JPH09142183A - 車両用シートスライド装置のセーフティロック機構 - Google Patents
車両用シートスライド装置のセーフティロック機構Info
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- JPH09142183A JPH09142183A JP7305660A JP30566095A JPH09142183A JP H09142183 A JPH09142183 A JP H09142183A JP 7305660 A JP7305660 A JP 7305660A JP 30566095 A JP30566095 A JP 30566095A JP H09142183 A JPH09142183 A JP H09142183A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 ロックオフ状態で、シートに大きな減加速度
が加わった場合でも、シートを確実にロックできるセー
フティロック機構を提供すること。 【解決手段】 アッパーレール4の垂直壁4aの両側に
手動ロック装置6と緊急ロック装置8を配設した。アッ
パーレール4に回動自在に取り付けたスライドスクリュ
ー16と、ロワレール2に固定されたスライドナット2
4とを互いに螺合させ、スライドスクリュー16とスラ
イドナット24のねじのリードを摩擦角以上としたの
で、手動ロック装置6のロックを解除した後、シートに
加えられた負荷によりスライドスクリュー16は回動し
て、シートの前後位置を調節できるとともに、シートに
所定値以上の減加速度が加えられると、スライドスクリ
ュー16が緊急ロックされ、シートの急激な前後移動が
阻止される。
が加わった場合でも、シートを確実にロックできるセー
フティロック機構を提供すること。 【解決手段】 アッパーレール4の垂直壁4aの両側に
手動ロック装置6と緊急ロック装置8を配設した。アッ
パーレール4に回動自在に取り付けたスライドスクリュ
ー16と、ロワレール2に固定されたスライドナット2
4とを互いに螺合させ、スライドスクリュー16とスラ
イドナット24のねじのリードを摩擦角以上としたの
で、手動ロック装置6のロックを解除した後、シートに
加えられた負荷によりスライドスクリュー16は回動し
て、シートの前後位置を調節できるとともに、シートに
所定値以上の減加速度が加えられると、スライドスクリ
ュー16が緊急ロックされ、シートの急激な前後移動が
阻止される。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用シートの前
後位置を調節するためのシートスライド装置に関し、更
に詳しくは、シートの前後位置を調節中、車両の衝突等
によりシートに大きな減加速度が加わった場合でも、シ
ートを確実にロックすることのできる車両用シートスラ
イド装置のセーフティロック機構に関する。
後位置を調節するためのシートスライド装置に関し、更
に詳しくは、シートの前後位置を調節中、車両の衝突等
によりシートに大きな減加速度が加わった場合でも、シ
ートを確実にロックすることのできる車両用シートスラ
イド装置のセーフティロック機構に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のシートスライド装置として、例え
ば特公昭62−61462号公報は一段送りシートスラ
イドアジャスタを開示している。このアジャスタは、ラ
ッチプレートに形成された複数のラッチに2個のロック
プレートを交互に嵌合させながら、シートをスライド移
動させるもので、シートのスライド中、常に1個のロッ
クプレートがいずれかのラッチと嵌合している。
ば特公昭62−61462号公報は一段送りシートスラ
イドアジャスタを開示している。このアジャスタは、ラ
ッチプレートに形成された複数のラッチに2個のロック
プレートを交互に嵌合させながら、シートをスライド移
動させるもので、シートのスライド中、常に1個のロッ
クプレートがいずれかのラッチと嵌合している。
【0003】また、実公昭62−42834号公報は、
慣性力を利用してシートをロックするシートスライド装
置を開示している。このシートスライド装置は、左右2
カ所のロック部分を独立させて、一方を手動ロック式と
して通常のシート移動時に使用し、他方を慣性ロック式
として、車両衝突等に伴う急激な減加速度発生時にシー
トを自動ロックするようにしたものである。
慣性力を利用してシートをロックするシートスライド装
置を開示している。このシートスライド装置は、左右2
カ所のロック部分を独立させて、一方を手動ロック式と
して通常のシート移動時に使用し、他方を慣性ロック式
として、車両衝突等に伴う急激な減加速度発生時にシー
トを自動ロックするようにしたものである。
【0004】また、実公昭63−46258号公報は、
ロック孔の前後に傾斜面を設けることによりロックプレ
ートがロック孔に容易にさそい込まれるようにしたシー
トスライド装置のロック装置を開示している。
ロック孔の前後に傾斜面を設けることによりロックプレ
ートがロック孔に容易にさそい込まれるようにしたシー
トスライド装置のロック装置を開示している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で述べたも
ののうち、特公昭62−61462号公報に開示されて
いるシートスライドアジャスタは、1ピッチづつ操作レ
バーを操作しながらシートを前後方向に移動させる必要
があり、操作レバーの操作が面倒であるとともに、シー
トの移動に時間がかかる。
ののうち、特公昭62−61462号公報に開示されて
いるシートスライドアジャスタは、1ピッチづつ操作レ
バーを操作しながらシートを前後方向に移動させる必要
があり、操作レバーの操作が面倒であるとともに、シー
トの移動に時間がかかる。
【0006】また、実公昭62−42834号公報に開
示されているものでは、G(減加速度)センサの作動に
より、ロックプレートを直ちにロックする構造ではある
が、ロックレバーの操作中には、効果がない。
示されているものでは、G(減加速度)センサの作動に
より、ロックプレートを直ちにロックする構造ではある
が、ロックレバーの操作中には、効果がない。
【0007】さらに、実公昭63−46258号公報に
開示されているロック装置においては、シートの前後位
置を調整している時にシートに減加速度が加わった場
合、ロックプレートが傾斜面に沿って確実にロック孔に
さそい込まれるという保証はない。
開示されているロック装置においては、シートの前後位
置を調整している時にシートに減加速度が加わった場
合、ロックプレートが傾斜面に沿って確実にロック孔に
さそい込まれるという保証はない。
【0008】本発明は、従来技術の有するこのような問
題点に鑑みてなされたものであり、操作レバーを操作し
てシートをスライド移動させている時に、車両の衝突等
によりシートに大きな減加速度が加わった場合でも、シ
ートを確実にロックできる車両用シートスライド装置の
セーフティロック機構を提供することを目的としてい
る。
題点に鑑みてなされたものであり、操作レバーを操作し
てシートをスライド移動させている時に、車両の衝突等
によりシートに大きな減加速度が加わった場合でも、シ
ートを確実にロックできる車両用シートスライド装置の
セーフティロック機構を提供することを目的としてい
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、車両フロ
アに固定された一対のロワレールと、該ロワレールに摺
動自在に取り付けられ垂直壁を有するアッパーレールと
を備えた車両用シートスライド装置において、手動ロッ
ク装置と緊急ロック装置とを上記アッパーレールの上記
垂直壁の両側に配設し、上記手動ロック装置を、操作レ
バーと、該操作レバーにより操作されるロック部材と、
該ロック部材との嵌合により上記シートをロックするラ
ッチ部材とで構成する一方、上記緊急ロック装置を、上
記操作レバーと平行に上記アッパーレールに回動自在に
取り付けられたスライドスクリューと、該スライドスク
リューと螺合し上記ロワレールに固定されたスライドナ
ットとで構成し、上記スライドスクリュー及びスライド
ナットのねじが摩擦角以上のリードを有し、上記手動ロ
ック装置のロックを解除した後上記シートに加えられた
負荷により上記スライドスクリューは回動して、上記ア
ッパーレールを上記ロワレールに対し摺動させるととも
に、上記シートに加えられた所定値以上の減加速度によ
り、上記スライドスクリューを緊急ロックさせる手段を
上記緊急ロック装置に設けたことを特徴とする。
に、本発明のうちで請求項1に記載の発明は、車両フロ
アに固定された一対のロワレールと、該ロワレールに摺
動自在に取り付けられ垂直壁を有するアッパーレールと
を備えた車両用シートスライド装置において、手動ロッ
ク装置と緊急ロック装置とを上記アッパーレールの上記
垂直壁の両側に配設し、上記手動ロック装置を、操作レ
バーと、該操作レバーにより操作されるロック部材と、
該ロック部材との嵌合により上記シートをロックするラ
ッチ部材とで構成する一方、上記緊急ロック装置を、上
記操作レバーと平行に上記アッパーレールに回動自在に
取り付けられたスライドスクリューと、該スライドスク
リューと螺合し上記ロワレールに固定されたスライドナ
ットとで構成し、上記スライドスクリュー及びスライド
ナットのねじが摩擦角以上のリードを有し、上記手動ロ
ック装置のロックを解除した後上記シートに加えられた
負荷により上記スライドスクリューは回動して、上記ア
ッパーレールを上記ロワレールに対し摺動させるととも
に、上記シートに加えられた所定値以上の減加速度によ
り、上記スライドスクリューを緊急ロックさせる手段を
上記緊急ロック装置に設けたことを特徴とする。
【0010】また、請求項2に記載の発明は、上記緊急
ロック手段が、上記スライドスクリューの一端に固定さ
れた慣性部材と、該慣性部材を回動自在に収容する第一
ケーシングからなり、該第一ケーシングと、上記スライ
ドスクリューの他端を回動自在に支承する第二ケーシン
グとを上記アッパーレールの上記垂直壁に直接取り付け
るとともに、所定値以上の減加速度時に、上記慣性部材
と上記第一ケーシングの内部壁との摩擦接触により、上
記スライドスクリューを緊急ロックするようにしたこと
を特徴とする。
ロック手段が、上記スライドスクリューの一端に固定さ
れた慣性部材と、該慣性部材を回動自在に収容する第一
ケーシングからなり、該第一ケーシングと、上記スライ
ドスクリューの他端を回動自在に支承する第二ケーシン
グとを上記アッパーレールの上記垂直壁に直接取り付け
るとともに、所定値以上の減加速度時に、上記慣性部材
と上記第一ケーシングの内部壁との摩擦接触により、上
記スライドスクリューを緊急ロックするようにしたこと
を特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。図1及び図2は、本
発明にかかるセーフティロック機構を備えた車両用シー
トスライド装置を示しており、このシートスライド装置
は、左右一対のシートトラック及び少なくともその一方
に設けられたセーフティロック機構から構成されてい
る。各シートトラックは、車両フロアに固定されたロワ
レール2と、このロワレール2に摺動自在に取り付けら
れたアッパーレール4からなり、アッパーレール4の上
にシート(図示せず)が固定される。ロワレール2は、
略矩形断面を有し、その上部壁にはスリット2aが形成
されており、このスリット2aにアッパーレール4の垂
直壁4aが遊挿されている。
て、図面を参照しながら説明する。図1及び図2は、本
発明にかかるセーフティロック機構を備えた車両用シー
トスライド装置を示しており、このシートスライド装置
は、左右一対のシートトラック及び少なくともその一方
に設けられたセーフティロック機構から構成されてい
る。各シートトラックは、車両フロアに固定されたロワ
レール2と、このロワレール2に摺動自在に取り付けら
れたアッパーレール4からなり、アッパーレール4の上
にシート(図示せず)が固定される。ロワレール2は、
略矩形断面を有し、その上部壁にはスリット2aが形成
されており、このスリット2aにアッパーレール4の垂
直壁4aが遊挿されている。
【0012】本発明にかかるセーフティロック機構は、
公知の手動ロック装置6と緊急ロック装置8とをアッパ
ーレール4の垂直壁4aの両側に配設したものである。
手動ロック装置6は、ブラケット10を介してアッパー
レール4の垂直壁4aの内側に回動自在に取り付けられ
た操作レバー12と、操作レバー12に固着され操作レ
バー12と一体的に回動するロック部材14とを有し、
ロック部材14に形成された爪片14aをロワレール2
の一側壁に形成された複数のラッチ孔2bのいずれかに
嵌合せしめることによりシートをロックするようにして
いる。
公知の手動ロック装置6と緊急ロック装置8とをアッパ
ーレール4の垂直壁4aの両側に配設したものである。
手動ロック装置6は、ブラケット10を介してアッパー
レール4の垂直壁4aの内側に回動自在に取り付けられ
た操作レバー12と、操作レバー12に固着され操作レ
バー12と一体的に回動するロック部材14とを有し、
ロック部材14に形成された爪片14aをロワレール2
の一側壁に形成された複数のラッチ孔2bのいずれかに
嵌合せしめることによりシートをロックするようにして
いる。
【0013】一方、緊急ロック装置8はアッパーレール
4の垂直壁4aの外側に取り付けられ、操作レバー12
と平行に延在するスライドスクリュー16と、スライド
スクリュー16の両端を回動自在に支承しアッパーレー
ル4に直接固定された前部及び後部ケーシング18,2
0と、スライドスクリュー16と螺合しブラケット22
を介してロワレール2に固定されたスライドナット24
とを備えている。スライドスクリュー16及びスライド
ナット24のねじとしては、そのリードが摩擦角より大
きいものが選択されており、手動ロック装置6のロック
を解除した後、シートからアッパーレール4を介してス
ライドスクリュー16に前後方向の負荷が加えられる
と、スライドスクリュー16は回動し、アッパーレール
4及びシートはロワレール2に対し前後方向に摺動す
る。
4の垂直壁4aの外側に取り付けられ、操作レバー12
と平行に延在するスライドスクリュー16と、スライド
スクリュー16の両端を回動自在に支承しアッパーレー
ル4に直接固定された前部及び後部ケーシング18,2
0と、スライドスクリュー16と螺合しブラケット22
を介してロワレール2に固定されたスライドナット24
とを備えている。スライドスクリュー16及びスライド
ナット24のねじとしては、そのリードが摩擦角より大
きいものが選択されており、手動ロック装置6のロック
を解除した後、シートからアッパーレール4を介してス
ライドスクリュー16に前後方向の負荷が加えられる
と、スライドスクリュー16は回動し、アッパーレール
4及びシートはロワレール2に対し前後方向に摺動す
る。
【0014】図3及び図4に示されるように、後部ケー
シング20は一対のケーシングハーフ20a,20bか
らなり、スライドスクリュー16の後端側にナット26
で固定されたディスク状慣性部材28が後部ケーシング
20の内部に収容されている。慣性部材28の中央には
円筒部28aが形成され、この円筒部28aの前後に傾
斜面28b,28bが形成されている。また、各ケーシ
ングハーフ内部の円周壁には、慣性部材28の外周面と
所定距離離間した平行部20cと、この平行部20cの
前後に慣性部材28の傾斜面28b,28bと同じ勾配
を有する傾斜壁20d,20dが形成されている。
シング20は一対のケーシングハーフ20a,20bか
らなり、スライドスクリュー16の後端側にナット26
で固定されたディスク状慣性部材28が後部ケーシング
20の内部に収容されている。慣性部材28の中央には
円筒部28aが形成され、この円筒部28aの前後に傾
斜面28b,28bが形成されている。また、各ケーシ
ングハーフ内部の円周壁には、慣性部材28の外周面と
所定距離離間した平行部20cと、この平行部20cの
前後に慣性部材28の傾斜面28b,28bと同じ勾配
を有する傾斜壁20d,20dが形成されている。
【0015】慣性部材28は、スライドスクリュー16
の慣性部材保持部16aに固定されており、その後方の
スライドスクリュー16には小径部16bが形成されて
いる。上記ナット26は、この小径部16bに螺着され
るとともに、ナット26より後方に突出した小径部16
bはケーシングハーフ20bに収容された軸受30によ
り回動自在に支承されている。小径部16bの端面には
円錐状の凹所16cが形成されており、この凹所16c
に鋼球等のボール32が嵌入せしめられている。
の慣性部材保持部16aに固定されており、その後方の
スライドスクリュー16には小径部16bが形成されて
いる。上記ナット26は、この小径部16bに螺着され
るとともに、ナット26より後方に突出した小径部16
bはケーシングハーフ20bに収容された軸受30によ
り回動自在に支承されている。小径部16bの端面には
円錐状の凹所16cが形成されており、この凹所16c
に鋼球等のボール32が嵌入せしめられている。
【0016】また、後部ケーシング20の後部には弾性
手段収容部20eが形成されており、ボール32に当接
するコップ状部材34とすりわり付き止めねじ36との
間に縮装された例えばコイルスプリング等の弾性手段3
8が弾性手段収容部20eに収容されている。
手段収容部20eが形成されており、ボール32に当接
するコップ状部材34とすりわり付き止めねじ36との
間に縮装された例えばコイルスプリング等の弾性手段3
8が弾性手段収容部20eに収容されている。
【0017】一方、前部ケーシング18も一対のケーシ
ングハーフ18a,18bからなり、スライドスクリュ
ー16の前端より前方に突出する小径部16dがケーシ
ングハーフ18bの内部に保持された軸受40により回
動自在に支承されている。小径部16dの端面には円錐
状凹所16eが形成され、この円錐状凹所16eに鋼球
等のボール42が嵌入せしめられている。
ングハーフ18a,18bからなり、スライドスクリュ
ー16の前端より前方に突出する小径部16dがケーシ
ングハーフ18bの内部に保持された軸受40により回
動自在に支承されている。小径部16dの端面には円錐
状凹所16eが形成され、この円錐状凹所16eに鋼球
等のボール42が嵌入せしめられている。
【0018】前部ケーシング18の内部には、ボール4
2に当接するコップ状部材44とすりわり付き止めねじ
46との間に縮装された例えばコイルスプリング等の弾
性手段48が収容されている。
2に当接するコップ状部材44とすりわり付き止めねじ
46との間に縮装された例えばコイルスプリング等の弾
性手段48が収容されている。
【0019】上記構成を有する本発明にかかるセーフテ
ィロック機構の作用を説明する。操作レバー12は,ロ
ックスプリング(図示せず)により図2の矢印A方向に
常時付勢されており、シートの前後位置を調節する必要
がない場合には、ロック部材14の爪片14aがロワレ
ール2に形成されたラッチ孔2bのいずれかと嵌合しシ
ートをロックしている。
ィロック機構の作用を説明する。操作レバー12は,ロ
ックスプリング(図示せず)により図2の矢印A方向に
常時付勢されており、シートの前後位置を調節する必要
がない場合には、ロック部材14の爪片14aがロワレ
ール2に形成されたラッチ孔2bのいずれかと嵌合しシ
ートをロックしている。
【0020】シートの前後位置を調節する必要がある場
合には、操作レバー12を図2の矢印Aの反対方向に操
作すると、操作レバー12と一体的にロック部材14が
回動し、ロック部材14の爪片14aとラッチ孔2bと
の嵌合が解除される。かかる状態では、慣性部材28の
傾斜面28b,28bと後部ケーシング20の内部傾斜
壁20d,20dとは所定距離離間しており、シートに
前後方向の負荷を加えるとスライドスクリュー16が回
動し、シートの前後位置を適宜調節することが可能とな
る。
合には、操作レバー12を図2の矢印Aの反対方向に操
作すると、操作レバー12と一体的にロック部材14が
回動し、ロック部材14の爪片14aとラッチ孔2bと
の嵌合が解除される。かかる状態では、慣性部材28の
傾斜面28b,28bと後部ケーシング20の内部傾斜
壁20d,20dとは所定距離離間しており、シートに
前後方向の負荷を加えるとスライドスクリュー16が回
動し、シートの前後位置を適宜調節することが可能とな
る。
【0021】操作レバー12を操作してシートの前後位
置を調節する場合の所謂ロックオフ状態において、車両
の衝突等によりロワレール2に大きな減加速度が加わる
と、スライドナット24に前後方向の力が加わり、スラ
イドスクリュー16を回動させるより前に、弾性手段3
8あるいは48の弾性力に抗してスライドスクリュー1
6が前後方向に移動する。その結果、スライドスクリュ
ー16に固定された慣性部材28も同様に前後方向に移
動することとなり、慣性部材28の前後に形成された傾
斜面28b,28bの一方が、後部ケーシング20の対
応する内部傾斜壁20dと摩擦係合し、スライドスクリ
ュー16の回動が阻止されるとともに、シートが現在の
位置でロックされる。即ち、慣性部材28と後部ケーシ
ング20で緊急ロック手段を構成している。
置を調節する場合の所謂ロックオフ状態において、車両
の衝突等によりロワレール2に大きな減加速度が加わる
と、スライドナット24に前後方向の力が加わり、スラ
イドスクリュー16を回動させるより前に、弾性手段3
8あるいは48の弾性力に抗してスライドスクリュー1
6が前後方向に移動する。その結果、スライドスクリュ
ー16に固定された慣性部材28も同様に前後方向に移
動することとなり、慣性部材28の前後に形成された傾
斜面28b,28bの一方が、後部ケーシング20の対
応する内部傾斜壁20dと摩擦係合し、スライドスクリ
ュー16の回動が阻止されるとともに、シートが現在の
位置でロックされる。即ち、慣性部材28と後部ケーシ
ング20で緊急ロック手段を構成している。
【0022】尚、図4に示されているように、スライド
スクリュー16の前後端の最大移動ストロークLは、ス
ライドスクリュー16の移動量が最大移動ストロークL
に達する前に慣性部材28の傾斜面28b,28bと後
部ケーシング20の内部傾斜壁20d,20dが摩擦係
合するように設定されている。
スクリュー16の前後端の最大移動ストロークLは、ス
ライドスクリュー16の移動量が最大移動ストロークL
に達する前に慣性部材28の傾斜面28b,28bと後
部ケーシング20の内部傾斜壁20d,20dが摩擦係
合するように設定されている。
【0023】また、すりわり付き止めねじ43のねじこ
み量を適宜調整することにより、緊急ロック手段が作動
する慣性力の大きさを外部から容易に調整することがで
きる。
み量を適宜調整することにより、緊急ロック手段が作動
する慣性力の大きさを外部から容易に調整することがで
きる。
【0024】尚、緊急ロック手段をスライドスクリュー
16の前端に設けることもできるが、上記実施形態のよ
うに、緊急ロック手段をスライドスクリュー16の後端
に設ける方が次の理由により有利である。
16の前端に設けることもできるが、上記実施形態のよ
うに、緊急ロック手段をスライドスクリュー16の後端
に設ける方が次の理由により有利である。
【0025】(1)車両衝突の時には、固定部である緊
急ロック手段に大きな荷重が加わり、各シートトラッ
ク、特にアッパーレール4のロワレール2からの突出部
を変形させる力が作用する。図5に示されるように、ア
ッパーレール4の最前端位置における突出長Laは、一
般的にその最後端位置における突出長Lbよりも長く
(La>Lb)設定されているので、大荷重が加わる緊
急ロック手段がロワレール2よりあまり突出しないよう
に、緊急ロック手段をスライドスクリュー16の後端に
設ける方がよい。
急ロック手段に大きな荷重が加わり、各シートトラッ
ク、特にアッパーレール4のロワレール2からの突出部
を変形させる力が作用する。図5に示されるように、ア
ッパーレール4の最前端位置における突出長Laは、一
般的にその最後端位置における突出長Lbよりも長く
(La>Lb)設定されているので、大荷重が加わる緊
急ロック手段がロワレール2よりあまり突出しないよう
に、緊急ロック手段をスライドスクリュー16の後端に
設ける方がよい。
【0026】(2)車両用シートは一般に、ナックル
(ヒンジ部)が形成される後側が前側よりも剛性が高
い。また、緊急ロック手段を介して大荷重が加わる部分
に所定の強度を付与する必要があることから、緊急ロッ
ク手段をスライドスクリュー16の後端に設けた方が有
利である。
(ヒンジ部)が形成される後側が前側よりも剛性が高
い。また、緊急ロック手段を介して大荷重が加わる部分
に所定の強度を付与する必要があることから、緊急ロッ
ク手段をスライドスクリュー16の後端に設けた方が有
利である。
【0027】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成され
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
ているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0028】本発明のうちで請求項1に記載の発明によ
れば、手動ロック装置と緊急ロック装置とをアッパーレ
ールの垂直壁の両側に配設したので、セーフティロック
機構をコンパクトにすることができるとともに、クッシ
ョンパンスペースの確保が容易であり、かつ、後部席乗
員の足元スペースを拡大できる。また、手動ロック装置
を左右に設けたシートスライド装置においては、シート
の片側に設けた操作レバーの操作により二つの手動ロッ
ク装置を連動させるためのコネクトワイヤが必要となる
が、上記配置によりコネクトワイヤスペースも容易に確
保できる。さらに、手動ロック装置と緊急ロック装置を
両方ともアッパーレールの垂直壁に近接配置することで
十分な強度を確保しており、いかなる大荷重にも対応で
きる。
れば、手動ロック装置と緊急ロック装置とをアッパーレ
ールの垂直壁の両側に配設したので、セーフティロック
機構をコンパクトにすることができるとともに、クッシ
ョンパンスペースの確保が容易であり、かつ、後部席乗
員の足元スペースを拡大できる。また、手動ロック装置
を左右に設けたシートスライド装置においては、シート
の片側に設けた操作レバーの操作により二つの手動ロッ
ク装置を連動させるためのコネクトワイヤが必要となる
が、上記配置によりコネクトワイヤスペースも容易に確
保できる。さらに、手動ロック装置と緊急ロック装置を
両方ともアッパーレールの垂直壁に近接配置することで
十分な強度を確保しており、いかなる大荷重にも対応で
きる。
【0029】また、通常は手動ロック装置でシートをロ
ックするとともに、手動ロック装置のロックオフ状態に
おける車両衝突等の緊急時においては緊急ロック装置が
作動し、いかなる場合もシートとが確実にロックされ
る。すなわち、緊急ロック装置を、操作レバーと平行に
アッパーレールに回動自在に取り付けられたスライドス
クリューと、該スライドスクリューと螺合しロワレール
に固定されたスライドナットと、スライドスクリューを
緊急ロックさせる手段とで構成し、互いに螺合するスラ
イドスクリュー及びスライドナットのねじのリードを摩
擦角以上としたので、ロックオフ状態でシートに負荷を
加えるとスライドスクリューは回動し、シートの前後位
置を適宜調節することができるとともに、ロックオフ状
態でシートに所定値以上の減加速度が加わると、スライ
ドスクリューが緊急ロック手段によりロックされるの
で、シートの急激な前後移動が阻止される。
ックするとともに、手動ロック装置のロックオフ状態に
おける車両衝突等の緊急時においては緊急ロック装置が
作動し、いかなる場合もシートとが確実にロックされ
る。すなわち、緊急ロック装置を、操作レバーと平行に
アッパーレールに回動自在に取り付けられたスライドス
クリューと、該スライドスクリューと螺合しロワレール
に固定されたスライドナットと、スライドスクリューを
緊急ロックさせる手段とで構成し、互いに螺合するスラ
イドスクリュー及びスライドナットのねじのリードを摩
擦角以上としたので、ロックオフ状態でシートに負荷を
加えるとスライドスクリューは回動し、シートの前後位
置を適宜調節することができるとともに、ロックオフ状
態でシートに所定値以上の減加速度が加わると、スライ
ドスクリューが緊急ロック手段によりロックされるの
で、シートの急激な前後移動が阻止される。
【0030】また、請求項2に記載の発明によれば、緊
急ロック手段を、スライドスクリューの一端に固定され
た慣性部材と、該慣性部材を回動自在に収容する第一ケ
ーシングとで構成し、第一ケーシングと、スライドスク
リューの他端を回動自在に支承する第二ケーシングとを
アッパーレールの垂直壁に直接取り付けたので、大荷重
を受けるためのある程度の強度を持ったブラケットが不
要となり、セーフティロック機構の軽量化、低コスト化
が達成できる。また、構造の簡素化により製品のバラツ
キを低減することでき、ひいては、セーフティロック機
構の信頼性を向上することができる。
急ロック手段を、スライドスクリューの一端に固定され
た慣性部材と、該慣性部材を回動自在に収容する第一ケ
ーシングとで構成し、第一ケーシングと、スライドスク
リューの他端を回動自在に支承する第二ケーシングとを
アッパーレールの垂直壁に直接取り付けたので、大荷重
を受けるためのある程度の強度を持ったブラケットが不
要となり、セーフティロック機構の軽量化、低コスト化
が達成できる。また、構造の簡素化により製品のバラツ
キを低減することでき、ひいては、セーフティロック機
構の信頼性を向上することができる。
【図1】 本発明にかかるセーフティロック機構を備え
た車両用シートスライド装置の斜視図である。
た車両用シートスライド装置の斜視図である。
【図2】 図1の線II−IIに沿った断面図である。
【図3】 図1に示されるセーフティロック機構の緊急
ロック装置の分解斜視図である。
ロック装置の分解斜視図である。
【図4】 図3の緊急ロック装置の縦断面図である。
【図5】 図1の車両用シートスライド装置の正面図で
あり、(a)はアッパーレールのロワレールに対する最
前端位置を、(b)はその最後端位置をそれぞれ示して
いる。
あり、(a)はアッパーレールのロワレールに対する最
前端位置を、(b)はその最後端位置をそれぞれ示して
いる。
2 ロワレール 2a スリット 2b ラッチ孔 4 アッパーレール 4a 垂直壁 6 手動ロック装置 8 緊急ロック装置 12 操作レバー 14 ロック部材 14a 爪片 16 スライドスクリュー 18 前部ケーシング 20 後部ケーシング 20d 傾斜壁 24 スライドナット 26 ナット 28 慣性部材 28b 傾斜面 30,40 軸受 32,42 ボール 34,44 コップ状部材 36,46 止めねじ 38,48 弾性手段
Claims (2)
- 【請求項1】 車両フロアに固定された一対のロワレー
ルと、該ロワレールに摺動自在に取り付けられ垂直壁を
有するアッパーレールとを備えた車両用シートスライド
装置において、 手動ロック装置と緊急ロック装置とを上記アッパーレー
ルの上記垂直壁の両側に配設し、上記手動ロック装置
を、操作レバーと、該操作レバーにより操作されるロッ
ク部材と、該ロック部材との嵌合により上記シートをロ
ックするラッチ部材とで構成する一方、上記緊急ロック
装置を、上記操作レバーと平行に上記アッパーレールに
回動自在に取り付けられたスライドスクリューと、該ス
ライドスクリューと螺合し上記ロワレールに固定された
スライドナットとで構成し、上記スライドスクリュー及
びスライドナットのねじが摩擦角以上のリードを有し、
上記手動ロック装置のロックを解除した後上記シートに
加えられた負荷により上記スライドスクリューは回動し
て、上記アッパーレールを上記ロワレールに対し摺動さ
せるとともに、上記シートに加えられた所定値以上の減
加速度により、上記スライドスクリューを緊急ロックさ
せる手段を上記緊急ロック装置に設けた車両用シートス
ライド装置のセーフティロック機構。 - 【請求項2】 上記緊急ロック手段が、上記スライドス
クリューの一端に固定された慣性部材と、該慣性部材を
回動自在に収容する第一ケーシングからなり、該第一ケ
ーシングと、上記スライドスクリューの他端を回動自在
に支承する第二ケーシングとを上記アッパーレールの上
記垂直壁に直接取り付けるとともに、所定値以上の減加
速度時に、上記慣性部材と上記第一ケーシングの内部壁
との摩擦接触により、上記スライドスクリューを緊急ロ
ックするようにした請求項1に記載の車両用シートスラ
イド装置のセーフティロック機構。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30566095A JP3808922B2 (ja) | 1995-11-24 | 1995-11-24 | 車両用シートスライド装置のセーフティロック機構 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP30566095A JP3808922B2 (ja) | 1995-11-24 | 1995-11-24 | 車両用シートスライド装置のセーフティロック機構 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH09142183A true JPH09142183A (ja) | 1997-06-03 |
JP3808922B2 JP3808922B2 (ja) | 2006-08-16 |
Family
ID=17947819
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP30566095A Expired - Fee Related JP3808922B2 (ja) | 1995-11-24 | 1995-11-24 | 車両用シートスライド装置のセーフティロック機構 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3808922B2 (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010163032A (ja) * | 2009-01-15 | 2010-07-29 | Nissan Motor Co Ltd | 車両のスライドレール構造 |
JP2010221935A (ja) * | 2009-03-25 | 2010-10-07 | Toyota Boshoku Corp | 車両用シートのスライド装置 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58190226U (ja) * | 1982-06-14 | 1983-12-17 | 日産自動車株式会社 | シ−トスライド装置 |
JPS63235136A (ja) * | 1987-03-25 | 1988-09-30 | Imasen Denki Seisakusho:Kk | 自動車用パワ−シ−ト装置におけるロツク機構を備えたシ−トレ−ル |
JPH01162827U (ja) * | 1988-04-30 | 1989-11-13 | ||
JPH08300992A (ja) * | 1995-05-10 | 1996-11-19 | Delta Kogyo Co Ltd | 車両用シートのセーフティロック機構 |
-
1995
- 1995-11-24 JP JP30566095A patent/JP3808922B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS58190226U (ja) * | 1982-06-14 | 1983-12-17 | 日産自動車株式会社 | シ−トスライド装置 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2010163032A (ja) * | 2009-01-15 | 2010-07-29 | Nissan Motor Co Ltd | 車両のスライドレール構造 |
JP2010221935A (ja) * | 2009-03-25 | 2010-10-07 | Toyota Boshoku Corp | 車両用シートのスライド装置 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP3808922B2 (ja) | 2006-08-16 |
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Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20060207 |
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A521 | Written amendment |
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TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
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