JPH0927120A - 磁気記録媒体 - Google Patents

磁気記録媒体

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JPH0927120A
JPH0927120A JP7171196A JP17119695A JPH0927120A JP H0927120 A JPH0927120 A JP H0927120A JP 7171196 A JP7171196 A JP 7171196A JP 17119695 A JP17119695 A JP 17119695A JP H0927120 A JPH0927120 A JP H0927120A
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JP
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film
magnetic
recording medium
fine particles
magnetic recording
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JP7171196A
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Hidekazu Ito
英和 伊藤
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Kao Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 耐久性及び耐衝撃性に優れた磁気記録媒体の
提供。 【解決手段】 本発明の磁気記録媒体は、カーボン支持
体と、該カーボン支持体上に設けられた磁性膜と、微粒
子が単分散したポリ珪酸系被膜とを具備することを特徴
とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁気記録媒体に関
するものであり、更に詳しくは、耐久性及び耐衝撃性に
優れた磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】金属薄
膜型の磁性膜を有する磁気記録媒体(例えば、磁気ディ
スク)の支持体(基板)には、一般にアルミニウム合金
やガラスが用いられている。これらの支持体は、磁気記
録媒体としての性能をある程度発揮するものの、耐食性
に欠けたり耐衝撃性に劣るといった欠点を有する。そこ
で、近年では、これらの欠点を有さないカーボン材料が
注目されている。特にガラス状カーボン(GC)製の支
持体は、記録密度が向上する点で優れるのみならず、軽
量性、平滑性、耐熱性、導電性及び耐衝撃性などの面で
も優れたものである。
【0003】ところで、磁気記録装置において、再生出
力を考慮した場合、磁気記録媒体と磁気ヘッドとの間
隔、即ち浮上量が小さいほど、スペーシングロスが少な
くなるので有利である。つまり、磁気記録媒体の表面は
平滑であることが望ましい。しかし、該表面が平滑過ぎ
ると、磁気記録媒体の走行開始時及び停止時において、
磁気記録媒体と磁気ヘッドとの間で貼り付き(ヘッド吸
着)が生じ、磁気記録媒体あるいは磁気ヘッドが損傷す
るという問題が起こる。
【0004】上記問題を解決するために、磁気記録媒体
の表面に微細な凹凸を形成する、いわゆるテクスチャ処
理により、磁気記録媒体表面の摩擦係数を低くする手法
が一般に行われている。特に、記録密度の向上に伴い、
耐久性及び耐衝撃性の向上が大きな課題となっている今
日では、上記テクスチャ処理に益々高度なレベルが要求
されている。
【0005】従って、本発明の目的は、耐久性及び耐衝
撃性に優れた磁気記録媒体を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、磁気記録
媒体の表面特性について鋭意検討した結果、微粒子の分
散形態が制御された被膜とカーボン支持体とを組み合わ
せて用いることにより、上記目的が達成され得ることを
発見した。
【0007】本発明は、上記知見に基づきなされたもの
であり、カーボン支持体と、該カーボン支持体上に設け
られた磁性膜と、微粒子が単分散したポリ珪酸系被膜と
を具備することを特徴とする磁気記録媒体を提供するこ
とにより、上記目的を達成したものである。
【0008】本発明の磁気記録媒体は、例えば、磁気ド
ラムや磁気テープとしても有用であるが、特に固定ディ
スク等の磁気ディスクとして有用である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明の磁気記録媒体につ
いて詳述する。
【0010】上述の通り、本発明の磁気記録媒体は、カ
ーボン支持体と、該カーボン支持体上に設けられた磁性
膜と、微粒子が単分散したポリ珪酸系被膜とを具備する
ことを特徴とする。これらの部材及び膜に関して、以下
にそれぞれ説明する。
【0011】本発明の磁気記録媒体における支持体は、
カーボンからなる。カーボン支持体は、従来この種の磁
気記録媒体の支持体として用いられているガラス支持体
等に比して弾性が高いので、該カーボン支持体を用いる
と磁気記録媒体の耐衝撃性が高くなるという利点があ
る。また、アルミニウム支持体に比して耐食性が高いと
いう利点もある。
【0012】上記カーボンとしては、例えば、下記〜
のもの等を用いることができるが、これらには限定さ
れない。 熱硬化性樹脂を炭素化して得られるカーボン。 共重合や共縮合などにより熱硬化するよう変性され
た樹脂を炭素化して得られるカーボン。 硬化又は炭素化の過程での化学処理により、結晶化
を著しく妨げて得られるカーボン。 このようなカーボンの製造方法の詳細は、例えば、特公
昭63−46004号公報、特公平1−23047号公
報及び特公平3−11005号公報等に記載されてい
る。
【0013】上記カーボン支持体は、機械的強度及び生
産コスト等の点から、その密度が1.4〜2.0g/c
3 であることが好ましく、1.4〜1.6g/cm3
であることが更に好ましい。
【0014】また、上記カーボン支持体は、X線回折に
よる(002)面のピークの半値幅が3°以上であるこ
とも好ましい。該半値幅を3°以上とすることで、欠陥
密度の低いカーボン支持体が得られるので、高品質支持
体の製造歩留まりが高く、且つ高密度記録用媒体用の支
持体として用いられるので好ましい。上記半値幅は、約
4°以上であることが更に好ましい。
【0015】更に、上記カーボン支持体は、その表面を
偏光顕微鏡又は微分顕微鏡で観察したときの3μm以上
の欠陥の数が1個/cm2 未満であることも好ましい。
該欠陥の数を1個/cm2 未満とすることで、記録再生
時のエラー頻度が減少し、実質上問題なく使用すること
ができるので好ましい。上記欠陥の数は、0.1個/c
2 未満であることが更に好ましい。
【0016】上記カーボン支持体は、カーボンのみで構
成されていてもよく、又はカーボン以外の材料、例えば
金属、セラミックス、樹脂等で構成された支持体上にカ
ーボンをスパッタリングや蒸着等の薄膜形成手段により
堆積させたものでもよい。本発明においては、上記カー
ボン支持体の材料として、とりわけ、ガラス状カーボン
を用いることが耐熱性及び軽量性等の点から好ましい。
【0017】次に、本発明において上記支持体上に設け
られる上記磁性膜について説明すると、上記磁性膜とし
ては、例えば、PVD(物理的気相成長)法により形成
された金属薄膜型の磁性膜を挙げることができる。該金
属薄膜型の磁性膜を形成する材料としては、例えばCo
Cr、CoNi、CoCrX(但し、X=Crを除
く)、CoCrPtX(但し、X=Cr及びPtを除
く)、CoSm、CoSmX(但し、X=Smを除
く)、CoNiX(但し、X=Niを除く)及びCoW
X(但し、X=Wを除く)(ここで、Xは、Ta、P
t、Au、Ti、V、Cr、Ni、W、La、Ce、P
r、Nd、Pm、Sm、Eu、Li、Si、B、Ca、
As、Y、Zr、Nb、Mo、Ru、Rh、Ag、Sb
及びHf等からなる群より選ばれる1種又は2種以上の
金属を示す)等で表されるCoを主成分とするCo系の
磁性合金等を好ましく挙げることができる。使用に際し
ては、これらを単独で又は2種以上組み合わせて用いる
ことができる。上記磁性膜の厚さは20〜50nmであ
ることが好ましいが、かかる範囲には限定されない。
【0018】次に、上記ポリ珪酸系被膜について説明す
ると、該ポリ珪酸系被膜は、磁気記録媒体の表面特性を
改善するために設けられるものである。この目的のため
に、上記ポリ珪酸系被膜は、上記磁性膜上に設けられて
いるか又は上記カーボン支持体と上記磁性膜との間に設
けられていることが好ましい。特に、上記ポリ珪酸系被
膜は、後述するようにその硬度が高いので、上記磁性膜
を保護するための保護層の一つとして、上記磁性膜上に
設けられることが好ましい。
【0019】上記ポリ珪酸系被膜について、図面に基づ
き更に詳述する。ここで、図1は、上記ポリ珪酸系被膜
の断面を示す模式図である。図1に示すように、上記ポ
リ珪酸系被膜10は、微粒子12が被覆されてなるもの
であり、該微粒子12は上記ポリ珪酸系被膜10中にお
いて単分散している。即ち、それぞれの微粒子12は、
互いに距離をおいて存在しており、該微粒子12の凝集
等は観察されない。そして、該微粒子12が上記ポリ珪
酸系被膜10中に単分散状態で存在することにより、上
記ポリ珪酸系被膜10の表面には、均一な凹凸が形成さ
れている。
【0020】上記ポリ珪酸系被膜10の凹凸の程度は、
上記ポリ珪酸系被膜中における上記微粒子12の粒子密
度に依存する。そして、本発明においては、磁気記録媒
体の表面特性を向上せしめるために、上記ポリ珪酸系被
膜10の凹凸の程度を適切な範囲にコントロールするこ
とが望ましいので、この目的のために、本発明において
は、上記微粒子12の粒子密度を0.1〜50個/μm
2 とすることが好ましい。上記粒子密度が0.1個/μ
2 に満たないと、磁気ヘッドとディスクとの接触面積
が小さくなり過ぎて、摩耗が急激に進行して摩擦係数が
上昇し、上記粒子密度が50個/μm2 を超えると磁気
ヘッドとディスクとの接触面積が増加するため、ヘッド
吸着を起こし易くなるので、上記範囲内とすることが好
ましい。上記粒子密度は、1〜20個/μm2 であるこ
とが更に好ましく、5〜10個/μm2 であることが一
層好ましい。
【0021】また、上記ポリ珪酸系被膜10の凹凸の程
度は、上記微粒子12の粒子径にも依存する。そして、
磁気記録媒体の表面特性を向上せしめるという上記と同
様の目的のために、上記微粒子12の粒子径は、5〜4
0nmであることが好ましい。上記粒子径が5nmに満
たないと磁気ヘッドとディスクとが接触したときのすき
間が小さいのでヘッド吸着が起こり易くなり、上記粒子
径が40nmを超えるとGH特性が低下するので、上記
範囲内とすることが好ましい。上記粒子径は、5〜25
nmであることが更に好ましく、10〜25nmである
ことが一層好ましい。
【0022】上記の通りの好ましい粒子密度及び粒子径
を有する上記ポリ珪酸系被膜10は、その中心線平均粗
さ(Ra)が5〜50Åであることも好ましい。中心線
平均粗さをかかる範囲とすることで、磁気記録媒体の表
面に適度が粗さが付与され、その表面の摩擦係数が低く
なることでCSS特性が向上し得る。上記中心線平均粗
さは、5〜25Åであることが更に好ましく、5〜15
Åであることが一層好ましい。
【0023】上記ポリ珪酸系被膜10は、図1に示すよ
うに、上記微粒子12の存在していない領域の厚みaが
1〜20nmであることが好ましく、また、上記微粒子
の存在している領域の厚みbが20〜40nmであるこ
とが、磁気記録媒体の表面特性の向上の観点から好まし
い。上記厚みaは、1〜15nmであることが更に好ま
しく、また、上記厚みbは、10〜25nmであること
が更に好ましい。
【0024】上記ポリ珪酸系被膜は、後述するように、
(アルキル)アルコキシシラン、(アルキル)クロロシ
ラン及びシラザン化合物等の脱水重縮合によって得ら
れ、SiO2 を主骨格とするものである。そして、上記
ポリ珪酸系被膜は、その硬度が高いので、上記磁性膜上
に設けられる保護層の一つとして好適に用いられる。上
記ポリ珪酸系被膜の硬度は、その原料となるシラン等の
化学構造に依存する。そして、上記ポリ珪酸系被膜の硬
度を高めるためには、上記ポリ珪酸系被膜を4官能シラ
ンから形成することが好ましく、更に好ましくは上記ポ
リ珪酸系被膜を3官能シランから形成する。
【0025】次に、上記ポリ珪酸系被膜に被覆される上
記微粒子について説明する。上記微粒子としては、無機
化合物の粒子を好適に用いることができる。更に詳細に
は、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルミナ、酸化鉄
及び酸化タングステン等の金属酸化物微粒子、これらの
2種以上からなる複合微粒子並びにこれらの2種以上か
らなる混合物微粒子等が挙げられるが、これらに限定さ
れない。なお、上記微粒子の好ましい粒子径は、上述の
通りである。
【0026】次に、上記ポリ珪酸系被膜の形成方法につ
いて説明する。上記珪酸系被膜は、好ましくは、被膜形
成用塗布液をスピンコーティングやディップコーティン
グ等の塗布手段によって塗布膜を形成した後、該塗布膜
に紫外線を照射し、次いで塗膜の硬化反応を促進するガ
ス雰囲気に晒し、更に熱処理することによって形成され
る。
【0027】上記ポリ珪酸系被膜の形成方法について更
に詳述すると、上記被膜形成用塗布液としては、好まし
くは、イ)上記微粒子のコロイドを含むゾル、ロ)ポリ
珪酸系化合物形成用の有機珪素化合物を含む液及びハ)
有機溶媒からなり、そのイオン濃度が1.0mmol/
l以下である組成物が用いられる。該組成物は、例え
ば、イ)上記微粒子のコロイドを含むゾル及びロ)ポリ
珪酸系化合物形成用の有機珪素化合物を含む液並びにこ
れらの成分から得られた上記組成物の何れかに、陽イオ
ン交換及び陰イオン交換処理を行って、上記組成物中の
イオン濃度を1.0mmol/l以下とすることによっ
て好ましく調製される。
【0028】上記組成物中の各成分について説明する
と、まず、上記イ)成分は、上記微粒子のコロイドを含
むゾルであり、更に詳しくは上述した微粒子(例えば、
金属酸化物等)のコロイドを含むものである。なお、上
記微粒子のコロイドの製造方法は、従来の公知の方法を
特に制限なく用いることができる。次に、上記ロ)成分
について説明すると、上記ロ)成分における有機珪素化
合物としては、例えば、Si(OCH3 4 、Si(O
2 5 4 、CH3 Si(OCH3 3 、CH3 ・H
Si(OCH3 2 及びCH3 Si(OC2 5 3
の(アルキル)アルコキシシラン、CH3 SiCl3
び(CH3 2 SiCl2 等の(アルキル)クロロシラ
ン、〔CH3 SiNH〕n(n=3、4)等のシラザン
化合物を挙げることが出来るが、これらに限定されるも
のではない。これら有機珪素化合物のうち、4官能シラ
ンを用いることが、得られるポリ珪酸系被膜の硬度を一
層高める観点から特に好ましく、3官能シランを用いる
ことが一層好ましい。次に、上記ハ)成分である有機溶
媒について説明すると、該有機溶媒としては、上記イ)
成分のコロイド及び上記ハ)成分の有機珪素化合物を良
好に分散せしめ得るものであれば特に制限なく用いるこ
とができる。具体的には、メタノール、エタノール、イ
ソプロパノール及びブタノール等のアルコール類;エチ
レングリコール及びプロピレングリコール等のグリコー
ル類;ブチルエーテル及びテトラヒドロフラン等のエー
テル類;アセトン及びメチルエチルケトン等のケトン
類;メチルセロソルブ及びエチルセロソルブ等のエチレ
ングリコールエーテル類;並びに酢酸メチル、酢酸エチ
ル及び乳酸メチル等の有機酸エステル類を挙げることが
できる。
【0029】上記組成物におけるイオン濃度が好ましく
は1.0mmol/l以下であることは上述の通りであ
るが、該イオン濃度を1.0mmol/l以下とするこ
とによって、上記ポリ珪酸系被膜中における上記微粒子
の分散状態を一層良好にすることができるので好まし
い。上記イオン濃度の更に好ましい範囲は0.6mmo
l/l以下であり、一層好ましくは0.1mmol/l
以下である。
【0030】上記ポリ珪酸系被覆における上記微粒子の
分散状態は、上記組成物における上記イ)〜ハ)成分の
配合割合、特に上記ロ)成分における有機珪素化合物の
量を調節することによりコントロールすることができ
る。そして、上記微粒子を単分散させるための上記イ)
〜ハ)成分の特に好ましい配合割合は、上記イ)成分が
上記微粒子の重量換算で1×10-5〜5.0重量%であ
り、上記ロ)成分が上記有機珪素化合物の重量換算で1
×10-4〜10.0重量%であり、上記ハ)成分が9
9.99989〜85.0重量%であるが、かかる範囲
に限定されない。
【0031】以上、本発明の磁気記録媒体における、カ
ーボン支持体、磁性膜及びポリ珪酸系被膜について詳述
したが、本発明の磁気記録媒体においては、これらの部
材及び膜以外に、図2及び図3に示すように、必要に応
じてその他の膜を設けてもよい。ここで、図2は、本発
明の磁気記録媒体の一例の断面を示す模式図であり、図
3は、本発明の磁気記録媒体の他の例の断面を示す模式
図である。図2に示すように、上記ポリ珪酸系被膜が上
記カーボン支持体と上記磁性膜との間に設けられる場合
には、上記カーボン支持体20上に上記ポリ珪酸系被膜
10を形成し、その上に下地膜22を形成した後、その
上に上記磁性膜24を形成することができる。この場
合、上記磁性膜24の上に、順に保護膜26及び潤滑膜
28を設けることもできる。また、図3に示すように、
上記ポリ珪酸系被膜が上記磁性膜上に設けられる場合に
は、上記カーボン支持体20上に、順に下地膜22及び
磁性膜24を設け、該磁性膜24上に保護膜26を設け
た後、上記ポリ珪酸系被膜10を設けて、この上に潤滑
膜28を設けることができる。以下、上記保護膜及び潤
滑膜についてそれぞれ説明する。
【0032】まず、上記保護膜について説明すると、上
記保護膜は、例えば、PVDやスピンコーティング等に
より形成される層であり、耐摩耗性の観点から力学的強
度の高い材料で形成されていることが好ましい。上記保
護膜を形成する材料としては、例えば、Al、Si、T
i、Cr、Zr、Nb、Mo、Ta、W等の金属の酸化
物(酸化ケイ素、酸化ジルコニウム等);該金属の窒化
物(窒化ホウ素等);該金属の炭化物(炭化ケイ素、炭
化タングステン等);ダイヤモンドライクカーボン等の
カーボン(炭素)及びボロンナイトライド等からなる群
より選択される一種以上が用いられることが好ましい。
また、上記材料の中でも、カーボン、炭化ケイ素、炭化
タングステン、酸化ケイ素、酸化ジルコニウム、窒化ホ
ウ素又はこれらの複合材料が好ましく、更に好ましくは
カーボンであり、中でも特にダイヤモンドライクカーボ
ン及びガラス状カーボンが好ましい。上記保護膜の厚さ
は、5〜25nmであることが好ましいが、かかる範囲
に限定されない。
【0033】次に、上記潤滑膜について説明すると、上
記潤滑膜は、磁気記録媒体の走行性及び耐久性を向上さ
せるために用いられるものであり、例えば厚さが5〜1
00Å程度になるように潤滑剤を塗布する方法や、フッ
化炭素系化合物と酸素とを気相重合(特に光CVD)す
る方法(例えば、特願平6−286940号記載の方法
等)により形成することができる。該潤滑剤としては、
フッ素系高分子を好適に用いることができる。該フッ素
系高分子としては、分子中に極性基を有するもの及び極
性基を有しないものの双方を単独で又は組み合わせて用
いることができる。分子中に極性基を有する上記フッ素
系高分子としては、分子量が2000〜4000のパー
フロロポリエーテル系の高分子であって、末端に芳香族
環又はOH基を有するものが好ましく用いられる。より
詳細には、−(CF2 CF2 O)n−(CF2 O)m−
骨格を有し、末端に芳香族環又はOH基を有し、且つ分
子量が2000〜4000であるものが好ましい。具体
例としては、フォンブリンAM2001、フォンブリン
ZDOL(アオジモント社)等が挙げられる。一方、分
子中に極性基を有しない上記フッ素系高分子としては、
分子量が2000〜10000のパーフロロポリエーテ
ル系の高分子であって、末端にパーフルオロアルキル基
を有するものが好ましく用いられる。より詳細には、C
3 −(CF2 CF2 O)n−(CF2 O)m−CF3
で表わされ、分子量が2000〜10000であるもの
が好ましい。具体例としては、フォンブリンZ03(ア
オジモント社)等が挙げられる。
【0034】以上、本発明の磁気記録媒体について詳細
に説明したが、上記の説明以外に特に詳述しなかった点
については、従来の磁気記録媒体に関する説明が適宜適
用される。
【0035】
【実施例】次に、本発明の磁気記録媒体を、実施例に基
づき具体的に説明するが、本発明はかかる実施例に限定
されるものではない。
【0036】〔実施例1〕被膜形成用塗布液の調製 イオン濃度が20mmol/lの市販のオルガノシリカ
ゾル(触媒化成工業(株)製、商品名「オスカル」:平
均粒子径25nm、濃度10wt%、溶媒イソプロピル
アルコール)を、陽イオン交換樹脂(三菱化成工業
(株)製、商品名「ダイヤイオンSK−1B」)と陰イ
オン交換樹脂(三菱化成工業(株)製、商品名「ダイヤ
イオンSA−20」)との中にそれぞれ10ずつ回通
し、上記オルガノシリカゾル中のイオンを除去した。次
いで、加熱減圧蒸溜法で、上記オルガノシリカゾル中の
溶媒をヘキシレングリコールと溶媒置換して、濃度5w
t%のシリカコロイド分散液を得た。次に、テトラエト
キシシラン、水(テトラエトキシシラン中のSiO2
換算した量1molに対して4mol)、塩酸(テトラ
エトキシシラン中のSiO2に換算した量1molに対
して0.1mol)、及び上記シリカコロイド分散液
(テトラエトキシシラン中のSiO2 に換算した量1m
olに対して0.02mol)を、イソプロピルアルコ
ールに溶解分散して、被膜形成用塗布液を調製した。な
お、この被膜形成用塗布液におけるイオン濃度は0.9
4mmol/lであった。
【0037】磁気ディスクの作製 密度1.5g/cm3 、曲げ強度29.8kg/m
2 、弾性率2500kgf/mm2 のガラス状カーボ
ン支持体(直径1.8インチ、厚さ0.635mm、中
心線平均粗さRa1.0nm、X線回折による(00
2)面のピークの半値幅3.9°、3μm以上の欠陥の
数0.1個/cm3 )を用意した。この支持体上に、A
rガス雰囲気中でのDCマグネトロンスパッタにより厚
さ50nmのTiと厚さ50nmのCrとからなる下地
膜を上記支持体の上に設けた。次いで、上記下地膜上
に、厚さ40nmのCoCrTa系の磁性膜を設けた。
引き続き、上記磁性膜上に、該磁性膜の耐食性を向上さ
せるために、厚さ5nmのCr系保護膜を設けた。上記
保護膜上に、上記被膜形成用塗布液をスピンコート法に
より塗布し、塗膜を形成した。次いで、該塗膜に150
0mJ/cm2 のエネルギー量の紫外線を高圧水銀ラン
プを用いて照射した後、該塗膜をガス濃度1000pp
mのアンモニアガス雰囲気に12時間晒した。更に、該
塗膜を300℃で1時間加熱処理して、厚さ10nmの
シリカ含有ポリ珪酸系被膜を形成した。電子顕微鏡によ
る観察の結果、上記ポリ珪酸系被膜におけるシリカ微粒
子は凝集することなく均一に単分散し、該シリカ微粒子
の粒子密度は5個/μm2 であった。また、上記ポリ珪
酸系被膜の中心線平均粗さRaは12Åであり、中心線
最大高さRpは70Åであった。最後に、上記ポリ珪酸
系被膜上にフォンブリンZDOLをディップコーティン
グし、厚さ2.0nmの潤滑膜を形成し、磁気ディスク
を作製した。
【0038】〔実施例2〜4〕実施例1において用いた
被膜形成用塗布液におけるシリカコロイドの濃度及び粒
子径を変更し、下記の表1に示す粒子密度及び粒子径を
有するシリカを含有するポリ珪酸系被膜を形成した以外
は実施例1と同様の操作により磁気ディスクを得た。
【0039】
【表1】
【0040】〔比較例1〕密度1.5g/cm3 、曲げ
強度29.8kg/nm2 、弾性率2500kgf/m
2 のガラス状カーボン支持体(直径1.8インチ、厚
さ0.635mm、中心線平均粗さRa1.0nm、X
線回折による(002)面のピークの半値幅2.8°、
3μm以上の欠陥の数0.3個/cm3 )の表面を、2
μmのアルミナ砥粒がコーティングされた研磨テープを
用いテクスチャ処理し、該表面の中心線平均粗さRaを
20Åとし、中心線平均高さRpを200Åとした。テ
クスチャ処理した上記支持体上にCr下地膜及びCoC
rTa系の磁性膜を、実施例1と同様の操作で設けた。
続いて、ガラス状カーボン製ターゲットを装着した対向
ターゲット型のスパッタ装置を用い、室内を排気し、そ
して2mTorrのガス圧となるようArガスを導入し
てスパッタを行い、上記磁性膜上に15nm厚のガラス
状カーボンからなる保護層を設けた。最後に、この保護
膜が形成された磁気ディスクをフォンブリンAM200
1溶液中に浸漬、引き上げて、上記保護膜上に厚さ2.
9nmの潤滑膜を設け、磁気ディスクを作製した。な
お、この磁気ディスクには,ポリ珪酸系被膜は設けられ
ていない。
【0041】〔比較例2〕比較例1におけるガラス状カ
ーボン支持体に代えて、NiPメッキされたAl基板を
用いた以外は比較例1と同様の操作によって磁気ディス
クを得た。なお、この磁気ディスクには,ポリ珪酸系被
膜は設けられていない。
【0042】〔比較例3〕実施例1におけるガラス状カ
ーボン支持体に代えて、強化ガラス基板を用いた以外は
実施例1と同様の操作によって磁気ディスクを得た。な
お、この磁気ディスクのポリ珪酸系被膜におけるシリカ
の微粒子の粒子径は25nmであり、粒子密度は20個
/μm2 であった。
【0043】〔比較例4〕実施例1におけるガラス状カ
ーボン支持体に代えて、NiPメッキされたAl基板を
用い、且つシリカ含有ポリ珪酸系被膜形成の熱処理温度
を260℃とした以外は実施例1と同様の操作によって
磁気ディスクを得た。なお、この磁気ディスクのポリ珪
酸系被膜におけるシリカの微粒子の粒子径は25nmで
あり、粒子密度は20個/μm2 であった。
【0044】<性能評価>上記実施例及び比較例で得ら
れた磁気ディスクの性能を評価するために、これらの磁
気ディスクについて、CSS(Contact Start Stop) テ
ストを行うと共に、耐衝撃性を測定した。測定は、下記
の要領で行った。
【0045】<CSSテスト>ヤマハ社製の薄膜ヘッド
(A12 3 ・TiC材スライダ)を用い、ヘッド荷重
3.5g、ヘッド浮上量2.0μインチの条件下、45
00rpmで5秒間稼働、5秒間停止のサイクルを繰り
返して行い、2万サイクル後の静摩擦係数(μs)の増
加を調べた。
【0046】<耐衝撃性>ハードディスクドライブに磁
気ディスクと磁気ヘッドを装着した状態で、振り子型試
験機(吉田精機製PST−300)を用いて、該磁気デ
ィスクの表面にそれぞれ400G、600G、1000
G及び4000Gの衝撃を与えたときの損傷の程度を、
光学顕微鏡又は反射型電子顕微鏡(SEM)で観察し、
下記の基準に従ってランク付けをした。 S:変形が認められず、また、膜の剥離も認められな
い。 A:0.1μm未満の変形(膜の破損も含む)が認めら
れる。 B:0.1μm未満の変形(膜の破損も含む)が認めら
れ且つ膜の剥離も認められる。 C:0.1μm以上の変形(膜の破損も含む)が認めら
れる。 D:0.1μm以上の変形(膜の破損も含む)が認めら
れ且つ膜の剥離が認められる。
【0047】
【表2】
【0048】表2の結果から明らかなように、実施例1
〜4で得られた本発明の磁気記録媒体は、可搬送型ハー
ドティスクに求められる2500G以上の耐衝撃性を満
足すると共に、CSS特性にも優れた耐久性の高いもの
であることが判る。
【0049】
【発明の効果】以上、詳述した通り、本発明によれば、
耐久性及び耐衝撃性に優れた磁気記録媒体を得ることが
できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ポリ珪酸系被膜の断面を示す模式図である
【図2】本発明の磁気記録媒体の一例の断面を示す模式
図である。
【図3】本発明の磁気記録媒体の他の例の断面を示す模
式図である。
【符号の説明】
10 ポリ珪酸系被膜 12 微粒子 20 カーボン支持体 22 下地膜 24 磁性膜 26 保護膜 28 潤滑膜

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーボン支持体と、該カーボン支持体上
    に設けられた磁性膜と、微粒子が単分散したポリ珪酸系
    被膜とを具備することを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】 上記ポリ珪酸系被膜が、上記磁性膜上に
    設けられているか又は上記カーボン支持体と上記磁性膜
    上との間に設けられている、請求項1記載の磁気記録媒
    体。
  3. 【請求項3】 上記微粒子の粒子密度が0.1〜50個
    /μm2 である、請求項1又は2記載の磁気記録媒体。
  4. 【請求項4】 上記微粒子の粒子径が5〜40nmであ
    る、請求項1〜3の何れかに記載の磁気記録媒体。
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