JPH09145856A

JPH09145856A - 振り子装置

Info

Publication number: JPH09145856A
Application number: JP7299552A
Authority: JP
Inventors: Koji Kitaura; 広治北浦
Original assignee: Seiko Clock Inc
Current assignee: Seiko Time Creation Inc
Priority date: 1995-11-17
Filing date: 1995-11-17
Publication date: 1997-06-06
Also published as: GB9623918D0; KR970026019A; CN1157947A; HK1008355A1; GB2307315A; KR100221250B1; GB2307315B; US5926443A; TW307835B; CN1080900C

Abstract

(57)【要約】【課題】振り竿に直接手を振れることなく振り竿をロ
ックすることができる振り子装置を提供すること。【解決手段】振り竿４を揺動自在に支持する支持体３
に、この振り竿４のロック・解放を行なうロック部材１
０が揺動自在に取り付けてあり、このロック部材には、
外装ケースを貫通して外部に突出する操作つまみ部１０
ｈが設けてある。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の技術分野】本発明は、例えば時計の飾り振り子
等の駆動手段として用いられる振り子装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の振り子装置においては、時計機械
体フレーム（支持体）上面に振り竿を支持するためのＶ
形のエッジが設けてあり、振り竿にはこのエッジに載置
されるＶ溝が設けてあり、Ｖ溝が載置された状態で振り
竿がエッジ上で左右に揺動するように構成したものが一
般的である。振り竿には係止爪が形成してあり、この係
止爪が係合可能である係止ピンが、振り竿を支持する支
持体に形成してあり、搬送時などの振り子を使用しない
ときには、この係止爪と係止ピンとを係合して振り竿の
揺動をロックするものがある（例えば実公平５−４０４
７１号公報）。また、振り竿を支持する支持体の、振り
竿の通常の揺動範囲から逸脱した位置にあたる部分に
は、振り竿の一部に形成された被係止部を係止可能であ
る係止部材が形成してあり、この被係止部と係止部材と
が係止することによって、被係止部が押し上げられて振
り竿のＶ溝が支持体のエッジから離反し、振り竿の揺動
をロックするものがある（例えば実公昭６１−３６９５
０号公報）。さらにまた、振り竿の揺動支点近傍の側辺
部からアームが突出形成してあり、振り竿が通常の揺動
角度以上に揺動せしめたときにこのアームの端部が当接
する受け部が振り竿を支持する支持体に形成してあり、
アームの端部が受け部に当接したときは、振り竿がアー
ムの端部を支点として変位し、これによって振り竿のＶ
溝が支持体のエッジから離反し、この離反した状態でロ
ック手段（係止爪と止め爪）により振り竿をロックする
ものがある（例えば実公昭６２−４７１０６号公報）。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】上記した従来の技術
は、いずれも振り竿の揺動をロックした状態においては
振り竿のＶ溝が支持体のエッジから離反して保持される
ので、エッジの損耗を防ぐことはできるが、振り竿のロ
ック・解放のための操作性が悪いという問題点があっ
た。すなわち、上記第１〜３の従来技術に共通していえ
ることは、振り竿の揺動をロックするためのロック手段
が、互いにスナップフィット的に係合する１対の部材
（例えば係止爪と係止ピン）によって構成されており、
かつ振り竿のロックおよびその解放のための操作は、振
り竿を直接手でつまんで行なうようになっているがため
に、振り竿のロックおよびその解放を行なうには、時計
の裏蓋を外す必要があり、振り竿のロック・解放のため
の操作が面倒であった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決する
ために、本発明の振り子装置は、振り竿を揺動自在に支
持する支持体に、この振り竿のロック・解放を行なうロ
ック部材が移動自在に取り付けてあるもので、このロッ
ク部材には、外装ケースを貫通して外部に突出する操作
つまみ部が設けてある。このため、振り竿のロック・解
放のための操作は外装ケースの外から行なえるので操作
性がよく、かつ振り竿を直接手でつまむ必要がないた
め、振り竿に必要以上の力がかかることがなく、ロック
手段が損壊したり、あるいは振り竿のＶ溝、支持体のエ
ッジが損壊することがない。

【０００５】

【発明の実施の形態】本発明は、電磁的に駆動される振
り竿が支持体に揺動自在に支持されている振り子装置で
あって、支持体には振り竿のロック・解放を行なうロッ
ク部材が移動自在に取り付けてあり、このロック部材に
は、外装ケースを貫通して外部に突出する操作つまみ部
が設けてある。ロック部材と支持体とには、ロック部材
をロック位置と解放位置とに位置保持する位置保持手段
が備わっている。ロック部材がロック位置にあるとき
に、振り竿とロック部材の一方に設けてある係合部がそ
の他方に設けてある受け部に係合するように構成してあ
る。係合部が受け部に係合したロック状態にあるとき
は、振り竿は支持体の支持部から離間するようにしてあ
る。また、受け部はくの字状に形成してあることが好ま
しい。

【０００６】

【実施例】図１に、本発明に係る振り子装置を適用した
可動飾り付き時計の一例を示す。時計枠１の前面側のほ
ぼ中央部（時刻表示部Ｔの下方）には、後述する振り子
装置によって常時左右に揺動駆動される鈴（リン）の形
を模した飾り２が設けてある。この飾り２の下方には、
４体の人形から構成される装飾体Ｄが設けてあり、毎正
時になると、この４体の人形が円盤を回す動作を見せる
ようになっている。

【０００７】振り子装置について説明すると、図２，３
に示すように、時計枠１の背面側には、図示しないネジ
等の取付手段によって支持体３が固定してある。支持体
３の上部には、水平方向に延伸するＵ字状部３ａが形成
してあり、このＵ字状部３ａの上面には、その上端がエ
ッジ状をなす１対の支持部３ｂ，３ｂが所定の間隔をあ
けて形成してある。

【０００８】図２，３に示すように、振り竿４の上端部
には開口４ａが形成してあり、この開口４ａを水平方向
に延伸する揺動中心体４ｂが設けてある。この揺動中心
体４ｂの両端部には、支持部３ｂ，３ｂとそれぞれ係合
する１対のＶ溝４ｃ，４ｃが所定の間隔をあけて形成し
てある。Ｖ溝４ｃ，４ｃ間には、抜け止め部４ｄが突出
形成してあり、この抜け止め部４ｄが、支持部３ｂ，３
ｂの間隙に嵌入している。したがって、振り竿４は、通
常の揺動角度以上に揺動されない限り、図２の右方向へ
安易に抜けないようになっている。

【０００９】図２，３に示すように、支持体３の最上部
には、揺動中心体４ｂの上面と所定の間隔をあけてアー
チ部３ｃが形成してある。このアーチ部３ｃの下面に
は、図３に示すように１対の円弧状凸部３ｄ，３ｄが突
出形成してある。振り竿４の開口４ａの下辺上面には、
Ｕ字状部３ａの下面と所定の間隔をあけてつば部４ｅが
形成してある。このつば部４ｅの上面には、図３に示す
ように１対の円弧状凸部４ｆ，４ｆが突出形成してあ
る。ここで、アーチ部３ｃと揺動中心体４ｂとの間隙お
よびＵ字状部３ａとつば部４ｅとの間隙は実質的に等し
くなるよう設計してある。

【００１０】図２に示すように、振り竿４の上部には飾
り取付け孔４ｇが形成してあり、この飾り取付け孔４ｇ
には、図１に示した飾り２の背面に突出形成してある取
付け部２ａが時計枠１を貫通してスナップ的に結合して
いる。このため、飾り２は時計枠１の前面側で振り竿４
と一体に左右に揺動するようになっている。図３に示す
ように、振り竿４の左側方には弾性アーム４ｈが設けて
あり、支持体３の背面左方には、この弾性アーム４ｈが
当接可能である突部３ｅが立設している。振り竿４が通
常の揺動角度以上に揺動した際に、この弾性アーム４ｈ
が突部３ｅに当接する寸法形状に形成されているので、
振り竿４は常に通常の揺動角度内に位置するようになっ
ている。図２，３に示すように、振り竿４の下端部には
舌部４ｉが延出形成してあり、この舌部４ｉは、支持体
３の下部中央に形成してある側面Ｌ字状の規制部３ｆ内
に遊嵌しており、この規制部３ｆにより振り竿４の下端
部の前後方向（図２右方向）への振れを規制している。

【００１１】図２に示すように、振り竿４の下方部には
鉄製のヨーク５が固着してあり、このヨーク５に永久磁
石６が吸着保持してある。支持体２の下方部の永久磁石
６と対向する位置には、ボビンレスタイプのコイル７が
設けてある。支持体２の中央部には回路基板８が取付け
てあり、この回路基板８に形成してある図示しない所定
のパターンに、コイル７の巻線端が接続してある。回路
基板８には、さらに振り子駆動回路（アトー回路）を構
成するトランジスタ等の回路素子９が実装されている。
図示しない電源が投入されて回路基板８に電力を供給し
た状態で、振り竿４を少しだけ左右に動かすと、永久磁
石６はコイル７の前方を横切ることになる。永久磁石６
がコイル７の前方を横切るごとにコイル７に誘起電力が
発生し、この誘起電力による制御によって永久磁石６を
反発または吸引し、振り竿４に揺動力が付与される。こ
の繰り返しによって、振り竿４は支持部３ａ，３ｂを支
点として左右に揺動し、この振り竿４と一体に飾り２が
時計枠１の前面側で左右に揺動するようになっている。

【００１２】図２，３に示すように、支持体３には振り
竿４の揺動をロック・解放するためのロック部材１０が
揺動自在に取り付けてある。図３に示すように、支持体
３背面の右上角隅部には凹部３ｇが形成してあり、この
凹部３ｇ内に立設してある円柱部３ｈに、ロック部材１
０のリング状部１０ａが嵌入している。さらに、円柱部
３ｈ側面に形成してある１対の弾性爪３ｉ，３ｉに、ロ
ック部材１０のリング状部１０ａの内孔１０ｂがスナッ
プ的に係止している。したがって、ロック部材１０は、
そのリング状部１０ａを中心として支持体３の前面で揺
動自在となっている。

【００１３】ロック部材１０には、ロック部材１０自身
の揺動中心と同心をなす２本の円弧状スリット１０ｃ，
１０ｄが形成してあり、一方のスリット１０ｃ内には、
支持体３の前面に立設してある位置決めピン３ｊが嵌入
している。この２本のスリット１０ｃ，１０ｄを仕切る
円弧状アーム部１０ｅは、その両端部（根本部）が細
く、その他の部分は太く形成してあり、スリット１０ｃ
は、その両端部において位置決めピン３ｇの径と同幅と
なっている。この位置決めピン３ｇおよびスリット１０
ｃ，１０ｄにより、ロック部材１０を解放位置（図３）
とロック位置（図４）とに位置保持するための位置保持
手段を構成している。ロック部材１０を図３に示す解放
位置から左方向に揺動すると、スリット１０ｃの左端に
位置していた位置決めピン３ｊが、アーム部１０ｅをス
リット１０ｄ側へ撓ませながらスリット１０ｃ内を右方
向に移動してスリット１０ｃの右端に位置し、ロック部
材１０が図４に示すロック位置で停止するようになって
いる。

【００１４】ロック部材１０の左側辺には受け部１０ｇ
が形成してある。この受け部１０ｇは、ロック部材１０
がロック位置（図４）にあるときに振り竿４の背面に突
出形成してある係合部（ピン）４ｊと係合可能である。
なお受け部１０ｇは、くの字状に形成されており、振り
竿４が通常の揺動角度内にある限り、受け部１０ｇはピ
ン４ｊと任意の位置で係合可能である。

【００１５】図２，３に示すように、ロック部材１０の
右下方には、このロック部材１０を揺動操作するための
操作つまみ部１０ｈが突出形成してある。この操作つま
み部１０ｈは、図２に示すように時計の裏蓋である外装
ケース２０のスリット２０ａを貫通して外部に突出して
おり、使用者は振り竿４に手を振れることなくロック部
材１０を揺動操作して振り竿４をロックすることができ
るようになっている。

【００１６】つぎに、振り竿４を実際にロックする動作
について説明する。図３に示すように、ロック部材１０
がそのリング状部１０ａを中心として最右位置（解放位
置）にあるときは、振り竿４のピン４ｊとロック部材１
０の受け部１０ｇとは離間しており、振り竿４はその揺
動中心体４ｂを中心として左右に揺動自在となってい
る。ロック部材１０を図３に示す解放位置から左方向に
揺動すると、スリット１０ｃの左端に位置していた位置
決めピン３ｊが、アーム部１０ｅをスリット１０ｄ側へ
撓ませながらスリット１０ｃ内を右方向に移動する。こ
れに伴い、ロック部材１０の受け部１０ｇが振り竿４の
ピン４ｊに係合してこれを上方へ押し上げ振り竿４が図
３の上方に移動し、支持部３ｂ，３ｂとＶ溝４ｃ，４ｃ
との係合が離脱する。ロック部材１０がさらに左方向に
揺動することにより、位置決めピン３ｊがスリット１０
ｃの右端に位置し、ロック部材１０が図４に示すロック
位置に保持され、振り竿４が最上位置に移動する。これ
に伴い、揺動中心体４ｂの上面がアーチ部３ｃの下面の
円弧状凸部３ｄ，３ｄに当接（点接触）しかつ、つば部
４ｅの上面の１対の円弧状凸部４ｆ，４ｆがＵ字状部３
ａの下面に当接（点接触）し、振り竿４が鉛直状態で揺
動不能にロックされる。なお受け部１０ｇは、くの字状
に形成されているため、振り竿４が通常の揺動角度内に
ある限り、受け部１０ｇはピン４ｊと任意の位置で係合
可能であり、例え振り竿４が鉛直に位置していない場合
でも（任意の位置にあっても）常に振り竿４を正しくロ
ックすることができる。

【００１７】なお、図４の状態（振り竿４がロックされ
た状態）でも、図３の状態（振り竿４が揺動自在の状
態）と同様に、振り竿４の下端部に形成してある舌部４
ｉは支持体３の下部中央に形成してある規制部３ｆ内に
遊嵌しており、振り竿４の下端部の図２右方向への振れ
が規制されている。振り竿４のロックを解放するには、
ロック部材１０を図４に示すロック位置から図３に示す
解放位置へ右方向に揺動すれば、振り竿４はその自重に
より自然落下し、支持部３ｂとＶ溝４ｃとが係合して、
振り竿４は揺動自在となる。

【００１８】上記した実施例では、ロック部材１０の左
側辺に、くの字状の受け部１０ｇを形成し、振り竿４の
背面に、この受け部１０ｇと係合する係合部（ピン）４
ｊを形成して構成していてるが、これとは逆に、図５に
示すように、振り竿４の背面にくの字状の受け部４ｋを
形成し、ロック部材１０の左側辺に、この受け部４ｋと
係合する係合部（ピン）１０ｋを形成して構成してもよ
い。また、上記した実施例では、支持体３に上端がエッ
ジ状をなす支持部３ｂを形成し、振り竿４に、この支持
部３ｂと係合するＶ溝４ｃ，４ｃを形成して構成してい
てるが、これとは逆に、振り竿４に下端がエッジ状をな
す突部を形成し、支持体３にこの突部と係合するＶ溝を
形成して構成してもよい。

【００１９】

【発明の効果】本発明は、以上説明したような形態で実
施され、以下に記載されるような効果を奏する。振り竿
を揺動自在に支持する支持体に、振り竿のロック・解放
を行なうロック部材が移動自在に取り付けてあり、この
ロック部材には外装ケースを貫通して外部に突出する操
作つまみ部が設けてあるため、使用者は振り竿に直接手
を振れることなくロック部材を移動操作して振り竿をロ
ックすることができ、また、振り竿に必要以上の力がか
かることを防止でき、従来のようにロック手段である爪
やピンが損壊する恐れがない（請求項１）。ロック部材
と支持体とに、ロック部材をロック位置と解放位置とに
位置保持する位置保持手段を備えれば、ロック部材の停
止位置を確実に保持することができ振り竿の揺動の解放
およびロックを確実に安定して行なうことができ、操作
性がよい（請求項２）。ロック部材がロック位置にある
ときに、振り竿とロック部材の一方に設けてある係合部
がその他方に設けてある受け部に係合するように構成す
れば、振り竿の揺動のロックを確実に安定して行なうこ
とができる（請求項３）。係合部が受け部に係合したロ
ック状態にあるときは、振り竿は支持体の支持部から離
間するようにすれば、ロック状態で支持部に負荷がかか
ることを防止でき支持部が損耗する恐れがない（請求項
４）。受け部をくの字状に形成すれば、振り竿が通常の
揺動角度内にある限り、この受け部が係合部と任意の位
置で係合可能であり、いつでも振り竿を所定の位置に正
しくロックすることができる（請求項５）。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明を適用した飾り付き時計の正面図であ
る。

【図２】図１の要部拡大断面図である。

【図３】ロック部材が解放位置にある状態の振り子装置
の背面図である。

【図４】ロック部材がロック位置にある状態の振り子装
置の背面図である。

【図５】振り子装置の他の実施例を示す背面図である。

【符号の説明】

３支持体３ｂ支持部（エッジ）３ｊ位置決めピン（位置保持手段）４振り竿４ｊ係合部（ピン）４ｋ受け部１０ロック部材１０ｇ受け部１０ｈ操作つまみ部１０ｋ係合部（ピン）２０外装ケース

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】電磁的に駆動される振り竿が支持体に揺
動自在に支持されている振り子装置であって、上記支持
体には上記振り竿のロック・解放を行なうロック部材が
移動自在に取り付けてあり、上記ロック部材には外装ケ
ースを貫通して外部に突出する操作つまみ部が設けてあ
ることを特徴とする振り子装置。
【請求項２】上記ロック部材と上記支持体とには、上
記ロック部材をロック位置と解放位置とに位置保持する
位置保持手段が備わっていることを特徴とする請求項１
記載の振り子装置。
【請求項３】上記ロック部材がロック位置にあるとき
に、上記振り竿と上記ロック部材の一方に設けてある係
合部がその他方に設けてある受け部に係合するように構
成してあることを特徴とする請求項１記載の振り子装
置。
【請求項４】上記係合部が上記受け部に係合したロッ
ク状態にあるときは上記振り竿は上記支持体の支持部か
ら離間するようにしてあることを特徴とする請求項３記
載の振り子装置。
【請求項５】上記受け部はくの字状に形成してあるこ
とを特徴とする請求項３または４記載の振り子装置。