JPH06199546A - フォトクロミック合わせガラス及びフォトクロミック複層材料 - Google Patents

フォトクロミック合わせガラス及びフォトクロミック複層材料

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JPH06199546A
JPH06199546A JP5281113A JP28111393A JPH06199546A JP H06199546 A JPH06199546 A JP H06199546A JP 5281113 A JP5281113 A JP 5281113A JP 28111393 A JP28111393 A JP 28111393A JP H06199546 A JPH06199546 A JP H06199546A
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JP
Japan
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photochromic
ultraviolet
layer
photochromic compound
transparent
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JP5281113A
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Hirobumi Omura
博文 尾村
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 一面から太陽光のような光が当たると着色又
は変色するが、その反対面から太陽光のような光が当た
ると無色或いは異なる色合いに着色又は変色するフォト
クロミック合わせガラス及びフォトクロミック複層材料
を提供する。 【構成】 フォトクロミック合わせガラスは、紫外線カ
ット率が95%以上の透明中間膜30の片面に、この紫
外線カットの波長領域でフォトクロミズム活性を示すフ
ォトクロミック化合物層40又は40' が設けられてい
る。また、紫外線カット率が95%以上の透明中間膜3
0の両面に、この紫外線カットの波長領域で互いに異な
る色合いのフォトクロミズム活性を示すフォトクロミッ
ク化合物層40と41、又は40' と41' が設けられ
ている。10及び20はガラス板である。フォトクロミ
ック複層材料は、紫外線カット率が95%以上の透明樹
脂層の片面又は両面に上記と同様なフォトクロミック化
合物層が設けられてなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、両面が異なる色合い
に着色又は変色するフォトクロミック合わせガラス及び
フォトクロミック複層材料に関する。
【0002】
【従来の技術】中間膜とガラスとの境界或いは中間膜の
中に、フォトクロミック化合物層が設けられた調光性の
フォトクロミック合わせガラスは知られている。
【0003】また、フォトクロミック化合物の光劣化を
防止するために、中間膜に紫外線吸収剤を含有させるこ
とも知られている。紫外線吸収剤としては、有効吸収波
長270〜380nm程度の一般的な紫外線吸収剤が使
用される。
【0004】この場合、フォトクロミック化合物として
は、調光機能を持たせるために、上記の紫外線吸収剤の
有効吸収波長を外れた可視光線領域でフォトクロミック
活性を示す化合物が使用される。
【0005】具体的には、1,5−ジオルソトリフルオ
ロメチルフェニルチオカルバゾン水銀(550nm付近
で赤色に変色する)、1,5−ジオルソエチルフェニル
フェニルチオカルバゾン水銀(580nm付近で青色に
変色する)等のフォトクロミック化合物が使用されてい
る(例えば、特開昭60−205429号公報参照)。
【0006】さらに、ポリエチレンテレフタレート等の
透明樹脂層(透明支持体)の表面に、スピロオキサジン
化合物等のフォトクロミック化合物層が設けられたフォ
トクロミック複層材料も知られている(例えば、特公昭
45−28892号公報参照)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】この種の従来のフォト
クロミック合わせガラス及びフォトクロミック複層材料
は、その両面が同じ色合いのフォトクロミック活性を示
す。すなわち、一面から太陽光のような光が当たると着
色又は変色し、またその反対面から太陽光のような光が
当たっても上記と同じ色合いに着色又は変色して調光性
を示す。
【0008】この発明は、上記従来のフォトクロミック
複層材料及びフォトクロミック合わせガラスとは異な
り、一面から太陽光のような光が当たると着色又は変色
するが、その反対面から太陽光のような光が当たると無
色或いは上記と異なる色合いに着色又は変色するフォト
クロミック合わせガラス及びフォトクロミック複層材料
を提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明のフォトクロミ
ック合わせガラスのうち、請求項1記載の発明は、紫外
線カット率が95%以上の透明中間膜の片面に、この紫
外線カットの波長領域でフォトクロミズム活性を示すフ
ォトクロミック化合物層を設けたものである。
【0010】また、この発明のフォトクロミック合わせ
ガラスのうち、請求項2記載の発明は、紫外線カット率
が95%以上の透明中間膜の両面に、この紫外線カット
の波長領域で互いに異なる色合いのフォトクロミック活
性を示すフォトクロミック化合物層を設けたものであ
る。
【0011】この発明のフォトクロミック複層材料のう
ち、請求項3記載の発明は、紫外線カット率が95%以
上の透明樹脂層の片面に、この紫外線カットの波長領域
でフォトクロミズム活性を示すフォトクロミック化合物
層を設けたものである。
【0012】また、この発明のフォトクロミック複層材
料のうち、請求項4記載の発明は、紫外線カット率が9
5%以上の透明樹脂層の両面に、この紫外線カットの波
長領域で互いに異なる色合いのフォトクロミック活性を
示すフォトクロミック化合物層を設けたものである。
【0013】この発明に用いる透明中間膜としては、一
般に用いられている軟質の透明中間膜、例えば、可塑化
ポリビニルブチラール、ポリウレタン系、可塑化ポリ塩
化ビニル系、EVA系等からなる軟質の透明中間膜が使
用される。そして、この透明中間膜に紫外線吸収剤を適
量含有させることにより、紫外線カット率が95%以上
になされる。
【0014】また、この発明に用いる透明樹脂層として
は、一般に、硬質の透明樹脂層、例えば、ポリエチレン
テレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリス
チレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレー
ト、ポリブチルメタクリレート等からなる硬質の透明樹
脂層が使用される。そして、この透明樹脂層に紫外線吸
収剤を適量含有させることにより、紫外線カット率が9
5%以上になされる。
【0015】紫外線吸収剤としては、270〜380n
mの波長範囲で幅広く紫外線を吸収するものが望まし
く、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール
系、サリチル酸系、シアノアクリレート系等の一般的な
紫外線吸収剤が用いられる。
【0016】これ等の紫外線吸収剤の使用量は、紫外線
カット率が95%以上となるように実験により定められ
るが、一般に、透明中間膜或いは透明樹脂層に対して
0.05〜5重量%の範囲で使用される。
【0017】紫外線吸収剤の含有率が少なすぎると紫外
線カット率が95%未満になり、逆に多すぎるとその増
加に伴って紫外線吸収能が増加しないばかりか、ブリー
ドや凝集等の問題が生じる。
【0018】ここで、紫外線カット率は、DIN 67
507により測定された値であり、280〜380nm
の紫外線のカット率を意味する。この波長領域の紫外線
は地上に到達する太陽光中の紫外線の波長領域とほぼ一
致している。
【0019】この紫外線カット率が95%未満では透過
する紫外線が多くなって、これを通過する太陽光のよう
な紫外線を含む光により、フォトクロミック化合物がフ
ォトクロミック活性となるので、この発明の目的を達成
することができない。
【0020】フォトクロミック化合物としては、スピロ
ピラン化合物、スピロオキサジン化合物、フルギド化合
物、ジチゾン化合物、ハロゲン化銀化合物等のフォトク
ロミック化合物の中から、上記の紫外線カットの波長領
域でフォトクロミズム活性を示す化合物が用いられる。
【0021】前記透明中間膜の片面或いは両面に、これ
等のフォトクロミック化合物層を設け、合わせガラスを
製造するには、主に次のような二つの方法が採用され
る。
【0022】すなわち、合わせガラス(無機又は有機合
わせガラス)を製造する際に、前記紫外線カットの透明
中間膜の少なくとも片面に、フォトクロミック化合物を
練り込むか或いは含浸させた通常の透明中間膜を重ね合
わせ、これを常法で圧着する方法が採用される。
【0023】また、合わせガラス(無機又は有機合わせ
ガラス)を製造する際に、少なくとも一方のガラスの内
面にフォトクロミック化合物の溶液を塗布しておき、こ
のガラスで前記の紫外線カットの透明中間膜を挟み、こ
れを圧着する方法が採用される。
【0024】また、前記透明樹脂層の片面或いは両面
に、上記フォトクロミック化合物層を設けるには、この
透明樹脂層の片面或いは両面に、フォトクロミック化合
物の溶剤溶液やフォトクロミック化合物の樹脂溶液を塗
布する方法が主に採用される。ここで、溶剤溶液として
は、メチルエチルケトン、トルエン、アセトン、メタノ
ール、エタノール等の溶剤が用いられる。樹脂溶液とし
ては、紫外線硬化型樹脂液を用いるのが好ましい。
【0025】透明中間膜或いは透明樹脂層の両面に、フ
ォトクロミック化合物層を設ける場合は、両面が互いに
異なる色合いに着色又は変色するように、フォトクロミ
ック化合物が選定される。
【0026】フォトクロミック化合物の使用量は、光が
当たったときに所望の色合いとなるように実験により定
められるが、一般に、透明中間膜或いは透明樹脂層に対
して0.01〜10重量%、好ましくは0.05〜1重
量%の範囲で使用される。
【0027】フォトクロミック化合物の含有量が少なす
ぎると、実質的な着色又は変色がみられず、逆にフォト
クロミック化合物の含有量が多すぎると、光が当たらな
い状態でも可視光線透過率が極端に低くなる。
【0028】なお、透明樹脂層の片面或いは両面に、上
記フォトクロミック化合物層を設ける場合は、得られる
フォトクロミック複層材料は、透明中間膜のようにガラ
スを貼り合わせることなくそのまま使用されることが多
いので、上記フォトクロミック化合物層の上に、例え
ば、紫外線硬化型樹脂液等によるハードコート層を設け
て、フォトクロミック化合物層を保護するのが好まし
い。
【0029】紫外線硬化型樹脂液としては、アクリル系
の紫外線硬化型樹脂液など公知のものが使用される。こ
のような紫外線硬化型樹脂液を使用する場合は、紫外線
によって樹脂液が硬化し、熱硬化の必要がないので、熱
履歴が少なく耐久性のよいフォトクロミック化合物層を
形成することができる。
【0030】
【作用】紫外線カット率が95%以上の透明中間膜或い
は透明樹脂層の片面に、この紫外線カットの波長領域で
フォトクロミズム活性を示すフォトクロミック化合物層
が設けられると、一面からの太陽光などの紫外線を含む
光は、フォトクロミック化合物層に直接当たるので、こ
の層のフォトクロミック化合物が活性化されて特有の色
合いに着色又は変色する。
【0031】一方、反対面からの太陽光などの紫外線を
含む光は、透明中間膜或いは透明樹脂層を通過する際に
紫外線が実質的にカットされてフォトクロミック化合物
層に当たるので、この層のフォトクロミック化合物は活
性化されずに無色の常態を保持する。
【0032】また、紫外線カット率が95%以上の透明
中間膜或いは透明樹脂層の両面に、この紫外線カットの
波長領域で互いに異なる色合いのフォトクロミズム活性
を示すフォトクロミック化合物層が設けられると、一面
からの太陽光などの紫外線を含む光は、一方のフォトク
ロミック化合物層に直接当たるので、この一方の層のフ
ォトクロミック化合物が活性化されて特有の着色又は変
色する。しかし、他方の層のフォトクロミック化合物は
活性化されずに無色の常態を保持する。
【0033】一方、反対面からの太陽光などの紫外線を
含む光は、上記の作用とは逆に、他方の層のフォトクロ
ミック化合物を活性化して上記とは異なる色合いに着色
又は変色する。しかし、一方の層のフォトクロミック化
合物は活性化されずに無色の常態を保持する。
【0034】
【実施例】以下、この発明の実施例及び比較例を示す。
なお、図2及び図3に各実施例で作製されたフォトクロ
ミック合わせガラスの断面図を示す。実施例1 紫外線カットの透明中間膜の調製 ポリビニルブチラール樹脂(重合度1700、ブチラー
ル化度66モル%)100重量部に、可塑剤としてトリ
エチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート40重
量部と、有効吸収波長270〜380nmのベンゾトリ
アゾール系紫外線吸収剤(チヌビン326:チバガイギ
ー社製)0.2重量部とを混合し、110℃のロールで
混練して、厚さが0.5mmで紫外線カット率が99.6
%の透明中間膜30を調製した。この透明中間膜30の
光線透過率のグラフを図1に示す。
【0035】フォトクロミック化合物層の調製 厚さ3mmのフロートガラス板10の片面に、下記の構造
式で表されるベンゾスピロピラン化合物(波長300〜
380nmの光でフォトクロミズム活性を示す)を、メ
チルエチルケトンとトルエンとの等量の混合溶剤に溶解
した溶液を塗布し風乾して、厚さ5μm のフォトクロミ
ック化合物層40が付着したガラス板10を調製した。
【0036】
【化1】
【0037】フォトクロミック合わせガラスの作製 上記フォトクロミック化合物層付きのガラス板10のフ
ォトクロミック化合物層40の側に、前記紫外線カット
の透明中間膜30と、厚さ3mmのフロートガラス板20
とをこの順に重ね合わせ、これをゴム製バッグに入れ、
真空度10torrに減圧した後、120℃で加熱し3
0分間保持した。
【0038】その後、冷却して減圧を解き、これをゴム
製バッグから取り出し、これをオートクレーブ容器に入
れて140℃、13 kg/cm2 に加熱加圧し20分間保
持し、冷却して、図2(A)に示すフォトクロミック合
わせガラスを作製した。この合わせガラスは、透明で気
泡のないきれいな外観で、各層の接着状態も良好であっ
た。
【0039】フォトクロミック合わせガラスの性能評価 上記のフォトクロミック合わせガラスについて、可視光
線透過率、紫外線照射直後の可視光線透過率を測定し、
またパンメル試験を行った。その結果を表2に示す。
【0040】なお、可視光線透過率は、JIS R32
12に準拠して測定した。紫外線照射直後の可視光線透
過率は、10Wの殺菌灯を10cmの距離から一面とその
反対面とから別々に1分間照射した直後の可視光線透過
率を測定した。なお、目視で観察される色も付記した。
【0041】パンメル試験は、フォトクロミック合わせ
ガラスを−18±0.6℃の温度に16±4時間放置し
た後、これをハンマーで打って粉砕されたガラスが部分
剥離した後の中間膜の露出度を、表1に示したグレード
付けにしたがってパンメル値で示す。
【0042】実施例2 ポリビニルブチラール樹脂(重合度1700、ブチラー
ル化度66モル%)100重量部に、可塑剤としてトリ
エチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート40重
量部と、実施例1で用いたベンゾスピロピラン化合物
(波長300〜380nmの光でフォトクロミズム活性
を示す)1重量部とを混合し、110℃のロールで混練
して、厚さが0.4mmでフォトクロミック化合物含有の
透明中間膜40' を調製した。
【0043】厚さ3mmのフロートガラス板10、上記フ
ォトクロミック化合物含有の透明中間膜40' 、実施例
1で調製した紫外線カットの透明中間膜30、厚さ3mm
のフロートガラス板20をこの順に重ね合わせ、それ以
外は実施例1と同様に行って、図2(B)に示すフォト
クロミック合わせガラスを作製した。
【0044】この合わせガラスは、透明で気泡のないき
れいな外観で、各層の接着状態も良好であった。上記の
フォトクロミック合わせガラスについて、実施例1と同
様に、可視光線透過率、紫外線照射直後の可視光線透過
率を測定し、またパンメル試験を行った。その結果を表
2に示す。
【0045】実施例3 厚さ3mmのフロートガラス板20の片面に、下記の構造
式で表されるスピロオキサジン化合物(波長300〜3
80nmの光でフォトクロミズム活性を示す)を、メチ
ルエチルケトンとトルエンとの等量の混合溶剤に溶解し
た溶液を塗布し風乾して、厚さ5μm のフォトクロミッ
ク化合物層41が付着した付きのガラス板20を作製し
た。
【0046】
【化2】
【0047】実施例1で調製したフォトクロミック化合
物層付きのガラス板10のフォトクロミック化合物層4
0の側に、実施例1で調製した紫外線カットの透明中間
膜30と、上記フォトクロミック化合物層付きのガラス
板20のフォトクロミック化合物層41の側とをこの順
に重ね合わせ、それ以外は実施例1と同様に行って、図
2(C)に示すフォトクロミック合わせガラスを作製し
た。
【0048】この合わせガラスは、透明で気泡のないき
れいな外観で、各層の接着状態も良好であった。上記の
フォトクロミック合わせガラスについて、実施例1と同
様に、可視光線透過率、紫外線照射直後の可視光線透過
率を測定し、またパンメル試験を行った。その結果を表
2に示す。
【0049】実施例4 ポリビニルブチラール樹脂(重合度1700、ブチラー
ル化度66モル%)100重量部に、可塑剤としてトリ
エチレングリコール−ジ−2−エチルブチレート40重
量部と、実施例3で用いたスピロオキサジン化合物1重
量部とを混合し、110℃のロールで混練して、厚さが
0.4mmでフォトクロミック化合物含有の透明中間膜4
1' を調製した。
【0050】厚さ3mmのフロートガラス板10、実施例
2で調製したフォトクロミック化合物含有の透明中間膜
40' 、実施例1で調製した紫外線カットの透明中間膜
30、上記フォトクロミック化合物含有の透明中間膜4
1' 、厚さ3mmのフロートガラス板20をこの順に重ね
合わせ、それ以外は実施例1と同様に行って、図2
(D)に示すフォトクロミック合わせガラスを作製し
た。
【0051】この合わせガラスは、透明で気泡のないき
れいな外観で、各層の接着状態も良好であった。上記の
フォトクロミック合わせガラスについて、実施例1と同
様に、可視光線透過率、紫外線照射直後の可視光線透過
率を測定し、またパンメル試験を行った。その結果を表
2に示す。
【0052】比較例1 実施例1の紫外線カットの透明中間膜の調製において、
ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を全く配合しなかっ
た。それ以外は実施例1と同様に行った。その結果を表
2に示す。
【0053】比較例2 実施例2において、実施例1で調製した紫外線カットの
透明中間膜を使用しなかった。それ以外は、実施例2と
同様に行った。その結果を表2に示す。
【0054】比較例3 実施例1の紫外線カットの透明中間膜の調製において、
有効吸収波長270〜380nmのベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤を、有効吸収波長290〜330nmの
フェニルサリシレート0.2重量部に変更した。この透
明中間膜の紫外線カット率は23%であった。それ以外
は実施例1と同様に行った。その結果を表2に示す。
【0055】比較例4 実施例3において、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
を全く配合しなかった。それ以外は実施例3と同様に行
った。その結果を表2に示す。
【0056】比較例5 実施例4において、実施例1で調製した紫外線カットの
透明中間膜を使用しなかった。それ以外は、実施例4と
同様に行った。その結果を表2に示す。
【0057】比較例6 実施例1において、ベンゾスピロピラン化合物に替え
て、1,5−ジオルソエチルフェニルフェニルチオカル
バゾン水銀(580nm付近の光でフォトクロミズム活
性を示す)を用いた。それ以外は、実施例1と同様に行
った。その結果を表2に示す。
【0058】
【表1】
【0059】
【表2】
【0060】実施例5 紫外線カットの透明樹脂層の調製 ポリメチルメタクリレート樹脂(アクリペット:三菱レ
イヨン社製)100重量部に、有効吸収波長270〜3
80nmのベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤(チヌビ
ン326:チバガイギー社製)0.2重量部を混合し、
これを板状に成形して、厚さ3mmで紫外線カット率が9
9.6%の板状の透明樹脂層50を作製した。
【0061】フォトクロミック複層材料の作製 厚さ3mmの上記透明樹脂層50の片面に、実施例1で用
いたベンゾスピロピラン化合物(波長300〜380n
mの光でフォトクロミズム活性を示す)を、メチルエチ
ルケトンとトルエンとの等量の混合溶剤に溶解した溶液
を塗布し風乾して、厚さ5μm のフォトクロミック化合
物層60を形成した。
【0062】さらに、上記フォトクロミック化合物層6
0の外側面に、アクリル系の紫外線硬化型樹脂液(ウベ
コール:ダイセル社製)を塗布し、これに80W/cmの
メタルハライドランプを50cmの高さから3分間照射し
て上記樹脂液を硬化させ、厚さ1mmのハードコート層7
0を形成させ、図3(E)に示すフォトクロミック複層
材料を作製した。
【0063】フォトクロミック複層材料の性能評価 上記のフォトクロミック複層材料について、実施例1と
同様な方法で、可視光線透過率及び紫外線照射直後の可
視光線透過率を測定した。その結果を表3に示す。
【0064】実施例6 実施例5で作製した厚さ3mmで紫外線カット率が99.
6%の板状の透明樹脂層50の片面に、実施例5で用い
たアクリル系の紫外線硬化型樹脂液(ウベコール:ダイ
セル社製)100重量部に対し、実施例1で用いたベン
ゾスピロピラン化合物(波長300〜380nmの光で
フォトクロミズム活性を示す)2重量部を混合した樹脂
液を塗布し、これに80W/cmのメタルハライドランプ
を50cmの高さから3分間照射して上記樹脂液を硬化さ
せ、厚さ1mmのフォトクロミック化合物含有の透明樹脂
硬化層60' を形成させ、図3(F)に示すフォトクロ
ミック複層材料を作製した。
【0065】このフォトクロミック複層材料について、
実施例5と同様に、可視光線透過率及び紫外線照射直後
の可視光線透過率を測定した。その結果を表3に示す。
【0066】実施例7 実施例5において、ベンゾスピロピラン化合物に代え
て、実施例3で用いたスピロオキサジン化合物(波長3
00〜380nmの光でフォトクロミズム活性を示す)
を用いた。それ以外は、実施例5と同様に行った。その
結果を表3に示す。
【0067】実施例8 実施例6において、ベンゾスピロピラン化合物に代え
て、実施例3で用いたスピロオキサジン化合物(波長3
00〜380nmの光でフォトクロミズム活性を示す)
を用いた。それ以外は、実施例6と同様に行った。その
結果を表3に示す。
【0068】実施例9 実施例5で得られたフォトクロミック複層材料におい
て、フォトクロミック化合物層60が付着していない側
の透明樹脂層50の面に、実施例3で用いたスピロオキ
サジン化合物(波長300〜380nmの光でフォトク
ロミズム活性を示す)を、メチルエチルケトンとトルエ
ンとの等量の混合溶剤に溶解した溶液を塗布し風乾し
て、厚さ5μm のフォトクロミック化合物層61を形成
した。
【0069】さらに、上記フォトクロミック化合物層6
1の外側面に、アクリル系の紫外線硬化型樹脂液(ウベ
コール:ダイセル社製)を塗布し、これに80W/cmの
メタルハライドランプを50cmの高さから3分間照射し
て上記樹脂液を硬化させ、厚さ1mmのハードコート層7
1を形成させ、図3(G)に示すフォトクロミック複層
材料を作製した。
【0070】このフォトクロミック複層材料について、
実施例1と同様に、可視光線透過率及び紫外線照射直後
の可視光線透過率を測定した。その結果を表3に示す。
【0071】比較例7〜10 実施例5において、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤
を全く配合せずに調製した紫外線カットの透明樹脂層を
用いた以外は実施例5〜8の順に対応させて同様に行っ
た。その結果を表3に示す。
【0072】比較例11 実施例5の紫外線カットの透明樹脂層の調製において、
有効吸収波長270〜380nmのベンゾトリアゾール
系紫外線吸収剤を、有効吸収波長290〜330nmの
フェニルサリシレート0.2重量部に変更した。この透
明樹脂層の紫外線カット率は23%であった。それ以外
は実施例5と同様に行った。その結果を表3に示す。
【0073】比較例12 実施例5において、ベンゾスピロピラン化合物に替え
て、1,5−ジオルソエチルフェニルフェニルチオカル
バゾン水銀(580nm付近の光でフォトクロミズム活
性を示す)を用いた。それ以外は、実施例5と同様に行
った。その結果を表3に示す。
【0074】
【表3】
【0075】
【発明の効果】この発明のフォトクロミック合わせガラ
ス及びフォトクロミック複層材料は、上述のように構成
されているので、一面から太陽光のような光が当たると
着色又は変色するが、その反対面から太陽光のような光
が当たると無色或いは異なる色合いに着色又は変色す
る。
【0076】それゆえ、この発明のフォトクロミック合
わせガラス及びフォトクロミック複層材料は、一面を利
用して従来の合わせガラスと同様に、建物や自動車の
窓、建築物の開口部や間仕切りなどに使用して調光機能
を持たせることができる。
【0077】また、その反対面を利用すると無色或いは
異なる色合いに着色又は変色するので、一面とは異なる
色合いの調光機能を得ることができて便利である。ま
た、両面が異なる色合いを呈するので、使い方によって
は装飾的或いはデザイン的な効果も生じるという利点が
ある。
【0078】なお、この発明のフォトクロミック複層材
料は、無機ガラスを使用しないので、フォトクロミック
合わせガラスのうち、無機ガラスを使用するフォトクロ
ミック合わせガラスに比べて、軽量化できるという利点
もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に用いる紫外線カットの透明中間膜の
光線透過率の例を示すグラフである。
【図2】この発明のフォトクロミック合わせガラスの例
を示す断面図である。
【図3】この発明のフォトクロミック複層材料の例を示
す断面図である。
【符号の説明】
10 フロートガラス板 20 フロートガラス板 30 紫外線カットの透明中間膜 40 フォトクロミック化合物の塗布層 40’フォトクロミック化合物を含有する透明中間膜 41 フォトクロミック化合物の塗布層 41’フォトクロミック化合物を含有する透明中間膜 50 透明樹脂層 60 フォトクロミック化合物の塗布層 60’フォトクロミック化合物を含有する透明樹脂硬化
層 61 フォトクロミック化合物の塗布層 70 ハードコート層 71 ハードコート層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紫外線カット率が95%以上の透明中間
    膜の片面に、この紫外線カットの波長領域でフォトクロ
    ミズム活性を示すフォトクロミック化合物層が設けられ
    ていることを特徴とするフォトクロミック合わせガラ
    ス。
  2. 【請求項2】 紫外線カット率が95%以上の透明中間
    膜の両面に、この紫外線カットの波長領域で互いに異な
    る色合いのフォトクロミック活性を示すフォトクロミッ
    ク化合物層が設けられていることを特徴とするフォトク
    ロミック合わせガラス。
  3. 【請求項3】 紫外線カット率が95%以上の透明樹脂
    層の片面に、この紫外線カットの波長領域でフォトクロ
    ミズム活性を示すフォトクロミック化合物層が設けられ
    ていることを特徴とするフォトクロミック複層材料。
  4. 【請求項4】 紫外線カット率が95%以上の透明樹脂
    層の両面に、この紫外線カットの波長領域で互いに異な
    る色合いのフォトクロミック活性を示すフォトクロミッ
    ク化合物層が設けられていることを特徴とするフォトク
    ロミック複層材料。
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