JPH09151364A - アクリル系感圧性接着剤、その接着シ―ト類およびこれらの製造方法 - Google Patents

アクリル系感圧性接着剤、その接着シ―ト類およびこれらの製造方法

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JPH09151364A
JPH09151364A JP31022095A JP31022095A JPH09151364A JP H09151364 A JPH09151364 A JP H09151364A JP 31022095 A JP31022095 A JP 31022095A JP 31022095 A JP31022095 A JP 31022095A JP H09151364 A JPH09151364 A JP H09151364A
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裕 諸石
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克彦 神谷
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雅好 夏目
Hirotaka Sato
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 重合する原料の変更にも容易に対応でき、ポ
リマ―の転化率や分子量などが安定しており、実質的に
溶剤を使用しないアクリル系感圧性接着剤の製造方法を
提供する。 【解決手段】 連続供給された内容物を表面更新しつつ
連続的に移送する構造を有してかつ移送過程の全域に亘
つて所定温度に加熱制御された反応器内で、(メタ)ア
クリル酸アルキルエステルを主成分とするモノマ―、そ
のポリマ―および重合開始剤を含有し、上記ポリマ―が
上記モノマ―との合計量中10〜60重量%で、常温で
の粘度が20〜400ポイズである重合原料を連続的に
塊状重合してアクリル系感圧性接着剤を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アクリル系感圧性
接着剤、これをシ―ト状,テ―プ状などの形態とした接
着シ―ト類、およびこれらの製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】アクリル系感圧性接着剤は、溶液重合に
より製造されるのが一般的であるが、近年の環境対策や
安全性の面から、溶剤を使用しない方法への転換が進み
つつある。溶剤を使用しないエマルシヨン重合によるア
クリル系感圧性接着剤は、水、乳化剤およびイオン性物
質の使用による耐水性の欠如という問題がある。また、
溶液重合により得られたポリマ―溶液から溶剤を除去し
て、接着シ―ト類の製造工程での無溶剤化を図ることも
行われているが、溶剤を除去する工程の煩雑性や工程増
による加工費の増加などの問題がある。
【0003】アクリル系感圧性接着剤を塊状重合により
得る方法は、溶剤を実質的に使用せず、また不純物が少
ない方法として理想的であるが、重合反応の抑制という
面から、通常の反応器では、分子量が安定せず、また局
部的な異常反応のために架橋反応が部分的に起こりゲル
化する現象も認められる。これらの問題を考慮して、た
とえば、特開昭58−53970号公報には、連続供給
された内容物を表面更新しつつ連続的に移送する構造を
有してかつ移送過程の全域に亘つて所定温度に加熱制御
された反応器内で、常温の粘度が10ポイズ以下のアク
リル系モノマ―を主成分とする原料を急速重合により増
粘させながら、所定の転化率まで重合を進めるという方
法が提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この提案方法は、効率
の良い塊状重合として注目されているが、難点として、
前半の急速重合により安定に移送できる粘度まで上昇さ
せる必要があり、このため、前半での温度制御が非常に
重要な因子となり、重合する材料によりその都度調整を
行つて最適範囲に設定する必要があるとともに、この調
整が不十分であると、ポリマ―の転化率が不十分となる
問題があつた。
【0005】本発明は、このような事情に鑑み、重合す
る原料の変更にも容易に対応でき、ポリマ―の転化率や
分子量などが安定しており、実質的に溶剤を使用しない
アクリル系感圧性接着剤、その接着シ―ト類(シ―ト,
テ―プなど)およびこれらの製造方法を提供することを
目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題に対し、種々検討した結果、重合する原料の材料構成
とともに、その粘度を特定の範囲に設定することによ
り、塊状重合でのポリマ―の転化率や分子量が安定化
し、感圧性接着剤としての特性の安定化が図られ、また
生産量も向上することを知り、本発明を完成するに至つ
た。
【0007】すなわち、本発明は、(メタ)アクリル酸
アルキルエステルを主成分とするモノマ―、そのポリマ
―および重合開始剤を含有し、上記ポリマ―が上記モノ
マ―との合計量中10〜60重量%で、常温での粘度が
20〜400ポイズである重合原料の塊状重合物からな
るアクリル系感圧性接着剤に係るものであり、また、支
持体上に上記のアクリル系感圧性接着剤の層を有し、こ
の層が架橋処理されてなる接着シ―ト類に係るものであ
る。
【0008】また、本発明は、連続供給された内容物を
表面更新しつつ連続的に移送する構造を有してかつ移送
過程の全域に亘つて所定温度に加熱制御された反応器内
で、(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とす
るモノマ―、そのポリマ―および重合開始剤を含有し、
上記ポリマ―が上記モノマ―との合計量中10〜60重
量%で、常温での粘度が20〜400ポイズである重合
原料を連続的に塊状重合するアクリル系感圧性接着剤の
製造方法に係るものであり、また、支持体上に上記方法
により得られたアクリル系感圧性接着剤を塗工したの
ち、放射線にて架橋処理する接着シ―ト類の製造方法に
係るものである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において重合原料としての
(メタ)アクリル酸アルキルエステルを主成分とするモ
ノマ―は、ブチルアクリレ―ト、i−オクチルアクリレ
―ト、2−エチルヘキシルアクリレ―ト、i−ノニルア
クリレ―トなどを主成分とし、また、エチルアクリレ―
ト、メチルメタクリレ―ト、ブチルメタクリレ―トなど
の(メタ)アクリレ―ト、スチレンまたはその誘導体、
アクリル酸、メタクリル酸、酢酸ビニルなどを改質用モ
ノマ―とした、ホモポリマ―ないしコポリマ―のガラス
転移点が250K以下となるものが好ましく用いられ
る。
【0010】本発明において重合原料の一成分として用
いるポリマ―は、上記のモノマ―のホモポリマ―ないし
コポリマ―からなり、とくに好ましくは上記のモノマ―
と同一組成のポリマ―が用いられる。このポリマ―は、
あらかじめ重量平均分子量が10万〜150万程度とな
るように重合しておき、これとモノマ―とを均一に混合
させるか、あるいは上記のモノマ―を所定の転化率(所
定のポリマ―量)となるように部分的に重合させること
により、本発明の塊状重合に用いるモノマ―およびポリ
マ―を含有する重合原料とする。前者の均一混合法を採
用するときは、本発明の塊状重合用の反応器内にあらか
じめ重合したポリマ―とモノマ―を別々に供給して均一
に混合させるようにしてもよい。
【0011】本発明における重合原料には、上記のモノ
マ―およびポリマ―に加えて、重合開始剤が均一に混合
される。重合開始剤としては、ベンゾイルパ―オキサイ
ド、クメンハイドロパ―オキサイドなどの過酸化物、ア
ゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ系開始剤などのラ
ジカル重合開始剤が用いられる。重合反応の均一性の点
では、アゾ系開始剤が好ましい。また、半減期の異なる
重合開始剤を2種以上併用すると、重合反応を均一に持
続できるので、好ましい。これら重合開始剤の使用量
は、その種類などにより適宜設定できるが、通常は、モ
ノマ―100重量部あたり、0.02〜1.0重量部と
するのがよい。
【0012】本発明における重合原料は、ポリマ―の含
有量をモノマ―との合計量中10〜60重量%、好まし
くは20〜50重量%として、常温での粘度が20〜4
00ポイズ、好ましくは50〜300ポイズとしたもの
である。このようなポリマ―量および粘度範囲に設定す
ると、塊状重合時の粘度上昇が可及的に小さくなり、反
応器内での重合反応が均一となつて、局部的重合による
部分的な架橋反応が抑制され、反応器内での原料の滞留
時間も一定にできるために、反応率(転化率)や分子量
が安定化するという効果が得られる。
【0013】これに対し、重合原料の粘度が20ポイズ
未満となると、上記効果は少なく、重合による急激な粘
度上昇を原料組成や反応器の構造(たとえば、2軸のス
クリユ―押出機におけるスクリユ―の構造やバレルの温
度など)の微妙な制御にて、解決する必要があり、材料
を変更する場合には、大幅な条件変更を余儀なくされる
という、製造上の問題を生じやすい。また、重合原料の
粘度が400ポイズを超えてしまうと、粘度が高すぎ
て、重合原料の安定供給や輸送などの工程上の煩雑さを
避けられなくなるという不都合を生じやすい。
【0014】本発明では、上記のような特定の重合原料
の塊状重合物を、溶剤を実質的に含まないアクリル系感
圧性接着剤としたものであるが、上記の塊状重合物を得
るための反応器としては、既提案におけると同様の、連
続供給された内容物を表面更新しつつ連続的に移送する
構造を有してかつ移送過程の全域に亘つて所定温度に加
熱制御された反応器を用いるのが好ましい。このような
反応器としては、1軸または2軸のスクリユ―押出機な
どが挙げられるが、上記能力を有するものであれば、他
のいかなるものを用いてもよい。均一混合能力と移送能
力にすぐれるという点では、2軸のスクリユ―押出機が
最も好ましい。
【0015】このような反応器内に上記の重合原料を連
続的に供給するにあたり、酸素による重合阻害を抑制す
るために、重合原料をあらかじめ窒素置換しておくのが
好ましい。また、反応器内も窒素置換しておくのが重合
の安定化のために好ましい。このように反応器内に連続
供給された重合原料は、反応器内で表面更新しつつ移送
される状態で外部からの熱を均一に受け取り、重合反応
が進行する。この際、発生する重合熱はバレルによつて
吸収され、重合熱の蓄熱は抑制されるから、重合の暴走
反応は起こらず、とくに重合原料の特定によつて粘度の
急上昇が抑えられているため、安定した重合反応が効果
的に持続する。
【0016】このようにして反応器内より連続的に取り
出された塊状重合物は、重量平均分子量が10万〜50
万のアクリル系ポリマ―からなり、既述のとおり、重合
反応が均一に安定に進行することから、架橋物やゲル状
物を実質的に含まず、転化率や分子量が安定しており、
実質的に溶剤を含まないアクリル系感圧性接着剤とし
て、従来のものに比べて、格段にすぐれた性能を発揮す
る。
【0017】このアクリル系感圧性接着剤には、必要に
応じて、粘着付与樹脂、ガラス繊維や中空粒子などの充
填剤、顔料、着色剤などの種々の添加剤を添加してもよ
い。また、塊状重合時やシ―ト製造時などでの変質を抑
制するために、老化防止剤や重合禁止剤を添加してもよ
い。とくに、ヒンダ―ドフエノ―ル系老化防止剤を重合
原料中にあらかじめ添加しておくことにより、重合時や
シ―ト製造時の安定化に好ましい結果が得られる。これ
らの老化防止剤や重合禁止剤の添加量は、塊状重合物1
00重量部あたり、0.05〜2重量部とするのがよ
く、あまり多く添加しすぎると、重合が抑制されたり、
硬化性が損なわれる。
【0018】本発明のアクリル系感圧性接着剤は、これ
を高温に加熱することにより、支持体上に表面を荒らす
ことなく均一に塗工でき、これによりシ―ト状、テ―プ
状などの形態とした接着シ―ト類を製造できる。その
際、接着剤の流動性を低下させるため、架橋処理するの
が望ましい。また、この架橋処理を十分に行うために、
アクリル系感圧性接着剤にあらかじめ不飽和二重結合を
有する化合物を添加しておくのが望ましい。このような
化合物の添加量は、塊状重合物100重量部あたり、3
〜50重量部とするのがよい。あまり多く添加しすぎる
と、架橋処理後に固くなりすぎて接着力が低下するおそ
れがある。
【0019】このような不飽和二重結合を有する化合物
としては、たとえば、アクリルアミド、N,N−ジメチ
ルアミノプロピルアクリルアミド、ジエチレングリコ―
ルジメタクリレ―ト、テトラエチレングリコ―ルジメタ
クリレ―ト、トリメチロ―ルプロパントリアクリレ―
ト、ジペンタエリスリト―ルヘキサアクリレ―ト、ジビ
ニルベンゼン、メタクリル酸ビニルなどが挙げられる。
これらの化合物は、必要により、その1種または2種以
上が用いられる。
【0020】支持体としては、合成樹脂、紙、金属、
布、不織布などを材質としたもの、これらを接着処理や
剥離処理したものなど、いずれも使用できる。これら支
持体の厚さとしては、接着シ―ト類の形態や材質により
適時決定されるが、一般には、12〜200μm程度の
ものが用いられる。
【0021】この支持体上へのアクリル系感圧性接着剤
の塗工は、ロ―ルコ―タ、ダイコ―タなどを用いて行え
ばよい。塗工時に均一に加熱するためには、ダイコ―タ
が最も好ましく用いられる。ダイコ―タのマニホ―ルド
を複数にして、組成の異なるアクリル系感圧性接着剤を
複層塗工してもよい。塗工厚さは、目的に応じて適時決
定されるが、通常、単層では5〜500μm、複層では
各層が5〜800μmで全体が40〜1,200μmと
なるようにするのがよい。
【0022】架橋処理は、通常、放射線の照射により行
える。架橋処理を十分に行うため、放射線の種類に応じ
て適量の照射量が設定される。たとえば、電離性放射線
では0.5〜20Mrad、好ましくは1〜10Mra
dとするのがよい。また、紫外線では、接着剤中にあら
かじめベンゾフエノン、ベンジルジメチルケタ―ルなど
の光重合開始剤を塊状重合物100重量部あたり0.1
〜10重量部添加しておき、照射量を400〜3,00
0mj/cm2 とするのがよい。
【0023】
【実施例】つぎに、本発明の実施例を記載して、より具
体的に説明する。なお、以下において、部とあるのは重
量部を意味するものとする。また、ポリマ―の溶剤不溶
分は、下記の方法により、測定したものである。
【0024】<溶剤不溶分の測定>ポリマ―1gを酢酸
エチルに溶解させ、0.2μm孔径のテフロン膜でろ過
して、その不透過物の重量を、百分率で示したものであ
る。
【0025】実施例1 2−エチルヘキシルアクリレ―ト70部、エチルアクリ
レ―ト20部、アクリル酸10部からなる重量平均分子
量25万のポリマ―を、2−エチルヘキシルアクリレ―
ト70部、エチルアクリレ―ト20部、アクリル酸10
部のモノマ―混合物に均一に溶解し、これに、さらにア
ゾビスイソブチロニトリル0.1部を均一に溶解して、
ポリマ―量(モノマ―との合計量中の割合)が50重量
%で、常温(30℃)での粘度が60ポイズの重合原料
を調製した。
【0026】この重合原料を窒素置換したのち、スクリ
ユ―外径35mm、長さ1,500mmの2軸のスクリユ―
押出機内に、300g/分の供給速度で連続供給した。
押出機内の温度は全域に亘つて130℃に設定し、回転
速度を100rpmとして、上記原料を表面更新しつつ
連続的に移送しながら、重合反応を行つた。このように
して押出機内から連続的に取り出された塊状重合物は、
転化率が93重量%、重量平均分子量が23万、溶剤不
溶分が0.2重量%であつた。
【0027】つぎに、この塊状重合物100部に、重合
ロジンのペンタエリスリト―ルエステル20部およびテ
トラエチレングリコ―ルジメタクリレ―ト5部を配合し
て、アクリル系感圧性接着剤とした。その後、この感圧
性接着剤を120℃に加熱して、カ―テンコ―タによ
り、厚さが38μmのポリエステルフイルムの上に、厚
さが20μmとなるように塗工して連続塗膜を形成した
のち、電子線を5Mrad照射して架橋処理することに
より、接着シ―トを作製した。
【0028】実施例2 i−ノニルアクリレ―ト65部、ブチルアクリレ―ト3
0部、アクリル酸5部のモノマ―混合物に、アゾビスイ
ソブチロニトリル0.1部を溶解し、窒素導入管、冷却
管、攪拌機を備えた反応容器にて、50℃で2時間重合
反応させて、転化率が35重量%、常温(30℃)での
粘度が80ポイズのプレ重合物を得た。生成ポリマ―の
重量平均分子量は50万であつた。これに、2,2−ア
ゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.1部、ペンタ
エリスリチル−テトラキス{3−(3,5−ジ―タ―シ
ヤリ―ブチル−4−ヒドロキシフエニ―ル)プロピオネ
―ト}1部を混合して、上記とほぼ同じ粘度の重合原料
を調製した。
【0029】この重合原料を窒素置換したのち、実施例
1と同様の2軸のスクリユ―押出機内で、実施例1と同
様にして重合反応を行つた。このようにして得られた塊
状重合物は、転化率が97重量%、重量平均分子量が2
5万、溶剤不溶分が0.1重量%であつた。この塊状重
合物100部に、N,N−ジメチルアミノプロピルメタ
クリルアミド5部、トリメチロ―ルプロパントリアクリ
レ―ト2部、ベンジルジメチルケタ―ル1部を配合し
て、アクリル系感圧性接着剤とした。
【0030】つぎに、このアクリル系感圧性接着剤を1
20℃に加熱して、ダイコ―タにより、厚さが38μm
の剥離処理したポリエステルフイルムの上に厚さが50
μmとなるように塗工して連続塗膜を形成し、厚さが1
2μmのポリエステルフイルムを貼り合わせ、その上に
さらにアクリル系感圧性接着剤を厚さが50μmとなる
ように塗工して連続塗膜を形成した。しかるのち、紫外
線を1,000mj/cm2 照射して架橋処理することに
より、両面接着シ―トを作製した。
【0031】実施例3 2−エチルヘキシルアクリレ―ト50部、ブチルアクリ
レ―ト44部、アクリル酸6部からなる重量平均分子量
23万のポリマ―を140℃に加温して、粘度が2,0
00ポイズの状態で、実施例1と同様の2軸のスクリユ
―押出機に導入した。また、2−エチルヘキシルアクリ
レ―ト50部、ブチルアクリレ―ト44部、アクリル酸
6部からなるモノマ―混合物に、ペンタエリスリチル−
テトラキス{3−(3,5−ジ―タ―シヤリ―ブチル−
4−ヒドロキシフエニ―ル)プロピオネ―ト}1部、ア
ゾビスイソブチロニトリル0.05部、2,2−アゾビ
ス(2−メチルブチロニトリル)0.1部を溶解した原
料を窒素置換して導入し、上記押出機内で両者を均一に
混合した。
【0032】このように混合された重合原料は、常温
(30℃)での粘度が55ポイズであつた。この重合原
料を引き続き上記押出機内で実施例1と同様にして重合
反応させた。得られた塊状重合物は、転化率が98重量
%、重量平均分子量が23万、溶剤不溶分が0.1重量
%であつた。この塊状重合物100部に、N,N−ジメ
チルアミノエチルアクリレ―ト10部、ジペンタエリス
リト―ルヘキサアクリレ―ト5部を配合して、アクリル
系感圧性接着剤とした。
【0033】つぎに、このアクリル系感圧性接着剤を1
20℃に加熱して、カ―テンコ―タにより、厚さが25
μmのポリエステルフイルムの上に、厚さが50μmと
なるように塗工して連続塗膜を形成したのち、電子線を
6Mrad照射して架橋処理することにより、接着シ―
トを作製した。
【0034】以上の実施例1〜3で作製した各接着シ―
トについて、剥離接着力および保持力を、下記の方法に
より、測定した。これらの測定結果は、後記の表1に示
されるとおりであつた。
【0035】<接着力>20mm×100mmの大きさの試
験片を、#280のサンドペ―パでサンデイングしたス
テンレス板に、2Kgのロ―ラで1往復させる方法で圧着
したのち、30分間経過後、その剥離に要する力(18
0度剥離、引張速度300mm/分)を、温度23℃、相
対湿度65%の条件下で測定した。
【0036】<保持力>フエノ―ル樹脂板に、10mm×
20mmの接着面積で接着して、20分経過後、80℃で
20分放置し、フエノ―ル樹脂板を垂直に下げ、接着シ
―トの自由端に500gの荷重を負荷させ、接着シ―ト
が落下するまでの時間を測定した。
【0037】
【0038】上記の表1の結果からも明らかなように、
実施例1〜3の各接着シ―トは、剥離接着力が大きく、
かつ保持力も満足できるものであり、すぐれた接着特性
を具備していることがわかる。これは、重合原料のモノ
マ―組成などの変更に伴い、2軸のスクリユ―押出機の
構造や反応条件を微妙に調整しなくても、架橋物やゲル
物の発生をきたすことなく、転化率や分子量の安定した
塊状重合物が得られることに起因するものと思われる。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、重合原料の変更にも容
易に対応でき、架橋物やゲル物の発生をきたさず、ポリ
マ―の転化率や分子量などが安定しており、また生産性
の向上にも寄与する、実質的に溶剤を使用しないアクリ
ル系感圧性接着剤、その接着シ―ト類(シ―ト,テ―プ
など)およびこれらの製造方法を提供できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C09J 7/02 JKZ C09J 7/02 JKZ (72)発明者 佐藤 博隆 大阪府茨木市下穂積1丁目1番2号 日東 電工株式会社内

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (メタ)アクリル酸アルキルエステルを
    主成分とするモノマ―、そのポリマ―および重合開始剤
    を含有し、上記ポリマ―が上記モノマ―との合計量中1
    0〜60重量%で、常温での粘度が20〜400ポイズ
    である重合原料の塊状重合物からなるアクリル系感圧性
    接着剤。
  2. 【請求項2】 重合原料の常温での粘度が50〜300
    ポイズである請求項1に記載のアクリル系感圧性接着
    剤。
  3. 【請求項3】 塊状重合物に、この重合物100重量部
    あたり、不飽和二重結合を有する化合物を3〜50重量
    部加えてなる請求項1または2に記載のアクリル系感圧
    性接着剤。
  4. 【請求項4】 支持体上に請求項1〜3のいずれかに記
    載のアクリル系感圧性接着剤の層を有し、この層が架橋
    処理されてなる接着シ―ト類。
  5. 【請求項5】 連続供給された内容物を表面更新しつつ
    連続的に移送する構造を有してかつ移送過程の全域に亘
    つて所定温度に加熱制御された反応器内で、(メタ)ア
    クリル酸アルキルエステルを主成分とするモノマ―、そ
    のポリマ―および重合開始剤を含有し、上記ポリマ―が
    上記モノマ―との合計量中10〜60重量%で、常温で
    の粘度が20〜400ポイズである重合原料を連続的に
    塊状重合するアクリル系感圧性接着剤の製造方法。
  6. 【請求項6】 反応器が2軸のスクリユ―押出機である
    請求項5に記載のアクリル系感圧性接着剤の製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項5または6の方法で塊状重合物を
    得たのち、これに、上記重合物100重量部あたり、不
    飽和二重結合を有する化合物を3〜50重量部加えるア
    クリル系感圧性接着剤の製造方法。
  8. 【請求項8】 支持体上に、請求項5〜7のいずれかの
    方法により得られたアクリル系感圧性接着剤を塗工した
    のち、放射線にて架橋処理する接着シ―ト類の製造方
    法。
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