JPH0542622A - 光線選択透過性フイルム - Google Patents

光線選択透過性フイルム

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JPH0542622A
JPH0542622A JP3228573A JP22857391A JPH0542622A JP H0542622 A JPH0542622 A JP H0542622A JP 3228573 A JP3228573 A JP 3228573A JP 22857391 A JP22857391 A JP 22857391A JP H0542622 A JPH0542622 A JP H0542622A
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film
light
infrared
ultraviolet
absorber
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JP3228573A
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Tsuyoshi Aoyama
強 青山
Minoru Abe
実 阿部
Toshiaki Watanuki
俊朗 綿貫
Hideo Yamamoto
秀雄 山本
Isao Isa
功 伊佐
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Japan Carlit Co Ltd
Original Assignee
Japan Carlit Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【目的】 可視光線を選択的に透過し、紫外線及び赤外
線を遮断する機能に優れ、また、安価で取り扱いが容易
であり、かつ効果の持続性のよいフィルムを提供する。 【構成】 透明性を有する高分子基体フィルム上に、式
(I)の有機系紫外線吸収剤、式(II)の有機系赤外線
吸収剤及びこれらと相溶するバインダー樹脂からなる薄
膜を積層する。 (式中、Rは、水素または炭素数が1〜12のアルキ
ル基を、R〜Rは、水素またはOH、OCH、S
H・3HOの置換基を表す。) (式中、Rは、水素または炭素数が1〜12のアルキ
ル基を、Xは、SbF、CIO、BF、NO
F、CI、Br、Iを、nは1または2を表す。) 【効果】 可視光線の透過率をほとんど損なうことなく
有害な紫外線及び赤外線を遮断できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガラス面に密着、接
着、または単独で使用したとき、可視光線を選択的に透
過し、不用な紫外線及び赤外線を遮断する効果のあるフ
ィルムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】地球上に到達する太陽光線は、目に見え
る可視光線の他に紫外線や赤外線を含んでいるが、これ
らは日常生活や産業上において不利益をもたらす場合が
多い。紫外線は、人体に対し、日焼けの原因となり、皮
膚の老化を促進し、さらに皮膚癌の原因となることも指
摘されている。また、プラスチック、合成ゴム、合成繊
維、染料等に対しても、強度の低下、亀裂の発生、着
色、退色等の劣化現象を引き起こし製品の価値を著しく
低下させる。赤外線は、暑さの原因となり、エアコン等
の効率が低下する結果、エネルギーが無駄に消費され
る。さらに人体に赤外線が作用し皮膚の深部に透過吸収
されて熱効果を与えるような場合(太陽光が皮膚に照射
するような場合)には、エアコン等の空調機を用いてさ
えも暑さを十分に軽減することは困難である。加えて、
近年の先端産業において、物質の劣化の原因となる紫外
線や熱源となる赤外線を選択的に遮断する技術が要求さ
れている。
【0003】従来、ガラスを透過して入射する光(紫外
線、可視光線及び赤外線)を制御するものとしては、着
色ガラス、着色フィルム、金属膜による熱線反射ガラ
ス、金属を蒸着したフィルムが知られている。しかしな
がら、有害な紫外線や赤外線の遮断率を高めようとする
と有用な可視光線透過率が減じ、透明なガラスとしての
機能を損ない、また、着色フィルム以外は、予めガラス
内に顔料を混ぜたり、表面に蒸着する操作を必要とし高
価となり、着色フィルム以外では既設のガラスには簡単
に適用することができなかった。
【0004】また、自動車の場合には、道路運送車両の
保安基準(平成元年5月1日施行)により、「前面ガラ
ス、運転者側面ガラス及び助手席側面ガラスにフィルム
を貼付した場合、そのガラスの可視光線透過率が70%以
上でなければならない。」という規制があり、可視光線
透過率を損なわずに紫外線及び赤外線を選択的に遮断す
るフィルムの開発が待たれていた。
【0005】先に、本発明者らは、紫外線吸収用の薄膜
形成組成物及び赤外線吸収用の薄膜形成樹脂組成物を提
案した。これらは、ガラスに塗布する等の方法で光線を
選択的に透過する薄膜層を形成するものであるが、塗布
ムラが生じたりして取り扱いが容易でなく、また、効果
の持続性も不十分であった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記欠点を
解決すべくなされたものであり、その主たる目的は、ガ
ラス面に貼付して用いた時、透過する入射光のうち可視
光線を選択的に透過し、紫外線及び赤外線を遮断する機
能に優れたフィルムを提供することである。また、安価
で取り扱いが容易であり、かつ効果の持続性の良いフィ
ルムを提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、種々検討
した結果、透明性を有する高分子基体フィルム上に有機
系紫外線吸収剤、有機系赤外線吸収剤及びこれらと相溶
する樹脂からなる薄膜を積層したフィルムが、上記の目
的を達成することを見い出した。
【0008】以下、構造図に基づいて説明する。図1
は、透明性を有する高分子基体フィルム1上に、有機系
紫外線吸収剤、有機系赤外線吸収剤及びこれらと相溶す
るバインダー樹脂からなる薄膜2を積層したフィルムで
ある。薄膜2は、有機系紫外線吸収剤、有機系赤外線吸
収剤及びこれらと相溶する樹脂を溶剤に溶解し、ロール
コーター等の各種コーター、グラビア印刷機等を用いて
塗布した後、溶剤を蒸発、乾燥させることにより積層さ
れる。
【0009】図2に示すような薄膜2上に粘着剤層3、
剥離フィルム4を順次積層したフィルムは、剥離フィル
ム4を除去後、ガラス面上に容易に貼付できる。粘着剤
層3は、粘着剤を溶剤に溶解して、種々のコーター等を
用いて塗布した後、溶剤を蒸発、乾燥させることにより
積層される。
【0010】図3では、薄膜2が粘着性を有しており、
剥離フィルム4を除去後、ガラス面上に貼付する。
【0011】本発明に使用する有機系紫外線吸収剤とし
ては、一般的に知られているベンゾフェノン系化合物、
ベンゾトリアゾール系化合物、サリチル酸系化合物等が
使用できるが、可視光線透過率を損なうことなく、350
nmでの紫外線透過率を10%以下にすることができ、吸
収波長領域が幅広くかつ吸収強度に優れた下記一般式
(A)で表されるベンゾフェノン系化合物を用いること
が好ましい。
【0012】
【化1】(式中、R1は、水素または炭素数が1〜12の
アルキル基を、R2〜R4は、水素またはOH、OC
3、SO3H・3H2Oの置換基を表す。)
【0013】一般式(A)で表される化合物は、例えば
2,2',4,4'−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,
4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4
−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−
オクトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−n−
ドデシルオキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒドロキシ
−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン、2,2'−ジヒド
ロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ
−4−メトキシ−5−スルホベンゾフェノン等である。
【0014】また、有機系赤外線吸収剤としては、シア
ニン系化合物、スクワリリウム系化合物、チオールニッ
ケル錯塩系化合物、フタロシアニン系化合物、トリアリ
ルメタン系化合物、ナフトキノン系化合物、アントラキ
ノン系化合物、イモニウム系化合物、アミニウム系化合
物等があげられるが、熱効果の高い近赤外線(760〜150
0nm)の吸収能力に優れ、可視部の吸収が小さく、かつ
種々の溶剤に可溶である下記一般式(B)で表されるア
ミノ化合物を用いることが好ましい。この化合物は、可
視光線透過率を損なうことなく、1100nmでの赤外線透
過率を40%以下にすることができ、かつベンゾフェノン
系紫外線吸収剤と混合した時、相互に反応することな
く、効果の持続性が良い。
【0015】
【化2】(式中、R5は、水素または炭素数1〜12のア
ルキル基を、Xは、SbF6、ClO4、BF4、NO3
F、Cl、Br、Iを、nは1または2を表す。)
【0016】一般式(B)で表される化合物は、例え
ば、N,N,N',N'−テトラキス(p−ジ−n−ブチルア
ミノフェニル)−p−ベンゾキノン−ビス(イモニウム
の過塩素酸塩)、N,N,N',N'−テトラキス(p−ジエ
チルアミノフェニル)−p−ベンゾキノン−ビス(イモ
ニウムのヘキサフルオロアンチモン酸塩)、N,N,N',
N'−テトラキス(p−ジ−n−ヘキシルアミノフェニ
ル)−p−ベンゾキノン−ビス(イモニウムのフッ化ホ
ウ素酸塩)、N,N,N',N'−テトラキス(p−ジ−イソ
プロピルアミノフェニル)−p−ベンゾキノン−ビス
(イモニウムの硝酸塩)、N,N,N',N'−テトラキス
(p−ジ−n−オクチルアミノフェニル)−p−ベンゾキ
ノン−ビス(イモニウムのヘキサフルオロアンチモン酸
塩)、N,N,N',N'−テトラキス(p−ジエチルアミノ
フェニル)−p−ベンゾキノン−ビス(イモニウムの臭
素塩)、N,N,N',N'−テトラキス(p−ジ−n−ブチ
ルアミノフェニル)−p−フェニレンジアミニウムの過
塩素酸塩、N,N,N',N'−テトラキス(p−ジメチルア
ミノフェニル)−p−フェニレンジアミニウムの塩素
塩、N,N,N',N'−テトラキス(p−ジ−n−ドデシル
アミノフェニル)−p−フェニレンジアミニウムのヘキ
サフルオロアンチモン酸塩、N,N,N',N'−テトラキ
ス(p−ジエチルアミノフェニル)−p−フェニレンジア
ミニウムのフッ化ホウ素酸塩、N,N,N',N'−テトラ
キス(p−ジ−n−ブチルアミノフェニル)−p−フェニ
レンジアミニウムのフッ素塩、N,N,N',N'−テトラ
キス(p−ジエチルアミノフェニル)−p−フェニレンジ
アミニウムの過塩素酸塩等であるが、赤外線吸収効率の
面から好ましくはジイモニウム塩である。また、一般式
(B)の類似化合物である、母核構造がo−位配置のフ
ェニレンジアミンであるアミノ化合物も、同様の吸収効
果を有しており赤外線吸収剤として使用できる。
【0017】本発明に使用するバインダー樹脂として
は、紫外線吸収剤及び赤外線吸収剤との相溶性が良く、
これらと同時に溶剤中で溶解させることができ、透明性
を有する高分子フィルムと密着することができる、酢酸
セルロース誘導体等の天然樹脂、またはポリエステル樹
脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、アクリル樹脂、ビ
ニール樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹
脂、尿素樹脂等の合成樹脂があげられ、これらの樹脂を
単独または混合して使用する。また、バインダー樹脂に
対する硬化剤として、イソシアネート、メラミンの添加
も有効である。粘着剤及び粘着性を有するバインダー樹
脂としては、アクリル系の樹脂が好適である。バインダ
ー樹脂自身が粘着性をもっていれば、バインダーと粘着
剤の両方の効果があり、製造が容易である他、可視光線
透過率も高い。
【0018】本発明で用いる高分子フィルムは、透明性
を有するものであれば、いかなるフィルムでも良いが、
例えばポリエステルフィルム、ポリカーボネートフィル
ム、ポリメチルメタクリレートフィルム等のような、55
0nmでの可視光線透過率が85%以上であるものが特に好
ましい。
【0019】本発明による光線選択透過性フィルムは、
可視光線を選択的に透過させるため、窓ガラスに適用し
た場合に透明であるという本来の機能を損なわず、手軽
に使用することができる。しかも単独で用いた場合にお
いても違和感を与えない。このフィルムの適用できる範
囲は、極めて幅広く、自動車、電車、船舶等の窓ガラス
の他、美術館、百貨店、事務所、一般家庭の窓ガラス
や、保護メガネ、防護面においても使用することができ
る。また、単独で使用する方法として包装材料や農園芸
用の資材としての利用が可能である。
【0020】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。以
下、「%」は、「重量%」を表す。 実施例1 紫外線吸収剤として2,2',4,4'−テトラヒドロキシ
ベンゾフェノン1.2%、赤外線吸収剤としてN,N,N',
N'−テトラキス(p−ジ−n−ブチルアミノフェニル)
−p−ベンゾキノン−ビス−(イモニウムの過塩素酸
塩)0.5%、ポリエステル系の樹脂としてケミット−1
294(東レ(株)登録商標)2.8%、イソシアネート系
化合物としてコロネートL(日本ポリウレタン工業(株)
製)0.7%を酢酸エチルとγ−ブチロラクトンの5:1
(重量比)の混合溶剤に溶解した溶液を25μmのポリエ
チレンテレフタレートフィルム(以下、PETフィルム
と略記)に#20のバーコーターを用いて塗布し、120
℃で30秒間加熱して、約1.0μmの薄膜を積層させた。こ
のフィルムの紫外線透過率、可視光線透過率及び赤外線
透過率を表1に示す。また、70℃で6ヶ月間放置後の測
定値を表3に示す。
【0021】実施例2 実施例1において、赤外線吸収剤として、N,N,N',
N'−テトラキス(p−ジ−n−ヘキシルアミノフェニ
ル)−p−ベンゾキノン−ビス(イモニウムのフッ化ホ
ウ素酸塩)0.5%を用いた以外は、実施例1と同様にし
てフィルムを作製した。このフィルムの測定結果を表1
に示す。
【0022】実施例3 実施例1において、赤外線吸収剤として、N,N,N',
N'−テトラキス(p−ジエチルアミノフェニル)−p−
ベンゾキノン−ビス(イモニウムのヘキサフルオロアン
チモン酸塩)0.5%を用いた以外は、実施例1と同様に
してフィルムを作製した。このフィルムの測定結果を表
1に示す。
【0023】実施例4 実施例1において、赤外線吸収剤として、N,N,N',
N'−テトラキス(p−ジ−n−ブチルアミノフェニル)
−p−フェニレンジアミニウムの過塩素酸塩1.2%用いた
以外は実施例1と同様にしてフィルムを作製した。この
フィルムの測定結果を表1に示す。
【0024】実施例5 実施例1において、紫外線吸収剤として、2,2'−ジヒ
ドロキシ−4,4'−ジメトキシベンゾフェノン1.2%を
用いた以外は、実施例1と同様にしてフィルムを作製し
た。このフィルムの測定結果を表1に示す。
【0025】実施例6 実施例1において、薄膜形成用の樹脂としてポリビニル
ブチラール6000C(電気化学工業(株)製)2.8%
を、溶剤としてイソプロピルアルコールとジメチルフォ
ルムアミドの1:1(重量比)の混合溶剤を用いた以外
は、実施例1と同様にしてフィルムを作製した。このフ
ィルムの測定結果を表1に示す。
【0026】実施例7 実施例1で作成したフィルム上に、ポリアクリル酸ブチ
ル40.0%の酢酸エチル溶液を、#60のバーコーターを
用いて塗布し、90℃で180秒間加熱して、約15μmの粘着
剤層を積層させた。冷却後、シリコーン処理をして剥離
性を付与した25μmのPETフィルムを貼り合わせた。
このフィルムを室温で7日間熟成させた後、剥離用PE
Tフィルムを引き剥して厚さ3.0mmの無色のガラス板に
貼付し、紫外線透過率、可視光線透過率及び赤外線透過
率を測定した結果を表1に示す。また、70℃で6ヶ月間
放置後の測定値を表3に示す。
【0027】実施例8 紫外線吸収剤として2,2'−ジヒドロキシ−4,4'−ジ
メトキシベンゾフェノン0.5%、赤外線吸収剤としてN,
N,N',N'−テトラキス(p−ジ−n−ブチルアミノフェ
ニル)−p−ベンゾキノン−ビス−(イモニウムの過塩
素酸塩)0.2%、ポリアクリル酸ブチル40.0%を酢酸エ
チルとγ−ブチロラクトンの5:1(重量比)の混合溶
剤に溶解した溶液を25μmのPETフィルムに#60の
バーコーターを用いて塗布し、120℃で30秒間加熱し
て、約15μmの粘着層を積層させた。冷却後、シリコー
ン処理をして剥離性を付与した25μmのPETフィルム
を貼り合わせた。このフィルムを室温で7日間熟成させ
た後、剥離用PETフィルムを引き剥して厚み3.0mmの
無色のガラス板に貼付し、紫外線透過率、可視光線透過
率及び赤外線透過率を測定した結果を第1表に示す。ま
た、70℃で6ヶ月間放置後の測定値を表3に示す。
【0028】比較例1 実施例1で用いた25μmのPETフィルムに何の処理も
施さずに、紫外線透過率、可視光線透過率及び赤外線透
過率を測定した結果を表2に示す。可視光線透過率は8
9.0%と大きいが、紫外線及び赤外線も同時に透過して
しまう。
【0029】比較例2 実施例7、8で用いた厚さ3.0mmの無色のガラス板に何
の処理も施さずに、紫外線透過率、可視光線透過率及び
赤外線透過率を測定した結果を表2に示す。可視光線透
過率は88.5%と大きいが、紫外線及び赤外線も同時に透
過してしまう。
【0030】比較例3 市販の自動車用着色フィルム(α−ブラウン(ソニーケ
ミカル(株)製))を厚さ3.0mmの無色のガラス板に貼付
し、紫外線透過率、可視光線透過率及び赤外線透過率を
測定した結果を表2に示す。可視光線透過率が未処理の
場合(比較例2)に較べ15%以上も低下しており、また
紫外線、赤外線の遮断効果に乏しい。
【0031】比較例4 市販の自動車用着色フィルム(スモーク(ソニーケミカ
ル(株)製))を厚さ3.0mmの無色のガラス板に貼付し
て、紫外線透過率、可視光線透過率及び赤外線透過率を
測定した結果を表2に示す。可視光線透過率が未処理の
場合(比較例2)に較べ60%以上も低下しており、また
紫外線、赤外線の遮断効果が不十分である。
【0032】比較例5 厚さ4.0mmの自動車用熱線反射ガラス(グレー(旭硝子
(株)製))の紫外線透過率、可視光線透過率及び赤外線
透過率を測定した結果を表2に示す。紫外線、赤外線の
遮断効果が不十分であった。
【0033】比較例6 市販の建築物の窓ガラス用金属蒸着フィルム(ルミクー
ルNo.1035(リンテック(株)登録商標))を厚さ3.
0mmの無色のガラス板に貼付して、紫外線透過率、可視
光線透過率及び赤外線透過率を測定した結果を表2に示
す。紫外線、赤外線の遮断効果は認められるが、可視光
線透過率が不十分であった。
【0034】比較例7 厚さ4.0mmの自動車用着色ガラス(ブロンズ(旭硝子
(株)製))の紫外線透過率、可視光線透過率及び赤外線
透過率を測定した結果を表2に示す。紫外線、赤外線の
遮断効果が不十分であった。
【0035】比較例8 実施例1と同様の組成物を、PETフィルムの代わり
に、厚さ3.0mmの無色のガラス板に刷毛を用いて塗布し
たところ、塗りムラが生じた。紫外線透過率、可視光線
透過率及び赤外線透過率を測定した結果を表2に示す。
また、70℃で6ヶ月間放置後の測定値を表3に示す。P
ETフィルムに積層した場合に較べ、耐熱性が悪く、効
果が低減する。
【0036】
【表1】
【0037】
【表2】
【0038】
【表3】
【0039】
【発明の効果】本発明による光線選択透過性フィルム
は、可視光線の透過率をほとんど損なうことなく有害な
紫外線及び赤外線を遮断できるため、可視光線の透過を
必要とし、かつ紫外線、赤外線を遮断したい場面におい
て有効である。また、粘着剤層及び剥離フィルムを積層
することにより、剥離フィルムを除去後、容易にガラス
に貼付できる。さらに、高分子基体フィルムに積層する
ことにより、高温雰囲気に長期間放置しても効果の持続
性が良い。自動車、電車、船舶等の窓ガラス用の他、美
術館、百貨店、事務所、一般家庭のガラスに利用するこ
とが可能であり、さらにフィルム単独で包装材料や農園
芸用の資材としての利用することができ、幅広い場面で
の利用が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】高分子基体フィルムに薄膜を積層した構造を示
す。
【図2】高分子基体フィルムに薄膜、粘着剤層、剥離フ
ィルムを積層した構造を示す。
【図3】高分子基体フィルムに粘着性を有する薄膜、剥
離フィルムを積層した構造を示す。
【符号の説明】
1 高分子基体フィルム 2 薄膜 3 粘着剤層 4 剥離フィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山本 秀雄 群馬県渋川市半田2470番地 日本カ−リツ ト株式会社中央研究所内 (72)発明者 伊佐 功 群馬県渋川市半田2470番地 日本カ−リツ ト株式会社中央研究所内

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明性を有する高分子基体フィルム上
    に、有機系紫外線吸収剤、有機系赤外線吸収剤及びこれ
    らと相溶するバインダー樹脂からなる薄膜を積層するこ
    とを特徴とする光線選択透過性フィルム。
  2. 【請求項2】 350nmの紫外線透過率が10%以下、1100
    nmの赤外線透過率が40%以下、かつ550nmの可視光線
    透過率が80%以上であることを特徴とする請求項1記載
    の光線選択透過性フィルム。
  3. 【請求項3】 薄膜上に、粘着剤層、剥離フィルムを順
    次積層することを特徴とする請求項1または2記載の光
    線選択透過性フィルム。
  4. 【請求項4】 薄膜が粘着性を有しており、その上に剥
    離フィルムを積層することを特徴とする請求項1または
    2記載の光線選択透過性フィルム。
  5. 【請求項5】 有機系紫外線吸収剤として下記一般式
    (A)で表されるベンゾフェノン系化合物を用いること
    を特徴とする請求項1または2または3または4記載の
    光線選択透過性フィルム。 【化1】 (式中、R1は、水素または炭素数が1〜12のアルキル
    基を、R2〜R4は、水素またはOH、OCH3、SO3
    ・3H2Oの置換基を表す。)
  6. 【請求項6】 有機系赤外線吸収剤として下記一般式
    (B)で表されるアミノ化合物を用いることを特徴とす
    る請求項1または2または3または4記載の光線選択透
    過性フィルム。 【化2】 (式中、R5は、水素または炭素数が1〜12のアルキル
    基を、Xは、SbF6、ClO4、BF4、NO3、F、C
    l、Br、Iを、nは1または2を表す。)
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