JPH09152409A - 合金化亜鉛めっき鋼板の合金化度の判定方法 - Google Patents

合金化亜鉛めっき鋼板の合金化度の判定方法

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JPH09152409A
JPH09152409A JP7311467A JP31146795A JPH09152409A JP H09152409 A JPH09152409 A JP H09152409A JP 7311467 A JP7311467 A JP 7311467A JP 31146795 A JP31146795 A JP 31146795A JP H09152409 A JPH09152409 A JP H09152409A
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alloying
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JP7311467A
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Masaatsu Noritake
雅温 乗竹
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
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Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 合金化亜鉛めっき鋼板のX線回折によるめっ
き層合金化度の判定精度を高める。 【解決手段】 Γ相化合物の回折強度(Ir )と、バッ
クグランド回折強度(I Br)とを検出し、下式で示され
る回折強度比Rを算出し、その回折強度比RとΓ相化合
物生成量との予め求められている相関に基づいて合金化
度を判定する。 回折強度比R=(Ir −C・IBr)/Ir 〔式中、Cはめっき層付着厚さにより定まる補正係数〕 補正係数Cは、めっき付着量(めっき層厚D,μm)に
対して、 C=0.0097×D と設定するのが好ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、合金化亜鉛めっき
鋼板のめっき層の合金化度をX線回折法により判定する
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】鋼板表面に亜鉛めっき層(溶融めっき、
電気めっき、蒸着めっき等)を形成した後、加熱処理に
より母材鋼板からめっき層中にFeを拡散させてめっき
層をFe−Zn金属間化合物とした合金化亜鉛めっき鋼
板は、塗装性、塗膜密着性、溶接性等に優れ、自動車用
鋼板を始めとして各種用途に使用されている。上記合金
化処理においては、亜鉛めっき層へのFeの拡散が進行
するに伴つて、めっき層内にζ相(FeZn13)、δ1
相(FeZn7 )、Γ相(Fe3 Zn 10)の各化合物が
この順に生成し、めっき層の表面に向かって成長増加す
る。その合金化度は、塗装性、塗膜密着性、溶接性の改
善効果の点から、めっき層の全体にζ相またはδ相が成
長した状態において最も良好とされている。合金化反応
がそれより更に進行し、Γ相化合物が厚く成長すると、
このものは硬く脆い化合物であるため、プレス成形等の
加工過程でめっき層が粉状に剥離するパウダリング現象
を生じ易くなるからである。
【0003】合金化亜鉛めっき層の合金化度を、連続め
っきライン内で非破壊かつ定量的に判定する方法とし
て、近時はX線回折を利用した方法が行われている。こ
れは、生成する各化合物相がそれぞれ結晶格子面間隔を
異にし、結晶格子面間隔に対応した固有の回折角度を有
することを利用し、検出される回折線の強さに基づいて
生成量を判定するものである。特開平1-301155号公報,
特開平4-110644号公報には、Γ相化合物について検出さ
れる回折強度(Ir )と、回折ピークが存在しない回折
角度領域の強度(バックグランド強度)(IBr)とか
ら、下式〔1〕の回折強度比(R’)を算出し、その回
折強度比とΓ相化合物の生成量との予め求めておいた相
関に基づいて、合金化度を判定する方法が開示されてい
る。
【数1】 回折強度比R’=(Ir −IBr)/Ir … 〔1〕
【0004】また、特開平6-279972号公報には、Γ相化
合物の回折強度(Ir )を、めっき母材鋼板の化学組成
と関連する一定の回折線取出し角度(2θ)で検出する
こととし、母材鋼板がアルミキルド鋼板ないしチタン添
加鋼板である場合については、回折線取出し角度(2
θ)を、下式〔2〕で算出される角度に設定してΓ相化
合物の回折強度を検出するようにした合金化度判定方法
が開示されている。これは、実測される回折強度のピー
クトップ位置が、理論結晶格子面間隔に対応する回折角
度からのずれを有すること、そのずれは母材鋼板からF
eと共に各種元素(Si,Mn,P,Ti等)が拡散侵入し結晶格
子面間隔に歪みを生じることに起因するものであり、ず
れの大きさと母材鋼板の化学組成(特にSi,Mn,P,Tiの含
有量)との間に一定の相関が成立するという知見に基づ
いて、回折強度(Ir )をより正確に検出しようとする
ものである。
【数2】 Γ相化合物の回折線取出し角度2θ( °) =139.0 +{3494.3+0.269 Si−0. 143 Mn+1.434 P −0.03( Ti- 4C-3.42 N )}×10-4 …〔2〕 〔式中、元素記号は母材鋼板中の当該元素の含有量(pp
m 表示)〕
【0005】
【発明が解決しようとする課題】前記〔1〕式のよう
に、Γ相化合物の回折強度(Ir )とバックグランド強
度(IBr)とから算出される回折強度比を用いることに
より、散乱X線や蛍光X線の影響による誤差が抑制緩和
され、またΓ相化合物の回折線取出し角度(2θ)を、
前記〔2〕式に従って、母材鋼板の化学組成と関連した
一定の角度に設定することにより、回折強度(Ir )の
ピークトップ位置からのずれによる誤差が抑制防止され
る。しかしながら、その回折強度比に基づく合金化度の
判定精度はなお十分なものとはいえず、非破壊検査によ
り測定されるΓ相化合物生成量との良好な対応が得られ
ない場合がしばしばある。本発明者等は、この点につい
て詳細な検討を重ねた結果、鋼板表面のめっき付着量
(めっき層厚)が変化すると、バックグランド強度(I
Br)の水準が変化したり、回折線のピークトップ位置等
が変化することによる誤差を生じ、このためΓ相化合物
の生成量が同一の鋼板であっても、回折強度比が異なっ
た値となること、従って回折強度比による合金化度の判
定精度をより高めるためには、めっき付着量に基づく一
定の補正を施す必要があることを見出した。本発明はこ
の知見に基づいてなされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、合金化亜鉛め
っき鋼板のめっき層中のΓ相化合物の生成量をX線回折
法により測定してめっき層の合金化度を判定する方法に
おいて、Γ相化合物の回折強度(Ir )と、バックグラ
ンド回折強度(IBr)とを検出し、下式で示される回折
強度比Rを算出し、
【数3】 回折強度比R=(Ir −C・IBr)/Ir …〔3〕 〔式中、Cはめっき層付着厚さにより定まる補正係数〕 上記回折強度比(R)とΓ相化合物生成量との予め求め
られている相関に基づいて合金化度を判定することを特
徴としている。
【0007】
【発明の実施の形態】合金化亜鉛めっき層のX線回折に
よるバックグランド強度(IBr)の検出値は、前述のよ
うにめっき付着量により変化する。これは、めっき付着
量の増大に伴い、X線の散乱や吸収量が増加すること
や、めっき層中のFe含有量等の変化に伴うめっき層構
造の変化により結晶格子面間隔の歪みを生じること等の
複合要因によるものと考えられる。その対策としては、
検出器の回折線取出し角度(2θ)をある角度範囲でス
キャニングし、X線プロファイルを測定してバックグラ
ンド強度(IBr)の正確な値を得るようにすればよい
が、その操作は複雑かつ長時間を要するため、オンライ
ンでの合金化処理を迅速・的確に制御することは困難と
なる。本発明によれば、そのような複雑・煩瑣な操作を
必要とせず、検出されるバックグランド強度(IBr
に、めっき付着量の応じた補正を施すことにより、めっ
き付着量の変化に起因する誤差が抑制防止され、回折強
度比による合金化度の判定を高精度で行うことができ
る。めっき付着量に応じたバックグランド強度(IBr
の補正係数Cは、下式〔4〕により与えられる。
【数4】補正係数C=0.0097×D …〔4〕 〔式中、Dはめっき層厚さ(μm)〕
【0008】図1(A)(B)(C)は、合金化処理し
た溶融亜鉛めっき鋼板A,B,Cを供試材とし、X線回
折により検出されたバックグランド強度(IBr)の出現
率を示している。各供試鋼板のめっき付着量M(g/m
2 , 片面当り)は表1に示すとおりである。
【表1】
【0009】なお、上記供試鋼板A〜Cの母材鋼板の材
種,めっき層のΓ相化合物生成量(合金化度)、および
X線回折条件は次のとおりである。 (a)母材鋼板(アルミキルド鋼板) 化学組成 (wt%) : C 0.03-0.06, Si 0.01-0.02, Mn 0.15-0.30, P 0.01-0.02 , Bal Fe (b)Γ相化合物生成量: 約0.1〜1μm (c)X線回折条件 X線源 : Cr管球(Cr−Kα,波長λ約 2.28962Å) 光学系 : 平行ビーム光学系 入射角 : 75° IBr検出角度: 150.5°
【0010】図1(A)(B)(C)の比較から明らか
なように、母材鋼板が同種で、めっき層のΓ相化合物生
成量が同一レベルであっても、バックグランド強度(I
Br)は、めっき付着量により異なった値として検出され
る。すなわち、Γ相化合物の回折強度(Ir )とバック
グランド強度(IBr)から求められる回折強度比を基に
合金化度を精度良く判定するには、そのバックグランド
強度(IBr)に、めっき付着量に応じた補正を施す必要
があることが分かる。
【0011】図2は、溶融亜鉛めっき鋼板の合金化処理
ラインにおいて、X線回折によりΓ相化合物の回折強度
(Ir )およびバックグランド強度(IBr)を検出した
うえ、バックグランド強度(IBr)に本発明による補正
を施して回折強度比(R)を算出し、その回折強度比R
とΓ相化合物生成量との関係を示したグラフである〔図
の縦軸は、式〔1〕による回折強度比(R)、横軸は、
めっき層断面の走査型電子顕微鏡観察によるΓ相化合物
生成量(層厚,μm)である〕。バックグランド強度
(IBr)の補正は前記〔4〕式に従って行った。図3
は、上記と同じ溶融亜鉛めっき鋼板について、バックグ
ランド強度(IBr)の検出値の補正を行わない前記
〔1〕式により算出される回折強度比(R’)とΓ相化
合物生成量との関係を示している。
【0012】上記図2および図3の供試めっき鋼板の母
材材種, めっき付着量,合金化処理条件、およびX線回
折条件は次のとおりである。 (a)供試めっき鋼板 母材鋼板 : 前記図1の供試材と同じ めっき付着量: 30〜90g/m2 (片面当り) (b)合金化処理 温 度: 470〜570℃ 時 間: 5〜60秒 (c)X線回折条件 X線源 : 前記図1の供試材のX線回折と同じ 光学系 : 前記図1の供試材のX線回折と同じ 入射角 : 前記図1の供試材のX線回折と同じ IBr検出角度: 150.5° Ir 検出角度: 前記〔2〕式により得られる角度(2
θ)に設定
【0013】図2と図3との比較から明らかなように、
バックグランド強度(IBr)を補正することなく算出さ
れる〔1〕式の回折強度比(R’)を、Γ相化合物生成
量と対応させて合金化度を判定している従来法(図3)
に比べ、本発明に従ってバックグランド強度(IBr)を
めっき付着量に基づいて補正することにより、その回折
強度比(R)とΓ相化合物生成量との相関性が高められ
(図2)、合金化度をより高い精度で判定できることが
分かる。
【0014】
【発明の効果】X線回折による合金化亜鉛めっき層の合
金化度の判定において、バックグランド強度にめっき付
着量に応じた補正を加えることとした本発明によれば、
回折強度比とΓ相化合物生成量との相関性を高め、めっ
き層の合金化度をより高精度で判定することが可能とな
る。そのバックグランド強度の検出には、X線プロファ
イルを測定するというような煩瑣かつ長時間を要する操
作を必要とせず、連続製造ラインにおいて、その測定結
果を合金化処理条件にフィードバックして合金化反応を
過不足なく達成し、合金化亜鉛めっき鋼板のめっき品質
を高位安定化することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】合金化亜鉛めっき鋼板のめっき層のバックグラ
ンド強度の出現率を示すグラフである。
【図2】本発明に従って合金化亜鉛めっき層のバックグ
ランド強度を補正して得られる回折強度比とめっき層中
のΓ相化合物生成量との相関を示すグラフである。
【図3】合金化亜鉛めっき層のバックグランド強度の補
正が省略された回折強度比とめっき層中のΓ相化合物生
成量との相関を示すグラフである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合金化亜鉛めっき鋼板のめっき層中のΓ
    相化合物の生成量をX線回折法により測定してめっき層
    の合金化度を判定する方法において、 Γ相化合物の回折強度(Ir )と、バックグランド回折
    強度(IBr)とを検出し、下式で示される回折強度比R
    を算出し、 回折強度比R=(Ir −C・IBr)/Ir 〔式中、Cはめっき層付着厚さにより定まる補正係数〕 上記回折強度比RとΓ相化合物生成量との予め求められ
    ている相関に基づいて合金化度を判定することを特徴と
    する合金化亜鉛めっき鋼板の合金化度の判定方法。
  2. 【請求項2】 回折強度比の算出式における補正係数C
    が、 C=0.0097×D 〔式中、Dはめっき層厚さ(μm)〕 であることを特徴とする請求項1に記載の合金化亜鉛め
    っき鋼板の合金化度の判定方法。
JP7311467A 1995-11-30 1995-11-30 合金化亜鉛めっき鋼板の合金化度の判定方法 Withdrawn JPH09152409A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016176931A (ja) * 2015-03-03 2016-10-06 パナリティカル ビー ヴィ 定量x線分析及び比率補正方法

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JP2016176931A (ja) * 2015-03-03 2016-10-06 パナリティカル ビー ヴィ 定量x線分析及び比率補正方法

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