JPH09147344A - 磁気記録媒体用基板及び磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体用基板及び磁気記録媒体

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JPH09147344A
JPH09147344A JP30306795A JP30306795A JPH09147344A JP H09147344 A JPH09147344 A JP H09147344A JP 30306795 A JP30306795 A JP 30306795A JP 30306795 A JP30306795 A JP 30306795A JP H09147344 A JPH09147344 A JP H09147344A
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layer
substrate
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sio
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JP30306795A
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Takashi Ishii
たかし 石井
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高記録密度を有する磁気記録媒体に適した、
表面平滑性の高い磁気記録媒体用基板の提供。 【解決手段】 本発明の磁気記録媒体用基板は、その表
面にSiO2 層が形成されてなることを特徴とする。こ
れにより基板表面の粗さの細かいコントロールが可能と
なる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体用基
板に関するものであり、更に詳しくは、極めて高い表面
平滑性を有する磁気記録媒体用基板に関する。また、本
発明は、かかる磁気記録媒体用基板を具備する磁気記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】磁気ディスク媒体用基板としては、一般
にアルミニウム合金基板、ガラス基板又はガラス状カー
ボン基板等が用いられている。これらの基板において
は、磁気ディスク媒体の記録密度を高めるために、その
表面が平滑であり、且つ欠陥のないことが要求されてい
る。この目的のために、図4に示すように、仕上げ研磨
工程に付される前の、表面粗さの大きな基板12(一般
に表面粗さRa=約200nm程度、最大高さRt=約
2000nm程度)を仕上げ研磨工程に付して、図5に
示すように、それ以前の研磨工程で基板12に発生した
加工変質層(マイクロクラック、化学的特性の変化層、
結晶学的変化層等)を除去すると共に、その表面粗さR
a約を2.0nm以下とし、最大高さRtを約10nm
程度にしている。
【0003】かかる仕上げ研磨工程は、一般に数10分
〜数時間を要するので、生産能力の向上の妨げとなって
いる。また仕上げ研磨工程に付された基板であっても、
図5に示すように、その表面に大きさ0.01μmから
数100μmの微小な凹部又は突起が残る場合があり、
これらが高記録密度用磁気ディスク媒体の欠陥の原因と
なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明の目的
は、高記録密度を有する磁気記録媒体に適した、表面平
滑性の高い磁気記録媒体用基板を提供することにある。
また、本発明の目的は、研磨工程に要する時間を短縮し
得る磁気記録媒体用基板を提供することにある。更に、
本発明の目的は、上記磁気記録媒体用基板を具備する、
エラーフリーな磁気記録媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明者らは鋭意検討した結果、仕上げ研磨工程前又は
後の基板に特定の層を形成せしめることにより、該基板
の表面に存在する欠陥が被覆されると共に、その表面平
滑性が向上することを知見した。
【0006】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
であり、表面にSiO2 層が形成されてなることを特徴
とする磁気記録媒体用基板を提供することにより、上記
目的を達成したものである。
【0007】また、本発明は、上記磁気記録媒体用基板
を具備することを特徴とする磁気記録媒体を提供するも
のである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体用基板を図
面を参照して説明する。ここで、図1は、仕上げ研磨工
程後の基板の表面にSiO2 層が形成されてなる磁気記
録媒体用基板を表す概略図であり、図2は、仕上げ研磨
工程前の基板の表面にSiO2 層が形成されてなる磁気
記録媒体用基板を表す概略図である。
【0009】図1及び図2に示すように、本発明の磁気
記録媒体用基板10は、基板12の表面にSiO2 層1
4が形成されてなることを特徴とするものである。該基
板の材質としては、磁気記録媒体用の基板として一般に
用いられている材質を特に制限無く用いることができ
る。更に詳細には、上記基板12として磁性基板及び非
磁性基板の何れをも用いることができる。一般には、非
磁性基板を用いることが好ましい。該非磁性基板として
は、例えば、Al基板、NiPめっきAl合金基板、強
化ガラス基板、結晶化ガラス基板、セラミックス基板、
Si合金基板、Ti基板、Ti合金基板、プラスチック
基板、カーボン基板、及びこれらの複合材料から成る基
板等が使用できる。特に、カーボン基板、就中ガラス状
カーボン基板は、小径/薄板化に有利であり、しかも導
電性も有しているので、本発明において好ましく用いら
れる。更に、ガラス状カーボン基板は耐熱性に優れてい
るので、後述するように、上記SiO2 層14をポリシ
ラザンを主成分とする塗布液から塗布・焼成する場合に
も、加熱(約60〜600℃)によるダメージを受けに
くい。
【0010】上記基板12としては、仕上げ研磨工程に
付された後の、局所的な微小欠陥を有する基板(表面粗
さ8〜10Å程度、図4参照)、及び仕上げ研磨工程に
付される前の、中仕上げ状態の基板(表面粗さ12〜1
5Å程度、図5参照)の何れをも用いることができる。
仕上げ研磨工程に付された後の基板を用いる場合には、
その表面に上記SiO2 層14を形成することによって
基板の表面平滑性を極めて向上させ、且つ欠陥数を極め
て低下させることができる。一方、中仕上げ状態の基板
を用いる場合には、その表面に上記SiO2 層14を形
成することによって、基板の表面平滑性を向上させ、且
つ欠陥数を低下させることができると共に、仕上げ研磨
工程を省略し、工程の短縮化を図ることができる。な
お、上記仕上げ研磨工程は、所定の粒径を有する研磨砥
粒が付着した研磨テープ等を用いて行うことができる。
【0011】図1及び図2に示すように、上記基板12
の表面には、上記SiO2 層14が直接形成されてい
る。該SiO2 層14を形成することにより、研磨加工
に起因する加工変質層(マイクロクラック、化学的特性
の変化層、結晶学的変化層等)の影響を回避し得ると共
に、基板の表面平滑性を向上させることができる。ま
た、基板の表面粗さよりも小さな表面粗さを実現するこ
とができ、表面粗さの細かいコントロールが可能となる
(特に、仕上げ研磨工程に付された後の基板を用いる場
合に有効である)。即ち、上記SiO2 層14の表面粗
さは、該SiO2 層14が形成される前の基板12の表
面粗さよりも小さくなる。また、上記SiO2 層14
は、後述するように、その上に設けられる磁性層等に対
するガスバリア層としても作用する。即ち、磁性層等の
成膜時に基板を加熱すると、磁性層の保磁力を低下させ
るような不純物ガス、例えば、CO、CO、N2 、H2
などが発生する場合があるが、上記SiO2 層14はこ
れらの不純物ガスのバリア層として作用するので、磁性
層の保磁力低下が防止される。
【0012】上記SiO2 層14を形成するための手段
に特に制限は無く、例えば、スパッタリング法等の物理
的気相成長法(PVD)や化学的気相成長法(CVD)
を用いることができるが、特に、ピンホールやボイドの
無い緻密な非晶質のSiO2層が形成される点から、ポ
リシラザンを主成分とする塗布液から形成することが特
に好ましい。また、上記塗布液を用いることにより、上
記基板12中の凹部が容易に埋まるので、平滑な表面の
形成が容易である。
【0013】上記ポリシラザンからの上記SiO2 層1
4の形成について説明すると、該ポリシラザンとして
は、シラザン又はシラザン中の水素原子が炭化水素基等
で置換されたものの重合体を用いることができる。特
に、該ポリシラザンとして、下記式(I)で表される繰
り返し単位を有するものを使用することが好ましい。
【0014】
【化1】 (式中、R1 、R2 及びR3 は、同一の又は異なる水素
原子又は炭素原子数1〜8のアルキル基、アルケニル
基、シクロアルキル基又はアリール基である。)
【0015】上記一般式(I)におけるR1 〜R3 がア
ルキル基である場合には、該アルキル基は低級アルキル
基であることが好ましく、特に、メチル基、エチル基、
プロピル基又はブチル基であることが好ましい。就中、
上記R1 〜R3 のすべてが水素原子であることが好まし
い。かかるポリシラザンは、例えば、特開平5−238
827号公報、特公昭63−16325号公報及び米国
特許第4397828号明細書に記載の方法に従って好
ましく製造することができる。
【0016】上記一般式(I)で表される繰り返し単位
を有するポリシラザンは、直鎖状、環状及び架橋体の何
れであってもよい。あるいは、該ポリシラザンは直鎖
状、環状及び架橋体ポリシラザンの何れか2種以上の混
合物であってもよい。また、上記ポリシラザンは、他の
ポリマーとの混合物又は他の化合物との混合物であって
もよい。
【0017】上記ポリシラザンの分子量に特に制限はな
いが、上記塗布液の粘度及び塗布膜の経時安定性の点か
ら、その重量平均分子量は、好ましくは500〜100
00であり、更に好ましくは1000〜4000であ
る。
【0018】特に、上記ポリシラザンとして、分子量1
000以下の低分子量成分がポリシラザン全体の10〜
40重量%(特に好ましくは15〜40重量%)を占め
るようなものを使用することが、上記塗布液の粘度及び
塗布膜の経時安定性の点から好ましい。
【0019】次に、上記ポリシラザンを主成分とする塗
布液の好ましい調製方法について説明すると、該塗布液
は、好ましくは、上記ポリシラザンをアルコール、ケト
ン、トルエン、キシレン又はTHF等の有機溶媒に溶解
せしめることによって得られる。
【0020】上記塗布液中における上記ポリシラザンの
配合割合は、塗布ムラを少なくし、且つ塗布時間を短縮
するために、0.1〜30重量%であることが好まし
く、1〜20重量%であることが一層好ましい。また、
上記塗布液には、特開平5−238827号公報に記載
されているケイ素アルコキシド又はケイ素アリールオキ
シドを併用してもよい。更に、上記塗布液には、本発明
の効果を損なわない範囲でその他の任意成分を添加する
こともできる。
【0021】次に、上記塗布液からの上記SiO2 層の
形成について説明する。上記SiO2 層は、好ましく
は、被塗布面、即ち上記基板12上に上記塗布液をスプ
レーコーティング、ディップコーティング、スピンコー
ティング等の塗布手段により直接塗布(1回又は2回以
上)して塗布膜を形成せしめた後、該塗布膜を乾燥・大
気中焼成することによって形成される。上記乾燥・焼成
の温度は好ましくは60〜600℃である。この場合、
ポリシラザン骨格の一部が−(Si−O)−に転化され
ない場合があるが、そのような場合であっても−(Si
−O)−が主成分であることが必須であり、100%転
化していることが好ましい。また、上記SiO2 層をカ
ーボン基板上に形成する場合、上述の通りカーボン基板
は高温加熱が可能であるので、450〜600℃で加熱
処理を行うと、ポリシラザンから−(Si−O)−への
転化が効率良く行われるので好ましい。なお、上記塗布
膜の乾燥・焼成に際しては、紫外線や電子線照射による
塗膜の硬化処理を併用することもできる。更に、上記塗
布液の塗布に先立ち、上記基板12の表面を、純水によ
って超音波洗浄したり、熱酸化処理することが好まし
い。
【0022】このようにして形成されたSiO2 層の厚
さは、上記基板12の表面粗さに応じて調整されるが、
一般に5〜5000nmであることが好ましく、10〜
1000nmであることが一層好ましい。上記SiO2
層の厚さが5nmに満たないと、上記基板12の表面に
おける凹凸を十分に被覆できず、平滑な表面を得ること
ができない場合がある。一方、上記SiO2 層の厚さが
5000nmを超えると、磁性ディスク等の磁気記録媒
体の薄型化が困難となる場合がある。
【0023】また、このようにして形成された上記Si
2 層の表面粗さRaは、1〜20Åであることが好ま
しく、1〜10Åであることが更に好ましい。
【0024】次に、上記磁気記録媒体用基板を具備する
本発明の磁気記録媒体について図3を参照して説明す
る。ここで、図3は、本発明の磁気記録媒体の好ましい
実施態様の構成を表す概略図である。
【0025】図3に示す磁気記録媒体100は、仕上げ
研磨工程に付された後の基板12の表面にSiO2 層1
4が直接形成されてなる磁気記録媒体用基板10を具備
し、更に該SiO2 層14上に、ベース層16、テクス
チャ層18、非金属アモルファス層20、第1下地層2
2及び第2下地層24が順次形成されている。
【0026】上記ベース層16は、上記SiO2 層14
と、この上に設けられる層との密着性を高める目的で設
けられるものである。該ベース層16は、カーバイドを
形成し得る金属から形成されていることが好ましく、該
金属としては、例えば、Ti、Cr、Si、Ta、Z
r、Y、Mo及びV等を用いることができる。特に、T
i又はCrからなるベース層を用いた場合には、該ベー
ス層16と上記SiO2層14との密着性が極めて高く
なるので好ましい。該ベース層16は、スパッタリング
等のPVDによって形成され、その厚さは5〜200n
mであることが好ましい。
【0027】上記ベース層16上に形成されるテクスチ
ャ層18は、凹凸(表面粗さRaが5〜50Å程度)を
形成せしめてヘッド吸着を防止するために設けられる層
である。そして、かかる凹凸が、該テクスチャ層18以
降に設けられる各層にそのまま引き継がれることにな
る。上記テクスチャ層18は、Al−M系合金(Mは、
カーバイドを形成し得る金属であり、具体的には上記ベ
ース層16に用いられる金属と同様の金属を用いること
ができる)からスパッタリング等のPVDによって形成
され、その厚さが5〜100nmであることが好まし
い。
【0028】上記テクスチャ層18上に設けられる非金
属アモルファス層20は、該テクスチャ層18と、該非
金属アモルファス層20上に設けられる第1及び第2下
地層22、24との結晶的相互作用を遮断し、該下地層
の結晶化を進めると共に、磁性層26の磁気的配向を良
好なものとするために設けられるものである。上記非金
属アモルファス層20は、スパッタリング等のPVDよ
って形成されたアモルファスカーボン層からなり、その
厚さが5〜50nmであることが好ましい。
【0029】上記非金属アモルファス層20上に設けら
れる第1下地層22は、媒体ノイズを低減化せしめる目
的で設けられるものであり、Ti又はTi合金から構成
されるものであることが好ましい。一方、該第1下地層
22上に設けられる第2下地層24は、磁性層の静磁気
特性の向上を目的として設けられるものであり、この目
的のために、その材質としては磁性層を構成する物質の
格子定数に近いものを用いることが好ましい。特に、該
第2下地層24は、Cr又はCrを含む二元合金からな
ることが静磁気特性の向上と共に媒体ノイズの低減化の
点から好ましい。上記第1下地層22及び第2下地層2
4の厚さは、それぞれ5〜200nm及び5〜150n
mであることが好ましい。
【0030】図3に示すように、上記第2下地層24上
には、磁性層26、保護層28及び潤滑剤層30が順次
形成されている。
【0031】上記磁性層26としては、例えば、PVD
法により形成された金属薄膜型の磁性層を挙げることが
できる。該金属薄膜型の磁性層を形成する材料として
は、例えばCoCr、CoNi、CoCrX(但し、X
=Crを除く)、CoCrPtX(但し、X=Cr及び
Ptを除く)、CoSm、CoSmX(但し、X=Sm
を除く)、CoNiX(但し、X=Niを除く)及びC
oWX(但し、X=Wを除く)(ここで、Xは、Ta、
Pt、Au、Ti、V、Cr、Ni、W、La、Ce、
Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Li、Si、B、C
a、As、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Ag、
Sb及びHf等からなる群より選ばれる1種又は2種以
上の金属を示す)等で表されるCoを主成分とするCo
系の磁性合金等を好ましく挙げることができる。使用に
際しては、これらを単独で又は2種以上の混合物として
用いることができる。上記磁性層26の厚さは20〜5
0nmであることが好ましい。
【0032】上記磁性層26上に順次設けられる保護層
28及び潤滑剤層30としては、通常の磁気記録媒体に
おいて用いられるものを特に制限無く用いることができ
る。例えば、上記保護層28としては、耐磨耗性の点か
ら硬度の高い材料が用いられ、具体的にはAl、Si、
Ti、Cr、Zr、Nb、Mo、Ta、W等の金属の酸
化物、窒化物、炭化物や、ダイヤモンドライクカーボン
等のカーボンが好ましく用いられる。一方、上記潤滑剤
層30は、パーフルオロポリエーテル系の潤滑剤を塗布
する方法や、フッ化炭素系化合物と酸素とを気相重合
(特に光CVD)する方法(例えば、特願平6−286
940号記載の方法等)により形成することができる。
【0033】本発明の磁気記録媒体用基板及び磁気記録
媒体は、例えば、ディスク、ドラム、テープ等の形態で
用いられ、特に、ディスクの形態で好適に用いられる。
【0034】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明は、かかる実施例に限定されるものでは
ない。
【0035】〔実施例1〕仕上げ研磨工程前のガラス状
カーボン基板(表面粗さRa=180nm、最大高さR
t=2100nm)上に東燃株式会社製ポリシラザン標
準品〔上記式(I)においてR1 〜R3 =H〕のキシレ
ン溶液(ポリシラザン濃度20重量%)をスピンコーテ
ィングによって塗布した。塗膜の厚さは4μmであっ
た。この基板をクリーン度が1000以下の焼成炉中に
入れ、昇温速度毎分10℃で450℃まで加熱し、この
温度を5時間以上保持して、上記塗膜を焼成した。焼成
後、降温速度毎分10℃で上記焼成炉を冷却し、室温ま
で冷却された後、上記基板を上記焼成炉から取り出し
た。このようにして得られた磁気記録媒体用基板におけ
るSiO2 層の表面粗さRa及び最大高さRtをTen
cor社製P2を用いて測定すると共に、該SiO 2
表面の欠陥数(1μm以上)を光学顕微鏡により測定し
た。その結果を表1に示す。
【0036】〔実施例2〕実施例1における仕上げ研磨
工程前のガラス状カーボン基板に代えて、仕上げ研磨工
程後のガラス状カーボン基板(表面粗さRa=1nm、
最大高さRt=10nm)を用い、且つポリシラザン塗
膜の厚さを50nmとする以外は、実施例1と同様の操
作を行い磁気記録媒体用基板を得た。このようにして得
られた磁気記録媒体用基板について実施例1と同様の測
定を行った。その結果を表1に示す。
【0037】〔実施例3〕実施例1における仕上げ研磨
工程前のガラス状カーボン基板に代えて、仕上げ研磨工
程前のガラス基板(表面粗さRa=100nm、最大高
さRt=1100nm)を用いる以外は、実施例1と同
様の操作を行い磁気記録媒体用基板を得た。このように
して得られた磁気記録媒体用基板について実施例1と同
様の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0038】〔比較例1〕実施例1における仕上げ研磨
工程前のガラス状カーボン基板そのものについて実施例
1と同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0039】〔比較例2〕実施例2における仕上げ研磨
工程前のガラス状カーボン基板そのものについて実施例
1と同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0040】
【表1】
【0041】表1に示す結果から明らかなように、Si
2 層を有する本発明の磁気記録媒体用基板(実施例1
〜3)においては、その表面は非常に平滑であり、しか
も欠陥数も僅かであることが分かる。特に、仕上げ研磨
工程後の基板上にSiO2 層を形成した磁気記録媒体用
基板(実施例2)においては、その表面は極めて平滑で
あり、しかも欠陥数も極く僅かである。これに対して、
SiO2 層が形成されていない比較例1及び2の磁気記
録媒体用基板では、その表面粗さ及び欠陥数共に劣った
ものである。
【0042】〔実施例4〜6並びに比較例3及び4〕実
施例1〜3並びに比較例1及び2で得られたガラス状カ
ーボン基板上に、それぞれ常法に従って所定厚さのTi
層(ベース層)、AlSi層(テクスチャ層)、Ti層
(第1下地層)、Cr層(第2下地層)、CoCr12
8 層(磁性層)、及びアモルファスカーボン層(保護
層)を順次スパッタリングにより形成した。更に、該ア
モルファスカーボン層上にアオジモント社製フォンブリ
ンZ−03を所定量塗布し、潤滑剤層を形成して磁気デ
ィスクを得た。得られた磁気ディスクについて、Pro
quip社製MG150Tを用い、70%スライダヘッ
ドを用い、記録密度51KFCIの条件でエラー特性を
評価した。スライスレベルは60%とし、各磁気ディス
ク50枚について16ビット未満のミッシングエラーの
個数をカウントし、以下の様に評価した。その結果を表
2に示す。 S:評価ディスクの50%以上がエラー個数が0〜15
個 A:評価ディスクの50%以上がエラー個数が16〜3
5個 B:評価ディスクの50%以上がエラー個数が36〜6
0個 C:評価ディスクの50%以上がエラー個数が61個以
【0043】
【表2】
【0044】表2に示す結果から明らかなように、表面
にSiO2 層が形成されてなるガラス状カーボン基板を
用いて製造された磁気ディスクは、SiO2 層が形成さ
れていないガラス状カーボン基板を用いて製造された磁
気ディスクよりも、エラー特性に優れたものである。
【0045】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明の磁気記録
媒体用基板によれば、基板の表面にSiO2 層を形成す
ることにより、基板の表面粗さよりも小さな表面粗さを
実現することができ、表面粗さの細かいコントロールが
可能となる。
【0046】また、研磨加工に起因する加工変質層(マ
イクロクラック、化学的特性の変化層、結晶学的変化層
等)の影響を回避し得ると共に、基板の表面平滑性を向
上させることができる。
【0047】また、基板として仕上げ研磨工程に付され
た後の基板を用いる場合には、その表面にSiO2 層を
形成することによって基板の表面平滑性を極めて向上さ
せ、且つ欠陥数を極めて低下させることができる。ま
た、基板として中仕上げ状態の基板を用いる場合には、
その表面にSiO2 層を形成することによって、基板の
表面平滑性を向上させ、且つ欠陥数を低下させることが
できると共に、仕上げ研磨工程を省略し、工程の短縮化
を図ることができる。
【0048】また、上記SiO2 層は、磁性層の保磁力
低下の一因となる不純物ガスのバリア層として作用する
ので、磁性層の保磁力低下が防止される。
【0049】また、上記SiO2 層は耐熱性を有するの
で、磁性層の磁気的相互作用を低下させるための熱酸化
処理を行うことが可能となる。
【0050】更に、上記SiO2 層はTiやCr等との
密着性が良好なので、該SiO2 層上にTiやCr等の
金属薄膜層を設ける場合には、該SiO2 層と該金属薄
膜層との密着強度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】仕上げ研磨工程後の基板の表面にSiO2 層が
形成されてなる磁気記録媒体用基板を表す概略図であ
る。
【図2】仕上げ研磨工程前の基板の表面にSiO2 層が
形成されてなる磁気記録媒体用基板を表す概略図であ
る。
【図3】本発明の磁気記録媒体の好ましい実施態様の構
成を表す概略図である。
【図4】仕上げ研磨工程前の基板の表面状態を表す概略
図である。
【図5】仕上げ研磨工程後の基板の表面状態を表す概略
図である。
【符号の説明】
10 磁気記録媒体用基板 12 基板 14 SiO2 層 100 磁気記録媒体

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にSiO2 層が形成されてなること
    を特徴とする磁気記録媒体用基板。
  2. 【請求項2】 上記SiO2 層が非晶質である、請求項
    1記載の磁気記録媒体用基板。
  3. 【請求項3】 上記SiO2 層が、ポリシラザンを主成
    分とする塗布液から形成される、請求項1又は2記載の
    磁気記録媒体用基板。
  4. 【請求項4】 上記SiO2 層の表面粗さが、該SiO
    2 層が形成される前の基板の表面粗さよりも小さい、請
    求項1〜3の何れかに記載の磁気記録媒体用基板。
  5. 【請求項5】 ガラス状カーボン基板の表面に上記Si
    2 層が形成されてなる、請求項1〜4の何れかに記載
    の磁気記録媒体用基板。
  6. 【請求項6】 基板の表面にポリシラザンを塗布し、次
    いで焼成してSiO 2 層を形成させることを特徴とする
    磁気記録媒体用基板の製造方法。
  7. 【請求項7】 表面にSiO2 層が形成されてなる磁気
    記録媒体用基板を具備することを特徴とする磁気記録媒
    体。
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