JPH09151170A - 芳香族ジカルボン酸ジアニリドの製造方法 - Google Patents

芳香族ジカルボン酸ジアニリドの製造方法

Info

Publication number
JPH09151170A
JPH09151170A JP31235595A JP31235595A JPH09151170A JP H09151170 A JPH09151170 A JP H09151170A JP 31235595 A JP31235595 A JP 31235595A JP 31235595 A JP31235595 A JP 31235595A JP H09151170 A JPH09151170 A JP H09151170A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
aromatic
dicarboxylic acid
solvent
aromatic dicarboxylic
diamine
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP31235595A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomokatsu Ura
僚克 浦
Mitsuhito Aoyanagi
三仁 青柳
Hideo Hasegawa
英雄 長谷川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Teijin Ltd
Original Assignee
Teijin Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Teijin Ltd filed Critical Teijin Ltd
Priority to JP31235595A priority Critical patent/JPH09151170A/ja
Publication of JPH09151170A publication Critical patent/JPH09151170A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Organic Low-Molecular-Weight Compounds And Preparation Thereof (AREA)
  • Polyamides (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 芳香族ジアミンの自己縮合やゲル化の生じな
い条件で芳香族ジカルボン酸ジアニリドを容易に得るこ
と。 【解決手段】 芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンと
を、反応に不活性な溶媒、好ましくは非プロトン性極性
溶媒(例:N−メチルピロリドン)を用い、200℃〜
350℃、溶媒が液相を保つ圧力下で反応せしめる芳香
族ジカルボン酸ジアニリドの製法。出発原料に芳香族ジ
カルボン酸クロリドを用いないので、反応器の腐食等の
問題がなく、芳香族ジアミンの縮合もない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、高性能芳香族系ポ
リマーであるアラミドポリマー等の原料として有用な、
芳香族ジカルボン酸ジアニリド類の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般的に芳香族酸アニリド類を合成する
場合には、対応する芳香族の酸クロライドと芳香族アミ
ンとを無水溶媒中で反応させて製造できることが知られ
ている。 また、芳香族酸と芳香族アミンとを加熱縮合
する方法も既知であり(Organic Synthesis、I、82(194
1))、この方法を用いた芳香族ジカルボン酸ジアニリド
類の製造方法も提案されている。例えば、ジカルボン酸
ジアニリドの製造法(特開昭61-251649)や、テレフタル
酸ジアニリド類の製造方法(特公平7-37431)が挙げら
れる。
【0003】しかし、前者の方法では副生する塩酸ガス
による反応器の腐食等の問題があり工程上好ましくな
い。
【0004】後者の1番目の方法(特開昭61-251649)で
は溶媒を用いて水を共沸除去しながら行っているが、こ
の方法では2番目の方法(特公平7-37431)の明細書に
指摘の通り収率は非常に低い。また2番目の方法はモノ
アミンを用いた場合に有用であるが、本発明の如く原料
として芳香族ジアミンを用いる場合には、ジアミン成分
同士の縮合、さらにはその副生成物と目的物の縮合等の
副反応が起こるために好ましくない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】かかる現状において、
本発明者らは芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンとか
ら副反応を伴わず、目的反応を高収率で行い、かつ高純
度で目的物を得る方法について検討した結果、ヘキサン
やトルエンのような反応に不活性な溶媒を用いて、20
0℃〜350℃、溶媒が液相を保つ圧力下で反応せしめ
ることにより、この課題を解決できることを見い出し
た。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、芳香族ジカル
ボン酸と芳香族ジアミンとを溶媒を用いて200℃〜3
50℃、溶媒が液相を保つ圧力下で反応せしめることか
らなる芳香族ジカルボン酸ジアニリドの製造方法であ
る。
【0007】本発明を詳しく説明すると、本発明で用い
る芳香族ジカルボン酸は、o−,m−,p−ベンゼンジカ
ルボン酸である。好ましくは、m−ベンゼンジカルボン
酸、つまりイソフタル酸である。
【0008】本発明で用いる芳香族ジアミンは、o−,
m−,p−フェニレンジアミンである。 好ましくは、
m−フェニレンジアミンである。
【0009】本発明の反応に際し使用できる溶媒は反応
に不活性な溶媒であって、特開昭61-251649号に示され
ているような水と共沸する溶媒である必要はない。具体
的にはヘキサン、トルエン、ベンゼン、クロロホルム、
塩化メチレン等の非極性溶媒、テトラヒドロフラン(以
下THFと略記する)、1,4−ジオキサン、N,N−
ジメチルホルムアミド(以下DMFと略記する)、N-メ
チルピロリドン(以下NMPと略記する)、アセトニト
リル等の非プロトン性極性溶媒が挙げられ、特にNMP
などの非プロトン性極性溶媒が好ましい。
【0010】反応に使用する溶媒の量としては、ジカル
ボン酸とジアミンの合計重量の1/3〜10倍重量が好
ましい。特に1/2から5倍重量が好ましい。
【0011】上記重量が1/3以下の場合にはジアミン
同士の縮合が起こるために好ましくない。また、10倍
重量以上だと反応収率が悪くなり工業的に不利である。
【0012】本発明において、反応温度は200℃〜350℃
で行うとよく、好ましくは、250℃〜300℃である。
【0013】反応圧力は該反応温度において溶媒が液相
を保つ圧力であればよい。
【0014】原料のイソフタル酸と芳香族ジアミンのモ
ル比は、副反応の影響も考えて1:1〜1:20ぐらい
がよい。好ましい範囲は、1:2〜1:10のモル比で
ある。
【0015】目的とする芳香族ジカルボン酸ジアニリド
は、このような条件で反応を行った後、必要に応じて反
応後にトルエン等の非極性溶媒を加えて沈殿析出させ、
濾別等により分離した後、更に精製して得ることができ
る。
【0016】従来メタ系芳香族ポリアミドは、原料とし
てm−フェニレンジアミンとイソフタル酸クロリドを使
用して初期縮合物を合成し、次いで該初期縮合物に炭酸
ナトリウムを加えて界面重合により得られていたが、本
発明を用いれば、例えばm-フェニレンジアミンとイソフ
タル酸とを加熱下で縮合反応せしめて主としてイソフタ
ル酸ジアニリド及びそのオリゴマーを得、これにイソフ
タル酸クロリドを反応させて芳香族ポリアミドを得るこ
とができるので、高価な酸クロライドの使用量を減少で
き、工業的に有利である。
【0017】以下の実施例により本発明の芳香族ジカル
ボン酸ジアニリドの製造方法を具体的に述べる。
【0018】
【実施例】
[実施例1]イソフタル酸16.6g(0.1mol)、m−
フェニレンジアミン21.6g(0.2mol)、ヘキサン5
0mlをオートクレーブに仕込み窒素で反応器を置換
後、280℃で1時間反応を行った。
【0019】反応終了後、反応液にトルエンを加え得ら
れた結晶を吸引濾過により分離し粗結晶を得た。
【0020】このとき液体クロマトグラフィーの分析結
果より、原料に対応するイソフタル酸ジアニリドの収率
は20%(イソフタル酸基準)であった。
【0021】反応液のガスクロマトグラフィーによる分
析の結果m−フェニレンジアミンの縮合は、観測されな
かった。
【0022】図1に得られた生成物のNMRスペクトル
を示し、また図2にIRスペクトルを示した。
【0023】[実施例2]イソフタル酸16.6g(0.
1mol)、m−フェニレンジアミン21.6g(0.2mol)
及びNMP50mlをオートクレーブに仕込み、窒素で
反応器を置換後、250℃で3時間反応を行った。
【0024】反応終了後、反応液にトルエンを加え得ら
れた結晶を吸引濾過により分離し粗結晶を得た。
【0025】このとき液体クロマトグラフィーの分析結
果より、原料に対応するイソフタル酸ジアニリドの収率
は20%(イソフタル酸基準)であった。
【0026】反応液のガスクロマトグラフィーによる分
析の結果m−フェニレンジアミンの縮合は観測されなか
った。
【0027】[比較例1]イソフタル酸33.2g及び
m−フェニレンジアミン43.2gをオートクレーブに
仕込み、窒素で反応器を置換後、280℃で1時間反応
を行った。
【0028】反応液のガスクロマトグラフィーによる分
析の結果m−フェニレンジアミンの縮合が観測された。
NMRを用いた分析の結果、m−フェニレンジアミンの
22.6%が自己縮合していた。
【0029】[実施例3〜6]表1に示す芳香族ジカル
ボン酸とジアミンとを、それぞれの溶媒及び反応温度条
件で反応せしめ、実施例1と同様に液体クロマトグラフ
ィー分析によりジアニリドの収率を測定した。結果を表
1に記した。なお実施例1及び実施例2も表1に併記し
た。
【0030】[比較例2]イソフタル酸16.6g及び
m−フェニレンジアミン21.6gをオートクレーブに
仕込み、窒素で反応器を置換後、170℃で6時間反応
を行った。
【0031】反応終了後、反応液にトルエンを加え得ら
れた結晶を吸引濾過により分離し粗結晶を得た。
【0032】このとき液体クロマトグラフィーの分析結
果より、原料に対応するイソフタル酸ジアニリドの収率
は7.3%(イソフタル酸基準)であった。
【0033】
【表1】
【0034】
【発明の効果】芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミンと
を特定溶媒を使用して、特定温度で反応せしめると、副
反応を伴うことなく、高収率でジアニリドを得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明実施例1の目的物イソフタル酸ジアニリ
ドを同定(確認)した核磁気共鳴のチャートである。
【図2】本発明実施例1において得られた反応目的物イ
ソフタル酸ジアニリドの赤外線吸収のチャートである。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族ジカルボン酸と芳香族ジアミン類
    とを溶媒中で200℃〜350℃、溶媒が液相を保つ圧
    力下で反応させることを特徴とする芳香族ジカルボン酸
    ジアニリドの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に於いて、溶媒としてヘキサ
    ン、トルエン、クロロホルム、テトラヒドロフラン、
    N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリド
    ン、アセトニトリルの群より選ばれる1種又は2種以上
    の溶媒を用いてなる芳香族ジカルボン酸ジアニリドの製
    造方法。
JP31235595A 1995-11-30 1995-11-30 芳香族ジカルボン酸ジアニリドの製造方法 Pending JPH09151170A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31235595A JPH09151170A (ja) 1995-11-30 1995-11-30 芳香族ジカルボン酸ジアニリドの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP31235595A JPH09151170A (ja) 1995-11-30 1995-11-30 芳香族ジカルボン酸ジアニリドの製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH09151170A true JPH09151170A (ja) 1997-06-10

Family

ID=18028254

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP31235595A Pending JPH09151170A (ja) 1995-11-30 1995-11-30 芳香族ジカルボン酸ジアニリドの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH09151170A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006257047A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 New Japan Chem Co Ltd 1,3,5−ベンゼントリカルボン酸アミドの製造方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006257047A (ja) * 2005-03-18 2006-09-28 New Japan Chem Co Ltd 1,3,5−ベンゼントリカルボン酸アミドの製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH09151170A (ja) 芳香族ジカルボン酸ジアニリドの製造方法
JP4216563B2 (ja) フルオレニリデンジアリルフェノールの精製方法
JP2006219440A (ja) 芳香族ジカルボン酸の製造方法
JP4139448B2 (ja) α−ブロモ,ω−クロロアルカンの製造方法
US5792880A (en) Process for the preparation of N-lauroyl-L-glutamic acid di-n-butylamide
JPH03101673A (ja) 3,3’,5,5’,6,6’―ヘキサフルオロ―4,4’―ビフタル酸無水物の合成法、並びに、3,3’,5,5’,6,6’―ヘキサフルオロ―4,4’―ビフタル酸無水物及びその中間体
JPS63119440A (ja) 4′−ヒドロキシビフエニル−4−カルボン酸の製造方法
JPH09249629A (ja) 芳香族ジカルボン酸ジアニリドの製造方法
JPH06234708A (ja) 4,4’−(フェニレンジイソプロピル)−ビス(2,6−ジアルキルアニリン)の製造方法
JP2682972B2 (ja) 二官能性2−カテナン誘導体からなるインターロックトポリマー
Georgiades et al. N-(2-biphenylenyl)-4-[2′-phenylethynyl] phthalimide—new monomer synthesis, cure and thermal properties of resulting high temperature polymer
JPS60112759A (ja) Ν−フエニルマレイミド類の製造法
JPH0912543A (ja) 芳香族ジイミドジカルボン酸及びその製造方法並びにそれを含む溶液
JPH1067727A (ja) 芳香族ジカルボン酸ジアニリドの精製方法
JP3085609B2 (ja) ビスマレイミド類の製造方法
JP2789047B2 (ja) 2,2’―ビス―△▲上2▼―オキサゾリンの合成法
JP2001322981A (ja) N,n’−カルボニルビスラクタムの製造方法
JPS63250353A (ja) テレフタル酸ジアニリド類の製造法
JPH08119939A (ja) 高純度エーテル型ビスマレイミドの製造方法
KR950005504B1 (ko) 신규 방향족 디아민 단량체 및 그 제조방법
JPH0469132B2 (ja)
JPH1180136A (ja) アミン型[2]カテナン及びその製造法
JP5577821B2 (ja) 芳香族環が塩素化されたフタル酸化合物の製造方法
JP2816002B2 (ja) 4,4’―ビス(3―アミノベンゾイル)ビフェニルおよびその製造方法
JP2857373B2 (ja) ナフチル−エーテル鎖を含有するカルボン酸またはその誘導体、及びそれらの製造方法