重量部、よ
り好ましくは10〜100重量部の範囲とすることが好
ましいが、本発明はこれに限定されるものではない。ま
た、赤外線遮蔽層の塗工方法としては、例えばロールコ
ート法、ダイコート法、グラビアコート法、エアーナイ
フコート法、ナイフコート法、バーコート法など、従来
公知の任意の方法を使用することが出来る。
【0022】図1乃至図4は、それぞれ本発明の赤外線
遮蔽フィルムの具体的な構成例を示したものである。
【0023】図1は、基材フィルム2の一方の面(表面
側)に透明な保護層1を設け、他方の面に赤外線遮蔽層
3、粘着剤層4及び剥離フィルム5を順に積層した構成
を示している。
【0024】このように、表面に透明な保護層1を設け
ることにより、表面の傷付き防止及びすべり性の向上効
果が得られる。また、裏面側に粘着剤層4及び剥離フィ
ルム5を積層することにより、使用時に剥離フィルム5
を剥離して窓ガラス等への貼り付けが簡単に行える。こ
のような保護層1の材質としては、たとえば紫外線硬化
型のアクリル樹脂等が最も一般的であるが、この他メラ
ミン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等、従来
公知の任意の保護層材料を使用することができる。ま
た、粘着剤層4としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘
着剤、シリコーン系粘着剤等、従来公知の任意の粘着剤
を使用することができる。また、剥離フィルム5として
は、ポリエチレン樹脂フィルム、フッ素樹脂フィルム等
の離型性樹脂フィルムを使用してもよいし、紙、ポリエ
ステル樹脂フィルム等の各種非離型性フィルムの表面に
ポリエチレン樹脂、フッ素樹脂、シリコーン樹脂等の離
型剤を施したものを使用することもできる。
【0025】図2は、基材フィルム2の一方の面(表面
側)に無機系の赤外線遮蔽剤を含有した透明な保護層1
Aを設け、他方の面に粘着剤層4及び剥離フィルム5を
順に積層した構成を示しており、該構成は、単独の赤外
線遮蔽層を設ける代わりに、無機系の赤外線遮蔽剤を表
面の保護層に含有させたものである。
【0026】図2の構成において、透明な保護層1Aの
膜厚及び赤外線遮蔽剤含有率は、前記した赤外線遮蔽層
の場合と同様に、用途に合わせて適宜設計すべきもので
あるが、表面保護層としての機能の要求上硬質の樹脂が
選ばれる関係で、膜厚が厚すぎたり赤外線遮蔽剤含有率
が多すぎたりすると、可撓性や強度が低下するので好ま
しくない。一般には、保護層1Aの膜厚は0.1〜10
μm、より好ましくは0.5〜5μm、赤外線遮蔽剤含
有率は保護層樹脂100重量部に対して1〜100重量
部、より好ましくは10〜50重量部の範囲とすること
が好ましいが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0027】図3は、基材フィルム2の一方の面(表面
側)に赤外線遮蔽層3及び透明な保護層1を順に積層
し、他方の面に粘着剤層4及び剥離フィルム5を順に積
層した構成を示している。
【0028】図4は、基材フィルム2の一方の面(表面
側)に透明な保護層1を設け、他方の面に無機系の赤外
線遮蔽剤を含有した粘着剤層4A及び剥離フィルム5を
順に積層した構成を示しており、該構成は、単独の赤外
線遮蔽層を設ける代わりに、無機系の赤外線遮蔽剤を粘
着剤層に含有させたものである。
【0029】図4に示す構成において、粘着剤層4Aの
膜厚及び赤外線遮蔽剤含有率は、前記した赤外線遮蔽層
の場合と同様に、用途に合わせて適宜設計すべきもので
あるが、この場合膜厚の範囲は必要とされる粘着特性に
よってある程度制約を受ける一方、赤外線遮蔽剤含有率
が多すぎると粘着剤の粘着特性を低下させるので好まし
くない。一般には、粘着剤層4Aの膜厚は1〜50μ
m、より好ましくは5〜30μm、赤外線遮蔽剤含有率
は粘着剤100重量部に対して1〜100重量部、より
好ましくは10〜50重量部の範囲とすることが好まし
いが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0030】本発明の赤外線遮蔽フィルムの構成は、勿
論このような図1乃至図4に示すような構成に限定され
るわけではなく、無機系の赤外線遮蔽剤を含有する層を
有していれば上記の他にも種々の構成をとることが可能
である。
【0031】本発明によると、透明な基材フィルム上に
無機系の赤外線遮蔽剤を使用した赤外線遮蔽層を設ける
ことにより、太陽光に含まれる赤外線を吸収して遮蔽す
るとともに紫外線についても同時に吸収して遮蔽する。
また、太陽光の可視光は十分に通すため、窓ガラス等に
貼り付けても透明性を損なわない。さらに、上記無機系
の赤外線遮蔽剤は、高い耐光性、耐熱性を有するため、
遮蔽効果が長続きする赤外線遮蔽フィルムが得られる。
【0032】また、本発明によると、赤外線遮蔽層の上
に粘着剤層及び剥離フィルムを積層することにより、使
用時に剥離フィルムを剥離して窓ガラス等への貼り付け
が簡単に行える。
【0033】また、本発明によると、表面に透明な保護
層を設けることにより、表面の傷付きを防止し、すべり
性を向上させる。
【0034】また、本発明によると、赤外線遮蔽層を設
ける代わりに、無機系の赤外線遮蔽剤を保護層や粘着剤
層に含有させることにより、層数を減らしてフィルムの
厚みを薄くすることも可能である。
【0035】また、本発明によると、無機系の赤外線遮
蔽剤として例えば粒径が500オングストローム以下の
酸化錫の微粉末を主成分として使用することにより、バ
インダー樹脂に分散させたときの分散性、透明性、およ
び赤外線遮蔽能力の全てにおいて優れた特性を持った赤
外線遮蔽フィルムが得られる。
【0036】
【実施例】以下、実施例を示して本発明をさらに具体的
に説明する。
【0037】基材フィルムとして厚さ25μmのポリエ
チレンテレフタレート樹脂(PET)フィルムを使用
し、該PETフィルムの片面に、紫外線硬化型のアクリ
ル樹脂からなるハードコート剤(商品名「KRM703
3」、ダイセルユーシービー社製)を、グラビアコート
法により膜厚2μmに塗工し、紫外線照射によりこれを
硬化させて透明保護層を形成した。さらに、上記PET
フィルムのもう片面には、下記組成の塗料をグラビアコ
ート法により膜厚3μmに塗工し、紫外線照射によりこ
れを硬化させて赤外線遮蔽層を形成した。
【0038】 組成 ・酸化錫(粒径500オングストローム以下) 25重量部 ・紫外線硬化性アクリル樹脂 25重量部 ・溶剤(トルエンを主成分とする混合溶剤) 50重量部 さらに、上記のようにして形成した赤外線遮蔽層の上
に、アクリル系粘着剤(商品名「オリバイン」、東洋イ
ンキ製造(株)製)をコンマコーターで膜厚15μmに
塗工し、その上にPETフィルム(厚さ38μm)を基
材とする剥離フィルムを貼り合わせて、本発明の赤外線
遮蔽フィルムを作製した。
【0039】なお、上記赤外線遮蔽層に用いた酸化錫の
代わりにベンゾフェノン系赤外線吸収染料を使用した以
外は上記と同様にして作製したフィルムを比較フィルム
とした。
【0040】上記本発明フィルムおよび比較フィルムの
分光透過特性を示したものが図5である。
【0041】次に、本発明フィルムを用いて断熱効果テ
ストを行った結果を示したものが図6である。テスト
は、東京都内のビル屋上で行い、黒色の発泡スチロール
箱を設置し、内部の温度の上昇を測定した。時期は平成
7年7月の下旬で、天気は晴天、そのときのビル屋上で
の平均気温は26℃であった。図6の結果から、本発明
の赤外線遮蔽フィルムを用いることによって上記の箱内
部の温度上昇がフィルムを用いない場合と比べて抑えら
れていることがわかる。
【0042】次に、本発明フィルムおよび比較フィルム
の耐光性を検討するため、フェードメーター(スガ試験
機社製)を用いてカーボンアーク光を1000時間照射
したときの各フィルムの分光透過率の変化を測定した結
果を示したものが図7および図8である。ここで、図7
は本発明の赤外線遮蔽フィルム、図8は比較フィルムで
あり、それぞれ(a)は照射前、(b)は照射後をあら
わしている。なお、分光透過率の測定は、分光光度計U
V−3100(島津製作所製)にて行った。
【0043】図7の結果から、本発明フィルムは長時間
の光照射によっても分光透過特性はほとんど変化せず、
耐光性に優れていることがわかる。これに対し、有機系
染料を使用した比較フィルムは、図8に示すとおり、光
照射によって赤外領域の分光透過特性が大きく変化し、
耐光性が劣り赤外線遮蔽能力が長く続かないことがわか
る。
【0044】図9は、別の比較フィルムとして、PET
フィルムにアルミニウムを蒸着したハーフミラーフィル
ムの分光透過特性を示したものである。このようなアル
ミニウム蒸着フィルムによると、赤外線をある程度カッ
トするものの、可視光の透過が悪く(約50%)、透明
性が損なわれる。
【0045】また、図10は、同じく比較フィルムとし
て、黒色顔料を添加したPETフィルムの分光透過特性
を示したものである。このような黒色フィルムを用いる
と、紫外線はカットするものの、不要な赤外線はほとん
どカットせず、そのうえ可視光線をカットしてしまうの
で、赤外線遮蔽フィルムとしては使用できず、透明性も
ない。
【0046】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明の赤
外線遮蔽フィルムによれば、透明な基材フィルム上に無
機系の赤外線遮蔽剤を使用した赤外線遮蔽層を設けるこ
とにより、太陽光に含まれる赤外線を吸収してこれを遮
蔽するとともに紫外線についても同時に吸収して遮蔽す
ることが出来、しかも太陽光の可視光は十分に透過する
ため、窓ガラス等に貼り付けても透明性を損なわないの
で用途が広く、さらに、高い耐光性、耐熱性を有するた
め、遮蔽効果が持続するという種々の優れた効果を奏す
る。
【0047】また、本発明の赤外線遮蔽フィルムによれ
ば、赤外線遮蔽層の上に粘着剤層及び剥離フィルムを積
層することにより、使用時に剥離フィルムを剥離して窓
ガラス等への貼り付けが簡単に行えるという効果を奏す
る。
【0048】また、本発明の赤外線遮蔽フィルムによれ
ば、表面に透明な保護層を設けることにより、表面の傷
付きを防止し、すべり性を向上させるという効果を奏す
る。
【0049】また、本発明の赤外線遮蔽フィルムによれ
ば、赤外線遮蔽層を設ける代わりに、無機系の赤外線遮
蔽剤を保護層や粘着剤層に含有させることにより、層数
を減らしてフィルムの厚みを薄くすることも可能であ
る。
【0050】また、本発明の赤外線遮蔽フィルムによれ
ば、無機系の赤外線遮蔽剤として例えば粒径が500オ
ングストローム以下の酸化錫の微粉末を主成分として使
用することにより、バインダー樹脂に分散させたときの
分散性、透明性、および赤外線遮蔽能力の全てにおいて
優れた特性を持った赤外線遮蔽フィルムが得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の赤外線遮蔽フィルムの具体的な構成例
を示す断面図である。
【図2】本発明の赤外線遮蔽フィルムの具体的な構成例
を示す断面図である。
【図3】本発明の赤外線遮蔽フィルムの具体的な構成例
を示す断面図である。
【図4】本発明の赤外線遮蔽フィルムの具体的な構成例
を示す断面図である。
【図5】本発明フィルムと比較フィルムの分光透過特性
を示すチャートである。
【図6】本発明フィルムを用いたときの断熱効果テスト
の結果を示すグラフである。
【図7】本発明フィルムの光照射による分光透過特性の
変化を示すチャートである。
【図8】比較フィルムの光照射による分光透過特性の変
化を示すチャートである。
【図9】アルミニウム蒸着フィルムの分光透過特性を示
すチャートである。
【図10】黒色フィルムの分光透過特性を示すチャート
である。
【符号の説明】
1 透明保護層 1A 無機系赤外線遮蔽剤含有保護層 2 基材フィルム 3 赤外線遮蔽層 4 粘着剤層 4A 無機系赤外線遮蔽剤含有粘着剤層 5 剥離フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08J 7/06 CFD C08J 7/06 CFDZ C08K 3:22 C08L 101:00

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明な基材フィルム上に無機系の赤外線
    遮蔽剤を使用した赤外線遮蔽層を設けてなることを特徴
    とする赤外線遮蔽フィルム。
  2. 【請求項2】 赤外線遮蔽層の上に粘着剤層及び剥離フ
    ィルムを順次積層してなることを特徴とする請求項1記
    載の赤外線遮蔽フィルム。
  3. 【請求項3】 基材フィルムの赤外線遮蔽層とは反対側
    に粘着剤層及び剥離フィルムを順次積層してなることを
    特徴とする請求項1記載の赤外線遮蔽フィルム。
  4. 【請求項4】 表面に透明な保護層を設けてなることを
    特徴とする請求項1、2または3記載の赤外線遮蔽フィ
    ルム。
  5. 【請求項5】 透明な基材フィルム上に無機系の赤外線
    遮蔽剤を含有した透明な保護層を設けてなることを特徴
    とする赤外線遮蔽フィルム。
  6. 【請求項6】 透明な基材フィルム上に無機系の赤外線
    遮蔽剤を含有した粘着剤層を設けてなることを特徴とす
    る赤外線遮蔽フィルム。
  7. 【請求項7】 前記無機系の赤外線遮蔽剤が、粒径50
    0オングストローム以下の酸化錫の微粉末を主成分とす
    ることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6
    記載の赤外線遮蔽フィルム。
JP33603495A 1995-11-30 1995-11-30 赤外線遮蔽フィルム Pending JPH09156025A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33603495A JPH09156025A (ja) 1995-11-30 1995-11-30 赤外線遮蔽フィルム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP33603495A JPH09156025A (ja) 1995-11-30 1995-11-30 赤外線遮蔽フィルム

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09156025A true JPH09156025A (ja) 1997-06-17

Family

ID=18295027

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP33603495A Pending JPH09156025A (ja) 1995-11-30 1995-11-30 赤外線遮蔽フィルム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09156025A (ja)

Cited By (10)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH108010A (ja) * 1996-06-28 1998-01-13 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 熱線遮蔽性粘着剤およびその製造方法、ならびに熱線遮蔽性透明シート
WO2000023274A1 (fr) * 1998-10-16 2000-04-27 Tomoegawa Paper Co., Ltd. Film interceptant le rayonnement infrarouge
US6383625B1 (en) 1999-01-22 2002-05-07 Lintec Corporation Antifouling infrared shielding film and process for producing the same
US6404543B1 (en) 1999-05-14 2002-06-11 Lintec Corporation Infrared shielding film
SG89280A1 (en) * 1998-05-20 2002-06-18 Tomoegawa Paper Co Ltd Infrared-blocking transparent film
WO2005085378A1 (ja) * 2004-03-04 2005-09-15 Achiless Corporation 熱遮蔽効果を持つ自己粘着性合成樹脂シート
JP2015055818A (ja) * 2013-09-13 2015-03-23 凸版印刷株式会社 赤外線遮蔽フィルム、及びその製造方法
CN104561898A (zh) * 2015-01-27 2015-04-29 大连爱瑞德纳米科技有限公司 一种沉积玻璃窗膜耐磨层的方法及玻璃窗膜
KR20200050519A (ko) * 2018-11-01 2020-05-12 존스미디어 주식회사 엠보패턴 점착층이 형성된 적외선 차단 필름
CN112099253A (zh) * 2020-09-14 2020-12-18 衡阳市雁证不锈钢商贸有限公司 一种可调光式门窗玻璃

Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH108010A (ja) * 1996-06-28 1998-01-13 Sumitomo Osaka Cement Co Ltd 熱線遮蔽性粘着剤およびその製造方法、ならびに熱線遮蔽性透明シート
SG89280A1 (en) * 1998-05-20 2002-06-18 Tomoegawa Paper Co Ltd Infrared-blocking transparent film
WO2000023274A1 (fr) * 1998-10-16 2000-04-27 Tomoegawa Paper Co., Ltd. Film interceptant le rayonnement infrarouge
US6528156B1 (en) 1998-10-16 2003-03-04 Tomoegawa Paper Co., Ltd Infrared cutoff film
US6383625B1 (en) 1999-01-22 2002-05-07 Lintec Corporation Antifouling infrared shielding film and process for producing the same
US6404543B1 (en) 1999-05-14 2002-06-11 Lintec Corporation Infrared shielding film
WO2005085378A1 (ja) * 2004-03-04 2005-09-15 Achiless Corporation 熱遮蔽効果を持つ自己粘着性合成樹脂シート
JP2015055818A (ja) * 2013-09-13 2015-03-23 凸版印刷株式会社 赤外線遮蔽フィルム、及びその製造方法
CN104561898A (zh) * 2015-01-27 2015-04-29 大连爱瑞德纳米科技有限公司 一种沉积玻璃窗膜耐磨层的方法及玻璃窗膜
KR20200050519A (ko) * 2018-11-01 2020-05-12 존스미디어 주식회사 엠보패턴 점착층이 형성된 적외선 차단 필름
CN112099253A (zh) * 2020-09-14 2020-12-18 衡阳市雁证不锈钢商贸有限公司 一种可调光式门窗玻璃

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1334381B1 (en) Optically active film composite
US6531180B1 (en) Adhesive transparent resin and a composite including the same
US6261684B1 (en) Infrared-blocking transparent film
US20120034450A1 (en) Surface protection film
JP5499837B2 (ja) 熱線遮蔽フィルム
JP2000190430A (ja) 赤外線カットオフフィルム
US20230118292A1 (en) Radiative Cooling Device and Radiative Cooling Method
CN109716179A (zh) 透明隔热绝热部件
JPH08281860A (ja) 熱線遮蔽フィルム
JPH09156025A (ja) 赤外線遮蔽フィルム
JPH11320769A (ja) 透明性赤外線カットオフフィルム
JP2000117906A (ja) 赤外線カットオフフィルム
JP2007140098A (ja) ディスプレイ用光学フィルム
CN215403967U (zh) 一种降温隔热漆面保护膜
JP3513009B2 (ja) デイスプレイ前面板用転写材
JP2004277629A (ja) 耐候ハードコートフィルムおよびその製造方法
JP2002122717A (ja) 耐久性反射フイルム
JPH11116910A (ja) 粘着シート
JPH0542622A (ja) 光線選択透過性フイルム
WO2000007818A1 (en) A durable corrosion and ultraviolet-resistant silver mirror
JPH073189A (ja) ランプ用防虫塗料
JP2892794B2 (ja) 積層フイルム
JP3316302B2 (ja) 透明紫外線遮断保護転写箔
JPH073217A (ja) 紫外線吸収性透明粘着シート
JP7343117B1 (ja) 遮熱用粘着フィルム

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040607

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040610

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20041206