JP2009028762A - レーザ加工用集塵装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】レーザ加工用集塵装置(V)は、吸引装置と、吸引装置に通じておりレーザ光が通る吸引口(40)を有する吸引体(4)と、吸引体(4)の内部に設けられている除塵装置(5)とを備えている。除塵装置(5)にはレーザ光が通る除塵室(54)が設けられ、除塵室(54)は、レーザ光が透過可能で光学系(1)により射出されるレーザ光が通る光路を気密に塞ぐことができる光学素子(52)と、除塵室(54)内に圧縮気体を供給する給気路(55)と、レーザ光が通り吸引体(4)の吸引口(40)の近傍に位置して開口している排気口(540)及び圧縮気体を誘導して光学素子(52)の表面に沿って流れるようにする誘導排気口(542)を備えている。
【選択図】図1
Description
レーザ光路を形成する光学素子が塵によって汚染されると、光学素子によるレーザ光の吸収が生じ、レーザ光の安定した伝送が阻害されるとともに、光学素子に損傷を与えてしまうことになる。また、それが原因となって基板の加工品質が低下してしまう。
特許文献1記載の「集塵ダクト装置」は、被加工物を設置する加工エリアを有する加工テーブルと、加工エリア内で発生する塵を集塵ダクトで吸引する集塵機とを備えており、加工エリアと集塵ダクトの吸引口との距離を10mmを超え100mm以下に設定し、加工テーブルとその上方の集塵ダクトとの距離を5mmを超え10mm以下に設定し、集塵ダクトの吸引口と集塵機ホースの断面積を等しくして、効率の良い安定した吸引を行うことができるというものである。
すなわち、集塵ダクト装置のように、加工点で発生する塵を加工点の横に設けた集塵ダクトにより横方向へ吸引する構造では、加工点から時には弾けるように強く、しかも放射状に飛散する塵のうち、集塵ダクトと遠い側の塵はどうしても吸引されにくいため、実用性に課題がある。
また、加工点の横に設けた集塵ダクトが向けられている構造では、加工される基板上に様々な素子、部品が設けられている場合は、それらが邪魔になって集塵ダクトの位置設定が困難になる課題もあった。
本発明は、
吸引装置と、
中空体であり、レーザ光が通る吸引口を有する吸引体と、
吸引体の内部に、吸引体内壁との間に吸引装置に通じる搬送空間部を形成して設けられている除塵装置と、
を備えており、
除塵装置には、レーザ光が通る除塵室が設けられ、
除塵室は、
レーザ光が透過可能で、光学系により射出されるレーザ光が通る光路を気密に塞ぐことができる光学素子と、
除塵室内の気圧を高めるための圧縮気体供給手段と、
レーザ光が通り、前記吸引体の吸引口の近傍に位置して開口している排気口と、
を備えている、
レーザ加工用集塵装置である。
除塵室が、圧縮気体供給手段により供給される圧縮気体を誘導して光学素子の表面に沿って流れるようにする誘導排気口を備えているのがより好ましい。
光学素子が着脱可能に装着されているのがより好ましい。
光学素子が着脱可能に装着されており、光学素子と光学系の間に、レーザ光が透過可能で、光学系により射出されるレーザ光が通る光路を常に気密に塞ぐための隔離用光学素子を備えているのがより好ましい。
光学素子が着脱可能に装着されており、光学素子の装着時の向きを変えることによって、光学素子におけるレーザ光の透過点の位置を変える手段を備えているのがより好ましい。
除塵室の排気口の排出側が、吸引体の吸引口側または被加工体側へ向けテーパー状に拡大するように設けられているのがより好ましい。
吸引装置に通じる搬送空間部を有する中空の吸引体の内部に設けられ、レーザ光が通る光路を気密に塞ぐ光学素子に通じる除塵室の内部の気圧を搬送空間部より高くし、加工点において発生し吸引体で吸引された塵を搬送空間部に通して集塵を行う、
レーザ加工における集塵方法である。
本発明に係るレーザ加工用集塵装置の作用を説明する。なお、ここでは、説明で使用する各構成要件に、後述する実施の形態において各部に付与した符号を対応させて付与するが、この符号は、特許請求の範囲の各請求項に記載した符号と同様に、あくまで内容の理解を容易にするためであって、各構成要件の意味を上記各部に限定するものではない。
前記レーザ光は、レーザ加工用集塵装置の光学素子(52)を透過し、除塵室(54)及び排気口(540)を通り、加工点(60)へ向け照射されている。そして、前記加工と並行して、レーザ加工用集塵装置によって加工点(60)で発生している塵の集塵が行われる。
これにより、吸引体(4)から加工点(60)近傍の雰囲気が加工に伴い発生している塵と共に吸引される。吸引体(4)は、加工点(60)の上方に所要間隔を開けて位置しており、加工点(60)から放射状に飛散する塵全体のほぼ中心部(平面視)で吸引するので、塵全体をムラなく吸引することができる。
また、除塵室(54)から排気口(540)を通り排出される圧縮気体は、排気口(540)を出るとすぐに吸引体(4)内へ取り込まれるので、例えば圧縮気体が吸引体(4)を逆流して吸引体(4)の外部へ排出され、加工点(60)近傍の雰囲気の負圧を乱す等して塵の飛散を助長することも防止される。
これにより、飛散した塵が基板表面に付着して汚染されることを防止できるので、基板等の加工品質を安定させることができる。
〔実施の形態〕
図2は図1のA−A断面図及びA−A断面の気体の圧力分布を示す説明図、
図3は図1のB−B断面図及びB−B断面の気体の圧力分布を示す説明図、
図4は図1のC−C断面図及びC−C断面の気体の圧力分布を示す説明図、
図5は図1のD−D断面図及びD−D断面の気体の圧力分布を示す説明図、
図6は図1のE−E断面図及びE−E断面の気体の圧力分布を示す説明図である。
なお、符号31は有機樹脂製で円環状のパッキンであり、パッキン31を円環板状の固定部材32により上面側から押さえて隔離用光学素子30の取付境界部の気密性を高めている。
また、吸引体4の上端寄りには、吸引装置(図示省略)に通じる吸引管41が接続されている。この構造により、吸引口40から吸い込まれた気体は、吸引体4内の搬送空間部43を通り吸引管41から吸引装置へ入る。
スペーサ50は短い円筒形状であり、上部側が前記取付部材3との間で気密に設けられている。スペーサ50の下端には、ホルダ51が設けられている。ホルダ51は、前記着脱板53の抜き差し、及び固定が可能な空間部510を有している。
なお、前記光学系1でつくられて射出されるレーザ光の光軸は、光学素子52を通るようになってはいるが、着脱板53に対してはその中心からややずらしてある。これにより、着脱板53を差し替えるときに着脱板53を周方向へ回して装着時の向きを変えれば、光学素子52におけるレーザ光の透過点の位置を変えることができる。
図1ないし図6を参照し、レーザ加工用集塵装置Vの作用を説明する。本実施の形態では、薄膜が形成された基板6に光学系1により射出されるレーザ光を集光し照射して薄膜の一部を除去する加工での作用を説明する。
そして、レーザ加工用集塵装置Vの吸引装置を作動させて吸引体4内に負圧を発生させる。これにより、吸引体4の吸引口40から吸引口40の周りの雰囲気が吸気される。
さらには、除塵室54から排気口540を通り排出される圧縮気体は、前記のように排気口540を出るとすぐに吸引体4内へ取り込まれるので、吸引体4先端側の負圧環境を維持することができる(図6参照)。
これにより、例えば圧縮気体が吸引体4の外部へ排出され、加工点60近傍の雰囲気の負圧を乱したりして塵の飛散を助長することを防止できる。
図2に示すように断面A−Aにおいて、図において右側の搬送空間部43は比較的強い負圧を示している。また、左側の搬送空間部43も右側の搬送空間部43とほぼ同等の負圧を示している。除塵室54内と、左側の搬送空間部43につながる誘導排気口542にかけては、左側の搬送空間部43の負圧の影響が出て、搬送空間部43よりやや弱い負圧を示している。
1 光学系
10 レンズ
2 構造体
20 底板
21 射出口
3 取付部材
30 隔離用光学素子
31 パッキン
32 固定部材
4 吸引体
40 吸引口
41 吸引管
42 扉
43 搬送空間部
5 除塵装置
50 スペーサ
51 ホルダ
510 空間部
511 通孔
512 装着口
52 光学素子
53 着脱板
54 除塵室
540 排気口
541 壁部
542 誘導排気口
543 縮小面
544 拡大面
55 給気路
550 給気管
551 給気スリット
6 基板
60 加工点
Claims (7)
- 吸引装置と、
中空体であり、レーザ光が通る吸引口(40)を有する吸引体(4)と、
吸引体(4)の内部に、吸引体(4)内壁との間に吸引装置に通じる搬送空間部(43)を形成して設けられている除塵装置(5)と、
を備えており、
除塵装置(5)には、レーザ光が通る除塵室(54)が設けられ、
除塵室(54)は、
レーザ光が透過可能で、光学系(1)により射出されるレーザ光が通る光路を気密に塞ぐことができる光学素子(52)と、
除塵室(54)内の気圧を高めるための圧縮気体供給手段(55,550,551)と、
レーザ光が通り、前記吸引体(4)の吸引口(40)の近傍に位置して開口している排気口(540)と、
を備えている、
レーザ加工用集塵装置。 - 除塵室(54)が、圧縮気体供給手段(55,550,551)により供給される圧縮気体を誘導して光学素子(52)の表面に沿って流れるようにする誘導排気口(542)を備えている、
請求項1のレーザ加工用集塵装置。 - 光学素子(52)が着脱可能に装着されている、
請求項1のレーザ加工用集塵装置。 - 光学素子(52)が着脱可能に装着されており、光学素子(52)と光学系(1)の間に、レーザ光が透過可能で、光学系(1)により射出されるレーザ光が通る光路を常に気密に塞ぐための隔離用光学素子(30)を備えている、
請求項1のレーザ加工用集塵装置。 - 光学素子(52)が着脱可能に装着されており、光学素子(52)の装着時の向きを変えることによって、光学素子(52)におけるレーザ光の透過点の位置を変える手段を備えている、
請求項1のレーザ加工用集塵装置。 - 除塵室(54)の排気口(540)の排出側が、吸引体(4)の吸引口(540)側または被加工体側へ向けテーパー状に拡大するように設けられている、
請求項1のレーザ加工用集塵装置。 - 吸引装置に通じる搬送空間部(43)を有する中空の吸引体(4)の内部に設けられ、レーザ光が通る光路を気密に塞ぐ光学素子(52)に通じる除塵室(54)の内部の気圧を搬送空間部(43)より高くし、加工点において発生し吸引体(4)で吸引された塵を搬送空間部(43)に通して集塵を行う、
レーザ加工における集塵方法。
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