JPH09145123A - 空気調和方法およびその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 空気調和空間に存在する個人に合せて最適な
空気調和を達成する。 【解決手段】 空気調和空間に存在する個人を識別する
とともに、空気調和空間における個人の位置を検出し、
予め設定されている複数の個人用空気調和条件の中から
該当する個人の個人用空気調和条件を選択し、選択され
た個人用空気調和条件に基づいて空気調和動作を行わせ
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は空気調和方法およ
びその装置に関し、さらに詳細にいえば、空気調和空間
に存在する個人に合せて最適な空気調和動作を行わせる
ことができる新規な空気調和方法およびその装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】従来から種々の空気調和装置が提供さ
れ、居住空間の快適化に役立っている。これらの空気調
和装置は、空気調和空間（空気調和の対象となる空間で
あり、一般的には空気調和装置が配置されている室の内
部空間である）における環境条件（温度、湿度など）を
検出し、この環境条件をリモコンなどの操作機器により
設定された条件、または一般的に快適な条件であるとみ
なされている、予め設定された条件にすべく空気調和動
作を行うものである。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の空気調和装
置は、空気調和空間全体の環境条件を画一的に前記設定
された条件にすべく空気調和動作を行うものであるか
ら、設定された条件が快適条件と合致している個人にと
っては最適な空気調和動作を行っていることになる。

【０００４】しかし、それ以外の個人にとっては、設定
された条件が快適条件と合致していないので、最適な空
気調和動作を行っていることにはならないという不都合
がある。具体的には、環境条件のうち、環境温度を例に
とると、性別、年齢などによって快適温度が大きくばら
ついているのであるから、空気調和空間に複数の個人が
存在している場合に、ある個人は暑すぎると感じること
になる反面、ある個人は寒すぎると感じることがあり、
それぞれ快適条件からかけ離れていることになる。この
ような状態を解消するためにリモコンなどの操作機器を
操作して設定温度を変化させることが考えられるが、こ
のような場合であっても、操作機器を操作する個人にと
って最適な条件が設定されるだけであり、他の個人にと
って最適な条件が設定されるという保証が全くないこと
になる。

【０００５】また、操作機器を用いて設定した設定温度
が必ずしも快適温度にはなっていない可能性があるとと
もに、操作機器の操作が必要であり、操作機器への移
動、必要な操作が繁雑であるという不都合もある。

【０００６】

【発明の目的】この発明は上記の問題点に鑑みてなされ
たものであり、空気調和空間に存在する個人に合せて最
適な空気調和動作を行わせることができる空気調和方法
およびその装置を提供することを目的としている。

【０００７】

【課題を解決するための手段】請求項１の空気調和方法
は、空気調和空間に存在する個人を識別するとともに、
空気調和空間における個人の位置を検出し、予め設定さ
れている複数の個人用空気調和条件の中から該当する個
人の個人用空気調和条件を選択し、選択された個人用空
気調和条件に基づいて空気調和動作を行わせる方法であ
る。

【０００８】請求項２の空気調和装置は、空気調和空間
に存在する個人を識別する個人識別手段と、空気調和空
間における個人の位置を検出する位置検出手段と、予め
設定されている複数の個人用空気調和条件を保持する個
人用空気調和条件保持手段と、個人識別手段による個人
識別結果に基づいて、個人用空気調和条件保持手段に保
持されている複数の個人用空気調和条件の中から該当す
る個人の個人用空気調和条件を選択する選択手段と、選
択された個人用空気調和条件に基づいて空気調和動作を
行う空気調和手段とを含んでいる。

【０００９】請求項３の空気調和装置は、個人識別手段
として、個人の発する音声を入力として個人を識別する
ものを採用している。請求項４の空気調和装置は、位置
検出手段として、互いに異なる位置において個人までの
距離を検出し、全ての距離検出結果に基づいて個人の位
置を算出するものを採用している。

【００１０】

【作用】請求項１の空気調和方法であれば、空気調和空
間に存在する個人を識別するとともに、空気調和空間に
おける個人の位置を検出し、予め設定されている複数の
個人用空気調和条件の中から該当する個人の個人用空気
調和条件を選択し、選択された個人用空気調和条件に基
づいて空気調和動作を行わせるのであるから、空気調和
空間を設定条件に基づいて画一的に制御すべく空気調和
動作を行う従来方法と比較して、操作機器による条件設
定を行うことなく個人に合せて最適な空気調和動作を行
わせることができるので、最適な空気調和雰囲気（個人
の周辺の雰囲気）を得ることができる。

【００１１】請求項２の空気調和装置であれば、空気調
和空間に存在する個人を個人識別手段により識別し、空
気調和空間における個人の位置を位置検出手段により検
出し、個人識別手段による個人識別結果に基づいて、選
択手段によって、個人用空気調和条件保持手段に保持さ
れている複数の個人用空気調和条件の中から該当する個
人の個人用空気調和条件を選択し、選択された個人用空
気調和条件に基づいて空気調和手段によって空気調和動
作を行う。

【００１２】したがって、空気調和空間を設定条件に基
づいて画一的に制御すべく空気調和動作を行う従来方法
と比較して、操作機器による条件設定を行うことなく個
人に合せて最適な空気調和動作を行わせることができる
ので、最適な空気調和雰囲気（個人の周辺の雰囲気）を
得ることができる。請求項３の空気調和装置であれば、
個人識別手段として、個人の発する音声を入力として個
人を識別するものを採用しているので、請求項２と同様
の作用を達成することができる。

【００１３】請求項４の空気調和装置であれば、位置検
出手段として、互いに異なる位置において個人までの距
離を検出し、全ての距離検出結果に基づいて個人の位置
を算出するものを採用しているので、請求項２と同様の
作用を達成することができる。

【００１４】

【発明の実施の形態】以下、添付図面によってこの発明
の実施の態様を詳細に説明する。図１はこの発明の空気
調和装置の一実施態様を示すブロック図である。この空
気調和装置は、ルーバー１ａ、ファン１ｂおよびコンプ
レッサ１ｃを動作させることにより風向、風力、吹き出
し温度をそれぞれ制御する空気調和機１と、空気調和の
ための条件を設定するためのリモコン２と、リモコン２
から供給される条件および図示しないセンサにより検出
された環境条件とに基づいて空気調和空間の環境条件を
設定された条件に合致させるべく一般的な（標準的な）
空気調和用条件を生成し、必要に応じてこの空気調和用
条件を補正して空気調和機１に供給する空気調和制御部
３と、空気調和空間に存在する個人が発する音声を受信
する１対のマイクロフォン４と、空気調和空間に存在す
る個人の体温、個人の近傍の温度を検出する赤外線セン
サ５とを有している。

【００１５】前記空気調和機制御部３は、空気調和空間
に進入する可能性がある個人に対応させて最適な空気調
和条件を保持する空気調和条件メモリ３ａと、空気調和
空間に進入する可能性がある個人に対応させて音声を保
持する音声メモリ３ｂと、１対のマイクロフォン４によ
り受信された音声を音声メモリ３ｂに保持されている音
声と比較して個人の識別を行う個人識別部３ｃと、マイ
クロフォン４どうしの相対位置および特徴的な音声が受
信される時刻の差に基づいて個人の位置を推定する位置
推定部３ｄと、個人が発する音声の意味を認識する意味
認識部３ｅと、赤外線センサ５からの信号を入力として
空気調和空間に人間が存在するか否かを判定する判定部
３ｆと、赤外線センサ５からの信号を入力として個人の
体温および周辺の温度をモニターし続けるモニター部３
ｇと、個人識別部３ｃの識別結果に基づいて空気調和条
件メモリ３ａから該当する個人の空気調和条件を読み出
して空気調和機１に供給する、選択手段としての空気調
和条件読み出し部３ｈと、意味認識部３ｅにより認識さ
れた意味に基づいて読み出された空気調和条件を補正し
て空気調和機１に供給する空気調和条件補正部３ｉと、
意味認識部３ｅにより認識された意味に基づいて空気調
和条件メモリ３ａの該当する個人の空気調和条件を変更
する空気調和条件変更部３ｊとを有している。

【００１６】前記個人識別部３ｃは、例えば、音声の帯
域などと音声メモリ３ｂに登録されている登録帯域など
とに基づいて個人を識別するものである。前記意味認識
部３ｅは、空気調和条件に直接関連する音声（以下、空
調キーワードと略称する）、例えば、暑い、寒い、暖か
い、涼しいなど、のみを認識できれば十分であり、認識
された意味に対応する補正指示データを出力する。した
がって、音声メモリ３ｂには、これらの音声のみを登録
しておけばよい。

【００１７】前記補正条件メモリ３ａには、リモコン２
の操作によって入力された空気調和条件と一般的な空気
調和条件との差を保持しておけばよく、リモコン操作、
前記音声の認識が行われた場合に保持データを更新する
ことにより保持データを最適な空気調和条件に近づける
ことができる。図２から図４はこの発明の空気調和方法
の一実施態様を説明するフローチャートである。

【００１８】図２のフローチャートでは、ステップＳＰ
１において赤外線センサ５からの出力信号をモニター
し、ステップＳＰ２において空気調和空間に人間が存在
するか否かを判定する。そして、人間が存在しないと判
定された場合には、再びステップＳＰ１の処理を行う。
逆に、ステップＳＰ２において人間が存在していると判
定された場合には、ステップＳＰ３において、例えば、
最も高い温度が検出された方向などに基づいてその人間
の方向を検出し、ステップＳＰ４において、検出された
方向に標準的な（健康上問題がない程度の）空気調和を
行うべく空気調和動作を行う。

【００１９】図３のフローチャートでは、ステップＳＰ
１においてマイクロフォン４からの出力信号、すなわち
音声をモニターし、ステップＳＰ２において、例えば、
所定のレベル以上の信号が出力されたか否か、所定の帯
域の信号が出力されたか否かなどに基づいて音声を検出
したか否かを判定する。そして、音声を検出していなけ
れば再びステップＳＰ１の処理を行う。

【００２０】逆に、ステップＳＰ２において音声を検出
したと判定された場合には、ステップＳＰ３において、
検出された音声を音声メモリ３ｂに保持されている登録
音声などと照合するとともに、ステップＳＰ４において
音源の位置、すなわち人間の位置を推定する。また、同
時に図４のフローチャートの処理を行う。ステップＳＰ
３の処理が行われた後に、ステップＳＰ５において、検
出された音声が音声メモリ３ｂの登録音声などと一致す
るか否かを判定し、一致していないと判定された場合に
は、再びステップＳＰ１の処理を行う。

【００２１】また、ステップＳＰ４の処理が行われた後
に、ステップＳＰ６において音源の位置が所定時間以上
動いていないか否かを判定し、音源が所定時間以内に動
いたと判定された場合には、再びステップＳＰ１の処理
を行う。ステップＳＰ５において検出された音声が音声
メモリ３ｂの登録音声などと一致すると判定され、かつ
ステップＳＰ６において音源が所定時間以上動いていな
いと判定された場合には、ステップＳＰ７において、空
気調和条件読み出し部３ｈによって空気調和条件メモリ
３ａから該当する個人の補正条件を読み出し、検出され
た人間の方向に向かって、読み出された空気調和条件で
空気調和動作を行わせる。

【００２２】図４のフローチャートでは、ステップＳＰ
１において空調キーワードを検出しするまで待ち、ステ
ップＳＰ２において赤外線センサ５により人間の周辺の
温度を検出し、ステップＳＰ３において空調キーワード
が「暑い」か、「寒い」か、「暖かい」もしくは「涼し
い」かを判定する。そして、空調キーワードが「暑い」
である場合には、ステップＳＰ４において周辺温度が設
定温度以上であるか否かを判定し、周辺温度が設定温度
以上であると判定された場合には、ステップＳＰ８にお
いて周辺温度が設定温度になるように空気調和動作を行
わせる。逆に、周辺温度が設定温度よりも低いと判定さ
れた場合には、ステップＳＰ７において設定温度を現在
の周辺温度に変更し、そのままステップＳＰ８の処理を
行なう。

【００２３】また、空調キーワードが「寒い」である場
合には、ステップＳＰ５において周辺温度が設定温度以
下であるか否かを判定し、周辺温度が設定温度以下であ
ると判定された場合には、ステップＳＰ８の処理を行
い、逆に、周辺温度が設定温度よりも高いと判定された
場合には、ステップＳＰ７の処理を行う。また、空調キ
ーワードが「暖かい」もしくは「涼しい」である場合に
は、ステップＳＰ６において周辺温度が設定温度と等し
いか否かを判定し、周辺温度が設定温度と等しいと判定
された場合には、ステップＳＰ８の処理を行い、逆に、
周辺温度が設定温度と等しくないと判定された場合に
は、ステップＳＰ７の処理を行う。

【００２４】さらに、図４のフローチャートには示して
いないが、何れかの空調キーワードが検出された場合
に、空気調和条件メモリ３ｂにおける該当する個人用の
空気調和条件をステップＳＰ４からステップＳＰ８のう
ちの該当する判定および処理に基づいて更新する。以上
の説明から明らかなように、空気調和空間に人間が存在
しているが、個人の識別ができていない間は標準的な空
気調和動作を行わせることにより、健康上に何ら問題の
ない空気調和を達成することができる。

【００２５】そして、空気調和空間内の人間が何らかの
音声を発すれば、音声メモリ３ｂの登録音声などと一致
するか否かを判定することにより個人の識別が達成され
るので、その後は、個人に対応して空気調和条件メモリ
３ａに保持されている空気調和条件を読み出して空気調
和機１のルーバー１ａ、ファン１ｂ、コンプレッサ１ｃ
をを動作させるので、個人に最適な空気調和を達成する
ことができる。また、空気調和空間に複数人の個人が存
在している場合であっても、風向、風力などにより各個
人に最適な空気調和を達成することができる。ただし、
この空気調和の対象になるのは所定時間以上、一定の範
囲内にとどまっている個人のみであり、殆どとどまるこ
となく動き回っている個人に対しては、空気調和の実効
が余り短時間では達成できない関係上、この空気調和を
行わないようにしている。

【００２６】以上の空気調和を行うことにより各個人に
最適な空気調和を達成することができるが、図４のフロ
ーチャートに示す処理を行えば、予め設定されている空
気調和条件が各個人にとって必ずしも最適でない場合
に、空調キーワードを発することにより、空気調和条件
を変更することができ、一層最適な空気調和を達成する
ことができる。

【００２７】以上の空気調和動作を行わせれば、人間が
存在する範囲のみに対して重点的に空気調和を行わせる
ことができるので、空気調和空間の全範囲に対して均一
な空気調和を行わせる場合と比較して省エネルギーを達
成することができる。また、音声によって個人を識別す
るのであるから、各個人に端末装置を装着する場合と比
較して各個人の肉体に対する拘束が皆無になる。

【００２８】なお、音声による個人の識別が困難な場合
には、リモコン２を用いて空気調和条件を設定すればよ
いが、例えば、帯域のみならず波長分布、特定の言葉に
対応する音声パターンなどを採用して個人の識別精度を
高めることにより、リモコン２の仕様を殆ど皆無にする
ことができる。もちろん、登録されていない個人につい
ては、リモコン２による空気調和条件の設定を行わなけ
ればならない。

【００２９】

【発明の効果】請求項１の発明は、操作機器による条件
設定を行うことなく個人に合せて最適な空気調和動作を
行わせることができるので、最適な空気調和雰囲気（個
人の周辺の雰囲気）を得ることができるという特有の効
果を奏する。請求項２の発明は、操作機器による条件設
定を行うことなく個人に合せて最適な空気調和動作を行
わせることができるので、最適な空気調和雰囲気（個人
の周辺の雰囲気）を得ることができるという特有の効果
を奏する。

【００３０】請求項３の発明は請求項２と同様の効果を
奏する。請求項４の発明は請求項２と同様の効果を奏す
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明の空気調和装置の一実施態様を示すブ
ロック図である。

【図２】この発明の空気調和方法の一実施態様を説明す
るフローチャートである。

【図３】この発明の空気調和方法の一実施態様を説明す
るフローチャートである。

【図４】この発明の空気調和方法の一実施態様を説明す
るフローチャートである。

【符号の説明】

１ 空気調和機 ３ａ 空気調和条件メモリ ３ｃ 個人識別部 ３ｄ 位置推定部 ３ｈ 空気調和条件読み出し部

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 空気調和空間に存在する個人を識別する
   とともに、空気調和空間における個人の位置を検出し、
   予め設定されている複数の個人用空気調和条件の中から
   該当する個人の個人用空気調和条件を選択し、選択され
   た個人用空気調和条件に基づいて空気調和動作を行わせ
   ることを特徴とする空気調和方法。
2. 【請求項２】 空気調和空間に存在する個人を識別する
   個人識別手段（３ｃ）と、空気調和空間における個人の
   位置を検出する位置検出手段（３ｄ）と、予め設定され
   ている複数の個人用空気調和条件を保持する個人用空気
   調和条件保持手段（３ａ）と、個人識別手段（３ｃ）に
   よる個人識別結果に基づいて、個人用空気調和条件保持
   手段（３ａ）に保持されている複数の個人用空気調和条
   件の中から該当する個人の個人用空気調和条件を選択す
   る選択手段（３ｈ）と、選択された個人用空気調和条件
   に基づいて空気調和動作を行う空気調和手段（１）とを
   含むことを特徴とする空気調和装置。
3. 【請求項３】 個人識別手段（３ｃ）が、個人の発する
   音声を入力として個人を識別するものである請求項２に
   記載の空気調和装置。
4. 【請求項４】 位置検出手段（３ｄ）が、互いに異なる
   位置において個人までの距離を検出し、全ての距離検出
   結果に基づいて個人の位置を算出するものである請求項
   ２に記載の空気調和装置。