JPH09142641A - トレイ式仕分装置およびトレイ式仕分装置の曲線部におけるトレイ傾斜装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲線部の半径を小さくすることにより、直線
部を大きくすることができる。 【解決手段】 本発明のトレイ式仕分装置は、ガイドレ
ールに沿って走行する台車上に設けられたトレイを傾斜
させることによりトレイ上に載置された物品を滑降させ
るトレイ式仕分装置であって、台車走行路の曲線部にお
いて物品に作用する遠心力に対抗すべくトレイを曲率半
径内方が低くなるようにした。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、物流過程において
各種の物品を行き先毎、あるいは種類別毎に仕分けする
トレイ式仕分装置の曲線部におけるトレイ傾斜装置に関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】従来から物品の仕分けに用いられている
トレイ式仕分装置は、環状のチェーンコンベア上に連続
的に取り付けられている水平なトレイに順次物品を載置
し、循環させながら所定の仕分け位置においてトレイを
傾斜させて物品を滑降させる方式のものである。そし
て、前記トレイを傾斜させる方式は、仕分け位置でトレ
イの進行方向に対し真横方向に傾斜させ物品を滑降させ
るものである。

【０００３】図７は従来のトレイ式仕分装置の概要図で
ある。図において、ａは台車走行路であり、ｂはその４
隅の曲線部である。ｃは台車上に設けられた複数個のト
レイである。ｄは物品搬入装置であり、ｅはシュートで
ある。

【０００４】ところで、トレイ式仕分装置は、物品をト
レイに載置し循環させながら移動しているので、移動
中、曲線部分においては遠心力が働く。特に、この問題
は、トレイの移動速度が大きくなるほど顕著になる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】従来のトレイ式仕分装
置においては、その構造上、たとえば、１２０ｍ／ｍｉ
ｎの環状の仕分装置の場合、遠心力を小さくするため曲
線部に約３ｍの半径を必要とするが、仕分装置の配置
上、特に、シュートを直線部分に配置する関係で、直線
部分を極力長くする必要があるが、曲線部の半径を大き
くすることはスペースの無駄となる。

【０００６】本発明は上記問題点に鑑み案出されたもの
で、トレイを任意の角度で傾斜できるようにし、特に、
曲線部の半径を小さくすることにより直線部を大きくす
ることができるトレイ式仕分装置およびトレイ式仕分装
置の曲線部におけるトレイ傾斜装置を提供することを目
的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第１の発明では、ガイドレールに沿って走
行する台車上に設けられたトレイを傾斜させることによ
りトレイ上に載置された物品を滑降させるトレイ式仕分
装置であて、台車走行路の曲線部において物品に作用す
る遠心力に対抗すべくトレイを曲率半径内方が低くなる
ように傾斜させている。

【０００８】本発明の第２の発明では、ガイドレールに
沿って走行する台車上に設けられたトレイを傾斜させる
ことによりトレイ上に載置された物品を滑降させるトレ
イ式仕分装置の曲線部におけるトレイ傾斜装置であっ
て、走行台車はトレイ下面に進行方向斜め下方を向いて
固着された傾斜軸と、該傾斜軸に自在接手または傘歯車
を介して連結される垂直軸と、上記傾斜軸と垂直軸とを
それぞれ支持する軸受部を有する台車本体と、軸または
軸受近傍に設けた窪みに嵌入するように付勢されてい
て、窪みに嵌入した状態でトレイが水平を保つように軸
の回転を拘束するとともに、軸に所要の回転モーメント
を与えたときに窪みから退出して軸を回転可能にする係
止手段と、垂直軸に直交して固着されたアームと、アー
ム先端に枢着された３節リンクとからなり、該３節リン
クは、１端が上記アーム先端に枢着された第１リンク
と、該第１リンクの他端に１端が枢着された第２リンク
と、１端が該第２リンクの他端に枢着され、他端が上記
台車本体に枢着された第３リンクとからなり、第１リン
クと第２リンクとの交叉角度は所定の値より大きく開か
ないように規制されており、第２リンクと第３リンクの
交叉部にローラが設けられており、台車走行路の曲線部
には走行路に沿ってローラを案内するローラ案内部材が
設けられている。

【０００９】トレイが台車走行路の直線部を走行状態で
は、トレイは水平に保たれているが、トレイが曲線部に
来ると台車走行路の曲線部の曲率半径内方に低くなるよ
うに傾斜させ、物品に遠心力が働いても外方に飛び出さ
ないようにする。この際、走行台車に設けられたアーム
が、ガイドレール側方に設けられたローラ案内部材によ
り回動し、垂直軸および自在接手を介して傾斜軸を回動
させ、トレイが横方向に傾斜する。アームとローラとは
３節リングを介して接続されており、３節リングの第１
リンクと第２リンクとはその交叉角度が所定の角度より
大きく開かないように規制されているので、トレイ傾斜
用ガイドによりローラをガイドレール側に押し付けて
も、第１リンクと第２リンクの角度が所定の大きさに開
くまでアームは回動せず、いわゆる遊びの状態となって
いる。

【００１０】

【発明の実施の形態】以下本発明の１実施形態につき図
面を参照しつつ説明する。図１は本発明に関連する仕分
装置のトレイ３次元傾転装置の側面図である。図中１は
台車であり、４個の走行車輪１ａと２個のガイド車輪１
ｂを有し、ガイドレール２０内を図示しないチェーンに
前後が連結されており、そのチェーンにより引張られて
走行する。なお、台車１の駆動はチェーンによらず、リ
ニアモータ、フリクションドライブ等でもよい。２は物
品を載置するトレイであり通常の走行は水平を保ってい
るが、仕分け位置にくると、２点鎖線で示すように斜め
前方に傾斜し、載置した物品を滑降させる。また、トレ
イ２は曲線部においても物品に働く遠心力に対抗するた
め一定の角度を持って傾斜する。３は台車１の進行方向
を示す矢印である。４は傾斜軸でトレイ２の下面に進行
方向３の斜め下方を向いて固着されている。

【００１１】６は垂直軸で自在接手５を介して傾斜軸４
と接続されている。本実施形態では自在接手５を用いた
が傘歯車を用いてもよい。傾斜軸４および垂直軸６は台
車本体９にそれぞれ軸受部７および軸受部８により支持
されている。軸受部７，８はそれぞれ２個のラジアル玉
軸受を備えている。１０は傾斜軸４の外周に設けた窪み
で円錐状の形状をしている。１１は軸受７近傍に設けら
れた係止手段で、円錐状の先端を有する嵌入部１１ａ
と、嵌入部１１ａを押し出すように付勢するばね１１ｂ
と、ばねの後端に当接するプラグ１１ｃとからなる。

【００１２】係止手段１１は嵌入部１１ａが窪み１０に
嵌入した状態でトレイ２が水平を保つように傾斜軸４の
回転を拘束している。しかし、傾斜軸４に所要の回転モ
ーメントを与えるとばね１１ｂに抗して嵌入部１１ａが
窪み１０から退出して傾斜軸４は回転可能となる。な
お、本実施形態では係止手段１１を傾斜軸４に対して設
けたが、垂直軸６に対して設けてもよいし、逆に窪みを
軸受部７または軸受部８近傍に設け、係止手段１１を傾
斜軸４内または垂直軸６内に設けてもよい。また、窪み
１０または嵌入部１１ａの形状は円錐状でなく半球状で
あってもよい。

【００１３】図２は図１のＡ−Ａ矢視図である。図中１
２はアームで、垂直軸６に直交して固着されている。１
３は３節リンクでアーム１２の先端に枢着されている。
３節リンク１３は１端がアーム１２の先端に枢着された
第１リンク１３ａと、第１リンク１３ａの他端に１端が
枢着された第２リンク１３ｂと、１端が第２リンクの他
端に枢着され、他端が台車本体９に枢着された第３リン
ク１３ｃとからなる。第２リンク１３ｂと第３リンク１
３ｃとの交叉部にローラ１４が設けられている。１５は
曲線部地上側に設けられて台車１の走行に伴ってアーム
１２に作用してトレイ２を傾斜させるローラ案内部材１
５（トレイ傾斜用案内）で、図示しないブラケットによ
りガイドレール２０から支持されており、溝１５ａ内を
ローラ１４が走行するようになっている。

【００１４】図３は第１リンク１３ａと第２リンク１３
ｂとの関係を示す図であり、図４（Ａ）は平面図、図４
（Ｂ）は側面図である。図に示すように、第１リンク１
３ａと第２リンク１３ｂとはピン１３ｅを介して枢着さ
れているが、第２リンク１３ｂの端部に形成された斜面
１３ｄと第１リンク１３ａの側面とが当接することによ
り、第１リンク１３ａと第２リンク１３ｂとの交叉角度
は所定の角度θより大きく開かないように規制されてい
る。

【００１５】図４はアーム１２および３節リンク１３の
各位置における形状を示した平面図である。図におい
て、およびはリンクの動作区間１６、すなわち、ト
レイが直線部から曲線部に入り、直線部の水平状態から
曲線部の傾斜状態に入った走行状態を示している。な
いしはリンクのトレイ角度保持区間１７、すなわち、
トレイが曲線部の傾斜状態に入り一定の角度で走行して
いる状態を示している。およびはリンクのリセット
区間１８、すなわち、曲線部の傾斜状態から直線部の水
平状態に移行し、では直線部の水平状態に入り走行し
ている状態を示している。これらの各区間におけるガイ
ドレール２０とローラ案内部材１５との関係を説明する
と、リンク動作区間１６では、ローラ案内部材１５は進
行方向３に向かって徐々にガイドレール２０に接近して
いき、トレイ角度保持区間１７では、ガイドレール２０
とローラ案内部材１５との間隔を一定にしている。そし
て、リセット区間１８では、ローラ案内部材１５は進行
方向３に向かって徐々にガイドレール２０から離れるよ
うになっている。

【００１６】図５は図４のリンクの動作区間１６の拡大
図である。トレイが直線部からリンクの動作区間１６、
すなわち、曲線部に入る時は、図のように第２リンク１
３ｂと第３リンク１３ｃとの交叉部に設けられているロ
ーラ１４が、図示しないブラケットによりガイドレール
２０から支持されているローラ案内部材１５の溝１５ａ
内に入り、その溝１５ａ内を走行するようになってい
る。の状態からの状態になるまではローラ１４がロ
ーラ案内部材１５により押しつけられても、上記第１リ
ンク１３ａと第２リンク１３ｂの交叉角度は徐々に大き
くなるがアーム１２は回動せずの状態で交叉角度がθ
になり、からに至る間は、交叉角度はθに固定され
ているので、ローラ１４がローラ案内部材１５により押
しつけられて、アーム１２は図上で時計方向に回動す
る。アーム１２が回動すると垂直軸６および傾斜軸４
（いずれも図１）が回転し、トレイが傾斜する。そし
て、そのままトレイ角度保持区間１７に移行する。

【００１７】トレイ角度保持区間１７では、ガイドレー
ル２０とローラ案内部材１５との間隔が一定なのでトレ
イはその傾斜角を保持したまま走行する。

【００１８】図６は図４のリンクのリセット区間１８の
拡大図である。トレイがトレイ角度保持区間１７からリ
セット区間１８、すなわち、直線部に入る時は、図のよ
うにローラ１４が、進行方向３に向かって徐々にガイド
レール２０から離れるように設けられているローラ案内
部材１５の中に入り、その溝１５ａ内を走行するように
なっている。そして、そのまま直線部に移行し走行す
る。

【００１９】以下、本実施形態の作用を説明する。トレ
イ２は、直線部から曲線部に来ると、まずローラ１４が
ガイドレール側方に進行方向３に向かって徐々にガイド
レール２０に接近して設けられているローラ案内部材１
５の溝１５ａに入り、アーム１２がローラ案内部材１５
により回動し、垂直軸６および自在接手５を介して傾斜
軸４を回動させ、トレイ２が横方向に傾斜しながら走行
する。引き続きガイドレール２０と同じ間隔で設けられ
ているローラ案内部材１５の溝１５ａに移行して傾斜し
たまま走行する。その後ローラ１４が進行方向３に向か
って徐々にガイドレール２０から離れるように設けられ
ているローラ案内部材１５の溝１５ａに移行し徐々に水
平に復帰しながら走行する。そして、水平のまま直線部
を走行する。３節リンクを用いてローラ１４のガイドレ
ール２０直角方向の動きとアーム１２の回動の動きとの
間に遊びを持たせたので曲線部の出入口におけるトレイ
２の傾動が滑らかに行われる。

【００２０】本発明は、上記実施形態に限定されるもの
ではなく特許請求の範囲に記載されている技術思想を逸
脱しない範囲で種々の変更が可能である。

【００２１】

【発明の効果】以上述べたように、本発明のトレイ式仕
分装置においては台車走行路の曲線部においてトレイを
傾斜させるようにしたので曲線部の半径を小さくするこ
とができ、したがって、直線部を大きくすることができ
る。また、トレイ式仕分装置の曲線部におけるトレイ傾
斜装置においては、曲線部において、アームがガイドレ
ール側方に設けられたトレイ傾斜用ガイドにより回動
し、垂直軸および自在接手を介して傾斜軸を回動させ、
トレイが横方向に傾斜するので、曲線部の半径を小さく
することができ、したがって、直線部を大きくすること
ができるなど優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の仕分装置のトレイ３次元傾転装置の側
面図である。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視図である。

【図３】第１リンクと第２リンクとの関係を示す図面で
ある。

【図４】アームおよび３節リンクの各位置における状態
を示す平面図である。

【図５】図４のリンク動作区間の拡大図である。

【図６】図４のリセット区間の拡大図である。

【図７】従来のトレイ式仕分装置の概要図である。

【符号の説明】

１ 台車 ２ トレイ ３ 進行方法 ４ 傾斜軸 ５ 自在接手 ６ 垂直軸 ７ 軸受部 ８ 軸受部 ９ 台車本体 １０ 窪み １１ 係止手段 １１ａ 嵌入部 １１ｂ ばね １１ｃ プラグ １２ アーム １３ ３節リンク １３ａ 第１リンク １３ｂ 第２リンク １３ｃ 第３リンク １４ ローラ １５ ローラ案内部材（トレイ傾斜用案内） １５ａ 溝 １６ リンク動作区間 １７ トレイ角度保持区間 １８ リセット区間 ２０ ガイドレール ａ 台車走行路 ｂ 曲線部 ｃ トレイ ｄ 物品搬入装置 ｅ シュート

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ガイドレールに沿って走行する台車上に
   設けられたトレイを傾斜させることによりトレイ上に載
   置された物品を滑降させるトレイ式仕分装置であて、台
   車走行路の曲線部において物品に作用する遠心力に対抗
   すべくトレイを曲率半径内方が低くなるように傾斜させ
   ることを特徴とするトレイ式仕分装置。
2. 【請求項２】 ガイドレールに沿って走行する台車上に
   設けられたトレイを傾斜させることによりトレイ上に載
   置された物品を滑降させるトレイ式仕分装置の曲線部に
   おけるトレイ傾斜装置であって、走行台車はトレイ下面
   に進行方向斜め下方を向いて固着された傾斜軸と、該傾
   斜軸に自在接手または傘歯車を介して連結される垂直軸
   と、上記傾斜軸と垂直軸とをそれぞれ支持する軸受部を
   有する台車本体と、軸または軸受近傍に設けた窪みに嵌
   入するように付勢されていて、窪みに嵌入した状態でト
   レイが水平を保つように軸の回転を拘束するとともに、
   軸に所要の回転モーメントを与えたときに窪みから退出
   して軸を回転可能にする係止手段と、垂直軸に直交して
   固着されたアームと、アーム先端に枢着された３節リン
   クとからなり、該３節リンクは１端が上記アーム先端に
   枢着された第１リンクと、該第１リンクの他端に１端が
   枢着された第２リンクと、１端が該第２リンクの他端に
   枢着され、他端が上記台車本体に枢着された第３リンク
   とからなり、第１リンクと第２リンクとの交叉角度は所
   定の値より大きく開かないように規制されており、第２
   リンクと第３リンクの交叉部にローラが設けられてお
   り、台車走行路の曲線部には走行路に沿ってローラを案
   内するローラ案内部材が設けられていることを特徴とす
   るトレイ式仕分装置の曲線部におけるトレイ傾斜装置。