JP2005326503A - 調光材用着色部材 - Google Patents

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Abstract

【課題】着色状態での安定性に優れ、紫外光の照射による劣化が生じず、原則的に温度依存性のない調光材用着色部材を提供する。
【解決手段】着色層2と、光制御層4とを備えた調光材用着色部材であって、上記着色層2にはジアリールエテン系フォトクロミック化合物が含有され、光の照射度合いで着消色を繰り返し行うとともに、上記光制御層4は着色層2の光が照射される側に設けられ、着色層2に入射する光のうち、着消色に不必要な波長の光の入射を制御する機能を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を用いてなる着色層を備え、光の作用によって繰り返し着消色可能な調光材用着色部材に関するものである。
一般に、フォトクロミック化合物は、ある波長の光を照射することで、吸収スペクトルの異なる2つの異性体を可逆的に取り得る化合物であって、下記の一般式(α)のように示される。
ここで、A状態は消色体(色の付いていない化合物)、B状態は着色体であり、異なる波長の光に励起され、可逆的に反応し、異性体になり得る。一般に、A状態からB状態に移行する際には紫外光が用いられ、逆にB状態からA状態に移行する際には可視光が用いられる。近年、このようなフォトクロミック化合物のフォトクロミック反応を利用した、調光材料への応用が検討されている。例えば、フォトクロミック化合物を高分子媒体に分散させて着色層を形成し、これをガラスや透明樹脂板にラミネートして積層体構造に形成してなる調光フィルムや調光ガラスで実現が検討されている。この調光フィルムや調光ガラスにおいては、フォトクロミック化合物が着色状態となり得るのに必要な光を、太陽光に含まれる紫外線の波長と合わせることにより、昼間の日光の照射が強い時に、フォトクロミック化合物が着色状態となることで防眩効果が発現され、この防眩効果を利用したサングラス等、一部で実用化されている。
このような防眩効果を発現するサングラス等では、太陽光の照射度合いに対する着消色スピードが要求されるため、光だけでなく、熱によっても色変化を起こす、T型と呼ばれるスピロオキサジン系フォトクロミック化合物が一般に用いられる。しかし、このスピロオキサジン系フォトクロミック化合物は、太陽光下で着色状態となり、防眩効果が発現され、通常は消色状態で安定しているため、着色状態は非常に不安定であり、着色を維持するためには、常時、紫外光下に曝す必要がある。また、スピロオキサジン系フォトクロミック化合物は、紫外光の照射により不可逆劣化物が生成しやすく、着色を維持するために長時間、紫外光下に曝すと劣化するため、フォトクロミック反応自体が消失してしまうといった問題がある。
この光劣化の問題を解決するために、光安定剤や光学フィルターを用いる手法が提案されている。例えば、ニトロキシラジカルを三重項消光剤として用い、ポリビニルブチラールにスピロオキサジン系フォトクロミック化合物を添加した感光性材料が提案されている(特許文献1参照)。また、紫外線吸収剤を添加したフォトクロミック積層体が提案され(特許文献2参照)、光安定剤として用いられるヒンダードアミン系化合物と、フォトクロミック化合物をカプセル化した材料が提案されている(特許文献3参照)。
特開昭64−74285号公報 特開平4−358146号公報 特公平8−16215号公報
しかしながら、上記特許文献1〜3に記載の手法では、スピロオキサジン系フォトクロミック化合物を用いていることから、フォトクロミック反応が進行しなくなったり、それを補うためにフォトクロミック化合物の含有量を増量させないと、着色反応のスピードが落ちる等の難点がある。また、スピロオキサジン系フォトクロミック化合物は、本質的に温度依存性があり、実使用で想定される温度範囲内においても、高温雰囲気下でフォトクロミック反応が進行しなかったり、あるいは光の存在有無に関係なく、環境温度によって反応が進行してしまう等の難点がある。このような温度依存性に関する問題は、窓用のガラスやフィルムへの使用を想定した場合、外気温によって反応性が変わってしまうことであり、本来得られるべき光の照射度合いによる可逆的な防眩効果を得られないという問題が発生する。この問題を解決するために、例えば、温度調節機構を持つユニットを製品に組み込み、フォトクロミック化合物を含む材料を一定温度に保つことで、温度依存性の問題は克服可能と考えられるが、構成自体が非常に複雑となり、また高価な部材となることから、商業性という面での実現性は極めて低い。
本発明は、このような事情に鑑みなされたもので、着色状態での安定性に優れ、紫外光の照射による劣化が生じず、原則的に温度依存性のない調光材用着色部材の提供をその目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明の調光材用着色部材は、着色層と、光制御層とを備えた調光材用着色部材であって、上記着色層にはジアリールエテン系フォトクロミック化合物が含有され、光の照射度合いで着消色を繰り返し行うとともに、上記光制御層は着色層の光が照射される側に設けられ、着色層に入射する光のうち、着消色に不必要な波長の光の入射を制御する機能を有するという構成をとる。
すなわち、本発明者らは、着色状態での安定性に優れ、紫外光の照射による劣化が生じず、原則的に温度依存性のない調光材用着色部材を得るべく、鋭意研究を重ねた。まず、熱に対して非常に安定で、光によってのみ着消色反応を起こす、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物に着目し、このジアリールエテン系フォトクロミック化合物を用いて着色層を形成すると、着色状態での安定性に優れ、原則的に温度依存性のない調光材用着色部材が得られることを突き止めた。また、このジアリールエテン系フォトクロミック化合物は、着色状態の安定性、耐久性、耐候性に優れるため、スピロオキサジン系フォトクロミック化合物のように、常時、紫外光下に曝す必要がなく、紫外光の照射による劣化が生じない。しかし、このジアリールエテン系フォトクロミック化合物は、スピロオキサジン系フォトクロミック化合物に比べて、太陽光に対しての反応速度が劣る傾向がみられる。そこで、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を用いてなる着色層の、光が照射される側(光照射側)に、着色層に入射する光のうち、着消色に不必要な波長の光の入射を制御するための光制御層を設け、太陽光の照射度合いを調整することによって、紫外光と可視光の入射する光の量を調整すると、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物の反応速度を制御でき、適時、消色および着色を繰り返し行うことができるようになり、所期の目的を達成できることを見いだし、本発明に到達した。
本発明の調光材用着色部材は、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を用いて着色層を形成しているため、着色状態での安定性に優れ、原則的に温度依存性がない。また、着色層の光照射側に、着色層に入射する光のうち、着消色に不必要な波長の光の入射を制御するための光制御層を設け、紫外光の量を調整するため、紫外光によるフォトクロミック化合物の劣化が起きにくく、適時、消色および着色を繰り返し行うことができる。そのため、可逆的に可視光透過率を調整することができ、極めて優れた調光効果および遮光効果を奏するようになる。
また、上記着色層が、化学構造にカルボニル基を持たない材料を用いて構成されていると、耐候性がさらに向上するようになる。
そして、上記着色層が、酸素を遮蔽する機能を有する材料を用いて構成すると、耐候性がさらに向上するようになる。
また、上記着色層の少なくとも片面に、酸素を遮蔽する機能を有する材料を用いてなる層を設けると、耐候性がさらに向上するようになる。
つぎに、本発明の実施の形態について説明する。
本発明の調光材用着色部材は、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を用いてなる着色層の光照射側表面に、この着色層に入射する光のうち、着消色に不必要な波長の光の入射を制御するための光制御層が設けられて構成されている。
この着色層を構成するジアリールエテン系フォトクロミック化合物としては、目的とする反応速度、着色度合い等の特性を満たすものであれば特に限定はなく、例えば、下記の一般式(1)で表される化合物があげられる。
本発明においては、上記一般式(1)で表されるジアリールエテン系フォトクロミック化合物のなかでも、反応速度、温度依存性の観点から、特に、下記の一般式(2)または一般式(3)で表される化合物が好適に用いられる。
上記一般式(2)で表されるジアリールエテン系フォトクロミック化合物のなかでも、反応速度、温度依存性の観点から、特に、1−〔2−メチルベンゾ(b)チオフェン−3−イル〕−2−(1,2−ジメチル−3−インドリル)ヘキサフルオロシクロペンテンが好適に用いられる。
また、上記一般式(3)で表されるジアリールエテン系フォトクロミック化合物のなかでも、反応速度、温度依存性の観点から、特に、1,2−ビス〔2−メチル−6−(4−ジフェニルアミノ)フェニル−ベンゾ(b)チオフェン−3−イル〕ヘキサフルオロシクロペンテンが好適に用いられる。
このようなジアリールエテン系フォトクロミック化合物は、一般にバインダーである透明樹脂に分散して用いられる。
この透明性脂としては、特に限定はないが、耐候性の観点から、化学構造にカルボニル基を持たない材料や、酸素を遮蔽する機能を有する材料が好適に用いられる。
上記化学構造にカルボニル基を持たない材料としては、例えば、アモルファスポリオレフィン樹脂、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン樹脂、フェノキシ樹脂、ポリエーテル樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記酸素を遮蔽する機能を有する材料としては、酸素透過量の少ない材料であれば特に限定はなく、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアミド樹脂、ポリアクリルニトリル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、上記透明樹脂としては、上述の化学構造にカルボニル基を持たない材料や、酸素を遮蔽する機能を有する材料以外の透明樹脂を用いることも可能である。このような透明樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、フェノール樹脂等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
この透明樹脂に対するジアリールエテン系フォトクロミック化合物の配合割合は、透明樹脂100重量部(以下「部」と略す)に対して、0.1〜10部の範囲内が好ましく、特に好ましくは0.5〜5部の範囲内である。すなわち、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物が0.1部未満であると、フォトクロミック化合物の着色状態が視覚的に確認しにくく、充分な防眩効果が発現されず、逆に10部を超えると、フォトクロミック化合物の着色状態が目的とする透過率よりも大きくなりすぎ、消色状態に戻る際のスピードが低下したり、コストアップにもなる傾向がみられるからである。
なお、本発明の着色層用材料には、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物および透明樹脂に加えて、各種添加剤、例えば、耐候安定剤、酸化防止剤、可塑剤等を必要に応じて、適宜配合しても差し支えない。
本発明における着色層は、透明樹脂にジアリールエテン系フォトクロミック化合物を分散し、必要に応じて他の添加剤を分散させたものを、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム等の透明樹脂フィルムやガラス板等の基板の表面に、ローラーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法等の手法によってコーティングすることにより形成することができる。あるいは単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、加熱ロール、各種ニーダー等の溶融混練機を用いて透明樹脂に均一に複合化し、一般に使用される樹脂成形機による押出成形、ブロー成形、カレンダー成形等の各種成形方法を使用することにより形成することができる。
このようにして得られる着色層の厚みは、0.1〜1000μmの範囲内が好ましく、特に好ましくは1〜300μmの範囲内である。
つぎに、光制御層用材料としては、着色層に入射する光のうち、着消色に不必要な波長の光の入射を制御することが可能なものであれば特に限定はないが、着色層に入射する紫外光を完全にカットすると、フォトクロミック化合物の着色反応が生じなくなるため、着色反応が励起する紫外光が一定量透過可能で、かつ、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物の光劣化を起こし得る波長の紫外光をカットすることができる光制御材料が好適に用いられる。また、着色層に入射する可視光を完全にカットすると、フォトクロミック化合物の消色反応が生じなくなるため、消色反応が励起する可視光が一定量透過可能で、かつ、必要量の透明性が確保できる光制御材料が好適に用いられる。このような光制御材料としては、例えば、紫外線吸収剤、顔料化合物等を用いることができる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
上記紫外線吸収剤としては、フォトクロミック反応の励起に必要な紫外光を必要最低限に抑制し、その他の波長の光を透過させる吸収剤が好ましく、例えば、フェニルサリシレート系、2−ヒドロキシベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の紫外線吸収剤があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。
また、顔料化合物としては、例えば、アントラキノン系化合物、フタロシアニン系化合物、インジゴイド系化合物、テアゾ系化合物、インモニウム系化合物や、各種金属酸化物、金属錯体、カーボンブラック等があげられる。これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられる。これらのなかでも、フォトクロミック化合物の着消色反応の反応性の点から、隠蔽性の低い化合物や透明性を落とさないものが好適に用いられる。
これらの紫外線吸収剤や顔料化合物等の光制御材料は、一般に透明樹脂に分散して用いられる。
このような透明樹脂としては、前述の着色層用材料に用いられる透明樹脂と同様のものがあげられる。
この透明樹脂に対する光制御材料の配合割合は、透明樹脂100部に対して、0.1〜5部の範囲内が好ましく、特に好ましくは0.5〜3部の範囲内である。すなわち、光制御材料の配合割合が0.1部未満であると、紫外光の透過率の制御が充分に行われず、消色反応が進行しにくくなり、また、紫外光の照射による劣化が懸念され、逆に5部を超えると、紫外光の透過量が少なくなり、着色反応が進行しにくくなるからである。
なお、本発明で用いる光制御層用材料には、上記光制御材料および透明樹脂に加えて、耐候安定剤、酸化防止剤、可塑剤等の各種添加剤を必要に応じて、適宜配合しても差し支えない。
本発明における光制御層は、透明樹脂に光制御材料を分散し、必要に応じて他の添加剤を分散させたものを、PETフィルム等の透明樹脂フィルムやガラス板等の基板の表面に、ローラーコート法、グラビアコート法、マイクログラビアコート法、ディップコート法、スピンコート法、スプレーコート法等の手法によってコーティングすることにより形成することができる。あるいは単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、加熱ロール、各種ニーダー等の溶融混練機を用いて透明樹脂に均一に複合化し、一般に使用される樹脂成形機による押出成形、ブロー成形、カレンダー成形等の各種成形方法を使用することにより形成することができる。
このようにして得られる光制御層の厚みは、0.1〜200μmの範囲内が好ましく、特に好ましくは1〜60μmの範囲内である。すなわち、光制御層の厚みが0.1μmであると、充分な紫外光の透過率が調整しにくくなり、また、強度が充分にないため、剥離等の品質低下を引き起こす可能性が懸念され、逆に200μmを超えると、透明性が充分でなくなったり、紫外領域の透過率が減ることにより、着色反応完了までの時間が長くなる傾向がみられるからである。
なお、本発明における光制御層は、上記光制御層用材料に代えて、光学フィルターを用いて形成しても差し支えない。このような光学フィルターとしては、前述の光制御材料と同様な作用をするものが用いられ、例えば、色ガラスフィルター、光学プラスチックフィルム等があげられる。
本発明の調光材用着色部材は、例えば、前述のようにして作製した着色層と、光制御層とをラミネート等により積層することによって得ることができる。このようにして得られる本発明の調光材用着色部材は、例えば、対象とするガラス板等の表面にラミネート等により積層して用いられる。より具体的には、本発明の調光材用着色部材は、図1に示すように、PETフィルム等の基板1上に形成した着色層2と、PETフィルム等の基板3上に形成した光制御層4とを、ガラス板5の表面に、図1に示すような構成でラミネートして用いられる。なお、基板1と基板3をそれぞれ省略して、ガラス板5の表面に、光制御層4と着色層2を直接形成しても差し支えない。
本発明の調光材用着色部材は、図1に示した構成に限定されるものではなく、例えば、着色層2の少なくとも片面に、酸素を遮蔽する機能を有する材料を用いてなる層を形成することも可能であり、耐候性がより向上するため好ましい。上記酸素を遮蔽する機能を有する材料を用いてなる層としては、例えば、ガラス板等があげられる。
なお、本発明の調光材用着色部材は、窓用フィルム等の調光材用の着色部材として用いられるが、防眩用途に熱線遮蔽用途を付加した調光材用着色部材として用いることも可能である。この防眩用途に熱線遮蔽用途を付加した調光材用着色部材は、例えば、可視光領域の透過率が高い材料で構成された熱線遮蔽層を、着色層の少なくとも片面に積層することにより得ることができる。
つぎに、実施例について比較例と併せて説明する。
〔光制御層の作製〕
透明樹脂であるアクリル系粘着剤(綜研化学社製、SKダイン2094)100部に、紫外線吸収剤(綜研化学社製、TU−50)1部を分散して光制御層用材料を調製した。ついで、PETフィルム(東洋紡績社製、エステルフィルムA4100、厚み100μm)を準備し、その表面に光制御層用材料をマルチコーター〔線速:0.5m/min、乾燥炉温度:80℃(滞留時間:2分)〕によりコーティングして、PETフィルム付き光制御層(厚み40μm)を作製した。
〔着色層の作製〕
トルエン400部に対して、透明樹脂であるアモルファスポリオレフィン樹脂(日本ゼオン社製、ZEONOR1420R)100部と、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物である、1−〔2−メチルベンゾ(b)チオフェン−3−イル〕−2−(1,2−ジメチル−3−インドリル)ヘキサフルオロシクロペンテン(山田化学工業社製)2部とを分散して着色層用材料を調製した。ついで、PETフィルム(東洋紡績社製、エステルフィルムA4100、厚み100μm)を準備し、その表面に着色層用材料をマルチコーター〔線速:0.5m/min、乾燥炉温度:80℃(滞留時間:2分)〕によりコーティングして、PETフィルム付き着色層(厚み40μm)を作製した。
〔サンプルの作製〕
ガラス板(厚み3mm)を準備し、その表面に、PETフィルム付き光制御層、PETフィルム付き着色層を、この順にラミネートし、サンプル(ガラス板/光制御層/PETフィルム/着色層/PETフィルム)を作製した。
紫外線吸収剤の配合量を3部に変更する以外は、実施例1と同様にして光制御層用材料を調製した。そして、この光制御層用材料を用いる以外は実施例1と同様にして、サンプルを作製した。
ジアリールエテン系フォトクロミック化合物の配合量を4部に変更する以外は、実施例1と同様にして着色層用材料を調製した。そして、この着色層用材料を用いる以外は実施例1と同様にして、サンプルを作製した。
トルエン400部に対して、透明樹脂であるポリスチレン樹脂(エー・アンド・エム スチレン社製、HF77)100部と、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物である、1−〔2−メチルベンゾ(b)チオフェン−3−イル〕−2−(1,2−ジメチル−3−インドリル)ヘキサフルオロシクロペンテン(山田化学工業社製)2部を分散して着色層用材料を調製した。そして、この着色層用材料を用いる以外は実施例1と同様にして、サンプルを作製した。
ジアリールエテン系フォトクロミック化合物である、1−〔2−メチルベンゾ(b)チオフェン−3−イル〕−2−(1,2−ジメチル−3−インドリル)ヘキサフルオロシクロペンテン(山田化学工業社製)に代えて、1,2−ビス〔2−メチル−6−(4−ジフェニルアミノ)フェニル−ベンゾ(b)チオフェン−3−イル〕ヘキサフルオロシクロペンテン(山田化学工業社製)を用いる以外は、実施例1と同様にして着色層用材料を調製した。そして、この着色層用材料を用いる以外は実施例1と同様にして、サンプルを作製した。
〔光制御層の作製〕
実施例1と同様にして、PETフィルム付き光制御層(厚み40μm)を作製した。
〔着色層の作製〕
透明樹脂であるポリビニルブチラール(和光純薬工業社製、ポリビニルブチラール樹脂)100部に、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物である、1−〔2−メチルベンゾ(b)チオフェン−3−イル〕−2−(1,2−ジメチル−3−インドリル)ヘキサフルオロシクロペンテン(山田化学工業社製)2部を分散して着色層用材料を調製した。そして、セパレータ(ガラス板)を準備し、その表面に、乾燥後の着色層の厚みが200μmとなるように上記着色層用材料をコーティングし、1時間予備乾燥を行い、セパレータ付き着色層(厚み200μm)を作製した。
〔サンプルの作製〕
ガラス板(厚み3mm)を準備し、その表面に、上記セパレータ付き着色層から剥がした着色層(厚み200μm)のみを重ねた後、この表面にPETフィルム(東洋紡績社製、エステルフィルムA4100、厚み100μm)を重ね、真空プレス機(プレス温度:150℃、圧力:9800N、真空度:3torr、真空保持時間:5分、プレス時間:2分)によりプレスを行い、着色層の厚みを40μmに調整し、PETフィルム/着色層/ガラス板からなるサンプルを作製した。つぎに、このサンプルのガラス板の反対側の表面に、上記のPETフィルム付き光制御層(厚み40μm)の光制御層側をラミネートし、サンプル(PETフィルム/光制御層/ガラス板/着色層/PETフィルム)を作製した。
〔光制御層の作製〕
実施例1と同様にして、PETフィルム付き光制御層(厚み40μm)を作製した。
〔着色層の作製〕
実施例6と同様にして、セパレータ付き着色層(厚み200μm)を作製した。
〔サンプルの作製〕
ガラス板(厚み3mm)を準備し、その表面に、上記セパレータ付き着色層から剥がした着色層(厚み200μm)のみを重ねた後、この表面にガラス板(厚み3mm)を重ね、真空プレス機(プレス温度:150℃、圧力:9800N、真空度:3torr、真空保持時間:5分、プレス時間:2分)によりプレスを行い、着色層の厚みを40μmに調整し、ガラス板/着色層/ガラス板からなるサンプルを作製した。つぎに、このサンプルのガラス板の表面に、上記のPETフィルム付き光制御層(厚み40μm)の光制御層側をラミネートし、サンプル(PETフィルム/光制御層/ガラス板/着色層/ガラス板)を作製した。
〔比較例1〕
光制御層を形成しない以外は、実施例1と同様にして、サンプル(ガラス板/着色層/PETフィルム)を作製した。
〔比較例2〕
紫外線吸収剤を配合しない以外は、実施例1と同様にして、光制御層用材料を調製した。また、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物を配合しない以外は、実施例1と同様にして、着色層用材料を調製した。そして、この光制御層用材料および着色層用材料を用いる以外は、実施例1と同様にして、サンプルを作製した。なお、比較例2においては、フォトクロミック化合物を配合していないため、本来は、着色層ではないが、実施例との比較を容易にするため、便宜上、着色層と称する。
〔比較例3〕
ジアリールエテン系フォトクロミック化合物である、1−〔2−メチルベンゾ(b)チオフェン−3−イル〕−2−(1,2−ジメチル−3−インドリル)ヘキサフルオロシクロペンテン(山田化学工業社製)に代えて、スピロオキサジン系フォトクロミック化合物である、1,3,3−トリメチルインドリノナフトスピロオキサジン(東京化成工業社製、ナフトスピロオキサジンT1259)を用いる以外は、実施例1と同様にして着色層用材料を調製した。そして、この着色層用材料を用いる以外は実施例1と同様にして、サンプルを作製した。
このようにして作製した実施例品および比較例品のサンプルを用いて、下記の基準に従い、各特性の評価を行った。これらの結果を、後記の表1に併せて示した。
〔着色スピード〕
サンプルの光制御層側方向より、紫外線ランプ(アズワン社製、ハンディーUVランプ LUV−16、中心波長:365nm、紫外線強度:1050μW/cm2 )を照射した際の、着色反応の完了までにかかる時間を測定した。
〔消色スピード〕
サンプルの光制御層側方向より、UVカットフィルム(帝人デュポンフィルム社製、テイジンテトロンフィルムHB3、厚み:75μm)を介して、ハロゲンランプ(ハタヤリミテッド社製、ミニハロゲンライトMH−M15、全光束:27501m)を照射した際の、消色反応の完了までにかかる時間を測定した。
〔可視光透過率〕
着色および消色反応が飽和状態に達した時の、着色時および消色時の可視光透過率を、可視−紫外透過スペクトル測定機(島津製作所社製、UV−3100PC)を用いて測定した。
〔耐候性〕
キセノンウェザーメーター(アトラス社製、Ci35A、ブラックパネル温度:63℃±2℃、120分中18分間水スプレー、試験時間:200時間)を用いて、試験後サンプルの着色時および消色時の可視光透過率から着色量を求め、試験前サンプルの着色量と比較した時の残率により評価した。
上記表の結果から、実施例品のサンプルは、比較例品のサンプルに比べて、特に消色スピードが向上し、着色スピードも実用充分な範囲にあった。また、紫外線ランプ照射後の着色時可視光透過率は、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物の配合量によって適宜調整可能であり、ジアリールエテン系フォトクロミック化合物の配合量を適正に調整することにより、最適な可視光透過率を得ることができる。実施例7品のサンプルは、着色層の両面に、酸素遮蔽層であるガラス板を設けているため、耐候性が特に優れていた。
これに対して、比較例1品のサンプルは、光制御層を形成していないため、耐候性と消色スピードが低下した。比較例2品のサンプルは、フォトクロミック化合物を用いていないため、紫外線ランプ照射前後の可視光透過率に変化がなかった。比較例3品のサンプルは、スピロオキサジン系フォトクロミック化合物を用いているため、着色スピードおよび消色スピードがいずれも速く、着消色反応性に優れるが、着色安定性が悪く、可視光透過率の変化度合いも小さかった。また温度依存性があった。
本発明の調光材用着色部材は、窓用フィルム等の調光材用の着色部材として用いられるが、防眩用途に熱線遮蔽用途を付加した調光材用着色部材として用いることも可能である。
本発明の調光材用着色部材の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 基板
2 着色層
3 基板
4 光制御層
5 ガラス板

Claims (7)

  1. 着色層と、光制御層とを備えた調光材用着色部材であって、上記着色層にはジアリールエテン系フォトクロミック化合物が含有され、光の照射度合いで着消色を繰り返し行うとともに、上記光制御層は着色層の光が照射される側に設けられ、着色層に入射する光のうち、着消色に不必要な波長の光の入射を制御する機能を有することを特徴とする調光材用着色部材。
  2. ジアリールエテン系フォトクロミック化合物が、下記の一般式(1)で表される化合物である請求項1記載の調光材用着色部材。
  3. 上記一般式(1)で表されるジアリールエテン系フォトクロミック化合物が、下記の一般式(2)で表される化合物である請求項2記載の調光材用着色部材。
  4. 上記一般式(1)で表されるジアリールエテン系フォトクロミック化合物が、下記の一般式(3)で表される化合物である請求項2記載の調光材用着色部材。
  5. 上記着色層が、化学構造にカルボニル基を持たない材料を用いて構成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の調光材用着色部材。
  6. 上記着色層が、酸素を遮蔽する機能を有する材料を用いて構成されている請求項1〜4のいずれか一項に記載の調光材用着色部材。
  7. 上記着色層の少なくとも片面に、酸素を遮蔽する機能を有する材料を用いてなる層が設けられている請求項1〜6のいずれか一項に記載の調光材用着色部材。
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