JPH09141481A - レーザ加工機 - Google Patents

レーザ加工機

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Publication number
JPH09141481A
JPH09141481A JP7295656A JP29565695A JPH09141481A JP H09141481 A JPH09141481 A JP H09141481A JP 7295656 A JP7295656 A JP 7295656A JP 29565695 A JP29565695 A JP 29565695A JP H09141481 A JPH09141481 A JP H09141481A
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JP
Japan
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laser
laser beam
nozzle
objective lens
smoke
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JP7295656A
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Inventor
Ko Ikeda
香 池田
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Alps Alpine Co Ltd
Original Assignee
Alps Electric Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 レーザ加工時に発生する煙を拡散させずに排
出させる機構を設けることにより、金属成分等を含有す
るこの煙がレーザ光のパワーを低下させたり人体に悪影
響を及ぼす虞がないレーザ加工機を提供する。 【構成】 ビームスポットSを包囲するノズル41と対
物レンズ39との間に圧縮空気を吹き出すエアー送出部
40aを設けるとともに、このノズル41の先端近傍の
空気を吸い込む位置にエアー吸引部40bを設け、この
ノズル41の内壁面に沿って前記圧縮空気の流れが形成
されるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜精密加工等に好適
なレーザ加工機に関する。
【0002】
【従来の技術】近時、YAGレーザ加工機によって薄膜
精密加工を行う技術が確立され、例えば液晶表示素子を
製造する際に必要なカラーフィルタや透明電極のトリミ
ング加工が極めて簡単且つ確実に行える等、高精度で微
細な加工が要求される各種分野において、かかるレーザ
加工機を用いることにより加工時間の短縮や加工精度の
向上、設備費の削減等が推進できるものと、大いに注目
されている。
【0003】さて、この種のレーザ加工機は通常、レー
ザ発振器から供給されたレーザビーム(YAGレーザ)
をレンズ群等からなる光学系で導いて被加工物に照射さ
せる加工機本体と、搭載した被加工物をリニアモータ等
により互いに直交する2方向へ移送可能なXYテーブル
と、これら加工機本体およびXYテーブルを載置したベ
ース盤(定盤)とを備えて概略構成され、振動の影響を
排除するためにベース盤は除振台上に設置されることが
多い。
【0004】このように概略構成されるレーザ加工機
は、XYテーブルを駆動制御して被加工物を水平面内で
移動させることができるので、前記光学系の先端部(対
物レンズ)から照射されるスポット状のレーザビーム
(ビームスポット)に対して、この被加工物を所定の軌
跡で移動させることにより、ビーム照射による所望の加
工パターンが被加工物に描画できるようになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種のレ
ーザ加工機を使用して、被加工物の所定部位を高エネル
ギーのビーム照射で除去すると、そこから除去成分等を
含む煙が発生するが、この煙が上方へ向かうと、ビーム
スポット中を漂ってレーザ光のパワー(エネルギーレベ
ル)を減衰させてしまったり、あるいは光学系の対物レ
ンズに煙中の成分が付着して光透過率を低下させてしま
う虞があった。また、前述した液晶表示素子の製造過程
でカラーフィルタや透明電極を部分的に除去する場合、
そのレーザ加工時に発生する煙中には金属成分が含まれ
ているので、周辺の作業者がこの煙を多量に吸い込むこ
とは健康上好ましいことではなかった。
【0006】本発明はかかる従来技術の課題に鑑みてな
されたもので、その目的は、レーザ加工時に発生する煙
がレーザ光のパワーを低下させたり人体に悪影響を及ぼ
す虞がないレーザ加工機を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の上述した目的
は、レーザビームを発振するレーザ発振器と、前記レー
ザビームを所定の光路に沿って導く光学系とを備え、こ
の光学系の先端部の対物レンズから被加工物に向けて前
記レーザビームをスポット状に照射するレーザ加工機で
あって、前記対物レンズから出射される前記ビームスポ
ットの近傍に、レーザビームの照射によって前記被加工
物から発生する煙を強制的に吸い込む吸引部を設けるこ
とによって達成する。
【0008】また、前記ビームスポットを包囲する位置
にノズルを設け、該ノズルと前記対物レンズとの間に圧
縮空気を吹き出すエアー送出部を設けるとともに、前記
ノズルの先端近傍に前記吸引部の吸引口を設け、前記ノ
ズルの内壁面に沿って前記圧縮空気の流れが形成して圧
縮空気と一緒に前記煙を前記吸引口から吸引するように
構成すれば、より好ましい。
【0009】
【作用】ビームスポットの近傍に煙の吸引部を設けてお
けば、レーザ加工時に発生する煙の多くを該吸引部にて
吸い込んで排出経路へ導くことができるので、拡散した
煙がビームスポットや対物レンズ、周辺の作業者等に悪
影響を及ぼす可能性が大幅に低減する。
【0010】また、煙の吸引部に加えてエアー送出部を
設け、ノズルの内壁面に沿って対物レンズ側から被加工
物側へと向かう圧縮空気の流れを形成してやれば、レー
ザ加工時に発生する煙がノズルの内部へ侵入しても、そ
の煙は圧縮空気の流れによって速やかにノズルの外部へ
と排出され吸引部に吸い込まれることになるので、ビー
ムスポットや対物レンズに煙の悪影響が及ぶ可能性はほ
とんどなくなる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図1ないし図11に
基づいて説明する。
【0012】ここで、図1は本実施例に係るレーザ加工
機に組み込んだXYテーブルの正面図、図2は一部を図
示省略した該XYテーブルの側面図、図3は該XYテー
ブルを含むレーザ加工機の全体側面図、図4は該レーザ
加工機を覆う安全カバーの図3に対応する個所の側面
図、図5は該レーザ加工機でレーザビームの光路に配設
されている光学系のレイアウトを示す説明図、図6は該
レーザ加工機のレーザ発振器を示す説明図、図7は図6
に示すレーザ発振器に消磁カバーを取り付けた状態を示
す平面図、図8は該レーザ加工機のビーム照射部を示す
説明図、図9は図5に示す光学系で光ファイバから出射
されるレーザビームの光軸まわりのエネルギー分布を示
す特性図、図10は該レーザ加工機を用いてカラーフィ
ルタのトリミング加工を行う液晶表示素子の製造方法を
示す工程説明図、図11は図10に示す製造過程におい
てカラーフィルタをレーザトリミングする工程を示す説
明図である。
【0013】本実施例に係るレーザ加工機は、図3に示
すように、レーザ発振器5から供給されたレーザビーム
(YAGレーザ)をレンズ群やビームスプリッタ等から
なる光学系で導いて被加工物に照射させる加工機本体1
と、搭載した被加工物をリニアモータにより互いに直交
する2方向へ移送可能なXYテーブル2と、これら加工
機本体1およびXYテーブル2を載置した定盤(ベース
盤)3と、この定盤3を載置した除振台4とによって概
略構成されており、図3に鎖線で示すカバーフレーム6
を支持枠とする安全カバー7(図4参照)が、このレー
ザ加工機や真空ポンプ8等を覆っている。なお、図1中
の符号21は加工機本体1を載置している光学定盤を示
しており、この光学定盤21は支柱22を介して定盤3
に支持されている。
【0014】そして、このレーザ加工機に組み込んだX
Yテーブル2は、上面に多数開設した吸着孔を介して空
気を吸引することにより搭載した被加工物を吸着固定す
ることができる吸着テーブル9と、この吸着テーブル9
の底面中央部に開設されている軸穴に円柱状の支軸10
aを挿入して該吸着テーブル9を回動可能に支持するX
テーブル10と、このXテーブル10を摺動自在に支持
する一対の平行なX軸レール部11aを両側縁に設けて
なる断面形状が凹状の支持台11と、この支持台11の
内側に設置され前記X軸レール部11aに沿ってXテー
ブル10を往復直線移動させるX軸リニアモータ12
と、Xテーブル10の位置データを検出するX軸リニア
エンコーダ13と、支持台11を載置したYテーブル1
4と、前記X軸レール部11aと直交する方向に延びて
Yテーブル14を摺動自在に支持する3本のY軸レール
15,16と、これらY軸レール群15,16に沿って
Yテーブル14を往復直線移動させるY軸リニアモータ
17と、Yテーブル14の位置データを検出するY軸リ
ニアエンコーダ18とによって主に構成されている。た
だし、Xテーブル10と各X軸レール部11a間、およ
びYテーブル14と各Y軸レール15,16間にはそれ
ぞれ、テーブル側に設けたエアーノズルから圧縮空気を
吹き出すことによりエアーギャップが形成され、これら
のエアーギャップで摩擦力を低減することにより、被加
工物がX軸方向およびY軸方向へ円滑に移送できるよう
になっている。
【0015】なお、図1において、符号3aはY軸レー
ル群15,16の各底部を挿入して幅方向に位置決めす
るために定盤3の上面に設けた取付溝を示し、符号17
a,17b,17cはそれぞれY軸リニアモータ17を
構成するコイルと磁石とヨークを示し、符号18a,1
8bはそれぞれY軸リニアエンコーダ18を構成する光
素子等の検出部と目盛部(リニアスケール)を示してい
る。また、図2において、符号10bはXテーブル10
のエアー吹き出し面を示し、符号12a,12b,12
cはそれぞれX軸リニアモータ12を構成するコイルと
磁石とヨークを示し、符号13a,13bはそれぞれX
軸リニアエンコーダ13を構成する光素子等の検出部と
目盛部(リニアスケール)を示し、符号20は支軸10
aを回動中心として吸着テーブル9を回転駆動するため
のモータを示している。さらにまた、図2中の符号P
は、X軸リニアモータ12が生起する磁気駆動力の作用
点を示しており、本実施例の場合、この作用点PとXテ
ーブル10の重心とを略合致させることにより、Xテー
ブル10が起動時や停止時にガタを起こさないように配
慮してある。
【0016】このようなXYテーブル2を組み込んだレ
ーザ加工機は、XYテーブル2を駆動制御することによ
り、吸着テーブル9上に搭載した被加工物を水平面内に
おいて高い位置精度で移動させることができるので、加
工機本体1の光学系の先端部(対物レンズ)から照射さ
れるスポット状のレーザビーム(ビームスポット)に対
して、この被加工物を所定の軌跡で移動させることによ
り、ビーム照射による所望の加工パターンを被加工物に
描画することができる。
【0017】なお、XYテーブル2に組み込まれている
リニアモータ12,17は、重量物を駆動するため強い
磁力を発生するので、本実施例では、周辺に配置されて
いるモニター用のCRTや測定機に対してリニアモータ
12,17の磁力が悪影響を及ぼさないようにするた
め、主に強磁性体からなる安全カバー7でレーザ加工機
をすっぽり覆っている。すなわち、この安全カバー7は
図3,4に示すように、支持枠であるカバーフレーム6
に鉄板や消磁板等を取り付けてなるもので、具体的に
は、図4のア部はSUS304のステンレス板を取着し
た個所で、イ部とウ部はSUS304のステンレス板の
内側にSUS430の消磁板を付設して消磁効果を高め
た2層構造の個所で、このうちウ部は開閉可能な両開き
カバーとなっていて、さらにエ部は、着色アクリル板の
外側をウ部と同じ構成にした3層構造の個所となってい
る。このように、消磁効果を有する安全カバー7でレー
ザ加工機を覆い、しかもリニアモータ12,17の近傍
で強い磁力が予想される個所は2層構造にして消磁効果
を高めておけば、リニアモータ12,17の磁力が周辺
機器に悪影響を及ぼす虞がなくなり、ウ部の両開きカバ
ーを開けることにより加工機本体1の光学系の調整も容
易に行える。また、レーザビームが被加工物に正しく照
射されているかどうかを直接確認する際には、エ部の両
開きカバーを開ければ、着色アクリル板を介して安全に
目視確認が行える。
【0018】次に、このレーザ加工機の加工機本体1の
構成について、詳細に説明する。
【0019】レーザ発振器5は、図6に示すように、ア
ークランプ5a内で発生する電子線EにてYAGロッド
5bを励起することにより、このYAGロッド5bがレ
ーザ光を発振するように構成されている公知のものであ
り、本実施例では図5,7に示すように、2台のレーザ
発振器5を並設して2本のレーザビームが同時に供給で
きるようにしてある。
【0020】また、本実施例においては図7に示すよう
に、これら2台のレーザ発振器5の外周部に、強磁性体
の金属板からなる2層構造で両アークランプ5aを包囲
する消磁カバー42が設けてある。具体的に述べると、
この消磁カバー42は、鉄板やパーマロイ板からなり両
アークランプ5aを余裕をもって包囲する下シールド板
42aと、ケイ素鋼板からなり両アークランプ5aの大
きさに合わせた幅寸法を有する上シールド板42bとに
よって構成されており、強磁性体からなるこれら2層の
シールド板42a,42bの消磁効果により、この消磁
カバー42の内側では、XYテーブル2の前記リニアモ
ータ12,17の生起する磁力が極端に弱められてい
る。したがって、各レーザ発振器5のアークランプ5a
の電子線Eが、リニアモータ12,17の磁力の影響で
曲げられる心配がなく、それゆえ、各レーザ発振器5か
ら供給されるレーザビームのパワーやモードが変化した
り、アークランプ5aの寿命が劣化する虞はない。
【0021】次いで、加工機本体1の光学系について述
べると、2台のレーザ発振器5から供給された2本のレ
ーザビームはそれぞれ、図5に示すような光路に沿って
導かれる。なお、これら2台のレーザ発振器5から供給
される各レーザビームの光路中には、同等の構成の光学
系が配設されているので、一方のレーザビーム用の光学
系についてのみ符号を付して説明する。
【0022】レーザ発振器5から出射されたレーザビー
ムはまず、音響光学素子(AOM)23を経て反射ミラ
ー24で反射されてから、1/4λ板とも称される第1
の位相差板25へ入射されて直線偏光が円偏光に変換さ
れる。ここで、音響光学素子23は一種のスイッチング
素子であり、これがスイッチオンされると、超音波を加
えて光軸を歪ませることにより入射光(レーザビーム)
の大部分を使用不能な光となすことができる。つまり、
この音響光学素子23は、レーザ加工を行っている間は
オフ状態に保たれてレーザビームをそのまま通過させる
が、レーザ加工を一時中断させたいときにはオフ状態へ
の切換えが行われるようになっている。
【0023】さて、第1の位相差板25から出射された
円偏光のレーザビームは、拡散防止レンズ26を経て反
射ミラー27で反射された後、第1のビームスプリッタ
28へ入射されて2方向へ向かう直線偏光に分割され、
これにより、複数個所を同時にレーザ加工できる2本の
分割ビームが得られる。ただし、薄膜精密化工のような
微細な加工を行うためには、第1のビームスプリッタ2
8から出射される各分割ビームのパワー(エネルギーレ
ベル)を同等に設定しておかなければならないが、実際
には各部材の取付誤差等により2本の分割ビーム(直線
偏光)のパワーには若干のばらつきが生じやすい。そこ
で本実施例では、第1の位相差板25を光路中に回動可
能に設置し、この位相差板25を適宜回動させることに
より、2本の分割ビームのパワー調整が容易に行えるよ
うになっている。
【0024】第1のビームスプリッタ28から出射され
た一方の分割ビームは、反射ミラー29を経た後、光フ
ァイバ43を通過してから、回動可能な第2の位相差板
30に入射されて再び円偏光に変換され、この円偏光は
円筒レンズ31を経て長円形に拡大された後、第2のビ
ームスプリッタ35に入射されて、2方向へ向かう直線
偏光に分割される。同様に、第1のビームスプリッタ2
8から出射された他方の分割ビームは、反射ミラー32
を経た後、光ファイバ44を通過してから、回動可能な
第3の位相差板33に入射されて再び円偏光に変換さ
れ、この円偏光は円筒レンズ34を経て長円形に拡大さ
れた後、第2のビームスプリッタ35に入射されて、2
方向へ向かう直線偏光に分割される。すなわち、レーザ
発振器5から出射された1本のレーザビームが、所定の
光路を経て第2のビームスプリッタ35から出射される
ときには計4本のレーザビームに分割されることとな
り、ここでも第2および第3の位相差板30,33を適
宜回動させることにより、これら4本の分割ビームのパ
ワー調整が容易に行えるようになっている。
【0025】なお、第1および第2のビームスプリッタ
28,35として、本実施例では、2つのプリズム体を
接着させたタイプのものを用いているが、ガラス平板の
片面に反射層を設けたタイプのビームスプリッタを用い
てもよい。
【0026】また、上述した光路中で第2および第3の
位相差板30,33の前に設置されている光ファイバ4
3,44は、石英材料を反射膜で被覆して構成される公
知のもので、該反射膜で反射されながら伝送されるレー
ザビームはシングルモードがマルチモードに変換された
状態で出射されるので、各光ファイバ43,44へ入射
されたレーザビームの光軸まわりのエネルギー分布曲線
は、図9に符号L1で示すマルチモードのトップハット
形に変換された状態、換言するなら光軸を中心とする高
エネルギー領域の面積を拡大させた状態で出射されるこ
とになる。
【0027】こうして第2のビームスプリッタ35から
4本の分割ビームが出射されると、これらの分割ビーム
はアパーチャ36を通過してから、収束レンズ37や結
像レンズ38等を経た後、光路の先端部に位置する対物
レンズ39に入射され、この対物レンズ39から加工面
Aに向けて、互いに平行な4本の分割ビームがスポット
状に照射されるようになっている。ただし、実際には、
もう1台のレーザ発振器5から出射されたレーザビーム
も、その光路の先端部に位置する対物レンズから4本の
分割ビームとなって加工面に照射されるので、結局、本
実施例では、加工面に配置される被加工物に対して計8
本の分割ビームがスポット状に照射されて、複数個所の
レーザ加工が同時に行えるようになっている。
【0028】なお、アパーチャ36の4個所には、各分
割ビームを通過させるための長方形状の光透過孔36a
が並設してあり、各分割ビームがその光路中に開口して
いる光透過孔36aを通過すると、ビーム形状は高速加
工に好適な長方形状に成形されることとなる。そして、
このアパーチャ36に入射される分割ビームは、光ファ
イバ43または44を通過したマルチモードのレーザビ
ームなので、このレーザビームの光軸と、その光路中に
開口している光透過孔36aの中心とが極端な位置ずれ
を起こしていない限り、アパーチャ36を通過してビー
ム形状が成形されるのは該レーザビームの高エネルギー
部分のみであり、不要な低エネルギー部分が対物レンズ
39へ導かれる心配はない。つまり、図9に示すよう
に、アパーチャ36に入射されるレーザビームの光軸
(横軸座標が0の位置)が、その光路中に開口している
幅寸法wの光透過孔36aの中心(一点鎖線Cの横軸座
標)に対して若干ずれている場合、仮に光軸まわりのエ
ネルギー分布曲線が正規分布のガウシアン形(破線L
2)になっているとすると、レーザビームは低エネルギ
ー部分もアパーチャ36を通過することになるので、こ
の低エネルギー部分が加工面Aに照射されてそこだけレ
ーザ加工が良好に行えず、例えばトリミング幅の寸法誤
差やばらつきといった加工不良が招来されることにな
る。しかるに、本実施例では、アパーチャ36に入射さ
れるレーザビームの光軸まわりのエネルギー分布曲線が
トップハット形(実線L1)なので、その光軸が光透過
孔36aの中心に対して若干ずれていても、レーザビー
ムの低エネルギー部分がアパーチャ36を通過すること
はなく、それゆえ、対物レンズ39から出射されるビー
ムスポットS(図8参照)を、光軸まわりの光エネルギ
ーの分布がほぼ均一なレーザ光に設定することができ
て、加工形状の寸法誤差が極めて少なくなっている。
【0029】図8は、上述した光路の先端部に位置する
対物レンズ39を含むビーム照射部40を示しており、
ここには、ビームスポットSを包囲する漏斗状のノズル
41のほかに、このノズル41と対物レンズ39との間
に圧縮空気を吹き出すエアー送出部40aと、ノズル4
1の先端近傍の空気を強制的に吸い込むエアー吸引部4
0bとが設けてあり、ノズル41の円錐面状の内壁面に
沿って上方から下方へ圧縮空気の流れ(図8中の矢印)
が形成されるように構成してある。すなわち、本実施例
では、レーザ加工時に発生する煙の多くをエアー吸引部
40bにて吸い込んで排出経路へ導くことにより、金属
成分等を含有するその煙が周辺の作業者の健康に悪影響
を及ぼさないように配慮してある。また、煙の一部がノ
ズル41の内部へ侵入したとしても、その煙は圧縮空気
の流れによって速やかにノズル41の下部から外部へと
排出されて、エアー吸引部40bに吸い込まれるように
なっているので、ビームスポットSや対物レンズ39に
煙の悪影響が及ぶ可能性も極めて少ない。
【0030】さて、このようなレーザ加工機を使用し
て、本実施例では、液晶表示素子の製造過程におけるカ
ラーフィルタのトリミング加工を行い、周囲を遮光膜に
て囲まれた所望のカラーフィルタを形成した。
【0031】かかる製造技術について述べると、まず、
図10(a)に示すように、ガラス基板等の透明基板5
0の片面に、ITOをパターニングすることにより、一
定のピッチ間隔で一方向に延びる多数本の透明電極51
を形成する。次いで、図10(b)に示すように、各透
明電極51上に、電着法や印刷法等の手法により、R
(赤)、G(緑)、B(青)のカラーフィルタ52を所
定の配列で積層する。ちなみに、図10(b)の例で
は、R,G,B,R,G,B,R……の順にカラーフィ
ルタ52が積層されている。そして、積層後、約250
℃で焼成してカラーフィルタ52を固化する。
【0032】しかる後、透明基板50を前記XYテーブ
ル2の吸着テーブル9上に搭載し、このXYテーブル2
を制御しながら、カラーフィルタ52の長手方向と直交
する方向に一定のピッチ間隔で8本の分割ビームを照射
することにより、R,G,Bのカラーフィルタ52を部
分的に除去するというレーザトリミング加工を行い、こ
れにより図10(c)に示すように、遮光膜が未形成で
はあるが所定の配置に並んだカラーフィルタ52が得ら
れる。なお、かかるカラーフィルタ52のレーザトリミ
ング加工を模式的に示す図11において、吸着テーブル
9上の透明基板50は同図の紙面直交方向に移送され、
その移動に伴い、対物レンズ39から照射されるビーム
スポットSがカラーフィルタ52の不要部分を除去して
いく。
【0033】そして、カラーフィルタ52の不要部分を
除去したなら、透明基板50のカラーフィルタ形成面に
ブラックレジストを塗布して乾燥させた後、他面側から
露光用光を照射し、露光後に現像処理して未露光の前記
ブラックレジストを除去することにより、図10(d)
に示すように、カラーフィルタ52の周囲の間隙部分に
遮光膜53を形成した。
【0034】このようにしてカラーフィルタ52や遮光
膜53を形成するという本実施例の製造技術において
は、前述したようにレーザビームの光路中に配設した位
相差板25,30,33等を適宜回動させることによ
り、複数本の分割ビームのパワーにばらつきが生じない
ように調整できるので、図11に示すように、透明電極
51上のカラーフィルタ52のみを除去するために必要
な所定のビームパワーを各分割ビームに過不足なく付与
することが容易であり、それゆえ、複数本(具体的には
8本)の分割ビームを複数個所に同時に照射することに
よって、カラーフィルタ52のレーザトリミング加工を
効率良く行うことができて、加工時間が大幅に短縮でき
る。また、本実施例では前述したように、アパーチャ3
6に入射されるレーザビームの光軸まわりのエネルギー
分布曲線をトップハット形にして、その低エネルギー部
分が該アパーチャ36を通過しないように工夫してある
ので、対物レンズ39から出射されるビームスポットS
を光軸まわりの光エネルギーの分布がほぼ均一なレーザ
光に設定することができ、よってカラーフィルタ52の
トリミング幅に寸法誤差やばらつきが少ない高精度なレ
ーザ加工が行えるようになっている。さらにまた、本実
施例では、レーザ加工時に発生する煙が拡散しないよう
に、ビームスポットSの近傍にエアー送出部40aとエ
アー吸引部40bとが設けてあるので、除去されたカラ
ーフィルタ52の金属成分を含有するこの煙が、ビーム
スポットSのパワーを低下させたり周辺の作業者の健康
に悪影響を及ぼす心配がなく、よって信頼性や安全性が
良好なレーザトリミング加工が行えるようになってい
る。
【0035】なお、本実施例のように透明電極51を残
してカラーフィルタ52のみを除去すると、その後に行
われる洗浄工程やラビング処理工程において静電気の帯
電が起こりにくくなるので、静電気に起因する液晶表示
素子の表示むらや配向膜の損傷等が回避できるという利
点がある。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によるレー
ザ加工機は、光学系の対物レンズから出射されるビーム
スポットの近傍にエアー吸引部やエアー送出部を設ける
ことにより、レーザ加工時に発生する煙を強制的に吸い
込むというものなので、この煙がビームスポット中を漂
ったり対物レンズに付着して起こるレーザ光のパワー低
下を回避することができて、信頼性が高まるという優れ
た効果を奏し、また、金属成分等を含有するこの煙が拡
散したときに懸念される人体への悪影響を回避すること
ができて、安全性が高まるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例に係るレーザ加工機に組み込んだXY
テーブルの正面図である。
【図2】一部を図示省略した該XYテーブルの側面図で
ある。
【図3】該XYテーブルを含むレーザ加工機の全体側面
図である。
【図4】該レーザ加工機を覆う安全カバーの図3に対応
する個所の側面図である。
【図5】該レーザ加工機でレーザビームの光路に配設さ
れている光学系のレイアウトを示す説明図である。
【図6】該レーザ加工機のレーザ発振器を示す説明図で
ある。
【図7】図6に示すレーザ発振器に消磁カバーを取り付
けた状態を示す平面図である。
【図8】該レーザ加工機のビーム照射部を示す説明図で
ある。
【図9】図5に示す光学系で光ファイバから出射される
レーザビームの光軸まわりのエネルギー分布を示す特性
図である。
【図10】該レーザ加工機を用いてカラーフィルタのト
リミング加工を行う液晶表示素子の製造方法を示す工程
説明図である。
【図11】図10に示す製造過程においてカラーフィル
タをレーザトリミングする工程を示す説明図である。
【符号の説明】
1 加工機本体 2 XYテーブル 3 定盤(ベース盤) 5 レーザ発振器 9 吸着テーブル 10 Xテーブル 12 X軸リニアモータ 14 Yテーブル 17 Y軸リニアモータ 39 対物レンズ 40a エアー送出部 40b エアー吸引部 41 ノズル 50 透明基板 51 透明電極 52 カラーフィルタ S ビームスポット

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザビームを発振するレーザ発振器
    と、前記レーザビームを所定の光路に沿って導く光学系
    とを備え、この光学系の先端部の対物レンズから被加工
    物に向けて前記レーザビームをスポット状に照射するレ
    ーザ加工機であって、前記対物レンズから出射される前
    記ビームスポットの近傍に、レーザビームの照射によっ
    て前記被加工物から発生する煙を強制的に吸い込む吸引
    部を設けたことを特徴とするレーザ加工機。
  2. 【請求項2】 前記ビームスポットを包囲する位置にノ
    ズルを設け、該ノズルと前記対物レンズとの間に圧縮空
    気を吹き出すエアー送出部を設けるとともに、前記ノズ
    ルの先端近傍に前記吸引部の吸引口を設け、前記ノズル
    の内壁面に沿って前記圧縮空気の流れが形成して圧縮空
    気と一緒に前記煙を前記吸引口から吸引するように構成
    したことを特徴とする請求項1記載のレーザ加工機。
JP7295656A 1995-11-14 1995-11-14 レーザ加工機 Pending JPH09141481A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004153171A (ja) * 2002-10-31 2004-05-27 Sony Corp 透明導電膜のパターニング方法
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