JPH09161258A - 磁気記録媒体用基板及び磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体用基板及び磁気記録媒体

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JPH09161258A
JPH09161258A JP31940195A JP31940195A JPH09161258A JP H09161258 A JPH09161258 A JP H09161258A JP 31940195 A JP31940195 A JP 31940195A JP 31940195 A JP31940195 A JP 31940195A JP H09161258 A JPH09161258 A JP H09161258A
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substrate
layer
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magnetic recording
magnetic
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JP31940195A
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Koji Uchida
幸司 内田
Takashi Ishii
たかし 石井
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高記録密度を有する磁気記録媒体に適した、
表面平滑性の高い磁気記録媒体用基板の提供。 【解決手段】 本発明の磁気記録媒体用基板は、その表
面にポリイミド層が形成されてなることを特徴とする。
これにより基板表面の粗さの細かいコントロールが可能
となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体用基
板に関するものであり、更に詳しくは、極めて高い表面
平滑性を有する磁気記録媒体用基板に関する。また、本
発明は、かかる磁気記録媒体用基板を具備する磁気記録
媒体に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】磁気デ
ィスク媒体用基板としては、一般にアルミニウム合金基
板、ガラス基板又はガラス状カーボン基板等が用いられ
ている。これらの基板においては、磁気ディスク媒体の
記録密度を高めるために、その表面が平滑であり、且つ
欠陥のないことが要求されている。この目的のために、
図4に示すように、仕上げ研磨工程に付される前の、表
面粗さの大きな基板12(一般に表面粗さRa=約20
0nm程度、最大高さRt=約2000nm程度)を仕
上げ研磨工程に付して、図5に示すように、それ以前の
研磨工程で基板12に発生した加工変質層(マイクロク
ラック、化学的特性の変化層、結晶学的変化層等)を除
去すると共に、その表面粗さRa約を2.0nm以下と
し、最大高さRtを約10nm程度にしている。
【0003】かかる仕上げ研磨工程は、一般に数10分
〜数時間を要するので、生産能力の向上の妨げとなって
いる。また仕上げ研磨工程に付された基板であっても、
図5に示すように、その表面に大きさ0.01μmから
数100μmの微小な凹部又は突起が残る場合があり、
これらが高記録密度用磁気ディスク媒体の欠陥の原因と
なっている。
【0004】従って、本発明の目的は、高記録密度を有
する磁気記録媒体に適した、表面平滑性の高い磁気記録
媒体用基板を提供することにある。また、本発明の目的
は、研磨工程に要する時間を短縮し得る磁気記録媒体用
基板を提供することにある。更に、本発明の目的は、上
記磁気記録媒体用基板を具備する、エラーフリーな磁気
記録媒体を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく、
本発明者らは鋭意検討した結果、仕上げ研磨工程前又は
後の基板表面に特定の層を形成せしめることにより、該
基板の表面に存在する欠陥が被覆されると共に、その表
面平滑性が向上することを知見した。
【0006】本発明は上記知見に基づきなされたもので
あり、表面にポリイミド層が形成されてなることを特徴
とする磁気記録媒体用基板を提供することにより、上記
目的を達成したものである。
【0007】また、本発明は、上記磁気記録媒体用基板
を具備することを特徴とする磁気記録媒体を提供するも
のである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明の磁気記録媒体用基板を図
面を参照して説明する。ここで、図1は、仕上げ研磨工
程後の基板の表面にポリイミド層が形成されてなる磁気
記録媒体用基板を表す概略図であり、図2は、仕上げ研
磨工程前の基板の表面にポリイミド層が形成されてなる
磁気記録媒体用基板を表す概略図である。
【0009】図1及び図2に示すように、本発明の磁気
記録媒体用基板10は、基板12の表面にポリイミド層
14が形成されてなることを特徴とするものである。該
基板の材質としては、磁気記録媒体用の基板として一般
に用いられている材質を特に制限無く用いることができ
る。更に詳細には、上記基板12として磁性基板及び非
磁性基板の何れをも用いることができる。一般には、非
磁性基板を用いることが好ましい。該非磁性基板として
は、例えば、Al基板、NiPめっきAl合金基板、強
化ガラス基板、結晶化ガラス基板、セラミックス基板、
Si合金基板、Ti基板、Ti合金基板、プラスチック
基板、カーボン基板、及びこれらの複合材料から成る基
板等が使用できる。特に、カーボン基板、就中ガラス状
カーボン基板は、小径/薄板化に有利であり、しかも導
電性も有しているので、本発明において好ましく用いら
れる。更に、ガラス状カーボン基板は耐熱性に優れてい
るので、後述するように、上記ポリイミド層14を、ポ
リイミドを含有する塗布液から塗布・焼成する場合に
も、加熱(例えば約60〜600℃)によるダメージを
受けにくい。
【0010】上記基板12としては、仕上げ研磨工程に
付された後の、局所的な微小欠陥を有する基板(表面粗
さ8〜10Å程度、図4参照)、及び仕上げ研磨工程に
付される前の、中仕上げ状態の基板(表面粗さ12〜1
5Å程度、図5参照)の何れをも用いることができる。
仕上げ研磨工程に付された後の基板を用いる場合には、
その表面に上記ポリイミド層14を形成することによっ
て基板の表面平滑性を極めて向上させ、且つ欠陥数を極
めて低下させることができる。一方、中仕上げ状態の基
板を用いる場合には、その表面に上記ポリイミド層14
を形成することによって、基板の表面平滑性を向上さ
せ、且つ欠陥数を低下させることができると共に、仕上
げ研磨工程を省略し、工程の短縮化を図ることができ
る。なお、上記仕上げ研磨工程は、所定の粒径を有する
研磨砥粒が付着した研磨テープ等を用いて行うことがで
きる。
【0011】図1及び図2に示すように、上記基板12
の表面には、上記ポリイミド層14が直接形成されてい
る。該ポリイミド層14を形成することにより、研磨加
工に起因する加工変質層(マイクロクラック、化学的特
性の変化層、結晶学的変化層等)の影響を回避し得ると
共に、基板の表面平滑性を向上させることができる。ま
た、基板の表面粗さよりも小さな表面粗さを実現するこ
とができ、表面粗さの細かいコントロールが可能となる
(特に、仕上げ研磨工程に付された後の基板を用いる場
合に有効である)。即ち、上記ポリイミド層14の表面
粗さは、該ポリイミド層14が形成される前の基板12
の表面粗さよりも小さくなる。また、上記ポリイミド層
14は、後述するように、その上に設けられる磁性層等
に対するガスバリア層としても作用する。即ち、磁性層
等の成膜時に基板を加熱すると、磁性層の保磁力を低下
させるような不純物ガス、例えば、CO、CO 2
2 、N2 、H2 などが発生する場合があるが、上記ポ
リイミド層14はこれらの不純物ガスのバリア層として
作用するので、磁性層の保磁力低下が防止される。更
に、上記ポリイミド層14は、耐熱性が高く、しかも熱
によるストレスが少ないので、磁性層の磁気的相互作用
を低下させるための熱処理を行うことが可能となる。
【0012】上記ポリイミド層14を形成するための方
法としては、特に制限されないが、ポリイミドを含有す
る塗布液を所定の塗膜厚さになるように基板表面にスピ
ンコーティング法やディップコーティング法等により塗
布し、次いでN2 雰囲気中で焼成する方法が、ピンホー
ルやボイドの無い緻密なポリイミド層が形成される点か
ら好ましい。また、上記塗布液を用いることにより、上
記基板12中の凹部が容易に埋まるので、平滑な表面の
形成が容易である。
【0013】上記塗布液からの上記ポリイミド層の形成
について更に詳述すると、上記ポリイミド層は、好まし
くは、被塗布面、即ち上記基板12上に上記塗布液をス
プレーコーティング、ディップコーティング、スピンコ
ーティング等の塗布手段により直接塗布(1回又は2回
以上)して塗膜を形成せしめた後、該塗膜を乾燥・N 2
雰囲気中焼成することによって形成される。上記乾燥は
60〜200℃;焼成は200〜600℃であることが
好ましい。また、上記ポリイミド層をカーボン基板上に
形成する場合、上述の通りカーボン基板は高温加熱が可
能であるので、350〜600℃で加熱処理を行うと、
ポリイミドの被膜化が効率良く行われるので好ましい。
なお、上記塗布液の塗布に先立ち、上記基板12の表面
を、純水によって超音波洗浄し、N2 雰囲気中で加熱脱
水することが好ましい。これらの作業はクラス100以
下の清浄雰囲気中で行うことが望ましい。
【0014】次に、上記ポリイミド層の形成に用いられ
る上記塗布液について説明すると、該塗布液は、ポリイ
ミドを含有したものであり、例えばポリイミドが分散し
た懸濁液やポリイミドが溶解した溶液等を好ましく用い
ることができる。かかる懸濁液や溶液を調製するために
用いられる溶媒としては、例えばN−メチル−2−ピロ
リドン、キシレン、1−メトキシ−2−プロパノール、
エチレングリコールモノエチルエーテル等の有機溶媒を
単独または2種以上組合せて用いることができる。ま
た、かかる懸濁液や溶液中におけるポリイミドの濃度
(又は固形分濃度)は、塗布ムラを少なくし、且つ塗布
時間を短縮するために、5〜50重量%であることが好
ましく、10〜40重量%であることが更に好ましい。
また、上記塗布液には、本発明の効果を損なわない範囲
でその他の任意成分を添加することもできる。
【0015】上記ポリイミドは、主鎖にイミド基結合を
有する高分子であり、数平均分子量が500〜100,
000であるものを用いることが好ましい。また、上記
ポリイミドとしては、イミド基結合の他に、アミド結合
やエーテル結合等を有しているもの(例えば、ポリイミ
ドアミドやポリエーテルアミド等)も用いることができ
る。本発明において特に好ましく用いられるポリイミド
としては、Du Pont社製Pyralin Pl−
2560、Pl−2580等から熱硬化して得られるも
のが挙げられる。
【0016】このようにして形成されたポリイミド層の
厚さは、上記基板12の表面粗さに応じて調整される
が、一般に1〜10,000nmであることが好まし
く、3〜1,000nmであることが一層好ましい。上
記ポリイミド層の厚さが1nmに満たないと、上記基板
12の表面における凹凸を十分に被覆できず、平滑な表
面を得ることができない場合がある。一方、上記ポリイ
ミド層の厚さが10,000nmを超えると、磁性ディ
スク等の磁気記録媒体の薄型化が困難となる場合がある
ので、上記範囲内とすることが好ましい。
【0017】また、このようにして形成された上記ポリ
イミド層の表面粗さRaは、1〜20Åであることが好
ましく、1〜10Åであることが更に好ましい。
【0018】次に、上記磁気記録媒体用基板を具備する
本発明の磁気記録媒体について図3を参照して説明す
る。ここで、図3は、本発明の磁気記録媒体の好ましい
実施態様の構成を表す概略図である。
【0019】図3に示す磁気記録媒体100は、仕上げ
研磨工程に付された後の基板12の表面にポリイミド層
14が直接形成されてなる磁気記録媒体用基板10を具
備し、更に該ポリイミド層14上に、ベース層16、テ
クスチャ層18、非金属アモルファス層20、第1下地
層22及び第2下地層24が順次形成されている。
【0020】上記ベース層16は、上記ポリイミド層1
4と、この上に設けられる層との密着性を高める目的で
設けられるものである。該ベース層16は、カーバイド
を形成し得る金属から形成されていることが好ましく、
該金属としては、例えば、Ti、Cr、Si、Ta、Z
r、Y、Mo及びV等を用いることができる。特に、T
i又はCrからなるベース層を用いた場合には、該ベー
ス層16と上記ポリイミド層14との密着性が極めて高
くなるので好ましい。該ベース層16は、スパッタリン
グ、イオンプレーティング、真空蒸着等の物理的気相成
長法(PVD)によって形成され、その厚さは5〜20
0nmであることが好ましい。
【0021】上記ベース層16上に形成されるテクスチ
ャ層18は、凹凸(表面粗さRaが5〜50Å程度)を
形成せしめてヘッド吸着を防止するために設けられる層
である。そして、かかる凹凸が、該テクスチャ層18以
降に設けられる各層にそのまま引き継がれることにな
る。上記テクスチャ層18は、Al−M系合金(Mは、
カーバイドを形成し得る金属であり、具体的には上記ベ
ース層16に用いられる金属と同様の金属を用いること
ができる)からスパッタリング等のPVDによって形成
され、その厚さが5〜100nmであることが好まし
い。
【0022】上記テクスチャ層18上に設けられる非金
属アモルファス層20は、該テクスチャ層18と、該非
金属アモルファス層20上に設けられる第1及び第2下
地層22、24との結晶的相互作用を遮断し、該下地層
の結晶化を進めると共に、磁性層26の磁気的配向を良
好なものとするために設けられるものである。上記非金
属アモルファス層20は、スパッタリング等のPVDよ
って形成されたアモルファスカーボン層からなり、その
厚さが5〜50nmであることが好ましい。
【0023】上記非金属アモルファス層20上に設けら
れる第1下地層22は、媒体ノイズを低減化せしめる目
的で設けられるものであり、Ti又はTi合金から構成
されるものであることが好ましい。一方、該第1下地層
22上に設けられる第2下地層24は、磁性層の静磁気
特性の向上を目的として設けられるものであり、この目
的のために、その材質としては磁性層を構成する物質の
格子定数に近いものを用いることが好ましい。特に、該
第2下地層24は、Cr又はCrを含む二元合金からな
ることが静磁気特性の向上と共に媒体ノイズの低減化の
点から好ましい。上記第1下地層22及び第2下地層2
4の厚さは、それぞれ5〜200nm及び5〜150n
mであることが好ましい。
【0024】図3に示すように、上記第2下地層24上
には、磁性層26、保護層28及び潤滑剤層30が順次
形成されている。
【0025】上記磁性層26としては、例えば、スパッ
タリング等のPVDにより形成された金属薄膜型の磁性
層を挙げることができる。該金属薄膜型の磁性層を形成
する材料としては、例えばCoCr、CoNi、CoC
rX(但し、X=Crを除く)、CoCrPtX(但
し、X=Cr及びPtを除く)、CoSm、CoSmX
(但し、X=Smを除く)、CoNiX(但し、X=N
iを除く)及びCoWX(但し、X=Wを除く)(ここ
で、Xは、Ta、Pt、Au、Ti、V、Cr、Ni、
W、La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、L
i、Si、B、Ca、As、Y、Zr、Nb、Mo、R
u、Rh、Ag、Sb及びHf等からなる群より選ばれ
る1種又は2種以上の金属を示す)等で表されるCoを
主成分とするCo系の磁性合金等を好ましく挙げること
ができる。使用に際しては、これらを単独で又は2種以
上の混合物として用いることができる。上記磁性層26
の厚さは20〜50nmであることが好ましい。
【0026】上記磁性層26上に順次設けられる保護層
28及び潤滑剤層30としては、通常の磁気記録媒体に
おいて用いられるものを特に制限無く用いることができ
る。例えば、上記保護層28としては、耐磨耗性の点か
ら硬度の高い材料が用いられ、具体的にはAl、Si、
Ti、Cr、Zr、Nb、Mo、Ta、W等の金属の酸
化物、窒化物、炭化物や、ダイヤモンドライクカーボン
等のカーボンが好ましく用いられる。一方、上記潤滑剤
層30は、パーフルオロポリエーテル系の潤滑剤を塗布
する方法や、フッ化炭素系化合物と酸素とを気相重合
(特に光CVD)する方法(例えば、特願平6−286
940号記載の方法等)により形成することができる。
【0027】本発明の磁気記録媒体用基板及び磁気記録
媒体は、例えば、ディスク、ドラム、テープ等の形態で
用いられ、特に、ディスクの形態で好適に用いられる。
【0028】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
するが、本発明は、かかる実施例に限定されるものでは
ない。
【0029】〔実施例1〕仕上げ研磨工程前の2.5”
ガラス状カーボン基板(表面粗さRa=180nm、最
大高さRt=2100nm)上にDu Pont社製P
I−2562〔濃度25.5重量%のN−メチル−2−
ピロリドン(65wt%)、キシレン(15wt%)及
び1−メトキシ−2−プロパノール(20wt%)の混
合溶液〕をスピンコーティングによって塗布した。塗膜
の厚さは2μmであった。この基板をクリーン度が10
00以下の焼成炉中に入れ、昇温速度毎分10℃で13
5℃まで加熱し、この温度を30分間保持した。次い
で、昇温速度毎分8℃で350℃まで加熱し、この温度
を60分間保持して、上記塗膜を焼成した。焼成後、降
温速度毎分8℃で上記焼成炉を135℃まで冷却し、こ
の温度を15分間保持した。その後、室温まで冷却して
上記基板を上記焼成炉から取り出した。このようにして
得られた磁気記録媒体用基板におけるポリイミド層の表
面粗さRa及び最大高さRtをTencor社製P2を
用いて測定すると共に、該ポリイミド層表面の欠陥数
(5μmより大きいもの)を光学顕微鏡により測定し
た。その結果を表1に示す。
【0030】〔実施例2〕実施例1における仕上げ研磨
工程前のガラス状カーボン基板に代えて、仕上げ研磨工
程後のガラス状カーボン基板(表面粗さRa=1nm、
最大高さRt=10nm)を用い、且つポリイミド塗膜
の厚さを50nmとする以外は、実施例1と同様の操作
を行い磁気記録媒体用基板を得た。このようにして得ら
れた磁気記録媒体用基板について実施例1と同様の測定
を行った。その結果を表1に示す。
【0031】〔実施例3〕実施例1における仕上げ研磨
工程前のガラス状カーボン基板に代えて、仕上げ研磨工
程前のガラス基板(表面粗さRa=100nm、最大高
さRt=1100nm)を用いる以外は、実施例1と同
様の操作を行い磁気記録媒体用基板を得た。このように
して得られた磁気記録媒体用基板について実施例1と同
様の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0032】〔比較例1〕実施例1における仕上げ研磨
工程前のガラス状カーボン基板そのものについて実施例
1と同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0033】〔比較例2〕実施例2における仕上げ研磨
工程後のガラス状カーボン基板そのものについて実施例
1と同様の測定を行った。その結果を表1に示す。
【0034】
【表1】
【0035】表1に示す結果から明らかなように、ポリ
イミド層を有する本発明の磁気記録媒体用基板(実施例
1〜3)においては、その表面は非常に平滑であり、し
かも欠陥数も僅かであることが分かる。特に、仕上げ研
磨工程後の基板上にポリイミド層を形成した磁気記録媒
体用基板(実施例2)においては、その表面は極めて平
滑であり、しかも欠陥数も極く僅かである。これに対し
て、ポリイミド層が形成されていない比較例1及び2の
磁気記録媒体用基板では、その表面粗さ及び欠陥数共に
劣ったものである。
【0036】〔実施例4〜6並びに比較例3及び4〕実
施例1〜3並びに比較例1及び2で得られたガラス状カ
ーボン基板上に、それぞれ常法に従って所定厚さのTi
層(ベース層)、AlSi層(テクスチャ層)、アモル
ファスカーボン層(非金属アモルファス層)、Ti層
(第1下地層)、Cr層(第2下地層)、CoCr12
8 層(磁性層)、及びアモルファスカーボン層(保護
層)を順次スパッタリングにより形成した。更に、該ア
モルファスカーボン層上にアオジモント社製フォンブリ
ンZ−03を所定量塗布し、潤滑剤層を形成して磁気デ
ィスクを得た。得られた磁気ディスクについて、Pro
quip社製MG150Tを用い、70%スライダヘッ
ドを用い、記録密度80KFCI及びトラック幅3.5
μmの条件でエラー特性を評価した。スライスレベルは
60%とし、各磁気ディスク50枚について連続16ビ
ット以下のミッシングパルスを1つのエラーとして、こ
のエラーの個数をカウントし、以下の様に評価した。そ
の結果を表2に示す。 S:両面ともエラー個数が15個以上のディスクが5%
未満 A:両面ともエラー個数が15個以上のディスクが5%
以上20%未満 B:両面ともエラー個数が15個以上のディスクが20
%以上
【0037】
【表2】
【0038】表2に示す結果から明らかなように、表面
にポリイミド層が形成されてなるガラス状カーボン基板
を用いて製造された磁気ディスクは、ポリイミド層が形
成されていないガラス状カーボン基板を用いて製造され
た磁気ディスクよりも、エラー特性に優れたものであ
る。
【0039】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明の磁気記録
媒体用基板によれば、基板の表面にポリイミド層を形成
することにより、基板の表面粗さよりも小さな表面粗さ
を実現することができ、表面粗さの細かいコントロール
が可能となる。
【0040】また、研磨加工に起因する加工変質層(マ
イクロクラック、化学的特性の変化層、結晶学的変化層
等)の影響を回避し得ると共に、基板の表面平滑性を向
上させることができる。
【0041】また、基板として仕上げ研磨工程に付され
た後の基板を用いる場合には、その表面にポリイミド層
を形成することによって基板の表面平滑性を極めて向上
させ、且つ欠陥数を極めて低下させることができる。ま
た、基板として中仕上げ状態の基板を用いる場合には、
その表面にポリイミド層を形成することによって、基板
の表面平滑性を向上させ、且つ欠陥数を低下させること
ができると共に、仕上げ研磨工程を省略し、工程の短縮
化を図ることができる。
【0042】また、上記ポリイミド層は、磁性層の保磁
力低下の一因となる不純物ガスのバリア層として作用す
るので、磁性層の保磁力低下が防止される。
【0043】また、上記ポリイミド層は耐熱性を有し、
しかも熱によるストレスが少ないので、磁性層の磁気的
相互作用を低下させるための熱酸化処理を行うことが可
能となる。
【0044】更に、上記ポリイミド層はTiやCr等と
の密着性が良好なので、該ポリイミド層上にTiやCr
等の金属薄膜層を設ける場合には、該ポリイミド層と該
金属薄膜層との密着強度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】仕上げ研磨工程後の基板の表面にポリイミド層
が形成されてなる磁気記録媒体用基板を表す概略図であ
る。
【図2】仕上げ研磨工程前の基板の表面にポリイミド層
が形成されてなる磁気記録媒体用基板を表す概略図であ
る。
【図3】本発明の磁気記録媒体の好ましい実施態様の構
成を表す概略図である。
【図4】仕上げ研磨工程前の基板の表面状態を表す概略
図である。
【図5】仕上げ研磨工程後の基板の表面状態を表す概略
図である。
【符号の説明】
10 磁気記録媒体用基板 12 基板 14 ポリイミド層 100 磁気記録媒体

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面にポリイミド層が形成されてなるこ
    とを特徴とする磁気記録媒体用基板。
  2. 【請求項2】 上記ポリイミド層の表面粗さが、該ポリ
    イミド層が形成される前の基板の表面粗さよりも小さ
    い、請求項1記載の磁気記録媒体用基板。
  3. 【請求項3】 ガラス状カーボン基板の表面に上記ポリ
    イミド層が形成されてなる、請求項1又は2記載の磁気
    記録媒体用基板。
  4. 【請求項4】 表面にポリイミド層が形成されてなる磁
    気記録媒体用基板を具備することを特徴とする磁気記録
    媒体。
JP31940195A 1995-12-07 1995-12-07 磁気記録媒体用基板及び磁気記録媒体 Pending JPH09161258A (ja)

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JP31940195A JPH09161258A (ja) 1995-12-07 1995-12-07 磁気記録媒体用基板及び磁気記録媒体

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WO2005031714A1 (ja) * 2003-09-26 2005-04-07 Tdk Corporation 磁気記録媒体及びその製造方法

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