JPS5833909B2 - 感圧性接着剤組成物 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は新規なアクリル系の感圧性接着剤組成物及び
該組成物を支持体に形成した接着フィルム又はシートに
関するもので、更に詳しくはステンレス板、アルシニュ
ウム板、鋼板などの金属板又はＡＢＳ板、アクリル板、
スチレン板、化粧板、ガラス板などの板状物の表面保護
に用いられる表面保護接着フィルム又はシートの感圧性
接着剤組成物として有用且つ顕著な効果を発揮するアク
リル系の感圧性接着剤組成物を提供するものである。

（メタ）アクリル酸アルキルエステルのビニル糸上ツマ
−と、（メタ）アクリル酸の如きカルボキシル基又は（
メタ）アクリル酸２−ヒドロキエチルエステルの如きヒ
ドロキシル基を有する官能基を有する重合性上ツマ−と
の共重合物をポリイソシアネート、メラミン、金属塩な
どの架橋剤で架橋せしめてなるアクリル系感圧性接着剤
組成物は公知であり、また該組成物をポリエチレンフィ
ルムの如きフィルムに形成してなる接着フィルムを金属
板又は板状物（以下これらを保護板という）の表面保護
用途に用いることも公知である。

しかして例えば官能基を有する重合性モノマーとしてヒ
ドロキシル基を有する七ツマ−を用いてなる共重合物に
架橋剤を添加し、これをポリエチレンフィルムのコロナ
放電処理面に塗布乾燥して架橋させ粘着剤層を形成せし
める場合、適当な触媒を選択して架橋剤と共に添加する
ことによって速やかに架橋を行ない得るが、フィルムと
粘着剤層との接着性（投錨性）が不十分で、この接着フ
ィルムを保護板に貼着して長時間放置したり、板金加工
工程を通すと粘着剤層が保護板面に糊残りするという表
面保護用接着フィルムとしては極めて不都合な結果をも
たらすものである。

またカルボキシル基を含有する最も一般的な官能基を有
する重合性上ツマ−である（メタ）アクリル酸を用いて
なる共重合物に一般的なポリイソシアネートを架橋剤と
して添加してなる系は、カルボキシル基と架橋剤との反
応が、カルボキシル基以外の官能基例えば水酸基などと
架橋剤としてのポリイソシアネートとの反応より同一条
件下では反応速度が遅いために、長時間に亘って室温又
は加熱条件下で熟成する必要があり、またこの系の接着
剤組成物を用いてなる接着フィルムを表面保護用に用い
ると、保護板に対する接着力が経口と共に上昇し、剥離
作業を煩雑なものとし、甚しくは剥離困難が生じるとい
う欠点を有する。

従ってこの発明の目的は、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンの如き非極性プラスチックからなるフィルム又はシー
ト面に、単にコロナ放電処理の如き一般的な下地処理を
施しておくだけで処理面に強固に接着し得る感圧性接着
剤組成物を提供することである。

この発明の他の目的は、熟成期間を殆んど要せず、しか
もこの組成物を形成した接着フィルムを保護板の表面保
護用に用いても経口での接着力の上昇が小さい感圧性接
着剤組成物を提供することである。

この発明において、上記の諸目的は、（メタ）アクリル
酸アルキルエステルと共重合させる重合性モノマーとし
て、次式で示される特定の（メタ）アクリル系カルボン
酸を用いることによって達成される。

即ちこの発明は、官能基を有する重合性モノマーとして
下記一般式で示される（メタ）アクリル系カルボン酸を
用いることを特徴とする感圧性接着剤組成物を提供する
ものである。

一般式 ％式％ （式中：Ｒ１はＨ又はＣＨ３、鳥は脂肪族２価基、Ｒ３
は脂肪族、芳香族、肪環族又は不飽和脂肪族の２価基） この発明において、上記官能基を有する重合性モノマー
と共重合されるビニル系モノマーとしては、（メタ）ア
クリル酸アルキルエステル類であって、好ましくはエス
テル残基のＣ数が１２以下の例えば（メタ）アクリル酸
メチルエステル、（メタ）アクリル酸ブチルエステル、
アクリル酸エチルエステル、アクリル酸２−エチルヘキ
シルエステルなどの低級（メタ）アクリル酸アルキルエ
ステルを用いるのが粘着力の点から好ましいものである
。

しかして一般に知られている様に、上記（メタ）アクリ
ル酸アルキルエステル類の一部を他の共重合し得るビニ
ル系モノマー例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
（メタ）アクリロニトリル、マレイン酸ジブチル、フマ
ル酸ジブチル、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジブチ
ル、スチレン又はメチルビニルエーテル、エチルビニル
エーテル、ｎ−ブチルビニルエーテル、イソフチルエー
テルなどのビニルエーテル類に置換えることもできる。

これらの（メタ）アクリル酸アルキルエステル類と共重
合される前記一般式で示される官能基を有する重合性上
ツマ−の（メタ）アクリル系カルボン酸としては、コハ
ク酸モノ（β−メタクリロキシエチル）、マレイン酸モ
ノ（β−メタクリロキシエチル）、フタル酸モノ（β−
メタクリロキシエチル）、ヘキサハイドロフタル酸モノ
（β−メタクリロキシエチル）など或いはコハク酸モノ
（β−アクリロキシエチル）、マレイン酸モノ（β−ア
クリロキシエチル）などが好適に用いられる。

また、この発明のアクリル系の感圧性接着剤組成物は、
（メタ）アクリル酸アルキルエステルと前記一般式で示
される（メタ）アクリル系カルボン酸とを共重合させて
なる共重合物を主体とするものであるが、該共重合物を
得るに際しては前記一般式で示される（メタ）アクリル
系カルボン酸と共に、公知の官能基を有する官能基を有
する重合性上ツマ−例えば（メタ）アクリル酸、マレイ
ン酸の如きカルボキシル基を持つ重合性上ツマ−（メタ
）アクリル酸２−ヒドロキシエチルエステル、（メタ）
アクリル酸２−ヒドロキシプロピルエステルの如き水酸
基を持つ重合性モノマー、（メタ）アクリル酸グリシジ
ルエステルの如キグリシジル基を持つ重合性モノマー、
Ｎ−メチロールアクリルアミド、Ｎ−メチロールメタク
リルアミドの如きメチロール基を持つ重合性上ツマ−な
どを、その目的に応じて併用することができる。

上記官能基を有する重合性モノマーが前記一般式で示さ
れる（メタ）アクリル系カルボン酸と共に併用される場
合の使用量は、該カルボン酸モノマーの半分以下、好ま
しくは１／３以下であることが望ましいものである。

この発明において、共重合物を作るに際してのアクリル
系カルボン酸モノマーの使用量は、ビニル糸上ツマー１
００重量部に対して約０．１〜１０重量部となるように
調整して用いるのが望ましく約０．１重量部以下では十
分な架橋が得られず、しかも保護板面に貼着すると経口
で接着力が上昇するので好ましくなく、約１０重量部以
上では架橋が進みすぎ十分な初期接着力が得られないの
で好ましくないものである。

このように官能基を有する重合性モノマーとして前記一
般式で示される（メタ）アクリル系カルボン酸を用いて
なるアクリル系共重合物は、ポリイソシアネート、メラ
ミン、金属塩などの公知の架橋剤、或いは更に架橋促進
剤を用いて架橋され、この発明の感圧性接着剤組成物を
提供する。

この発明の組成物は、プラスチックフィルム、布、紙、
金属箔の如き支持体上に塗着などの手段を用いて形成さ
れ、有用な接着フィルム又はシートを提供するが、とり
わけポリエチレン、ポリプロピレンの如き非極性プラス
チックフィルムを支持体とする接着フィルム又はシート
を製造する場合に、かかる非極性プラスチックフィルム
の表面をコロナ放電処理の如き一般的な下地処理を施し
ておくだけで処理面に強固に接着し、しかも貼着後に剥
離される保護板の表面保護用として用いると、糊残りの
恐れがないから極めて有用である。

更に後述する実施例からも明らかなように、経口での接
着力の上昇が少ないから表面保護用接着フィルム又はシ
ートの接着剤組成物として特に好適である。

以下にこの発明を実施例により具体的に説明する。

文中の部は全て重量部を示す。実施例 ｌ アクリル酸２−エチルヘキシルエステル ７５部アクリ
ル酸エチルエステル ２５部コハク酸モノ
（β−メタクリロキシエチル） ５部（三菱レーヨン
■製、商品名アクリエステルＳＡ）過酸化ベンゾイル
０．４部トルエン
１５８部上記各成分を反応容器中に仕
込み窒素気流中で攪拌しながら温度を７０〜７５℃に４
時間保持した。

更に重合率を上げるため、温度を８０〜８３℃に上げ３
時間保持し反応を終了した。

このものに更にトルエン４０部を加えて希釈し、アクリ
ル共重合物の溶液を得た。

この溶液の重合率９９．８優、粘度約１５０００ＣＰＳ
であった。

この共重合物溶液の固形分１００部に対してポリイソシ
アネートを２部添加し、この発明の感圧性接着剤組成物
の溶液を得た。

次にこの組成物を評価するために片面コロナ放電処理を
施した厚さ約６０μの低密度ポリエチレンフィルムのコ
ロナ放電処理面に、乾燥後の接着剤の厚みが５μになる
ように均一に塗布し、約１００℃で３分間加熱乾燥して
表面保護用接着フィルムを得た。

このフィルムの特性を第１表に示す。

実施例 ２ 実施例１に示した共重合物溶液の固形分１００部に対し
てメラミン樹脂を５部及びパラトルエンスルホン酸を０
．２部加え、接着剤組成物の溶液を得た。

この溶液を用い、以下実施例１と同様の操作にて表面保
護用接着フィルムを得た。

このフィルムの特性を第１表に示す。

実施例 ３ アクリル酸ブチルエステル ９０部アクリ
ロニトリル １０部フタル酸モノ
（β−メタクリロキシエチル） ２部（三菱レーヨン
■製、商品名アクリエステルＰＡ）過酸化ベンゾイル
０．４部トルエン
１５３部上記各成分を反応容器中に仕
込み、実施例１と同様に重合せしめ、共重合物溶液を得
た。

この溶液の重合率は９５％、粘度約１００００ＣＰＳで
あった。

この共重合物溶液の固形分１００部に対してポリイソシ
アネート２部を加え、この発明の感圧性接着剤組成物の
溶液を得た。

これを実施例１と同一の片面コロナ放電処理したポリエ
チレンフィルムの処理面に塗布乾燥して表面保護用接着
フィルムを得た。

このフ・ｆルムの特性を第１表に示す。

実施例 ４ 実施例３に示した共重合物溶液の固形分１００部に対し
てメラミン樹脂を１０部及びパラトルエンスルホン酸を
０．４部配合してこの発明の感圧性接着剤組成物の溶液
を得た。

これを実施例１と同様に片面コロナ放電処理したポリエ
チレンフィルムの処理面に塗布乾燥して表面保護用接着
フィルムを得た。

このフィルムの特性を第１表に示す。比較例 １ アクリル酸２−エチルヘキシルエステル ７５部アクリ
ル酸エチルエステル ２５部アクリル酸２
−ヒドロキシエチルエステル ５部過酸化ベンゾイル
０．４部トルエン
１５８部上記組威を実施例１と同様に重
合した。

この共重合物溶液の固形分１００部に対しポリイソシア
ネート２部と、ジオクチルスズジラウレートを架橋用触
媒として０．２部配合し、以下実施例１と同米米様の方
法で表面保護用接着フィルムを得た。

このフィルムの特性を第１表に示す。

比較例 ２ アクリル酸ブチルエステル ９０部アクリ
ロニトリル １０部アクリル酸
２部過酸化ベンゾイル
０．４部トルエン
１５３部上記組威を実施例１と同様に
重合した。

この共重合物溶液の固形分１００部に対し実施例２に示
したメラミン樹脂を５部と、パラトルエンスルホン酸０
．２部配合し、実施例１と同様の方法で表面保護用接着
フィルムを得た。

このフィルムを約４０℃下で３日間熟成した。

熟成後の表面保護用接着フィルムの特性を第１表に示す
。

第１表において、常態での接着力はサンプルを２０℃の
雰囲気下でＢＡ仕上げステンレス板及びカラーアルミニ
ュウム板に夫々貼り付け、３０分後１８０度方向に引き
剥したときの値を測定したものであり、また加熱後の接
着力はサンプルを各板に貼り付けた後に７０℃の雰囲気
下で２４時間放置し、取り出して２０℃の雰囲気下で１
８０度方向に引き剥したときの値を測定したものである
。

なお引き剥し速度は各れも３００１１１刀醐である。

板金加工性はＱ、７ｍｍのアルミニュウム板（１５０ｘ
１ｓｏｍｉｍ）にサンプルフィルムを貼り付は直径５０
鼎φのポンチで深さ約２５關の深絞り加工を行ない、加
工後アルミニュウム板からのサンプルフィルムの剥離性
及び剥離後の糊残りをみた。

上記実施例からも明らかなように、この発明の感圧性接
着剤組成物は、表面保護用の接着フィルムの接着剤層と
して用いた場合、経口での接着力の上昇が少なく、しか
も糊残りもないという顕著な効果を有する事実が明らか
である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ （メタ）アクリル酸アルキルエステルを主体とする
   ビニル糸上ツマ−と官能基を有する重合性上ツマ−との
   共重合物に架橋剤を配合してなる感圧性接着剤組成物に
   おいて、前記官能基を有する重合性モノマーとして下記
   一般式で示される（メタ）アクリル系カルボン酸を用い
   ることを特徴とする感圧性接着剤組成物。 一般式 ％式％ （式中：Ｒ１はＨ又はＣＨ３、馬は脂肪族２価基、Ｒ３
   は脂肪族、芳香族、脂環族又は不飽和脂肪族の２価基） ２ アクリル系カルボン酸がコハク酸モノ（βメタクリ
   ロキシエチル）、マレイン酸モノ（βメタクリロキシエ
   チル）、フタル酸モノ（β−メタクリロキシエチル）、
   ヘキサハイドロフタル酸モノ（β−メタクリロキシエチ
   ル）の群から選ばれた一種以上である特許請求の範囲第
   １項記載の感圧性接着剤組成物。